JP2019086615A - 磁性トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性粉としてマグネタイト粒子の粉体を使用しつつ、黒色度の調整を容易かつ安価に行うことができる磁性トナーの製造方法を提供する。【解決手段】磁性トナーの製造方法は、複合粒子調製工程と溶融混練工程と粉砕工程とを備える。複合粒子調製工程では、複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合することにより、マグネタイト粒子の表面に酸化防止剤を付着させて複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子を得る。溶融混練工程では、複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子と、結着樹脂とを含むトナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。粉砕工程では、溶融混練物を粉砕することにより、複数の粉砕物を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、磁性トナーの製造方法に関する。
電子写真現像剤用の磁性トナー(以下、単に「トナー」と記載することがある。)には、磁性粉が使用されている。磁性粉としては、磁気特性等を容易に調整し易いマグネタイト粒子の粉体が広く使用されている。マグネタイト粒子はトナーの磁気特性を調整すると共に、黒色の着色剤としての役割を果たす。
磁性トナーの製造方法として、磁性粉を結着樹脂等と共に溶融混練する工程と、溶融混練により得られた溶融混練物を粉砕する工程とを備えた粉砕法が知られている。溶融混練する工程(溶融混練工程)は、結着樹脂を軟化させ、かつ流動化させるために、高温下で行われる。磁性粉としてマグネタイト粒子の粉体を使用する場合、溶融混練工程においてマグネタイト粒子が高温で処理されることにより、マグネタイト粒子中のFe2+が徐々に酸化されてFe3+へ変化する。その結果、Fe2+の酸化が進むにつれて、磁性粉が赤褐色を呈するようになる。
マグネタイト粒子の酸化によるトナーの黒色度の変化を抑制するために、特許文献1に記載の磁性トナーでは、マグネタイト粒子の表面にカーボンブラックの被膜を形成してトナーの黒色度を高めている。
特開平5−66609号公報
しかし、特許文献1に記載の磁性トナーでは、カーボンブラックの被膜を形成するために高温化での気相処理が必要となるため、黒色度の調整を安価に行うことが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性粉としてマグネタイト粒子の粉体を使用しつつ、黒色度の調整を容易かつ安価に行うことができる磁性トナーの製造方法を提供することである。
本発明に係る磁性トナーの製造方法は、複合粒子調製工程と溶融混練工程と粉砕工程とを備える。前記複合粒子調製工程では、複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合することにより、前記マグネタイト粒子の表面に前記酸化防止剤を付着させて複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子を得る。前記溶融混練工程では、複数の前記マグネタイト−酸化防止剤複合粒子と、結着樹脂とを含むトナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。前記粉砕工程では、前記溶融混練物を粉砕することにより、複数の粉砕物を得る。
本発明によれば、磁性粉としてマグネタイト粒子の粉体を使用しつつ、黒色度の調整を容易かつ安価に行うことができる磁性トナーの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の磁性トナーの製造方法の好適な実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、マグネタイト粒子、トナー粒子等)に関する評価結果(形状、物性等を示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「マルチサイザー3」)を用いて測定されたメディアン径である。酸価の測定値は、何ら規定していなければ、「JIS(日本工業規格)K0070−1992」に従って測定した値である。
ガラス転移点(Tg)は、何ら規定していなければ、示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて測定した値である。また、軟化点(Tm)は、何ら規定していなければ、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用いて測定した値である。
帯電性は、何ら規定していなければ、摩擦帯電における帯電性を意味する。摩擦帯電における正帯電性の強さ(又は負帯電性の強さ)は、周知の帯電列などで確認できる。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
本実施形態の製造方法で得られる磁性トナー(以下、磁性トナーMTと記載することがある。)は、静電潜像の現像に好適に用いることができる。また、磁性トナーMTは、例えば正帯電性を有する磁性トナー(以下、単に「正帯電性トナー」と記載することがある。)である。磁性トナーMTは、1成分現像剤として使用できる。1成分現像剤に含まれる正帯電性トナーは、現像装置内における現像スリーブ、又はブレードとの摩擦により、正に帯電する。
