JP2019097430A - 魚釣用スピニングリールの逆転防止装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような逆転防止装置は、キャスティング操作時において竿先からの仕掛けの垂らし長さを調整したり、所定ポイントに仕掛けを放出したりする操作を容易とするため、逆転防止装置の逆転防止状態から逆転許可状態に切り換える切換操作部を備えている。
また、特許文献1の魚釣用スピニングリールは、釣り人が意図せず逆転防止状態から逆転許可状態に切り換わったり、又は逆転許可状態から逆転防止状態に切り換わったりすることを防止するため、係合保持部を備えている。
また、ボディ10の側部開口部13に軸受部材30が装着され、ボディ10の後部に保護カバー34が装着されている。
図2に示すように、ボディ10は、駆動装置を収容するための内部空間が形成されている。以下において、ボディ10の内部空間をボディ10内又は収容空間S1と称する場合がある。
また、前基部11cと後基部11dとの間には、左右方向に貫通する孔部11eが形成されている。
そのほか、ボディ前部12には、ボディ前部12内に収容される部品の保護や美観向上のため、有底円筒状のカバー12bが装着されている。
ハンドル軸5の左端は、ボディ10の左側に配置されたハンドル5a(図1参照)に連結している。よって、ハンドル5aの巻き取り操作が行われると、ドライブギャ6及び歯車6aがハンドル軸5の中心軸O2を中心に回転する。そして、巻き取り操作による駆動力は、ドライブギャ6に噛合するピニオンギャ7a(駆動軸筒7)に伝達し、ロータ4が回転する。
連動歯車38は、ハンドル軸5から後方下側の位置に設けられ、歯車6aの後側と噛合している。
また、ハンドル5aの巻き取り操作が行われると、歯車6aに噛合する連動歯車38が回転する。そして、連動歯車38の偏芯突部38aが摺動子37の案内溝37aの前面又は後面を押圧し、摺動子37とスプール軸8(スプール3)が前後方向に往復運動する。
また、後部開口部15は、保護カバー34により閉塞されている。保護カバー34は、前方に向って開口する有底筒状を呈し、保護カバー34の前面側に収容空間S2が形成されている。よって、後部開口部15を介してボディ10外に配置されたスプール往復動装置35の一部は、収容空間S2内に収容されている。
図5に示すように、ボディ前部12は、駆動軸筒7の中心軸O1を中心とした略円筒状を呈している。ボディ前部12の外形は、前部の方が後部よりも小径に形成されている。以下、ボディ前部12の後部を大径部16と称し、前部を小径部17と称する。
なお、操作カバー50は、前述したカバー12bである。以下、ボディ前部12(大径部16,小径部17)と各部品との詳細について説明する。
フランジ16aは、大径部16の後端部に設けられている。フランジ16aの外形は、円形状に形成され、操作カバー50の後記する切換移動体51の内形に対応した形状となっている。よって、切換移動体51の後側開口はフランジ16aにより閉塞され、操作カバー50内に海水等が侵入し難い。
周溝16bは、後シール部材91をボディ前部12に組み付けるための溝である。
雌ねじ孔16cは、180°間隔で2つ形成され、それぞれに操作カバー50を抜け止めするねじ16dが螺合している。
図7、図8に示すように、止め輪18には、径方向外側に突出する2つのフランジ18aが形成されている。そして、フランジ18aがねじ18bに締め付けられ、止め輪18が小径部17内に固定している。
図8に示すように、第1切り欠き17a,第2切り欠き17bは、止め輪18のフランジ18aを配置するためのものである。第1切り欠き17aは、中心軸O1を基準として右上側に設けられ、第2切り欠き17bは、中心軸O1を基準として左下側に設けられている。第3切欠き17cは、逆転防止装置40の後述する突出部45を配置するためのものであり、中心軸O1を基準として右下側に設けられている。なお、第3切欠き17cは、突出部45が周方向に移動可能なように大きく切り欠かれている。
第4切り欠き17dは、磁性流体シール機構70の後述する係止部79を配置するためのものであり、中心軸O1を基準として左上側に設けられている。
本実施形態において、逆転防止装置40の内周側には、駆動軸筒7の外周側に嵌合することで駆動軸筒7に回り止めされ、ハンドル5aの操作により駆動する内輪(駆動軸・駆動体)41が設けられている。よって、逆転防止装置40は、内輪41を介して駆動軸筒7の回転を制御している。
