JP2019099644A - 難燃組成物と、難燃層および難燃複合材の製造方法 - Google Patents

難燃組成物と、難燃層および難燃複合材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】接着性、形状維持性および難燃性のいずれにも優れる難燃組成物と、難燃層および難燃複合材の製造方法を提供すること。【解決手段】難燃組成物は、無機フィラーと、シリコーンバインダーとを含有する。安息角が、32度以上である。燃焼総熱量が、2.2MJ/kg以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、難燃組成物と、難燃層および難燃複合材の製造方法とに関し、詳しくは、難燃組成物と、難燃層の製造方法と、難燃複合体の製造方法とに関する。
従来より、シリコーン樹脂を含有する難燃組成物が、種々の難燃用途に用いられることが知られている。
例えば、オルガノポリシロキサン100重量部と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン0.1〜40重量部と、酸化鉄、酸化セリウム及び酸化チタンから選択される1種又は2種以上の燃焼抑制剤25〜250重量部とを含有するシリコーン接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、シリコーン接着剤組成物で板を接着して構造体を製造している。
特開平11−106735号公報
近年、難燃組成物には、より優れた難燃性が求められており、具体的には、ユーロクラスA1を満足するような高度な難燃性(より具体的には、不燃性)が求められる。
さらに、難燃組成物には、用途および目的に応じて、優れた接着性(板に対する接着性)および形状維持性も求められる。
しかし、シリコーン接着剤組成物では、燃焼抑制剤の割合を高くし、シリコーン成分(オルガノポリシロキサンおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサン)の割合を低くすれば、難燃性が向上する一方、形状維持性および接着性が低下する。逆に、燃焼抑制剤の割合を低くし、シリコーン成分の割合を高くすれば、難燃性が低下する。つまり、特許文献1に記載のシリコーン接着剤組成物では、形状維持性および接着性と、難燃性とは、互いに背反する。
しかし、各成分の割合が同じであっても、各成分の種類や配合方法などによって、形状維持性、難燃性および接着性が変動する場合がある。
そこで、本願発明者らは、接着性、難燃性および形状維持性のいずれにも優れる難燃組成物を検討した結果、難燃組成物の安息角を、かかる難燃組成物から得られる難燃複合材の接着性の指標および形状維持性の指標とすることにより、難燃複合材の接着性および形状維持性の両方が正確に評価されることを見出した。
本発明(1)は、無機フィラーと、シリコーンバインダーとを含有し、安息角が、32度以上であり、燃焼総熱量が、2.2MJ/kg以下である、難燃組成物を含む。
本発明(2)は、前記無機フィラーが、高温分解フィラーと、低温分解フィラーとを含有する、(1)に記載の難燃組成物を含む。
本発明(3)は、前記高温分解フィラーの平均粒子径は、40μm以上、1000μm以下である、(2)に記載の難燃組成物を含む。
本発明(4)は、前記無機フィラーの難燃組成物における含有割合は、80質量%以上、99質量%以下である、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の難燃組成物を含む。
本発明(5)は、前記シリコーンバインダーの難燃組成物における含有割合は、1質量%以上、20質量%以下である、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の難燃組成物を含む。
本発明(6)は、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の難燃組成物を調製する工程、および、前記難燃組成物からなる難燃層を調製する工程を備える、難燃層の製造方法を含む。
本発明(7)は、(1)〜5のいずれか一項に記載の難燃組成物を調製する工程、および、前記難燃組成物からなる難燃層を、他部材の表面に配置する工程を備える、難燃複合材の製造方法を含む。
本発明(8)は、前記難燃層と他部材との接着強度が、5.0kgf/25mm以上である、(7)に記載の難燃複合材の製造方法を含む。
本発明(9)は、前記他部材がアルミニウムである、(8)に記載の難燃複合体の製造方法を含む。
