JP2019081588A - 電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸通安定性に優れた電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体を提供する。【解決手段】ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂からなるフィルムであって、当該フィルムの流れ方向の破断点伸度が、電子レンジの加熱温度において低い。具体的には、80℃において60〜100%である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体に関する。より詳しくは、電子レンジ加熱時の蒸通安定性に優れたシーラントフィルム及び積層体に関する。
冷凍食品、チルド食品やレトルト食品等は、プラスチックフィルムの積層体からなる包装材料で作製された包装袋や、その包装材料を蓋材として用いた容器に収容されて密封された形態で広く流通されている。これらの包装袋又は包装容器入りの食品を食事に供する前に電子レンジで加熱するときには、密封されたままの包装袋又は包装容器を電子レンジで加熱すると、包装袋内の空気の膨張や水分の沸騰、膨張により予期せず破裂するおそれがある。そこで、内容物を収容したまま電子レンジで加熱しても破裂しないような電子レンジ用容器について研究開発が進められている。
電子レンジ対応包装袋に関し、耐熱性基材層とシーラント層からなる電子レンジ対応包装材料の当該シーラント層同士を対向させて互いにシールして作製され、耐熱性基材層とシーラント層との間に、室温以下の温度で所定の強度を有し、高温の温度でその強度が低下する樹脂層が、部分的に形成されたものがある(特許文献1)。特許文献1の包装袋は、室温以下のときには、包装袋をシールし得る所定の強度を有するので内容物が包装袋から出ることが防止され、電子レンジにより加熱されて包装袋内で空気が膨張したり内容物中の水分が沸騰し水蒸気が発生し膨張したりすることによって内圧が上昇したときには、上記樹脂層に接しているシーラント層のある箇所が破断し、この箇所を起点として、高温で強度が低下した樹脂層が破壊され、その樹脂層の破壊領域が樹脂層に沿って進展し包装袋の表面まで達する。その結果、シーラント層と耐熱性基材層との間に、包装袋の内側から外側に向かう蒸通孔が形成され、この蒸通孔を通して包装袋内の空気や水蒸気が包装袋外に抜けるので、包装袋の予期しない破裂を防止することができる。
特許第4501019号明細書
特許文献1に記載の包装材料を用いた包装袋は、蒸通孔の形成が、シーラント層の破断が起点となっていることから、所定の内圧が加わったときに、確実にシーラント層が破断することが求められている。ここに、シーラント層の材料が、同種の材料であって、密度、MFR、融点及び破断強度が同等であるにもかかわらず、そのシーラント層の材料が製造された工場の相違によって、包装袋に使用したときにシーラント層が電子レンジの加熱で必ずしも確実に破断しないことがあり、蒸通安定性に改良の余地があった。しかし、蒸通安定性に関連したシーラント層の改良技術は、これまで見られなかった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、蒸通安定性に優れた電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体を提供することを目的とする。
発明者らは、蒸通安定性は、シーラント層の材料の密度、MFR、融点及び破断強度の評価では不十分と考えたため、更なる研究を進めた結果、シーラント層の材料の破断点伸度が、蒸通安定性に影響を及ぼすことを見出し、本発明に至った。
上記の知見に基づく本発明の電子レンジ用シーラントフィルムは、ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂からなるフィルムであって、当該フィルムの流れ方向の破断点伸度が、電子レンジの加熱温度において低いことを特徴とする。
本発明の電子レンジ用シーラントフィルムは、上記フィルムの流れ方向の破断点伸度が、80℃で60〜100%であることが好ましい。また、上記フィルムの流れ方向の破断点伸度が、90℃で40〜70%であることが、より好ましい。
また、上記ポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる1種又は2種以上のポリエチレンであることが好ましく、なかでも低密度ポリエチレンであることが、より好ましい。
本発明の積層体は、上記の電子レンジ用シーラントフィルムからなるシーラント層を備えることを特徴とする。
本発明によれば、蒸通安定性に優れた電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体が得られる。
本発明の積層体の一実施形態の模式的な断面図である。
以下、本発明の電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体の実施形態を、より具体的に説明する。
[電子レンジ用シーラントフィルム]
本発明の電子レンジ用シーラントフィルムは、ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂からなるフィルムであって、当該フィルムの流れ方向(MD方向)の破断点伸度が、電子レンジの加熱温度において低い。
発明者らの研究開発による新規知見によれば、シーラントフィルムの同種の材料であって、密度、MFR、融点及び破断強度が同等であっても、そのシーラント層の材料が製造された工場の相違によって、電子レンジの加熱温度において流れ方向の破断点伸度が相違していた。材料の流れ方向の破断点伸度が高いと、その加熱温度において包装袋の内圧によりシーラントフィルムが破断しようとしてもフィルムが延び、その結果、包装袋のシーラント層は、設計どおりに破断されないことがあった。このような新規知見に基づく本発明の電子レンジ用シーラントフィルムは、電子レンジの加熱温度において流れ方向の破断点伸度が低いものである。
