JP2019095650A - キャリア及び2成分現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたって使用する場合であっても帯電付与能を維持可能なキャリアを提供する。【解決手段】キャリアは、複数個のキャリア粒子を含む。キャリア粒子は、各々、キャリアコアと、コート層とを備える。コート層は、キャリアコアの表面を覆う。コート層は、コート樹脂を含有する。コート樹脂は、20質量%以上80質量%以下のフッ素樹脂を含む。コート層は、カーボンブラック粒子を含む。カーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が表面処理剤で表面処理されて構成されている。表面処理剤は、含フッ素アルコキシシランである。【選択図】なし

Description

本発明は、キャリアと、キャリアを含む2成分現像剤とに関する。
樹脂被覆キャリアが知られている。樹脂被覆キャリアに含まれる複数個のキャリア粒子は、各々、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆う樹脂層とを備える。樹脂層は、例えば、シリコーン系樹脂と、ジメチルシリコーンオイルで表面処理されたカーボンブラックとを含む(後述の特許文献1)。
特開2000−267361号公報
特許文献1には、次に示すことが記載されている。カーボンブラックの表面をジメチルシリコーンオイルで処理することで、樹脂層中におけるカーボンブラックの分散状態を良好な状態とすることができる。また、カーボンブラックの表面をジメチルシリコーンオイルで処理することで、樹脂層中におけるカーボンブラックの量が少ない場合であっても樹脂層の電気抵抗を低く抑えることができる。しかし、特許文献1に記載のキャリアでは、長期にわたって使用した場合に、帯電付与能が変動することがある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、長期にわたって使用する場合であっても帯電付与能を維持可能なキャリアを提供することである。本発明の別の目的は、このようなキャリアを含む2成分現像剤を提供することである。
本発明に係るキャリアは、複数個のキャリア粒子を含む。前記キャリア粒子は、各々、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備える。前記コート層は、コート樹脂を含有し、カーボンブラック粒子を含む。前記コート樹脂は、20質量%以上80質量%以下のフッ素樹脂を含む。前記カーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が表面処理剤で表面処理されて構成されている。前記表面処理剤は、フッ素原子を分子内に含むアルコキシシランである。
本発明に係る2成分現像剤は、前述の構成を有するキャリアと、前記キャリアとの摩擦により正に帯電するトナーとを含む。
本発明によれば、長期にわたってキャリアを使用する場合であっても、キャリアの帯電付与能を維持することができる。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。粉体には、例えば、キャリアと、トナーと、トナー母粒子とが含まれる。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
本実施形態に係るキャリアは、静電潜像の現像に好適に用いることが可能な静電潜像現像用キャリアである。本実施形態に係るキャリアは、現像装置内においてトナーと摩擦することで、トナーを正に帯電させる。
本実施形態に係るキャリアを含む2成分現像剤は、例えば、電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、画像データに基づいて、感光体ドラムの感光層に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、2成分現像剤に含まれるトナーを用いて、現像する(現像工程)。詳しくは、まず、現像装置内でトナーとキャリアとが摩擦することで、トナーが正に帯電する。次に、現像装置が、現像スリーブ上のトナーを、感光体ドラムの感光層へ供給して、電気的な力で静電潜像に付着させる。このようにして静電潜像が現像され、感光体ドラムの感光層にはトナー像が形成される。続いて、トナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写した後、加熱により未定着トナー像を記録媒体に定着させる。その結果、画像が記録媒体に形成される。
[キャリアの基本構成]
本実施形態に係るキャリアは、次に示す構成(以下、「基本構成」と記載することがある)を備える。詳しくは、本実施形態に係るキャリアは、複数個のキャリア粒子を含む。キャリア粒子は、各々、キャリアコアと、コート層とを備える。コート層は、キャリアコアの表面を覆う。コート層は、コート樹脂を含有する。コート樹脂は、20質量%以上80質量%以下のフッ素樹脂を含む。コート層は、カーボンブラック粒子をさらに含む。カーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が表面処理剤で表面処理されて構成されている。表面処理剤は、フッ素原子を分子内に含むアルコキシシラン(以下、「含フッ素アルコキシシラン」と記載する)である。ここで、カーボンブラック基体粒子には、表面処理が全く施されていなくてもよいし、本実施形態における表面処理剤以外の表面処理剤による表面処理が施されていてもよい。「本実施形態における表面処理剤以外の表面処理剤」は、公知の表面処理剤のうち含フッ素アルコキシシランを除く表面処理剤を意味する。
本実施形態に係るキャリアでは、コート層が、フッ素樹脂を含有する。一般的に、フッ素樹脂は、比較的強い負帯電性を示す。そのため、コート層は、負帯電性を示し易い。
それだけでなく、本実施形態に係るキャリアでは、コート層は、カーボンブラック粒子をさらに含む。本実施形態におけるカーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が含フッ素アルコキシシランで表面処理されて構成されている。これにより、カーボンブラック粒子の表面には、フッ素原子が存在し易い。一般的に、フッ素原子は、比較的強い負帯電性を示す。そのため、本実施形態におけるカーボンブラック粒子は、負帯電性を示し易い。このことによっても、コート層は、負帯電性を示し易い。
コート層が負帯電性を示し易ければ、キャリアは、摩擦によってトナーを正に帯電させ易い。よって、本実施形態に係るキャリアを使用すれば、逆帯電トナーの発生を効果的に防止できる。
このように、本実施形態におけるコート層では、コート樹脂がフッ素樹脂を含有し、カーボンブラック粒子の表面にはフッ素原子が存在する。これにより、フッ素樹脂とカーボンブラック粒子との親和性を高めることができる。よって、本実施形態に係るキャリアを長期にわたって使用しても、カーボンブラック粒子がコート層から脱離することを防止できる。
