JP2904048B2 - 加熱殺菌包装用フイルムラミネート物とその製造方法およびこのラミネート物を用いた包装物。 - Google Patents

加熱殺菌包装用フイルムラミネート物とその製造方法およびこのラミネート物を用いた包装物。

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JP2904048B2
JP2904048B2 JP7033795A JP7033795A JP2904048B2 JP 2904048 B2 JP2904048 B2 JP 2904048B2 JP 7033795 A JP7033795 A JP 7033795A JP 7033795 A JP7033795 A JP 7033795A JP 2904048 B2 JP2904048 B2 JP 2904048B2
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悌介 森田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加熱殺菌包装用フイルム
ラミネート物とその製造方法およびこのラミネート物を
用いた包装物に関する。本発明のフイルムラミネート物
は特にレトルト用食品包装に好適である。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂フイルムは包装用に広く用いら
れているが、被包装物の保護を図るため、酸素の透過防
止、水分の蒸発と外部からの透過防止、フレーバー成分
の透過防止等種々の性能が要求される。そのため一種類
の合成樹脂フイルムでは多くの要求を満たすことが困難
であるので複数種類のフイルム層やアルミ箔等を積層し
たラミネートフイルムが用いられている。包装用ラミネ
ートフイルムで問題となるのはラミネートされた各層の
接着である。層間剥離を生じないように接着剤と接着方
法を考慮することが重要となる。このため従来は二液型
熱硬化性接着剤を使用し、ドライラミネーションによる
積層が多く用いられており、接着剤としてはポリウレタ
ン系接着剤が接着性、耐熱性等の点から使用されてい
る。ところが、従来使用されている二液型ポリウレタン
系接着剤を用いてラミネートを行うとラミネート工程が
完了しても接着剤の硬化が完了しないため得られたラミ
ネート物をフイルム状で35℃〜50℃の温度で3〜5
日エージングしなければならないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はラミネート完
了後のエージングを必要としないフイルムラミネート物
を提供するものである。フイルム状での3〜5日のエー
ジングはフイルムラミネート物の生産速度の律速段階と
なっており、生産性向上の障害となるだけでなく、温度
の維持、エージングを行う場所の確保等の問題もあっ
た。本発明はこのようなエージングを不要とした画期的
な発明である。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. アルミニウム箔の両面に設けた、 A.a. ポリイソシアネート成分と、分子量18〜2
0000であって、分子内に2個以上の活性水素基を含
有する活性水素化合物成分とを、ポリイソシアネート成
分のイソシアネート基に対して、活性水素化合物成分の
活性水素基の当量比率が、1.0を越える条件で反応さ
せて得られる、ウレトジオン基を含有するポリウレタン
前駆体90〜50重量部とb. ポリエステルとイソホ
ロンジイソシアネートとからなるポリエステルウレタン
ジオール10〜50重量部との反応物からなる、ポリウ
レタン系接着剤層と、B.該接着剤層を介してアルミニ
ウム箔の一面に接合したポリエステル樹脂フイルム層
と、C.前記接着剤と同じ組成の接着剤層を介してアル
ミニウム箔の他の面に接合したポリオレフィン樹脂フイ
ルム層からなる、加熱殺菌包装用フイルムラミネート
物。 2. ポリエステルフイルム層とアルミ箔の間でポリエ
ステルフイルム層の次に1項のポリウレタン接着層と同
一組成の接着剤層を介したナイロンフイルム層を設置し
た、1項に記載された加熱殺菌包装用フイルムラミネー
ト物。 3. アルミ箔とポリオレフィン樹脂フイルム層の間で
ポリオレフィン樹脂フイルム層の次に1項のポリウレタ
ン接着剤層を介してナイロンフイルム層を設置した、1
項に記載された加熱殺菌包装用フイルムラミネート物。 4. ポリエステルフイルム層とアルミ箔の間でポリエ
ステルフイルム層の次とアルミ箔とポリオレフィン樹脂
フイルム層の間でポリオレフィン樹脂フイルム層の次の
両方に1項のポリウレタン接着層と同一組成の接着剤層
を介したナイロンフイルム層を設置した、1項に記載さ
れた加熱殺菌包装用フイルムラミネート物。 5. ポリオレフィン樹脂フイルム層が、ポリエチレン
フイルム層またはポリプロピレンフイルム層である、1
項ないし4項のいずれか1項に記載された加熱殺菌包装
用フイルムラミネート物。 6. アルミニウム箔とポリエステルフイルムのいずれ
か一方あるいは両方の片面に、A.a. ポリイソシア
ネート成分と、分子量18〜20000であって、分子
内に2個以上の活性水素基を含有する活性水素化合物成
分とを、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基に
対して、活性水素化合物成分の活性水素基の当量比率
が、1.0を越える条件で反応させて得られる、ウレト