磁性トナーMTは、後述する粉砕工程を経て得られる粉砕物(以下、トナー粒子と記載することがある。)を複数含む粉体である。トナー粒子は、外添剤を備えていてもよい。トナー粒子が外添剤を備える場合には、トナー粒子はトナー母粒子と外添剤とを備える。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、結着樹脂と、複数のマグネタイト粒子(磁性粉)とを含有する。トナー母粒子は、必要に応じて、他の内添剤(例えば、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤の少なくとも1つ)を含有してもよい。また、トナー母粒子は、後述する複合粒子調製工程で使用される酸化防止剤の残留物を含有してもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。外添剤を割愛する場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。
トナー粒子は、シェル層を備えないトナー粒子であってもよいし、シェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する。)であってもよい。カプセルトナー粒子では、トナー母粒子が、トナーコアと、トナーコアの表面に形成されたシェル層とを備える。シェル層は、実質的に樹脂から構成される。例えば、低温で溶融するトナーコアを、耐熱性に優れるシェル層で覆うことで、トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図ることが可能になる。シェル層を構成する樹脂中に添加剤が分散していてもよい。シェル層は、トナーコアの表面全体を覆っていてもよいし、トナーコアの表面を部分的に覆っていてもよい。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂から構成されてもよいし、実質的に熱可塑性樹脂から構成されてもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
本実施形態に係る磁性トナーの製造方法は、複合粒子調製工程と溶融混練工程と粉砕工程とを備える。また、本実施形態に係る磁性トナーの製造方法は、別の工程(例えば、後述する微粉砕工程、分級工程、シェル層形成工程及び外添工程)を更に含んでもよい。以下、各工程について説明する。
[複合粒子調製工程]
複合粒子調製工程では、複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合することにより、マグネタイト粒子の表面に酸化防止剤を付着させて複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子を得る。
複合粒子調製工程における複数のマグネタイト粒子は、トナー母粒子の内添剤である磁性粉として使用される。磁性トナーMTの磁気特性を容易に調整するためには、マグネタイト粒子の平均径は、BET法による平均径として0.01μm以上1μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
複合粒子調製工程では、マグネタイト粒子以外に、他の磁性体粒子を更に使用することもできる。他の磁性体粒子としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、これら金属の一種以上を含む合金等)の粒子、マグネタイト以外の強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、二酸化クロム等)の粒子、及び強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)の粒子が挙げられる。磁性トナーMTの磁気特性を容易に調整するためには、磁性粉に含まれる磁性体粒子の合計質量に対するマグネタイト粒子の含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
また、画像形成に適した磁性トナーMTを得るためには、トナー母粒子中の磁性粉の含有量が、後述する結着樹脂100質量部に対して、40質量部以上120質量部以下であることが好ましい。
複合粒子調製工程における酸化防止剤は、後述する溶融混練工程においてマグネタイト粒子中のFe2+の酸化を抑制する成分として使用される。複合粒子調製工程でマグネタイト粒子の表面に酸化防止剤を付着させることにより、溶融混練工程において、酸化防止剤がマグネタイト粒子中のFe2+よりも優先的に酸化される。これにより、Fe2+がFe3+へ変化することを抑制できるため、トナーの赤褐色化を抑制できる。そのため、本実施形態の製造方法により得られる磁性トナーMTは、黒色度の調整のための着色剤の添加が不要になるか、又は着色剤の添加量を低減できる。また、本実施形態の製造方法では、気相処理のような製造コストが嵩む処理を必要としない。よって、本実施形態の磁性トナーの製造方法によれば、黒色度の調整を容易かつ安価に行うことができる。
複合粒子調製工程で使用可能な酸化防止剤としては、例えば、分子内にアミノ基を有するアミン型酸化防止剤、及び分子内にフェノール基を有するフェノール型酸化防止剤が挙げられる。本実施形態では、これらの酸化防止剤の一種又は複数種を使用できる。
正帯電性の磁性トナーMTを製造する場合、帯電特性に優れる正帯電性トナーとするためには、酸化防止剤としてアミン型酸化防止剤を使用することが好ましい。トナー母粒子中にアミン型酸化防止剤が残留している場合は、アミン型酸化防止剤の分子内に存在するアミノ基が正帯電性を有するため、磁性トナーMTが正帯電性を有し易くなる。よって、トナー母粒子中にアミン型酸化防止剤が残留した磁性トナーMTによれば、画像濃度に優れる画像を形成できる。
アミン型酸化防止剤としては、例えば、ナフチルアミン系酸化防止剤、フェニレンジアミン系酸化防止剤、ジフェニルアミン系酸化防止剤及びフェノチアジン系酸化防止剤が挙げられる。