本発明の難燃組成物は、安息角が32度以上であるので、これを指標として、優れた接着性および形状維持性を満たし、さらに燃焼総熱量が2.2MJ/kg以下であるので、優れた難燃性を達成することができる。
本発明の難燃層の製造方法は、上記した難燃組成物を調製し、難燃組成物からなる難燃層を調製するので、接着性、形状維持性および難燃性のいずれにも優れる難燃層を製造することができる。
本発明の難燃複合材の製造方法は、上記した難燃組成物からなる難燃層を、金属層の表面に配置するので、接着性、形状維持性および難燃性のいずれにも優れる難燃複合材を製造することができる。
図1は、本発明の難燃組成物の安息角を測定する方法を説明する図である。 図2は、本発明の難燃組成物からなる難燃層を備える難燃複合材の一実施形態の断面図を示す。
[難燃組成物]
本発明の難燃組成物は、無機フィラーと、シリコーンバインダーとを含有する。
無機フィラーは、難燃組成物に難燃性(不燃性を含む。以下同様。)を付与する無機難燃成分である。無機フィラーとしては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH)、および、Al・nHOの両方を含む)、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの水酸化物(水和金属水酸化物を含む)、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩(具体的には、金属酸炭酸塩)、例えば、塩基性硫酸マグネシウム(MgSO・5Mg(OH)・3HO)、硫酸カルシウムなどの硫酸塩、例えば、リン酸マグネシウムなどのリン酸塩、例えば、酸化鉄(例えば、酸化鉄(II)(FeO)、酸化鉄(III)(Fe)、四酸化三鉄(Fe)などのFeO)、シリカなどの酸化物、さらには、例えば、ガラス、タルク、カオリン、クレー、マイカ、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。無機フィラーとして、好ましくは、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ガラスが挙げられる。
無機フィラーは、単独使用または2種以上併用することができる。
無機フィラーとしては、熱分解温度(例えば、1000℃以下の温度での熱分解性)を有する熱分解型フィラーと、1000℃以下の温度で熱分解温度を有さない(熱分解しない)非熱分解型フィラーとが挙げられる。
熱分解型フィラーは、熱分解温度によって類別することができ、具体的には、例えば、低温分解フィラー、高温分解フィラーが挙げられる。
低温分解フィラーは、その熱分解温度が相対的に低く、具体的には、熱分解温度が、例えば、350℃以下、好ましくは、325℃以下であり、また、例えば、250℃以上である。なお、熱分解温度は、例えば、熱量測定(TGA)、示差熱・熱量測定(TG−DTA)などによって測定される。なお、熱分解温度が複数存在する場合には、最も低い熱分解温度を本発明における熱分解温度と定義する。熱分解温度の測定方法および定義は、次に説明する高温分解フィラーについても同様である。
低温分解フィラーの熱分解温度における分解は、吸熱反応である。そのため、低温分解フィラーは、相対的に低温側における吸熱効果を目的として、難燃組成物に含有される。低温分解フィラーとして、上記で例示した無機フィラーのうち、例えば、水酸化アルミニウム(熱分解温度約250〜300℃)、塩基性硫酸マグネシウム(熱分解温度280〜300℃)が類別される。
高温分解フィラーは、その熱分解温度が低温分解フィラーに比べて高い。高温分解フィラーの熱分解温度は、例えば、350℃超過、好ましくは、375℃以上であり、また、例えば、500℃以下ある。高温分解フィラーの熱分解温度は、シリコーンの熱分解温度(約450℃)に近い。
高温分解フィラーの熱分解温度における分解も、吸熱反応である。そのため、高温分解フィラーは、相対的に高温側、より具体的には、シリコーンバインダーの熱分解温度(約450℃)に近い高温側における吸熱効果を目的として難燃組成物に含有される。換言すれば、高温分解フィラーは、シリコーンバインダーの熱分解温度に相当する熱分解温度を有していることから、シリコーンバインダーの分解時における吸熱効果を目的として無機フィラーに含有される。高温分解フィラーとして、上記で例示した無機フィラーのうち、例えば、炭酸カルシウム(熱分解温度約400℃)が類別される。
