JP5049932B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Description
例えば、医療・介護用ベッドの寝床を上下させたり、背部や膝部の寝床を傾斜させたりするのに利用して有効なものに関する。
しかし、ブレーキ面の直径を大きくすると、リニアアクチュエータ自体の外形も大型化することになる。
また、アクチュエータを連続稼働させると、内部の温度上昇により内部の減速装置に塗布されたグリースやブレーキ面に塗布されたブレーキ力安定のためのグリースが軟らかくなり、効率向上による逆転力の増加やグリース自体の粘度低下によってブレーキ面が滑り易くなって来るために、ブレーキ面の面積はある程度余裕を持った設定が必要である。
しかし、ベッド下降時のモータ電流を抑えたいという要求もあって、リニアアクチュエータを大型化せずに、連続稼働にも耐えられるブレーキ力をいかに確保するかという課題があった。
(1)ハウジングに連結されたモータと、前記ハウジングに軸受により回転自在に支承された送りねじ軸と、前記モータの出力軸と前記送りねじ軸との間に介設されて前記モータの出力軸の回転を減速して前記送りねじ軸に伝達する減速装置と、前記送りねじ軸に進退自在に螺合されたナットと、該ナットに一体的に移動するように連結された移動筒と、前記送りねじ軸の一端側に配されて前記送りねじ軸の一方向の回転時に前記送りねじ軸と前記ハウジングとの間で制動力を発揮するブレーキ機構と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記軸受と前記ハウジングとの間で一端側が前記軸受に当接可能に設けられるとともに、前記ハウジングと相対移動可能に設けられ、前記送りねじ軸の一方向の回転時に一体的に回転するクラッチケースと、
前記クラッチケースと前記ハウジングとの間に設けられるとともに、前記クラッチケースと一体回転可能かつ軸方向移動可能で前記ハウジングに対して相対移動自在に設けられた複数のブレーキプレートと、
該複数のブレーキプレートの間に配され、前記ハウジングと一体回転可能かつ軸方向移動可能で前記クラッチケースと相対移動自在に設けられた少なくとも1つの固定プレートと、
前記複数のブレーキプレートと前記固定プレートとの接触面および前記ブレーキプレートと前記ハウジングとの接触面において摩擦力を発揮するブレーキ面と、
から構成されることを特徴とするリニアアクチュエータ。
(2)前記ハウジングの前記ブレーキ機構と対向する面には、所定の摩擦力を発揮する摩擦板が設けられていることを特徴とする(1)に記載のリニアアクチュエータ。
(3)前記ブレーキプレートは、
リング形状に形成されたベースプレートと、
該ベースプレートの前記クラッチケースとの当接面と、前記ハウジングとの当接面とに一体的にリング形状に設けられ、所定の摩擦力を発揮する摩擦板と、
から構成されることを特徴とする(1)または(2)に記載のリニアアクチュエータ。
(4)前記クラッチケースと前記ハウジングとの間には、所定の摩擦力を発揮する摩擦部材が設けられていることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
すなわち、図2および図3に示されているように、リニアアクチュエータ7はハウジング11と、ハウジング11に対して進退する移動筒12とからなるアクチュエータ本体10を備えており、リニアアクチュエータ7の固定端側であるハウジング11がベッド1のフレーム2に枢軸3によって回転自在に枢支され、リニアアクチュエータ7の自由端側である移動筒12の先端が背部の寝床(以下、寝床という。)4を起伏させるためのリンク5に枢軸6によって回転自在に連結されている。
図1(a)に示されているように、リニアアクチュエータ7の移動筒12が短縮した状態で、寝床4は水平に倒伏されており、リニアアクチュエータ7の移動筒12が伸長すると、寝床4は図1(b)に示されているように起立されるようになっている。
支持筒13の内周面には雌ねじ部材を回り止めするための回り止め部14が一対、略全長にわたってそれぞれ敷設されており、両回り止め部14、14は軸方向に一定幅一定高さに延在する細長いキー形状にそれぞれ形成されている。
図2に示されているように、支持筒13の先端開口部には外周に鍔部を有する円筒形状に形成されたプラグ部15が嵌入されている。
ナット19の基端部の外周部には、キー溝形状に形成された回り止め部20が一対それぞれ形成されており、両回り止め部20、20は支持筒13の内周面の一対の回り止め部14、14に軸方向に摺動自在にそれぞれ嵌合されている。したがって、ナット19は支持筒13に回り止め部14、20によって回り止めされた状態で、軸方向に摺動するようになっている。