それだけでなく、フッ素樹脂とカーボンブラック粒子との親和性を高めることができれば、フッ素樹脂がカーボンブラック粒子の周囲に存在し易い。これにより、機械的ストレスがキャリアに付与された場合であっても、カーボンブラック粒子の周囲に存在するフッ素樹脂が機械的ストレスを吸収し易い。よって、カーボンブラック粒子に付与される機械的ストレスを低減することができる。例えば、本実施形態に係るキャリアを長期にわたって使用したことに起因して機械的ストレスがキャリアに付与された場合であっても、カーボンブラック粒子に付与される機械的ストレスを低減することができる。このことによっても、カーボンブラック粒子の脱離を防止できる。フッ素樹脂が粒子形状を有する場合には、カーボンブラック粒子に付与される機械的ストレスが低減され易い。例えば、コート層は、個数平均1次粒子径が50nm以上500nm以下のフッ素樹脂粒子を含むことが好ましい。
キャリアを長期にわたって使用する場合において、カーボンブラック粒子の脱離を防止できれば、コート層の電気抵抗が変動することを防止できる。これにより、キャリアを長期にわたって使用する場合においても、キャリアの帯電付与能を維持することができる。例えば、キャリアを長期にわたって使用する場合においても、トナーが過剰に正に帯電することを防止できる。
また、本実施形態におけるカーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が含フッ素アルコキシシランで表面処理されて構成されている。これにより、本実施形態に係るキャリアを長期にわたって使用する場合においても、カーボンブラック粒子がコート層内で凝集することを防止できる。よって、本実施形態に係るキャリアを長期にわたって使用する場合においても、キャリア粒子の表面において電荷が不均一となることを防止できる。それだけでなく、コート層では、フッ素樹脂が負帯電性を示し易く、カーボンブラック粒子もまた負帯電性を示し易い。これにより、本実施形態に係るキャリアを長期にわたって使用したことに起因してカーボンブラック粒子がコート層内で凝集しても、キャリア粒子の表面において電荷が不均一となることを防止し易い。このように、本実施形態では、キャリアを長期にわたって使用する場合においても、キャリア粒子の表面において電荷が不均一となることを防止できる。よって、キャリアを長期にわたって使用する場合においても、チャージパッチ効果に起因する外添剤の付着を防止できる。ここで、「チャージパッチ効果」とは、キャリア粒子の表面において電荷が不均一であれば、キャリア粒子の表面において電荷が均一である場合に比べ、キャリア粒子の表面付着力が大きいことを意味する。
キャリアを長期にわたって使用する場合において、キャリア粒子の表面への外添剤の付着量を低減できれば、キャリア粒子の表面において帯電サイト(摩擦によりトナーを帯電させるための部位)を確保し易い。よって、キャリアを長期にわたって使用する場合においても、キャリアの帯電付与能が低下することを防止できる。
フッ素樹脂の量が少なすぎると、印刷初期においてトナー帯電量を確保できないことがある(例えば、後述する比較例1、4、及び5参照)。また、フッ素樹脂の量が少なすぎると、フッ素樹脂とカーボンブラック粒子との親和性を高めることが難しい。そのため、キャリアを長期にわたって使用すると、カーボンブラック粒子が脱離することがあり、その結果、トナー帯電量が増加することがある(例えば、後述する比較例1、4、及び5参照)。コート層がフッ素樹脂を全く含有しない場合には、トナー帯電量の増加が顕著となり易い(例えば、後述する比較例1及び4参照)。一方、フッ素樹脂の量が多すぎると、印刷初期においてトナーが過剰に正に帯電することがある(例えば、後述する比較例3参照)。また、フッ素樹脂の量が多すぎると、外添剤がキャリア粒子の表面に付着し易い。そのため、キャリアを長期にわたって使用すると、キャリア粒子の表面において帯電サイトを確保し難いことがあり、その結果、トナー帯電量が減少することがある(例えば、後述する比較例3参照)。
カーボンブラック粒子の代わりにカーボンブラック基体粒子を用いると(例えば、後述する比較例1及び2参照)、フッ素樹脂とカーボンブラック基体粒子との親和性を確保することが難しい。そのため、キャリアを長期にわたって使用すると、カーボンブラック粒子が脱離することがあり、その結果、トナー帯電量が増加することがある。また、カーボンブラック粒子の代わりにカーボンブラック基体粒子を用いると(例えば、後述する比較例1及び2参照)、カーボンブラック基体粒子がコート層内において凝集することがある。そのため、キャリアを長期にわたって使用すると、キャリア粒子の表面において帯電サイトを確保し難いことがあり、その結果、トナー帯電量が減少することがある。
コート層の好ましい構成について、説明する。好ましくは、コート層が含有するコート樹脂は、20質量%以上80質量%以下のフッ素樹脂と、20質量%以上80質量%以下の他の樹脂とを含む。他の樹脂は、フッ素樹脂以外の樹脂を意味し、好ましくはキャリアコアの表面にフッ素樹脂を結着可能な樹脂である。コート樹脂が他の樹脂をさらに含むことで、フッ素樹脂がキャリアコアの表面から剥離することを防止できる。他の樹脂は、シリコーン系樹脂であることが好ましい。他の樹脂は、シリコーン系樹脂に代えて、又はシリコーン系樹脂とともに、ポリイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂とからなる群より選択される少なくとも1つであってもよい。
好ましくは、コート層は、コート樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下のカーボンブラック粒子を含む。これにより、コート層の電気抵抗が高くなり過ぎることを防止し易い。以下、カーボンブラック粒子について、さらに説明する。
カーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が含フッ素アルコキシシランで表面処理されて構成されている。カーボンブラック基体粒子が含フッ素アルコキシシランで表面処理されると、含フッ素アルコキシシランに含まれるアルコキシ基が加水分解されて水酸基となる。加水分解で生じた水酸基のうち、一部は、互いに結合されてシラノール結合を形成するが、残りの一部は、カーボンブラック基体粒子の表面に存在する水酸基と反応(脱水反応)する。そのため、カーボンブラック基体粒子の表面には、フッ素原子を含むアルキル基が接続される。以下、含フッ素アルコキシシランとして下記式(1−1)で表されるアルコキシシラン(以下、「アルコキシシラン(1−1)」と記載する)を用いた場合を例に挙げて、カーボンブラック粒子を説明する。
Figure 2019095650
上記式(1−1)において、R11は、置換基を有してもよいアルキレン基を表す。好ましくは、R11は、置換基を有してもよい炭素数15以下のアルキレン基を表す。R11の一例としては、炭素数15以下のアルキレン基が挙げられる。R11の別の一例としては、炭素数15以下のアルキレン基において少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されて構成された官能基が挙げられる。R12、R13、及びR14は、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基を表し、好ましくはアルキル基を表し、より好ましくは炭素数が1以上5以下のアルキル基を表す。例えば、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シランでは、R11は、エチレン基(炭素数:2)を表し、R12、R13、及びR14は、各々、メチル基を表す。また、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)シランでは、R11は、−(CF27−CH2−CH2−(炭素数:9)を表し、R12、R13、及びR14は、各々、メチル基を表す。
