JP2019086399A - 回転操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノブの回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与える。【解決手段】信号出力部4は、ノブ3の回転に応じて信号レベルが変化するパルス信号を出力する。制御部5は、所定の周期でパルス信号の信号レベルを検出し、検出信号を取得する。制御部5は、検出信号のパルス幅を検出し、当該パルス幅の経時変化に基づいてノブ3の回転速度が増しているかを判断する。ノブ3の回転速度が増していると判断された後に取得された検出信号のパルス幅が第一閾値以上かつ第二閾値未満であると判断された場合、制御部5は、検出されなかった少なくとも2回のパルス信号の信号レベル変化が当該パルス幅に対応する期間内に含まれていると判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、回転可能なノブを備えている回転操作装置に関する。
特許文献1は、この種の回転操作装置を開示している。当該装置は、回転可能な円筒状のノブを備えている。ノブの周縁部には、複数の遮光壁と複数のスリットが形成されている。複数の遮光壁とスリットは、ノブの周方向に交互かつ等間隔に配列されている。当該装置は、発光素子と受光素子を備えている。発光素子の発光面と受光素子の受光面は対向している。ノブの周縁部は、発光面と受光面の間に配置される。ノブが回転されると、発光面と受光面の間を、遮光壁とスリットが交互に通過する。これにより、発光面から出射された光が受光面に到達する受光状態と遮光壁により遮られる遮光状態が交互に得られる。受光素子は、受光状態と遮光状態とで異なるレベルの信号を出力するように構成されている。受光素子から出力される信号のレベル変化の回数を数えることにより、ノブの回転量が検出される。
特開2010−251118号公報
より具体的には、受光素子から出力される信号レベルが所定の周期で検出される。ある信号レベル変化から次の信号レベル変化までの時間が検出周期よりも長ければ、信号レベル変化の回数は正確に把握される。しかしながら、ノブが高速で回転されると、検出周期よりも短い間隔で信号レベル変化が生じる場合がある。一検出周期内に2回以上の信号レベル変化が生じると、その回数を正確に把握できなくなる。すなわち、ノブの回転量を正確に検出できなくなる。
上記の事態の一対策として、ノブの回転速度を事前に規制することが考えられる。しかしながら、そのような規制はユーザに与える使用時の快適性を低下させる。別対策として、検出周期を短くすることが考えられる。しかしながら、ノイズに起因する信号レベル変化が検出されてしまう可能性が増す。
本発明の目的は、ノブの回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与えることである。
上記の目的を達成するための一態様は、回転操作装置であって、
回転可能であるノブと、
前記ノブの回転に応じて信号レベルが変化するパルス信号を出力する信号出力部と、
所定の周期で前記パルス信号の信号レベルを検出し、検出信号を取得する制御部と、
を備えており、
前記制御部は、
前記検出信号のパルス幅を検出し、
前記パルス幅の経時変化に基づいて前記ノブの回転速度が増しているかを判断し、
前記ノブの回転速度が増していると判断された後に取得された前記検出信号のパルス幅が第一閾値以上かつ第二閾値未満であると判断された場合、検出されなかった少なくとも2回の前記パルス信号の信号レベル変化が当該パルス幅に対応する期間内に含まれていると判断する。
制御部は、この判断に基づいて適宜の処理を回転操作装置に実行させうる。例えば、先に有効とされたノブが増速中であるとの判断に基づく処理が続行されうる。あるいは、ノブの回転速度を下げるようにユーザに促す報知処理を回転操作装置に行なわせてもよい。
このような構成によれば、ノブの操作と回転操作装置により遂行される動作との間に生じる差異に起因する違和感の発生を抑制できる。したがって、ノブの回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与えることができる。ノブの回転速度を事前に規制する必要もない。また、制御部によるパルス信号の検出周期を短くする必要もないので、ノイズに起因するパルス信号の信号レベル変化が検出される可能性を抑制できる。この観点からも、ノブの操作と回転操作装置により遂行される動作との間に生じる差異に起因する違和感の発生を抑制できる。
上記の回転操作装置は、以下のように構成されうる。