密度、MFR、融点及び破断強度が同等であっても、シーラントフィルムが電子レンジの加熱温度において流れ方向の破断点伸度が相違する理由は、発明者らの考察によれば、シーラントフィルムの製造条件の相違によって、材料の特性の一つとしてのシーラントフィルムの融解熱量の割合が、電子レンジの加熱温度において相違しているためと考えられる。シーラントフィルムの融解熱量の割合は、示差走査熱量測定(DSC)を行い、材料の融解熱量全体(50℃〜120℃)に対する電子レンジの加熱温度(例えば80℃、90℃、100℃の各温度)における融解熱量の割合で表すことができる。電子レンジの加熱温度における、シーラントフィルムの融解熱量の割合が多いことは、電子レンジの加熱温度において、シーラントフィルム中で融解している量が相対的に多いことを意味している。
発明者らによって、電子レンジの加熱温度において流れ方向の破断点伸度が低いシーラントフィルムは、シーラントフィルムの融解熱量の割合が多いことが確認された。したがって、本発明のシーラントフィルムは、電子レンジの加熱温度において流れ方向の破断点伸度が低いものであることにより、当該シーラントフィルムは、電子レンジの加熱温度において、シーラントフィルム中で融解している量が相対的に多いことから、その温度で設計どおりに適切に破断することができ、ひいては蒸通安定性に優れていると考えられる。
本発明において、破断点伸度は、シーラントフィルムの流れ方向で測定した値である。発明者らは、垂直方向(TD方向)についても測定したが、密度、MFR、融点及び破断強度と同様に、設計どおりに適切に破断することとの相関関係が見られなかった。これに対し、流れ方向の破断点伸度は、設計どおりに適切に破断することと、有意に相関関係が見られたため、流れ方向の破断点伸度でシーラントフィルムを特定するものとする。
破断点伸度を測定するときの温度は、電子レンジの加熱温度である。電子レンジの加熱温度は、本発明のシーラントフィルムからなるシーラント層を含む積層体を用いて電子レンジ用包装袋を作製し、この電子レンジ用包装袋に食品を収容して封止した包装体を電子レンジで加熱したときの食品及び当該食品を包む包装袋の温度である。具体的には、およそ80〜100℃である。破断点伸度は、包装体の形態で測定する必要はなく、シーラントフィルムを外部から上記の温度に加熱して測定することができる。破断点伸度は、JIS Z1702に準拠して、上記の温度範囲の所定温度で、引張速度500mm/minで引張試験を行って測定することができる。
本発明のシーラントフィルムは、具体的には、フィルムの流れ方向の破断点伸度が、80℃で60〜100%であることが、シーラントフィルムを用いた包装袋において、電子レンジの加熱温度で適切な箇所で設計どおりに蒸通できるので好ましい。60%に満たないとシール強度が弱く、また、シーラントフィルムを用いた包装袋において、蒸通孔を形成させたい箇所以外の箇所でも蒸通するおそれがある。100%を超えると、蒸通孔が適切に形成されず、食品を収容して封止した包装袋が予期せず破裂に至るおそれがある。
本発明のシーラントフィルムは、フィルムの流れ方向の破断点伸度が、90℃で40〜70%であることが、シーラントフィルムを用いた包装袋において、適切な箇所で設計どおりに蒸通できるので好ましい。40%に満たないとシール強度が低く、また、シーラントフィルムを用いた包装袋において、蒸通孔を形成させたい箇所以外の箇所でも蒸通するおそれがある。70%を超えると、蒸通孔が適切に形成されず、食品を収容して封止した包装袋が予期せず破裂に至るおそれがある。フィルムの流れ方向の破断点伸度が、上述した80℃で60〜100%であり、かつ、90℃で40〜70%であることが、より好ましい。
本発明の電子レンジ用シーラントフィルムは、ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂からなる。包装袋は、シーラントフィルムからなるシール層同士を対向させて接着するから、シーラントフィルムにはシール性を有することが必要である。また、本発明の電子レンジ用シーラントフィルムは、ポリオレフィン樹脂、具体的には、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンから選ばれる1種又は2種以上のポリエチレンが好ましい。具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンから選ばれる1種又は2種からなることが好ましく、低密度ポリエチレンからなることが更に好ましい。
[積層体]
本発明の積層体は、上述した本発明のシーラントフィルムを、シーラント層として備えるものである。
図1に、本発明の積層体の一実施形態の模式的な断面図を示す。図1において、積層体1は、多層フィルムよりなり、基材層2と、接着剤層3と、シーラント層4とを、基材層2の一方の表面側に、この順に積層して備えている。図示した例では基材層2の表面2aに接して接着剤層3が形成されている。接着剤層3は、基材層2とシーラント層4とを接着するためのものである。
(基材層)
積層体1の基材層2には、一軸、二軸延伸プラスチックフィルムが用いられる。一軸、二軸延伸プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどの一軸又は二軸延伸ポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66、MXD6(ポリメタキシリレンアジパミド)などのポリアミドの一軸又は二軸延伸ポリアミドフィルム、そして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムOPPなどを使用することができる。また、バリア層として例えば無機酸化物の蒸着膜を形成してなるシリカ蒸着PET、アルミナ蒸着PETなどの透明蒸着PETが挙げられる。基材層のプラスチックフィルムは、融点が通常150℃以上であり、厚さは通常10〜50μm程度である。
(接着剤層)
接着剤としては、例えば二液硬化型ポリウレタン樹脂が使用される。ポリウレタン樹脂としては、主鎖中にウレタン結合を含有する高分子樹脂を使用することができ、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応で得られる高分子樹脂を使用することができる。
ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としては、特に限定されず、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの低分子量ポリオール類、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド単位を有するポリオール化合物、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類などの高分子量ジオール類、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、ダイマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマージオール等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂を構成するポリイソシアネート成分としては、芳香族、脂肪族又は脂環族に属する公知のジイソシアネート類の1種又は2種以上の混合物を用いることができる。ジイソシアネート類の具体例としては、トリレンジジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメチルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添トリレンジジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート、及びこれらのアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体などが挙げられる。また、ジイソシアネート類には、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類を用いてもよい。
(シーラント層)
シーラント層4は、上述した本発明のシーラントフィルムが用いられる。シーラント層4の厚さは、特に限定はないが10〜200μm程度とすることが好ましい。好ましくは10〜150μm、より好ましくは10〜100μmである。
図1に示した積層体1を用いた包装体は、例えば、包装袋として、2枚の積層体を用意して、シーラント層4同士を対向させた状態で重ね合わせ、熱を加えることにより、同種のシーラント層5同士が熱融着することによりシールされて作製される。
包装袋を作製するに当たり、包装袋のシールされた領域に、蒸通孔を形成する領域が部分的に形成される。この部分的に形成された、蒸通孔を形成するための領域においては、積層体1は、図1の接着剤層3に代わって剥離ニス層が形成されている積層構造を有しているか、又は基材層2と接着剤層3との間に、剥離ニス層が形成されている積層構造を有している。剥離ニス層は、シールされた領域において、袋の内部と外部とにわたって横断するように形成されている。食品が収容され、封止された包装袋を電子レンジで加熱すると、剥離ニス層が形成されている領域で積層体1のシーラント層4が破断し、剥離ニス層が剥離又は破壊されて包装袋の内部と外部とにわたって横断するように蒸通孔が形成される。この蒸通孔を通じて包装袋内の空気や水蒸気が包装袋外に抜けるので、包装袋の予期しない破裂を防止することができる。剥離ニスは公知のものを用いることができる。例えば、ポリアミド、硝化綿及びポリエチレンワックスを含有する樹脂を用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
比較例1:
高密度ポリエチレン(密度0.950g/cm、MFR1.1g/10min)のペレットを押し出し機に投入し、温度190℃でインフレーション成形を行い、厚さ40μmのフィルムを得た。
比較例2:
低密度ポリエチレン(密度0.924g/cm、MFR2.2g/10min)のペレットを押し出し機に投入し、温度150℃でインフレーション成形を行い、厚さ40μmのフィルムを得た。
比較例3:
低密度ポリエチレン(密度0.925g/cm、MFR2.8g/10min)のペレットを押し出し機に投入し、温度150℃でインフレーション成形を行い、厚さ40μmのフィルムを得た。
比較例4:
低密度ポリエチレン(密度0.924g/cm、MFR2.0g/10min)のペレットを押し出し機に投入し、温度150℃でインフレーション成形を行い、厚さ40μmのフィルムを得た。
実施例1:
低密度ポリエチレン(密度0.924g/cm、MFR4.0g/10min)のペレットを押し出し機に投入し、温度150℃でインフレーション成形を行い、厚さ40μmのフィルムを得た。
実施例2:
低密度ポリエチレン(密度0.923g/cm、MFR2.2g/10min)のペレットを押し出し機に投入し、温度150℃でインフレーション成形を行い、厚さ40μmのフィルムを得た。
評価用試料1:
耐熱性基材層として片面コロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)、E−5100)を用い、その上にシーラント層として、比較例1の厚さ40μmの高密度ポリエチレンフィルム(密度0.950g/cm、MFR1.1g/10min)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層として用いて貼り合わせてドライラミネートし、シール温度150℃で電子レンジ対応包装材料を作製しようとしたが、シール強度が弱く、パウチを作製できなかった。
評価用試料2:
耐熱性基材層として片面コロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)、E−5100)を用い、その上にシーラント層として、比較例2の厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度0.924g/cm、MFR2.2g/10min)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層として用いて貼り合わせてドライラミネートし、シール温度150℃で評価用試料2の電子レンジ対応包装材料を作製した。