ナフチルアミン系酸化防止剤としては、例えば1−ナフチルアミン、フェニル−1−ナフチルアミン、p−オクチルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ノニルフェニル−1−ナフチルアミン、p−ドデシルフェニル−1−ナフチルアミン、及びフェニル−2−ナフチルアミンが挙げられる。
フェニレンジアミン系酸化防止剤としては、例えばN,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ジオクチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、及びフェニルオクチル−p−フェニレンジアミンが挙げられる。
ジフェニルアミン系酸化防止剤としては、例えばジピリジルアミン、ジフェニルアミン、p,p’−ジ−n−ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−t−ブチルジフェニルアミン、p,p’−ジ−t−ペンチルジフェニルアミン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、p,p’−ジノニルジフェニルアミン、p,p’−ジデシルジフェニルアミン、p,p’−ジドデシルジフェニルアミン、p,p’−ジスチリルジフェニルアミン、p,p’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(4−α,α−ジメチルベンゾイル)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン、及びジピリジルアミンが挙げられる。
フェノチアジン系酸化防止剤としては、例えばフェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェノチアジンカルボン酸エステル、及びフェノセレナジンが挙げられる。
中でも、マグネタイト粒子中のFe2+の酸化をより抑制しつつ、帯電特性に優れる正帯電性トナーを得るためには、酸化防止剤としては、ジフェニルアミン系酸化防止剤が好ましい。
ジフェニルアミン系酸化防止剤の市販品としては、例えば、川口化学工業株式会社製「Antage(登録商標) 3C」、「Antage 6C」、及び「Antage LDA」が挙げられる。
フェノール型酸化防止剤としては、例えばクレゾール誘導体及びヒドロキノン誘導体が挙げられる。
クレゾール誘導体としては、例えば4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−p−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、及び2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールが挙げられる。
ヒドロキノン誘導体としては、例えば2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、及び2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンが挙げられる。
複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合する方法としては、例えば混合装置を用いて、複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合する方法が挙げられる。混合装置としては、例えば、ブレンダー、V型混合機、Q型ミキサー、FMミキサー、レディゲミキサー、マルチパーパスミキサー、スーパーミキサー、及びハイブリダイゼーションシステム(登録商標)が挙げられる。
複合粒子調製工程においてマグネタイト粒子中のFe2+の酸化をより抑制するためには、複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合する際の雰囲気温度を40℃以下にすることが好ましい。
[溶融混練工程]
溶融混練工程では、複合粒子調製工程で得られた複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子と、結着樹脂とを含むトナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る。本実施形態では、上述した複合粒子調製工程でマグネタイト粒子の表面に酸化防止剤を付着させるため、溶融混練工程において、酸化防止剤がマグネタイト粒子中のFe2+よりも優先的に酸化される。これにより、Fe2+がFe3+へ変化することを抑制できるため、トナーの赤褐色化を抑制できる。
トナー材料を溶融混練する方法としては、例えば溶融混練装置を用いて、トナー材料を溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練に用いるトナー材料は、例えば、複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子と、結着樹脂と、必要に応じて添加する内添剤とを混合することにより得られる。以下、トナー材料に含有され得る成分のうち、マグネタイト−酸化防止剤複合粒子以外の成分について説明する。
(結着樹脂)
トナー材料には、結着樹脂が含有される。磁性トナーMTのトナー母粒子は、例えば全成分の50質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナー母粒子はアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナー母粒子はカチオン性になる傾向が強くなる。