前記制御部は、
前記信号レベル変化の回数を検出し、
検出されなかった少なくとも2回の前記パルス信号の信号レベル変化が当該パルス幅に対応する期間内に含まれていると判断された場合、当該検出されなかった前記パルス信号の信号レベル変化の回数を推定し、
前記検出されなかった前記パルス信号の信号レベル変化の推定回数を、検出された前記信号レベル変化の回数に加える。
このような構成によれば、制御部によって検出されるノブの回転量と、実際のノブの回転量との間の差異を低減できる。したがって、ノブの操作と回転操作装置により遂行される動作との間に生じる差異に起因する違和感の発生をさらに抑制でき、ノブの回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与えることができる。
本発明によれば、ノブの回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与えることが可能である。
一実施形態に係る回転操作装置の構成を示している。 上記回転操作装置の動作例を示している。 上記回転操作装置の動作フローを示している。 変形例に係る回転操作装置の動作例を示している。
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。
図1の(A)は、一実施形態に係る回転操作装置1の構成を示している。図1の(B)は、図1の(A)における線IB−IBに沿う断面を矢印方向から見た構成を示している。
回転操作装置1は、基板2、ノブ3、および信号出力部4を備えている。ノブ3と信号出力部4は、基板2に支持されている。
ノブ3は、回転軸31を備えている。ノブ3は、回転軸31を中心として回転可能に基板2に支持されている。ノブ3は、周壁32を備えている。周壁32は、円筒形状を有している。周壁32の下部には、複数の遮光壁33と複数のスリット34が形成されている。複数の遮光壁33と複数のスリット34は、周壁32の周方向に沿って交互に配列されている。
信号出力部4は、発光素子41と受光素子42を含んでいる。発光素子41は、電力の供給を受けることにより所定の波長を有する光を出射する素子である。発光素子41の例としては、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、有機EL素子などが挙げられる。受光素子42は、発光素子41から出射される光の波長に感度を有し、受光強度に応じた受光信号を出力する素子である。受光素子42の例としては、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタなどが挙げられる。
発光素子41と受光素子42は、発光素子41の発光面から出射された光が受光素子42の受光面に入射するように配置される。本例においては、発光面と受光面が直接向き合うように発光素子41と受光素子42が配置されている。しかしながら、発光面から受光面に至る光路上に適宜の光学素子(ミラー、プリズム、レンズなど)が配置されることにより、発光素子41と受光素子42の位置関係は、適宜に変更されうる。
ノブ3は、発光素子41から受光素子42に至る光路上に周壁32が位置するように配置されている。すなわち、ノブ3が回転されると、遮光壁33とスリット34が交互に当該光路上を通過する。したがって、発光素子41から出射された光がスリット34を通過して受光素子42に到達する受光状態と、発光素子41から出射された光が遮光壁33によって遮られる遮光状態とが交互に得られる。
図2は、ノブ3が回転することにより受光素子42から出力される受光信号S0の一例を示している。受光信号S0は、受光状態に対応する信号レベルと遮光状態に対応する信号レベルを有している。信号レベルとは、信号の電圧値または電流値を意味する。本例に係る受光信号S0においては、受光状態に対応する信号レベルは、遮光状態に対応する信号レベルよりも高い。以降の説明においては、受光状態に対応する信号レベルを高信号レベルと称し、遮光状態に対応する信号レベルを低信号レベルと称する。
ノブ3が回転されることにより、受光信号S0は、高信号レベルと低信号レベルが交互に現れるパルス信号となる。
図1の(A)に示されるように、回転操作装置1は、制御部5を備えている。制御部5は、信号出力部4と通信可能に接続されている。制御部5は、発光素子41への電力供給を許容して発光動作を行なわせる。他方、図2に示されるように、制御部5は、受光素子42から出力される受光信号を所定の検出周期Tで検出し、検出信号S1を得る。符号t1〜t24は、制御部5による検出が行なわれる時点を示している。
