JP2019087910A - Pll回路及びそれを備えた測定装置並びにpll回路の制御方法 - Google Patents

Pll回路及びそれを備えた測定装置並びにpll回路の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PLL回路の出力周波数の切替時にミキサへの入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるPLL回路を提供する。【解決手段】PLL回路1は、予め定められた周波数の信号を生成する基準信号生成部11と、入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力するVCO14と、基準信号生成部11及びVCO14の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力するPFD12と、VCO14の出力信号をPFD12に帰還する帰還回路30と、を有し、帰還回路30は、局部発振信号を生成する局部発振器31と、VCO14からの信号を参照信号とし該参照信号と局部発振信号とを混合して周波数変換した信号をPFD12に出力するミキサ32と、を有し、参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときにPLL回路1の極性を反転させる極性制御部40を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、PLL回路及びそれを備えた測定装置並びにPLL回路の制御方法に関する。
従来、この種の回路としては、特許文献1に記載されたPLL周波数シンセサイザが知られている。
特許文献1に記載された従来のものは、入力電圧に応じた発振周波数を生成するVCOと、VCOから帰還された帰還周波数と基準周波数とを位相比較する位相比較器と、プリチューン電圧を印加するD/A変換器と、を備え、VCOから位相比較器に向かう帰還回路にはミキサ及びローカル信号発生器が設けられている。
この構成において、従来のものは、ローカル信号発生器の発振周波数Fmix及びVCOの発振周波数Fvcoがミキサに入力され、ミキサから出力される差成分(Fmix−Fvco)に応じて同期引き込みが行われる。
特開2000−40959号公報
しかしながら、従来のものでは、PLL回路の出力周波数の切替時において、VCOからミキサに入力される入力周波数が基準周波数に対して大きくずれるとPLL回路の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなってしまうという課題があった。
具体的には、従来のものは、例えばミキサへの入力周波数が基準周波数の2倍以上ずれるとPLLの極性が切り替わりミスロックしてしまう。これを防ぐため、VCOの発振周波数を予め調整するプリチューンを実施してVCOの発振周波数をミスロックが起きない帯域まで調整するが、プリチューン電圧をより正確に設定する必要があり、多くの場合、位相ロック状態を得るのは困難であった。
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、PLL回路の出力周波数の切替時にミキサへの入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるPLL回路及びそれを備えた測定装置並びにPLL回路の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るPLL回路は、予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、を有するPLL回路(1)であって、前記帰還手段は、局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、を有し、前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転手段(40)を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の請求項1に係るPLL回路は、局部発振信号と混合される参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときにPLL回路の極性を反転させるので、PLL回路の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなるのを防止することができる。
したがって、本発明の請求項1に係るPLL回路は、出力周波数の切替時に周波数変換手段(ミキサ)への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができる。
本発明の請求項2に係るPLL回路は、前記極性反転手段は、前記参照信号の周波数が前記周波数範囲外となった後に再び前記周波数範囲内となったときに前記PLL回路の極性を反転させて元の極性に戻すものである構成を有している。
この構成により、本発明の請求項2に係るPLL回路は、参照信号の周波数が周波数範囲外となる前の通常の制御状態に戻すことができる。
本発明の請求項3に係るPLL回路は、前記極性反転手段は、前記参照信号の周波数を判定するための判定基準信号を生成する判定基準信号生成手段(41)と、前記判定基準信号と前記参照信号との位相差に応じた位相差信号を出力する位相差信号出力手段(50)と、前記位相差信号に基づいて前記PLL回路の極性を反転させる極性反転手段(42)と、を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の請求項3に係るPLL回路は、判定基準信号と参照信号との位相差に応じた位相差信号に基づいてPLL回路の極性を反転させることができる。
本発明の請求項4に係るPLL回路は、前記位相差信号出力手段は、前記位相差信号を出力する回路をワンチップに集積したPLL集積回路である構成を有している。