移動筒12の先端部には移動筒12をベッド1のリンク5に連結するための連結具25の基端部26が嵌入されており、連結具25は移動筒12の先端開口部に固定されている。連結具25の先端部には取付孔27が開設されており、枢軸6が取付孔27に挿入されることにより、移動筒12がリンク5に連結されるようになっている。
連結具32の外側端面にはブラケット34が突設されており、ブラケット34には取付孔35が開設されている。枢軸3が取付孔35に挿入されることにより、リニアアクチュエータ10の基端部がフレーム2に連結されるようになっている。
モータ40の回転軸の一端部はサブハウジング30の内部に挿入されており、回転軸の中間部はモータ装着部36に回転自在に支承されている。
一対の支持軸44、45には一対のウオームホイール46、47がそれぞれ嵌合されて回転自在に支承されており、一対のウオームホイール46、47は一対のウオーム42、43にそれぞれ噛合されている。一対のウオームホイール46、47には一対の中間ギヤ48、49が軸芯合わせされて一体的にそれぞれ連設されており、一対の中間ギヤ48、49は同一の駆動ギヤ50にそれぞれ噛合されている。
このように駆動ギヤ50をサブシャフト52に軸方向に摺動自在で一体的に回転するように結合することにより、サブシャフト52に加わる軸方向(スラスト方向)の荷重(力)が駆動ギヤ50に伝達されるのを防止することができる。
但し、駆動ギヤ50はサブシャフト52に一体成形してもよい。
深溝玉軸受54はシャフト16のラジアル荷重だけでなくシャフト16のスラスト荷重も支承し得るようにサイズが大きめに設定されており、軸受設置部53は深溝玉軸受54のアウタレースの外周面を摺動させる構造に構成されている。
このようにシャフト16を回転自在に支承するラジアル転がり軸受をサイズが大きめの深溝玉軸受54によって構成し、外周面で摺動し得るように設定することにより、シャフト16のスラスト荷重を支承するスラスト軸受を省略することができる。
ブレーキ機構57はワンウエイクラッチ58を構成するクラッチケース59Aおよびローラ59Bを備えている。
クラッチケース59Aは深溝玉軸受54とハウジング11との間で、深溝玉軸受54側端部が深溝玉軸受54に当接可能に設けられているとともに、ハウジング11と相対移動可能に設けられており、シャフト16の一方向の回転時に一体的に回転する。すなわち、クラッチケース59Aとカラー55との間には複数本のローラ59Bが転動自在に挟設されており、複数本のローラ59Bがクラッチケース59Aの内周面とカラー55の外周面とに楔状に噛合することにより、シャフト16の一方向の回転時にクラッチケース59Aとカラー55とを連結するワンウエイ機構が構成されている。
図5(b)に示されているように、第一ブレーキプレート60Aおよび第二ブレーキプレート60Bは円形リング形状にそれぞれ形成されているとともに、その内周には4条のガイド溝61が周方向に等間隔に配置されて軸方向に延在するようにそれぞれ没設されており、4条のガイド溝61にはクラッチケース59Aの外周の対向部位にそれぞれ突設されたガイド突起62が軸方向に摺動自在にそれぞれ係合している。また、第二ブレーキプレート60Bの外周側はハウジング11のガイド溝65に係合することなく、互いに軸方向および周方向に相対回転可能とされている。
第一ブレーキプレート60Aと第二ブレーキプレート60Bとの間には、固定プレート63が配置されており、固定プレート63はハウジング11と一体回転可能かつ軸方向移動可能でクラッチケース59Aと相対移動自在に設けられている。
図5(a)に示されているように、固定プレート63は円形リング形状に形成されているとともに、その外周には4条のガイド突起64が周方向に等間隔に配置されて軸方向に延在するようにそれぞれ突設されており、4条のガイド突起64はハウジング11の内壁の対向部位にそれぞれ没設されたガイド溝65に軸方向に摺動自在にそれぞれ係合している。また、固定プレート63の内周側はボス部59Cの各ガイド突起62に係合することなく、互いに軸方向および周方向に相対回転可能とされている。
ハウジング11のブレーキ機構57との対向面すなわちハウジング11と第二ブレーキプレート60Bとの対向面には、所定の摩擦力を発揮する円形リング形状の摩擦板66が設けられており、摩擦板66はハウジング11に固定されている。
ブレーキ機構57は、第一ブレーキプレート60Aの片側面と固定プレート63との接触面、固定プレート63と第二ブレーキプレート60Bとの接触面、第二ブレーキプレート60Bと摩擦板66との接触面の3箇所において、所定の摩擦力を発揮するブレーキ面を備えていることになる。