受光信号S0の信号レベルは、制御部5による検出周期Tとは無関係に変化する。例えば、受光信号S0の信号レベルは、時点t1と時点t2の間に低信号レベルから高信号レベルに変化する。その変化の瞬間は、制御部5に認識されない。制御部5によって認識されるのは、受光信号S0が時点t1において低信号レベルであることと、時点t2において高信号レベルであることのみである。次は時点t4と時点t5の間に受光信号S0の信号レベルが高信号レベルから低信号レベルへ変化する。この変化が制御部5によって認識されるのは、時点t5である。
したがって、得られる検出信号S1の波形は、受光信号S0の波形と異なる。しかしながら、ノブ3が回転している間、検出信号S1は、高信号レベルと低信号レベルが交互に現れるパルス信号となる。
ノブ3の回転量が大きくなるほど、受光信号S0の信号レベル変化の回数が増える。したがって、検出信号S1の信号レベル変化の回数も増える。単位角度あたりのスリット34の数は既知であるので、制御部5は、検出信号S1の信号レベル変化の回数に基づいて、ノブ3の回転量を検出できる。
ノブ3の回転速度が上がるほど、受光信号S0のパルス幅は狭くなる。本明細書において、「パルス幅」とは、パルス信号が特定の信号レベルを維持している期間を意味する。ある信号レベル変化が生じた時点から次の信号レベル変化が生じた時点までの期間としても定義されうる。図示された例においては、時点t1と時点t5の間で受光信号S0が高信号レベルを維持している期間に対応するパルス幅W01は、時点t5と時点t7の間で受光信号S0が低信号レベルを維持している期間に対応するパルス幅W02よりも広い。すなわち、時点t1から時点t7までの期間に、ノブ3の回転速度が上がっている。時点t6と時点t9の間で受光信号S0が高信号レベルを維持している期間に対応するパルス幅W03は、パルス幅W02よりも狭い。したがって、時点t6から時点t9までの期間に、ノブ3の回転速度はさらに上がっている。
ノブ3の回転速度が上がるほど、検出信号S1のパルス幅も狭くなる。検出信号S1のパルス幅W1は、受光信号S0のパルス幅W01に対応している。検出信号S1のパルス幅W2は、受光信号S0のパルス幅W02に対応している。パルス幅W2は、パルス幅W1よりも狭い。したがって、制御部5は、検出信号S1のパルス幅に基づいて、ノブ3の回転速度を検出できる。
制御部5は、検出されたノブ3の回転量と回転速度の少なくとも一方に基づいて、対応する動作を回転操作装置1に行なわせる。例えば、回転操作装置1は、車両に搭載されるオーディオ機器の操作装置の一部を構成しうる。この場合、回転操作装置1は、ノブ3の操作に応じた動作をオーディオ機器に実行させる。
他方、検出周期Tとの関係により、受光信号S0のパルス幅と検出信号S1のパルス幅の大小関係が必ずしも一致するとは限らない。例えば、検出信号S1のパルス幅W3は、受光信号S0のパルス幅W03に対応している。前述のようにパルス幅W03はパルス幅W02よりも狭いが、パルス幅W2とパルス幅W3は等しい。
ノブ3の回転速度がさらに上がると、検出周期Tの間に受光信号S0の信号レベルが2回以上変化する場合がある。図示された例においては、時点t11と時点t12の間で受光信号S0の信号レベルが2回変化している。
このような場合においては、受光信号S0のパルス幅の経時変化が検出信号S1のパルス幅の経時変化に反映されない事態が生じる。図示された例においては、時点t9から時点t14までの期間に受光信号S0のパルス幅が一旦狭くなるので、ノブ3の回転速度が一旦上がったことが判る。しかしながら、この期間に得られた検出信号S1のパルス幅W4とパルス幅W5を比較すると、後で得られたパルス幅W5の方が広い。したがって、制御部5は、ノブ3の回転速度が下がったと認識してしまう。
ノブ3の回転速度を正確に認識するため、制御部5は、取得した検出信号S1のパルス幅に対応する期間内に受光信号S0の信号レベルが少なくとも2回変化していることを検出するように構成されている。制御部5によって行なわれる具体的な処理について、図2と図3を参照しつつ説明する。
制御部5は、まず検出信号S1のパルス幅を検出する(STEP1)。パルス幅の検出は、検出周期Tごとに検出される受光信号S0の信号レベルが変化した場合に行なわれる。したがって、検出信号S1のパルス幅に対応する時間は、検出周期Tの倍数となる。図2に示される例においては、まず時点t5においてパルス幅W1が取得され、次に時点t7においてパルス幅W2が取得されている。