カーボンブラック基体粒子がアルコキシシラン(1−1)で表面処理されると、アルコキシシラン(1−1)に含まれるアルコキシ基(より具体的には、OR12基、OR13基、及びOR14基)が加水分解されて水酸基となる。加水分解で生じた水酸基のうち、一部は、互いに結合されてシラノール結合を形成するが、残りの一部は、カーボンブラック基体粒子の表面に存在する水酸基と反応(脱水反応)する。そのため、カーボンブラック基体粒子の表面には、下記式(1−2)で表される修飾基が接続される。
Figure 2019095650
上記式(1−2)において、R11は、前述したとおりである。n1は、繰返し単位の繰返し数(任意の数)を示す。酸素原子の未結合手は、カーボンブラック基体粒子を構成する原子に接続される。
[キャリアの好ましい製造方法]
本実施形態に係るキャリアの製造方法は、表面処理工程と、供給工程と、熱処理工程とを含む。同時に製造された粒子は、互いに略同一の構成を有すると考えられる。以下、コート樹脂がフッ素樹脂と他の樹脂とを含む場合を例に挙げて、キャリアの製造方法を説明する。
<表面処理工程>
表面処理工程では、カーボンブラック粒子を作製する。詳しくは、カーボンブラック基体粒子を表面処理剤で処理する。このようにして、カーボンブラック粒子を得る。
好ましくは、分散機(例えば、プライミクス株式会社製「ホモミクサーMARKII2.5型」)を用いて、カーボンブラック基体粒子と表面処理剤とを混合する。表面処理剤の量がカーボンブラック基体粒子の量に対して5倍以上20倍以下であれば、カーボンブラック粒子を容易に作製することができる。
前述の脱水反応は常温でも進行するため、常温でカーボンブラック基体粒子と表面処理剤とを混合することができる。カーボンブラック基体粒子と表面処理剤と溶剤とを混合してもよい。この場合、得られた混合物を乾燥させることが好ましい。また、得られた混合物を乾燥させる前に、得られた混合物を溶剤で洗浄してもよい。溶剤は、例えば、トルエンであることが好ましい。
<供給工程>
供給工程では、キャリアコアの表面にコート液を供給する。このようにして、コート液が表面に供給されたキャリアコア(被覆キャリアコア)が得られる。
より具体的には、まず、コート液を調製する。好ましくは、フッ素樹脂を溶剤に分散又は溶解させ、他の樹脂を溶剤に分散又は溶解させ、且つカーボンブラック粒子を溶剤に分散させる。コート液におけるフッ素樹脂の量は、溶剤100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。コート液における他の樹脂の量は、溶剤100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。コート液におけるカーボンブラック粒子の量は、フッ素樹脂と他の樹脂との合計量に対して、0.5質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。溶剤は、例えば、トルエンであることが好ましい。
コート液は、カーボンブラック基体粒子でなくカーボンブラック粒子を含む。そのため、コート液においてカーボンブラック粒子が凝集することを防止できる。このようなコート液を用いてコート層を形成すれば、形成されたコート層においてカーボンブラック粒子が凝集することを防止し易い。
次に、コート液をキャリアコアの表面に付着させる。コート液へキャリアコアを浸漬してもよいし、流動層中のキャリアコアへコート液を噴霧してもよい。例えば、転動流動層コーティング造粒装置(より具体的には、岡田精工株式会社製「スピラコータ」)を用いて、流動層中のキャリアコアへコート液を噴霧することができる。流動層中のキャリアコアへコート液を噴霧すれば、コート液に含まれるフッ素樹脂は、粒子形状を有した状態でキャリアコアの表面に付着し易い。
コート液に含まれるコート樹脂の量がキャリアコア100質量部に対して0.5質量部以上5.0質量部以下となるように、コート液の供給量を調整することが好ましい。これにより、キャリアコアの表面領域におけるコート樹脂の被覆率が100%となり易い。
<熱処理工程>
熱処理工程では、被覆キャリアコアを所定の時間にわたって所定の温度で熱処理する。被覆キャリアコアを熱処理すると、コート液が硬化する。このようにして、キャリアコアの表面を覆うコート層が形成される。よって、多数個のキャリア粒子を含むキャリアを得ることができる。好ましくは、被覆キャリアコアを流動させながら、被覆キャリアコアを熱処理する。所定の温度は、200℃以上300℃以下の範囲から選ばれる温度であることが好ましい。所定の時間は、30分間以上5時間以下の範囲から選ばれる時間であることが好ましい。
[キャリアを構成する材料の例示]
<キャリアコア>
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましい。より具体的には、キャリアコアは、磁性材料で構成された粒子(磁性材料粒子)であってもよい。磁性材料粒子が樹脂中に分散してキャリアコアが構成されていてもよい。
キャリアコアが含有する磁性材料は、例えば、強磁性金属、又は強磁性金属酸化物であることが好ましい。強磁性金属は、例えば、鉄、コバルト、又はニッケルであることが好ましい。強磁性金属は、例えば、鉄とコバルトとニッケルとからなる群より選択される少なくとも1つ(以下、「鉄等」と記載する)を含む金属材料であってもよい。金属材料は、合金であってもよいし、混合物であってもよい。合金は、鉄等と他の金属との合金であることが好ましい。混合物は、鉄等と他の金属とを含む混合物であることが好ましい。前述の他の金属は、各々、銅、亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、マグネシウム、セレン、タングステン、ジルコニウム、及びバナジウムからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。強磁性金属酸化物は、例えば、フェライトであることが好ましい。
キャリアコアが含有する磁性材料は、金属酸化物、金属窒化物、及び炭化物からなる群より選択される少なくとも1つと前述の強磁性金属酸化物との混合物であってもよい。金属酸化物は、例えば、酸化鉄、酸化チタン、又は酸化マグネシウムであることが好ましい。金属窒化物は、例えば、窒化クロム、又は窒化バナジウムであることが好ましい。炭化物は、炭化ケイ素であってもよいし、炭化タングステンに代表される金属炭化物であってもよい。
