JP2019081777A - N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体 - Google Patents

N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】インスリン分泌ペプチドと比較してGLP−1受容体に対し、より大きい解離定数(Kd)を有するインスリン分泌ペプチド誘導体を提供する。【解決手段】インスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端の正電荷が中性pHで中性電荷または実効負電荷に改変されたことを特徴とする。本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、前述のようなN−末端の電荷の改変により、GLP−1受容体からの解離が迅速に進められ、血中安定性を維持しつつ、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて増加したインスリン分泌能と血糖値低下能を示すため、2型糖尿病の治療に非常に有効に用いることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、増加したインスリン分泌活性及び血糖低下能を有するように改変されたインスリン分泌ペプチドの誘導体及びこれを含む薬学的組成物に関し、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端電荷が中性または実効負電荷を有するように改変されたことを特徴とする。
ペプチドは、一般に、安定性が低く、容易に変性され、体内のタンパク質加水分解酵素により分解されてその活性を失い、また、相対的にサイズが小さく、腎臓を通じて容易に除去されるので、薬理学的活性成分としてペプチドを含む医薬品の血中濃度及び力価を維持するためには、ペプチド薬物を患者に頻繁に投与する必要がある。
しかし、ペプチド薬物は、大部分注射剤の形態で患者に投与され、従って、生理活性ペプチドの血中濃度を維持するためには、それだけ頻繁な注射が要求されるが、これは、患者に多大な苦痛を与えるようになる。これらの問題点を克服するために、ペプチド薬物の血中安定性を増加させ、血中薬物濃度を長時間高く持続させて薬効を最大化しようとする努力が活発に進められている。
特に、このようなペプチド薬物の持続型製剤は、ペプチド薬物の安定性を高めると同時に、薬物自体の力価が十分に高く維持されなければならず、患者に免疫反応を誘発してはならない。よって、ペプチド薬物を安定化させ、タンパク質加水分解酵素による分解を抑制するための方法として、タンパク質加水分解酵素に敏感な特定のアミノ酸配列を変更する試みがあった。
例えば、血中グルコース濃度を減少させる作用をして、2型糖尿病の治療効果を有するGLP−1(7−37または7−36アミド)の場合、生理活性半減期が4分以下と非常に短いが、これは、ジペプチジルペプチダーゼ(dipeptidyl pepdidase IV、DPP IV)によるGLP−1の8番目(Ala)と9番目(Asp)のアミノ酸間の切断によるGLP−1の力価喪失に起因する。よって、GLP−1のAlaをGly、LeuまたはD−Alaに置換してDPP IVに対する抵抗性を増加させながら生理活性をそのまま維持するGLP−1誘導体が開発された。また、GLP−1のN−末端アミノ酸Hisは、GLP−1の活性に非常に重要であり、同時に、DPP IVの標的である。よって、N−末端をアルキル基またはアシル基に変更したりHisをN−メチル化(N-methylation)またはα−メチル化(alpha-methylation)させてDPP IV抵抗性を増加させ、生理活性を維持した。しかし、この場合、DPP IV抵抗性の増加により、安定性が良くなることを確認したが、Hisを変化させた誘導体の受容体親和性(receptor affinity)が著しく減少し、同じ濃度でcAMPの分泌能が低下するという問題が報告された(非特許文献1,2)。
また、GLP−1のようなインスリン分泌ペプチドのうち、エキセンディン−4は、DPP IVの基質として作用するGLP−1の配列であるHis−Alaではなく、His−Glyの配列で構成されており、DPP IVに対する抵抗性と共にGLP−1より高い生理活性を有し、従って、GLP−1に比べてより長い体内半減期を有する。しかし、エキセンディン−4の体内半減期がGLP−1より長いと言っても、現在市販されているエキセンディン−4(エクセナチド、exenatide)の場合、患者に1日2回の注射を通じて投与しなければならず、これは、依然として患者に大きな負担となる。
このような背景の下、本発明者らは、インスリン分泌ペプチドの活性及び血中安定性を増加させるために鋭意努力した結果、インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ酸の電荷を改変させた誘導体が、その天然型インスリン分泌ペプチドより優れた薬力学(pharmacodynamics)及び高いインスリン分泌活性を示すという事実を確認し、本発明を完成するに至った。
Gallwitz et al., Regulatory Peptide 79: 93-102, 1999 Gallwitz et al., Regulatory Peptide 86: 103-111, 2000
本発明の目的は、インスリン分泌活性が増加して優れた血糖低下能を持つインスリン分泌ペプチド誘導体を提供することである。
本発明の他の目的は、前記インスリン分泌ペプチド誘導体を有効成分として含有する糖尿病治療用の薬学的組成物を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記インスリン分泌ペプチド誘導体を用いて、糖尿病を治療する方法を提供することである。
前記課題を解決するための一様態として、本発明は、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷(charge)が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を提供する。
本発明の一具体例として、インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基またはアミノ酸残基が中性電荷(neutral charge)または実効負電荷(net negative charge)を有するように改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を提供する。