JP2019085127A - 包装材用シーラントフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性を有する包装材用シーラントフィルムを提供する。【解決手段】包装材用シーラントフィルムは、ポリオレフィンを含有する母材からなる層にシランカップリング剤で表面処理された無機フィラーが分散した無機フィラー分散層のみで構成される単層フィルム、又は、無機フィラー分散層12と無機フィラー分散層12とは別の層11とが積層された積層フィルムである。そして、無機フィラー分散層12中の無機フィラー13の含有率は20質量%以上40質量%以下である。【選択図】図1
Description
本発明は包装材用シーラントフィルムに関する。
食品等を包装する包装材に用いられるシーラントフィルムとしては、包装材を製造する際に積層される基材との密着性が良好且つ安価で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のヒートシール性が良好な樹脂で形成されたフィルムが一般的に使用されている。包装材として求められる特性としては、被包装物の充填時の充填適性、包装材に衝撃等の外力が加わった際の破損の生じにくさ、包装材を開封する際の開封性等があり、さらに製造時の良好な生産性も求められる。
包装材の上記特性については古くから研究が行われているが、ポリエチレン等の結晶性高分子においては、開封性を示す引き裂き性、包装材のコシ感を与える剛性に関しては、密度の高い樹脂を用いて結晶化度を上げることによって向上する傾向がある。しかしながら、耐衝撃性やヒートシール性に関しては、密度の高い樹脂を用いて結晶化度を上げることによって柔軟性が低下するため、性能が低下してしまうトレードオフの関係にある。
例えば特許文献1では、シール層側に低密度のポリエチレンを用いることによって耐衝撃性とヒートシール性を付与し、ラミネート層側に密度の高いポリエチレンを用いることによって剛性や引き裂き性を付与していて、これによりトレードオフとなる特性を両立させている。
例えば特許文献1では、シール層側に低密度のポリエチレンを用いることによって耐衝撃性とヒートシール性を付与し、ラミネート層側に密度の高いポリエチレンを用いることによって剛性や引き裂き性を付与していて、これによりトレードオフとなる特性を両立させている。
しかしながら、特許文献1に開示の技術は積層フィルムであり、上記の特性、すなわち、剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性を単層フィルムで得ることは困難である。
また、特許文献1に開示の積層フィルムは、溶融粘度が異なる異種の樹脂を押出成形により積層して製造するため、積層時の各層の層厚によっては、各層の厚さが不均一となり層比率が不安定になるため、層厚の設定範囲が限定される。
本発明は、優れた剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性を有する包装材用シーラントフィルムを提供することを課題とする。
また、特許文献1に開示の積層フィルムは、溶融粘度が異なる異種の樹脂を押出成形により積層して製造するため、積層時の各層の層厚によっては、各層の厚さが不均一となり層比率が不安定になるため、層厚の設定範囲が限定される。
本発明は、優れた剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性を有する包装材用シーラントフィルムを提供することを課題とする。
本発明の一態様に係る包装材用シーラントフィルムは、ポリオレフィンを含有する母材からなる層にシランカップリング剤で表面処理された無機フィラーが分散した無機フィラー分散層のみで構成される単層フィルム、又は、無機フィラー分散層と無機フィラー分散層とは別の層とが積層された積層フィルムであって、無機フィラー分散層中の無機フィラーの含有率が20質量%以上40質量%以下であることを要旨とする。
本発明に係る包装材用シーラントフィルムは、優れた剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性を有する。
本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、図1に示すように積層フィルムであり、ポリオレフィンを含有する母材からなる層にシランカップリング剤で表面処理された無機フィラー13が分散した無機フィラー分散層12と、無機フィラー分散層12とは別の層11とが積層されたものである。内層側に配された別の層11がベース層をなし、最外層に配された無機フィラー分散層12がヒートシール層をなす(以下、「別の層11」を「ベース層11」、「無機フィラー分散層12」を「ヒートシール層12」と記すこともある)。
無機フィラー分散層12とは別の層11の数は、1層に限定されるものではなく、2層以上としてもよい。すなわち、本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、図1のような2層構造の積層フィルムでもよいし、3層構造以上の積層フィルムでもよい。
また、無機フィラー13は、無機フィラー分散層12のみに含有されていてもよいが、別の層11にもさらに含有されていても差し支えない。別の層11が複数ある場合には、そのうちの少なくとも1層に無機フィラー13が含有されていてもよい。
また、無機フィラー13は、無機フィラー分散層12のみに含有されていてもよいが、別の層11にもさらに含有されていても差し支えない。別の層11が複数ある場合には、そのうちの少なくとも1層に無機フィラー13が含有されていてもよい。
