JP2019097512A - 粉粒体状魚節及びその製造方法 - Google Patents

粉粒体状魚節及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】風味の劣化が抑制されると共に、そのまま食した場合、魚節そのものの風味が口内に広がり、雑味は殆ど感じられず、ダシを取る場合にも、溶解性が良好で魚節本来の風味を有し雑味の殆どないダシ汁が得られる粉粒体状魚節及びその製造方法を提供する。【解決手段】粉粒体状魚節は、粉粒体状の魚節であって、粉砕された魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルで覆われている。魚節粉砕物は、目開き10mmの篩を通過するものとすることができ、このような粉粒体状の魚節が、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されているか、又は、粉粒体状の魚節と、乾燥調味料及び/又は乾燥具材とが混合状態で、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されている。粉粒体状魚節の製造方法は、セルロースエーテルをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた液を、魚節粉砕物に接触させた後に乾燥、或いは、魚節粉砕物に接触させながら乾燥する。【選択図】図3

Description

本発明は、粉粒体状魚節及びその製造方法に係り、より詳しくは、一般的な削片状魚節や粉末状魚節に比較して風味の劣化が抑制された粉粒体状魚節及びその製造方法に関する。
鰹節を代表とする魚節は、削片状に削った削り節をそのまま食したり、他の食材にふりかけたり、ダシを取るためなどに使用されている。また魚節を削らずそのまま粗砕、粉砕して使用している場合もある。魚節は、特に削り節や粉末状とした状態では、酸化、吸湿などにより短期間の内に風味の顕著な劣化が生じるため、ガスバリア性及び非透湿性の容器に、不活性ガス(窒素ガス)と共に充填された酸素濃度が低い包装形態で流通している。しかしながら、このような包装形態では、一旦開封すると短期間に魚節の風味が劣化してしまうため、略一回で使い切れるように、少量の魚節を充填した個包装形態とする必要があるという問題がある。
そこで、牛脂硬化油、魚油硬化油などのような油脂類及び/又はカルナウバワックス、ミツロウなどのようなワックス類で被覆した節類粉末とすることで、節類の吸水、酸化によるフレーバーの変質を防止する節類粉末及びその製造方法の提案がある(特許文献1参照)。また、粒径5mm〜15mm程度に粗く粉砕した魚節粉砕物に、還元水あめ、プルランなどの糖類を湯又は水に溶解した液をコーティング、乾燥して、魚節粉砕物の水分、香りを閉じ込める被膜を形成する魚節粉砕物の製造方法の提案がある(特許文献2参照)。また、吸水時にゲルを形成するカラギーナン、寒天、ジェランガム、ペクチン、アルギン酸カルシウムなどの高分子多糖類の乾燥皮膜層により節類の表面が被覆されている節類の顆粒の提案がある(特許文献3参照)。また、魚節を粉砕する際に、粗砕した鰹荒節のような魚節及び/又は焙乾工程時に魚節の表面から剥がれ落ちたもの、本枯節を製造する際に副生する荒節の表面を削ったものなどのような魚節の製造工程中に副生する副産物の抽出液、及び/又は燻液のような香料を魚節に添加して粉砕する魚節粉末の製造方法の提案がある(特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1のような節類粉末では、節類の酸化によるフレーバーの変質を防止することはできたとしても、そのまま食した場合に、口解けが悪く、魚節本来の風味とはかけ離れた雑味の強いものとなり、また、ダシを取る場合にも、溶解性が良好とは言い難く、油滴を生じて魚節本来の風味を有する澄明性が高いダシ汁が得られない。特許文献2のような方法で製造される魚節粉砕物では、そのまま食した場合、甘味があったり、粘ついたりして魚節そのままの風味とは異なる雑味を感じるものとなり、また、ダシを取る場合にも、魚節本来の風味を有する雑味の無いダシ汁が得られない。特許文献3のような節類顆粒では、そのまま食した場合に、口解けが悪く、粘り感があり、魚節本来の風味が弱められてしまい、また、ダシを取る場合にも、溶解性が悪く、魚節の風味が弱いダシ汁となってしまう。特許文献4のような方法で製造される魚節粉末では、魚節抽出液、魚節製造副産物、香料などに含まれる燻煙成分であるフェノール類の含量が高く、酸化を抑制することはできたとしても、そのまま食した場合、魚節そのままの風味とは異なるフェノール臭が強いものとなり、また、ダシを取る場合にも、魚節そのままの風味とは異なるフェノール臭が強いダシ汁となってしまう。
特開平4−218330号公報 特開2002−320443号公報 特開2002−125801号公報 特開2002−281892号公報
かかる状況に鑑みてなされた本発明の目的は、風味(香り、味)の劣化が抑制されると共に、そのまま食した場合、魚節そのものの風味が口内に広がり、雑味は殆ど感じられず、また、ダシを取る場合にも、溶解性が良好で魚節本来の風味を有する雑味の殆どないダシ汁が得られる粉粒体状魚節及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による粉粒体状魚節は、粉粒体状の魚節であって、粉砕された魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルで覆われていることを特徴とする。