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端ヒスチジン残基のα−アミノ基を除去または置換したり、α炭素を除去することにより、中性または実効負電荷を有するように化学的に改変されたことを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基が除去され;前記N−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換し;前記N−末端アミノ基を2つのメチル基で修飾し;前記N−末端アミノ基をカルボキシル基に置換し;前記N−末端ヒスチジン残基のα炭素を除去してイミダゾールアセチル残基のみを残したり;前記N−末端アミノ基を除去し、C−末端カルボキシル基がプロピルアミド(propylamide)に置換されたもののうちの一つ以上に該当する化学的改変が導入されたことを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジル、ジメチル−ヒスチジル、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル、4−イミダゾアセチル及びβ−カルボキシイミダゾプロピオニルからなる群より選択される物質に置換されたことを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジルに置換され、C−末端カルボキシル基がプロピルアミド(propylamide)に置換されたことを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体におけるインスリン分泌ペプチドは、GLP−1受容体に対して結合能を有することを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体におけるインスリン分泌ペプチドは、配列番号1で表されるGLP−1、配列番号2で表されるエキセンディン−4、配列番号3で表されるエキセンディン−3、配列番号5で表されるオキシントモジュリン、配列番号6で表されるGIPまたはそれらの類似体であることを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、N−末端の電荷の改変により、GLP−1受容体に対して天然型インスリン分泌ペプチドに比べて増加した解離定数(Kd)を有することを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1、エキセンディン−4、エキセンディン−3、オキシントモジュリン、GIPまたはその類似体のN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジル、ジメチル−ヒスチジル、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル、4−イミダゾアセチルまたはβ−カルボキシイミダゾプロピオニルに置換されたことを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1、エキセンディン−4、エキセンディン−3、オキシントモジュリン、GIPまたはその類似体のN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジルに置換され、C−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換されたことを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去したデスアミノ−ヒスチジル−エキセンディン−4(desamino-histidyl-exendin-4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換したβ−ヒドロキシイミダゾプロピオニル−エキセンディン−4(beta-hydroxy imidazopropionyl-exendin-4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基をカルボキシル基に置換したβ−カルボキシイミダゾプロピル−エキセンディン−4(beta-carboxyimidazopropionyl-exendin-4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基を2つのメチル基で修飾したジメチル−ヒスチジル−エキセンディン−4(dimethyl-histidyl-exendin-4);及びエキセンディン−4の1番目のアミノ酸であるヒスチジンのα炭素を除去したイミダゾアセチル−エキセンディン−4(imidazoacetyl-exendin-4)からなる群より選択されることを特徴とする。
さらに他の一具体例として、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去し、そのC−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換されたDA−エキセンディン−4−プロピル−アミド(DA-Exendin-4-propyl-amide)であることを特徴とする。
本発明の他の態様として、前述のようなN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を有効成分として含む糖尿病治療用の薬学的組成物を提供する。
本発明のさらに他の態様として、前述のようなN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を、これを必要とする対象に治療学的有効量で投与することを含む、対象から糖尿病を治療する方法を提供する。
本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1受容体から迅速に解離され、前記受容体によるインスリン分泌ペプチドの消去(clearance)を防止することができ、脱感作(desensitization)を少なく発現させ得る。また、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、前述のGLP−1受容体に対する結合力の変化により、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて増加したインスリン分泌活性及び生体内(in vivo)における血糖低下能を示し、糖尿病の治療に非常に有効に用いることができる。
GLP−1受容体に対する本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の濃度別結合曲線を示したものであり、図1aは天然型エキセンディン−4の結果である。 GLP−1受容体に対する本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の濃度別結合曲線を示したものであり、図1bはCA−エキセンディン−4の結果である。 GLP−1受容体に対する本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の濃度別結合曲線を示したものであり、図1cはDA−エキセンディン−4の結果である。 GLP−1受容体に対する本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の濃度別の結合曲線を示したものであり、図1dはDA−エキセンディン−4プロピル−アミドの結果である。 GLP−1受容体に対する本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の濃度別の結合曲線を示したものであり、図1eはHY−エキセンディン−4の結果である。 天然型エキセンディン−4と本発明によるN−末端の電荷が改変されたCA−エキセンディン−4誘導体のインスリン分泌活性を測定した結果である。 天然型エキセンディン−4と本発明によるN−末端の電荷が改変されたCA−エキセンディン−4誘導体の血糖低下能力を糖尿病モデル動物で測定した結果である。
本発明は、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体に関するものである。
本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷を改変させて受容体との迅速な解離を引き起こすことを特徴とする。
本発明における用語「インスリン分泌ペプチド誘導体」とは、固有のインスリン分泌機能を保持しつつ、化学的、遺伝的または物理的な操作により、天然型インスリン分泌ペプチド、その類似体または断片のN−末端の電荷が正電荷から中性または実効負電荷を有するように改変されたことを指す。