熱分解型フィラーとして、低温分解フィラーの単独使用、高温分解フィラーの単独使用、低温分解フィラーおよび高温分解フィラーの併用などが挙げられ、好ましくは、低温分解フィラーおよび高温分解フィラーの併用が挙げられる。より好ましくは、水酸化アルミニウムおよび炭酸カルシウムの併用、または、塩基性硫酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムの併用、さらには、水酸化アルミニウム、塩基性硫酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムの併用が挙げられる。
低温分解フィラーおよび高温分解フィラーの併用であれば、シリコーンバインダーが分解するまでの広い温度範囲において、吸熱効果を奏することができる。具体的には、上記した温度範囲における低温(例えば、350℃以下)側では、低温分解フィラーの分解反応に基づく吸熱により、難燃性を高めることができ、高温(例えば、350℃超過)側では、高温分解フィラーの分解反応に基づく吸熱により、難燃性を高めることができる。従って、低温から高温(シリコーンバインダーの熱分解温度に近い温度)にわたって、高い難燃性を確保することができる。
非熱分解型フィラーとして、酸化鉄、ガラスなどが挙げられる。
無機フィラーの形状は、特に限定されず、例えば、無定形状、板状、針状(繊維状を含む)、球状などが挙げられる。好ましくは、無定形状の単独使用、好ましくは、無定形状および針状の併用が挙げられる。また、無機フィラーは、内部が緻密である緻密質タイプでもよく、あるいは、内部に空間を有するバルーンタイプであってもよい。
無機フィラーの大きさは、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上、より好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、40μm以上であり、また、例えば、5000μm以下、好ましくは、2500μm以下、より好ましくは、1000μm以下である。無機フィラーの大きさが上記した下限以上(好ましくは、高温分解フィラーの平均粒子径が、40μm以上、1000μm以下)であれば、比較的大きい無機フィラー(好ましくは、高温分解フィラー)を安価に用いて、難燃組成物を調製することができ、難燃組成物の製造コストを低減することができる。一方、無機フィラーの大きさが上記した上限以下であれば、シリコーンバインダー量が少なくても接着性を維持することができるため好ましい。
なお、無機フィラーの大きさは、通常、平均粒子径で定義され、また、無機フィラーが繊維状であれば、平均繊維長として定義される。
また、大きさが異なる高温分解フィラーを併用することができ、例えば、第1の平均粒子径を有する第1フィラーと、第1の平均粒子径に比べて小さい第2の平均粒子径を有する第2フィラーとを併用することができる。第2の平均粒子径は、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上であり、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、100μm以下である。第1の平均粒子径は、例えば、20μm未満、好ましくは、10μm以下であり、また、例えば、1μm以上、好ましくは、5μm以上である。
なお、無機フィラーは、その一部(例えば、酸化鉄など)が、シリコーン系組成物(後述)に含有されていてもよい。
無機フィラーの平均粒子径は、JIS M?8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から計算した値をいう。測定機器としては、島津製作所社製の比表面積測定装置SS?100型を用いるのが好ましい。
無機フィラーの難燃組成物における含有割合は、特に限定されず、例えば、80質量%以上、好ましくは、90質量%以上であり、また、例えば、99質量%以下、好ましくは、97.5質量%以下である。無機フィラーの含有割合は、例えば、不燃性試験における残渣量に基づいて定量することができる。
無機フィラーが、低温分解フィラーおよび高温分解フィラーの両方を含有する場合には、低温分解フィラーの割合は、高温分解フィラー100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、100質量部未満、好ましくは、70質量部以下である。
大きさが異なる高温分解フィラーを併用する場合には、第1フィラーの、第1フィラーおよび第2フィラーの総和に対する割合は、例えば、50質量%以上、好ましくは、75質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下である。第2フィラーの、第1フィラーおよび第2フィラーの総和に対する割合は、例えば、50質量%以下、好ましくは、25質量%下であり、また、例えば、10質量%以上である。