ジオン基を含有するポリウレタン前駆体90〜50重量
部とb. ポリエステルとイソホロンジイソシアネート
とからなるポリエステルウレタンジオール10〜50重
量部との混合物からなる、ポリウレタン系接着剤を塗布
して溶剤を乾燥除去して重ね合わせ加熱して接合した後
アルミ箔の他面とポリオレフィン樹脂フイルムの片面の
いずれか一方あるいは両方にポリエステルフイルムの接
合に用いた接着剤と同じポリウレタン系接着を塗布して
同様にして接合し、ついで形成されたラミネートフイル
ムをヒーターロールを通して加熱処理して硬化反応を行
いポリウレタン接着剤層を形成して接着を行うことを特
徴とする、加熱殺菌包装用フイルムラミネート物の製造
方法。 7. ヒーターロールによる加熱処理が、90℃〜14
0℃で2〜10秒である、6項に記載された加熱殺菌包
装用フイルムラミネート物の製造方法。 8. 1項ないし5項のいずれか1項に記載されたフイ
ルムラミネート物を加熱処理したフイルムラミネート物
を用いて形成した包装袋に内容物を充填し、後加熱処理
を行って接着剤の硬化反応を完了させた包装物。 9. 後加熱処理が80℃〜135℃、10分〜40分
である、8項に記載された包装物。 10. 後加熱処理が殺菌処理を兼ねた熱処理である、
8項または9項に記載された包装物。」に関する。
【0005】
【作用】本発明の第1の特徴は、積層構造にあり、アル
ミ箔の片面には最外層となるポリエステルフイルム層を
配置し、他面には最内層となるポリオレフィン樹脂フイ
ルム層を配置したことである。ポリエステルフイルム層
は機械強度も大きく、印刷適性に優れているので最外層
に好適であり、ポリオレフィン樹脂層は毒性がないので
内容物と接触する最内層に好適である。またアルミ箔
は、ガスバリヤー性に優れており、酸素の透過、フレー
バ成分の透過、水分の透過をほぼ完全に防止する。
【0006】本発明の第2の特徴は使用する接着剤であ
る。本発明者は従来用いられているポリウレタン系接着
剤について何故長いエージングが必要となるのかを検討
した。その結果、従来使用されているポリウレタン接着
剤を短時間の内に硬化させることは、高温で加熱処理が
必要になり、フイルムの皺、カール、剥がれ等の発生の
ため、不可能であることがわかった。本発明者はラミネ
ートを行うヒーターロールの温度を高くして、硬化を促
進することを試みたが、ヒーターロールにより140℃
以上に加熱するとフイルムに皺が発生するので、これ以
上高温にすることは出来なかった。硬化にはこれ以上の
高温が必要であった。このことから、ヒーターロールに
よる加熱で、従来使用されているポリウレタン接着剤の
硬化を完了することは出来ないことがわかった。
【0007】次にポリウレタン接着剤の改良を考えた。
ポリウレタン接着剤はポリイソシアネートと活性水素化
合物を反応させたポリウレタン前駆体を主成分とするも
のである。ポリイソシアネートとして種々なものが提案
され、また活性水素化合物としても種々なものが提案さ
れている。両者の組み合わせも多く提案されている。本
発明者はポリウレタン接着剤のウレトジオン基の開環反
応に着目し、種々研究した結果、ポリイソシアネートを
選択してもウレトジオン基の開環反応をラミネートのヒ
ーターロールによる加熱で完了するポリウレタンは得ら
れないこと、特別の活性水素化合物を用いたポリウレタ
ン前駆体と特定のポリエステルウレタンジオールの混合
物のみがヒーターロールの加熱によるウレトジオン基の
開環反応を行い硬化の完了が可能となることを知り、活
性水素化合物について研究した。
【0008】その結果、「A.a. ポリイソシアネー
ト成分と、分子量18〜20000であって、分子内に
2個以上の活性水素基を含有する活性水素化合物成分と
を、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基に対し
て、活性水素化合物成分の活性水素基の当量比率が、
1.0を越える条件で反応させて得られる、ウレトジオ
ン基を含有するポリウレタン前駆体90〜50重量部と
b. ポリエステルとイソホロンジイソシアネートとか
らなるポリエステルウレタンジオール10〜50重量部
との混合物」のみが、ラミネート工程のヒーターロール
による90℃〜140℃、2〜10秒の加熱によりほぼ
硬化が完了してポリウレタンを生成する特別の性能を有
することを解明したのである。本発明の第3の特徴は、
本発明のフイルムラミネート物で被包装物を包装した
後、包装体を加熱殺菌する後加熱処理を利用してポリウ
レタン接着剤の硬化を完了することが出来ることであ
る。
【0009】ラミネート工程のヒーターロールにより加
熱でポリウレタン接着剤はフイルムラミネート物として
充分使用することが出来る程度まで硬化するが、包装体
としてからの例えば加熱殺菌の熱処理により硬化は完全
に終了する。加熱殺菌は通常80℃〜135℃で10分
〜40分行われるので硬化完了には充分である。勿論殺
菌を目的とせずに加熱処理しても良い。本発明のラミネ
ートフイルム物はアルミ箔とポリエステルフイルム層、
との間またアルミ箔とポリオレフィン樹脂フイルム層の
間あるいはその両方に、ナイロンフイルム層を設置した
ラミネートフイルム物も包含する。この場合も使用する
ポリウレタン接着剤は同じものでなければならない。製
造方法としては接着剤層をフイルムとアルミ箔の両方に
設けても良い、片方のみに設けても良い。ラミネート方
法は接着剤層の溶剤を除去したドライラミネート方法が
好ましい。
【0010】本発明の使用するポリイソシアネート成分