具体的には、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、中性pHにおいてインスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基またはアミノ酸残基が中性または実効負電荷を有するように化学的に改変されることが望ましい。より好ましくは、本発明によるインスリン分泌ペプチドのN−末端の1番目のアミノ酸残基の正電荷が中性または実効負電荷に変換された誘導体である。
本発明における用語「インスリン分泌ペプチド」とは、インスリン分泌機能を有するペプチドであり、膵臓のβ細胞におけるインスリンの合成及び発現を刺激する。本発明に適したインスリン分泌ペプチドは、GLP−1受容体と結合して生理的活性を示すものであれば、その種類に制限なく使用することができ、非制限的な例として、配列番号1のGLP−1(7−37)、配列番号2のエキセンディン−4、配列番号3のエキセンディン−3、配列番号5のオキシントモジュリン(oxyntomodulin)、配列番号6のグルコース−依存性インスリン分泌ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptide、GIP)、これらの類似体または断片であってもよい。
本発明における用語「インスリン分泌ペプチドの類似体」とは、天然型インスリン分泌ペプチドとアミノ酸配列が一つ以上異なるペプチドであって、インスリン分泌機能を有するペプチドを意味する。好ましくは、本発明によるインスリン分泌ペプチドの類似体は、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて、アミノ酸配列において少なくとも80%以上の相同性を示すポリペプチドを指すものであり、アミノ酸残基の一部の基が、化学的に置換(例えば、alpha-methylation、alpha-hydroxylation)、除去(例えば、deamination)または修飾(例えば、N-methylation)された形態であってもよい。
発明の好ましい一実施形態において、インスリン分泌ペプチドの類似体は、インスリン分泌機能が天然型インスリン分泌ペプチドと比較して同等またはそれ以上を示すことを意味するが、本発明によるインスリン分泌ペプチドの類似体の範囲は、必ずしもその程度のレベルのインスリン分泌機能を有するものに限定されるわけではない。
本発明における用語「インスリン分泌ペプチドの断片」とは、インスリン分泌機能を有しつつ、天然型インスリン分泌ペプチドのN−末端またはC−末端に一つまたはそれ以上のアミノ酸が追加または除去された形態を意味し、追加されたアミノ酸は、天然に存在しないアミノ酸(例えば、D型アミノ酸)も可能である。
GLP−1は、小腸から分泌されるホルモンであって、一般に、インスリンの生合成及び分泌を促進し、グルカゴンの分泌を抑制し、細胞内のグルコースの吸収を促進する。小腸においてグルカゴン前駆体は、3つのペプチド、すなわち、グルカゴン、GLP−1及びGLP−2に分解される。ここで、GLP−1は、GLP−1(1〜37)を意味し、インスリン分泌機能がない形態であり、GLP−1(7−37)の形態にプロセシングされて活性型GLP−1(7−37)になる。GLP−1(7−37)は、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する。
好ましくは、GLP−1類似体は、Arg34−GLP−1(7−37)、Gly−GLP−1(7−36)−アミド、Gly−GLP−1(7−37)、Val−GLP−1(7−36)−アミド、Val−GLP−1(7−37)、ValAsp22−GLP−1(7−36)−アミド、ValAsp22−GLP−1(7−37)、ValGlu22−GLP−1(7−36)−アミド、ValGlu22−GLP−1(7−37)、ValLys22−GLP−1(7−36)−アミド、ValLys22−GLP−1(7−37)、ValArg22−GLP−1(7−36)−アミド、ValArg22−GLP−1(7−37)、ValHis22−GLP−1(7−36)−アミド、ValHis22−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22−GLP−1(7−37)、ValGlu22Val25−GLP−1(7−37)、ValTyr16Glu22−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22−GLP−1(7−37)、ValLeu16Glu22−GLP−1(7−37)、ValTyr18Glu22−GLP−1(7−37)、ValGlu22His37−GLP−1(7−37)、ValGlu22Ile33−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22Val25Ile33−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22Ile33−GLP−1(7−37)、ValGlu22Val25Ile33−GLP−1(7−37)、及びValTrp16Glu22Val25−GLP−1(7−37)からなる群より選択されるものであってもよいが、これらに限定されるものではない。
さらに他の類型のインスリン分泌ペプチドとしてエキセンディン−4は、アミノ酸配列においてGLP−1と53%の類似性を示す39個のアミノ酸からなるポリペプチドであって、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する。エキセンディン−3は配列番号3で表されるアミノ酸配列を有するが、エキセンディン−4と、2位及び3位のアミノ酸のみが異なるエキセンディン−4の類似体である。エキセンディン−3は、エキセンディン−4の2位及び3位のアミノ酸がそれぞれセリン及びアスパラギン酸に置換されたもので、SerAsp−エキセンディン−4(1−39)で表してもよい。さらに他のエキセンディン−4の類似体としてエキセンディン−4の38位及び39位のアミノ酸がそれぞれセリンとリジンに置換されたZP−10は、Ser38Lys39−エキセンディン−4(1−39)−LysLysLysLysLys−アミドで表され、配列番号4のアミノ酸配列を有する。
オキシントモジュリン(oxyntomodulin)は、グルカゴンの前駆体であるプレグルカゴン(pre−glucagon)から作られるペプチドであって、GLP−1と共に栄養素の摂取に比例して小腸のL細胞から放出される。オキシントモジュリンは、配列番号5で表される37個のアミノ酸からなるペプチドホルモンであって、食物摂取の阻害、満腹感の増進効果とグルカゴンの脂肪分解機能を示す。
グルコース−依存性インスリン分泌ポリペプチド(GIP)は、腸内栄養分の吸収に反応してグルコース濃度依存的に膵臓のインスリンの分泌を調節するインクレチン(incretin)であり、配列番号6として記載されている42個のアミノ酸からなり、小腸のK細胞から分泌される。GIPはβ細胞においてグルコース依存的にインスリン分泌を刺激するだけでなく、インスリンの合成を促進し、β細胞の増殖を誘導し、死滅には抑制的な効果を有している。
前記のような天然型インスリン分泌ペプチド、その類似体または断片においてそれぞれ用いられた製造方法は、単独で用いられてもよく、組み合わせも可能である。例えば、アミノ酸配列が一つ以上異なり、N−末端アミノ酸残基に脱アミノ化(deamination)されたインスリン分泌ペプチドも含まれる。
具体的な一態様として、本発明で用いた天然型インスリン分泌ペプチドと改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、固相(Solid phase)合成法を通じて合成することができ、天然型インスリン分泌ペプチドを含む大部分の天然型ポリペプチドは、組換え方法でも生産可能である。
