JP2019082202A - 駆動装置及び駆動装置を有するパーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前記駆動装置は、主に、外周面に雄ネジ部を有する軸部材、及び内周面に雌ネジ部を有し当該軸部材と同軸上にて螺合されるナット部材を備え、駆動部によって軸部材を回転させて、当該軸部材の軸方向に向かってナット部材を移動させることにより、ケーブル等を介して当該ナット部材の先端部と接続される操作対象に対して荷重を出力する。
このような構成からなる駆動装置は、例えばパーキングブレーキ装置等の電動アクチュエータとして用いられ、ケーブルを介して操作対象であるブレーキ装置と接続されたナット部材を、軸部材の基端側に向かって移動させることにより、前記ブレーキ装置を可動させ、パーキングブレーキ装置を作動させる。
そのため、軸方向の基端側に向かってナット部材が移動すると、当該ナット部材は、ハウジングにより片持ち支持された状態となり、ケーブルに張力が付与されている場合にはその張力によって軸部材に対する所定位置に位置するが、ケーブルに張力が解除されている場合には、雄螺子と雌螺子との間のクリアランスによってガタツキを生じやすい。このようなガタツキによる螺子部分の破損防止するためには、ナット部材および軸部材に強度の高い特殊な材料を使用しなければならなくなる。
即ち、本発明の駆動装置は、駆動部と、ケーブルと、先端側に設けられたスピンドル部と、外周に設けられた雄スプライン部とを有する軸部材と、両端の開口部と、前記開口部が連通する貫通部と、前記貫通部に設けられた雌スプライン部と、前記駆動部が接続する外周接続部とを有するスプラインナット部材と、前記ケーブルが接続する先端部と、前記先端部の反対側に設けられた基端部と、前記基端部に設けられた開口部と、前記開口部から前記先端方向に延びる中空部と、前記中空部の内周面において前記スピンドル部と螺合する雌ネジ部とを有する螺合ナット部材と、前記螺合ナット部材の軸周り方向の回転を規制する回転規制部材とを備え、前記スプラインナット部材は、基端側の開口部が前記雄スプライン部上まで延び、前記駆動部の回転によって前記スプラインナット部材が軸周り方向に回転して前記軸部材が回転し、前記貫通部の内周面と前記雄スプライン部との間には、前記螺合ナット部材が前記軸部材の回転によって軸方向の基端側に移動したときに、前記螺合ナット部材の基端部が収容される収容空間が設けられたことを特徴とする。
即ち、本発明の駆動装置及び駆動装置を有するパーキングブレーキ装置によれば、軸部材に対するガタツキの発生を抑制し、軸部材及びナット部材間の螺合構造の破損の防止を図ることができる。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図5中に示した矢印の方向によって、駆動装置1の上下方向、前後方向、及び左右方向を規定して記述する。
先ず、駆動装置1の構成について、図1乃至図3、及び図5を用いて説明する。
本実施形態における駆動装置1は、駆動部10(図1を参照)による回転駆動を直線駆動に変換し、当該直線駆動によって操作対象に荷重を作用させる装置である。
例えば、駆動装置1は、変換された直線駆動によって索条体に張力を加え、当該索条体を介して操作対象に荷重を作用させることにより、操作対象を移動させたり、または操作対象より他の対象へ荷重を作用させたりすることができる装置である。
このような駆動装置1の一例として、例えば図1に示すような、ブレーキ装置110を操作対象とするパーキングブレーキ装置100に用いられる、電動アクチュエータが挙げられる。
また、モータ11の出力軸11aには、回転検知用磁石13が取り付けられている。また、当該出力軸11aの近傍には、制御装置90と電気的に接続される回転検知用ホールIC14が配置されている。駆動装置1は、回転検知用ホールIC14によって回転検知用磁石13を検知することにより、モータ11の回転が検知される構成となっている。
ケーブル20は、操作対象であるブレーキ装置110と駆動部10によって前後方向に移動される螺合ナット部材50とを連結する。ケーブル20を所定の張力となるように当該螺合ナット部材50を移動させることで、ブレーキ装置110に荷重を作用させることができる。
また、インナーケーブル22の一端部は、接続部材60を用いて螺合ナット部材50と接続され、且つインナーケーブル22の他端部は、ブレーキ装置110の図示せぬ可動部位(例えば、ブレーキシュー等の部材)と接続される。
駆動部10の駆動によって、インナーケーブル22を介して、ブレーキ装置110の可動部位(ブレーキシュー等)が移動して、パーキングブレーキ装置100は作動する。