としては、分子内に少なくともウレトジオン基を含有
し、その他に所望により、イソシアヌレート基及びさら
にイソシアネート基から誘導されたこれら2つの基以外
の基を有するポリイソシアネート化合物を一種又は二種
以上含むものである。また下記ポリイソシアネートの一
種又は二種以上を併用することもできる。ポリイソシア
ネート化合物を形成するためのポリイソシアネートある
いは、併用するポリイシソシアネートとしては、フリー
のポリイソシアネートのモノマーの他に、そのポリメリ
ク体を含む。このポリイソシアネートモノマーとして
は、具体的には、例えば、公知の2,4−トリレンジイ
ソシアネート(以下TDIと省略する)、2,6−トリ
レンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシア
ネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート,4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDI
と省略する)、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシ
アネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシ
アネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−
ジイソシアネート、3,3′−ジメチルフェニルメタン
−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニル
プロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシア
ネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン
−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジ
イソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−
4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー
ト、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(以下HDIと省略する)、リジンジ
イソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネー
ト、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイ
ソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等のジイソシ
アネート、/および前記ジイソシアネートの重合体や2
官能以上のポリオール等と前記のジイソシアネートある
いはそのポリメリック体との反応で得られるポリイソシ
アネートが適当である。すなわち、ポリイソシアネート
のポリメリック体やポリイソシアネートのポリオールア
ダクトは、いずれも本発明において好適に使用できる。
ポリイソシアネート化合物、例えば、本発明において必
須成分であるウレトジオン基含有ポリイソシアネート化
合物及びウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポ
リイソシアネート化合物は、一般に、,ポリイソシアネ
ートモノマーの二量化反応(ウレトジオン化反応)、三
量化反応(イソシアヌレート化反応)等によって形成さ
れる。
【0011】本発明の使用する活性水素化合物成分とし
ては、分子量18〜20000であって分子内に2個以
上の活性水素基を含有するものである。具体的には、水
の他に、ポリオール、アミノ基等含有ポリアミン、尿素
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の中から選
択した一種または二種以上を含むものが好ましい。この
ポリオールとしてはポリウレタン工業において公知のポ
リオール類を用いることができ、ポリイソシアネート成
分(a)においてイソシアネート基が2官能以上である
ことから、ポリウレタン前駆体製造時のゲル化を防ぐた
め、2官能等の低官能基数を持ったポリオール類が適し
ている。ポリオールの例としては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール等があげられる。具体的には例え
ば、公知のコハク酸、(以下AAと略称する)、セバシ
ン酸、アゼライン酸、テレフタル酸(以下TPと略称す
る)、イソフタル酸(以下IPと略称する)、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカ
ルボン酸、それらのエステル、酸無水物等と、エチレン
グリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−
プロピレングリコール(以下1,2−PGと略称す
る)、1,4−ブチレングリコール(以下1,4−BG
と略称する)、1,5ペンタングリコール、1,6−ヘ
キサングリコール(以下1,6−HGと略称する)、3
−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチル
グリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノ
ナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン
−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロールプロパン
(以下TMPと略称する)、グリセリン、ヘキサントリ
オール、クオドロールあるいはビスフェノールAのエチ
レンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等の
グリコール、あるいはヘキサメチレンジアミン、キシレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミ
ン、イソプロパノールトリアミン等のジアミン、トリア
ミンまたはアミノアルコール等単独、またはこれらの混
合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオー
ル、ポリエステルアミドポリオールが挙げられる。さら
に、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラク
トン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラ
クトン等の環状エステル(すなわちラクトン)モノマー
の開環重合により得られるラクトン系ポリエステルポリ
オール等のポリエステルポリオールがある。ポリエーテ
ルポリオールとしては例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラメ
チレンエーテルポリオール等が挙げられる。ポリエーテ
ル・エステルポリオールとしては、前記のポリエーテル
ポリオールと前記したジカルボン酸又は酸無水物等とか
ら製造されるポリエステルポリオールが挙げられる。ポ
リカーボネートポリオールは例えば、ヘキサングリコー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール等とジエチルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネートとの反応から得られる。ま
た、前記ポリエステルポリオールの原料としてあげた単
分子ジオール、トリオール類すなわちエチレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−PG、
1,4PG、1,4BG、1,5−ペンタングリコー
ル、1,6−HG、3−メチル−1,5ペンタングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリ
コール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TM
P、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロールあ
るいはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロ
ピレンオキサイド付加物等も前記ポリオールとして本発
明において用いることができる。アミノ基等含有ポリア
ミンとしては、単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジ
アミン、及びポリエーテルの末端がアミノ基となったポ
リエーテルポリアミン等が挙げられる。また、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等は、一般にポリ
ウレタン工業において公知のもので、活性水素基を2個
以上含有する物であれば活性水素化合物成分の全部また
は一部として使用することができる。
【0012】これらの活性水素化合物の分子量は18〜
20,000であり、特に、水と400〜10,000
のものが好ましい。分子量が大きすぎると、ウレトジオ
ン基、イソシアヌレート基、ウレタン基等の導入量が減
少して、ポリウレタン樹脂の強靭性や強い凝集力が減少
し好ましくない。分子量が小さすぎると、ポリウレタン
樹脂が脆くなる傾向があり好ましくない。この分子量は
用途により適当に選択する必要があり、接着剤の耐熱性
や凝集エネルギーを高めるには低分子量のものを用いる
ことが好ましい。
【0013】本発明の使用するポリエステルウレタンジ
オールとしては、酸とアルコールとの反応で得られたエ
ステルと、イソホロンジイソシアネートとの鎖延長反応
により形成されたものである。具体的には、酸として
は、例えば、アジピン酸、フマル酸、イソフタル酸、マ
レイン酸、オルソフタル酸、セバシン酸、テレフタル
酸、マレイン酸変性テルペン、トリメリット酸安息香
酸、ビスヒドロキシフェニルペンタン酸、ブチル安息香
酸等が挙げられる。アルコールとしては、例えば、ブチ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジメチルプロ
パンジオール、エチレングリコール、グリセリン、マン
ニトール、メチルグルコシド、ペンタエリスリトール、
プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレング
リコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロ
パン、セチルアルコール、デシルアルコール、ラウリル