前記GLP−1、エキセンディン−4、エキセンディン−3、オキシントモジュリンまたはGIPの類似体は、天然型のGLP−1、エキセンディン−4またはエキセンディン−3の一つ以上のアミノ酸が置換、欠失、及び/または付加されたものであるか、または一つ以上のアミノ酸残基が、例えば、アルキル化、アシル化、エステル化形成またはアミド形成などにより化学的に改変されたペプチドを指し、天然型のインスリン分泌活性を有するものをいう。
このようなGLP−1、エキセンディン−3またはエキセンディン−4類似体については、GLP−1またはエキセンディン−4のC−末端を一部除去したり、非天然型アミノ酸であるノルロイシン(norleucine)に置換したエキセンディン改変体に関するWO97/46584;ペンチルグリシン(pentylglycine)、ホモプロリン(homoproline)、3級−ブチルグリシン(tert-butylglycine)のように、非天然型アミノ酸を含むエキセンディンのアミノ酸を置換した改変体に関するWO99/07404;エキセンディン−4のC−末端アミノ酸残基の一部を切断して天然型よりも短いアミノ酸配列で構成されるようにしたり、他のアミノ酸に置換したエキセンディン改変体に関するUS2008/0119390などに開示されており、これらは参考文献として本明細書に併合される。
本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、前記のような天然型インスリン分泌ペプチド、その類似体または断片のN−末端アミノ基またはアミノ酸残基が中性または実効負電荷を有するように改変されることを特徴とする。
好ましくは、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端の1番目のアミノ酸残基の正電荷が中性または実効負電荷を有するように化学的に改変された誘導体である。
前記のように、N−末端が中性または実効負電荷を有するように改変された本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、天然型インスリン分泌ペプチドに比べてGLP−1受容体に対し、より高い解離定数(Kd)を有することを特徴とする。好ましくは、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて2倍以上、さらに好ましくは3倍以上、最も好ましくは6倍以上に増加したGLP−1受容体に対する解離定数(Kd)を有するように改変されたものであるが、これに限定されるものではない。
インスリン分泌ペプチドのN−末端正電荷が中性または実効負電荷に変換された本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、当該分野において公知となった多様な方法により製造することができ、好ましくは、正電荷を有するインスリン分泌ペプチドのN−末端ヒスチジン残基のα−アミノ基を除去または置換したり、α炭素を除去することにより、中性または実効負電荷を有するように改変させることができる。
さらに好ましくは、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体には、インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基が除去された誘導体(desamino-histidyl derivative);そのN−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換した誘導体(beta-hydroxy imidazopropionyl-derivative);そのN−末端アミノ基を2つのメチル(methyl)残基で修飾した誘導体(dimethyl-histidyl-derivative);そのN−末端アミノ基をカルボキシル基に置換した誘導体(beta-carboxy imidazopropionyl-derivative);そのN−末端ヒスチジン残基のα炭素を除去してイミダゾアセチル(imidazoacetyl)基のみを残した誘導体(imidazoacetyl-derivative)などが含まれてもよく、N−末端の正電荷を中性または実効負電荷に改変させることのできるものであれば、任意の形態のアミノ−末端アミノ基改変誘導体もまた本発明の範疇に属する。
前記のように、N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、下記構造式で表すことができる。
さらに、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体には、N−末端アミノ基を除去した前記デスアミノ−ヒスチジル−誘導体のC−末端カルボキシル基がプロピルアミド(propylamide)に置換された誘導体が含まれてもよい。
前記のように、N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、下記構造式で表すことができる。
さらに好ましくは、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1、エキセンディン−4、エキセンディン−3、オキシントモジュリン、GIP、その類似体または断片のN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジル、ジメチル−ヒスチジル、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル、4−イミダゾアセチルまたはβ−カルボキシイミダゾプロピオニルに置換され、N−末端の電荷が改変されたものであってもよい。
発明の一実施態様において、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、下記化学式1で表すことができる。
R1−X−R2〈化学式1〉
前記式において、R1は、デス−アミノ−ヒスチジル、ジメチル−ヒスチジル、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル、4−イミダゾアセチル及びβ−カルボキシイミダゾプロピオニルからなる群より選択され、
R2は、−NHまたは−OHであり、
Xは、Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg Gly;
Ser Asp Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn Gly Gly Pro Ser Ser Gly Ala Pro Pro Pro Ser;
Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Leu Ser Lys Gln Met Glu Glu Glu Ala Val Arg Leu Phe Ile Glu Trp Leu Lys Asn Gly Gly Pro Ser Ser Gly Ala Pro Pro Pro Ser;または
Ser Gln Gly Thr Phe Thr Ser Asp Tyr Ser Lys Tyr Leu Asp Ser Arg Arg Ala Gln Asp Phe Val Gln Trp Leu Met Asn Thr Lys Arg Asn Arg Asn Asn Ile Alaである。