なお、内輪41の前部41aは、外輪42よりも前方に突出し、磁性流体シール機構70の内周側に位置している。そして、内輪41は、磁性材料により形成されており、内輪41の前部41aは、磁性流体シール機構70の磁性部を構成している。以下、内輪41の前部を磁性部41aと称する。
逆転防止装置40は、止め輪18の前側に配置されている。外輪42の後端が小径部17の底面に当接し、逆転防止装置40が後方へ移動しないように規制されている。
図7に示すように、外輪42の後端には、切り欠き42aが形成され、切り欠き42a内に止め輪18のフランジ18aが入り込んで外輪42が回り止めされている。このため、逆転防止装置40自体が回動しないように規制されている。
突出部45は、リティナ44を回動させて各ローラ43を周方向に移動するためのものである。よって、突出部45を周方向へ移動させると、ローラ43が内輪41と外輪42との間で楔作用を発揮して内輪41(駆動軸筒7)の逆転が防止されたり、又はローラ43が内輪41と外輪42との間で楔作用を発揮せずに内輪41(駆動軸筒7)の逆転が許可されたりする。
突出部45は、小径部17の第3切り欠き17c内に配置されている(図8参照)。また、突出部45には、前後方向に貫通する長円形状の円孔46が形成されている。
図9(a),(b)に示すように、操作カバー50は、有底筒状の切換移動体51と、切換移動体51の内側に設けられた係合部54と、切換移動体51の後端に設けられた切換操作部55と、を備えている。これらの切換移動体51と係合部54と切換操作部55は、合成樹脂により一体に形成されており、部品点数の削減が図られている。
図6,図7に示すように、切換移動体51は、ボディ前部12(大径部16,小径部17)の外周側を囲んでおり、逆転防止装置40内に海水や砂塵等が侵入し難い。よって、逆転防止装置40の塩ガミ等が抑制され、長期に亘って逆転防止装置40の性能が維持される。
円筒部52の後部には、貫通孔52aが2つ180度間隔で形成されている(図9(a)を参照)。
各貫通孔52a内には、大径部16に螺合しているねじ16dが配置され、操作カバー50がボディ前部12から脱落しないようになっている。なお、貫通孔52aは、周方向に長く形成され、操作カバー50の回動を妨げないようになっている。
図9(a),(b)に示すように、前壁部53の後面(底面)53bには、後方に突出するガイド壁53cが3つ形成されている。ガイド壁53cは、小径部17の外周面に当接している(図6参照)。このため、操作カバー50の回動時のガタ付きが抑制され、操作カバー50の回動がスムーズとなっている。
特に図示しないが、係合部54は小径部17の第3切り欠き17c内に配置され、突起54aが突出部45の円孔46に挿入している。このため、操作カバー50とリティナ44とが周方向に係合している。よって、釣り人が切換移動体51を回動すると、逆転防止装置40の逆転防止状態と逆転許可状態とが切り換わるようになっている。
なお、切換操作部55は、基部側(前端側)がロータ4のアーム部4aと前後方向に重なっており、中間部から後端部までの範囲がアーム部4aよりも後方に配置され前後方向に重なっていない。
よって、本実施形態においては、切換操作部55の中間部や後端部を把持することで、ロータ4等に接触することなく切換操作部55を操作できるようになっている。以下、切換操作部55においてスプール3やロータ4よりも後方に突出している部分を操作本体部55aと称する。
詳細に説明すると、逆転防止装置40が逆転防止状態の場合、切換操作部55は、リール本体2の右側部2bの下寄りに位置している。また、逆転防止装置40が逆転許可状態の場合、切換操作部55は、逆転防止装置40が逆転防止状態の場合よりも少し上方に位置している(図4の破線P参照)。
つまり、切換操作部55は、逆転防止装置40が逆転防止状態又は逆転許可状態の場合であっても、常にリール本体2の右側部2bに位置し、リール本体2の側面視で側部の輪郭を形成する外形2cの内側に収まっている。
このため、切換操作部55を操作する荷重が魚釣用スピニングリール1に作用して魚釣用スピニングリール1が不安定となり切換操作部55を操作し難くなる、ということを回避できる。以上から、本実施形態の魚釣用スピニングリール1は、切換操作部55を操作し易く、実釣時の操作性に優れている。
