JP5123121B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Description
例えば、医療・介護用ベッドの寝床を上下させたり、背部や膝部の寝床を傾斜させたりするのに利用して有効なものに関する。
しかし、ブレーキ面の直径を大きくすると、リニアアクチュエータ自体の外形も大型化することになる。
また、アクチュエータを連続稼働させると、内部の温度上昇により内部の減速装置に塗布されたグリースやブレーキ面に塗布されたブレーキ力安定のためのグリースが軟らかくなり、効率向上による逆転力の増加やグリース自体の粘度低下によってブレーキ面が滑り易くなって来るために、ブレーキ面の面積はある程度余裕を持った設定が必要である。
しかし、ベッド下降時のモータ電流を抑えたいという要求もあって、リニアアクチュエータを大型化せずに、連続稼働にも耐えられるブレーキ力をいかに確保するかという課題があった。
(1)ハウジングに連結されたモータと、前記ハウジングに軸受により回転自在に支承された送りねじ軸と、前記モータの出力軸と前記送りねじ軸との間に介設されて前記モータの出力軸の回転を減速して前記送りねじ軸に伝達する減速装置と、前記送りねじ軸に進退自在に螺合されたナットと、該ナットに一体的に移動するように連結された移動筒と、前記送りねじ軸の一端側に配されて前記送りねじ軸の一方向の回転時に前記送りねじ軸と前記ハウジングとの間で制動力を発揮するブレーキ機構と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記軸受と前記ハウジングとの間で一端側が前記軸受に当接可能に設けられるとともに、前記送りねじ軸と一体回転可能かつ前記ハウジングに対して軸方向移動可能に設けられた可動ブロックと、
該可動ブロックの他端側と前記ハウジングとの間に設けられるとともに、内部に前記送りねじ軸の一方向の回転時に前記送りねじ軸と一体回転可能に設けられたワンウエイクラッチが設けられるとともに、前記可動ブロックとの接触面と、前記ハウジングとの接触面とにおいて摩擦力を発揮するブレーキ面を備えたブレーキプレートと、
から構成されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
(2)前記ブレーキプレートは、
リング形状に形成されたベースプレートと、
該ベースプレートの前記可動ブロックとの当接面と、前記ハウジングとの当接面とに一体的にリング形状に設けられ、所定の摩擦力を発揮する摩擦板と、
から構成されることを特徴とする前記(1)に記載のリニアアクチュエータ。
(3)前記ブレーキプレートと前記ハウジングとの間には、所定の摩擦力を発揮する摩擦部材が設けられていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のリニアアクチュエータ。
すなわち、図2および図3に示されているように、リニアアクチュエータ7はハウジング11と、ハウジング11に対して進退する移動筒12とからなるアクチュエータ本体10を備えており、リニアアクチュエータ7の固定端側であるハウジング11がベッド1のフレーム2に枢軸3によって回転自在に枢支され、リニアアクチュエータ7の自由端側である移動筒12の先端が背部の寝床(以下、寝床という。)4を起伏させるためのリンク5に枢軸6によって回転自在に連結されている。
図1(a)に示されているように、リニアアクチュエータ7の移動筒12が短縮した状態で、寝床4は水平に倒伏されており、リニアアクチュエータ7の移動筒12が伸長すると、寝床4は図1(b)に示されているように起立されるようになっている。
支持筒13の内周面には雌ねじ部材を回り止めするための回り止め部14が一対、略全長にわたってそれぞれ敷設されており、両回り止め部14、14は軸方向に一定幅一定高さに延在する細長いキー形状にそれぞれ形成されている。
図2に示されているように、支持筒13の先端開口部には外周に鍔部を有する円筒形状に形成されたプラグ部15が嵌入されている。
ナット19の基端部の外周部には、キー溝形状に形成された回り止め部20が一対それぞれ形成されており、両回り止め部20、20は支持筒13の内周面の一対の回り止め部14、14に軸方向に摺動自在にそれぞれ嵌合されている。したがって、ナット19は支持筒13に回り止め部14、20によって回り止めされた状態で、軸方向に摺動するようになっている。
移動筒12の先端部には移動筒12をベッド1のリンク5に連結するための連結具25の基端部26が嵌入されており、連結具25は移動筒12の先端開口部に固定されている。連結具25の先端部には取付孔27が開設されており、枢軸6が取付孔27に挿入されることにより、移動筒12がリンク5に連結されるようになっている。
連結具32の外側端面にはブラケット34が突設されており、ブラケット34には取付孔35が開設されている。枢軸3が取付孔35に挿入されることにより、リニアアクチュエータ10の基端部がフレーム2に連結されるようになっている。
モータ40の回転軸の一端部はサブハウジング30の内部に挿入されており、回転軸の中間部はモータ装着部36に回転自在に支承されている。
一対の支持軸44、45には一対のウオームホイール46、47がそれぞれ嵌合されて回転自在に支承されており、一対のウオームホイール46、47は一対のウオーム42、43にそれぞれ噛合されている。一対のウオームホイール46、47には一対の中間ギヤ48、49が軸芯合わせされて一体的にそれぞれ連設されており、一対の中間ギヤ48、49は同一の駆動ギヤ50にそれぞれ噛合されている。