発明の好ましい実施態様において、前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、エキセンディン−4のN−末端電荷が改変された誘導体であって、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去したデスアミノ−ヒスチジル−エキセンディン−4(desamino-histidyl-exendin-4、DA−エキセンディン−4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換したβ−ヒドロキシイミダゾプロピオニル−エキセンディン−4(beta-hydroxy imidazopropionyl-exendin-4、HY−エキセンディン−4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基をカルボキシル基に置換したβ−カルボキシイミダゾプロピル−エキセンディン−4(beta-carboxyimidazopropionyl-exendin-4、CX−エキセンディン−4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基を2つのメチル基で修飾したジメチル−ヒスチジル−エキセンディン−4(dimethyl-histidyl-exendin-4、DM−エキセンディン−4);またはエキセンディン−4の1番目のアミノ酸であるヒスチジンのα炭素を除去したイミダゾアセチル−エキセンディン−4(imidazoacetyl-exendin-4、CA−エキセンディン−4)であってもよい。
また、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1、エキセンディン−4、エキセンディン−3、オキシントモジュリン、GIP、この類似体または断片のN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジルに置換され、そのC−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換されたものであってもよい。
発明の他の実施態様において、前記N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体には、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去したデスアミノ−ヒスチジル−エキセンディン−4(DA−エキセンディン−4)のC−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換されたDA−エキセンディン−4プロピル−アミド(DA-Exendin-4-propyl-amide)が含まれてもよい。
前記誘導体は、アミノ−末端ヒスチジン残基のα−アミノ基を除去または置換したりα炭素を除去したものであり、その他のアミノ酸配列は、生理学的活性が維持される限り、特に限定されない。
前記エキセンディン−4誘導体のように、他の種類のインスリン分泌ペプチド、例えば、エキセンディン−3、GLP−1、オキシントモジュリン及びGIPのN−末端にも、このような置換または除去が全て適用され得、インスリン分泌活性が維持される限り、この類似体及び断片にも全て適用され得る。
本発明のインスリン分泌ペプチド誘導体において、N−末端の正電荷の中性または実効負電荷への改変は、GLP−1受容体との解離を迅速に誘導し、前記受容体によるインスリン分泌ペプチドの消去(clearance)を防止することができ、脱感作(desensitization)を少なく発現させて、優れた生理活性を示すことができる。
また、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷が中性または実効正電荷に変換されてGLP−1受容体に対する結合力の変化によりインスリン分泌活性が天然型インスリン分泌ペプチドに比べて増加され、生体内(in vivo)において優れた血糖低下能を示すことができる。
本発明の一実施例では、インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ酸の正電荷を中性または実効負電荷に改変させたインスリン分泌ペプチド誘導体がGLP−1受容体に対して天然型インスリン分泌ペプチドより高い解離定数(Kd)を有し、これにより、GLP−1受容体との頻繁な結合/解離を繰り返すことを確認した(実施例1を参照)。また、前記N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、電荷が改変されていない天然型インスリン分泌ペプチドに比べて約2倍程度増加したインスリン分泌活性を示し(実施例2を参照)、糖尿病動物モデル(db/dbマウス)において、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて約5倍程度増加した血糖低下能を示した(実施例3を参照)。
従って、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷が改変された本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1受容体に対する解離定数が増加し、すなわち、GLP−1受容体からの解離が増加し、優れた血中安定性とインスリン分泌能を示すことが分かる。
前述のように、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷を中性または実効負電荷に変換させると、GLP−1受容体との結合力、特に、前記受容体からの解離が増加し、インスリン分泌ペプチドの生物学的活性を増加させることができるという事実を、本発明で初めて解明した。従って、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体の優れた血中安定性及びインスリン分泌活性は、2型糖尿病の治療効果を最大化するのに有用なものである。
本発明の他の態様として、インスリン分泌ペプチドのN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を有効成分として含有する糖尿病治療用薬学的組成物を提供する。
N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体に関する説明は、前述の通りである。
本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて高いインスリン分泌活性及び血糖低下能を有しているので、優れた糖尿病治療薬として用いることができる。
本発明の糖尿病治療用の薬学的組成物は、糖尿病治療が必要な個体に投与することにより、糖尿病を効果的に治療することができる。
従って、本発明の範囲には、前述のようなN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を、これを必要とする対象に治療学的有効量で投与することを含む、対象から糖尿病を治療する方法が含まれる。
本発明における用語「治療」とは、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体またはこれを含む薬学的組成物の投与により糖尿病の症状が好転したり、有利に変更されるすべての行為を意味する。
本発明における用語「投与」とは、任意の適切な方法で対象に所定の物質、すなわち、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体またはこれを含む薬学的組成物を導入することを意味し、その投与経路は、薬物が目的の組織に到達できる限り、如何なる一般的な経路を通じて投与してもよい。例えば、投与経路は、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、局所投与、鼻内投与、肺内投与、直腸内投与などであってもよいが、これらに限定されるものではない。しかし、経口投与の際に、ペプチドは、消化されるため、経口用組成物は、活性薬剤をコーティングしたり、胃による分解から保護できるように剤形化するのが望ましい。好ましくは、注射剤の形態で投与してもよい。また、薬学的組成物は、活性物質が標的細胞に移動することのできる任意の装置により投与することができる。