このような粉粒体状魚節において、前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一種以上であることができ、また、前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一種以上であることがより好ましい。そして、前記魚節粉砕物が、目開き10mmの篩を通過するものであることが好適であり、また、一種以上の前記粉粒体状の魚節が、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されていることが好ましい。さらには、一種以上の前記粉粒体状の魚節と、乾燥調味料及び/又は乾燥具材とが混合状態で、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されているものであっても良く、また、前記乾燥調味料が、塩、砂糖、粉末酢、粉末醤油、粉末味噌、粉末たん白加水分解物、粉末魚介エキス、粉末畜肉エキス、粉末野菜エキス、粉末酵母エキス、香辛料、うま味調味料から選ばれる一以上であり、前記乾燥具材が、乾燥海藻(昆布、若芽)、乾燥椎茸、乾燥野菜、乾燥豆腐、乾燥果実、乾燥魚介類、乾燥畜肉類、茶葉、ごま、ナッツ類、乾燥香草、のり、あられ、シーズニングから選ばれる一以上であることが好ましい。
本発明による粉粒体状魚節の製造方法は、粉砕された魚節粉砕物の表面をセルロースエーテルで覆うことを特徴とする。
上述の粉粒体状魚節の製造方法において、前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一種以上であることが好ましく、また、前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一種以上であることがより好ましい。そして、前記魚節粉砕物が、目開き10mmの篩を通過するものであることが好適であり、また、前記セルロースエーテルをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた液を、魚節粉砕物に接触させた後に乾燥、或いは、前記魚節粉砕物に接触させながら乾燥することが好ましく、更には、前記魚節粉砕物の100重量部に対して、前記セルロースエーテルを0.5重量部以上、10重量部以下使用することが好適であり、また、前記エタノール含有液は、エタノールを50%(v/v)以上含有する水溶液であることが好ましい。
本発明の粉粒体状魚節及びその製造方法によれば、魚節風味の劣化を抑制出来るだけではなく、粉粒体状魚節をそのまま食した場合には、魚節そのものの風味が口内に広がり、雑味は殆ど感じられない。また、粉粒体状魚節からダシを取る場合にも、溶解性が良好で、魚節本来の風味を有する雑味の殆どないダシ汁を得ることができる。
さらに、一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び乾燥具材とが混合状態で開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填され容器の開口が封鎖されているものでは、開封して容器内の混合物の適量を取り熱水に投入するだけで簡単に具材入りの汁物を調製することができる。
本発明による目開き2mmの篩を通過する魚節粉砕物から製造された粉粒体状魚節の一例を示す図面代用顕微鏡写真である。 図1の対照として、セルロースエーテルで覆う前の魚節粉砕物の一例を示す図面代用顕微鏡写真である。 本発明による目開き2mmの篩を通過する魚節粉砕物から製造された粉粒体状魚節として一つの粉粒体の一例を示す図面代用顕微鏡写真である。 図3の対照として、セルロースエーテルで覆う前の魚節粉砕物一粒子の一例を示す図面代用顕微鏡写真である。
以下、本発明による粉粒体状魚節及びその製造方法の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の粉粒体状魚節は、粉砕された魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルで覆われている(コーティングされている)ものである。この実施形態における魚節としては、鰹節、宗田鰹節、鮪節、鯖節、鯵節、鰯節、飛魚節、鮭節などの魚節から選ばれる一以上とすることができ、また、煮熟、焙乾処理を施した荒節、荒節表面の煙成分を削り落とした裸節、二番又は三番黴付けを施した枯れ節、四番以上の黴付けを施した本枯れ節から選ばれる一以上とすることができる。このような魚節は、水分含量が通常5重量%以上、30重量%以下であり、特に水分含量の調整をすることなく使用できる。
上記魚節の魚節粉砕物は、目開き10mmの篩を通過するものであることが好ましく、目開き5.6mmの篩を通過するものであることがより好ましく、目開き4mmの篩又は目開き2mmの篩を通過するものであることがさらに好ましい。目開き10mmの篩を通過しない魚節粉砕物では、粉粒体状魚節を、そのまま又は他の食材にふりかけて食するときに、噛み砕き難くなる場合があり、また、ダシを取る際に時間がかかる場合がある。なお、魚節粉砕物サイズの下限は特に限定されないが、目開き90μmの篩を通過する魚節粉砕物とすることができ、また、微粉末が多すぎる魚節粉砕物となることを避け得る点では、目開き20μmの篩上に残留する魚節粉砕物とすることが好ましい。ここで、篩は、JIS Z8801−1:2006(金属製網ふるい)、JIS Z8801−2:2000(金属製板ふるい)の規定に準じた篩(試験用篩)を用いることができる。上記JIS規格に準じた篩とは、篩い分けの結果に大きな影響を及ぼすことが無いものと考えられる、例えば、JIS Z8801−2の金属製板ふるいの規定のうち、篩い目の間隔(ピッチ)の許容範囲をさらに5%程度広げたものや、篩の厚さの許容範囲をさらに5%程度広げたものなどを指す。
