JP2019085295A - セメントクリンカー製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この製造方法では、大量のセメントクリンカーを安定して製造することができるが、高い温度を必要とするため、多くの化石燃料が必要であり、多くの温室効果ガス(CO2)を排出し、さらにNOxやSOx等を含む排気ガスの処理設備も必要になる。
この点、特許文献1や非特許文献1記載のプラズマの熱を利用して気中で焼成すれば、燃料由来の排ガスを抑制できると考えられるが、ロータリーキルンで用いられているセメントクリンカー原料をそのまま加熱してもセメントクリンカーを生成することはできない。
また、造粒工程で得られる造粒粉体の平均粒径が20μm未満であると、その後の気中焼成工程で高温雰囲気からはじかれ易いため、加熱しにくく、80μmを超えると気中で十分な反応を行わせることが難しい。
この場合、粉砕工程ではスラリー中の固形分比が40質量%以上60質量%以下となるように水を混合するとよい。また、分散剤を粉砕粉末の質量に対して0.1質量%以上1.0質量%以下の比率で添加するとよい。
造粒工程では、前記スラリーに結合剤を粉砕粉末の質量に対して0.5質量%以上7質量%以下の比率で添加するとよい。
また、造粒工程では、結合剤の添加は、造粒粉体が搬送中に解砕されてしまうことを防止する効果があるが、0.5質量%未満ではその効果に乏しく、7質量%を超えると短時間で焼成する場合に、焼成後に残るおそれがある。
セメントクリンカー原料としては、図1のSiO2、CaO、Al2O3の酸化物基準の三成分系状態図において太い黒枠で囲った範囲内の組成に調合したものが用いられる。後述の表1に示す組成は一例である。
符号15はミキサー、符号16はポンプを示しており、粉砕室11で粉砕された粉砕粉末は所定の粒径となるまでミキサーを経由して循環される。
造粒粉体供給系34では空気をキャリアガスとして造粒粉体dが搬送され、噴出管35によって炉31内に噴出される。噴出管35は冷却水によって冷却される。また、各電極32も、アルゴンガスによりシールドされるとともに、冷却水によって冷却される。
なお、炉31には、内部の排ガスを排出する排ガス系36が接続される。
セメントクリンカー原料は前述したように図1の三成分系状態図の太い黒枠で囲った範囲内から適宜の組成(例えば後述の表1に示す組成)に調合される。
調合されたセメントクリンカー原料に水を混合して粉砕装置10で粉砕し、粉砕粉末を含有するスラリーを生成する。水は、スラリー中の固形分比が40質量%以上60質量%以下となるように混合する。また、分散剤として例えばポリカルボン酸型高分子界面活性剤を粉砕粉末の質量に対して0.1質量%以上1.0質量%以下の範囲で添加し、粉砕粉末の局部的な凝集が生じないようにしておく。
スラリーは、後工程の造粒工程でスプレードライ法によって造粒されるので、その固形分比が40質量%未満では、スプレードライ法による造粒が難しくなり、60質量%を超えると造粒粉体を所望の大きさとすることが難しくなる。また、分散剤は、粉砕粉末の質量に対して0.1質量%未満では凝集防止効果に乏しく、粉砕粉末の質量に対して1.0質量%を超えても効果は飽和する。この分散剤の添加は好ましくは粉砕粉末の質量に対して0.3質量%以上0.7質量%以下である。
セメントクリンカー原料は平均粒径が 10μm 以下になるまで粉砕される。平均粒径が10μmを超えていると、その後の造粒工程で造粒しにくいとともに、得られる造粒粉体の組成がばらつき易い。
なお、分散剤としては、前述したポリカルボン酸型高分子界面活性剤以外にも、ポリカルボン酸系であれば、ポリカルボン酸高分子、ポリカルボン酸高分子化合物と架橋高分子等を使用することができ、ポリカルボン酸系以外にも、メラミン系(メラミンスルホン酸と変性リグニン、変性メチロースメラミン縮合物と水溶性特殊高分子等)、ナフタリンスルフォン酸系等を使用することができる。
粉砕工程で得られたスラリーを造粒装置20のタンク21に貯留し、アトマイザー22から乾燥容器23内に噴霧することにより造粒粉体dを生成する。
造粒粉体dは気中加熱装置30まで空気をキャリアガスとして搬送されるため、搬送時に破損したり、微粉化したりしないように、造粒の際に結合剤を添加して機械的強度を高めておく。結合剤としては、例えば固形パラフィンを粉砕粉末の質量に対して2質量%以上7質量%以下の範囲で添加する。結合剤の好ましい添加量は粉砕粉末の質量に対して3質量%以上5質量%以下である。