磁性トナーMTの低温定着性を向上させるためには、トナー材料は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。トナー材料に含有される熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂等)も結着樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、一種以上の熱可塑性モノマーを、付加重合、共重合、又は縮重合させることで得られる。なお、熱可塑性モノマーは、単独重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(より具体的には、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン系モノマー等)、又は縮重合により熱可塑性樹脂になるモノマー(例えば、縮重合によりポリエステル樹脂になる多価アルコール及び多価カルボン酸の組合せ)である。
磁性トナーMTの低温定着性を向上させるためには、トナー材料が、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、一種以上の多価アルコールと一種以上の多価カルボン酸とを縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成するためのアルコールとしては、例えば以下に示すような、2価アルコール(より具体的には、ジオール類、ビスフェノール類等)、及び3価以上のアルコールが挙げられる。ポリエステル樹脂を合成するためのカルボン酸としては、例えば以下に示すような、2価カルボン酸、及び3価以上のカルボン酸が挙げられる。なお、多価カルボン酸の代わりに、多価カルボン酸の無水物を使用してもよい。
ジオール類の好適な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ペンテン−1,5−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、1,4−ベンゼンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、及びビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及び1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等)、及びアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等)が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、及びエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
トナー材料は、色味調整等のために、マグネタイト粒子以外の着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の例としては、黒色着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤が挙げられる。ただし、磁性トナーMTの黒色度が実用上問題なければ、トナー材料にマグネタイト粒子以外の着色剤を含有させる必要はない。
(離型剤)
トナー材料は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、磁性トナーMTの耐オフセット性を向上させる目的で使用される。磁性トナーMTの耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、ライスワックス等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラタム等の鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス、カスターワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするエステルワックス;脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックス(例えば、脱酸カルナバワックス)を好適に使用できる。本実施形態では、一種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂がポリエステル樹脂である場合、離型剤としては、カルナバワックス、エステルワックス、及びポリエチレンワックスが好ましい。結着樹脂がスチレン系樹脂又はその共重合体である場合、離型剤としては、パラフィンワックス、及びフィッシャートロプシュワックスが好ましい。結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー材料に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー材料は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、磁性トナーMTの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。磁性トナーMTの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
正帯電性の磁性トナーMTを製造する場合、帯電特性に優れる正帯電性トナーとするためには、トナー材料に正帯電性の電荷制御剤を添加することが好ましい。
正帯電性の電荷制御剤の例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸の金属塩類;高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が挙げられる。これらの電荷制御剤の二種以上を組み合わせてもよい。
