JP2019092345A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コモンモードノイズを低減させることができるモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置は、PWM周期毎に、第1系統の三相各相に対する第1PWMカウントを演算する第1PWMカウント演算手段46,47と、第1系統に対する三相各相に対するPWMカウントに基づいて、PWM周期毎に、第1系統と第2系統の三相モータコイルの位相差に応じて、第2系統の三相各相の第2PWMカウントを演算する第2PWMカウント演算手段47とを含む。第1系統の各相に対しては、上下段スイッチング素子がPWM周期の開始時点から上段オン状態、下段オン状態および上段オン状態の順に変化する第1パターンとなるように制御され、第2系統の各相に対しては、上下段スイッチング素子がPWM周期の開始時点から下段オン状態、上段オン状態および下段オン状態の順に変化する第2パターンとなるように制御される。【選択図】図2

Description

この発明は、位相差が60度、180度または300度である2系統の三相モータコイルを有する電動モータを、上段および下段スイッチング素子の組をそれぞれ三相分有し、2系統のうちの一方の第1系統の三相モータコイルを駆動する第1駆動回路および他方の第2系統の三相モータコイルを駆動する第2駆動回路を介して制御するモータ制御装置に関する。
三相電動モータをベクトル制御するモータ制御装置においては、電流制御周期毎に、二相電流指令値が演算される。この二相電流指令値と二相電流検出値との偏差に基づいて二相電圧指令値が演算される。この二相電圧指令値が電動モータの回転角を用いて二相・三相変換されることにより、U相、V相およびW相の相電圧指令値(三相電圧指令値)が演算される。そして、このU相、V相およびW相の相電圧指令値にそれぞれ対応するデューティのU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号が生成されて、三相インバータ回路に供給される。
この三相インバータ回路を構成する6個のスイッチング素子が、U相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号によって制御されることにより、三相電圧指令値に相当する電圧が三相電動モータに印加されることになる。これにより、三相電動モータに流れるモータ電流が二相電流指令値に等しくなるように制御される。このようなモータ制御装置においては、各PWM周期において各相の出力電圧(相電圧)の立上り時点と立下り時点において、三相電動モータとフレームグランドとの間に存在する浮遊容量に電流が流れる。
この電流がフレームグランドに流れるため、フレームグランドからノイズが放射されるおそれがある。また、車両に搭載される電動パワーステアリング装置(EPS)に搭載されるモータ制御装置の場合、車両電源(バッテリー)からEPSへの正負電源供給ラインが長いため、フレームグランドを流れたノイズ電流が、正負電源供給ラインとフレームグランドとの間にできる浮遊容量を通じて、車両電源の近傍で正負電源供給ラインに混入する。そして、ノイズ電流が長い正負電源供給ラインを流れることで、ラインから放射ノイズが発生する。これにより、コモンモードノイズが発生する。
特開平1−50766号公報
2系統の三相モータコイルを有する三相電動モータ(2系統モータ)を、2系統の三相モータコイルそれぞれに電力を供給するための2系統の駆動回路を用いて制御するモータ制御装置が知られている。このような2系統モータを制御するモータ制御装置では、2系統の駆動回路毎に、各PWM周期において各相の出力電圧(相電圧)の立上り時点と立下り時点において、三相電動モータとフレームグランドとの間に存在する浮遊容量に電流が流れる。このため、2系統モータを制御する場合には、1系統の三相モータコイルを有する三相電動モータ(1系統モータ)を駆動制御する場合に比べて、コモンモードノイズの発生頻度が高くなる。
この発明の目的は、コモンモードノイズを低減させることができるモータ制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、位相差が60度、180度または300度である2系統の三相モータコイル(18A,18B)を有する電動モータ(18)を、上段および下段スイッチング素子の組をそれぞれ三相分有し、前記2系統のうちの一方の第1系統の三相モータコイルを駆動する第1駆動回路(32A)および他方の第2系統の三相モータコイルを駆動する第2駆動回路(32B)を介して制御するモータ制御装置(31)であって、前記電動モータに流すべき電流目標値に対応した二相電流指令値を設定する設定手段(42)と、前記電動モータに流れる電流に応じた二相実電流値を演算する実電流値演算手段(49,50)と、前記二相電流指令値と前記二相電流検出値とに基づいて、PWM周期毎に、前記第1系統の三相各相に対する第1PWMカウントを演算する第1PWMカウント演算手段(46,47)と、前記第1系統に対する三相各相に対するPWMカウントに基づいて、PWM周期毎に、前記位相差に応じて、前記第2系統の三相各相の第2PWMカウントを演算する第2PWMカウント演算手段(47)とを含み、前記第1系統および前記第2系統のうちのいずれか一方の系統の各相に対しては、上下段スイッチング素子がPWM周期の開始時点から上段オン状態、下段オン状態および上段オン状態の順に変化する第1パターンとなるように制御され、他方の系統の各相に対しては、上下段スイッチング素子がPWM周期の開始時点から下段オン状態、上段オン状態および下段オン状態の順に変化する第2パターンとなるように制御される、モータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
この構成では、第1系統の各相の出力電圧に起因して浮遊容量に流れる電流を、第2系統のいずれかの相の出力電圧に起因して浮遊容量に流れる電流によって相殺することが可能となる。これにより、コモンモードノイズを低減させることができる。また、この構成では、効率良く電動モータを駆動することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記第1系統の三相モータコイルと前記第2系統の三相モータコイルの位相差が180度であり、前記実電流値演算手段は、前記第1系統の三相モータコイルに流れるU相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるU相電流とに基づいて総U相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるV相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるV相電流とに基づいて総V相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるW相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるW相電流とに基づいて総W相電流をそれぞれ演算する三相電流演算手段(49)と、前記三相電流演算手段によって演算された総U相電流、総V相電流および総W相電流からなる三相電流を三相二相変換することによって、前記二相実電流値を演算する三相二相変換手段(50)とを含み、前記第2PWMカウント演算手段は、前記第1系統のU相、V相およびW相の前記第1PWMカウントを、それぞれ前記第2系統のU相、V相およびW相の前記第2PWMカウントとして演算するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記第1系統の三相モータコイルと前記第2系統の三相モータコイルの位相差が300度であり、前記実電流値演算手段は、前記第1系統の三相モータコイルに流れるU相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるV相電流とに基づいて総U相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるV相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるW相電流とに基づいて総V相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるW相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるU相電流とに基づいて総W相電流をそれぞれ演算する三相電流演算手段と、前記三相電流演算手段によって演算された総U相電流、総V相電流および総W相電流からなる三相電流を三相二相変換することによって、前記二相実電流値を演算する三相二相変換手段とを含み、前記第2PWMカウント演算手段は、前記第1系統のU相、V相およびW相の前記第1PWMカウントを、それぞれ前記第2系統のV相、W相およびU相の第2PWMカウントとして演算するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1系統の三相モータコイルと前記第2系統の三相モータコイルの位相差が60度であり、前記実電流値演算手段は、前記第1系統の三相モータコイルに流れるU相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるW相電流とに基づいて総U相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるV相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるU相電流とに基づいて総V相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるW相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるV相電流とに基づいて総W相電流をそれぞれ演算する三相電流演算手段と、前記三相電流演算手段によって演算された総U相電流、総V相電流および総W相電流からなる三相電流を三相二相変換することによって、前記二相実電流値を演算する三相二相変換手段とを含み、前記第2PWMカウント演算手段は、前記第1系統のU相、V相およびW相の前記第1PWMカウントを、それぞれ前記第2系統のW相、U相およびV相の前記第2PWMカウントとして演算するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記第1系統の各相の第1PWMカウントは、前記第1系統の対応する相の上下段スイッチング素子を制御するための制御用PWMカウントであり、