この実施形態におけるセルロースエーテルとしては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩から選ばれる一種以上を用いることができる。ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一種以上を用いることが好ましい。また、これらのセルロースエーテルの内、エタノールに溶け易く、粉粒体状魚節製造に際してコーティング、乾燥が、より短時間のうちに完了できる点で、ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一種以上とすることがより好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースが最も好ましい。
上記セルロースエーテルとしては、105℃、4時間乾燥するとき乾燥減量が5.0%以下であり、乾燥物はヒドロキシプロポキシ基(−OCOH)80.5%以下を含むヒドロキシプロピルセルロース、105℃、1時間乾燥するとき乾燥減量が8.0%以下であり、乾燥物はメトキシ基(−OCH)19.0〜30.0%及びヒドロキシプロポキシ基3.0〜12.0%を含むヒドロキシプロピルメチルセルロース、105℃、1時間乾燥するとき乾燥減量が8.0%以下であり、乾燥物はメトキシ基25.0〜33.0%を含むメチルセルロース、105℃、2時間乾燥するとき乾燥減量が3%以下であり、乾燥物はエトキシ基(−OC)44〜50%を含むエチルセルロース及び105℃、4時間乾燥するとき乾燥減量が12.0%以下であり、また、乾燥させた0.50gを水50mlにかき混ぜながら少量ずつ加えた後、60〜70℃で時々かき混ぜながら20分間加温して均等とし、放冷した液のpHが6.0〜8.5であり、KBr法によるIRスペクトルは参照IRスペクトルと同一波数に同様の強度の吸収を認めるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を用いることができる。ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩については、第8版食品添加物公定書規格に適合するものが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースは、三栄源エフ・エフ・アイ(株)、日本曹達(株)などから、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースは、信越化学(株)から、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩は、第一工業製薬(株)、ダイセル化学工業(株)などから夫々入手できる。エチルセルロースについては、E465(EU)規格に適合するものが好ましく、ダウ・ケミカル社製造品が日進化学(株)などから入手できる。
上述のように魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルで覆われている本実施形態による粉粒体状魚節は、目開き10mmの篩を通過する魚節粉砕物から製造されたものでは、セルロースエーテルコーティングにより目開き10mmの篩を通過しない粉粒体サイズの粉粒体状魚節が含まれるが、目開き11.2mmの篩を全てが通過する粉粒体状魚節となっている。また、目開き5.6mmの篩を通過する魚節粉砕物から製造された粉粒体状魚節では、およそ3mm以上のサイズの複数の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態の粉粒体状魚節はなく、目開き11.2mmの篩を全てが通過し、目開き8mmの篩を90重量%以上が通過する粉粒体魚節となっている。また、目開き4mmの篩を通過する魚節粉砕物から製造された粉粒体状魚節でも、およそ3mm以上のサイズの複数の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態の粉粒体状魚節はなく、目開き11.2mmの篩を全てが通過し、目開き5.6mmの篩を90重量%以上が通過する粉粒体魚節となっている。一方、目開き2mmの篩を通過する魚節粉砕物から製造された粉粒体状魚節では、比較的大きなサイズ(1mm以上)の2〜3の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態の粉粒体状魚節が含まれるものの(図1、3参照)、目開き11.2mmの篩を全てが通過し、目開き4mmの篩を90重量%以上が通過する粉粒体魚節となっている。すなわち、目開き10mm以下の篩を通過する魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルで覆われている本実施形態の粉粒体状魚節は、目開き11.2mmの篩を全てが通過する粉粒体状魚節である。