より好ましくは、キャリアコアが含有する磁性材料は、フェライトである。フェライトは、例えば、スピネルフェライト(マグネタイト)、バリウムフェライト、Mnフェライト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、Cu−Znフェライト、又はMn−Mg−Srフェライトであることが好ましい。
個々のキャリアコアの材料として、1種類の磁性材料を単独で使用してもよいし、2種類以上の磁性材料を併用してもよい。市販品のキャリアコアを使用してもよい。磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコアを自作してもよい。磁性材料の添加量(特に、強磁性材料の添加量)を変えることで、キャリアの飽和磁化を調整することができる。磁性材料を焼成する温度(焼成温度)を変えることで、キャリアの円形度を調整することができる。
さらに好ましくは、キャリアコアは、フェライトで構成された粒子(フェライト粒子)である。フェライト粒子は、画像形成のために十分な磁性を有する傾向がある。また、一般的な製法により作製されたフェライト粒子は、真球にはならず、表面に適度な凹凸を有する傾向がある。詳しくは、フェライト粒子の表面の算術平均粗さ(詳しくは、JIS(日本工業規格)B0601−2013で規定される算術平均粗さRa)は0.3μm以上2.0μm以下である傾向がある。
キャリアコアの体積中位径(D50)は30μm以上100μm以下であることが好ましい。これにより、より良好な現像性を得ることができる。キャリアコアの体積中位径(D50)は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−700」)を用いて測定した値である。
<コート層>
(コート樹脂)
フッ素樹脂は、ポリフッ化ビニルと、ポリフッ化ビニリデンと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、ポリトリフルオロエチレンと、ポリヘキサフルオロプロピレンと、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)とからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。ポリトリフルオロエチレンは、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレンであることが好ましい。
他の樹脂は、シリコーン系樹脂であることが好ましい。シリコーン系樹脂は、主鎖としてシロキサン結合「Si−O−Si」を有し、側鎖として有機基を有する。シリコーン系樹脂の主鎖(シロキサン結合:Si−O−Si)同士が3次元的につながっていれば、シリコーン系樹脂が優れた耐久性を有し易い。
メチルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基のみを有する。メチルフェニルシリコーン樹脂は、側鎖の有機基としてメチル基及びフェニル基を有する。シリコーン系樹脂は、例えば、下記式(2)又は下記式(3)で示される構造を有する。
Figure 2019095650
上記式(2)において、R21は、有機基を表し、好ましくは、メチル基、又はフェニル基を表す。R22は、水素原子、又は有機基を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、又はフェニル基を表す。R21とR22とは、互いに同一であっても異なっていてもよい。Y21は第1末端部を表し、Y22は第2末端部を表す。第1末端部には、好ましくはオルガノシロキシ基が接続され、より好ましくはトリメチルシロキシ基が接続される。第2末端部には、好ましくはオルガノシリル基が接続され、より好ましくはトリメチルシリル基が接続される。n2は、繰返し単位の繰返し数(任意の数)を示す。
Figure 2019095650
上記式(3)において、R31、R32、及びR33は、各々独立して、有機基を表し、好ましくは、メチル基、又はフェニル基を表す。R34は、水素原子、又は有機基を表し、好ましくは、水素原子、メチル基、又はフェニル基を表す。Y31は第1末端部を表し、Y32は第2末端部を表す。第1末端部には、好ましくはオルガノシロキシ基が接続され、より好ましくはトリメチルシロキシ基が接続される。第2末端部には、好ましくはオルガノシリル基が接続され、より好ましくはトリメチルシリル基が接続される。n31、及びn32は、各々、繰返し単位の繰返し数(任意の数)を示す。
他の樹脂は、シリコーン系樹脂に代えて、ポリイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂とからなる群より選択される少なくとも1つであってもよい。他の樹脂は、ポリイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂とからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含んでもよい。
(カーボンブラック粒子)
カーボンブラック粒子の個数平均1次粒子径が、10nm以上100nm以下であることが好ましい。カーボンブラック粒子の個数平均1次粒子径が大きすぎると、カーボンブラック粒子が脱離することがある。カーボンブラック基体粒子の個数平均1次粒子径が10nm以上100nm以下であれば、カーボンブラック粒子の個数平均1次粒子径が10nm以上100nm以下となり易い。
カーボンブラック基体粒子は、カーボンブラックを含有し、好ましくはカーボンブラックのみを含有する。カーボンブラックは、何れの製造法により製造されたものであってもよい。カーボンブラックは、例えば、ケッチェンブラックとファーネスブラックとチャンネルブラックとアセチレンブラックとサーマルブラックとからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。表面処理剤については、前述の[キャリアの基本構成]で説明したとおりである。
[キャリアの用途の例示]
前述したように、本実施形態に係るキャリアは、摩擦によりトナーを正に帯電させ易い。そのため、本実施形態に係るキャリアと、キャリアとの摩擦により正に帯電可能なトナーとを用いて、2成分現像剤を提供できる。
混合機(例えば、ボールミル、ナウターミキサー又はロッキングミキサー等)を用いて本実施形態に係るキャリアと正帯電性トナーとを混合及び攪拌することで、本実施形態に係る2成分現像剤を得ることができる。キャリア粒子100質量部に対する正帯電性トナーの配合量は、好ましくは1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは3質量部以上15質量部以下である。
2成分現像剤に含まれるトナーの構成は特に限定されない。例えば、トナーに含まれる複数個のトナー粒子は、各々、トナー母粒子と外添剤とを備えることが好ましい。トナー母粒子は、カプセルトナーであってもよいし、非カプセルトナーであってもよい。外添剤は、トナー母粒子の表面に付着する外添剤粒子を複数個含むことが好ましい。以下、トナー母粒子が非カプセルトナーである場合を例に挙げて、正帯電性トナーを具体的に説明する。
[正帯電性トナーを構成する材料の例示]
<トナー母粒子>