あるいは、本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、図2に示すように単層フィルムであってもよい。すなわち、本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、ポリオレフィンを含有する母材からなる層にシランカップリング剤で表面処理された無機フィラー22が分散した無機フィラー分散層21のみで構成されるものであってもよい。無機フィラー分散層21がヒートシール層をなす(以下、「無機フィラー分散層21」を「ヒートシール層21」と記すこともある)。
本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、積層フィルム、単層フィルムいずれの形態であっても、無機フィラー分散層12、21中の無機フィラー13、22の含有率は、20質量%以上40質量%以下である。
このような構成の本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、トレードオフとなる特性である剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性が全て優れている。
詳述すると、無機フィラー分散層12、21をヒートシール層として有することにより、ヒートシール層の剛性が優れている。
このような構成の本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、トレードオフとなる特性である剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性が全て優れている。
詳述すると、無機フィラー分散層12、21をヒートシール層として有することにより、ヒートシール層の剛性が優れている。
また、無機フィラー13、22がシランカップリング剤で表面処理されているので、ポレオレフィンを含有する母材中に無機フィラー13、22が凝集体を作らず均一に分散される。そのため、衝撃に対して欠点となる応力集中部が生成しにくいので、無機フィラー分散層12、21の柔軟性が母材に対して大きく低下することがなく、柔軟性の低下率が小さい。よって、無機フィラー13、22の添加による耐衝撃性の低下が最小限に抑制されるので、本実施形態の包装材用シーラントフィルムは耐衝撃性が優れている。
さらに、無機フィラー分散層12、21中の無機フィラー13、22の含有率が20質量%以上40質量%以下に抑えられているため、ヒートシール層の表面部分の融解特性を維持することができる。そのため、無機フィラー13、22の存在によるヒートシール性の低下を最小限に抑えることが可能となる。よって、本実施形態の包装材用シーラントフィルムはヒートシール性が優れている。
本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、積層フィルム、単層フィルムいずれの形態であっても、押出成形機により製膜して製造することができる。
ベース層11、ヒートシール層12、21の母材としては、300℃を超える温度まで加温可能な押出成形機により製膜されることから、熱可塑性樹脂を使用することが可能である。包装材用シーラントフィルムが一般的な包装材として使用されるためには、適度な柔軟性を有し且つ加工性が良い必要がある。このことから、母材はポリオレフィンを含有する必要がある。
ベース層11、ヒートシール層12、21の母材としては、300℃を超える温度まで加温可能な押出成形機により製膜されることから、熱可塑性樹脂を使用することが可能である。包装材用シーラントフィルムが一般的な包装材として使用されるためには、適度な柔軟性を有し且つ加工性が良い必要がある。このことから、母材はポリオレフィンを含有する必要がある。
ポリオレフィンの種類は特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)があげられる。
また、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマー等を持つポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマーも、ポリオレフィンの例としてあげることができる。
また、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックランダムコポリマー等を持つポリプロピレン及びシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンとオレフィンを共重合したシクロオレフィンコポリマーも、ポリオレフィンの例としてあげることができる。
さらに、オレフィンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン酢酸ビニルコポリマーや、オレフィンの側鎖を変性して得られるエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等も、ポリオレフィンの例としてあげることができる。