次に制御部5は、今回検出された検出信号S1のパルス幅の前回検出された検出信号S1のパルス幅に対する比を取得する(STEP2)。図示を省略するが、比較対象となるパルス幅が存在しない場合、処理はSTEP1に戻る。すなわち、時点t5の時点で取得されているのはパルス幅W1のみであるため、パルス幅W2の取得が行なわれる。パルス幅W2が取得されると、パルス幅W1に対する比(W2/W1)が取得される。
次に制御部5は、上記のように取得された比の値が所定の閾値α未満であるかを判断する(STEP3)。比の値が閾値α未満である場合(STEP3においてYES)、制御部5は、ノブ3の回転速度が増していると判断する(STEP4)。原理的には、αを1とすることにより増速と判断できる。しかしながら、後述するように受光信号S0のパルス幅が狭まっても信号パルスS1のパルス幅が変化しない場合があるので、比の値が1のときにもα未満となるように閾値が設定されることが好ましい。
この場合、制御部5は、STEP1からSTEP3の処理を繰り返す。すなわち、図2に示されるパルス幅W3が検出され、比(W3/W2)の値が閾値αと比較される。前述のようにパルス幅W3は、パルス幅W2と等しい。よって、比の値は閾値α未満と判断され、ノブ3が増速中であるとの判断が維持される。パルス幅W4とパルス幅W3の場合についても同様である。
前述した理由により、時点t9から時点t14までの期間においては、受光信号S0のパルス幅が一旦狭まったにも関わらず、検出信号S1のパルス幅W5は、先に取得されたパルス幅W4よりも広い。したがって、STEP2において取得される比(W5/W4)の値は、閾値α未満とならない(STEP3においてNO)。
この場合、制御部5は、取得された比の値が閾値β以上であるかを判断する(STEP5)。閾値βは閾値α以上の適宜の値として設定される。閾値βは、第一閾値の一例である。ここでは、比(W5/W4)の値が閾値β以上であったとする(STEP5においてYES)。
この場合、制御部5は、先になされたノブ3が増速中であるとの判断が有効であるかを判断する(STEP6)。本例においては、パルス幅W4が検出された際に増速中であるとの判断が維持されている(STEP6においてYES)。
この場合、制御部5は、取得された比の値が閾値γ以上であるかを判断する(STEP7)。閾値γは閾値βよりも大きな値として設定される。より具体的には、閾値γは、ノブ3が減速あるいは停止していることが明らかな場合(すなわち、今回検出されたパルス幅が前回検出されたパルス幅よりも十分大きい場合)に得られる比の値として設定される。閾値γは、第二閾値の一例である。ここでは、比(W5/W4)の値は、閾値γ未満であったとする(STEP7においてNO)。
この場合、制御部5は、時点t9から時点t14までの期間に起こった受光信号S0の信号レベル変化が正確に検出されていない(検出エラー)と判断する(STEP8)。具体的には、制御部5は、今回検出されたパルス幅W5に対応する期間内に、検出されなかった少なくとも2回の受光信号S0の信号レベル変化が含まれていると判断する。すなわち、制御部5は、ノブ3の回転速度が増していると判断された後に取得された検出信号S1のパルス幅が閾値β以上かつ閾値γ未満であると判断された場合、当該パルス幅に対応する期間内に検出されなかった少なくとも2回の受光信号S0の信号レベルが含まれていると判断する。
制御部5は、この判断に基づいて適宜の処理を回転操作装置1に実行させうる。例えば、先に有効とされたノブ3が増速中であるとの判断に基づく処理が続行されうる。あるいは、ノブ3の回転速度を下げるようにユーザに促す報知処理を回転操作装置1に行なわせてもよい。
このような構成によれば、ノブ3の操作と回転操作装置1により遂行される動作との間に生じる差異に起因する違和感の発生を抑制できる。したがって、ノブ3の回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与えることができる。ノブ3の回転速度を事前に規制する必要もない。また、制御部5による受光信号S0の検出周期を短くする必要もないので、ノイズに起因する受光信号S0の信号レベル変化が検出される可能性を抑制できる。この観点からも、ノブ3の操作と回転操作装置1により遂行される動作との間に生じる差異に起因する違和感の発生を抑制できる。
検出エラーの判断後、処理はSTEP1に戻る。時点t15において取得されたパルス幅W6と前回のパルス幅W5の比の値は閾値α未満であるため、ノブ3は増速中であると判断される(STEP4)。図2に示される例においては、この時点で受光信号S0のパルス幅が広くなっている。すなわち、ノブ3は減速を開始している。
