JP2019093878A - ゴムクローラ用の芯材及びゴムクローラ - Google Patents

ゴムクローラ用の芯材及びゴムクローラ Download PDF

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Abstract

【課題】 ゴムクローラ用の任意の形状の芯材であって、製造情報の管理が容易な芯材を提供する。【解決手段】 ゴムからなるクローラ本体2に埋設される硬質材料からなるゴムクローラ1用の芯材3である。芯材3は、クローラ幅方向bに延びる一対の翼部8を含んでいる。一対の翼部8の少なくとも一方には、芯材3の製造ロットNを示す表示部10が形成されている。【選択図】 図3

Description

本発明は、ゴムクローラ用の芯材及び当該芯材が埋設されたゴムクローラに関する。
従来、製造段階から廃棄段階まで追跡可能なトレーサビリティが注目されている。トレーサビリティは、ゴムクローラの技術分野においても同様に注目されている。ゴムクローラの技術分野において、このような製造情報を記憶する手段として、例えば、以下の特許文献1が知られている。
一方、例えば、芯材の製造情報は、芯材を型で成型するときに、芯材の製造ロット(製造日、製造工場等を識別するための情報であり、以下同じ。)を芯材の平面部に一体的に形成することで管理していた。
近年、芯材の形状が、芯材の軽量化に伴い、部分的に凹む括れ部を形成するとともにリブで補強する等、多様化してきた。このため、芯材を成型する型は、ゴムクローラに埋設されたときのゴムクローラの周方向に型を割る、いわゆる縦割りタイプ(すなわち、型の合わせ面に形成される型割り線が、ゴムクローラの幅方向に延びるタイプ。)が増加してきた。
図11及び図12は、それぞれ、従来の芯材100,110を示す正面図である。図11及び図12に示されるように、縦割りタイプの型を用いて芯材100,110を成型する場合の製造ロットNは、芯材100,110のクローラ周方向側の平面部(例えば、クローラ周方向と直交する平面部)に表示されていた。すなわち、図11の製造ロットNは、芯材100の角部101の付け根付近に設けられた平面部102に表示されていた。また、図12の製造ロットNは、芯材110の芯材本体111に設けられた平面部112に表示されていた。
特開平10−119845号公報
しかしながら、図11の芯材100は、角部101の付け根付近に平面部102を形成する必要があるので、この部分にリブ等を形成することができず、強度が不足するおそれがあった。また、図12の芯材110は、芯材本体111に表示された製造ロットNが、走行時の駆動輪との繰り返しの係合により摩耗し、読み取りできない場合があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、翼部に芯材の製造ロットを示す表示部を形成することを基本として、ゴムクローラ用の任意の形状の芯材であって、製造情報の管理が容易な芯材を提供することを主たる目的としている。
本発明は、ゴムからなるクローラ本体に埋設される硬質材料からなるゴムクローラ用の芯材であって、クローラ幅方向に延びる一対の翼部を含み、前記一対の翼部の少なくとも一方には、前記芯材の製造ロットを示す表示部が形成されていることを特徴とする。
本発明の芯材において、前記表示部は、前記一対の翼部のクローラ内周側の面である内面又はクローラ外周側の面である外面の少なくとも一方に形成されているのが望ましい。
本発明の芯材において、前記表示部は、クローラ周方向に沿って延びる線状模様を含むのが望ましい。
本発明の芯材において、前記線状模様は、前記翼部から突出するリブであるのが望ましい。
本発明の芯材において、前記リブは、前記翼部からの突出高さが1mm以下であるのが望ましい。
本発明の芯材において、前記リブは、クローラ幅方向に沿った幅が2mm以下であるのが望ましい。
本発明の芯材において、前記リブは、クローラ周方向と直交する断面が弓形状又は三角形状であるのが望ましい。
本発明の芯材において、クローラ幅方向に延びる型割り線を有するのが望ましい。
本発明は、ゴムからなる前記クローラ本体と、前記クローラ本体に埋設された上記の芯材とを含む、ゴムクローラであるのが望ましい。
本発明の芯材において、一対の翼部の少なくとも一方には、芯材の製造ロットを示す表示部が形成されている。このような芯材は、製造ロットを表示するために別途平面部を形成する必要がなく、任意の形状を採用することができる。このため、本発明の芯材は、芯材の軽量化と強度とを両立した任意の形状において、その製造情報を容易に管理することができる。
本発明のゴムクローラの一実施形態を示す斜視図である。 図1のゴムクローラ用の芯材の正面図である。 図2の芯材の底面図である。 図2の芯材の斜視図である。 図2の芯材の側面図である。 他の製造ロットを示す芯材の底面図である。 表示部の拡大正面図である。 図2のA−A線の断面図である。 他の実施形態の表示部を示す側面図である。 さらに他の実施形態の表示部を示す拡大正面図である。 従来の芯材の正面図である。 他の従来の芯材の正面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき詳細に説明される。