ベース層11、ヒートシール層12、21は、包装材用シーラントフィルムの要求特性である被包装物の充填時の充填適性、包装材に外力が加わった際の破損の生じにくさ、包装材を開封する際の開封性等を満たす必要がある。具体的には、包装材用シーラントフィルム単体で使用される際、又は、ポリエチレンテレフタレートのフィルムや6ナイロン、66ナイロン等のポリアミドのフィルムと適宜積層して使用される際には、例えば袋状に加工して包装体を製造するために適当な融点及び融解熱量を有することが必要となる。前述の要求特性から、ポリオレフィンとして、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンとエチレンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)や、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー等を持つポリプロピレン系の樹脂を使用することが好ましい。
これらのポリオレフィンは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、母材はポリオレフィンのみで構成されていてもよいが、本発明の目的が損なわれない範囲内の量であれば、上記のポリオレフィンにポリオレフィン以外の種類の樹脂を配合して母材としても差し支えない。
次に無機フィラー13、22について説明する。無機フィラーとしては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、グラスファイバー、カーボンファイバー、アラミド繊維、石膏繊維、ゾノトライト、チタン酸カリウム、ウォラストナイト等を適宜使用することが可能である。
次に無機フィラー13、22について説明する。無機フィラーとしては、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、グラスファイバー、カーボンファイバー、アラミド繊維、石膏繊維、ゾノトライト、チタン酸カリウム、ウォラストナイト等を適宜使用することが可能である。
上記の無機フィラーのうち針状、繊維状のものは、アスペクト比が大きく、配向性が高く、包装材用シーラントフィルムに異方性が生じる傾向にある。その結果、低アスペクト比の無機フィラーと比較すると、衝撃に対して応力集中が発生し易いため、包装材用シーラントフィルムに柔軟性の低下が起こりやすい。そのため、異方性の小さい球状、真球状、無定形、板状の無機フィラーを用いることが好ましい。無機フィラーの粒径は特に限定されるものではないが、10μm以下のミクロフィラー、又はナノフィラーを用いることが好ましい。
なお、極性基を持たないポリオレフィンへ無機フィラーを添加する場合は、ポリオレフィンと無機フィラーとを相溶化させることが難しい。そのため、未処理の無機フィラーをポリオレフィンに混合した場合には、無機フィラー間の凝集により欠陥が生じ、剛性及び耐衝撃性が低下する原因となる。よって、凝集を生じさせず、剛性及び耐衝撃性を備えるために、シランカップリング剤で表面処理された無機フィラーを用いる必要がある。
シランカップリング剤の種類は特に限定されるものではないが、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン等を使用することが可能である。
シランカップリング剤を用いた無機フィラーの表面処理においては、無機フィラー100質量部に対して、シランカップリング剤0.5質量部以上10質量部以下を用いてもよい。シランカップリング剤の使用量が0.5質量部未満であると、無機フィラーを母材に混合した際に無機フィラーが凝集したり、母材と無機フィラーとの密着性が低下したりして欠陥となるため、荷重に対する応力集中点が生じて剛性及び柔軟性が低下するおそれがある。
一方、シランカップリング剤の使用量が10質量部超過であると、ヒートシール層の表面にも無機フィラーが存在することとなる。その結果、表面処理された無機フィラーがヒートシール層表面の静摩擦係数を著しく低下させることで包装材用シーラントフィルムの摩擦が無くなるため、加工性が低下する。
シランカップリング剤による無機フィラーの表面処理の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、公知の方法である乾式法又はスラリー法を使用して行うことができる。
シランカップリング剤による無機フィラーの表面処理の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、公知の方法である乾式法又はスラリー法を使用して行うことができる。
本実施形態の包装材用シーラントフィルムにおいては、無機フィラー分散層12、21の引張破壊ひずみは母材の引張破壊ひずみに比べて低く、その低下率は30%以下であることが好ましい。すなわち、無機フィラーの添加により引張破壊ひずみは低下するため、無機フィラー分散層12、21の引張破壊ひずみは、無機フィラーを添加していない母材のみの引張破壊ひずみよりも低いが、その低下率は30%以下であることが好ましい。低下率が30%以下であれば、包装材用シーラントフィルムの耐衝撃性が優れている。
本実施形態の包装材用シーラントフィルムを製造する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。例えば、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いる溶融混練方法や、各成分を溶解、又は分散混合後に溶剤を加熱除去する方法等を使用することができる。作業性を考慮した場合は、単軸スクリュー押出機又は2軸スクリュー押出機を使用する方法が好ましい。