その結果、インナーケーブル22を介して、ブレーキ装置110の可動部位(ブレーキシュー等)に作用する荷重が小さくなり、パーキングブレーキ装置100は解除される。
軸部材30は、駆動部10による回転駆動を直線駆動に変換し、螺合ナット部材50を軸方向(前後方向)に移動させるものである。
そして、雄スプライン部32は、後述するスプラインナット部材40の内周面に形成される雌スプライン部43と、嵌合可能に設けられる。
そして、後述するように、軸受部33が軸受部材77に嵌入されることにより、軸部材30は、ハウジング80内において、荷重センサ70の可動ケース75より回転可能に支持される。
そして、後述するように、例えば不意に、軸方向の先端側(前側)に向かう荷重が、軸部材30に作用した場合などにおいては、フランジ部34の外縁部が可動ケース75の軸受部材77と当接することにより、当該軸受部材77より軸部材30が抜け落ちるのを防止するようになっている。
これにより、駆動部10による回転駆動は直線駆動に変換され、螺合ナット部材50が軸方向(前後方向)に移動される。
スプラインナット部材40は、駆動部10による回転駆動力を、軸部材30に伝達するものである。
また、貫通部42内において、同軸上に挿入された軸部材30の雄スプライン部32が雌スプライン部43とスプライン嵌合することにより、スプラインナット部材40は、軸部材30と接続される。
具体的には、駆動部10において、モータ11の回転駆動力によって、動力伝達機構12を構成する複数のギヤ12a・12b・12cが回転され、これらのギヤ12a・12b・12cの回転によって、スプラインナット部材40は、外周接続部44を介して軸周り方向に回転される。
その結果、雄スプライン部32を介して雌スプライン部43と嵌合される軸部材30は、スプラインナット部材40とともに軸周り方向に回転される。
換言すると、スプラインナット部材40において、基端側開口部41Aは、軸部材30の軸方向(前後方向)の移動に拘らず、当該軸部材30における雄スプライン部32上まで延びている。
このような構成を有することにより、軸部材30の軸方向(前後方向)の移動に拘らず、常に雄スプライン部32全体に亘って、雌スプライン部43が嵌合されることとなり、スプラインナット部材40は、より確実に、駆動部10による回転駆動力を軸部材30に伝達することができる。スプラインナット部材40は、インナ―ケーブル20の負荷によって軸部材30がスプラインナット部材40と相対移動した状態においても雄スプライン部32と嵌合した状態を維持できるように設けられている。スプラインナット部材40の貫通部42の先端側の貫通部42の内周面は、軸部材30との外周面との間に、螺合ナット部材の先端側が収容可能な幅の間隔が設けられるように構成されている。
このような構成を有することにより、例えば後述するように、貫通部42の先端側(前側)に設けられる収納空間46内に、螺合ナット部材50の基端側の端部(後端部)が挿入された際、貫通部42の内周面と、螺合ナット部材50の外周面との間の接触面積が増加することとなり、スプラインナット部材40によって、より堅固に螺合ナット部材50を支持することができる。
螺合ナット部材50は、軸部材30の回転によって軸方向(前後方向)に移動され、ケーブル20を介して、操作対象であるブレーキ装置110に荷重を作用させるものである。
接続部材60は、螺合ナット部材50の先端部51と、ケーブル20(インナーケーブル22)の一端部とを接続するとともに、螺合ナット部材50が軸方向(前後方向)に移動する際、外周面が回転規制部材であるハウジング80の内壁面81と当接することによって、当該螺合ナット部材50が軸周り方向に回転されるのが規制されるものである。
また、接続部材60の上面において、その先端側(前側)には、凹状の係合部62が形成されている。
また、係合部62内に、インナーケーブル22の一端部に設けられた凸状の被係合部22aが係合されることにより、接続部材60は、インナーケーブル22と接続される。
これにより、螺合ナット部材50は、先端部51において、接続部材60を介してインナーケーブル22の一端部と接続される。
これにより、螺合ナット部材50は、接続部材60によって軸周り方向に回転されるのを規制された状態にて、軸部材30によって軸方向(前後方向)に移動される。
または、螺合ナット部材50の外周面において、軸方向(前後方向)に延びる一対の溝部を左右両側に各々設け、且つハウジング80の左右両側の内壁面81・81において、内側(螺合ナット部材50側)に突出部を各々設け、当該突出部を前記溝部に各々嵌合させることにより、移動する螺合ナット部材50の軸周り方向への回転が規制されるような構成としてもよい。