無機フィラーが非熱分解型フィラーを含有する場合には、非熱分解型フィラーの割合は、無機フィラーに対して、例えば、1質量%以上、好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下である。
シリコーンバインダーは、無機フィラー同士を接着させて、難燃組成物から所定の形状を有する難燃成形体(例えば、後述する難燃層など)を形成するためのバインダー成分である。また、シリコーンバインダーは、難燃組成物の取扱性(具体的には、成形性あるいは形状維持性)を向上させる一方、他のバインダー(例えば、エポキシバインダーなど)に比べて難燃性に優れる難燃性バインダーである。
シリコーンバインダーは、シリコーン樹脂を含む。シリコーン樹脂は、例えば、主鎖にシロキサン結合(Si−O−Si結合)を含む硬化型シリコーン樹脂(より具体的には、熱硬化型シリコーン樹脂)であって、具体的には、付加反応硬化型シリコーン樹脂、縮合反応硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。シリコーン樹脂は、1液型および2液型のいずれであってもよい。
シリコーン樹脂は、単独使用または併用することができる。
シリコーン樹脂として、好ましくは、ポットライフの観点から、付加反応硬化型シリコーン樹脂が挙げられる。シリコーン樹脂が縮合反応硬化型シリコーン樹脂であれば、難燃組成物から難燃層2を調製して、かかる難燃層2を常温にて金属層3で挟む(囲む)ときに、水分が難燃層2に混入すると、常温でも硬化反応が意図せずに進行するので、ポットライフが短くなる場合がある。これに対して、シリコーン樹脂が付加反応硬化型シリコーン樹脂であれば、上記したような水分の難燃層2への混入があっても、硬化反応は進行しないので、十分なポットライフを確保することができる。従って、付加反応硬化型シリコーン樹脂は、縮合反応硬化型シリコーン樹脂に比べて、好適である。
なお、シリコーンバインダーは、シリコーン樹脂の硬化剤を適宜の割合で含むことができる。
シリコーンバインダーの難燃組成物における含有割合は、特に限定されず、例えば、1質量%以上、好ましくは、2.5質量%以上であり、また、例えば、20質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。なお、シリコーン樹脂の含有割合は、例えば、不燃性試験における残渣量に基づいて定量することができる。
また、難燃組成物は、本発明の効果を阻害しないで、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、難燃助剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、架橋剤、硬化触媒などの添加剤を適宜の割合で含有することもできる。
[難燃組成物の調製]
次に、難燃組成物の調製について説明する。
難燃組成物を調製するには、例えば、まず、無機フィラーと、シリコーンバインダーと、必要により添加剤とを配合する。
その後、各成分を混合する。例えば、無機フィラーがシリコーンバインダー中に良好に分散され(好ましくは、無機フィラーがシリコーンバインダーに十分に絡まり)、かつ、無機フィラーの形状が維持され(換言すれば、形状が変形せず)、および/または、大きさが維持される(換言すれば、小さくならないような)力が、各成分に付与されるような条件で混合する。具体的には、ミキサー、ミルなどによって、過剰な機械剪断力が無機フィラーに与えられないように、各成分を混合する。
これにより、難燃組成物を調製する。
[難燃組成物の物性]
(1)安息角
難燃組成物の安息角αは、32度以上、好ましくは、34度以上である。一方、難燃組成物の安息角αの上限については特に制限はないが、後述する燃焼総熱量を考慮すると、その上限は40度である。
難燃組成物の安息角αが上記した下限を上回るので、難燃組成物における無機フィラーの分散性(無機フィラーのシリコーンバインダーに対する分散性)が向上し、つまり、無機フィラーに対するシリコーンバインダーの絡まりの程度が高くなる。そのため、燃焼時の形状維持性が向上し、他部材に対する接着性も向上する。
安息角αを大きくするにはシリコーンバインダーの含有割合を高くしたり、平均粒子径が小さい無機フィラーを選択したりする。
難燃組成物の安息角αは、次の方法により測定される。