本発明の誘導体を含む薬学的組成物は、薬剤学的に許容可能な担体を含むことができる。薬剤学的に許容可能な担体としては、経口投与用の場合には、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、賦形剤、可溶化剤、分散剤、安定化剤、懸濁化剤、色素、香料などを用いることができ、注射剤の場合には、緩衝剤、保存剤、無痛化剤、可溶化剤、等張化剤、安定化剤などを混合して用いてもよく、局所投与用の場合には、基剤、賦形剤、潤滑剤、保存剤などを用いてもよい。本発明の薬学的組成物の剤形は、前述のように、薬剤学的に許容可能な担体と混合して多様に製造することができる。例えば、経口投与用の場合には、錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、サスペンション、シロップ、ウェーハなどの形態で製造することができ、注射剤の場合には、単位投薬アンプルまたは多数回投薬の形態で製造することができる。その他の溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、徐放性製剤などに剤形化することができる。
一方、製剤化に適した担体、賦形剤及び希釈剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシア、アルギン酸、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたは鉱物油などが用いられる。また、充填剤、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、防腐剤などがさらに含まれてもよい。
本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体またはこれを含む薬学的組成物は、治療学的有効量で投与される。本発明における用語「治療的有効量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量のレベルは、患者の疾患の種類、重症度、薬物の活性、薬物に対する感受性、投与時間、投与経路及び排出率、治療期間、同時に使用される薬剤を含む要素及びその他の医学分野において公知の要素に応じて決定することができる。本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体またはこれを含む薬学的組成物は、治療薬を個別投与するか、または他の治療薬と併用投与してもよく、従来の治療剤と順次または同時に投与してもよく、単一または複数回投与してもよい。前述の要素を全て考慮し、副作用のない最小限の量で最大の効果が得られる量を投与することが重要であり、これは、当業者によって容易に決定することができる。
本発明の薬学的組成物の投与量と回数は、治療する疾患、投与経路、患者の年齢、性別、及び体重及び疾患の重症度などの様々な関連因子と共に、活性成分である薬物の種類に応じて決定される。本発明の薬学的組成物は、生体内において持続性と力価に優れているため、本発明による薬学的製剤の投与回数及び頻度を大幅に減らすことができる。
本発明における用語「対象」とは、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、七面鳥、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギまたはモルモットが含まれるが、これらに限定されない動物を意味し、一実施例では哺乳類を、さらに他の実施例ではヒトを意味する。
発明の実施形態
以下、下記の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、下記実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらに限定されるものではない。
実施例1:N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体のGLP−1受容体に対する結合力の比較
GLP−1受容体とN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の結合力を表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance:SPR)装置(BIACORE 3000、GE Healthcare)を用いて測定した。この際、N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体としてCA−エキセンディン−4(CA-Exendin-4)、DA−エキセンディン−4(DA-Exendin-4)、HY−エキセンディン−4(HY-Exendin-4)及びDA−エキセンディン−4プロピル−アミド(DA-Exendin-4-propyl-amide)を用いた。前記CA−エキセンディン−4は、エキセンディン−4のN−末端ヒスチジン残基のα炭素を除去した誘導体であり;DA−エキセンディン−4は、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去した誘導体であり;HY−エキセンディン−4は、エキセンディン−4のN−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換した誘導体であり;DA−エキセンディン−4プロピル−アミドは、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去し、C−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換された誘導体である。さらに、対照群として天然型エキセンディン−4(exenatide:Byetta)を用いた。N−末端の電荷が改変されたエキセンディン−4誘導体は、American Peptide Corporation社により合成し、天然型エキセンディン−4は、Amylin Pharmaceuticals社より入手した。
CHO−DG44細胞でGLP−1受容体をhGLP−1R/GST形態として発現させ、発現したhGLP−1R/GSTをCM5チップにアミン結合法(amine coupling)により固定化した。hGLP−1R/GSTが固定されたCM5チップに前記N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体を濃度別に希釈した後に添加し、GLP−1受容体との結合力を測定した。この際、N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体とGLP−1受容体との間の結合力は、1:1ラングミュア適合モデル(Langmuir fitting model)に基づいて分析し、その結果を図1a〜1eと下記表1に示した。
前記表1及び図1a〜1eに示すように、天然型エキセンディン−4のN−末端は、正電荷を帯びる一方、この電荷が中性電荷に変換されたエキセンディン−4誘導体は、天然型エキセンディン−4より顕著に増加した解離定数(kd)を有することが確認された。前記結果は、GLP−1受容体とN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の間に、より頻繁な結合/解離が繰り返して起こり得ることを示す。