図5(c)は第二ブレーキプレート60Bの詳細図を示している。
図5(c)に示されているように、第二ブレーキプレート60Bは、リング形状に形成されたベースプレート67と、ベースプレート67の固定プレート63との当接面と、摩擦板66との当接面とに一体的にリング形状に設けられ所定の摩擦力を発揮する摩擦板68と、から構成されている。
なお、第一ブレーキプレート60Aにも部品の共通化を図るために、第二ブレーキプレート60Bと同一形状のものが用いられている。第二ブレーキプレート60Bとして用いる場合には、その片側面である固定プレート63との当接面のみが摩擦作用をなすようになっている。
位置検出機構71はハウジング11の内側に固定された一対のブラケット72A、72Aとブラケット72A、72A間に固定された基板72Bとを備えており、基板72Bは位置検出機構設置部70内にシャフト16と平行に固定されている。ブラケット72A、72Aの間には位置検出シャフト73が、シャフト16と平行に軸架された状態でその両端が回転自在に支持されている。位置検出シャフト73は全長がシャフト16よりも短く、雄ねじ部74が略全長にわたって形成されており、雄ねじ部74にはストライカ75が進退自在に螺合されている。すなわち、ストライカ75はハウジング11またはブラケット72に回り止めされた状態で摺動自在に案内されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、雄ねじ部74のピッチはシャフト16の雄ネジ部17のピッチと同じに設定されている。
基板72Bのブラケット72A、72A寄りのそれぞれの位置の両端部には一対の位置検出スイッチ76、77が、位置検出シャフト73に対向するように固定されており、図6に示されているように、一対の位置検出スイッチ76、77はストライカ75の移動両端部の位置をそれぞれ検出するようになっている。すなわち、位置検出シャフト73の基端側端部に配置された位置検出スイッチ(以下、下限スイッチという)76は、位置検出シャフト73の基端側端部に位置するストライカ75を検出し、位置検出シャフト73の先端側端部に配置された位置検出スイッチ(以下、上限スイッチという)77は、位置検出シャフト73の先端側端部に位置するストライカ75を検出するようになっている。
なお、図示しないが、基板72B上にはストライカ75の位置検出に必要なその他の電気素子が配されている。
シャフト16の回転は、原動ギヤ81→従動ギヤ82→第二段原動ギヤ83→第二段従動ギヤ84を経由して減速され、位置検出シャフト73に伝達される。
このシャフト16の正回転時にはワンウエイ機構が働かず、クラッチケース59Aとカラー55すなわちシャフト16との連結が解除されるために、ブレーキ機構57の制動力は起こらない。
なお、回り止め機構はリニアアクチュエータ7がベッド1に取り付けられていない時に移動筒12が回ってしまい、位置検出機構71と移動筒12との位置関係に狂いが出てしまうのを防止するためのものであり、リニアアクチュエータ7がベッド1に取り付いてしまうと、移動筒12がベッド1に固定された状態になるので、不要になる。
ストライカ75が上限位置まで前進すると、上限スイッチ77がストライカ75を検出するので、モータ40は自動的に停止される。
この負荷側逆回転作用力はブレーキ機構57とクラッチケース58とを連結させるように作用するために、第一ブレーキプレート60Aと固定プレート63とのブレーキ面、固定プレート63と第二ブレーキプレート60Bとのブレーキ面および第二ブレーキプレート60Bと摩擦板66とのブレーキ面において、所定の摩擦力がそれぞれ発揮され、シャフト16は逆回転を阻止される。したがって、リニアアクチュエータ7は寝床4の荷重を持ち上げたままの状態で支持することができる。
シャフト16がモータ40によって逆回転されると、ナット19は支持筒13に沿って後退される状態になるために、ナット19に連結された移動筒12は支持筒13に引き込まれて行く。移動筒12の後退によって移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4が倒されて行く。
この際にはシャフト16が逆回転するために、クラッチケース59Aとカラー55とはワンウエイ機構により連結した状態になるが、第一ブレーキプレート60Aと固定プレート63とのブレーキ面、固定プレート63と第二ブレーキプレート60Bとのブレーキ面、第二ブレーキプレート60Bと摩擦板66とのブレーキ面の制動力は、シャフト16の逆回転力よりも僅かに大きく設定されているため、モータ40はこの制動力と逆回転力の差の分だけ駆動すればよく、クラッチケース58はカラー55に対してワンウエイ機構で連結されていても、モータ40は小さな駆動力でシャフト16の逆回転を許容する。