処理は再度STEP1に戻り、時点t17においてパルス幅W7が検出される。続いて、当該パルス幅W7と前回検出されたパルス幅W6の比(W7/W6)の値が取得され(STEP2)、閾値αとの比較がなされる(STEP3)。ここでは、比(W7/W6)の値は、閾値γ以上(すなわち、閾値α以上かつ閾値β以上)であるとする。比(W7/W6)の値は閾値α未満ではないので(STEP3においてNO)、比(W7/W6)の値と閾値βとの比較がなされる(STEP5)。
比(W7/W6)の値は閾値β以上であるので(STEP5においてYES)、制御部5は、ノブ3が増速中であるとの判断が有効であるかの確認に移行する(STEP6)。本例の場合、パルス幅W6の検出時にノブ3が増速中であると判断されているので(STEP6においてYES)、比(W7/W6)の値と閾値γとの比較がなされる(STEP7)。比(W7/W6)の値は閾値γ以上であるので(STEP7においてYES)、ノブ3が増速中であるとの判断が解除される(STEP9)。
処理は再度STEP1に戻り、時点t20においてパルス幅W8が検出される。続いて、当該パルス幅W8と前回検出されたパルス幅W7の比(W8/W7)の値が取得され(STEP2)、閾値αとの比較がなされる(STEP3)。ここでは、比(W8/W7)の値は、閾値α以上、閾値β以上、かつ閾値γ未満であるとする。比(W8/W7)の値は閾値α未満ではないので(STEP3においてNO)、比(W8/W7)の値と閾値βとの比較がなされる(STEP5)。
比(W8/W7)の値は閾値β以上であるので(STEP5においてYES)、制御部5は、ノブ3が増速中であるとの判断が有効であるかの確認に移行する(STEP6)。本例の場合、パルス幅W7の検出時にノブ3が増速中であるとの判断が解除されているので(STEP6においてNO)、処理はSTEP1に戻る。
続いて時点t24においてパルス幅W9が検出される。続いて、当該パルス幅W9と前回検出されたパルス幅W8の比(W9/W8)の値が取得され(STEP2)、閾値αとの比較がなされる(STEP3)。ここでは、比(W9/W8)の値は、閾値α以上かつ閾値β未満であるとする。比(W9/W8)の値は閾値α未満ではないので(STEP3においてNO)、比(W9/W8)の値と閾値βとの比較がなされる(STEP5)。比(W9/W8)の値は閾値β以上ではないので(STEP5においてNO)、処理はSTEP1に戻る。
前述のように、制御部5は、検出信号S1の信号レベル変化の回数をカウントすることによって受光信号S0の信号レベル変化の回数を検出している。しかしながら、図3のSTEP8において検出エラーが生じたと判断された場合、受光信号S0において実際に起こった信号レベル変化の回数と、検出信号S1を通じて検出された信号レベル変化の回数との間に差異が生じる。この場合、図3に破線で示されるように、制御部5は、回数補完処理を実行しうる(STEP10)。
前述のように、検出エラーとは、今回検出された検出信号S1のパルス幅に対応する期間内に、検出されなかった少なくとも2回の受光信号S0の信号レベル変化が含まれていることを意味する。図2に示される例においては、パルス幅W5に対応する期間内に、検出されなかった2回の受光信号S0の信号レベル変化(時点t11と時点t12の間に生じた2回の信号レベル変化)が含まれている。
回数補完処理において、制御部5は、当該検出されなかった少なくとも2回の受光信号S0の信号レベル変化の回数を推定する。具体的には、制御部5は、検出エラーが判断された際に使用されたパルス幅の比(すなわち、今回検出されたパルス幅の前回検出されたパルス幅に対する比)の値を繰り上げた整数値を取得する演算を行なう。この整数値が、検出されなかった受光信号S0の信号レベル変化の推定回数とされる。
図2に示される例においては、検出エラーが判断された際に使用されたパルス幅の比の値は、W5/W4=1.5である。よって、制御部5は、検出されなかった受光信号S0の信号レベル変化の推定回数として「2」を取得する。
続いて制御部5は、検出された受光信号S0の信号レベル変化の回数に、上記のようにして得られた推定回数を加える。図2に示される例においては、時点t1から時点t14までの間に、検出信号S1の信号レベル変化は6回発生している。他方、同期間内に受光信号S0の信号レベル変化は、8回発生している。回数補完処理によって、時点t14までにカウントされた検出信号S1の信号レベル変化の回数「6」に推定回数「2」が加えられ、実際に生じた受光信号S0の信号レベル変化が得られていることが判る。回数補完処理が完了すると、処理は再びSTEP1に戻る。