単軸スクリュー押出機のスクリュー形状は特に限定されるものではなく、フルフライトスクリュー、ミキシングエレメントを持つスクリュー、バリアフライトスクリュー、フルーテッドスクリュー等を使用することが可能である。2軸スクリュー押出機のタイプは特に限定されるものではなく、同方向回転2軸スクリュー押出機、異方向回転2軸スクリュー押出機のいずれも使用することが可能である。また、2軸スクリュー押出機のスクリュー形状も特に限定されるものではなく、フルフライトスクリュー、ニーディングディスクタイプ等を使用することが可能である。上記方法を用いて、シランカップリング剤で処理した無機フィラーと母材樹脂とを溶融混練して包装材用シーラントフィルムを得ることができる。
ベース層11とヒートシール層12を積層した多層の積層フィルムを作製する場合についても、その製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を使用することができる。例えば、それぞれ製膜したベース層11とヒートシール層12にそれぞれの融点以上の熱を加えて加圧することによりラミネートする手法や、ベース層11とヒートシール層12をそれぞれ異なる押出機で加熱、溶融した状態で積層して包装材用シーラントフィルムを得る方法などを使用することができる。
作業性を考慮した場合は、ベース層11とヒートシール層12を溶融状態で積層して包装材用シーラントフィルムを得る共押出機を用いる積層方法が好ましい。共押出法としては、各層となる熱可塑性樹脂を押出機で溶融した後にフィードブロックで溶融樹脂を積層してTダイから積層フィルムを得るフィードブロック法や、各層となる熱可塑性樹脂を押出機で溶融してマニホールドを通した後に、積層してTダイから積層フィルムを得るマルチマニホールド法や、多層インフレーション成型法を用いることが可能である。
本実施形態の包装材用シーラントフィルムは、包装材用シーラントフィルム単体で使用してもよいし、あるいは、他のフィルムと適宜積層して使用してもよい。他のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートのフィルムや、6ナイロン、66ナイロン等のポリアミドのフィルム等があげられる。
[実施例]
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。包装材用シーラントフィルムの剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性は、無機フィラー分散層のみで構成される単層フィルムで評価することができる。そのため、本実施例及び比較例においては、単層フィルムで評価を実施した。
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。包装材用シーラントフィルムの剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性は、無機フィラー分散層のみで構成される単層フィルムで評価することができる。そのため、本実施例及び比較例においては、単層フィルムで評価を実施した。
(実施例1)
シランカップリング剤による無機フィラー(IMI−FABI社製タルク HTP05L、平均粒径1.4μm)の表面処理を、スラリー法にて行った。和光純薬社製エタノール90gに対して精製水10gを加え、無機フィラー100gを投入し、スラリー状にした。十分攪拌した上記スラリー中にシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製Z2306)を投入し、十分に攪拌した後に、100℃に加熱したオーブンを用いて90分乾燥した。シランカップリング剤は、無機フィラー100質量部に対して0.5質量部使用した。乾燥した無機フィラーは、ボールミルを用いて粉砕した。
シランカップリング剤による無機フィラー(IMI−FABI社製タルク HTP05L、平均粒径1.4μm)の表面処理を、スラリー法にて行った。和光純薬社製エタノール90gに対して精製水10gを加え、無機フィラー100gを投入し、スラリー状にした。十分攪拌した上記スラリー中にシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング社製Z2306)を投入し、十分に攪拌した後に、100℃に加熱したオーブンを用いて90分乾燥した。シランカップリング剤は、無機フィラー100質量部に対して0.5質量部使用した。乾燥した無機フィラーは、ボールミルを用いて粉砕した。
表面処理をした無機フィラーと株式会社プライムポリマー製LLDPE(エボリューsp2040、密度0.918g/cm3、MFR3.8g/10min)とを、無機フィラーを20質量%含有するように二軸押出機でドライブレンド及び混練し、マスターバッチを得た。そして、マスターバッチを単軸押出機に投入して250℃に加熱溶融し、Tダイを用いて、厚さが100μmとなるように単層フィルムを製膜した。
(実施例2)
無機フィラーの含有率を40質量%にした点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施し、実施例2の単層フィルムを得た。
(実施例3)
表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して10質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、実施例3の単層フィルムを得た。
(実施例4)
無機フィラーの含有率を40質量%にした点と、表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して10質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、実施例4の単層フィルムを得た。