評価用試料3:
耐熱性基材層として片面コロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)、E−5100)を用い、その上にシーラント層として、比較例3の厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度0.925g/cm、MFR2.8g/10min)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層として用いて貼り合わせてドライラミネートし、シール温度150℃で評価用試料3の電子レンジ対応包装材料を作製した。
評価用試料4:
耐熱性基材層として片面コロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)、E−5100)を用い、その上にシーラント層として、比較例4の厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度0.924g/cm、MFR2.0g/10min)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層として用いて貼り合わせてドライラミネートし、シール温度150℃で評価用試料4の電子レンジ対応包装材料を作製した。
評価用試料5:
耐熱性基材層として片面コロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)、E−5100)を用い、その上にシーラント層として、実施例1の厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度0.924g/cm、MFR4.0g/10min)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層として用いて貼り合わせてドライラミネートし、シール温度150℃で評価用試料5の電子レンジ対応包装材料を作製した。
評価用試料6:
耐熱性基材層として片面コロナ処理された厚さ12μmのPETフィルム(東洋紡(株)、E−5100)を用い、その上にシーラント層として、実施例2の厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度0.923g/cm、MFR2.2g/10min)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層として用いて貼り合わせてドライラミネートし、シール温度150℃で評価用試料6の電子レンジ対応包装材料を作製した。
(破断点伸度評価)
比較例1〜4、実施例1、2の各シーラントフィルム単体の流れ方向の破断点伸度を、熱間(80℃、90℃)の各温度で、JIS Z1702に準拠して引っ張り速度500mm/minで測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2019081588
表1から、実施例1、2は、破断点伸度が60〜100%の範囲であったが、比較例1〜4は、破断点伸度が60〜100%の範囲から外れていた。
(電子レンジ蒸通性評価)
評価用試料1〜6を用いて電子レンジ用パウチを作製した。なお、電子レンジ用パウチは、ヒートシールされた領域に、蒸通孔を形成するための領域が部分的に形成されたものである。この蒸通孔を形成するための領域においては、積層体は、基材層と接着剤層との間に剥離ニス層を備える積層構造を備えていた。
評価用試料1〜6からなる各電子レンジ用パウチに水を入れて封止し、電子レンジの出力600Wで3分間加熱し、各電子レンジ用パウチの剥離ニス部から正常に蒸通するか否かを確認した。その結果を表2に示す。なお、表中で○印は、剥離ニス部から正常に蒸通したことを示し、×印は、背シール部で破裂したことを示した。
Figure 2019081588
表2の評価用試料1は、前述したようにシール強度が弱く、パウチを作製できなかった。評価用試料2〜4は、蒸通性が悪かったのに対して、評価用試料5、6は、正常に蒸通した。
以上、実施の形態及び実施例を用いて本発明の電子レンジ用シーラントフィルム及び積層体を具体的に説明したが、本発明のシーラントフィルムは、これらの実施形態及び実施例の記載に限定されることなく本発明の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能である。
1 積層体
2 基材層
3 接着剤層
4 シーラント層

Claims (6)

  1. ヒートシール性を有するポリオレフィン樹脂からなるフィルムであって、当該フィルムの流れ方向の破断点伸度が、電子レンジの加熱温度において低いことを特徴とする電子レンジ用シーラントフィルム。
  2. 前記フィルムの流れ方向の破断点伸度が、80℃で60〜100%である請求項1記載の電子レンジ用シーラントフィルム。
  3. 前記フィルムの流れ方向の破断点伸度が、90℃で40〜70%である請求項1又は2記載の電子レンジ用シーラントフィルム。
  4. 前記ポリオレフィン樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンから選ばれる1種又は2種以上のポリエチレンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子レンジ用シーラントフィルム。
  5. 前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンである請求項4記載の電子レンジ用シーラントフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子レンジ用シーラントフィルムからなるシーラント層を備えることを特徴とする積層体。
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