このように駆動ギヤ50をサブシャフト52に軸方向に摺動自在で一体的に回転するように結合することにより、サブシャフト52に加わる軸方向(スラスト方向)の荷重(力)が駆動ギヤ50に伝達されるのを防止することができる。
但し、駆動ギヤ50はサブシャフト52に一体成形してもよい。
深溝玉軸受54はシャフト16のラジアル荷重だけでなくシャフト16のスラスト荷重も支承し得るようにサイズが大きめに設定されており、軸受設置部53は深溝玉軸受54のアウタレースの外周面を摺動させる構造に構成されている。
このようにシャフト16を回転自在に支承するラジアル転がり軸受をサイズが大きめの深溝玉軸受54によって構成し、外周面で摺動し得るように設定することにより、シャフト16のスラスト荷重を支承するスラスト軸受を省略することができる。
可動ブロック61は深溝玉軸受54とハウジング11との間に配置されており、深溝玉軸受54側端が深溝玉軸受54のアウタレースに当接可能に設けられているとともに、その外周の4箇所には軸方向に長いガイド突起61Aが周方向に等間隔に設けられている。また、ハウジング11には、回転方向に一体回転可能かつ軸方向に移動可能にガイド突起61Aと係合する4条のガイド溝11Aが設けられ、これにより、可動ブロック61はカラー55すなわちシャフト16と一体回転不可能かつハウジング11に対して回転方向に一体回転可能かつ軸方向に移動可能に設けられている。
ブレーキプレート62は可動ブロック61の深溝玉軸受54側と反対側端とハウジング11との間に設けられており、内部にはワンウエイ機構としてのワンウエイクラッチ63が設けられている。ワンウエイクラッチ63はシャフト16の一方向の回転時にシャフト16と一体回転可能に構成されている。
ブレーキプレート62は円形リング形状に形成されたベースプレート64を備えており、ベースプレート64はワンウエイクラッチ63の外周に突設されている。ベースプレート64の可動ブロック61との対向面には、円形リング形状に形成された第一摩擦板65が一体的に設けられており、第一摩擦板65は可動ブロック61との間において摩擦力を発揮するように構成されている。ベースプレート64のハウジング11との対向面には円形リング形状に形成された第二摩擦板66が一体的に設けられており、第二摩擦板66はハウジング11との間において摩擦力を発揮するように構成されている。
なお、可動ブロック61のブレーキプレート62との対向面すなわち可動ブロック61と第一摩擦板65との対向面と、ハウジング11のブレーキプレート62との対向面すなわちハウジング11と第二摩擦板66との対向面には、所定の摩擦力を発揮するように面加工された受面61B、11Bとされている。
位置検出機構71はハウジング11の内側に固定された一対のブラケット72A、72Aとブラケット72A、72A間に固定された基板72Bとを備えており、基板72Bは位置検出機構設置部70内にシャフト16と平行に固定されている。ブラケット72A、72Aの間には位置検出シャフト73が、シャフト16と平行に軸架された状態でその両端が回転自在に支持されている。位置検出シャフト73は全長がシャフト16よりも短く、雄ねじ部74が略全長にわたって形成されており、雄ねじ部74にはストライカ75が進退自在に螺合されている。すなわち、ストライカ75はハウジング11またはブラケット72に回り止めされた状態で摺動自在に案内されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、雄ねじ部74のピッチはシャフト16の雄ネジ部17のピッチと同じに設定されている。
基板72Bのブラケット72A、72A寄りのそれぞれの位置の両端部には一対の位置検出スイッチ76、77が、位置検出シャフト73に対向するように固定されており、図5に示されているように、一対の位置検出スイッチ76、77はストライカ75の移動両端部の位置をそれぞれ検出するようになっている。すなわち、位置検出シャフト73の基端側端部に配置された位置検出スイッチ(以下、下限スイッチという)76は、位置検出シャフト73の基端側端部に位置するストライカ75を検出し、位置検出シャフト73の先端側端部に配置された位置検出スイッチ(以下、上限スイッチという)77は、位置検出シャフト73の先端側端部に位置するストライカ75を検出するようになっている。
なお、図示しないが、基板72B上にはストライカ75の位置検出に必要なその他の電気素子が配されている。
シャフト16の回転は、原動ギヤ81→従動ギヤ82→第二段原動ギヤ83→第二段従動ギヤ84を経由して減速され、位置検出シャフト73に伝達される。
このシャフト16の正回転時にはワンウエイ機構が働かず、ワンウエイクラッチ63とシャフト16との連結が解除されるために、ブレーキ機構60の制動力は起こらない。
なお、回り止め機構はリニアアクチュエータ7がベッド1に取り付けられていない時に移動筒12が回ってしまい、位置検出機構71と移動筒12との位置関係に狂いが出てしまうのを防止するためのものであり、リニアアクチュエータ7がベッド1に取り付いてしまうと、移動筒12がベッド1に固定された状態になるので、不要になる。