前記第1系統の各相の第2PWMカウントは、前記第2系統の対応する相の上下段スイッチング素子を制御するための制御用PWMカウントである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記第1系統の各相の第1PWMカウントは、前記第1系統の対応する相の相電圧のレベル変化タイミングに対応したPWMカウントの目標値である相電圧対応PWMカウントであり、前記第1系統の各相の第2PWMカウントは、前記第2系統の対応する相の相電圧のレベル変化タイミングに対応したPWMカウントの目標値である相電圧対応PWMカウントであり、前記モータ制御装置は、前記第1系統の各相の相電圧のレベル変化タイミングがその相の前記第1PWMカウントに応じたタイミングとなるように前記第1系統の各相のスイッチング素子制御用PWMカウントを演算するとともに、前記第2系統の各相の相電圧のレベル変化タイミングがその相の前記第2PWMカウントに応じたタイミングとなるように前記第2系統の各相のスイッチング素子制御用PWMカウントを演算する第3PWMカウント演算手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置である。
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、ECUの電気的構成を示すブロック図である。 図3は、主として第1のモータ駆動回路および第2のモータ駆動回路の構成を示す電気回路図である。 図4Aは、PWM信号の周期Tcと電流制御周期Taとの関係を示す模式図であり、図4Bはキャリア波形を示す波形図であり、図4CはPWM信号の生成方法を説明するための模式図である。 図5は、検出操舵トルクTに対するアシスト電流値Iaの設定例を示すグラフである。 図6は、コモンモードノイズ低減部によるコモンモードノイズ低減の基本的な考え方を説明するための説明図である。 図7は、コモンモードノイズ電流に着目した等価回路を示す回路図である。 図8は、コモンモードノイズ低減部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図9は、主として、FET制御用PWMカウントと、各系統の各相の上段FET指令および下段FET指令との関係を示す模式図である。 図10Aは、上段FETおよび下段FETの接続点から電動モータ側に向かって電流が流れている状態におけるデットタイム期間中の電流経路を示す図であり、図10Bは、電動モータ側から上段FETおよび下段FETの接続点に向かって電流が流れている状態におけるデットタイム期間中の電流経路を示す図である。 図11Aは、ステップS1およびS2によって設定された各系統の各相のPWM周期単位の相電圧対応PWMカウントの一例を示す模式図であり、図11Bは、ステップS3によって設定された各系統の各相のPWM周期単位のFET制御用PWMカウントの一例を示す模式図である。 図12は、ロータ回転角に対する第1系統の各相の相電圧対応PWMカウントに対応するデューティ[%]と、ロータ回転角に対する第2系統の各相の相電圧対応PWMカウント対応するデューティ[%]とを示す模式図である。 図13は、PWM周期Tcにおいて、第2系統のある相電圧の波形が、第1系統のある相電圧の波形を反転したものとなる例を示す模式図である。
以下では、この発明を電動パワーステアリング装置に適用した場合の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ制御装置が適用された電動パワーステアリング装置の概略構成を示す模式図である。
電動パワーステアリング装置(EPS:electric power steering)1は、車両を操向するための操舵部材としてのステアリングホイール2と、このステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪3を転舵する転舵機構4と、運転者の操舵を補助するための操舵補助機構5とを備えている。ステアリングホイール2と転舵機構4とは、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して機械的に連結されている。
ステアリングシャフト6は、ステアリングホイール2に連結された入力軸8と、中間軸7に連結された出力軸9とを含む。入力軸8と出力軸9とは、トーションバー10を介して相対回転可能に連結されている。
トーションバー10の近傍には、トルクセンサ11が配置されている。トルクセンサ11は、入力軸8および出力軸9の相対回転変位量に基づいて、ステアリングホイール2に与えられた操舵トルクTを検出する。この実施形態では、トルクセンサ11によって検出される操舵トルクTは、たとえば、右方向への操舵のためのトルクが正の値として検出され、左方向への操舵のためのトルクが負の値として検出され、その絶対値が大きいほど操舵トルクの大きさが大きくなるものとする。
転舵機構4は、ピニオン軸13と、転舵軸としてのラック軸14とを含むラックアンドピニオン機構からなる。ラック軸14の各端部には、タイロッド15およびナックルアーム(図示略)を介して転舵輪3が連結されている。ピニオン軸13は、中間軸7に連結されている。ピニオン軸13は、ステアリングホイール2の操舵に連動して回転するようになっている。ピニオン軸13の先端(図1では下端)には、ピニオン16が連結されている。
ラック軸14は、自動車の左右方向に沿って直線状に延びている。ラック軸14の軸方向の中間部には、ピニオン16に噛み合うラック17が形成されている。このピニオン16およびラック17によって、ピニオン軸13の回転がラック軸14の軸方向移動に変換される。ラック軸14を軸方向に移動させることによって、転舵輪3を転舵することができる。
ステアリングホイール2が操舵(回転)されると、この回転が、ステアリングシャフト6および中間軸7を介して、ピニオン軸13に伝達される。そして、ピニオン軸13の回転は、ピニオン16およびラック17によって、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。
操舵補助機構5は、操舵補助用の電動モータ18と、電動モータ18の出力トルクを転舵機構4に伝達するための減速機構19とを含む。電動モータ18は、第1系統の三相モータコイル18A(図2、図3参照)と第2系統の三相モータコイル18B(図2、図3参照)とを有する三相ブラシレスモータ(2系統モータ)である。第1系統の三相モータコイル18Aは、後述する第1系統のモータ駆動回路32A(図2、図3参照)によって駆動される。第2系統の三相モータコイル18Bは、後述する第2系統のモータ駆動回路32B(図2、図3参照)によって駆動される。
以下において、第1系統の三相モータコイル18Aを第1のモータコイル18Aといい、第2系統の三相モータコイル18Aを第2のモータコイル18Bという場合がある。同様に、第1系統のモータ駆動回路32Aを第1のモータ駆動回路32Aといい、第2系統のモータ駆動回路32Bを第2のモータ駆動回路32Bという場合がある。
電動モータ18には、電動モータ18のロータの回転角を検出するための、例えばレゾルバからなる回転角センサ23が配置されている。減速機構19は、ウォーム軸20と、このウォーム軸20と噛み合うウォームホイール21とを含むウォームギヤ機構からなる。
ウォーム軸20は、電動モータ18によって回転駆動される。また、ウォームホイール21は、ステアリングシャフト6とは一体的に回転可能に連結されている。ウォームホイール21は、ウォーム軸20によって回転駆動される。
電動モータ18によってウォーム軸20が回転駆動されると、ウォームホイール21が回転駆動され、ステアリングシャフト6が回転する。そして、ステアリングシャフト6の回転は、中間軸7を介してピニオン軸13に伝達される。ピニオン軸13の回転は、ラック軸14の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪3が転舵される。すなわち、電動モータ18によってウォーム軸20を回転駆動することによって、電動モータ18による操舵補助が可能となっている。