荷重センサ70は、操作対象であるブレーキ装置110に作用する荷重を検知して、制御装置90に電気信号を送信するものである。荷重センサ70は、パーキングブレーキ装置に用いられる、付勢部材を有する公知の荷重センサを用いることができる。この付勢部材の伸縮にともない、スプラインナット部材に対して軸部材が相対移動することになる。
荷重センサ70は、図5に示すように、支持シャフト71、付勢部材72、移動検知用磁石73、移動検知用ホールIC74、及びこれらの構成要素71・72・73・74を内装する可動ケース75などにより構成され、ハウジング80内において、スプラインナット部材40の基端側(後側)に配置される。
また、支持シャフト71の基端側(後側)の端部は、可動ケース75を貫通してハウジング80に固定されている。
また、付勢部材71の基端側の端部(後端部)は、可動ケース75の内壁面75aと当接されるとともに、先端側の端部(前端部)は、支持シャフト71のフランジ部71aと当接される。
このような構成を有することにより、後述するように、支持シャフト71に対して相対的に、軸方向(前後方向)に移動可能な可動ケース75は、付勢部材71によって、常に基端側(後側)に向かって付勢された状態となっている。
一方、移動検知用ホールIC74は、移動検知用磁石73の上側において、当該移動検知用磁石73と対向して配置されるとともに、可動ケース75に固定されている。
そして、支持シャフト71に対して相対的に、可動ケース75が軸方向(前後方向)に移動することにより、移動検知用ホールIC74は、移動検知用磁石73の移動を検知して、制御装置90に電気信号を送信する。
つまり、本実施形態における駆動装置1において、軸部材30の基端(後端)には、可動ケース75を介して付勢部材72が設けられている。
具体的には、図5(a)に示すように、例えば、ブレーキ装置110に荷重が作用されておらず、スプラインナット部材40に対して、予め設定された所定の「初期位置」に軸部材30が停止している状態において、可動ケース75は、付勢部材72によって基端側(後側)に付勢されつつ、所定の位置にて保持された状態となっており、支持シャフト71に支持された移動検知用磁石73は、移動検知用ホールIC74に対して所定の位置にて停止した状態となっている。
これにより、支持シャフト71に支持された移動検知用磁石73は、移動検知用ホールIC74に対して相対的に、基端側(後側)へと移動されることとなる。
これにより、軸部材30は、スプラインナット部材40に対して、先端側(前側)に最も移動した「過負荷位置」にて停止した状態となる。
制御装置90は、例えば本実施形態においては、マイクロコンピュータからなるECU(電子制御ユニット)により構成され、図1に示すように、軸部材30に対する螺合ナット部材50の相対移動についての移動距離を制御することにより、駆動装置1の駆動を制御する。
また、制御装置90には、モータ11が電気的に接続されており、移動検知用ホールIC74からの電気信号に基づき、モータ11の回転を制御することにより、制御装置90は、軸部材30に対して所定の移動距離分、螺合ナット部材50を相対移動させ、インナーケーブル22を介してブレーキ装置110に荷重を作用させる。
これにより、インナーケーブル22が基端側(後側)へと移動され、ブレーキ装置110に荷重が作用してパーキングブレーキ装置100が作動されるが、この際、当該インナーケーブル22が移動不能となった場合には、荷重センサ70に対して、先端側(前側)に向かう荷重が作用することとなる。
そして、移動検知用ホールIC74は、移動検知用磁石73の移動距離に応じた電気信号を、ブレーキ装置110に作用する荷重を示すケーブル張力信号として制御装置90へ出力する。
そして、制御部17は、軸部材30に対する螺合ナット部材50の相対移動の途中において、予め設定されたケーブル張力を超える電気信号を、荷重センサ70から受信した場合には、モータ11を停止させる。
そして、制御装置90は、軸部材30に対して、螺合ナット部材50を所定の距離分、解除方向に向かって相対移動させることにより、パーキングブレーキ装置100の解除が終了したとして、モータ11を停止させる。
このように、制御装置90は、駆動装置1の駆動を、軸部材30に対する螺合ナット部材50の相対移動の移動距離によって制御する。
次に、パーキングブレーキ装置100の作動または解除の切り替えを行う場合の、駆動装置1の動作手順について、図2、及び図4を用いて説明する。