ストライカ75が上限位置まで前進すると、上限スイッチ77がストライカ75を検出するので、モータ40は自動的に停止される。
この負荷側逆回転作用力はブレーキプレート62とシャフト16すなわちカラー55とを連結させるように作用するために、ワンウエイクラッチ63を内蔵したブレーキプレート62の第一摩擦板65および第二摩擦板66によって制動面が形成され、シャフト16は逆回転を阻止される。したがって、リニアアクチュエータ7は寝床4の荷重を持ち上げたままの状態で支持することができる。
シャフト16がモータ40によって逆回転されると、ナット19は支持筒13に沿って後退される状態になるために、ナット19に連結された移動筒12は支持筒13に引き込まれて行く。移動筒12の後退によって移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4が倒されて行く。
この際にはシャフト16が逆回転するために、ワンウエイクラッチ63は連結した状態になるが、ブレーキプレート62の第一摩擦板65および第二摩擦板66の制動力は、シャフト16の逆回転力よりも僅かに大きく設定されているため、モータ40はこの制動力と逆回転力との差の分だけ駆動すればよく、クラッチケース58はカラー55に対してワンウエイ機構で連結されていても、モータ40は小さな駆動力でシャフト16のハウジング11に対する逆回転を許容する。
つまり、シャフト16がハウジング11に対して逆回転することにより、ナット19を支持筒13に沿って後退させるので、ナット19に連結された移動筒12を支持筒13に引き込み、移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4を倒して行く。
ストライカ75が下限位置まで前進すると、下限スイッチ76がストライカ75を検出するので、モータ40は自動的に停止される。
但し、寝床4が倒伏した状態で、負荷側逆回転力がシャフト16に常に加わったとしても、シャフト16の逆回転は前述した作用によって防止されることになる。
10…アクチュエータ本体、11…ハウジング、11A…ガイド溝、11B…受面、11C…受面、12…移動筒、13…支持筒、14…回り止め部、15…プラグ部、16…シャフト(送りねじ軸)、17…雄ねじ部、18…雌ねじ部、19…ナット、20…回り止め部、23…固定部、25…連結具、26…基端部、27…取付孔、
30…サブハウジング、31…開口部、32…連結具、33…閉塞部、34…ブラケット、35…取付孔、36…モータ装着部、40…モータ、
42、43…ウオーム、44、45…支持軸、46、47…ウオームホイール、48、49…中間ギヤ、50…駆動ギヤ、
52…サブシャフト、53…軸受設置部、54…深溝玉軸受、55…カラー、
60…ブレーキ機構、61…可動ブロック、61A…ガイド突起、61B…受面、62…ブレーキプレート、63…ワンウエイクラッチ、64…ベースプレート、65…第一摩擦板、66…第二摩擦板、67…摩擦部材、
70…位置検出機構設置部、71…位置検出機構、72A…ブラケット、72B…基板、73…位置検出シャフト、74…雄ねじ部、75…ストライカ、76、77…位置検出スイッチ、
80…歯車減速装置、81…原動ギヤ、82…従動ギヤ、83…第二段原動ギヤ、84…第二段従動ギヤ、85…第三段原動ギヤ、86…第三段従動ギヤ、
90…ポテンショセンサ、91…センサ軸、92…ポテンショメータ。
Claims (2)
- ハウジングに連結されたモータと、前記ハウジングに軸受により回転自在に支承された送りねじ軸と、前記モータの出力軸と前記送りねじ軸との間に介設されて前記モータの出力軸の回転を減速して前記送りねじ軸に伝達する減速装置と、前記送りねじ軸に進退自在に螺合されたナットと、該ナットに一体的に移動するように連結された移動筒と、前記送りねじ軸の一端側に配されて前記送りねじ軸の一方向の回転時に前記送りねじ軸と前記ハウジングとの間で制動力を発揮するブレーキ機構と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記軸受と前記ハウジングとの間で一端側が前記軸受に当接可能に設けられるとともに、前記送りねじ軸と一体回転不可能かつ前記ハウジングに対して回転方向に一体回転可能かつ軸方向に移動可能に設けられた可動ブロックと、
該可動ブロックの他端側と前記ハウジングとの間に設けられるとともに、内部に前記送りねじ軸の一方向の回転時に前記送りねじ軸と一体回転可能に設けられたワンウエイクラッチが設けられるとともに、前記可動ブロックとの接触面と、前記ハウジングとの接触面とにおいて摩擦力を発揮するブレーキ面を備えたブレーキプレートと、
から構成されており、
前記ブレーキプレートと前記ハウジングとの間には、所定の摩擦力を発揮する摩擦部材が設けられている、
ことを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 前記ブレーキプレートは、
リング形状に形成されたベースプレートと、
該ベースプレートの前記可動ブロックとの当接面と、前記ハウジングとの当接面とに一体的にリング形状に設けられ、所定の摩擦力を発揮する摩擦板と、
から構成されることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
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