この構成により、本発明の請求項4に係るPLL回路は、汎用のPLL集積回路を用いて容易にPLL回路の極性を反転させることができる。
本発明の請求項5に係るPLL回路は、予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、を有するPLL回路(2)であって、前記帰還手段は、局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、を有し、前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったことにより前記PLL回路の極性が反転する電圧である予め定められた極性反転電圧を出力する極性反転電圧出力手段(71)と、前記電圧制御発振器の入力電圧が前記極性反転電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転手段(72)と、を備えた構成を有している。
この構成により、本発明の請求項5に係るPLL回路は、電圧制御発振器の入力電圧が極性反転電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときにPLL回路の極性を反転させるので、PLL回路の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなるのを防止することができる。
したがって、本発明の請求項5に係るPLL回路は、出力周波数の切替時に周波数変換手段(ミキサ)への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができる。
本発明の請求項6に係るPLL回路は、前記極性反転手段は、前記電圧制御発振器の入力電圧が前記電圧範囲外となった後に再び前記電圧範囲内となったときに前記PLL回路の極性を反転させて元の極性に戻すものである構成を有している。
この構成により、本発明の請求項6に係るPLL回路は、電圧制御発振器の入力電圧が電圧範囲外となる前の通常の制御状態に戻すことができる。
本発明の請求項7に係るPLL回路は、前記極性反転手段は、前記PLL回路の極性を切り替える制御信号を出力するものであって、前記位相周波数比較器は、前記位相誤差信号の極性を前記制御信号に基づいて切り替えるものである構成を有している。
この構成により、本発明の請求項7に係るPLL回路は、位相周波数比較器により極性を制御することができる。
本発明の請求項8に係る測定装置は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のPLL回路を備えた構成が好ましい。
本発明の請求項9に係る測定装置は、前記PLL回路は、予め定められた局部発振周波数の局部発振信号を生成するものである構成を有している。
この構成により、本発明の請求項9に係る測定装置は、出力周波数の切替時に周波数変換手段(ミキサ)への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるPLL回路により局部発振信号を生成できるので、従来よりも短時間で確実に周波数の切り替えが可能となる。
本発明の請求項10に係るPLL回路の制御方法は、予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、を有するPLL回路(1)の制御方法であって、前記帰還手段は、局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、を有し、前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転ステップ(S38)を含む構成を有している。
この構成により、本発明の請求項10に係るPLL回路の制御方法は、局部発振信号と混合される参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときにPLL回路の極性を反転させるので、PLL回路の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなるのを防止することができる。
したがって、本発明の請求項10に係るPLL回路の制御方法は、出力周波数の切替時に周波数変換手段(ミキサ)への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができる。
本発明の請求項11に係るPLL回路の制御方法は、予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、を有するPLL回路(2)の制御方法であって、前記帰還手段は、局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、を有し、前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったことにより前記PLL回路の極性が反転する電圧である予め定められた極性反転電圧を出力する極性反転電圧出力ステップ(S51)と、前記電圧制御発振器の入力電圧が前記極性反転電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転ステップ(S38)と、を含む構成を有している。
この構成により、本発明の請求項11に係るPLL回路の制御方法は、電圧制御発振器の入力電圧が極性反転電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときにPLL回路の極性を反転させるので、PLL回路の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなるのを防止することができる。
したがって、本発明の請求項11に係るPLL回路の制御方法は、出力周波数の切替時に周波数変換手段(ミキサ)への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができる。