図1は、本実施形態のゴムクローラ1を示す斜視図である。図1に示されるように、本実施形態のゴムクローラ1は、ゴムからなりかつ無端帯状に形成されたクローラ本体2と、クローラ本体2に埋設された複数の芯材3と、クローラ本体2に埋設された抗張体4とを備えている。
本明細書において、クローラ周方向は、ゴムクローラ1の回転方向であり、図1の符号aで示される方向に相当する。また、クローラ幅方向は、ゴムクローラ1が車両に装着されるときの駆動輪の軸方向であり、図1の符号bで示される方向に相当する。さらに、クローラ厚さ方向は、クローラ周方向a及びクローラ幅方向bに直交する方向であり、図1の符号cで示される方向に相当する。クローラ厚さ方向cのうち、無端帯状のゴムクローラ1の内側は、クローラ内周側ciとされる。また、無端帯状のゴムクローラ1の外側は、クローラ外周側coとされる。
図1に示されるように、本実施形態のクローラ本体2は、クローラ幅方向bに略一定の幅を有している。クローラ本体2は、クローラ外周側coの外周面2oとクローラ内周側ciの内周面2iとを有している。クローラ本体2の外周面2oには、クローラ外周側coに突出する複数のラグ5が、クローラ周方向aに略等間隔に形成されているのが望ましい。また、クローラ本体2の内周面2iには、クローラ内周側ciに突出する複数の突起6が、クローラ周方向aに略等間隔に形成されているのが望ましい。
抗張体4は、例えば、クローラ周方向aに延びる複数の金属コード4aである。抗張体4は、この金属コード4aがクローラ幅方向bに並べられて形成されるのが望ましい。抗張体4は、例えば、芯材3よりもクローラ外周側coでクローラ周方向aに沿って延びている。
ゴムクローラ1用の芯材3は、ゴムよりも硬質の硬質材料からなるのが望ましい。芯材3は、例えば、鋼、鋳鉄等の金属材料により形成されている。本実施形態の芯材3は、芯材本体7と、芯材本体7からクローラ幅方向bに延びる一対の翼部8と、一対の翼部8の間で、クローラ内周側ciに突出する少なくとも1つの角部9とを含んでいる。芯材3の角部9は、クローラ本体2の突起6の内部に埋設されるのが望ましい。
図2は、図1のゴムクローラ1用の芯材3をクローラ周方向aから示す正面図であり、図3は、図2の芯材3の底面図である。図2及び図3に示されるように、本実施形態の芯材3の一対の翼部8の少なくとも一方には、芯材3の製造ロットNを示す表示部10が形成されている。ここで、製造ロットNは、例えば、製造日、製造工場等を肉眼で識別するための情報である。
このような芯材3は、製造ロットNを表示するために別途平面部を形成する必要がなく、任意の形状を採用することができる。このため、本実施形態の芯材3は、芯材3の軽量化と強度とを両立した任意の形状において、その製造情報を容易に管理することができる。
図4は、図2の芯材3の斜視図であり、図5は、芯材3をクローラ幅方向bから示す側面図である。図2〜図5に示されるように、一対の翼部8は、略平板状であるのが望ましい。本実施形態の翼部8は、クローラ内周側ciに第1リブ11を有している。このような翼部8は、芯材3の軽量化と強度とを両立させることができる。
表示部10は、例えば、一対の翼部8のクローラ内周側ciの面である内面8i又はクローラ外周側coの面である外面8oの少なくとも一方に形成されている。本実施形態の表示部10は、翼部8の外面8oに形成されている。
図6は、他の製造ロットNを示す芯材3の底面図である。図3及び図6に示されるように、芯材3の表示部10は、一対の翼部8のクローラ周方向aの両側に形成されるのが望ましい。本実施形態の表示部10は、第1表示部10Aと第2表示部10Bと第3表示部10Cと第4表示部10Dとの4か所に形成されている。
本実施形態の表示部10は、クローラ周方向aに沿って延びる線状模様12を含んでいる。線状模様12は、例えば、翼部8から突出するリブ、又は、翼部8に凹陥する凹部として形成されている。このような表示部10は、製造ロットNを表示するために別途平面部を形成する必要がなく、任意の形状の芯材3に形成することができる。
本実施形態の表示部10は、線状模様12の形成される位置及び本数によって、芯材3の製造ロットNを表示している。線状模様12は、例えば、図3に示されるように、その本数によって、製造ロットNを表示してもよいし、図6に示されるように、翼部8のクローラ幅方向bの先端からの距離によって、製造ロットNを表示してもよい。また、線状模様12は、その本数と距離との組み合わせで、製造ロットNを表示してもよいし、2進数で示す数値として、製造ロットNを表示してもよい。
このような表示部10は、線状模様12の形成方向が縦割りタイプの型の抜き方向と同一であるので、縦割りタイプの型で芯材3を成型するときに、芯材3の成型と同時に線状模様12を形成することができる。なお、縦割りタイプの型は、任意の形状の芯材3を容易に成型することができる。
本実施形態の線状模様12は、4か所の表示部10のそれぞれに形成されている。なお、少なくとも一部の表示部10は、線状模様12が形成されていなくてもよい。線状模様12の有無及び配置される位置は、例えば、縦割りタイプの型の表示部10に対応する部分を替駒式にすることで、任意に変更することができる。