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。トナー母粒子は、着色剤とワックスと電荷制御剤とのうちの少なくとも1つをさらに含有してもよい。
(結着樹脂)
トナー母粒子では、通常、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。
また、結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(具体的には、水酸基価、酸価、ガラス転移点、又は軟化点)を調整できる。例えば、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
結着樹脂は、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂を使用できる。アクリル酸系樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体を使用できる。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂を使用できる。ビニル樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂を使用できる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち前述の樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体も、トナー粒子を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。例えば、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂も、結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂として使用できる。以下では、結着樹脂の一例であるポリエステル樹脂について詳述する。
(結着樹脂:ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂は、1種類以上のアルコールと1種類以上のカルボン酸との共重合体である。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示す2価アルコール又は3価以上のアルコールを使用できる。2価アルコールとしては、例えば、ジオール類又はビスフェノール類を使用できる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示す2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸を使用できる。
ジオール類の好適な例としては、脂肪族ジオールが挙げられる。脂肪族ジオールの好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。α,ω−アルカンジオールは、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオールであることが好ましい。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸、α,ω−アルカンジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、又はシクロアルカンジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸であることが好ましい。α,ω−アルカンジカルボン酸は、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸であることが好ましい。不飽和ジカルボン酸は、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、又はグルタコン酸であることが好ましい。シクロアルカンジカルボン酸は、例えば、シクロヘキサンジカルボン酸であることが好ましい。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
着色剤としては、正帯電性トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。正帯電性トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種類以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを使用できる。
(ワックス)
ワックスは、例えば、正帯電性トナーの定着性又は耐高温オフセット性を向上させる目的で使用される。トナー母粒子のカチオン性を強めるためには、カチオン性を有するワックスを用いてトナー母粒子を作製することが好ましい。
ワックスは、例えば、脂肪族炭化水素ワックス、植物性ワックス、動物性ワックス、鉱物ワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、又は脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスは、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスであることが好ましい。脂肪族炭化水素ワックスには、これらの酸化物も含まれる。植物性ワックスは、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスであることが好ましい。動物性ワックスは、例えば、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうであることが好ましい。鉱物ワックスは、例えば、オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムであることが好ましい。脂肪酸エステルを主成分とするワックス類は、例えば、モンタン酸エステルワックス、又はカスターワックスであることが好ましい。1種類のワックスを単独で使用してもよいし、複数種のワックスを併用してもよい。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、例えば、正帯電性トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。正帯電性トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルに正帯電性トナーを帯電可能か否かの指標になる。トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(正電荷制御剤)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。