本発明は、PLL回路の出力周波数の切替時にミキサへの入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるという効果を有するPLL回路及びそれを備えた測定装置並びにPLL回路の制御方法を提供することができるものである。
本発明の第1実施形態としてのPLL回路の構成図である。 本発明の第1実施形態におけるPLL回路の極性制御部の機能説明図である。 本発明の第1実施形態におけるPLL回路の制御方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態における極性制御処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態としてのPLL回路の構成図である。 本発明の第2実施形態におけるPLL回路の制御方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態における極性制御処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3実施形態としての信号分析装置のブロック構成図である。 本発明の第4実施形態としての信号発生装置のブロック構成図である。
以下、本発明に係るPLL回路及びそれを備えた測定装置並びにPLL回路の制御方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態としてのPLL回路の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるPLL回路1は、基準信号生成部11、位相周波数比較器(Phase Frequency Detector:PFD)12、ループフィルタ(LF)13、積分回路20、電圧制御発振器(Voltage Controlled Oscillator:VCO)14、プリチューン電圧生成部15、スイッチ(SW)16、制御部17、帰還回路30、極性制御部40を備えている。このPLL回路1は、マルチループ方式と呼ばれるPLL回路であり、位相雑音性能に優れるという特徴を有する。
基準信号生成部11は、予め定められた周波数の基準信号を生成し、PFD12に出力するようになっている。この基準信号生成部11は、信号生成手段の一例である。
PFD12は、基準信号生成部11からの基準信号aと帰還回路30からの帰還信号bとを比較して位相誤差信号をLF13に出力するようになっている。また、PFD12は、極性制御端子を有し、極性制御端子に入力される制御信号c(後述)のレベルに基づいた極性の位相誤差信号を出力することにより、PLL回路1の極性を切替可能に構成されている。なお、PFD12は、位相周波数比較器の一例である。
LF13は、PFD12が出力した位相誤差信号を平滑化して積分回路20に出力するようになっている。
積分回路20は、LF13によって平滑化された信号を積分し、VCO14に出力するようになっている。この積分回路20は、抵抗21、コンデンサ22及び抵抗23を有している。抵抗21は、LF13とVCO14との間に直列に接続されている。抵抗21のVCO14側の端子は、コンデンサ22及び抵抗23を介して接地されている。
VCO14は、積分回路20からの入力電圧に応じた発振周波数の信号を帰還回路30に出力するとともに、PLL回路1の出力信号Lとして出力するようになっている。このVCO14は、電圧制御発振器の一例である。
プリチューン電圧生成部15は、例えばDAC(デジタルアナログコンバータ)で構成され、VCO14の発振周波数を予め調整するためのプリチューン電圧を生成するようになっている。
SW16は、2つの端子及び制御端子を有し、制御部17の制御に従って、2つの端子間が閉じた状態(オン)又は2つの端子間が開いた状態(オフ)になる動作を行うものである。2つの端子の一端はプリチューン電圧生成部15に接続され、他端はVCO14の入力端子に接続されている。
制御部17は、PLL回路1の出力周波数の切替時においてVCO14に対し、プリチューン電圧の印加を開始する場合にはSW16をオンにし、プリチューン電圧が目標電圧の所定範囲内になる予め定められた所定時間が経過するとプリチューン電圧の印加を停止するためSW16をオフにする動作を行うようになっている。
帰還回路30は、PFD12において基準信号aと比較される帰還信号bを生成する手段として構成され、局部発振器31、ミキサ32を備えている。この帰還回路30は、帰還手段の一例である。なお、帰還回路30は、VCO14とミキサ32との間に、例えば分周器を備える構成であってもよい。
局部発振器31は、VCO14の出力信号をダウンコンバート(周波数変換)するための局部発振周波数を有する局部発振信号を生成し、ミキサ32に出力するようになっている。この局部発振器31は、局部発振信号生成手段の一例である。
ミキサ32は、VCO14の出力信号と、局部発振器31からの局部発振信号とを混合することにより、VCO14の出力信号をダウンコンバートしてPFD12に出力するようになっている。このミキサ32は、周波数変換手段の一例である。以下、VCO14の出力信号(ミキサ32の入力信号)を参照信号と呼び、その周波数を参照周波数fRFで表す。
極性制御部40は、判定基準信号生成部41、PLL_IC50、積分回路60、判定器42を備えている。
判定基準信号生成部41は、後述する閾値周波数に対して参照周波数fRFの高低を判定するための、予め定められた周波数を有する判定基準信号を生成するようになっている。
PLL_IC50は、N分周器51、R分周器52、PFD53、チャージポンプ(CP)54を備えている。
N分周器51は、ミキサ32に入力される参照信号の参照周波数fRFを1/N倍にしてPFD53に出力するようになっている。なお、N分周器51の出力周波数をfnで表す。
R分周器52は、判定基準信号生成部41が生成した判定基準信号の周波数を1/R倍にしてPFD53に出力するようになっている。なお、R分周器52の出力周波数をfrで表す。
PFD53は、N分周器51及びR分周器52の各出力信号を比較して位相誤差信号をCP54に出力するようになっている。