図1に示すように、まず、上面11を有する支持台5と、上下方向に昇降可能な昇降面12を有する昇降台6と、板7とを準備する。
昇降台6としては、例えば、ジャッキが挙げられる。
板7は、難燃組成物の載置面となる測定面13を有するガラス板である。測定面13は、板7の上面である。
次いで、昇降台6を、支持台5の横方向に間隔を隔てて配置する。続いて、板7を、上面11および昇降面12に掛け渡す。続いて、板7の横方向一端部を、上面11に固定するとともに、板7の測定面13が、水平方向に沿うように、昇降面12に配置される板7の横方向他端部の上下方向高さを調節する。つまり、上面11と測定面13との成す角度を0度にする。また、上記角度を測定できる分度器14を上面11の上に配置する。これにより、支持台5と、昇降台6と、板7と、分度器14とを備える安息角測定装置10を準備する。
その後、難燃組成物C(約20g)を、安息角測定装置10の測定面13に盛る。
次いで、昇降台6の昇降面12を上昇させる。これより、分度器14により測定される上記した角度も、増大する。
続いて、難燃組成物Cが測定面13に沿って下方に崩落するまで、昇降面12を上昇させる。そして、難燃組成物Cが崩落したときの、角度を安息角αとする。
(2)難燃性
難燃組成物の燃焼総熱量は、2.2MJ/kg以下である。燃焼総熱量は、ISO 1716に準拠して得られる。燃焼総熱量が上記した上限以下であれば、防火特性を有しやすい。さらに、燃焼総熱量の上限は、好ましくは、2.0MJ/kg、より好ましくは、1.8MJ/kg、さらに好ましくは、1.6MJ/kgである。一方、燃焼総熱量の下限は、より小さい値が好ましい。
燃焼総熱量を小さくするにはシリコーンバインダーの量(シリコーンバインダーの難燃組成物における含有割合)を減らせばよい。
換言すれば、本発明の難燃組成物は、その安息角αが上記した下限以上にあり、燃焼発滅量が上記した上限以下にあれば、無機フィラーおよびシリコーンバインダーのそれぞれの配合割合、形状等に関係なく、優れた形状維持性、優れた接着性および優れた難燃性を発現することができる。
(3)加熱後の形状維持性
難燃組成物の加熱後の形状維持性は、高温燃焼試験、例えば、ISO1182に準拠した加熱炉(750℃)にて加熱することにより評価され、具体的には、加熱後においても、難燃組成物からなる試験体の形状維持が確保される。
[用途]
そして、この難燃組成物は、優れた形状維持性、優れた接着性および優れた難燃性を有することができる。そのため、接着性が必要とされる難燃用途に用いることができる。
[難燃層および難燃複合材]
例えば、図2に示すように、難燃組成物から難燃層(芯材)2を形成(製造)し、かかる難燃層2を金属層(表層材)(他部材の一例)3で囲んだ難燃複合材1として用いることができる。
難燃複合材1は、厚み方向に直交する面方向に延びる板形状を有する難燃複合板である。難燃複合材1は、平坦な上面および平坦な下面を有する。難燃複合材1は、難燃層2と、難燃層2の上面および下面(表面の一例)に配置される2つの金属層3とを備える。つまり、難燃複合材1は、第1の金属層3Aと、難燃層2と、第2の金属層3Bとを厚み方向において順に備える。好ましくは、難燃複合材1は、難燃層2と、2つの金属層3とのみからなる。
難燃層2は、面方向に延びる板形状を有する。また、難燃層2は、難燃複合材1における芯材である。難燃層2の材料は、上記した難燃組成物である。なお、難燃層2を製造する方法は、上記した難燃組成物を調製する工程、および、難燃組成物からなる難燃層2を調製する工程を備える。難燃層2の厚みは、例えば、0.1mm以上、好ましくは、1mm以上であり、また、例えば、100mm以下、好ましくは、10mm以下である。
2つの金属層3のそれぞれは、難燃複合材1の上面および下面のそれぞれを形成する金属板である。2つの金属層3は、厚み方向において難燃層2を挟み込んでいる。また、2つの金属層3は、難燃層2によって互いに接着固定されている。金属層3の材料は、アルミニウム、チタン、鉄、ステンレスなどが挙げられ、好ましくは、難燃複合材1の軽量化を図る観点から、アルミニウムが挙げられる。2つの金属層3のそれぞれの厚みは、例えば、0.1mm以上、好ましくは、0.3mm以上であり、また、例えば、1mm以下、好ましくは、0.5mm以下である。
難燃複合材1の厚みは、難燃層2と、2つの金属層3との厚みの総和であって、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上であり、また、例えば、30mm以下、好ましくは、10mm以下である。