上述のような本実施形態による粉粒体状魚節は、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填、封鎖されている。ここで、開封及び開封後再封鎖可能な容器は、開閉チャック付き低透湿性(例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン)の袋体又は開閉蓋付き低透湿性樹脂製ボトル、或いはガラスボトル、金属ボトルなどの開閉蓋付き非透湿性ボトルを用いることができる。また、開閉チャック付き袋体としては、高密度ポリエチレンフィルムとアルミニウム箔との積層フィルム、或いは、高密度ポリエチレンフィルムとアルミニウム蒸着PETフィルムとの積層フィルムでなる、超低透湿性の袋体であっても良い。なお、容器は、例えば、ポリエチレンフィルムとエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムとが積層されたガスバリア性の積層フィルムでなる、開閉チャック付きガスバリア性の袋体であっても良い。容器内には、開封時に多湿空気が入り込む可能性もあることから、乾燥剤や脱酸素剤が入れられていることが好ましく、また、粉粒体状魚節と共に不活性ガスが充填されていても良い。また、上述した魚節のうち二種以上の魚節から得られた魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルでコーティングされている粉粒体状魚節が、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されていても良く、上述した魚節のうち二種以上の魚節から夫々得られた各魚節粉砕物の表面が夫々セルロースエーテルでコーティングされている二種以上の粉粒体状魚節が、開封及び開封後再封鎖可能な容器に混合充填され、封鎖されていても良い。
さらには、セルロースエーテルでコーティングされている一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び/又は乾燥具材とが混合状態で、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填され、容器の開口が封鎖されていても良い。一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び乾燥具材とが混合状態で一つの容器に充填されていることが好ましい。ここで、乾燥調味料は、塩、砂糖、粉末酢、粉末醤油、粉末味噌、粉末たん白加水分解物、粉末魚介エキス、粉末畜肉エキス、粉末野菜エキス、粉末酵母エキス、香辛料、化学調味料から選ばれる一以上とすることができる。乾燥具材は、乾燥海藻(昆布、若芽)、乾燥椎茸、乾燥野菜、乾燥果実、乾燥魚介類、乾燥畜肉類、乾燥豆腐、茶葉、ごま、ナッツ類、乾燥香草、のり、あられ、シーズニングから選ばれる一以上とすることができる。粉末酢、粉末醤油、粉末味噌、粉末たん白加水分解物、粉末魚介エキス、粉末畜肉エキス、粉末野菜エキス、粉末酵母エキス、香辛料、うま味調味料、乾燥海藻、乾燥椎茸、乾燥野菜、乾燥果実、乾燥魚介類、乾燥畜肉類、乾燥豆腐、茶葉、ごま、ナッツ類、乾燥香草、のり、あられ、シーズニングは、いずれも公知の製法で調製されたものであれば良く、市販品をそのまま用いたものであっても良い。乾燥具材は、市販品が適切なサイズにカットされたものであっても良い。
本実施形態による粉粒体状魚節の製造方法は、粉砕された魚節粉砕物の表面をセルロースエーテルで覆うものである。ここで、魚節としては、鰹節、宗田鰹節、鮪節、鯖節、鯵節、鰯節、飛魚節、鮭節などの魚節から選ばれる一以上とすることができる。このような魚節の製法については、公知の一般的な製造条件にて製造することができ、ここでは、詳述を省略する。また、煮熟、焙乾処理を施した荒節、荒節表面の煙成分を削り落とした裸節、二番又は三番黴付けを施した枯れ節、四番以上の黴付けを施した本枯れ節から選ばれる一以上とすることができる。荒節、裸節、枯れ節、本枯れ節の製法については、公知の一般的な製造条件にて製造することができ、ここでは、詳述を省略する。
魚節粉砕物は、上述のような魚節について、例えば、節削り器を用いて0.2mmを超える厚さに削った厚削り又は0.2mm以下の厚さに削った薄削り後にカッターミル、ハンマーミル、ローラーミルなどの粉砕機で粉砕、或いは魚節そのものを削らず、直に衝撃式破砕機、カッターミル、ハンマーミル、ローラーミルなどの粉砕器で粗砕又は粗砕から粉砕して得ることができる。このような魚節粉砕物は、目開き10mmの篩を通過するものを篩い分け選別することが好ましく、目開き5.6mmの篩を通過するものを篩い分け選別することがより好ましく、目開き4mm又は2mmの篩を通過するものを篩い分け選別することがさらに好ましい。魚節粉砕物サイズの下限は特に限定されないが、目開き80μmの篩を通過する魚節粉砕物を篩い分け選別することができる。また、特に限定するものではないが、微粉末が多過ぎる魚節粉砕物とならないように、目開き20μmの篩上に残留するものを篩い分け選別することもできる。なお、篩は、上述の粉粒体状魚節の実施形態において説明したものを使用することができ、ここでは重複を避けて説明を省略する。