車両には、車速Vを検出するための車速センサ24が設けられている。トルクセンサ11によって検出される操舵トルクT、車速センサ24によって検出される車速V、回転角センサ23の出力信号等は、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)12に入力される。ECU12は、これらの入力信号に基づいて、電動モータ18を制御する。
図2は、ECU12の全体的な電気的構成を示すブロック図である。
ECU12は、マイクロコンピュータ31と、マイクロコンピュータ31によって制御され、電動モータ18の第1のモータコイル18Aに電力を供給する第1のモータ駆動回路32Aと、マイクロコンピュータ31によって制御され、電動モータ18の第2のモータコイル18Bに電力を供給する第2のモータ駆動回路32Bとを含んでいる。
図3は、主として第1のモータ駆動回路32Aおよび第2のモータ駆動回路32Bの構成を示す電気回路図である。
第1のモータコイル18Aは、U相、V相およびW相のステータコイル18AU,18AV,18AWを有している。第2のモータコイル18Bは、U相、V相およびW相のステータコイル18BU,18BV,18BWを有している。この実施形態では、第1の三相モータコイル18Aに対して第2の三相モータコイル18Bは、180度の位相差を有している。
第1のモータ駆動回路32Aは、三相インバータ回路である。第1のモータ駆動回路32Aは、電源(バッテリー)100に直列に接続された第1の平滑コンデンサ101Aと、複数のスイッチング素子111A〜116Aと、複数のダイオード121A〜126Aとを含む。第1の平滑コンデンサ101Aは、電源100の両端子間に接続されている。この実施形態では、各スイッチング素子111A〜116Aは、nチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)から構成されている。以下において、スイッチング素子111A〜116AをFET111A〜116Aという場合がある。
複数のFET111A〜116Aは、U相用の上段FET111Aと、それに直列に接続されたU相用の下段FET112Aと、V相用の上段FET113Aと、それに直列に接続されたV相用の下段FET114Aと、W相用の上段FET115Aと、それに直列に接続されたW相用の下段FET116Aとを含む。各スイッチング素子111A〜116Aには、それぞれダイオード121A〜126Aが逆並列接続されている。
上段FET111A,113A,115Aのドレインは、第1の平滑コンデンサ101Aの正極側端子に接続されている。上段FET111A,113A,115Aのソースは、それぞれ下段FET112A,114A,116Aのドレインに接続されている。下段FET112A,114A,116Aのソースは、第1の平滑コンデンサ101Aの負極側端子に接続されている。
U相の上段FET111Aと下段FET112Aの接続点は、第1のモータコイル18AのU相ステータコイル18AUに接続されている。V相の上段FET113Aと下段FET114Aの接続点は、第1のモータコイル18AのV相ステータコイル18AVに接続されている。W相の上段FET115Aと下段FET116Aの接続点は、第1のモータコイル18AのW相ステータコイル18AWに接続されている。各FET111A〜116Aは、後述する第1系統のPWM出力部48A(図2参照)から出力されるPWM信号に基づいて制御される。
第2のモータ駆動回路32Bは、三相インバータ回路である。第2のモータ駆動回路32Bは、電源(バッテリー)100に直列に接続された第2の平滑コンデンサ101Bと、複数のスイッチング素子111B〜116Bと、複数のダイオード121B〜126Bとを含む。第2の平滑コンデンサ101Bは、電源100の両端子間に接続されている。この実施形態では、各スイッチング素子111B〜116Bは、nチャネル型のMOSFETから構成されている。以下において、スイッチング素子111B〜116BをFET111B〜116Bという場合がある。
複数のFET111B〜116Bは、U相用の上段FET111Bと、それに直列に接続されたU相用の下段FET112Bと、V相用の上段FET113Bと、それに直列に接続されたV相用の下段FET114Bと、W相用の上段FET115Bと、それに直列に接続されたW相用の下段FET116Bとを含む。各スイッチング素子111B〜116Bには、それぞれダイオード121B〜126Bが逆並列接続されている。
上段FET111B,113B,115Bのドレインは、第2の平滑コンデンサ101Bの正極側端子に接続されている。上段FET111B,113B,115Bのソースは、それぞれ下段FET112B,114B,116Bのドレインに接続されている。下段FET112B,114B,116Bのソースは、第2の平滑コンデンサ101Bの負極側端子に接続されている。
U相の上段FET111Bと下段FET112Bの接続点は、第2のモータコイル18BのU相ステータコイル18BUに接続されている。V相の上段FET113Bと下段FET114Bの接続点は、第2のモータコイル18BのV相ステータコイル18BVに接続されている。W相の上段FET115Bと下段FET116Bの接続点は、第2のモータコイル18BのW相ステータコイル18BWに接続されている。各FET111B〜116Bは、後述する第2系統のPWM出力部48B(図2参照)から出力されるPWM信号に基づいて制御される。
図3において、電源100は車両に搭載されている。電源100の負(−)極は、車両の金属性のフレーム(シャシー)130に電気的に接続されている。このため、フレーム130は、電源100の負極と同電位である。電動モータ18が搭載された電動パワーステアリング装置1はフレーム130にボルトなどで取り付けられる。ECUの+電源ライン、−電源ラインはそれぞれ長いラインを通じて電源100の正負極に接続される。このため、第1、第2のモータコイル18A、18Bとフレーム130との間には、それぞれ浮遊容量C1,C2が存在することになる。また、電源100と電動パワーステアリング装置1とを接続する正負の電源ラインとフレームグランドとの間には浮遊容量C3,C4が存在する。
図2に戻り、第1のモータ駆動回路32Aと第1のモータコイル18Aとを接続するための電力供給線には、2つの電流センサ33,34が設けられている。これらの電流センサ33,34は、第1のモータ駆動回路32Aと第1のモータコイル18Aとを接続するための3本の電力供給線のうち、2本の電力供給線に流れる相電流を検出できるように設けられている。
同様に、第2のモータ駆動回路32Bと第2のモータコイル18Bとを接続するための電力供給線には、2つの電流センサ35,36が設けられている。これらの電流センサ35,36は、第2のモータ駆動回路32Bと第2のモータコイル18Bとを接続するための3本の電力供給線のうち、2本の電力供給線に流れる相電流を検出できるように設けられている。
マイクロコンピュータ31は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM、不揮発性メモリなど。)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能するようになっている。この複数の機能処理部には、アシスト電流値設定部41と、電流指令値設定部42と、電流偏差演算部43と、PI(比例積分)制御部44と、二相・三相変換部45と、PWMデューティ演算部(PWM Duty演算部)46と、PWMカウント演算部47と、第1系統のPWM出力部48Aと、第2系統のPWM出力部48Bと、三相電流演算部49と、三相・二相変換部50と、回転角演算部51と、回転速度演算部52と、回転角推定部53とが含まれる。以下において、第1系統のPWM出力部48Aを第1のPWM出力部48Aといい、第2系統のPWM出力部48Bを第2のPWM出力部48Bという場合がある。
図4Aに示すように、PWM信号の周期(以下、「PWM周期」という。)Tcは、電流制御周期Taよりも小さい。ここで、電流制御周期Taとは、モータ電流の制御ループの演算周期のことである。この電流制御周期Taはプログラムの規模やマイクロコンピュータ31の演算能力などを考慮して決まる。この実施形態では、今回の電流制御周期Ta内の最初のタイミングでPWMデューティ演算部46によりPWMデューティが更新され、更新されたPWMデューティが出力される。この実施形態では、TcはTaの1/10である。言い換えれば、電流制御周期Ta内に10周期分のPWM周期Tcが含まれる。10周期分のPWM周期Tcの最初の周期を1番目の周期といい、それ以降の周期を2,3,…,9,10番目の周期という場合がある。また、PWM周期の周期番号をi(i=1,2,…,9,10)で表す場合がある。なお、PWM信号の周波数(=1/Tc)は、キャリア周波数と呼ばれる。
本実施形態でのPWM波形生成方法を説明する。マイクロコンピュータ31内で、図示しないクロック発生器で生成されるPWMクロック周波数のクロックを図示しないカウンタでアップカウントおよびダウンカウントする。このカウンタのカウント値を、時間を横軸にとり、カウント値を縦軸にとって図示すると、図4Bに示すようになる。ここで、カウント値は符号なし整数と解釈する。また、カウント値をキャリアカウントと呼ぶ場合がある。この実施形態では、図4Bの波形がキャリア波形である。キャリア波形は三角波である。三角波の1周期はTcに等しい。キャリア波形の最大値、つまりカウント値の最大値により、PWM信号の周波数(キャリア周波数)が決定される。本実施形態では、PWMクロック周波数が100[MHz]であり、PWM信号の周波数(以下、「PWM周波数」という。)が100[kHz]と設定しているので、カウント値の最大値は、100,000,000÷100,000÷2=500となる。アップダウンカウントするため、100,000,000/100,000を、2で割っている。