CP54は、位相誤差信号の位相差に比例したパルス幅の電圧信号(位相差信号)を積分回路60に出力するようになっている。
積分回路60は、CP54からの電圧信号を平滑化し、判定器42に出力するようになっている。この積分回路60は、抵抗61及びコンデンサ62を有している。抵抗61は、CP54と判定器42との間に直列に接続されている。抵抗61の判定器42側の端子は、コンデンサ62を介して接地されている。
判定器42は、積分回路60の出力信号のレベルに基づいて、換言すれば、PFD53によるN分周器51及びR分周器52の各出力信号の位相差に基づいて、ハイレベルの制御信号c(以下「ハイ信号」)又はローレベルの制御信号c(以下「ロー信号」)を生成してPFD12の極性制御端子に出力するようになっている。
具体的には、本実施形態では、判定器42は、N分周器51の出力周波数fnがR分周器52の出力周波数fr以上(fn≧fr)の場合にはハイ信号をPFD12に出力し、N分周器51の出力周波数fnがR分周器52の出力周波数fr未満(fn<fr)の場合にはロー信号をPFD12に出力するものである。
次に、極性制御部40の機能について、図1及び図2を用いて説明する。この機能説明において、PLL回路1の出力周波数が、ある周波数から3000MHz(=fRF)の周波数に切り替えられる場合を例に挙げ、図1に示した各条件を用いる。
具体的には、図1に示したように、基準信号生成部11が出力する基準信号の基準周波数を50MHz、局部発振器31が出力する局部発振信号の周波数を2950MHz、判定基準信号生成部41が出力する判定基準信号の周波数を100MHzとする。
また、PLL回路1は、fRF≧2900MHz(予め定められた周波数範囲)の場合には3000MHzで位相ロック状態を得る制御が可能であるとする。また、fRF=3000MHから100MHz(基準周波数50MHzの2倍)を超えて低下したfRF<2900MHzの場合(予め定められた周波数範囲外となった場合)にはミスロックの状態になるものとする。そのため、N分周器51のN=290、R分周器52のR=10とする。この場合、fRF=2900MHzでN分周器51の出力周波数fn=10MHzとなり、fn=frとなる。なお、周波数2900MHzを以下「閾値周波数」という。
また、判定器42は、PFD12に対して、fRF≧2900MHzの場合にはハイ信号を出力し、fRF<2900MHzの場合にはロー信号を出力するよう設定されているものとする。
図2の上段は、横軸を時間、縦軸を電圧とし、時刻t0で周波数切替及びプリチューン電圧の印加を開始した場合において、LF13の出力電圧V1及びVCO14の入力電圧V2の時間的変化を模式的に示す実験データである。
図2の上段に示すように、時刻t0からt3までのV1<V2の領域では、V2は時間の経過とともに下降する。V2が目標周波数3000MHzに対応する目標電圧V近傍になった時刻t1において制御部17によりプリチューン電圧の印加がオフにされ、時刻t1以降もV2は下降していくが、fRF=2900MHzに対応する電圧V未満となる時刻t2以降において、従来と本実施形態とでは動作が異なる。なお、電圧Vを以下「閾値電圧」という。
従来のPLL回路では、時刻t2において、fRF=2900MHz未満となったためPLL回路の極性が切り替わり、V1は下降しV2の制御が不能となり、V2はVから遠ざかって位相ロック状態には戻れないミスロックの状態となる。
これに対し、本実施形態における極性制御部40は、次のように動作する。まず、時刻t2より前の期間は、N分周器51の出力周波数fnは10MHz以上となるのでfn≧frであり、判定器42はハイ信号を出力する。時刻t2においてN分周器51の出力周波数fnは10MHz未満となるのでfn<frとなり、判定器42はハイ信号に代えてロー信号をPFD12に出力する。その結果、PLL回路1の極性が反転して元の極性に戻ることによりV2は制御可能となって押し戻され、図示のように、V2は、V1とV2とが一致した時刻t3からt5までのV1>V2の領域では上昇し、時刻t5以降はVに収束していく。ここで、時刻t4において、N分周器51の出力周波数fnは再び10MHz以上となるのでfn≧frとなり、判定器42はロー信号に代えてハイ信号をPFD12に出力する。
図2の下段は、判定器42が出力する制御信号cの時間的変化を示している。図示のように、制御信号cは、fRF≧2900MHzである時刻t0からt2までの領域及びt4以降の領域ではハイレベル、fRF<2900MHzである時刻t2からt4までの領域ではローレベルとなる。すなわち、極性制御部40は、参照信号の参照周波数fRFが予め定められた周波数範囲外となったときにPLL回路1の極性を反転させるものである。
次に、本実施形態におけるPLL回路1の動作について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、PLL回路1の制御方法の一例を説明するフローチャートである。図4は、PLL回路1の極性制御処理の一例を説明するフローチャートである。以下の説明では、図2に示した時刻t0で周波数切替が行われた以降の動作について説明する。また、極性制御部40の判定器42は、初期状態ではPFD12にハイ信号を出力しているものとする。
制御部17は、VCO14の入力電圧V2が閾値周波数(又は閾値電圧)を下回ったことを示す変数iに0を代入しiを初期化する(ステップS11)。
プリチューン電圧生成部15は、VCO14の発振周波数を予め調整するために予め定められたプリチューン電圧Vpを生成する(ステップS12)。
制御部17は、プリチューン電圧Vpの印加を開始するため、SW16をオンにする(ステップS13)。
基準信号生成部11は、予め定められた周波数の基準信号をPFD12に出力する(ステップS14)。
PFD12は、基準信号生成部11からの基準信号aと帰還回路30からの帰還信号bとを比較して位相誤差信号をLF13に出力する(ステップS15)。
LF13は、PFD12が出力した位相誤差信号を平滑化して積分回路20に出力する(ステップS16)。