つまり、シャフト16がハウジング11に対して逆回転することにより、ナット19を支持筒13に沿って後退させるので、ナット19に連結された移動筒12を支持筒13に引き込み、移動筒12の連結具25に連結されたベッド1の寝床4を倒して行く。
ストライカ75が下限位置まで前進すると、下限スイッチ76がストライカ75を検出するので、モータ40は自動的に停止される。
但し、寝床4が倒伏した状態で、負荷側逆回転力がシャフト16に常に加わったとしても、シャフト16の逆回転は前述した作用によって防止されることになる。
なお、ブレーキプレートおよび固定プレートの枚数を増加することにより、ブレーキ力は7倍や9倍というように増強することができる。
10…アクチュエータ本体、11…ハウジング、11A…受面、12…移動筒、13…支持筒、14…回り止め部、15…プラグ部、16…シャフト(送りねじ軸)、17…雄ねじ部、18…雌ねじ部、19…ナット、20…回り止め部、23…固定部、25…連結具、26…基端部、27…取付孔、
30…サブハウジング、31…開口部、32…連結具、33…閉塞部、34…ブラケット、35…取付孔、36…モータ装着部、40…モータ、
42、43…ウオーム、44、45…支持軸、46、47…ウオームホイール、48、49…中間ギヤ、50…駆動ギヤ、
52…サブシャフト、53…軸受設置部、54…深溝玉軸受、55…カラー、
57…ブレーキ機構、58…ワンウエイクラッチ、59A…クラッチケース、59B…ローラ、59C…ボス部、
60A…第一ブレーキプレート、60B…第二ブレーキプレート、61…ガイド溝、62…ガイド突起、
63…固定プレート、64…ガイド突起、65…ガイド溝、
66…摩擦板、
67…ベースプレート、68…摩擦板、
69…摩擦部材、
70…位置検出機構設置部、71…位置検出機構、72A…ブラケット、72B…基板、73…位置検出シャフト、74…雄ねじ部、75…ストライカ、76、77…位置検出スイッチ、
80…歯車減速装置、81…原動ギヤ、82…従動ギヤ、83…第二段原動ギヤ、84…第二段従動ギヤ、85…第三段原動ギヤ、86…第三段従動ギヤ、
90…ポテンショセンサ、91…センサ軸、92…ポテンショメータ。
Claims (3)
- ハウジングに連結されたモータと、前記ハウジングに軸受により回転自在に支承された送りねじ軸と、前記モータの出力軸と前記送りねじ軸との間に介設されて前記モータの出力軸の回転を減速して前記送りねじ軸に伝達する減速装置と、前記送りねじ軸に進退自在に螺合されたナットと、該ナットに一体的に移動するように連結された移動筒と、前記送りねじ軸の一端側に配されて前記送りねじ軸の一方向の回転時に前記送りねじ軸と前記ハウジングとの間で制動力を発揮するブレーキ機構と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、
前記ブレーキ機構は、
前記軸受と前記ハウジングとの間で一端側が前記軸受に当接可能に設けられるとともに、前記ハウジングと相対移動可能に設けられ、前記送りねじ軸の一方向の回転時に一体的に回転するクラッチケースと、
前記クラッチケースと前記ハウジングとの間に設けられるとともに、前記クラッチケースと一体回転可能かつ軸方向移動可能で前記ハウジングに対して相対移動自在に設けられた複数のブレーキプレートと、
該複数のブレーキプレートの間に配され、前記ハウジングと一体回転可能かつ軸方向移動可能で前記クラッチケースと相対移動自在に設けられた少なくとも1つの固定プレートと、
前記複数のブレーキプレートと前記固定プレートとの接触面および前記ブレーキプレートと前記ハウジングとの接触面において摩擦力を発揮するブレーキ面と、
から構成されており、
前記クラッチケースと前記ハウジングとの間には、所定の摩擦力を発揮する摩擦部材が設けられている、
ことを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 前記ハウジングの前記ブレーキ機構と対向する面には、所定の摩擦力を発揮する摩擦板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
- 前記ブレーキプレートは、
リング形状に形成されたベースプレートと、
該ベースプレートの前記クラッチケースとの当接面と、前記ハウジングとの当接面とに一体的にリング形状に設けられ、所定の摩擦力を発揮する摩擦板と、
から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアアクチュエータ。
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