アルコール、ミリスチルアルコール、オクチルアルコー
ル、ステアリルアルコール等が挙げられる。ポリエステ
ルウレタンジオールの分子量としては、20000〜7
0000のものが好ましい。分子量が大きすぎると、ゲ
ル化、溶解性の低下、粘度上昇に伴う作業性の低下等が
あり、好ましくない。また、分子量が小さすぎると、接
着性の低下、耐熱性の低下等があり、好ましくない。
【0014】本発明は、上記のポリイソシアネート成分
と活性水素化合物成分とを反応させて得られるウレトジ
オン基を含有するポリウレタン前駆体と、上記のポリエ
ステルウレタンジオールとからなる接着剤を用いてラミ
ネートを行い、ラミネートを行うヒーターロールによ
り、ポリウレタン硬化物を生成するものである。
【0015】本発明で使用するポリエステルフイルム層
は、PET、PBT、エチレングリコール/ブチレング
リコールとテルフタル酸/イソフタル酸のコポリマー等
のポリエステルで形成される。またポリオレフィン樹脂
フイルム層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこ
れらのブレンド物等で形成される。
【0016】ナイロン層は、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロンMXD6等で形成される。これらのフイル
ム層は全体で、40μm〜200μmの薄膜であること
が好ましい。接着剤層は1μm〜10μmである。1μ
m以下では接着不良、外観不良を起こし、10μm以上
では、溶剤の残留、接着剤のはみだしによるブロッキン
グ発生等があり、好ましくない。本発明のフイルムラミ
ネート物で包装される被包装物としては、レトルト食品
が最も好適である。
【0017】
【実施例】図1は本発明の実施例のフイルムラミネート
物の断面図である。1はポリエステルフイルム層で、2
はポリウレタン接着剤層、3はアルミ箔、4はポリオレ
フィン樹脂フイルム層である。5層のフイルムとなって
いる。
【0018】図2は本発明の他の実施例のフイルムラミ
ネート物の断面図である。1はポリエステルフイルム層
であり、2はポリウレタン接着剤層で、3はアルミ箔、
4はポリオレフィン樹脂フイルム層、5はナイロンフイ
ルム層である。この実施例2では1のポリエステルフイ
ルム層の次に同じポリウレタン接着剤層2を介してナイ
ロンフイルム層5が設置され、また3のアルミ箔と4の
ポリオレフィン樹脂フイルム層の間にポリウレタン接着
剤層2を介してナイロンフイルム層が設置されており、
9層のフイルムとなっているこの他、実施例2のナイロ
ンフイルム層のどちらか一方を除いたラミネート物も本
発明に含まれる。本発明のフイルムラミネート物は包装
用として用いられるが内層はポリオレフィンフイルム層
である。
【0019】実施例1 ポリウレタン系接着剤 (a) ポリイソシアネート成分と、分子量18〜20
000であって、分子内に2個以上の活性水素基を含有
する活性水素化合物成分とを、ポリイソシアネート成分
のイソシアネート基に対して、活性水素化合物成分の活
性水素基の当量比率が、1.0を越える条件で反応させ
て得られる、ウレトジオン基を含有するポリウレタン前
駆体70重量部と(b) ポリエステルとイソホロンジ
イソシアネートを反応させたポリエステルウレタンジオ
ール30重量部、を反応させたポリウレタン系接着剤を
使用する。 フイルムラミネート物の製造 厚さ12μmのポリエステルフイルムと厚さ7μmのア
ルミ箔と厚さ70μmのポリプロピレンフイルムを各フ
イルム間に上記のポリウレタン系接着剤を配置してラミ
ネートした。最初にポリエステルフイルムとアルミ箔を
ラミネートし、ついでポリプロピレンフイルムに接着剤
を塗布しアルミ箔面にラミネートした。接着剤の塗布量
は4.4g/mであった。ラミネート条件は100m
/分、乾燥オーブン100℃乾燥時間6秒であった。つ
いでラミネートしたフイルムを120℃のヒーターロー
ルで加熱処理し包装用フイルムラミネート物を得た。加
熱時間は3秒であった。次に、このラミネート物で食酢
を包装し、密封して90℃で30分間加熱処理し、包装
物の殺菌とラミネート物の後加熱処理を同時に行った。
食酢はウレタン結合を切る作用があるので試験としては
厳しい条件となる。結果を表1に表す。
【0020】実施例2〜3 後加熱処理条件を変えた以外は実施例1と同様に行っ
た。結果を表1に示す。
【0021】比較例1〜6 ポリウレタン系接着剤の(a)及び(b)の混合比率と
後加熱処理条件を変えた以外は実施例1と同様に行っ
た。 (a)ポリイソシアネート成分と、分子量18〜200
00であって、分子内に2個以上の活性水素基を含有す
る活性水素化合物成分とを、ポリイソシアネート成分の
イソシアネート基に対して、活性水素化合物成分の活性
水素基の当量比率が、1.0を越える条件で反応させて
得られる、ウレトジオン基を含有するポリウレタン前駆
体 (b)ポリエステルとイソホロンジイソシアネートを反
応させたポリエステルウレタンジオール 結果を表1に示す。
【0022】比較例7〜12 ヒーターロールの加熱条件と後加熱処理条件を変えた以
外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】(註)ポリウレタン系接着剤 (a) ポリイソシアネート成分と、分子量18〜20
000であって、分子内に2個以上の活性水素基を含有
する活性水素化合物成分とを、ポリイソシアネート成分
のイソシアネート基に対して、活性水素化合物成分の活