次に、難燃複合材1の製造方法を説明する。難燃複合材1の製造方法は、難燃組成物を調製する工程、および、難燃組成物からなる難燃層を、金属層の表面に配置する工程を備える。
難燃組成物を調製する工程は、上記した[難燃組成物の調製]に従う。
難燃組成物からなる難燃層を、金属層の表面に配置する工程では、例えば、まず、難燃組成物を2つの金属層3で挟み込み、その後、それらを熱プレスする。
具体的には、難燃組成物を、第1の金属層3Aの上面に塗布(配置)し、次いで、第2の金属層3Bを難燃組成物の上に配置して、第1の金属層3A、難燃組成物および第2の金属層3Bを順に備える積層体を作製する。
その後、積層体を、例えば、プレス、ロールなどで、厚み方向に熱プレスする。具体的には、温度が、例えば、常温(20℃)以上、好ましくは、40℃以上で、また、例えば、230℃以下、好ましくは、200℃以下で、また、圧力が、例えば、2MPa以上、また、例えば、10MPa以下で、積層体を熱プレスする。熱プレス時間は、例えば、0.5分以上、また、例えば、30分以下である。
熱プレスによって、シリコーンバインダーが熱硬化型シリコーン樹脂を含有する場合には、熱硬化型シリコーン樹脂が熱硬化する。
これにより、シート形状(または板形状)の難燃層2を、2つの金属層3で挟み込んだ状態で、形成する。
あるいは、まず、難燃組成物から難燃層2を形成し、その後、2つの金属層3で、難燃層2を圧着しながら挟み込むこともできる。
これによって、難燃層2と、それを挟み込む2つの金属層3とを備える難燃複合材1を製造する。
そして、この難燃組成物は、その安息角αが上記した範囲内にあるので、これを指標として、優れた接着性および難燃性を両立することができる。つまり、無機フィラーおよびシリコーンバインダーのそれぞれの配合割合、形状等に関係なく、難燃組成物における無機フィラーの分散性(無機フィラーのシリコーンバインダーに対する分散性)が向上されており、従って、優れた難燃性および接着性の両立を図ることができる。
難燃層3の製造方法は、上記した難燃組成物を調製し、難燃組成物からなる難燃層を調製するので、接着性、形状維持性および難燃性のいずれにも優れる難燃層3を製造することができる。
難燃複合材1の製造方法は、上記した難燃組成物からなる難燃層2を、2つの金属層3で挟み込むので、接着性および難燃性の両方に優れる難燃複合材1を製造することができる。
難燃複合材1において、難燃層2と他部材(金属層3)との接着強度は、5.0kgf/25mm以上、好ましくは、6.0kgf/25mm以上、より好ましくは、7.0kgf/25mm以上である。接着強度が5.0kgf/25mm以上であれば、難燃複合材1として実用性がある接着性を有している。
[変形例]
変形例において、一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
一実施形態では、難燃複合材1は、2つの金属層3を備えるが、図示しないが、この変形例では、1つの金属層3を備えることもできる。
また、一実施形態では、他部材の一例として金属層3(好ましくは、アルミニウム)を挙げているが、この変形例では、例えば、材料が金属以外の層、例えば、セラミック層であってもい。
また、一実施形態では、難燃複合材1は、面方向に延びる板形状を有するが、例えば、図示しないが、棒形状、より具体的には、円柱形状を有することができる。この場合には、難燃層2も、円柱形状を有し、金属層3は、難燃層2が延びる方向および周方向に沿う断面略円環(リング)形状を有することもできる。
また、難燃複合材1は、仮想線で示す塗装層4をさらに備えることもできる。塗装層4は、2つの金属層3のそれぞれの表面に配置される。塗装層4は、公知の塗料から調製され、適宜の厚みを有する。塗装層4によって、金属層3の表面を保護するとともに、難燃複合材1に美観を付与する。
さらに、難燃複合材1において、図示しないが、難燃層2および金属層3の界面に、接着層を設けることもできる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
まず、各実施例および各比較例で用いた原料を以下に示す。
KE106:KE106(付加反応硬化型)およびCAT−RG(硬化剤)の質量比率10:1の混合物(シリコーン系組成物)、燃焼総熱量21MJ/kg、いずれも信越化学工業社製
KE1204A/B:A液およびB液として準備される2液型(付加反応硬化型)であって、シリコーンバインダーおよびその他の無機化合物などを含有、燃焼総熱量10MJ/kg、信越化学工業社製
B−30:水酸化アルミニウム、製品名「B−30」、無定形状の無機フィラー(低温分解フィラー)、平均粒子径55〜75μm、巴工業社製