このような構成によれば、制御部5によって検出されるノブ3の回転量と、実際のノブ3の回転量との間の差異を低減できる。したがって、ノブ3の操作と回転操作装置1により遂行される動作との間に生じる差異に起因する違和感の発生をさらに抑制でき、ノブ3の回転速度に依らず快適な操作感をユーザに与えることができる。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
制御部5は、様々な態様で提供されうる。例えば、制御部5は、基板2上に搭載されたマイクロコンピュータでありうる。マイクロコンピュータは、プロセッサとメモリを含んでいる。プロセッサの例としては、CPUやMPUが挙げられる。メモリの例としては、ROMやRAMが挙げられる。ROMには、上記の処理を実行するプログラムが記憶されうる。プロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上記の処理を実行しうる。
上述した制御部5の機能の少なくとも一部は、上記のプロセッサおよびメモリとは異なる少なくとも一つのハードウェア資源(例えば、ASICやFPGAなどの集積回路)によって実現されてもよい。
上述した制御部5の機能の少なくとも一部は、上記のプロセッサおよびメモリとは異なるプロセッサとメモリによって実行されるソフトウェアの一機能として実現されてもよい。回転操作装置1が車両に搭載されるオーディオ機器の操作装置の一部を構成する前述の例においては、制御部5の機能の少なくとも一部は、当該オーディオ機器が備えているプロセッサとメモリ、あるいは当該車両に搭載された電子制御ユニット(ECU)が備えているプロセッサとメモリによって実現されてもよい。
上記の実施形態においては、信号出力部4は、一組の発光素子41と受光素子42を含んでいる。しかしながら、信号出力部4は、ノブ3の回転方向に沿って配列された二組の発光素子41と受光素子42を含みうる。この場合、前述したノブ3の回転量と回転速度に加え、ノブ3の回転方向を検出できる。
図4は、このような構成により得られる受光信号の例を示している。第一の組の発光素子と受光素子により得られる受光信号S01と第二の組の発光素子と受光素子により得られる受光信号S02が示されている。第一の組の発光素子と受光素子は、ノブ3が時計回り方向に回転される場合の上流側に配置される。第二の組の発光素子と受光素子は、ノブ3が時計回り方向に回転される場合の下流側に配置される。
この配置においてノブ3が時計回り方向に回転されると、遮光壁33とスリット34が通過することによる信号レベル変化は、受光信号S01において先に生じ、続いて受光信号S02において生じる。ノブ3が反時計回り方向に回転されると、当該信号レベル変化は、受光信号S02において先に生じ、続いて受光信号S01において生じる。したがって、いずれの受光信号において先に信号レベル変化が生じたかを検出することにより、ノブ3の回転方向を検出できる。
上記の実施形態においては、ノブ3の回転は光学的に検出されている。しかしながら、ノブ3の回転に伴ってパルス状の信号が出力されるのであれば、ノブ3の回転は、機械的あるいは磁気的に検出されてもよい。
1:回転操作装置、3:ノブ、4:信号出力部、5:制御部、S0:受光信号、S1:検出信号、T:検出周期

Claims (2)

  1. 回転可能であるノブと、
    前記ノブの回転に応じて信号レベルが変化するパルス信号を出力する信号出力部と、
    所定の周期で前記パルス信号の信号レベルを検出し、検出信号を取得する制御部と、
    を備えており、
    前記制御部は、
    前記検出信号のパルス幅を検出し、
    前記パルス幅の経時変化に基づいて前記ノブの回転速度が増しているかを判断し、
    前記ノブの回転速度が増していると判断された後に取得された前記検出信号のパルス幅が第一閾値以上かつ第二閾値未満であると判断された場合、検出されなかった少なくとも2回の前記パルス信号の信号レベル変化が当該パルス幅に対応する期間内に含まれていると判断する、
    回転操作装置。
  2. 前記制御部は、
    前記信号レベル変化の回数を検出し、
    検出されなかった少なくとも2回の前記パルス信号の信号レベル変化が当該パルス幅に対応する期間内に含まれていると判断された場合、当該検出されなかった前記パルス信号の信号レベル変化の回数を推定し、
    前記検出されなかった前記パルス信号の信号レベル変化の推定回数を、検出された前記信号レベル変化の回数に加える、
    請求項1に記載の回転操作装置。
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