図4Cに示すように、PWM出力部48A,48B(図2参照)は、PWMカウント演算部47から与えられるPWMカウントとカウンタのカウント値とを比較し、モータ駆動回路32A,32B(図2参照)に対して、High信号またはLow信号を出力する。PWM出力部48A,48Bは、例えば、カウンタのカウント値≧PWMカウントが成立している間はHigh信号(またはLow信号)を、それ以外はLow信号(またはHigh信号)を出力する。このHigh信号およびLow信号がPWM信号となる。
この実施形態では、PWM周期Tc内の上段FETと下段FETのオンオフ状態の変化パターン(オンオフパターン)としては、次の2つのパターンがある。
第1オンオフパターン:キャリアカウント開始から見て、上段FETオン状態→下段FETオン状態→上段FETオン状態へと変化するパターン。
第2オンオフパターン:キャリアカウント開始から見て、下段FETオン状態→上段FETオン状態→下段FETオン状態へと変化するパターン。
この実施形態では、第1系統の各相の上下段FETが第1オンオフパターンとなるように制御され、第2系統の各相の上下段FETが第2オンオフパターンとなるように制御される。
図2に戻り、三相電流演算部49は、総U相電流、総V相電流および総W相電流を演算する。具体的には、三相電流演算部49は、電流センサ33,34によって検出される第1系統の2つの相電流の検出値から第1系統のU相、V相およびW相の相電流Iu,Iv,Iwを演算する。また、三相電流演算部49は、電流センサ35,36によって検出される第2系統の2つの相電流の検出値から第2系統のU相、V相およびW相の相電流Iu,Iv,Iwを演算する。そして、三相電流演算部49は、第1系統のU相、V相およびW相の相電流Iu,Iv,Iwおよび第2系統のU相、V相およびW相の相電流Iu,Iv,Iwに基づいて、総U相電流Iu、総V相電流Ivおよび総W相電流Iwを演算する。この実施形態では、第1三相モータコイル18Aと第2三相モータコイル18Bとの位相差は180度であるので、三相電流演算部49は、次式(1)に基づいて、電流制御用の総U相電流Iu、総V相電流Ivおよび総W相電流Iwを演算する。
Iu=Iu−Iu
Iv=Iv−Iv
Iw=Iw−Iw …(1)
回転角演算部51は、回転角センサ23の出力信号に基づいて、電動モータ18のロータの回転角θ(電気角)を電流制御周期Ta毎に演算する。この実施形態では、回転角演算部51は、第1系統の三相モータコイル18AのU相に対する電動モータ18のロータの回転角(電気角)をロータ回転角θとして演算する。回転角演算部51によって演算されるロータ回転角θは、三相・二相変換部50、回転速度演算部52および回転角推定部53に与えられる。この実施形態では、ロータ回転角θが取得(検出)されるタイミングは、電流制御周期Taの中央時点であるものとする。
回転速度演算部52は、回転角演算部51によって演算されるロータ回転角θを時間微分することにより、電動モータ18のロータの回転速度(角速度)ωを演算する。回転速度演算部52によって演算される回転速度ωは、回転角推定部53に与えられる。
回転角推定部53は、前回の電流制御周期Taで取得された前回の電流制御周期Taの中央時点でのロータ回転角θ(m−1)を用いて、次式(2)に基づいて、次回の電流制御周期Taの中央時点でのロータ回転角θ(m+1)を推定する。
θ(m+1)=θ(m−1)+ω・2Ta …(2)
回転角推定部53によって推定された次回の電流制御周期Taでのロータ回転角θ(m+1)は、二相・三相変換部45に与えられる。
アシスト電流値設定部41は、トルクセンサ11によって検出される検出操舵トルクTと、車速センサ24によって検出される車速Vとに基づいて、アシスト電流値Iaを電流制御周期Ta毎に設定する。検出操舵トルクTに対するアシスト電流値Iaの設定例は、図5に示されている。検出操舵トルクTは、例えば右方向への操舵のためのトルクが正の値にとられ、左方向への操舵のためのトルクが負の値にとられている。また、アシスト電流値Iaは、電動モータ18から右方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには正の値とされ、電動モータ18から左方向操舵のための操舵補助力を発生させるべきときには負の値とされる。アシスト電流値Iaは、検出操舵トルクTの正の値に対しては正をとり、検出操舵トルクTの負の値に対しては負をとる。
検出操舵トルクTが−T1〜T1(たとえば、T1=0.4N・m)の範囲(トルク不感帯)の微小な値のときには、アシスト電流値Iaは零とされる。そして、検出操舵トルクTが−T1〜T1の範囲外の値である場合には、アシスト電流値Iaは、検出操舵トルクTの絶対値が大きくなるほど、その絶対値が大きくなるように設定される。また、アシスト電流値Iaは、車速センサ24によって検出される車速Vが大きいほど、その絶対値が小さくなるように設定されるようになっている。これにより、低速走行時には操舵補助力が大きくされ、高速走行時には操舵補助力が小さくされる。
電流指令値設定部42は、アシスト電流値設定部41によって設定されたアシスト電流値Iaに基づいて、dq座標系の座標軸に流すべき電流値を電流指令値として設定する。具体的には、電流指令値設定部42は、d軸電流指令値I およびq軸電流指令値I (以下、これらを総称するときには「二相電流指令値Idq 」という。)を設定する。さらに具体的には、電流指令値設定部42は、q軸電流指令値I をアシスト電流値設定部41によって設定されたアシスト電流値Iaとする一方で、d軸電流指令値I を零とする。電流指令値設定部42によって設定された二相電流指令値Idq は、電流偏差演算部43に与えられる。
三相・二相変換部50は、三相電流演算部49によって演算された電流制御用の総U相電流Iu、総V相電流Ivおよび総W相電流Iwを、dq座標系の二相検出電流Idqに座標変換する。二相検出電流Idqは、d軸検出電流Iおよびq軸検出電流Iからなる。この座標変換には、回転角演算部51によって演算されるロータ回転角θが用いられる。
電流偏差演算部43は、d軸電流指令値I に対するd軸検出電流Iの偏差およびq軸電流指令値I に対するq軸検出電流Iの偏差を演算する。これらの偏差は、PI制御部44に与えられる。
PI制御部44は、電流偏差演算部43によって演算された電流偏差に対するPI演算を行なうことにより、電動モータ18に印加すべき二相電圧指令値Vdq (d軸電圧指令値V およびq軸電圧指令値V )を生成する。この二相電圧指令値Vdq は、二相・
三相変換部45に与えられる。
二相・三相変換部45は、今回の電流制御周期TaにおいてPI制御部44によって演算された二相電圧指令値Vdq に対して、今回の電流制御周期Taにおいて回転角推定部53によって演算された次回の電流制御周期Taに対する回転角推定値θ(m+1)を用いて二相・三相変換を行うことにより、次回の電流制御周期Taに対する三相電圧指令値VUVW を演算する。三相電圧指令値VUVW は、U相電圧指令値V 、V相電圧指令値V およびW相電圧指令値V からなる。これにより、次回の電流制御周期Taに対する三相電圧指令値VUVW が得られる。
二相・三相変換部45によって得られた次回の電流制御周期Taに対する三相電圧指令値VUVW は、PWMデューティ演算部46に与えられる。
PWMデューティ演算部46は、次回の電流制御周期Taに対する三相電圧指令値VUVW に基づいて、次回の電流制御周期Taに対する第1系統の各相のPWMカウントCu1A、Cv1A,Cw1Aを演算する。後述するように、次回の電流制御周期Taに対する第1系統の各相のPWMカウントCu1A、Cv1A,Cw1Aは、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期に対する第1系統の各相のPWMカウントCu1C、Cv1C,Cw1Cとして設定される。したがって、PWMデューティ演算部46によって演算される次回の電流制御周期Taに対する第1系統の各相のPWMカウントは、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期に対する第1系統の各相のPWMカウントであるということもできる。
第1系統のU相PWMカウントCu1Aは、例えば次のようにして求められる。すなわち、PWMデューティ演算部46は、二相・三相変換部45によって得られたある電流制御周期Taに対するU相電圧指令値V と、PWM最大カウント数Cmaxとを用いて、次式(3)に基づいて、当該電流制御周期Taに対する第1系統のU相PWMカウントCu1Aを演算する。
Cu1A=V ×(Cmax/Vb)
=V ×(1,000/Vb) …(3)
前記式(2)においてVbは、モータ駆動回路32の電源電圧(電源100の出力電圧)である。
第1系統のV相PWMカウントCv1Aは、前記式(3)の右辺のU相電圧指令値V の代わりにV相電圧指令値V を用いることによって演算することができる。また、第1系統のW相PWMカウントCw1Aは、前記式(3)の右辺のU相電圧指令値V の代わりにW相電圧指令値V を用いることによって演算することができる。
PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46によって演算された次回の電流制御周期Taに対する第1系統の各相のPWMカウントCu1A,Cv1A,Cw1Aに基づいて、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する各系統の各相の最終的なPWMカウントCu,Cv,Cw,Cu,Cv,Cwを演算する。PWMカウント演算部47の動作の詳細については、後述する。
PWMカウント演算部47によって演算された次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統の各相の最終的なPWMカウントは、第1のPWM出力部48Aに与えられる。一方、PWMカウント演算部47によって演算された次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統の各相の最終的なPWMカウントは、第2のPWM出力部48Bに与えられる。
第1のPWM出力部48Aは、PWMカウント演算部47から与えられる電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統の各相の最終的なPWMカウントを、複数の電流制御周期分にわたって記憶している。第1のPWM出力部48Aは、前回の電流制御周期TaにおいてPWMカウント演算部47から与えられた今回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統の各相の最終的なPWMカウントに基づいて、今回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統の各相のPWM信号を生成して、第1のモータ駆動回路32Aに供給する。具体的には、第1のPWM出力部48Aは、今回の電流制御周期Ta内のPWM周期Tc毎に、当該電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統のU相の最終的なPWMカウント、V相の最終的なPWMカウントおよびW相の最終的なPWMカウントにそれぞれ対応するデューティのU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号を生成して、第1のモータ駆動回路32Aに供給する。
第1のモータ駆動回路32Aを構成する6つのFET111A〜116Aが第1のPWM出力部48Aから与えられるPWM信号によって制御されることにより、PWM周期Tc毎の第1の三相電圧指令値V1UVW に相当する電圧が第1のモータコイル18Aの各相のステータコイル18AU,18AV,18AWに印加されることになる。
第2のPWM出力部48Bは、PWMカウント演算部47から与えられる電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統の各相の最終的なPWMカウントを、複数の電流制御周期分にわたって記憶している。第2のPWM出力部48Bは、前回の電流制御周期TaにおいてPWMカウント演算部47から与えられた今回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統の各相の最終的なPWMカウントに基づいて、今回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統の各相のPWM信号を生成して、第2のモータ駆動回路32Bに供給する。具体的には、第2のPWM出力部48Bは、今回の電流制御周期Ta内のPWM周期Tc毎に、当該電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統のU相の最終的なPWMカウント、V相の最終的なPWMカウントおよびW相の最終的なPWMカウントにそれぞれ対応するデューティのU相PWM信号、V相PWM信号およびW相PWM信号を生成して、第2のモータ駆動回路32Bに供給する。
第2のモータ駆動回路32Bを構成する6つのFET111B〜116Bが第2のPWM出力部48Bから与えられるPWM信号によって制御されることにより、PWM周期Tc毎の第2の三相電圧指令値V2UVW に相当する電圧が第2のモータコイル18Bの各相のステータコイル18BU,18BV,18BWに印加されることになる。
以下、PWMカウント演算部47の動作について詳しく説明する。
第1系統のある相の出力電圧(以下、第1の相電圧という)の波形が図6(a)である場合には、第1の相電圧に起因して、第1のモータコイル18Aとフレームグランドとの間に存在する浮遊容量C1(図3参照)に流れる電流は、図6(c)に示すようになる。つまり、第1の相電圧の立下り時点t1で−方向の電流が浮遊容量C1に流れ、第1の相電圧の立上り時点t2で+方向の電流が浮遊容量C1に流れる。
そこで、第2系統のある相の出力電圧(以下、第2の相電圧という)の波形を、図6(b)に示すように、図6(a)の第1の相電圧の波形を反転させた波形にすると、第2の相電圧に起因して、第2のモータコイル18Bとフレームグランドとの間に存在する浮遊容量C2(図3参照)に流れる電流は、図6(d)に示すようになる。つまり、第2の相電圧の立上り時点t1で+方向の電流が浮遊容量C2に流れ、第2の相電圧の立下り時点t2で−方向の電流が浮遊容量C2に流れる。したがって、時点t1および時点t2のそれぞれの時点において、第1の相電圧に起因して浮遊容量C1に流れる電流と第2の相電圧に起因して浮遊容量C2に流れる電流とが相殺される。このため、図6(e)に示すように、正負の電源ラインとフレームグランドとの間に存在する浮遊容量C3、C4(図3参照)に流れる電流は低下する。
図7は、コモンモードノイズ電流に着目した等価回路である。第1の相電圧、第2の相電圧はノイズ発生源とみなすことができる。電源100はコモンモードノイズ電流のような交流的には正負電極間がショートされているとみなすことができる。図7において、第1の相電圧により実線矢印のようにコモンモードノイズ電流が流れる。第2の相電圧により一点鎖線の矢印のようにコモンモードノイズ電流が流れる。したがって、浮遊容量C3、C4に流れる各コモンモードノイズ電流は向きが互いに逆なので、打ち消し合い、結果としてトータルのコモンモードノイズ電流は低下する。
この実施形態では、PWMカウント演算部47は、各PWM周期において、第2系統の各相の相電圧の波形が、第1系統の対応する相の相電圧の波形を反転させた波形となるように、各系統の各相の最終的なPWMカウントを演算する。
図8は、PWMカウント演算部47の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46から与えられる次回の電流制御周期Taに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1A、Cv1AおよびCw1Aを、それぞれ次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cとして設定する(ステップS1)。この実施形態では、このようにして設定された第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cは、第1系統の対応する相の相電圧のレベル変化タイミングに対応したPWMカウントの目標値である相電圧対応PWMカウントして扱われる。
また、PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46から与えられる次回の電流制御周期Taに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1A、Cv1AおよびCw1Aを、それぞれ次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cとして設定する(ステップS2)。この実施形態では、このようにして設定された第2系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cは、第2系統の対応する相の相電圧のレベル変化タイミングに対応したPWMカウントの目標値である相電圧対応PWMカウントして扱われる。
図11Aは、ステップS1で設定された各PWM周期Tcにおける第1系統のU相、V相およびW相の相電圧対応PWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cと、ステップS2で設定された各PWM周期Tcにおける第2系統のU相、V相およびW相の相電圧用PWMカウント相電圧対応PWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cの一例を示す模式図である。
次に、PWMカウント演算部47は、デットタイムを考慮して、ステップS1およびS2で設定された各系統の各相の相電圧対応PWMカウントを、各系統の各相の最終的なPWMカウントに変換する(ステップS3)。各系統の各相の最終的なPWMカウントは、対応する系統の対応する相の上下段FETを制御するためのFET制御用PWMカウントである。以下、ステップS3の処理について説明する。
図9は、主として、FET制御用PWMカウントと、各系統の各相の上段FET指令および下段FET指令との関係を示す模式図である。言い換えれば、第1のPWM出力部48Aおよび第2のPWM出力部48B(図2参照)の各相に対する動作の一例を説明するための模式図である。