積分回路20は、LF13によって平滑化された信号を積分してVCO14に出力する(ステップS17)。
制御部17は、SW16をオンにしてから予め定められた所定時間が経過するまで待機する(ステップS18)。
制御部17は、所定時間が経過するとプリチューン電圧Vpの印加を停止するためSW16をオフにする(ステップS19)。
VCO14は、入力電圧V2に応じた発振周波数の信号を出力する(ステップS20)。
極性制御部40は、極性制御処理を実行する(ステップS30)。この極性制御処理について、図4を用いて説明する。
N分周器51は、ミキサ32に入力される参照信号の参照周波数fRFを1/N倍にしてPFD53に出力する(ステップS31)。
R分周器52は、判定基準信号生成部41が生成した判定基準信号の周波数を1/R倍にしてPFD53に出力する(ステップS32)。
PFD53は、N分周器51及びR分周器52の各出力信号を比較して位相誤差信号をCP54に出力する(ステップS33)。
CP54は、位相誤差信号の位相差に比例したパルス幅の電圧信号を積分回路60に出力する(ステップS34)。
積分回路60は、CP54からの電圧信号を平滑化して判定器42に出力する(ステップS35)。
制御部17は、変数i=0であるか否かを判断する(ステップS36)。
ステップS36において、変数i=0と判断された場合において、判定器42は、fRF<2900MHzか否か(V2<Vか否か)を判断する(ステップS37)。
ステップS37において、fRF<2900MHzと判断された場合(V2<Vの場合)には、判定器42がロー信号をPFD12に出力することによりPLL回路1の極性を反転する(ステップS38)。次に、制御部17は、変数iに1を代入する(ステップS39)。このステップS39の処理後、又はステップS37において、fRF<2900MHzと判断されなかった場合(V2≧Vの場合)には、メインフローの処理に戻る。
一方、ステップS36において、変数i=0と判断されなかった場合において、判定器42は、fRF≧2900MHzか否か(V2≧Vか否か)を判断する(ステップS40)。すなわち、判定器42は、fRF<2900MHzとなった後にfRF≧2900MHzとなったか否かを判断する。
ステップS40において、fRF≧2900MHzと判断された場合(V2≧Vの場合)には、判定器42がハイ信号をPFD12に出力することによりPLL回路1の極性を反転する(ステップS41)。次に、制御部17は、変数iに0を代入する(ステップS42)。このステップS42の処理後、又はステップS40において、fRF≧2900MHzと判断されなかった場合(V2<Vの場合)には、メインフローの処理に戻る。
以上のように、本実施形態におけるPLL回路1は、出力周波数の切替時において、局部発振信号と混合される参照信号の参照周波数fRFが予め定められた周波数範囲外となったときにPLL回路1の極性を反転させるので、PLL回路1の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなるのを防止することができる。
したがって、本実施形態におけるPLL回路1は、出力周波数の切替時にミキサ32への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができる。
なお、前述の実施形態において、制御信号cのレベルに基づいてPFDの極性が切り替わるもの(PFD12)を例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、制御信号cのレベルに基づいてPLL回路1の極性を反転する回路をPFDの後段に設ける構成としても同様の効果が得られる。
(第2実施形態)
まず、本発明の第2実施形態としてのPLL回路の構成について説明する。
図5に示すように、本実施形態におけるPLL回路2は、第1実施形態における極性制御部40(図1参照)に代えて極性制御部70を備えている。なお、図1で説明した構成と同様な構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
極性制御部70は、閾値電圧出力部71、コンパレータ72を備えている。
閾値電圧出力部71は、例えばDACで構成され、図2を用いて説明したように、目標電圧Vに対してPLL回路2の極性が反転する極性反転電圧である閾値電圧V(図2参照)を目標電圧Vごとに予め記憶している。そして、閾値電圧出力部71は、周波数切替指示を受けると目標電圧に対応する閾値電圧Vをコンパレータ72に出力するようになっている。
コンパレータ72は、反転入力端子(−入力端子)及び非反転入力端子(+入力端子)を備えている。反転入力端子には、VCO14の入力電圧V2が印加される。非反転入力端子には、閾値電圧出力部71からの閾値電圧Vが印加される。コンパレータ72は、VCO14の入力電圧V2と閾値電圧Vとを比較して、ハイ信号又はロー信号を生成してPFD12の極性制御端子に出力するようになっている。
具体的には、コンパレータ72は、VCO14の入力電圧V2が閾値電圧V以上(V2≧V)の場合にはハイ信号をPFD12に出力し、VCO14の入力電圧V2が閾値電圧V未満(V2<V)の場合にはロー信号をPFD12に出力するものである。
この構成により、極性制御部70は、図2に示した極性制御部40の機能と同様な機能を有し、入力電圧V2が閾値電圧V未満となってPLL回路2の極性が反転した場合でも元の極性に戻してV2を制御可能とすることができる。
次に、本実施形態におけるPLL回路2の動作について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、PLL回路2の制御方法の一例を説明するフローチャートである。図7は、PLL回路2の極性制御処理の一例を説明するフローチャートである。なお、図6及び図7において、第1実施形態と同様な動作には同一の符号を付して、その説明を省略する場合がある。