正電荷制御剤としては、例えば、アジン化合物、アジン化合物からなる直接染料、ニグロシン化合物、ニグロシン化合物からなる酸性染料、又は第四級アンモニウム塩が挙げられる。アジン化合物としては、例えば、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、又はキノキサリンが挙げられる。アジン化合物からなる直接染料としては、例えば、アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディープブラックEW、又はアジンディープブラック3RLが挙げられる。ニグロシン化合物としては、例えば、ニグロシン、ニグロシン塩、又はニグロシン誘導体が挙げられる。ニグロシン化合物からなる酸性染料としては、例えば、ニグロシンBK、ニグロシンNB、又はニグロシンZが挙げられる。第四級アンモニウム塩としては、例えば、ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、又はデシルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。正電荷制御剤として、ナフテン酸の金属塩類、高級脂肪酸の金属塩類、アルコキシル化アミン、又はアルキルアミドを用いることもできる。1種類の正電荷制御剤を単独で使用してもよいし、複数種の正電荷制御剤を併用してもよい。
<外添剤>
トナー粒子の流動性又はトナーの取り扱い性を向上させる目的で、外添剤粒子をトナー母粒子に外添させることが好ましい。外添剤粒子は、シリカ粒子、金属酸化物粒子、及び樹脂粒子からなる群より選択される少なくとも1種類を含むことが好ましい。金属酸化物粒子を構成する金属酸化物は、例えば、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウムであることが好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂は、メラミン樹脂であってもよいし、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂であってもよい。外添剤粒子の粒子径は、1nm以上1000nm以下であることが好ましい。外添剤粒子の量は、トナー母粒子100質量部に対し、0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましい。
[正帯電性トナーの作製方法の例示]
本実施形態に係る正帯電性トナーの作製方法は、トナー母粒子の作製工程と外添工程とを含むことが好ましい。トナー母粒子の作製工程では、公知の凝集法又は公知の粉砕法によりトナー母粒子を作製することが好ましい。これにより、トナー母粒子を容易に作製できる。また、外添工程では、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いて、トナー母粒子と外添剤とを混合することが好ましい。これにより、トナー母粒子の表面には複数個の外添剤粒子が付着する。このようにして、複数個のトナー粒子を含む正帯電性トナーを得ることができる。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るキャリアCA−1〜CA−11、及びCB−1〜CB−5(それぞれ静電潜像現像用キャリア)を示す。
表1において、「FEP」は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を意味する。「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンを意味する。「Si系」は、メチルシリコーン樹脂を意味する。「第1処理剤」は、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シランを意味する。「第2処理剤」は、トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)シランを意味する。
表1において、「表面処理剤」には、カーボンブラック基体粒子の表面を表面処理剤で処理したか否かを記す。カーボンブラック基体粒子の表面を表面処理剤で処理した場合には「有り」と記し、カーボンブラック基体粒子の表面を表面処理剤で処理しなかった場合には「無し」と記す。詳しくは、導電性粒子P−1を作製する際には、カーボンブラック基体粒子の表面を第2処理剤で処理した。導電性粒子P−2を作製する際には、カーボンブラック基体粒子の表面を第1処理剤で処理した。導電性粒子P−3を作製する際には、カーボンブラック基体粒子の表面を処理しなかった。
Figure 2019095650
以下、まず、導電性粒子P−1〜P−3の各々の作製方法を説明する。次に、キャリアCA−1〜CA−11、及びCB−1〜CB−5について、製造方法と、評価方法と、評価結果とを順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[導電性粒子の作製方法]
<導電性粒子P−1の作製>
分散機(プライミクス株式会社製「ホモミクサーMARKII2.5型」)に、5質量部のカーボンブラック基体粒子(三菱化学株式会社製「#3400B」、粒子径:21nm)と、50質量部のトリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)シランと、300質量部のトルエンとを入れた。分散機の内容物を回転速度500rpmで30分間にわたって混合した。分散機の内容物を濾過した。得られた固形物を、トルエンで洗浄した後、乾燥させた。このようにして、導電性粒子P−1を得た。
<導電性粒子P−2の作製>
トリメトキシ(1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル)シランの代わりに、トリメトキシ(3,3,3−トリフルオロプロピル)シランを用いた。このことを除いては導電性粒子P−1の作製方法に従い、導電性粒子P−2を作製した。
<導電性粒子P−3の準備>
カーボンブラック基体粒子(三菱化学株式会社製「#3400B」、粒子径:21nm)を導電性粒子P−3として用いた。
[キャリアの製造方法]
<キャリアCA−1の製造>
MnO(体積中位径:0.9μm)換算で40質量部、MgO(体積中位径:0.9μm)換算で10質量部、Fe23(体積中位径:0.8μm)換算で50質量部になるように、各原材料(MnO、MgO、及びFe23)を配合した。原材料の混合物に水を加えて、キャリアコア原料を得た。
湿式ボールミルを用いて、2時間かけて、キャリアコア原料を粉砕し、混合した。得られた混合物を、スプレードライヤーを用いて、造粒させて乾燥させた。得られた固形物を1000℃で5時間にわたって焼成した。このようにして、キャリアコアを得た。得られたキャリアコアでは、体積中位径が40μmであり、3000(103/4π・A/m)の印加磁場での飽和磁化が65Am2/kgであった。
500質量部のトルエンに、固形分換算で100質量部のメチルシリコーン樹脂溶液(東レダウコーニング株式会社製「SR2400」)を溶解させた。得られた溶液に、100質量部のテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)と、2質量部の導電性粒子P−1とを加えた。このようにして、コート液を得た。
キャリアコアを流動コーティング装置に入れた。キャリアコアを流動させながら、キャリアコアに向けてコート液をスプレーした。このとき、100質量部のキャリアコアに対して4質量部のコート液を噴霧した。その後、流動コーティング装置内の流動層に温度270℃の熱処理を2時間行った。このようにして、キャリアCA−1を得た。