図7は、表示部10の拡大正面図である。図7に示されるように、本実施形態の表示部10の線状模様12は、翼部8から突出するリブ12Aである。リブ12Aは、例えば、クローラ周方向aと直交する断面が弓形状である。リブ12Aの断面は、半円状であってもよい。このようなリブ12Aは、その周囲を覆うゴムに局部的な応力を発生させることがなく、ゴムクローラ1の耐久性を向上させ得る。
リブ12Aは、好ましくは、翼部8からの突出高さhが1mm以下であり、クローラ幅方向bに沿った幅wが2mm以下である。このようなリブ12Aは、ゴムクローラ1に埋設されたときに抗張体4(図1に示す)と干渉するおそれが少なく、ゴムクローラ1の耐久性を向上させ得る。
図5に示されるように、本実施形態の線状模様12は、クローラ周方向aにおいて、翼部8からの突出高さhが漸増する漸増部分12aと、翼部8からの突出高さhが略一定の定常部分12bとを有している。本実施形態の漸増部分12aのクローラ周方向aの長さは、定常部分12bのクローラ周方向aの長さよりも大きい。このような線状模様12は、翼部8からの突出高さhを大きくすることができ、目視による判別が容易である。
図8は、図2のA−A線の断面図である。図2、図4及び図8に示されるように、本実施形態の芯材3の芯材本体7は、クローラ幅方向bの略中央に位置している。本実施形態の芯材本体7は、クローラ内周側ciが略円弧状であり、駆動輪(図示省略)からの駆動力が負荷されるのに適している。
図2〜図6及び図8に示されるように、芯材本体7は、クローラ周方向aの一方側に突出する一対の第1突部13と、他方側に突出する一対の第2突部14とを有するのが望ましい。本実施形態の一対の第1突部13間のクローラ幅方向bの距離は、一対の第2突部14間のクローラ幅方向bの距離よりも大きい。このような芯材本体7は、クローラ本体2に埋設されたときに、隣接する芯材3の一方側の第1突部13と他方側の第2突部14とが干渉し、互いに隣接する芯材3のクローラ幅方向bのずれを抑制し得る。
図2、図4、図5及び図8に示されるように、少なくとも1つの、本実施形態では一対の角部9は、それぞれ、その先端側に向かって突出方向に直交する断面積が大きくなる拡大部15を有している。拡大部15は、クローラ内周側ciが略平面であるのが望ましい。このような角部9は、拡大部15のクローラ内周側ciで転輪(図示省略)を支持することができる。
角部9の付け根付近は、第2リブ16及び第3リブ17により補強されるのが望ましい。第2リブ16は、例えば、各角部9からクローラ周方向aに延びる一対のリブである。第3リブ17は、例えば、角部9からクローラ幅方向bに延びる一対のリブである。このような角部9は、芯材3の軽量化と強度とを両立させることができる。
図9は、他の実施形態の表示部20を示す側面図である。図9の表示部20には、2種類の線状模様、すなわち、第1線状模様21と第2線状模様22とが例示されている。上述の実施形態と同様の構成要素は、同一の符号が付され、その説明が省略される。図9に示されるように、この実施形態の第1線状模様21は、クローラ周方向aにおいて、翼部8からの突出高さhが漸増する漸増部分21aと、翼部8からの突出高さhが略一定の定常部分21bとを有している。
この実施形態の漸増部分21aのクローラ周方向aの長さは、定常部分21bのクローラ周方向aの長さよりも小さい。このような第1線状模様21は、翼部8からの突出高さhを低減することができ、ゴムクローラ1に埋設されたときに抗張体4(図1に示す)と干渉するおそれが少ない。
この実施形態の第2線状模様22は、クローラ周方向aにおいて、翼部8の端部まで延びている。このような第2線状模様22は、翼部8の端部の形状で製造ロットNを確認することができ、目視による判別が容易である。
図10は、さらに他の実施形態の表示部30を示す拡大正面図である。上述の実施形態と同様の構成要素は、同一の符号が付され、その説明が省略される。図10に示されるように、この実施形態の表示部30の線状模様31は、翼部8から突出するリブ31Aである。この実施形態のリブ31Aは、クローラ周方向aと直交する断面が三角形状である。このようなリブ31Aは、目視による判別が容易である。
次に、図2〜図8を参酌しつつ、本実施形態の芯材3の製造方法が説明される。本実施形態の芯材3は、一対の型の内部に鋳鉄を流し込む鋳造により成型されている。芯材3を鋳造するための型は、縦割りタイプが好適に用いられる。このため、本実施形態の芯材3は、クローラ幅方向bに延びる型割り線を有している。
このような芯材3は、複数の第1リブ11、第2リブ16及び第3リブ17を有する複雑な形状であっても、中子を必要とせず、一対の型で成型できるので、製造コストを低減させることができる。また、本実施形態の表示部10は、線状模様12が型の抜き方向に形成されているため、型を用いて鋳造するときに、線状模様12を同時に形成することができる。なお、表示部10は、型の表示部10に対応する部分を替駒式にすることで、任意の製造ロットNを表示させることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
1 ゴムクローラ
2 クローラ本体
3 芯材
8 翼部
10 表示部