この実施形態では、前述したように、キャリア波形は三角波であり、PWMカウントの出力可能カウントは0〜500に設定されている。また、この実施形態では、デットタイムに相当するカウント値を10とする。
上下段FETが第1オンオフパターンとなるように制御される第1系統の各相の上段FET指令および下段FET指令について説明する。この実施形態では、キャリアカウントがFET制御用PWMカウントよりも大きいときに、第1系統の各祖の上段FET指令がオフ指令となるように、第1系統の各相の上段FETのスイッチングタイミングが設定されている。つまり、キャリアカウントのアップカウント中にキャリアカウントがFET制御用PWMカウントと等しくなると(時点t2)、図9(a)に示すように、上段FET指令は、オン指令からオフ指令に変化する。そして、キャリアカウントのダウンカウント中にキャリアカウントがFET制御用PWMカウントと等しくなると(時点t5)、上段FET指令は、オフ指令からオン指令に変化する。
図9(b)に示すように、時点t2からデットタイムTdが経過すると(時点t3)、下段FET指令はオフ指令からオン指令に変化する。そして、時点t5に対してデットタイムTdだけ早い時点(時点t4)において、下段FET指令はオン指令からオフ指令に変化する。
上下段FETが第2オンオフパターンとなるように制御される第2系統の各相の上段FET指令および下段FET指令について説明する。この実施形態では、キャリアカウントがFET制御用PWMカウントよりも大きいときに、第2系統の各相の上段FET指令がオン指令となるように、第2系統の各相の上段FETのスイッチングタイミングが設定されている。つまり、キャリアカウントのアップカウント中にキャリアカウントがFET制御用PWMカウントと等しくなると(時点t2)、図9(e)に示すように、上段FET指令は、オフ指令からオン指令に変化する。そして、キャリアカウントのダウンカウント中にキャリアカウントがFET制御用PWMカウントと等しくなると(時点t5)、上段FET指令は、オン指令からオフ指令に変化する。
図9(f)に示すように、時点t2に対してデットタイムTdだけ早い時点(時点t1)において、下段FET指令はオン指令からオフ指令に変化する。時点t5からデットタイムTdが経過すると(時点t6)、下段FET指令はオフ指令からオン指令に変化する。
デットタイム期間中のある相の出力電圧(相電圧)について、図10Aおよび図10Bを参照して説明する。ここでは、第1系統のU相を例にとって説明するが、第1系統の他の2つの相や、第2系統の各相においても同様である。
図10Aのiに示すように、上段FET111Aおよび下段FET112Aの接続点から電動モータ18側に向かって電流が流れている状態では、矢印141に示すように、デットタイム期間中においては、下段FET112Aに逆並列接続されたダイオード122Aを通じて電流が流れることになる。したがって、デットタイム期間中においては、出力電圧(相電圧)VuはLベルとなる。このため、相電圧VuのLレベルの期間は、上段FET111Aのオフ期間と同じになる。
一方、図10Bのiに示すように、電動モータ18側から上段FET111Aおよび下段FET112Aの接続点に向かって電流が流れている状態では、デットタイム期間中においては、矢印142に示すように、上段FET111Aに逆並列接続されたダイオード121Aを通じて電流が流れることになる。したがって、デットタイム期間中においては、出力電圧(相電圧)VuはHレベルとなる。このため、相電圧VuのLレベルの期間は上段FET111Aのオフ期間よりも短くなる。言い換えれば、相電圧VuのHレベルの期間は上段FET111Aのオン期間よりも長くなる。
第1系統において、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2以上(250以上)である場合には、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2未満である場合に比べて、上段FETのオン時間が長くなる。そこで、この実施形態では説明の便宜上、FET制御用PWMカウントが250以上である場合には、上段FETおよび下段FETの接続点から電動モータ18側に向かって電流が流れている状態(図10Aに示される状態)であると考えることにする。このため、デットタイム期間中においては、出力電圧(相電圧)はLベルとなると考えられる。したがって、この場合には、相電圧は、図9(c)に示すように変化すると考えられるので、相電圧のレベル変化タイミング(相電圧対応PWMカウント)と上段FETのスイッチングタイミング(FET制御用PWMカウント)とは一致する。
一方、第1オンオフパターン相において、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2未満(250未満)である場合には、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2以上である場合に比べて、上段FETのオン時間が短くなる。そこで、この実施形態では説明の便宜上、FET制御用PWMカウントが250未満である場合には、電動モータ18側から上段FETおよび下段FETの接続点に向かって電流が流れている状態(図10Bに示される状態)であると考えることにする。このため、デットタイム期間中においては、出力電圧(相電圧)はHレベルとなると考えられる。
したがって、この場合には、相電圧は、図9(d)に示すように変化すると考えられるので、相電圧のレベル変化タイミング(相電圧対応PWMカウント)と上段FETのスイッチングタイミング(FET制御用PWMカウント)とは一致しなくなる。上段FETのスイッチングタイミングが相電圧のレベル変化タイミングと一致するPWMカウント(相電圧対応PWMカウント)は、FET制御用PWMカウントにデットタイムに相当するカウント値(この実施形態では“10”)を加算した値となる。したがって、このような場合には、PWMカウント演算部47は、相電圧対応PWMカウントからデットタイムに相当するカウント値だけ減算した値をFET制御用PWMカウントに設定する必要がある。
第2系統において、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2以上(250以上)である場合には、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2以上である場合に比べて、上段FETのオン時間が短くなる。そこで、この実施形態では説明の便宜上、FET制御用PWMカウントが250以上である場合には、電動モータ18側から上段FETおよび下段FETの接続点に向かって電流が流れている状態(図10Bに示される状態)であると考えることにする。このため、デットタイム期間中においては、出力電圧(相電圧)はHベルとなると考えられる。したがって、この場合には、相電圧は、図9(g)に示すように変化すると考えられるので、相電圧のレベル変化タイミング(相電圧用PWMカウント)と上段FETのスイッチングタイミング(FET制御用PWMカウント)とは一致しなくなる。上段FETのスイッチングタイミングが相電圧のレベル変化タイミングと一致する相電圧対応PWMカウントは、FET制御用PWMカウントにデットタイムに相当するカウント値(この実施形態では“10”)を減算した値となる。したがって、このような場合には、PWMカウント演算部47は、相電圧対応PWMカウントに、デットタイムに相当するカウント値を加算した値をFET制御用PWMカウントに設定する必要がある。
一方、第2オンオフパターン相において、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2未満(250未満)である場合には、FET制御用PWMカウントがPWMカウント最大値の1/2以上である場合に比べて、上段FETのオン時間が長くなる。そこで、この実施形態では説明の便宜上、FET制御用PWMカウントが250未満である場合には、上段FETおよび下段FETの接続点から電動モータ18側に向かって電流が流れている状態(図10Aに示される状態)であると考えることにする。このため、デットタイム期間中においては、出力電圧(相電圧)はLベルとなると考えられる。したがって、この場合には、相電圧は、図9(h)に示すように変化すると考えられるので、相電圧のレベル変化タイミング(相電圧対応PWMカウント)と上段FETのスイッチングタイミング(FET制御用PWMカウント)とは一致する。
この実施形態では、説明の便宜上、第1系統および第2系統において、相電流の方向をPWMカウントがPWMカウント最大値の1/2以上であるか否かに基づいて推定しているが、相電流を検出し、この検出値に基づいて相電流の方向を推定してもよい。
ステップS3では、PWMカウント演算部47は、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統の各相の相電圧対応PWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cのうち、250以上の相電圧対応PWMカウントについては、その値をそのまま、当該相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwとして設定する。
前記第1系統の各相の相電圧対応PWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cのうち、250未満の相電圧用PWMカウントについては、PWMカウント演算部47は、その値からデットタイムに相当するカウント値(この実施形態では“10”)を減算した値を、当該相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwとして設定する。