セルロースエーテルについては、粉粒体状魚節の実施形態において説明したものを使用することができ、ここでは重複を避けて説明を省略する。このようなセルロースエーテルをエタノール含有液に溶解又は懸濁させたセルロースエーテル液を、魚節粉砕物に接触させた後に乾燥、或いは、魚節粉砕物に接触させながら乾燥することが好ましい。エタノール含有液としては、エタノールを50%(v/v)以上含有する水溶液を用いることが好ましく、エタノールを70%(v/v)以上含有する水溶液を用いることがより好ましく、エタノールを95%(v/v)以上含有する水溶液を用いることがさらに好ましい。エタノール含有率が50%(v/v)未満の水溶液を用いた場合、後段の乾燥に時間がかかり、粉粒体状魚節の良好な風味が得られない場合がある。また、上記セルロースエーテルは、魚節粉砕物の100重量部に対して、0.5重量部以上、10重量部以下使用することが好ましく、魚節粉砕物の100重量部に対して、セルロースエーテルを1重量部以上、8重量部以下使用することがより好ましく、2重量部以上、6重量部以下使用することがさらに好ましい。魚節粉砕物の100重量部に対して、セルロースエーテルを0.5重量部未満使用すると、魚節粉砕物の表面を完全に覆うことができずに最終的に得られる粉粒体状魚節の風味劣化を充分に抑制できない場合があり、セルロースエーテルを10重量部を超えて使用すると、最終的に得られる粉粒体状魚節の好ましい風味がやや弱まる場合がある。なお、セルロースエーテルをエタノール含有液に溶解又は懸濁させたセルロースエーテル液中のセルロースエーテル量は、使用する上記したエタノール含有液のエタノール含有率及び魚節粉砕物に対するセルロースエーテル使用量に応じて適宜調節すれば良く、特に限定されないが、代表的には、0.5から5%(w/v)である。
セルロースエーテルを上記したエタノール含有液に溶解又は懸濁させたセルロースエーテル液を、魚節粉砕物に接触させた後に乾燥する場合には、セルロースエーテル液を魚節粉砕物に噴霧、或いは魚節粉砕物をセルロースエーテル液に浸漬、或いはセルロースエーテル液を魚節粉砕物に塗布した後に乾燥することができ、短時間のうちに魚節粉砕物表面により均一に接触させることができることがある点では、噴霧することが好ましい。ここで、噴霧或いは浸漬する際には、穏やかに撹拌しながら行なうこともできる。セルロースエーテル液を、魚節粉砕物に上述のように接触させた後に乾燥する乾燥条件としては、75℃以上、90℃以下の温度に調節した送風乾燥機の槽内にて0.5〜0.7m/sの風速で送風しながら5分間以上、30分間以内乾燥することができる。82℃以上、88℃以下の温度に調節した送風乾燥機の槽内にて0.55〜0.65m/sの風速で送風しながら7分間以上、27分間以下乾燥することが好ましく、9分間以上、17分間以下乾燥することがより好ましい。なお、エタノールを95%(v/v)以上含有するエタノール含有液を用いて調製したセルロースエーテル液を、魚節粉砕物に接触させた後に乾燥する場合には、乾燥器槽内を減圧状態に維持可能な乾燥機を用いて45℃を超えない温度に調節し乾燥することもできる。減圧下で乾燥する際の減圧条件としては、真空に近い減圧度の場合に、魚節の香り成分が揮散することもある点で、アスピレータなどにより減圧する程度の20mmHg以上の減圧下で乾燥することも可能である。
セルロースエーテルをエタノール含有液に溶解又は懸濁させたセルロースエーテル液を、魚節粉砕物に接触させながら乾燥する場合には、上述のようなセルロースエーテル液を魚節粉砕物に噴霧又は吹き付けしながら、或いは滴下しながら、撹拌、乾燥する湿式の撹拌・乾燥装置を用いることができる。このような装置としては、セルロースエーテル液を、魚節粉砕物に接触させながら乾燥することができれば特に限定されないが、例えば、流動型、転動型、気流型、スプレードライ型の湿式造粒及び/又は湿式コーティング装置などを挙げることができる。撹拌・乾燥チャンバーを減圧状態に維持可能な装置を用いて45℃を超えない温度で乾燥することもできる。
上述のような製造方法で製造した粉粒体状魚節を、開封及び開封後再封鎖可能な容器内に充填し、容器の開口を封鎖することが好ましく、これにより、封鎖容器内の粉粒体状魚節は、より長期に亘り魚節風味の劣化を抑制可能となり、また、開封後再封鎖した後にも、風味の劣化が抑制できる。容器を開封し粉粒体状魚節をそのまま食した場合には、口解けが良く魚節そのものの風味が口内に広がり、雑味は殆ど感じられない。また、粉粒体状魚節からダシを取る場合にも、溶解性が良好で澄明性が高く、魚節本来の風味を有する雑味の殆どないダシ汁を得ることができる。ここで、開封及び開封後再封鎖可能な容器は、上記粉粒体状魚節の実施形態において説明したものを使用することができ、ここでは重複を避けて説明を省略する。また、容器内に乾燥剤や脱酸素剤を同封すること、二種以上の魚節から得られた魚節粉砕物の表面をセルロースエーテルでコーティングした粉粒体状魚節を容器に充填すること、或いは二種以上の魚節から夫々得られた各魚節粉砕物の表面を夫々セルロースエーテルでコーティングした二種以上の粉粒体状魚節を容器に充填することなどについても、上記粉粒体状魚節の実施形態の説明と同様である。
また、上述の製造方法で製造した一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び/又は乾燥具材とを混合し、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填し、容器の開口を封鎖しても良く、また、一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び/又は乾燥具材とを一つの容器内に充填してから混合しても良い。開封して容器内の混合物の適量を取り熱水に投入するだけで簡単に具材入りの汁物を調製することができる点で、一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び乾燥具材とを混合し、一つの容器に充填し、容器の開口を封鎖、或いは、一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び乾燥具材とを一つの容器に充填してから混合することが好ましい。ここで、乾燥調味料、乾燥具材としては、上記粉粒体状魚節の実施形態において説明したものを使用することができ、重複を避けて説明を省略する。また、乾燥調味料、乾燥具材は、いずれも公知の製法で調製することができ、市販品をそのまま用いても良い。乾燥具材は、市販品を適切なサイズにカットし用いても良い。