無機フィラーの含有率を40質量%にした点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施し、実施例2の単層フィルムを得た。
(実施例3)
表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して10質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、実施例3の単層フィルムを得た。
(実施例4)
無機フィラーの含有率を40質量%にした点と、表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して10質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、実施例4の単層フィルムを得た。
(比較例1)
無機フィラーの含有率を19質量%にした点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施し、比較例1の単層フィルムを得た。
(比較例2)
無機フィラーの含有率を41質量%にした点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施し、比較例2の単層フィルムを得た。
(比較例3)
無機フィラーの含有率を19質量%にした点以外は実施例3と同様の方法で製膜を実施し、比較例3の単層フィルムを得た。
(比較例4)
無機フィラーの含有率を41質量%にした点以外は実施例3と同様の方法で製膜を実施し、比較例4の単層フィルムを得た。
無機フィラーの含有率を19質量%にした点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施し、比較例1の単層フィルムを得た。
(比較例2)
無機フィラーの含有率を41質量%にした点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施し、比較例2の単層フィルムを得た。
(比較例3)
無機フィラーの含有率を19質量%にした点以外は実施例3と同様の方法で製膜を実施し、比較例3の単層フィルムを得た。
(比較例4)
無機フィラーの含有率を41質量%にした点以外は実施例3と同様の方法で製膜を実施し、比較例4の単層フィルムを得た。
(比較例5)
表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して0.4質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、比較例5の単層フィルムを得た。
(比較例6)
表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して10.1質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、比較例6の単層フィルムを得た。
(比較例7)
無機フィラーを混合せず、株式会社プライムポリマー製LLDPE(エボリューsp2040、密度0.918g/cm3、MFR3.8g/10min)のみを単軸押出機に投入して250℃に加熱溶融し、Tダイを用いて、厚さが100μmとなるように単層フィルムを製膜した。
表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して0.4質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、比較例5の単層フィルムを得た。
(比較例6)
表面処理においてシランカップリング剤を無機フィラー100質量部に対して10.1質量部使用した点以外は実施例1と同様の方法で製膜を実施して、比較例6の単層フィルムを得た。
(比較例7)
無機フィラーを混合せず、株式会社プライムポリマー製LLDPE(エボリューsp2040、密度0.918g/cm3、MFR3.8g/10min)のみを単軸押出機に投入して250℃に加熱溶融し、Tダイを用いて、厚さが100μmとなるように単層フィルムを製膜した。
上記のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜7の単層フィルムについて、引張弾性率、引張破壊ひずみ、ヒートシール性、静摩擦係数を評価した。以下に各評価方法を説明する。
引張弾性率は、JIS K7127に記載の方法に準拠して測定した。詳述すると、単層フィルムを幅15mm、長さ150mmの短冊状に切り出した。このとき、フィルム製膜時の溶融樹脂の流れ方向を短冊の長辺方向とした。
引張弾性率は、JIS K7127に記載の方法に準拠して測定した。詳述すると、単層フィルムを幅15mm、長さ150mmの短冊状に切り出した。このとき、フィルム製膜時の溶融樹脂の流れ方向を短冊の長辺方向とした。
株式会社島津製作所製引張試験機(型番AGS−500NX)を用い、標線間距離を50mm、引張速度を200mm/minとして短冊の引張試験を行い、引張弾性率を測定した。引張試験は5点行い、それらの平均値を測定値とした。そして、比較例7の引張弾性率の測定値を基準(100%)とした場合の各測定値の相対値(向上率)を算出した。結果を表1に示す。なお、引張弾性率の向上率が150%以上であるものを合格と評価した。
引張破壊ひずみは、JIS K7127に記載の方法に準拠して測定した。詳述すると、単層フィルムを幅15mm、長さ150mmの短冊状に切り出した。このとき、フィルム製膜時の溶融樹脂の流れ方向を短冊の長辺方向とした。