図6に示すように、本実施形態では、例えばステップS13の処理後に、閾値電圧出力部71が閾値電圧Vを出力する点が第1実施形態と異なっている(ステップS51)。
次に、PLL回路2の極性制御処理について説明する。図7に示すように、制御部17は、変数i=0であるか否かを判断する(ステップS36)。
ステップS36において、変数i=0と判断された場合において、コンパレータ72は、V2<Vか否か(fRF<2900MHzか否か)を判断する(ステップS52)。
ステップS52において、V2<Vと判断された場合(fRF<2900MHzの場合)には、コンパレータ72がロー信号をPFD12に出力することによりPLL回路1の極性を反転する(ステップS38)。次に、制御部17は、変数iに1を代入する(ステップS39)。このステップS39の処理後、又はステップS52において、V2<Vと判断されなかった場合(fRF≧2900MHzの場合)には、メインフローの処理に戻る。
一方、ステップS36において、変数i=0と判断されなかった場合において、コンパレータ72は、V2≧Vか否か(fRF≧2900MHzか否か)を判断する(ステップS53)。すなわち、コンパレータ72は、V2<V(fRF<2900MHz)となった後にV2≧V(fRF≧2900MHz)となったか否かを判断する。
ステップS53において、V2≧Vと判断された場合(fRF≧2900MHzの場合)には、コンパレータ72がハイ信号をPFD12に出力することによりPLL回路1の極性を反転する(ステップS41)。次に、制御部17は、変数iに0を代入する(ステップS42)。このステップS42の処理後、又はステップS40において、V2≧Vと判断されなかった場合(fRF<2900MHzの場合)には、メインフローの処理に戻る。
以上のように、本実施形態におけるPLL回路2は、VCO14の入力電圧が閾値電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときにPLL回路2の極性を反転させるので、PLL回路2の極性が切り替わって位相ロック状態が得られなくなるのを防止することができる。
したがって、本実施形態におけるPLL回路2は、出力周波数の切替時にミキサ32への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態としての信号分析装置80について、図8を用いて説明する。なお、信号分析装置80は、測定装置の一例である。
図8に示すように、本実施形態の信号分析装置80は、周波数掃引が可能な局部発振信号Lを、局部発振信号発生器を構成する第1実施形態のPLL回路1により生成して入力信号SINとともにミキサ82に与え、ミキサ82の出力から所定の中間周波数帯の信号Mをフィルタ83で抽出する周波数変換部81を備えている。
また、信号分析装置80は、入力信号SINのうち、指定された観測帯域の信号成分が周波数変換部81のフィルタ83から時系列に出力されるように、PLL回路1の局部発振信号Lの周波数掃引制御を行う掃引制御部84と、周波数変換部81の出力信号をサンプリングしてデジタルの信号列に変換するADC85と、局部発振信号Lの周波数掃引中にADC85から出力される信号列Dmを記憶し、周波数対信号強度のスペクトラム特性を求める信号解析部86と、信号解析部86で得られたスペクトラム特性を波形表示する表示部87と、を備えている。
すなわち、入力信号SINは、周波数変換部81のミキサ82に入力され、PLL回路1からの局部発振信号Lとミキシングされ、その差又は和(以下の説明では差とする)の周波数成分のうち、所定の中間周波帯の信号成分Mがフィルタ83によって抽出される。
ここで、フィルタ83の通過中心周波数をFIF、局部発振信号Lの周波数をFとし、中間周波帯に変換しようとする解析対象信号の周波数FINよりローカル周波数Fが高い上側ヘテロダインでミキシングすると仮定すると、F−FIF=FINの関係が成り立つ。
例えば、FIF=8GHzとし、ローカル周波数Fを8.1GHzから9GHzまで掃引すれば、解析対象信号の周波数FINは、100MHzから1GHzまで変化することになる。つまり、フィルタ83からは、入力信号SINのうち100MHzから1GHzまでの信号成分がその元の周波数順に時系列に抽出されることになる。
なお、ここでは周波数変換を1回行う回路例を示しているが、実際には周波数変換部81内で複数回の周波数変換処理(一般的には固定周波数の局部発振信号による)を行って、より低い周波数帯に変換している。
PLL回路1は、所定の周波数の局部発振信号Lを出力できるようになっており、その局部発振信号Lの周波数掃引は掃引制御部84から入力される周波数データを順次更新することで行われる。
掃引制御部84は、操作部88によって指定された基準周波数(スタート周波数あるいはセンタ周波数)、掃引幅(スパン)、取得サンプル数等に応じて、局部発振信号Lの周波数を所定ステップで掃引させるとともに、その各周波数の情報fを信号解析部86に与える。
一方、周波数変換部81から出力された信号Mは、ADC85により所定のサンプリング周期(フィルタ83の通過帯域の上限の2倍以上の周波数)でサンプリングされ、そのサンプリングで得られたデジタルの信号列Dmが信号解析部86に入力される。
信号解析部86は、周波数掃引によって得られたデジタルの信号列Dmと周波数情報fとを対応付けて受信して図示しないメモリに格納し、指定された帯域制限処理等を行って観測帯域内における周波数対信号強度S(f)の特性、すなわちスペクトラム特性を求める。表示部87は、信号解析部86が求めたスペクトラム特性の波形を画面に表示する。
以上のように、本実施形態の信号分析装置80は、出力周波数の切替時にミキサ32への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるPLL回路1により局部発振信号発生器を構成しているので、従来よりも短時間で確実に周波数の切り替えが可能となる。その結果、本実施形態の信号分析装置80は、信号分析時間の短縮化を図ることができる。