上述したトナー材料を均一に溶融混練するためには、トナー材料を100℃以上の温度で溶融混練することが好ましく、125℃以上の温度で溶融混練することがより好ましく、130℃以上の温度で溶融混練することが更に好ましい。なお、本実施形態の製造方法によれば、Fe2+がFe3+へ変化することを抑制できるため、125℃以上の温度でトナー材料を溶融混練しても、磁性トナーMTの赤褐色化を抑制できる。
磁性トナーMTの赤褐色化をより抑制するためには、トナー材料を150℃以下の温度で溶融混練することが好ましく、140℃以下の温度で溶融混練することがより好ましい。
磁性トナーMTの赤褐色化をより抑制するためには、トナー材料中の酸化防止剤の含有量は、マグネタイト粒子100質量部に対し、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましい。一方、磁性トナーMTを用いて高画質の画像を形成するためには、トナー材料中の酸化防止剤の含有量は、マグネタイト粒子100質量部に対し、10質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であることがより好ましい。なお、トナー材料中の酸化防止剤の含有量を上記好適な範囲内とする方法としては、例えば上述した複合粒子調製工程において酸化防止剤の使用量を調整する方法が挙げられる。
[粉砕工程]
粉砕工程では、溶融混練工程で得られた溶融混練物を、例えば室温(25℃)まで冷却した後、粉砕することにより、複数の粉砕物を得る。本実施形態では、粉砕工程で得られた粉砕物をトナー粒子として用いることができる。また、本実施形態では、粉砕工程で得られた粉砕物を用いて以下の工程のうちの1つ以上を実施することで、複数のトナー粒子を製造することもできる。
[微粉砕工程]
本実施形態において、粉砕工程で得られた粉砕物の小径化が必要な場合は、粉砕物を更に粉砕する工程(微粉砕工程)を実施することができる。微粉砕工程では、粉砕工程で得られた粉砕物を、例えばジェットミルで微粉砕することで粉砕物を小径化する。
[分級工程]
本実施形態において、粉砕物の粒径を揃える場合は、得られた粉砕物を分級する工程(分級工程)を実施することができる。分級工程では、得られた粉砕物を、例えば分級機により分級することで粉砕物の粒径を揃える。
[シェル層形成工程]
本実施形態では、得られた粉砕物の表面にシェル層を形成する工程(シェル層形成工程)を実施してもよい。この場合、粉砕物をトナーコアとするカプセルトナー粒子が得られる。シェル層の形成方法の例としては、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法が挙げられる。
[外添工程]
本実施形態では、上述した方法で得られた粉砕物(トナー母粒子)の表面に外添剤を付着させる工程(外添工程)を実施してもよい。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる方法としては、例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤粒子(粉体)とを一緒に攪拌することで、トナー母粒子の表面に外添剤粒子を付着させる方法が挙げられる。
トナー母粒子からの外添剤粒子の脱離を抑制しながら外添剤の機能を十分に発揮させるためには、外添剤の量(複数種の外添剤粒子を使用する場合には、それら外添剤粒子の合計量)が、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
外添剤粒子としては、無機粒子が好ましく、シリカ粒子、及び金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等)の粒子が特に好ましい。本実施形態では、一種類の外添剤粒子を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤粒子を併用してもよい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等)、シラザン化合物(より具体的には、鎖状シラザン化合物、環状シラザン化合物等)、及びシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)が挙げられる。表面処理剤としては、シランカップリング剤及びシラザン化合物が特に好ましい。シランカップリング剤の好適な例としては、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、アミノシラン等)が挙げられる。シラザン化合物の好適な例としては、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)が挙げられる。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。
以上、本実施形態に係る磁性トナーの製造方法について説明した。本実施形態の磁性トナーの製造方法によれば、黒色度の調整を容易かつ安価に行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明する。まず、結着樹脂の合成方法について説明する。
[結着樹脂の合成]