以上、粉粒体状魚節及び粉粒体状魚節の製造方法の実施形態について説明したが、セルロースエーテルでコーティングする対象として、魚節以外にも鶏節、牛節、豚節などの畜肉節についても同様に適用でき、同様の作用効果を奏することが期待できる。
以下、本発明を実施例、試験例に基づいて具体的に説明するが、これにより本発明を限定するものではない。
〔実施例1〕
上述の粉粒体状魚節及び粉粒体状魚節の製造方法に沿って、以下の魚節粉砕物を調製した。魚節としては、本枯れ鰹節、宗田鰹裸節を用いた。本枯れ鰹節について、カッターミルを用いて粗砕して得た粗砕物を、目開き10mmの篩で篩い分けし、目開き10mmの篩を通過する魚節粉砕物1を得た。本枯れ鰹節について、カッターミルを用いて粉砕し得た粉砕物を、目開き5.6mmの篩で篩い分けし、目開き5.6mmの篩を通過する魚節粉砕物2を得た。本枯れ鰹節について、カッターミルを用いて粉砕し得た粉砕物を、目開き4mmの篩で篩い分けし、目開き4mmの篩を通過する魚節粉砕物3を得た。本枯れ鰹節について、節削り器を用いて1.8mm厚さに厚削りした後、カッターミルを用いて粉砕し得た粉砕物を、目開き2mmの篩で篩い分けし、目開き2mmの篩を通過する魚節粉砕物4を得た。本枯れ鰹節について、節削り器を用いて0.4mm厚さに厚削りした後、カッターミルを用いて粉砕し得た粉砕物を、目開き500μmの篩で篩い分けし、目開き500μmの篩を通過する魚節粉砕物5を得た。本枯れ鰹節について、節削り器を用いて0.1mm厚さに薄削りした後、衝撃式粉砕機を用いて粉砕し得た粉砕物を、目開き90μmの篩及び目開き20μmの篩で篩い分けし、目開き90μmの篩を通過し、目開き20μmの篩上に残留する魚節粉砕物6を得た。宗田鰹裸節について、節削り器を用いて1.8mm厚さに厚削りした後、カッターミルを用いて粉砕し得た粉砕物を、目開き2mmの篩で篩い分けし、目開き2mmの篩を通過する魚節粉砕物7を得た。また、魚節粉砕物4と魚節粉砕物7を重量比1:1で混合して魚節粉砕物8を得た。
〔実施例2〕
上述の粉粒体状魚節及び粉粒体状魚節の製造方法に沿って、以下の各種セルロースエーテル液を調製した。セルロースエーテルとしては、ヒドロキシプロピルセルロース(第8版食品添加物公定書規格適合品)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(第8版食品添加物公定書規格適合品)、メチルセルロース(第8版食品添加物公定書規格適合品)、エチルセルロース(E465−EU規格適合品)及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(第8版食品添加物公定書規格適合品)を用いた。 ヒドロキシプロピルセルロース及びエチルセルロースはエタノールに溶け易く、エタノール含有液として95%(v/v)エタノール(特級試薬)を用い、夫々エタノール含有液100mLに対してセルロースエーテル1.65gを加えて溶解して、セルロースエーテル液1及び2を調製した。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム塩は、エタノールには殆ど解けないので、水(脱イオン水)にセルロースエーテルを加えて溶解後、95%(v/v)エタノールを加え、エタノール濃度として56.8%(v/v)、セルロースエーテル量0.9g/100mLにし、セルロースエーテル液3、4、及び5を調製した。
〔実施例3〕
実施例1で得た魚節粉砕物1〜8に実施例2で調製したセルロースエーテル液1〜5を以下に示す量噴霧した後、85℃±2℃に調節した送風乾燥機(精密恒温器(FINE OVEN)DH−41型、ヤマト科学)の槽内にて、0.55〜0.65m/sの風速で送風しながら、以下に示す乾燥時間で乾燥し、セルロースエーテルで覆われた(コーティングした)粉粒体状魚節を製造した。すなわち、魚節粉砕物1の100gに対してセルロースエーテルの使用量が1.5gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節1を得た。また、魚節粉砕物2の100gに対してセルロースエーテルの使用量が1.8gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節2を得た。また、魚節粉砕物3の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節3を得た。また、魚節粉砕物4の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、7分間乾燥して粉粒体状魚節4を得た。また、魚節粉砕物4の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節5を得た。また、魚節粉砕物5の100gに対してセルロースエーテルの使用量が3gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節6を得た。また、魚節粉砕物6の100gに対してセルロースエーテルの使用量が5gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節7を得た。また、魚節粉砕物7の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節8を得た。