なお、前述の実施形態では、信号分析装置80が、第1実施形態のPLL回路1を備える構成を例に挙げて説明したが、これに代えて第2実施形態のPLL回路2を備える構成としても同様な効果が得られる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態としての信号発生装置90について、図9を用いて説明する。なお、信号発生装置90は、測定装置の一例である。
図9に示すように、本実施形態の信号発生装置90は、波形データ記憶部91、DAC92及び93、直交変調器94、局部発振信号発生器を構成する第1実施形態のPLL回路1、自動レベル制御回路(ALC)95、操作部96、設定部97、ステップアッテネータ(ステップATT)98を備えている。
波形データ記憶部91は、被試験装置を試験するための複数の試験信号データとして、デジタル値のベースバンドの波形データを記憶している。試験者は、操作部96を操作し、設定部97を介して、波形データ記憶部91に記憶された試験信号データを選択して出力できるようになっている。試験信号データは、I相成分(同相成分)及びQ相成分(直交成分)のベースバンドの波形データを含む。波形データは、例えば、図示しないDSP(Digital Signal Processor)によって生成される。
DAC92及び93は、それぞれ、波形データ記憶部91が出力するI相成分及びQ相成分のデジタル値のベースバンド信号波形データをアナログ値に変換して直交変調器94に出力するようになっている。
PLL回路1は、設定部97からの設定信号に基づいた局部発振周波数の局部発振信号Lを生成し、直交変調器94に出力するようになっている。
直交変調器94は、DAC92からのI相成分及びDAC93からのQ相成分と、PLL回路1から入力した局部発振信号Lとを乗算することにより直交変調及び周波数変換を行って無線周波数の信号(RF信号)を生成してALC95に出力するようになっている。
ALC95は、直交変調器94の出力信号の電力レベルを所定の電力レベルに調整してステップATT98に出力するようになっている。ALC95が設定する電力レベルは、設定部97からの設定信号によって設定されるようになっている。ALC95は、出力信号レベルを例えば0.1dB単位で調整できるものである。
操作部96は、試験者が試験条件及び試験手順に関する設定等を行うために操作するものであり、例えば、キーボード、ダイヤル又はマウスのような入力デバイス、これらを制御する制御回路等で構成される。試験者が設定する試験条件としては、例えば、波形データ記憶部91に記憶された波形データ、ステップATT98が出力するRF試験信号の出力レベル及び無線周波数等がある。
設定部97は、例えばマイクロコンピュータによって構成されており、装置全体の制御を行うようになっている。また、設定部97は、試験者が操作部96を操作して設定した各試験条件に基づき、各試験条件を設定する設定信号を波形データ記憶部91、PLL回路1、ALC95、ステップATT98にそれぞれ出力し、各試験条件を設定するようになっている。
ここで、ALC95に対する設定としては、例えば、ユーザが信号発生装置90の出力レベルを−40.2dBmに設定した場合、設定部97は、ステップATT98の減衰量を30dBに設定し、ALC95に対し、出力信号レベルを−10.2dBmに設定するための制御信号を出力する。
ステップATT98は、各々の減衰量が予め定められた複数のアッテネータセクションを備え、各アッテネータセクションの減衰量の組み合わせにより、入力したRF信号のレベルを所定の減衰量のステップで減衰することができるATTである。このステップATT98は、設定部97からの設定信号によって設定された減衰量で入力信号を減衰し、試験者が所望する電力レベルのRF試験信号を出力するようになっている。
以上のように構成された本実施形態の信号発生装置90は、出力周波数の切替時にミキサ32への入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるPLL回路1により局部発振信号発生器を構成しているので、従来よりも短時間で確実に周波数の切り替えが可能となる。その結果、本実施形態の信号発生装置90は、周波数切替時間の短縮化を図ることができる。
なお、前述の実施形態では、信号発生装置90が、第1実施形態のPLL回路1を備える構成を例に挙げて説明したが、これに代えて第2実施形態のPLL回路2を備える構成としても同様な効果が得られる。
以上のように、本発明に係るPLL回路及びそれを備えた測定装置並びにPLL回路の制御方法は、出力周波数の切替時にミキサへの入力周波数が基準周波数に対して大きくずれても、従来よりも容易に位相ロック状態を得ることができるという効果を有し、スペクトラムアナライザや信号発生器等の測定装置のPLL回路及びその制御方法として有用である。
1、2 PLL回路
11 基準信号生成部(信号生成手段)
12 PFD(位相周波数比較器)
14 VCO(電圧制御発振器)
15 プリチューン電圧生成部
30 帰還回路(帰還手段)
31 局部発振器(局部発振信号生成手段)
32 ミキサ(周波数変換手段)
40 極性制御部(極性反転手段)
41 判定基準信号生成部(判定基準信号生成手段)
42 判定器(極性反転手段)
50 PLL_IC(位相差信号出力手段)
70 極性制御部
71 閾値電圧出力部(極性反転電圧出力手段)
72 コンパレータ(極性反転手段)
80 信号分析装置(測定装置)
90 信号発生装置(測定装置)

Claims (11)

  1. 予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、
    入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、
    前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、
    を有するPLL回路(1)であって、
    前記帰還手段は、