結合剤としては、固形パラフィン以外にも、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、クアガム誘導体、デンプン、デキストリンなどを使用することができる。
また、造粒粉体dの平均粒径は20μm以上80μm以下とする。平均粒径が20μm未満であると、その後の気中焼成工程でプラズマ雰囲気からはじかれ易いため、加熱されにくく、80μmを超えるとプラズマ雰囲気を通過する短時間のうちに十分な反応を行わせることが難しい。この造粒粉体dは球形に近く、流動性に優れており、気中搬送に好適である。
気中焼成装置30のアーク炉31内でプラズマPを発生させておき、造粒粉体を空気をキャリアガスとして搬送して、アーク炉31内のプラズマPによって形成した高温雰囲気中に投入し、その熱によって造粒粉体dを焼成し、セメントクリンカーCとする。
このとき、実施形態では、造粒粉体dはアーク炉31の上方から噴出管35によってプラズマ雰囲気中に投入されるが、造粒粉体dがプラズマPによって飛散せずにプラズマ雰囲気中を通過するように、キャリアガスとしての空気の圧力を高めて造粒粉体を自由落下以上の速度で投入する。
焼成された造粒粉体は球状のセメントクリンカーCとなりアーク炉31の底部に堆積する。また、この造粒粉体の焼成により発生するCO2ガスが排ガス系36より排気される。
このセメントクリンカー原料を、図2に示す湿式ビーズミルの粉砕装置10を用いて、平均粒径が10μm以下になるまで粉砕した。このときのスラリー作製条件は表2に示す通りとした。
図7は試験番号1、図8は試験番号2、図9は試験番号3、図10は試験番号4の試験前後の造粒粉体の状態を示す。わずかに微粉化したものもあるが、粒径が1μm以下の微粒分は0.1%以下であり、実用上問題ない程度であった。特に、試験番号3が最も優れた結果であった。
図12は、得られたセメントクリンカーのSEM画像であり、球状のセメントクリンカーを生成できた。
11 粉砕室
12 ロータ
13 撹拌ディスク
14 スクリーン
15 ミキサー
16 ポンプ
20 造粒装置
21 タンク
22 アトマイザー
23 乾燥容器
24 サイクロン
25 ポンプ
26 ヒータ
27 吸気フィルタ
28 HEPAフィルタ
29 排風機
30 気中焼成装置
31 炉
32 電極
33 交流電源
34 造粒粉体供給系
35 噴出管
36 排ガス系
B ビーズ
C セメントクリンカー
d 造粒粉体
P プラズマ
Claims (8)
- 調合されたセメントクリンカー原料を粉砕する粉砕工程と、粉砕工程により得られた粉砕粉末を固めて造粒する造粒工程と、造粒工程により得られた造粒粉体を気中で加熱して焼成する気中焼成工程とを有することを特徴とするセメントクリンカー製造方法。
- 前記粉砕粉末の平均粒径を10μm以下とし、前記造粒粉体の平均粒径を20μm以上80μm以下とすることを特徴とする請求項1記載のセメントクリンカー製造方法。
- 前記粉砕工程は、前記セメントクリンカー原料に水を混合して粉砕することにより粉砕粉末を含有するスラリーを生成し、前記造粒工程では、前記スラリーをスプレードライ法によって造粒することを特徴とする請求項1又は2記載のセメントクリンカー製造方法。
- 前記粉砕工程において、前記スラリー中の固形分比が40質量%以上60質量%以下となるように水を混合することを特徴とする請求項3記載のセメントクリンカー製造方法。
- 前記粉砕工程において、前記セメントクリンカー原料と水を混合する際に、分散剤を粉砕粉末の質量に対して0.1質量%以上1.0質量%以下の比率で添加することを特徴とする請求項3又は4記載のセメントクリンカー製造方法。
- 造粒工程では、前記スラリーに結合剤を粉砕粉末の質量に対して0.5質量%以上7質量%以下の比率で添加することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項記載のセメントクリンカー製造方法。
- 前記気中焼成工程は、プラズマによって形成した高温雰囲気中に前記造粒粉体を投入して焼成することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載のセメントクリンカー製造方法。
- 調合されたセメントクリンカー原料を粉砕する粉砕装置と、粉砕装置により得られた粉砕粉末を固めて造粒する造粒装置と、造粒装置により得られた造粒粉体を気中で加熱して焼成する気中焼成装置とを備えることを特徴とするセメントクリンカー製造装置。
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