PWMカウント演算部47は、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統の各相の相電圧対応PWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cのうち、250以上のPWMカウントについては、その値にデットタイムに相当するカウント値(この実施形態では“10”)を加算した値を、当該相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwとして設定する。
前記第2系統の各相の相電圧対応PWMカウントCu *、Cv *およびCw *のうち、250未満のPWMカウントについては、PWMカウント演算部47は、その値をそのまま、当該相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwとして設定する。
ステップS1およびS2によって設定された各系統の各相のPWM周期単位の相電圧用PWMカウントが図11Aである場合、ステップS3によって設定される各系統の各相のPWM周期単位のFET制御用PWMカウントを図11Bに示す。図11Aと図11Bとを比較すると、第1系統のV相の相電圧対応PWMカウントCv1Cの200がFET制御用PWMカウントCvの190に変換され、第1系統のW相の相電圧対応PWMカウントCw1Cの100がFET制御用PWMカウントCwの90に変換されていることがわかる。また、第2系統のU相の相電圧対応PWMカウントCu2Cの400がFET制御用PWMカウントCuの410に変換されていることがわかる。
次に、PWMカウント演算部47は、ステップS3で得られたPWM周期に対する第1系統のU相、V相およびW相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwを、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統のU相、V相およびW相のFET制御用PWMカウントCu、CvおよびCwとして、第1のPWM出力部48Aに与える(ステップS4)。
また、PWMカウント演算部47は、ステップS3で得られたPWM周期に対する第2系統のU相、V相およびW相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwを、次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統のU相、V相およびW相のFET制御用PWMカウントCu、CvおよびCwとして、第2のPWM出力部48Bに与える(ステップS5)。そして、PWMカウント演算部47は、今回の電流制御周期Taでの処理を終了する。
前述したように、この実施形態では、第1の三相モータコイル18Aに対して第2の三相モータコイル18Bは、180度の位相差を有している。このため、前述のように各系統の各相のFET制御用PWMカウントを設定した場合、ロータ回転角に対する第1系統の各相の相電圧対応PWMカウントに対応するデューティ[%]と、ロータ回転角に対する第2系統の各相の相電圧対応PWMカウント対応するデューティ[%]は、図12に示すように変化する。したがって、図12に両矢印で示すように、第1系統のある相のデューティが例えば80[%]のときに、第2系統の対応する相のデューティが例えば20[%]となるので、図13に示すように、PWM周期Tcにおいて、第2系統の当該相電圧の波形は、第1系統の当該相電圧の波形を反転したものとなる。他の相も同様に、PWM周期Tcにおいて、第2系統の当該相電圧の波形は、第1系統の当該相電圧の波形を反転したものとなる。このように、この実施形態では、両系統の対応する相間においてノイズ電流を相殺できるのでコモンモードノイズを効果的に低減できる。また、ロータに付与されるトルクが、各系統の三相モータコイル18A,18Bによってロータに付与されるトルクのほぼ2倍となるので、効率良く電動モータ18を駆動できるようになる。
前述の実施形態では、第1の三相モータコイル18Aに対して第2の三相モータコイル18Bは180度の位相差を有しているが、第1の三相モータコイル18Aに対して第2の三相モータコイル18Bは300度の位相差を有していてもよい。この場合には、三相電流演算部49およびPWMカウント演算部47の動作を次のように変更することによって、コモンモードノイズを効果的に低減できるとともに、効率良く電動モータ18を駆動できるようになる。
すなわち、三相電流演算部49は、次式(4)に基づいて、電流制御用のU相、V相およびW相の相電流Iu,Iv,Iwを演算する。
Iu=Iu−Iv
Iv=Iv−Iw
Iw=Iw−Iu …(4)
PWMカウント演算部47は、各PWM周期において、第1系統のU相、V相およびW相の相電圧に起因して浮遊容量に流れる電流が、それぞれ第2系統のV相、W相およびU相の相電圧に起因して浮遊容量に流れる電流によって相殺されるように、各系統の各相のFET制御用PWMカウントを設定する。具体的には、PWMカウント演算部47は、図8のステップS1においては、前述のステップS1と同様な処理を行う。つまり、PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46から与えられる次回の電流制御周期Taに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1A、Cv1AおよびCw1Aを、それぞれ次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウント(この例では相電圧対応PWMカウント)Cu1C、Cv1CおよびCw1Cとして設定する。
しかし、PWMカウント演算部47は、図8のステップS2においては、前述のステップS2とは異なる処理を行う。つまり、PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46から与えられる次回の電流制御周期Taに対する第1系統のU相、V相およびW相の相電圧対応PWMカウントCu1A、Cv1AおよびCw1Aを、それぞれ次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統のV相、W相およびU相のPWMカウント(この例では相電圧対応PWMカウント)Cv2C、Cw2CおよびCu2Cとして設定する。ステップS3〜S5の処理は同様である。
また、第1の三相モータコイル18Aに対して第2の三相モータコイル18Bは60度の位相差を有していてもよい。この場合には、三相電流演算部49およびPWMカウント演算部47の動作を次のように変更することによって、コモンモードノイズを効果的に低減できるとともに、効率良く電動モータ18を駆動できるようになる。
すなわち、三相電流演算部49は、次式(5)に基づいて、電流制御用のU相、V相およびW相の相電流Iu,Iv,Iwを演算する。
Iu=Iu−Iw
Iv=Iv−Iu
Iw=Iw−Iv …(5)
PWMカウント演算部47は、各PWM周期において、第1系統のU相、V相およびW相の相電圧に起因して浮遊容量に流れる電流が、それぞれ第2系統のW相、U相およびV相の相電圧に起因して浮遊容量に流れる電流によって相殺されるように、各系統の各相のFET制御用PWMカウントを設定する。具体的には、PWMカウント演算部47は、図8のステップS1においては、前述のステップS1と同様な処理を行う。つまり、PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46から与えられる次回の電流制御周期Taに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1A、Cv1AおよびCw1Aを、それぞれ次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウント(この例では相電圧対応PWMカウント)Cu1C、Cv1CおよびCw1Cとして設定する。
しかし、PWMカウント演算部47は、図8のステップS2においては、前述のステップS1とは異なる処理を行う。つまり、PWMカウント演算部47は、PWMデューティ演算部46から与えられる次回の電流制御周期Taに対する第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1A、Cv1AおよびCw1Aを、それぞれ次回の電流制御周期Ta内の各PWM周期Tcに対する第2系統のW相、U相およびV相のPWMカウント(この例では相電圧対応PWMカウント)Cw2C、Cu2CおよびCv2Cとして設定する。ステップS3〜S5の処理は同様である。
前記実施形態では、図8のステップS1で設定された第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cは、第1系統の対応する相の相電圧対応PWMカウントとして扱われている。また、ステップS2で設定された第2系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cは、第2系統の対応する相の相電圧対応PWMカウントとして扱われている。