    局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、
    前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、
    を有し、
    前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転手段(40)を備えたことを特徴とするPLL回路。
  2. 前記極性反転手段は、前記参照信号の周波数が前記周波数範囲外となった後に再び前記周波数範囲内となったときに前記PLL回路の極性を反転させて元の極性に戻すものであることを特徴とする請求項1に記載のPLL回路。
  3. 前記極性反転手段は、
    前記参照信号の周波数を判定するための判定基準信号を生成する判定基準信号生成手段(41)と、
    前記判定基準信号と前記参照信号との位相差に応じた位相差信号を出力する位相差信号出力手段(50)と、
    前記位相差信号に基づいて前記PLL回路の極性を反転させる極性反転手段(42)と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のPLL回路。
  4. 前記位相差信号出力手段は、前記位相差信号を出力する回路をワンチップに集積したPLL集積回路であることを特徴とする請求項3に記載のPLL回路。
  5. 予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、
    入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、
    前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、
    を有するPLL回路(2)であって、
    前記帰還手段は、
    局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、
    前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、
    を有し、
    前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったことにより前記PLL回路の極性が反転する電圧である予め定められた極性反転電圧を出力する極性反転電圧出力手段(71)と、
    前記電圧制御発振器の入力電圧が前記極性反転電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転手段(72)と、
    を備えたことを特徴とするPLL回路。
  6. 前記極性反転手段は、前記電圧制御発振器の入力電圧が前記電圧範囲外となった後に再び前記電圧範囲内となったときに前記PLL回路の極性を反転させて元の極性に戻すものであることを特徴とする請求項5に記載のPLL回路。
  7. 前記極性反転手段は、前記PLL回路の極性を切り替える制御信号を出力するものであって、
    前記位相周波数比較器は、前記位相誤差信号の極性を前記制御信号に基づいて切り替えるものであることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のPLL回路。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のPLL回路を備えたことを特徴とする測定装置(80、90)。
  9. 前記PLL回路は、予め定められた局部発振周波数の局部発振信号を生成するものであることを特徴とする請求項8に記載の測定装置。
  10. 予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、
    入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、
    前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、
    を有するPLL回路(1)の制御方法であって、
    前記帰還手段は、
    局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、
    前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、
    を有し、
    前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転ステップ(S38)を含むことを特徴とするPLL回路の制御方法。
  11. 予め定められた周波数の信号を生成する信号生成手段(11)と、
    入力電圧に応じた発振周波数の信号を出力する電圧制御発振器(14)と、
    前記信号生成手段及び前記電圧制御発振器の各出力信号を比較して位相誤差信号を出力する位相周波数比較器(12)と、
    前記電圧制御発振器の出力信号を前記位相周波数比較器に帰還する帰還手段(30)と、
    を有するPLL回路(2)の制御方法であって、
    前記帰還手段は、
    局部発振信号を生成する局部発振信号生成手段(31)と、
    前記電圧制御発振器からの信号を参照信号とし該参照信号と前記局部発振信号とを混合して周波数変換した信号を前記位相周波数比較器に出力する周波数変換手段(32)と、
    を有し、
    前記PLL回路の出力周波数の切替時に前記参照信号の周波数が予め定められた周波数範囲外となったことにより前記PLL回路の極性が反転する電圧である予め定められた極性反転電圧を出力する極性反転電圧出力ステップ(S51)と、
    前記電圧制御発振器の入力電圧が前記極性反転電圧に基づいて予め定められた電圧範囲外となったときに前記PLL回路の極性を反転させる極性反転ステップ(S38)と、
    を含むことを特徴とするPLL回路の制御方法。
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