モスハイジ:塩基性硫酸マグネシウム、製品名「モスハイジ」、繊維状(針状)の無機フィラー(低温分解フィラー)、平均繊維長さ8〜30μm、宇部マテリアルズ社製
白竜砕石1厘:炭酸カルシウム、製品名「白竜砕石1厘」、無定形状の無機フィラー(高温分解フィラー)、平均粒子径400μm、旭鉱末社製
Sタンカル:炭酸カルシウム、製品名「Sタンカル」、無定形状の無機フィラー(高温分解フィラー)、平均粒子径44μm、旭鉱末社製
K−0.7:炭酸カルシウム、製品名「K−0.7」、無定形状の無機フィラー(高温分解フィラー)、平均粒子径8.9μm、旭鉱末社製
レックス1200:ガラスバルーン、製品名「レックス1200」、バルーンタイプの無機フィラー(非熱分解型フィラー)、平均粒子径1200μm、巴工業社製
実施例1
表1に記載の原料を、表1に記載の配合処方に従って、配合して、ヘンシェルミキサーおよびプラストグラフ(ラボプラストミル)で順に混合して、難燃組成物を調製した。
実施例2〜比較例2
実施例1と同様に処理して、難燃組成物を調製した。
(評価)
各実施例および各比較例の難燃組成物について、以下の項目を評価した。その結果を表1に記載する。
(安息角)
図1に示すように、上記した安息角測定装置10を用いて、難燃組成物の安息角αを測定した。
(加熱後の形状維持性)
難燃組成物の加熱後の形状維持性を、高温燃焼試験、例えば、ISO1182に準拠した加熱炉(750℃)にて加熱することにより評価した。
(接着強度)
幅25mmの2枚のアルミニウム板を、第1の金属層3Aおよび第2の金属層3Bとした。
続いて、難燃組成物を、第1の金属層3Aおよび第2の金属層3Bで挟み込み、続いて、温度180℃、時間10分の熱プレスにより、難燃複合材1を製造した。
その後、第1の金属層3Aおよび第2の金属層3Bをそれぞれ長手方向に引っ張る引張試験によって、破断時の引張強度を、難燃層2の接着強度として得た。接着強度が5kgf/25mm以上であれば、実用性があると判断できる。
(燃焼総熱量)
難燃組成物の燃焼総熱量を、ISO 1716に準拠して測定した。
[考察]
表1より、実施例1〜5の難燃組成物は、接着性、形状維持性および難燃性のいずれにも優れることがわかる。
比較例1は、実施例1、2とほぼ同等の接着強度および燃焼総熱量となっているが、加熱後の形状維持性が不良であった。これは難燃組成物の分散性が悪く(安息角が小さく)、難燃成形体において脆い状態になっていることが原因と考えられる。
比較例2は、燃焼総熱量が2.2MJ/kgを超えており、難燃性が不十分であった。
Figure 2019099644
1 難燃複合材
2 難燃層
3 金属層(他部材の一例)
α 安息角
C 難燃組成物

Claims (9)

  1. 無機フィラーと、シリコーンバインダーとを含有し、
    安息角が、32度以上であり、
    燃焼総熱量が、2.2MJ/kg以下であることを特徴とする、難燃組成物。
  2. 前記無機フィラーが、高温分解フィラーと、低温分解フィラーとを含有することを特徴とする、請求項1に記載の難燃組成物。
  3. 前記高温分解フィラーの平均粒子径は、40μm以上、1000μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の難燃組成物。
  4. 前記無機フィラーの難燃組成物における含有割合は、80質量%以上、99質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃組成物。
  5. 前記シリコーンバインダーの難燃組成物における含有割合は、1質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃組成物を調製する工程、および、
    前記難燃組成物からなる難燃層を調製する工程を備えることを特徴とする、難燃層の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃組成物を調製する工程、および、
    前記難燃組成物からなる難燃層を、他部材の表面に配置する工程
    を備えることを特徴とする、難燃複合材の製造方法。
  8. 前記難燃層と他部材との接着強度が、5.0kgf/25mm以上であることを特徴とする、請求項7に記載の難燃複合材の製造方法。
  9. 前記他部材がアルミニウムであることを特徴とする、請求項8に記載の難燃複合体の製造方法。
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