先ず始めに、図2に示すように、ブレーキ装置110には、駆動装置1による荷重が作用しておらず、パーキングブレーキ装置100は、解除された状態となっている。
具体的には、駆動装置1において、軸部材30は、スプラインナット部材40に対して、前述した「初期位置」にて停止した状態となっている。
また、螺合ナット部材50は、スプラインナット部材40に対して先端側(前側)に最も離間した位置として予め設定された、「解除位置」にて停止した状態となっている。
これにより、接続部材60を介して螺合ナット部材50と接続されるインナーケーブル22も、基端側(後側)へと移動されて、ブレーキ装置110に荷重が作用することとなり、当該ブレーキ装置110が作動する。
ケーブル張力信号を受信した制御装置90は、ケーブル20の張力が所定荷重となると、モータ11の回転駆動を停止して、軸部材30による螺合ナット部材50の基端側(後側)への移動を停止する。
これにより、パーキングブレーキ装置100の作動が終了する。
即ち、本実施形態における駆動装置1においては、軸方向の基端側(後側)に移動された螺合ナット部材50を、従来のようなハウジングより片持ち支持された一点支持の状態とは異なり、基端部52及び先端部51における二点支持の状態にてより堅固にハウジング80より支持することが可能である。
解除信号を受信した制御装置90は、モータ11の回転駆動を再び開始して、軸部材30を軸周り方向(より具体的には、逆転方向)に回転させ、螺合ナット部材50を先端側(前側)に向かって移動させる。
これにより、接続部材60を介して螺合ナット部材50と接続されるインナーケーブル22も、先端側(前側)へと移動されて、ブレーキ装置110に作用する荷重が減少することとなり、当該ブレーキ装置110が、前述したパーキングブレーキ装置100を作動させる方向と逆方向に作動する。
これにより、パーキングブレーキ装置100の解除が終了する。
10 駆動部
11 モータ
11a 出力軸
12 動力伝達機構
12a ギヤ
12b ギヤ
12c ギヤ
13 回転検知用磁石
14 回転検知用ホールIC
20 ケーブル
21 アウターケーシング
22 インナーケーブル
22a 被係合部
30 軸部材
31 スピンドル部
32 雄スプライン部
33 軸受部
34 フランジ部
40 スプラインナット部材
41 開口部
41A 基端側開口部
41B 先端側開口部
42 貫通部
43 雌スプライン部
44 外周接続部
45 軸受部材
46 収容空間
47 収納ケース
50 螺合ナット部材
51 先端部
52 基端部
53 開口部
54 中空部
55 雌ネジ部
60 接続部材
61 嵌合穴
62 係合部
63 隅部
70 荷重センサ
71 支持シャフト
71a フランジ部
72 付勢部材
73 移動検知用磁石
74 移動検知用ホールIC
75 可動ケース
75a 内壁面
76 支持部材
77 軸受部材
80 ハウジング
81 内壁面
90 制御装置
91 操作スイッチ
100 パーキングブレーキ装置
110 ブレーキ装置
Claims (3)
- 駆動部と、
ケーブルと、
先端側に設けられたスピンドル部と、外周に設けられた雄スプライン部とを有する軸部材と、
両端の開口部と、前記開口部が連通する貫通部と、前記貫通部に設けられた雌スプライン部と、前記駆動部が接続する外周接続部とを有するスプラインナット部材と、
前記ケーブルが接続する先端部と、前記先端部の反対側に設けられた基端部と、前記基端部に設けられた開口部と、前記開口部から前記先端方向に延びる中空部と、前記中空部の内周面において前記スピンドル部と螺合する雌ネジ部とを有する螺合ナット部材と、
前記螺合ナット部材の軸周り方向の回転を規制する回転規制部材とを備え、
前記スプラインナット部材は、基端側の開口部が前記雄スプライン部上まで延び、
前記駆動部の回転によって前記スプラインナット部材が軸周り方向に回転して前記軸部材が回転し、
前記貫通部の内周面と前記雄スプライン部との間には、
前記螺合ナット部材が前記軸部材の回転によって軸方向の基端側に移動したときに、前記螺合ナット部材の基端部が収容される収容空間が設けられた駆動装置。 - 前記軸部材の基端には、付勢部材が設けられた請求項1に記載の駆動装置。
- 請求項1または請求項2に記載の駆動装置を有し、
ケーブルの前記螺合ナット部材が接続する端部と反対側の端部がブレーキ装置と接続し、
前記軸部材の基端には、バネ部材を有する荷重センサが接続するパーキングブレーキ装置。
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