また、魚節粉砕物8の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液1を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節9を得た。また、魚節粉砕物4の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液2を噴霧し、15分間乾燥して粉粒体状魚節10を得た。また、魚節粉砕物4の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液3を噴霧し、27分間乾燥して粉粒体状魚節11を得た。また、魚節粉砕物4の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液4を噴霧し、25分間乾燥して粉粒体状魚節12を得た。また、魚節粉砕物4の100gに対してセルロースエーテルの使用量が2gとなるようにセルロースエーテル液5を噴霧し、25分間乾燥して粉粒体状魚節13を得た。
〔試験例1〕
実施例3で得られた粉粒体状魚節1〜13について、外観、性状を観察したところ、粉粒体状魚節1〜13は、全てセルロースエーテルで良好に覆われていた。また、粉粒体状魚節1〜3では、およそ3mm以上のサイズの複数の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態のものは見当たらず、全てが目開き11.2mmの篩を通過し、粉粒体状魚節3は、93重量%が目開き5.6mmの篩を通過するものであった。粉粒体状魚節4、5、8、9、10〜13では、およそ1mm以上のサイズの複数の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態のものが認められたが、全てが目開き11.2mmの篩を通過し、90重量%以上が目開き4mmの篩を通過するものであった。粉粒体状魚節6は、複数の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態のものが多数認められたが、全てが目開き11.2mmの篩を通過し、95重量%が目開き2mmの篩を通過するものであった。粉粒体状魚節7は、複数の魚節粉砕物が付着結合してセルロースエーテルコーティングされた状態のものが多数認められたが、全てが目開き11.2mmの篩を通過し、95重量%が目開き500μmの篩を通過するものであった。
〔実施例4〕
実施例3で得られた直後の一種以上の粉粒体状魚節を開閉チャック付き低透湿性高密度ポリエチレンの袋体に充填、或いは、一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料又は乾燥具材とを混合して開閉チャック付き低透湿性高密度ポリエチレンの袋体に充填、或いは、一種以上の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び乾燥具材とを混合して開閉チャック付き低透湿性高密度ポリエチレンの袋体に充填し、各袋体の開口を封鎖して、次に示す粉粒体状魚節包装体を調製した。すなわち、粉粒体状魚節3を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体1を調製した。また、粉粒体状魚節4を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体2を調製した。また、粉粒体状魚節5を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体3を調製した。また、粉粒体状魚節5と粉粒体状魚節8とを重量比1:1で混合して上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体4を調製した。また、粉粒体状魚節9を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体5を調製した。また、粉粒体状魚節11を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体6を調製した。また、粉粒体状魚節12を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体7を調製した。また、粉粒体状魚節13を上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体8を調製した。また、粉粒体状魚節4と乾燥調味料としての粉末味噌を混合して上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体9を調製した。また、粉粒体状魚節3と乾燥具材としての乾燥野菜(葱)を混合して上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体10を調製した。また、粉粒体状魚節4と乾燥調味料としての粉末醤油と乾燥具材としての乾燥椎茸及び乾燥海藻(若芽)を混合して上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体11を調製した。また、粉粒体状魚節5と粉粒体状魚節8と乾燥調味料としての粉末味噌と乾燥具材としての乾燥豆腐及び乾燥海藻(若芽)を混合して上記袋体に充填、封鎖して粉粒体状魚節包装体12を調製した。
〔試験例2〕