なお、図9(c)に示すように、切換操作部55の基部側(前側)の外面は、操作本体部55a(切換操作部55の中間部や後端部)よりも径方向内側に凹み、ロータ4のアーム部4aの後端部に干渉しないようになっている。
なお、ON操作面55bは、逆転許可状態から逆転防止状態に切り換えるために下方に押圧される操作面である。OFF操作面55cは、逆転防止状態から逆転許可状態に切り換えるために上方に押圧される操作面である。
また、ON操作面55b及びOFF操作面55cは、略平面状に形成されて指の腹で押圧することができ、操作し易い。
移動体62は、合成樹脂で形成され前後方向に延在する円柱状の部品であり、前端62aが円錐状に形成されている。移動体62の後端62bは、移動体収容孔17gを貫通し、移動体収容孔17gの後面に係止している。このため、移動体62は、移動体収容孔17gから抜け落ちないようになっている。
コイルばね64は、圧縮された状態で組み込まれており、移動体62を常時前方へ付勢している。
なお、本発明の係合保持部63は、移動体62よりも強度が高い方が好ましく、金属材料で形成されたものに限定されない。
そのほか、係合保持部63の強度向上のため、係合保持部63と係合保持部63が固定される切換移動体51とを金属材料で一体に形成してもよい。ただし、本実施形態にように、係合保持部63を金属材料で形成し、切換移動体51を合成樹脂で形成する方が全体の重量が軽量化するため好ましい。
詳細に説明すると、図10に示すように、逆転防止装置40の逆転防止状態の場合、係合保持部63の下端部63bが移動体62と前後方向に対向している。
特に図示しないが、切換移動体51が回動し(図9(a)の矢印参照)、逆転防止装置40が逆転許可状態となった場合、言い換えると、係合保持部63も回動し下方へ変位した場合(図10の矢印参照)、係合保持部63の上端部63aが移動体62と前後方向に対向する。
凸状部63cは、上下方向の中央部の頂点63dと、頂点63dから上端部63aに向って延在する上斜面63eと、頂点63dから下端部63bに向って延在する下斜面63fとを有している。
よって、逆転防止装置40が逆転許可状態から逆転防止状態に切り換わろうとすると、下斜面63fに移動体62が係止し、切換移動体51の回動が規制される。また、逆転防止装置40が逆転防止状態から逆転許可状態に切り換わろうとすると、上斜面63eが移動体62に係止し、切換移動体51の回動が規制される。
以上から、上斜面63e又は下斜面63fが移動体62を後方に押圧して頂点63dが移動体62を乗り越える程度の力を加えない限り、逆転防止装置40の逆転許可状態又は逆転防止状態が保持される。
一方で、本実施形態によれば、構成要素の一方(移動体62)がボディ前部12(リール本体2)に設けられ、構成要素の他方(係合保持部63)が切換移動体51に設けられ、中心軸O1方向に配置されて対向している。よって、径方向外側に突出しておらず、小型化している。また、移動体62と係合保持部63が近接して配置されているため、従来のものよりも小型化及び軽量化している。
外側磁性板72の内径は、磁性部41aの外径よりも僅かに大きく形成されている。よって、外側磁性板72と磁性部41aとの間には、隙間C1が形成されている。
外側磁性板72の外径は、永久磁石71の外径よりも大径に形成されている。よって、外側磁性板72の外周端72bは、永久磁石71よりも径方向外側に位置している。
中間部76は、内周側から外周側に向うにつれて後方に位置し後方に傾斜しており、内周部75が外周部77よりも前方に位置している。よって、内周部75に保持される永久磁石71も前寄りに配置され、逆転防止装置40から離間している。
また、係止部79は、小径部17の第1切り欠き17a,第3切り欠き17c,第4切欠き17d内に配置され、小径部17と干渉しないようになっている。
このため、外側磁性版72の外周端72bから分散される磁束は、内側磁性板73の大径部を形成する中間部76及び外周部77で集束されることで、この間に効果的な磁気回路が形成されてボディ前部12内に漏洩する余分な磁束が低減する。この結果、内側磁性板73の後方に分布する磁束が低減し、逆転防止装置40のローラ43の性能低下を防止でき、回転性能及び楔作用に支障を生じない。