Claims (9)

  1. ゴムからなるクローラ本体に埋設される硬質材料からなるゴムクローラ用の芯材であって、
    クローラ幅方向に延びる一対の翼部を含み、
    前記一対の翼部の少なくとも一方には、前記芯材の製造ロットを示す表示部が形成されている、
    芯材。
  2. 前記表示部は、前記一対の翼部のクローラ内周側の面である内面又はクローラ外周側の面である外面の少なくとも一方に形成されている、請求項1に記載の芯材。
  3. 前記表示部は、クローラ周方向に沿って延びる線状模様を含む、請求項1又は2に記載の芯材。
  4. 前記線状模様は、前記翼部から突出するリブである、請求項3に記載の芯材。
  5. 前記リブは、前記翼部からの突出高さが1mm以下である、請求項4に記載の芯材。
  6. 前記リブは、クローラ幅方向に沿った幅が2mm以下である、請求項4又は5に記載の芯材。
  7. 前記リブは、クローラ周方向と直交する断面が弓形状又は三角形状である、請求項4〜6のいずれかに記載の芯材。
  8. クローラ幅方向に延びる型割り線を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の芯材。
  9. ゴムからなる前記クローラ本体と、前記クローラ本体に埋設された請求項1〜8のいずれかに記載された芯材とを含む、ゴムクローラ。
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