<キャリアCA−2〜CA−7の各々の製造>
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で160質量部に変更した。FEPの配合量を40質量部に変更した。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCA−2を得た。
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で40質量部に変更した。FEPの配合量を160質量部に変更した。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCA−3を得た。
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で140質量部に変更した。FEPの配合量を60質量部に変更した。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCA−4を得た。
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で60質量部に変更した。FEPの配合量を140質量部に変更した。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCA−5を得た。
FEPの代わりにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた。このことを除いてはキャリアCA−2の製造方法に従い、キャリアCA−6を得た。
FEPの代わりにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた。このことを除いてはキャリアCA−3の製造方法に従い、キャリアCA−7を得た。
<キャリアCA−8〜CA−11の各々の製造>
導電性粒子P−1の代わりに導電性粒子P−2を用いた。このことを除いてはキャリアCA−2、CA−3、CA−6、及びCA−7の製造方法に従い、各々、キャリアCA−8〜CA−11を得た。
<キャリアCB−1〜CB−5の各々の製造>
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で200質量部に変更した。FEPを配合しなかった。導電性粒子P−1の代わりに導電性粒子P−3を用いた。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCB−1を得た。
導電性粒子P−1の代わりに導電性粒子P−3を用いた。このことを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCB−2を得た。
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で20質量部に変更した。FEPの配合量を180質量部に変更した。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCB−3を得た。
導電性粒子P−3の代わりに導電性粒子P−1を用いた。このことを除いてはキャリアCB−1の製造方法に従い、キャリアCB−4を得た。
メチルシリコーン樹脂溶液の配合量を固形分換算で180質量部に変更した。FEPの配合量を20質量部に変更した。これらを除いてはキャリアCA−1の製造方法に従い、キャリアCB−5を得た。
[キャリアの評価方法]
<評価機の準備>
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)に、100質量部のポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「XPE258」)と、9質量部のエステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」)と、9質量部のカーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)と、1質量部の電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)とを入れた。ミキサーの内容物を回転速度2000rpmで4分間にわたって混合した。
得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度100g/分、軸回転速度150rpm、且つ設定温度(シリンダー温度)100℃の条件で、溶融混練した。得られた溶融混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて、設定粒子径2mmの条件で粗粉砕した。得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル RS型」)を用いて、微粉砕した。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて、分級した。このようにして、体積中位径(D50)6.7μmのトナー母粒子を得た。
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)に、100質量部のトナー母粒子と、1質量部の正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」)と、1質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100J」)とを入れた。回転速度3000rpm、ジャケット温度20℃、且つ処理時間5分間の条件で、ミキサーの内容物を混合した。その後、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて、ミキサーの内容物を篩別した。このようにして、多数個のトナー粒子を含むトナーを得た。
粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」)を用い、1時間にわたって、100質量部のキャリア(より具体的には、キャリアCA−1〜CA−11、及びCB−1〜CB−5の各々)と、10質量部のトナーとを混合した。このようにして、2成分現像剤を得た。
複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 500ci」)のブラック用現像装置に、2成分現像剤(未使用)を入れた。また、複合機のブラック用トナーコンテナに、補給用トナー(未使用)を入れた。補給用トナーとしては、2成分現像剤に含まれるトナーと同一のトナーを用いた。その後、インストール動作を行った。このようにして、評価機を準備した。
<キャリアの帯電付与能の評価>
温度25℃且つ湿度65%RHの環境下で、評価機を用いて、画像(印字率:4%)を普通紙(A4サイズ)に1万枚連続で印刷した。評価機から現像装置を取り外し、現像装置から2成分現像剤を取り出した。取り出した2成分現像剤を用いて、後述の方法でトナー帯電量を求めた。このようにして、1万枚連続印刷後のトナー帯電量(以下、「第1帯電量」と記載する)を得た。