また、中間部76によって永久磁石71が前寄りに位置し永久磁石71が逆転防止装置40から離間している。よって、逆転防止装置40側に分布する磁束がさらに低減し、ローラ43が磁化し難い。以上から、逆転防止装置40のトルク損失や異音の発生が抑制されている。
以上によれば、逆転防止装置40のローラ43と内輪41との摺接状態が安定化する。この結果、駆動軸筒7の回転が安定化するとともに、ローラ43の楔作用も安定して発揮される。
なお、本実施形態の規制体80は、逆転防止装置40と内側磁性板73とに単に当接しているが、本発明の規制体80は、逆転防止装置40と内側磁性板73とを前後方向に離間するような付勢力を発揮する弾性材で構成してもよい。
ここで、規制体80を係止する係止部79は、内側磁性板73の一部である。よって、磁性流体シール機構70の構成要素である内側磁性板73によって規制板80の径方向の移動を抑制しつつ、逆転防止装置40の軸O1方向の移動の規制を効果的に規制しており、部品点数の増加が回避され、効率が良い。また、係止部79は、板状の内側磁性板73の一部であり、肉薄に形成されているため、魚釣用スピニングリール1の重量化も回避している。
後シール部材91及び前シール部材92のそれぞれには、径方向に突出するリップ部91a,92aが形成されている。
後シール部材91のリップ部91aは、操作カバー50の円筒部52の内周面を径方向外側に押圧した状態で当接している。ここで、リップ部91aは、円筒部52において貫通孔52aよりも前側に当接している。このため、円筒部52の後部開口や貫通孔52aを介して円筒部52内に侵入した海水等が第1切り欠き15a〜第4切り欠き15dを介して、小径部17内の逆転防止装置20に付着しないようになっている。
また、実施形態の規制体80は、周方向に連続し環状となっているが、中心軸O1方向から視てC字状であってもよい。また、規制体80の材質に関し、非磁性材料であることが好ましいが、合成樹脂や金属などであってもよく、特に材質は限定されない。
2 リール本体
2b 右側部(側部)
2c 外形
12 ボディ前部
12b カバー
40 逆転防止装置(ローラ式一方向クラッチ)
41 内輪
42 外輪
43 ローラ
44 リティナ(切換制御部材)
45 突出部
50 操作カバー
51 切換移動体
55 切換操作部
55 操作本体部
55b ON操作面
55a OFF操作面
60 切換保持部
61 対向部
62 移動体
63 係合保持部
70 磁性流体シール機構
71 永久磁石
72 外側磁性板
73 内側磁性板
74 磁性流体
75 内周部
76 中間部
77 外周部
78 フランジ
79 係止部
80 規制体
O1 中心軸
O2 中心軸
Claims (5)
- リール本体に移動自在に設けられ、ハンドル操作により駆動する駆動体を逆転防止状態又は逆転許可状態に切り換える切換移動体と、前記切換移動体の移動を規制し、前記逆転防止状態又は逆転許可状態を保持する切換保持部と、を備え、
前記切換保持部は、前記リール本体側に設けられた移動体と、前記切換移動体側に設けられた係合保持部と、を備え、
前記移動体と前記係合保持部は、前記駆動体の回転軸方向に配置されて互いに対向し、
前記移動体は、前記係合保持部に向って常時付勢されていることを特徴とする魚釣用スピニングリールの逆転防止装置。 - 前記移動体は、前記リール本体のボディ前部に配置されて前方側に向けて付勢され、
前記係合保持部は、前記切換移動体の底面に取着されて前記移動体に係合可能に対向して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリールの逆転防止装置。 - 前記切換移動体は、合成樹脂製であり、前記リール本体のボディ前部を囲み所定角度回動可能に支持された有底筒状部品であり、
前記係合保持部は、金属製であることを特徴とする請求項2に記載の魚釣用スピニングリールの逆転防止装置。 - 前記切換移動体により前記駆動体の回転状態を切り換え可能なローラ式一方向クラッチにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載の魚釣用スピニングリールの逆転防止装置。
- 前記切換移動体の後端には、後方に延出する切換操作部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の魚釣用スピニングリールの逆転防止装置。
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