実施例4で調製した直後の未開封粉粒体状魚節包装体1〜8について開封し、各包装体内の粉粒体状魚節について、5名のパネラーにより官能評価を行った。官能評価は、各粉粒体状魚節をそのまま喫食するときの口解け、風味(香り、味)についての喫食試験、及び各粉粒体状魚節に95℃の湯19倍重量を加えて15秒間撹拌したときのダシ汁の風味についてのダシ取り試験を行った。なお、喫食試験、ダシ取り試験の風味については、魚節そのままの風味とは異なる雑味の有無も含めて評価した。また、ダシ取り試験に際しては、コーティングの溶解状態(溶解性)、ダシ汁の澄明性などについても併せて観察した。また、対照として、セルロースエーテルでコーティングする前の実施例1により調製直後、或いは調製直後にポリエチレンフィルムとエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムとの積層フィルムでなるガスバリア性の袋体に封入(窒素ガス置換)、常温保存(15〜25℃)した魚節粉砕物3、4、8について、上記同様に官能評価を行った。この試験例の結果は、表1に示すとおりであった。なお、官能評価の結果を示すことは省略するが、実施例4で調製した直後の未開封粉粒体状魚節包装体1〜8について、常温(15〜25℃)に保存して、上記と同様の官能評価を行った結果、全ての未開封粉粒体状魚節包装体1〜8は、少なくとも保存3箇月後において、殆ど風味劣化は認められず、表1に示した結果と略同等であった。
Figure 2019097512
〔試験例3〕
実施例4で調製した直後の未開封粉粒体状魚節包装体9〜12について開封し、各包装体内の粉粒体状魚節と乾燥調味料及び/又は乾燥具材との混合物に対して、各混合物に95℃の湯10〜19倍重量を加えて15秒間撹拌したときの汁物の風味について官能評価を行った。なお、調製直後の未開封粉粒体状魚節包装体3を開封し、包装体内の粉粒体状魚節に対して、95℃の湯19倍重量を加えて15秒間撹拌したときのダシ汁を官能評価の対照として用いた。官能評価の結果、粉粒体状魚節包装体9は対照ダシ汁の風味がそのまま生かされた味噌汁となっており(5/5)、粉粒体状魚節包装体10は対照ダシ汁の風味がそのまま生かされ、葱の風味が加わった汁物となっており(5/5)、粉粒体状魚節包装体11は対照ダシ汁の風味がそのまま生かされ、醤油、椎茸、若芽の風味が加わった吸い物となっており(5/5)、粉粒体状魚節包装体12は対照ダシ汁の風味がそのまま生かされ、味噌、若芽の風味が加わった豆腐入り味噌汁となっている(5/5)との評価であった。
〔試験例4〕
実施例4で調製した直後の未開封粉粒体状魚節包装体2、3、6〜8について、35℃(±2℃)に保存する過酷条件保存試験を実施し、試験例2の場合と同様に官能評価を行った。但し、対照としては、セルロースエーテルでコーティングする前の実施例1により調製直後の魚節粉砕物4を開閉チャック付き低透湿性高密度ポリエチレンの袋体に充填し、開口を封鎖して上記同様の過酷条件に保存した。過酷条件に4日間、及び7日間保存した後の官能評価の結果は、夫々表2、及び表3に示すとおりであった。粉粒体状魚節包装体2、3は、過酷条件においても殆ど風味の劣化がなく最も安定であり、次いで粉粒体状魚節包装体6、粉粒体状魚節包装体7、粉粒体状魚節包装体8の順で続き、対照が最も風味の劣化が顕著であり、不安定であった。
Figure 2019097512
Figure 2019097512

Claims (10)

  1. 粉粒体状の魚節であって、
    粉砕された魚節粉砕物の表面がセルロースエーテルで覆われていることを特徴とする粉粒体状魚節。
  2. 前記セルロースエーテルが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース及びエチルセルロースから選ばれる一以上であることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体状魚節。
  3. 前記魚節粉砕物が、目開き10mmの篩を通過するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉粒体状魚節。
  4. 一種以上の前記粉粒体状の魚節が、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉粒体状魚節。
  5. 一種以上の前記粉粒体状の魚節と、乾燥調味料及び/又は乾燥具材とが混合状態で、開封及び開封後再封鎖可能な容器に充填されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粉粒体状魚節。
  6. 粉粒体状の魚節の製造方法であって、
    粉砕された魚節粉砕物の表面をセルロースエーテルで覆うことを特徴とする粉粒体状魚節の製造方法。
  7. 前記魚節粉砕物が、目開き10mmの篩を通過するものであることを特徴とする請求項6に記載の粉粒体状魚節の製造方法。
  8. 前記セルロースエーテルをエタノール含有液に溶解又は懸濁させた液を、魚節粉砕物に接触させた後に乾燥、或いは、前記魚節粉砕物に接触させながら乾燥することを特徴とする請求項6又は7に記載の粉粒体状魚節の製造方法。
  9. 前記魚節粉砕物の100重量部に対して、前記セルロースエーテルを0.5重量部以上、10重量部以下使用することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の粉粒体状魚節の製造方法。
  10. 前記エタノール含有液は、エタノールを50%(v/v)以上含有する水溶液であることを特徴とする請求項8に記載の粉粒体状魚節の製造方法。
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