しかし、デットタイムが非常に短い時間に設定される場合には、図8のステップS1で設定されるPWMカウントCu1C、Cv1CおよびステップS2で設定されるPWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cを次のように扱うようにしてもよい。すなわち、図8のステップS1で設定されるPWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cを、第1系統のU相、V相およびW相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwとして取り扱う。また、図8のステップS2で設定される第1系統のU相、V相およびW相のPWMカウントCu2C、CvおよびCw2Cを、第2系統のU相、V相およびW相の最終的なPWMカウント(FET制御用PWMカウント)Cu、CvおよびCwとして取り扱う。
この場合には、図8のステップS3は省略される。図8のステップS4では、図8のステップS1で設定されたPWMカウントCu1C、Cv1CおよびCw1Cが、FET制御用PWMカウントとして第1のPWM出力部48Aに与えられる。図8のステップS5では、図8のステップS2で設定されたPWMカウントCu2C、Cv2CおよびCw2Cが、FET制御用PWMカウントとして第2のPWM出力部48Bに与えられる。
なお、2系統のうち1系統が故障した場合には、正常な1系統の電流指令値を2倍にしてもよい。
前記実施形態では、この発明を電動パワーステアリング装置のモータ制御装置に適用した場合について説明したが、この発明は、電動パワーステアリング装置以外に用いられるモータ制御装置にも適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…電動パワーステアリング装置、12…ECU、18…電動モータ、18A,18B…三相モータコイル、31…マイクロコンピュータ、32A,32B…モータ駆動回路、42…電流指令値設定部、49…三相電流演算部、50…二相・三相変換部、46…PWMデューティ演算部、47…PWMカウント演算部、48A,48B…PWM出力部

Claims (6)

  1. 位相差が60度、180度または300度である2系統の三相モータコイルを有する電動モータを、上段および下段スイッチング素子の組をそれぞれ三相分有し、前記2系統のうちの一方の第1系統の三相モータコイルを駆動する第1駆動回路および他方の第2系統の三相モータコイルを駆動する第2駆動回路を介して制御するモータ制御装置であって、
    前記電動モータに流すべき電流目標値に対応した二相電流指令値を設定する設定手段と、
    前記電動モータに流れる電流に応じた二相実電流値を演算する実電流値演算手段と、
    前記二相電流指令値と前記二相電流検出値とに基づいて、PWM周期毎に、前記第1系統の三相各相に対する第1PWMカウントを演算する第1PWMカウント演算手段と、
    前記第1系統に対する三相各相に対するPWMカウントに基づいて、PWM周期毎に、前記位相差に応じて、前記第2系統の三相各相の第2PWMカウントを演算する第2PWMカウント演算手段とを含み、
    前記第1系統および前記第2系統のうちのいずれか一方の系統の各相に対しては、上下段スイッチング素子がPWM周期の開始時点から上段オン状態、下段オン状態および上段オン状態の順に変化する第1パターンとなるように制御され、他方の系統の各相に対しては、上下段スイッチング素子がPWM周期の開始時点から下段オン状態、上段オン状態および下段オン状態の順に変化する第2パターンとなるように制御される、モータ制御装置。
  2. 前記第1系統の三相モータコイルと前記第2系統の三相モータコイルの位相差が180度であり、
    前記実電流値演算手段は、
    前記第1系統の三相モータコイルに流れるU相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるU相電流とに基づいて総U相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるV相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるV相電流とに基づいて総V相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるW相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるW相電流とに基づいて総W相電流をそれぞれ演算する三相電流演算手段と、
    前記三相電流演算手段によって演算された総U相電流、総V相電流および総W相電流からなる三相電流を三相二相変換することによって、前記二相実電流値を演算する三相二相変換手段とを含み、
    前記第2PWMカウント演算手段は、前記第1系統のU相、V相およびW相の前記第1PWMカウントを、それぞれ前記第2系統のU相、V相およびW相の前記第2PWMカウントとして演算するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記第1系統の三相モータコイルと前記第2系統の三相モータコイルの位相差が300度であり、
    前記実電流値演算手段は、
    前記第1系統の三相モータコイルに流れるU相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるV相電流とに基づいて総U相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるV相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるW相電流とに基づいて総V相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるW相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるU相電流とに基づいて総W相電流をそれぞれ演算する三相電流演算手段と、
    前記三相電流演算手段によって演算された総U相電流、総V相電流および総W相電流からなる三相電流を三相二相変換することによって、前記二相実電流値を演算する三相二相変換手段とを含み、
    前記第2PWMカウント演算手段は、前記第1系統のU相、V相およびW相の前記第1PWMカウントを、それぞれ前記第2系統のV相、W相およびU相の第2PWMカウントとして演算するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記第1系統の三相モータコイルと前記第2系統の三相モータコイルの位相差が60度であり、
    前記実電流値演算手段は、
    前記第1系統の三相モータコイルに流れるU相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるW相電流とに基づいて総U相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるV相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるU相電流とに基づいて総V相電流を、前記第1系統の三相モータコイルに流れるW相電流と前記第2系統の三相モータコイルに流れるV相電流とに基づいて総W相電流をそれぞれ演算する三相電流演算手段と、
    前記三相電流演算手段によって演算された総U相電流、総V相電流および総W相電流からなる三相電流を三相二相変換することによって、前記二相実電流値を演算する三相二相変換手段とを含み、
    前記第2PWMカウント演算手段は、前記第1系統のU相、V相およびW相の前記第1PWMカウントを、それぞれ前記第2系統のW相、U相およびV相の前記第2PWMカウントとして演算するように構成されている、請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 前記第1系統の各相の第1PWMカウントは、前記第1系統の対応する相の上下段スイッチング素子を制御するための制御用PWMカウントであり、
    前記第1系統の各相の第2PWMカウントは、前記第2系統の対応する相の上下段スイッチング素子を制御するための制御用PWMカウントである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記第1系統の各相の第1PWMカウントは、前記第1系統の対応する相の相電圧のレベル変化タイミングに対応したPWMカウントの目標値である相電圧対応PWMカウントであり、
    前記第1系統の各相の第2PWMカウントは、前記第2系統の対応する相の相電圧のレベル変化タイミングに対応したPWMカウントの目標値である相電圧対応PWMカウントであり、
    前記モータ制御装置は、前記第1系統の各相の相電圧のレベル変化タイミングがその相前記第1PWMカウントに応じたタイミングとなるように前記第1系統の各相のスイッチング素子制御用PWMカウントを演算するとともに、前記第2系統の各相の相電圧のレベル変化タイミングがその相の前記第2PWMカウントに応じたタイミングとなるように前記第2系統の各相のスイッチング素子制御用PWMカウントを演算する第3PWMカウント演算手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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