GLP−1受容体に対するこれらの薬物動態学的変化は、前記受容体によるインスリン分泌ペプチド誘導体の消去を防止することができ、脱感作を少なく発現させて血中安定性の増加に有利である。
実施例2:N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体のインスリン分泌活性の測定
RINm5F細胞を対象に、N−末端の電荷が改変されたエキセンディン−4誘導体のインスリン分泌活性(insulinotropic activity)を比較した。解凍後、1回以上継代培養したRINm5F細胞を96ウェルプレートに1×10細胞/ウェルになるようにFBS(Gibco、#11082)含有培養培地と共に接種し、37℃、5%COインキュベーターで48時間培養した。インスリン分泌活性の測定のために、培養したRINm5F細胞の培地を0.5%FBS含有培地に交換した後、さらに1時間培養した。
前記実施例1と同様にN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体と天然型エキセンディン−4(exenatide:Byetta)をそれぞれ0.5%FBSとグルコースを含有した培養培地で希釈し、10nM〜0.001nMまで準備した。この際、エキセンディン−4を含有していない培養培地を対照群として用いた。培養されたRINm5F細胞の培地を全て除き、準備した試料を添加した後、37℃、5%COインキュベーターで1時間培養した後、各ウェルの培地を全て回収した。ラットインスリンELISAキット(Mercodia社)を用いて回収した培地のインスリン濃度を測定し、その結果を図2及び表2に示した。
前記表2及び図2に示したように、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、同一濃度の範囲で天然型エキセンディン−4より約1.25倍程度優れたインスリン分泌活性を示すことが確認された。
実施例3:N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の生体内における活性の比較
N−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体の生体内(in vivo)における活性を測定するために、糖尿病モデル動物において、これらの血糖低下能を天然型エキセンディン−4と比較した。db/dbマウス(Jackson Lab、10−12週齢)を2時間絶食させた後、0.01〜1000mcg/kgの天然型エキセンディン−4(exenatide:Byetta)とN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体をそれぞれ皮下経路を通じて投与した。この際、対照群としてビークル(vehicle)を同様に投与し、各投与濃度別の投与薬物による血糖値の変化を、ビークルに対する%の変化値で計算した。
薬物投与1時間後に尾部から血液を採取して血糖値測定器で血糖値を測定し、各投与濃度におけるビークルに対する血糖値低下の効果は、プリズム(Prism)プログラムを用いてその活性(ED50)を求めた。
前記表3及び図3で示したように、糖尿病モデル動物において、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、天然型エキセンディン−4より約5倍程度増加した血糖低下能を示した。
前記の結果から、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1受容体に対する解離定数の増加により、GLP−1受容体からの解離が迅速に進められ、天然型インスリン分泌ペプチドに比べて優れた血中安定性を示したことから、増加したインスリン分泌能及び血糖低下能を示すことが分かった。従って、本発明によるインスリン分泌ペプチド誘導体は、2型糖尿病の治療に非常に有効に用いることができる。
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることを理解できるであろう。これに関連し、以上で記述した実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないものとして理解されるべきである。本発明の範囲は、前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その等価の概念から導き出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1受容体から迅速に解離され、前記受容体によるインスリン分泌ペプチドの消去(clearance)を防止することができ、脱感作(desensitization)を少なく発現させる。また、本発明によるN−末端の電荷が改変されたインスリン分泌ペプチド誘導体は、前述のGLP−1受容体に対する結合力の変化により天然型インスリン分泌ペプチドに比べて増加したインスリン分泌活性及び生体内(in vivo)における血糖低下能を示すことから、糖尿病の治療に非常に有効に用いることができる。

Claims (18)

  1. インスリン分泌ペプチドと比較してGLP−1受容体に対し、より大きい解離定数(Kd)を有するインスリン分泌ペプチド誘導体の製造方法であって、前記インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基またはN−末端アミノ酸残基の正電荷を中性または実効負電荷に改変することを含む方法。
  2. 前記インスリン分泌ペプチドは、そのN−末端残基がヒスチジンであり、前記改変は、前記ヒスチジン残基のα−アミノ基を除去または置換すること、あるいはα炭素を除去することにより、中性または実効負電荷を有するように改変したものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記改変は、前記インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基を除去すること;前記N−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換すること;前記N−末端アミノ基を2つのメチル基で修飾すること;前記N−末端アミノ基をカルボキシル基に置換すること;前記N−末端ヒスチジン残基のα炭素を除去してイミダゾールアセチル残基のみを残すこと;及び、前記N−末端アミノ基を除去し、C−末端のカルボキシル基をプロピルアミド(propylamide)に置換することのうちの一つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記インスリン分泌ペプチドのN−末端残基がデス−アミノ−ヒスチジル、ジメチル−ヒスチジル、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル、4−イミダゾアセチル及びβ−カルボキシイミダゾプロピオニルからなる群より選択される物質に置換される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記インスリン分泌ペプチドのN−末端残基がデス−アミノ−ヒスチジルに置換され、C−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1受容体に対する結合活性を有するものである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記インスリン分泌ペプチドは、配列番号1で表されるGLP−1、配列番号2で表されるエキセンディン−4、配列番号3で表されるエキセンディン−3、配列番号5で表されるオキシントモジュリン、または