株式会社島津製作所製引張試験機(型番AGS−500NX)を用い、標線間距離を50mm、引張速度を200mm/minとして短冊の引張試験を行い、引張破壊ひずみを測定した。引張試験は5点行い、それらの平均値を測定値とした。そして、比較例7の引張破壊ひずみの測定値からの各測定値の低下率を算出した。結果を表1に示す。なお、引張破壊ひずみの低下率が30%以下であるものを合格と評価した。
株式会社島津製作所製引張試験機(型番AGS−500NX)を用い、標線間距離を50mm、引張速度を200mm/minとして短冊の引張試験を行い、引張破壊ひずみを測定した。引張試験は5点行い、それらの平均値を測定値とした。そして、比較例7の引張破壊ひずみの測定値からの各測定値の低下率を算出した。結果を表1に示す。なお、引張破壊ひずみの低下率が30%以下であるものを合格と評価した。
ヒートシール性(表1には「HS性」と記してある)は、ヒートシール強度で評価した。まず、単層フィルム同士をシールして測定サンプルを作製した。シールは、テスター産業株式会社製ヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いて行い、シール圧力を0.2MPa、シール時間を1秒、シール幅を10mm、シール温度を130℃とした。シールした単層フィルムを幅15mm、長さ80mmの長方形状に切出し、測定サンプルとした。
株式会社島津製作所製引張試験機(型番AGS−500NX)を用い、チャック間距離を20mm、引張速度を300mm/minとして測定サンプルの引張試験を行い、ヒートシール強度を測定した。引張試験は5点行い、それらの平均値を測定値とした。結果を表1に示す。なお、ヒートシール強度が5N/15mm以上であるものを合格と評価した。
静摩擦係数は、東洋精機製作所製の滑り傾斜角測定装置を用いて、傾斜角度を徐々に上げていった際に、錘が滑り始める角度から静摩擦係数を算出する傾斜法により測定した。錘としては、幅30mm、長さ40mm、高さ30mmの寸法で質量197gの金属製ブロックを使用した。結果を表1に示す。なお、静摩擦係数が0.4以上0.7以下の範囲内であるものを合格と評価した。
表1に示す結果から、実施例1〜4の単層フィルムは、引張弾性率、引張破壊ひずみ、ヒートシール強度、及び静摩擦係数が全て合格であり、剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性が優れていることが分かる。これに対して、比較例1〜6の単層フィルムは、引張弾性率、引張破壊ひずみ、ヒートシール強度、及び静摩擦係数のうちの少なくとも1つが不合格であった。
本発明の包装材用シーラントフィルムは、無機フィラーの添加による母材の柔軟性(耐衝撃性)及びヒートシール性の低下を抑制しつつ、剛性の向上が図られている。よって、優れた剛性、耐衝撃性、及びヒートシール性を有する包装材用シーラントフィルムを提供することが可能である。
11 ・・・ベース層(別の層)
12 ・・・ヒートシール層(無機フィラー分散層)
13 ・・・無機フィラー
21 ・・・ヒートシール層(無機フィラー分散層)
22 ・・・無機フィラー
12 ・・・ヒートシール層(無機フィラー分散層)
13 ・・・無機フィラー
21 ・・・ヒートシール層(無機フィラー分散層)
22 ・・・無機フィラー
Claims (4)
- ポリオレフィンを含有する母材からなる層にシランカップリング剤で表面処理された無機フィラーが分散した無機フィラー分散層のみで構成される単層フィルム、又は、前記無機フィラー分散層と前記無機フィラー分散層とは別の層とが積層された積層フィルムであって、
前記無機フィラー分散層中の前記無機フィラーの含有率が20質量%以上40質量%以下である包装材用シーラントフィルム。 - 前記無機フィラー100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下のシランカップリング剤が表面処理された請求項1に記載の包装材用シーラントフィルム。
- 前記積層フィルムにおいて、前記無機フィラー分散層は最外層に配されてヒートシール層をなす請求項1又は請求項2に記載の包装材用シーラントフィルム。
- 前記無機フィラー分散層の引張破壊ひずみは、前記母材の引張破壊ひずみに比べて低く、その低下率は30%以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装材用シーラントフィルム。
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JP2017212579A JP2019085127A (ja) | 2017-11-02 | 2017-11-02 | 包装材用シーラントフィルム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023100403A1 (ja) * | 2021-11-30 | 2023-06-08 | 住友化学株式会社 | 積層フィルム、及びその製造方法 |
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2017
- 2017-11-02 JP JP2017212579A patent/JP2019085127A/ja active Pending
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