温度計、ステンレススチール製攪拌器、ガラス製窒素導入管、及び流下式コンデンサーを備えた4つ口フラスコ(容量:2L)に、55mоl%のエチレングリコールと、40mоl%のテレフタル酸と、5mоl%の1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物とを入れた。フラスコをマントルヒーターにセットした。窒素ガスをガラス製窒素ガス導入管よりフラスコ内に導入し、フラスコ内の温度を200℃まで上げた。フラスコ内を窒素雰囲気に保ち、且つフラスコ内の温度を200℃に保った状態で、フラスコの内容物を攪拌してフラスコの内容物を重合反応させた。なお、フラスコの内容物の飛散及び昇華によってフラスコ内における単量体(例えば、エチレングリコール、テレフタル酸、又は1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)の量が減少した場合には、減少量に相当する量の単量体をフラスコに追加した。フラスコの内容物のサンプリングを適宜行って、フラスコの内容物の酸価を測定した。そして、フラスコの内容物の酸価が8mgKOH/gに達した時点で、フラスコの内容物をバットに取り出した(重合反応の停止)。バットに取り出した反応生成物を室温(25℃)まで冷却して、結着樹脂であるポリエステル樹脂R1を得た。得られたポリエステル樹脂R1は、Tg(ガラス転移点)が57℃であり、Tm(軟化点)が125℃であった。
[磁性トナーMTA−1の作製]
(マグネタイト−酸化防止剤複合粒子の調製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、2400gの磁性粉(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」、BET法による平均径が0.17μmのマグネタイト粒子の粉体)と、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage LDA」)とを、回転速度2700rpmで10分間混合した。混合の際の雰囲気温度は、25℃以上40℃以下の範囲に維持した。その結果、マグネタイト粒子の表面にアミン型酸化防止剤が付着したマグネタイト−酸化防止剤複合粒子M1が多数得られた。なお、使用したアミン型酸化防止剤は、全て磁性粉中のマグネタイト粒子の表面に付着していた。
(トナー材料の調製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、3000gのポリエステル樹脂R1と、2550gのマグネタイト−酸化防止剤複合粒子M1と、90gの電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−207P」、成分:4級アンモニウム塩由来の繰返し単位を含むスチレン−アクリル酸系樹脂)と、45gのエステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−4」、融点:71℃)とを、回転速度2400rpmで3分間混合した。混合の際の雰囲気温度は、25℃以上40℃以下の範囲に維持した。このようにして、トナー材料を得た。
(トナー母粒子の作製)
得られたトナー材料を、二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、設定温度(シリンダー温度、溶融混練温度に相当)130℃の条件で、溶融混練した。得られた溶融混練物を室温(25℃)まで冷却した後、冷却された溶融混練物を粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)」)を用いて粗粉砕した(粉砕工程)。得られた粗粉砕物を、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて微粉砕した(微粉砕工程)。得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。このようにして、体積中位径(D50)7.0μmのトナー母粒子T1を得た。
(外添工程)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10B」)を用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で、100質量部のトナー母粒子T1と、0.8質量部のシリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA200」)と、0.8質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)とを、5分間混合した。これにより、トナー母粒子T1の表面に外添剤を付着させた。その結果、多数のトナー粒子を含む正帯電性の磁性トナーMTA−1が得られた。
[磁性トナーMTA−2の作製]
マグネタイト−酸化防止剤複合粒子の調製において、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage LDA」)の代わりに、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage 3C」)を用いたこと以外は、磁性トナーMTA−1の作製方法と同様の方法により、磁性トナーMTA−2を得た。
[磁性トナーMTA−3の作製]
マグネタイト−酸化防止剤複合粒子の調製において、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage LDA」)の代わりに、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage 6C」)を用いたこと以外は、磁性トナーMTA−1の作製方法と同様の方法により、磁性トナーMTA−3を得た。
[磁性トナーMTA−4の作製]
マグネタイト−酸化防止剤複合粒子の調製において、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage LDA」)の代わりに、150gのフェノール型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage BHT」)を用いたこと以外は、磁性トナーMTA−1の作製方法と同様の方法により、磁性トナーMTA−4を得た。