現像装置を評価機に再度、取り付けた。温度25℃且つ湿度65%RHの環境下で、評価機を用いて、画像(印字率:4%)を普通紙(A4サイズ)に9万枚連続で印刷した。評価機から現像装置を取り外し、現像装置から2成分現像剤を取り出した。取り出した2成分現像剤を用いて、後述の方法でトナー帯電量を求めた。このようにして、10万枚連続印刷後のトナー帯電量(以下、「第2帯電量」と記載する)を得た。
第1帯電量と第2帯電量と下記式とに基づき、帯電量の変化率(単位:%)を算出した。
(帯電量の変化率)(単位:%)=100×[(第2帯電量)−(第1帯電量)]/(第1帯電量)
(トナー帯電量の測定)
温度25℃且つ湿度65%RHの環境下で、トナー帯電量を測定した。詳しくは、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)の測定セルに0.10gの2成分現像剤を入れ、2成分現像剤のうちトナーのみを篩(金網)を介して10秒間吸引した。そして、下記式に基づき、トナー帯電量(単位:μC/g)を算出した。なお、下記式中の「吸引されたトナーの質量」は、吸引前の測定セル及び2成分現像剤の合計質量と、吸引後の測定セル及び測定セルに残留した2成分現像剤の合計質量との差分として求めた。
トナー帯電量(単位:μC/g)=吸引されたトナーの総電気量(単位:μC)/吸引されたトナーの質量(単位:g)
第1帯電量と第2帯電量と帯電量の変化率とに基づき、キャリアの帯電付与能を評価した。評価基準を以下に示す。評価結果を表2に示す。
良好:下記条件1〜3の全てを満たした。
不良:下記条件1〜3のうちの少なくとも1つを満たさなかった。
条件1:第1帯電量が、20μC/g以上30μC/g以下であった。
条件2:第2帯電量が、20μC/g以上30μC/g以下であった。
条件3:帯電量の変化率が、−20%以上+20%以下であった。
[キャリアの評価結果]
表2に、キャリアの評価結果を示す。
Figure 2019095650
キャリアCA−1〜CA−11(より具体的には、実施例1〜11に係るキャリア)は、各々、前述の基本構成を備えていた。詳しくは、キャリアCA−1〜CA−11は、各々、複数個のキャリア粒子を含んでいた。キャリア粒子は、各々、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えていた。コート層は、コート樹脂を含有し、カーボンブラック粒子を含んでいた。コート樹脂は、20質量%以上80質量%以下のフッ素樹脂を含んでいた。カーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が含フッ素アルコキシシランで表面処理されて構成されていた。
表2に示すように、キャリアCA−1〜CA−11の各々を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、1万枚連続して形成した場合においても、10万枚連続して形成した場合においても、トナー帯電量を所望の範囲内に維持することができた。また、キャリアCA−1〜CA−11の各々を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、帯電量の変化率を所望の範囲内に維持することができた。
一方、キャリアCB−1〜CB−5(より具体的には、比較例1〜5に係るキャリア)は、各々、前述の基本構成を備えていなかった。詳しくは、キャリアCB−1では、コート層は、フッ素樹脂を含有していなかった。また、コート層は、カーボンブラック粒子ではなくカーボンブラック基体粒子を含んでいた。キャリアCB−1を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、1万枚連続して形成した場合においても、10万枚連続して形成した場合においても、トナー帯電量が所望の範囲を下回った。また、帯電量の変化率が所望の範囲を大きく上回った。
キャリアCB−2では、コート層は、カーボンブラック粒子ではなくカーボンブラック基体粒子を含んでいた。キャリアCB−2を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、10万枚連続して形成した場合にはトナー帯電量が所望の範囲を下回った。また、帯電量の変化率が所望の範囲を下回った。
キャリアCB−3では、コート層は、90質量%のフッ素樹脂を含有していた。キャリアCB−3を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、1万枚連続して形成した場合においてトナー帯電量が所望の範囲を超えた。また、帯電量の変化率が所望の範囲を下回った。
キャリアCB−4では、コート層は、フッ素樹脂を含有していなかった。キャリアCB−4を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、1万枚連続して形成した場合においてトナー帯電量が所望の範囲を下回った。また、帯電量の変化率が所望の範囲を大きく上回った。
キャリアCB−5では、コート層は、10質量%のフッ素樹脂を含有していた。キャリアCB−5を含む2成分現像剤を用いて画像を形成すると、1万枚連続して形成した場合においてトナー帯電量が所望の範囲を下回った。また、帯電量の変化率が所望の範囲を超えた。
本発明に係るキャリアは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。

Claims (5)

  1. 複数個のキャリア粒子を含むキャリアであって、
    前記キャリア粒子は、各々、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備え、
    前記コート層は、コート樹脂を含有し、カーボンブラック粒子を含み、
    前記コート樹脂は、20質量%以上80質量%以下のフッ素樹脂を含み、
    前記カーボンブラック粒子は、カーボンブラック基体粒子が表面処理剤で表面処理されて構成され、
    前記表面処理剤は、フッ素原子を分子内に含むアルコキシシランである、キャリア。
  2. 前記表面処理剤は、下記式(1−1)で表される、請求項1に記載のキャリア。
    Figure 2019095650
    上記式(1−1)において、R11は、置換基を有してもよいアルキレン基を表す。R12、R13、及びR14は、各々独立に、置換基を有してもよいアルキル基を表す。
  3. 前記コート層は、前記フッ素樹脂を含有する粒子を含む、請求項1又は2に記載のキャリア。
  4. 前記コート層は、20質量%以上80質量%以下のシリコーン系樹脂をさらに含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のキャリア。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載のキャリアと、
    前記キャリアとの摩擦により正に帯電するトナーと、
    を含む、2成分現像剤。
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