配列番号6で表されるGIPである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記インスリン分泌ペプチドは、GLP−1類似体であって、Arg34−GLP−1(7−37)、Gly−GLP−1(7−36)−アミド、Gly−GLP−1(7−37)、Val−GLP−1(7−36)−アミド、Val−GLP−1(7−37)、ValAsp22−GLP−1(7−36)−アミド、ValAsp22−GLP−1(7−37)、ValGlu22−GLP−1(7−36)−アミド、ValGlu22−GLP−1(7−37)、ValLys22−GLP−1(7−36)−アミド、ValLys22−GLP−1(7−37)、ValArg22−GLP−1(7−36)−アミド、ValArg22−GLP−1(7−37)、ValHis22−GLP−1(7−36)−アミド、ValHis22−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22−GLP−1(7−37)、ValGlu22Val25−GLP−1(7−37)、ValTyr16Glu22−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22−GLP−1(7−37)、ValLeu16Glu22−GLP−1(7−37)、ValTyr18Glu22−GLP−1(7−37)、ValGlu22His37−GLP−1(7−37)、ValGlu22Ile33−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22Val25Ile33−GLP−1(7−37)、ValTrp16Glu22Ile33−GLP−1(7−37)、ValGlu22Val25Ile33−GLP−1(7−37)、及びValTrp16Glu22Val25−GLP−1(7−37)からなる群より選択されるものである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記インスリン分泌ペプチドは、配列番号4のZP−10(Ser38Lys39−エキセンディン−4(1〜39)−LysLysLysLysLys−アミド)であるエキセンディン−4の類似体である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、下記化学式1で表されるものである、請求項4に記載の方法:
    R1−X−R2〈化学式1〉
    前記式において、R1は、デス−アミノ−ヒスチジル、ジメチル−ヒスチジル、β−ヒドロキシイミダゾプロピオニル、4−イミダゾアセチル及びβ−カルボキシイミダゾプロピオニルからなる群より選択され、
    R2は、−NHまたは−OHであり、
    Xは、Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Gly;
    Ser−Asp−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser;
    Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser;または
    Ser−Gln−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Tyr−Ser−Lys−Tyr−Leu−Asp−Ser−Arg−Arg−Ala−Gln−Asp−Phe−Val−Gln−Trp−Leu−Met−Asn−Thr−Lys−Arg−Asn−Arg−Asn−Asn−Ile−Alaである。
  11. 前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、GLP−1、エキセンディン−4、エキセンディン−3、オキシントモジュリン、またはGIPのN−末端ヒスチジン残基がデス−アミノ−ヒスチジルに置換され、C−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換されたものである、請求項5に記載の方法。
  12. 前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去したデスアミノ−ヒスチジル−エキセンディン−4(desamino-histidyl-exendin-4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基をヒドロキシル基に置換したβ−ヒドロキシイミダゾプロピオニル−エキセンディン−4(beta-hydroxy imidazopropionyl-exendin-4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基をカルボキシル基に置換したβ−カルボキシイミダゾプロピオニル−エキセンディン−4(beta-carboxyimidazopropionyl-exendin-4);エキセンディン−4のN−末端アミノ基を2つのメチル基で修飾したジメチル−ヒスチジル−エキセンディン−4(dimethyl-histidyl-exendin-4);及びエキセンディン−4の1番目のアミノ酸であるヒスチジンのα炭素を除去したイミダゾアセチル−エキセンディン−4(imidazoacetyl-exendin-4)からなる群より選択されるものである、請求項10に記載の方法。
  13. 前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、エキセンディン−4のN−末端アミノ基を除去し、そのC−末端カルボキシル基がプロピルアミドに置換されたDA−エキセンディン−4プロピルアミド(DA-Exendin-4-propyl-amide)である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記インスリン分泌ペプチド誘導体は、前記インスリン分泌ペプチドよりも脱感作(desensitization)を低下させるか、GLP−1受容体による消去(clearance)を防止するか、またはこれらの両方である、請求項1に記載の方法。
  15. インスリン分泌ペプチドのGLP−1受容体に対する解離定数(Kd)を増大させる方法であって、前記インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基またはN−末端アミノ酸残基の正電荷を中性または実効負電荷に改変することを含む方法。
  16. 前記改変されたインスリン分泌ペプチドは、脱感作(desensitization)を低下させるか、GLP−1受容体による消去(clearance)を防止するか、またはこれらの両方である、請求項15に記載の方法。
  17. インスリン分泌ペプチドによるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体の脱感作(desensitization)を低下させる方法であって、前記インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基またはN−末端アミノ酸残基の正電荷を中性または実効負電荷に改変することを含む方法。
  18. グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体によるインスリン分泌ペプチドの消去(clearance)を防止する方法であって、前記インスリン分泌ペプチドのN−末端アミノ基またはN−末端アミノ酸残基の正電荷を中性または実効負電荷に改変することを含む方法。
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