[磁性トナーMTB−1の作製]
マグネタイト−酸化防止剤複合粒子を調製しなかったことと、トナー材料の調製において、2550gのマグネタイト−酸化防止剤複合粒子M1の代わりに2400gの磁性粉(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)を用いたこと以外は、磁性トナーMTA−1の作製方法と同様の方法により、磁性トナーMTB−1を得た。
[磁性トナーMTB−2の作製]
マグネタイト−酸化防止剤複合粒子を調製しなかったことと、トナー材料の調製を以下に示す方法で行ったこと以外は、磁性トナーMTA−1の作製方法と同様の方法により、磁性トナーMTB−2を得た。
(トナー材料の調製)
FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、3000gのポリエステル樹脂R1と、150gのアミン型酸化防止剤(川口化学工業株式会社製「Antage LDA」)と、2400gの磁性粉(三井金属鉱業株式会社製「TN−15」)と、90gの電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベ−ス(登録商標)FCA−207P」)と、45gのエステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−4」)とを、回転速度2400rpmで3分間混合した。混合の際の雰囲気温度は、25℃以上40℃以下の範囲に維持した。このようにして、磁性トナーMTB−2を作製するためのトナー材料を得た。
[画像評価]
(画像濃度)
複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3510i」)のトナーコンテナに、トナー(より具体的には磁性トナーMTA−1〜MTA−4、MTB−1及びMTB−2の各々)を入れた。インストール動作を行って、トナーコンテナ内のトナーを複合機の現像装置に充填させた。次いで、温度23℃かつ湿度50%RHの環境下、上記複合機を用いて、印字率4%の画像を印刷用紙(A4サイズ)に5000枚連続で印刷した後、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を印刷用紙(A4サイズ)に1枚印刷した。次いで、印刷用紙に形成された画像のソリッド部の画像濃度(ID)を、反射濃度計(有限会社東京電色製「TC−6DS」)を用いて測定した。結果を表1に示す。画像濃度(ID)が1.0以上であれば「良い」と判断し、画像濃度(ID)が1.0未満であれば「良くない」と判断した。
(目視評価)
上述した画像濃度の評価で形成されたソリッド画像のソリッド部を目視で観察し、以下に示す基準で評価した。結果を表1に示す。
A(良好):ソリッド部が赤みを帯びておらず、黒色の複写物として実用上問題のない水準であった。
B(不良):ソリッド部が赤みを帯びており、黒色の複写物として実用上問題のある水準であった。
Figure 2019086615
磁性トナーMTA−1〜MTA−4は、マグネタイト−酸化防止剤複合粒子を調製した後、このマグネタイト−酸化防止剤複合粒子を含むトナー材料を溶融混練することにより得られた磁性トナーであった。
表1に示すように、磁性トナーMTA−1〜MTA−4は、目視評価がA(良好)であった。なお、フェノール型酸化防止剤を用いた磁性トナーMTA−4は、アミン型酸化防止剤を用いた磁性トナーMTA−1〜MTA−3に比べ、画像濃度(ID)が小さい値となった。
磁性トナーMTB−1は、酸化防止剤を用いずに作製された磁性トナーであった。磁性トナーMTB−2は、マグネタイト−酸化防止剤複合粒子を調製せず、結着樹脂等の他の成分と共に磁性粉と酸化防止剤とを混合したトナー材料を用いて得られた磁性トナーであった。
表1に示すように、磁性トナーMTB−1及びMTB−2は、目視評価がB(不良)であった。
本発明に係る磁性トナーの製造方法で得られる磁性トナーは、例えば複合機又はプリンターにおいて画像を形成するために利用することができる。

Claims (5)

  1. 磁性トナーの製造方法であって、
    複数のマグネタイト粒子と、酸化防止剤とを攪拌しながら混合することにより、前記マグネタイト粒子の表面に前記酸化防止剤を付着させて複数のマグネタイト−酸化防止剤複合粒子を得る複合粒子調製工程と、
    複数の前記マグネタイト−酸化防止剤複合粒子と、結着樹脂とを含むトナー材料を溶融混練することにより、溶融混練物を得る溶融混練工程と、
    前記溶融混練物を粉砕することにより、複数の粉砕物を得る粉砕工程と
    を備える、磁性トナーの製造方法。
  2. 前記酸化防止剤は、分子内にアミノ基を有する酸化防止剤であり、
    前記磁性トナーは、正帯電性の磁性トナーである、請求項1に記載の磁性トナーの製造方法。
  3. 前記溶融混練工程において、前記トナー材料を125℃以上の温度で溶融混練する、請求項1又は2に記載の磁性トナーの製造方法。
  4. 前記溶融混練工程において、前記トナー材料は離型剤を更に含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の磁性トナーの製造方法。
  5. 前記溶融混練工程において、前記トナー材料中の前記酸化防止剤の含有量は、前記マグネタイト粒子100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の磁性トナーの製造方法。
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