性水素基の当量比率が、1.0を越える条件で反応させ
て得られる、ウレトジオン基を含有するポリウレタン前
駆体 (b) ポリエステルとイソホロンジイソシアネートを
反応させたポリエステルウレタンジオール
【0025】評価方法及び条件 1 剥離強度 引張試験機を用いて、15mm幅に切ったラミネートフ
イルムを、300mm/分の速度で、各剥離面から剥が
し、その時の強度を求めた。 2 解離率 FT−IR分析により、ラミネートフイルムのウレトジ
オン基に基づく吸収(1770〜1775cm)から、
ラミネート直後の吸光度を基準として、その減少率によ
り、解離率を推定した。この数値が高い方が反応ラジカ
ルを有しており硬化反応が速いことを示す。 3 保存試験 内容品として食酢を充填し、30℃に保存して、外観を
主として評価した。 ○ : 2週間以上変化なし △ : 1〜2週間で、表面に気泡、デラミ等が発生 × : 1週間以内で、表面に気泡、デラミ等が発生
【0026】
【発明の効果】本発明はエージングの必要のないフイル
ムラミネート物を提供するもので生産性を著しく向上す
る効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフイルムラミネート物の積層構造を説
明する断面図である。
【図2】他の実施例のフイルムラミネート物の積層構造
を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 ポリエステルフイルム層 2 ポリウレタン系接着剤層 3 アルミ箔 4 ポリオレフィンフイルム層 5 ナイロンフイルム層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/08 B32B 27/32 B32B 27/36 B32B 27/40

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム箔の両面に設けた、 A.a. ポリイソシアネート成分と、分子量18〜2
    0000であって、分子内に2個以上の活性水素基を含
    有する活性水素化合物成分とを、ポリイソシアネート成
    分のイソシアネート基に対して、活性水素化合物成分の
    活性水素基の当量比率が、1.0を越える条件で反応さ
    せて得られる、ウレトジオン基を含有するポリウレタン
    前駆体90〜50重量部とb. ポリエステルとイソホ
    ロンジイソシアネートとからなるポリエステルウレタン
    ジオール10〜50重量部との反応物からなる、ポリウ
    レタン系接着剤層と、B.該接着剤層を介してアルミニ
    ウム箔の一面に接合したポリエステル樹脂フイルム層
    と、C.前記接着剤と同じ組成の接着剤層を介してアル
    ミニウム箔の他の面に接合したポリオレフィン樹脂フイ
    ルム層からなる、加熱殺菌包装用フイルムラミネート
    物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルム層とアルミ箔の間
    でポリエステルフイルム層の次に請求項1のポリウレタ
    ン接着層と同一組成の接着剤層を介したナイロンフイル
    ム層を設置した、請求項1に記載された加熱殺菌包装用
    フイルムラミネート物。
  3. 【請求項3】 アルミ箔とポリオレフィン樹脂フイルム
    層の間でポリオレフィン樹脂フイルム層の次に請求項1
    のポリウレタン接着剤層を介してナイロンフイルム層を
    設置した、請求項1に記載された加熱殺菌包装用フイル
    ムラミネート物。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフイルム層とアルミ箔の間
    でポリエステルフイルム層の次とアルミ箔とポリオレフ
    ィン樹脂フイルム層の間でポリオレフィン樹脂フイルム
    層の次の両方に請求項1のポリウレタン接着層と同一組
    成の接着剤層を介したナイロンフイルム層を設置した、
    請求項1に記載された加熱殺菌包装用フイルムラミネー
    ト物。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン樹脂フイルム層が、ポリ
    エチレンフイルム層またはポリプロピレンフイルム層で
    ある、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された加
    熱殺菌包装用フイルムラミネート物。
  6. 【請求項6】 アルミニウム箔とポリエステルフイルム
    のいずれか一方あるいは両方の片面に、A.a. ポリ
    イソシアネート成分と、分子量18〜20000であっ
    て、分子内に2個以上の活性水素基を含有する活性水素
    化合物成分とを、ポリイソシアネート成分のイソシアネ
    ート基に対して、活性水素化合物成分の活性水素基の当
    量比率が、1.0を越える条件で反応させて得られる、
    ウレトジオン基を含有するポリウレタン前駆体90〜5
    0重量部とb. ポリエステルとイソホロンジイソシア
    ネートとからなるポリエステルウレタンジオール10〜
    50重量部との混合物からなる、ポリウレタン系接着剤
    を塗布して溶剤を乾燥除去して重ね合わせ加熱して接合
    した後アルミ箔の他面とポリオレフィン樹脂フイルムの
    片面のいずれか一方あるいは両方にポリエステルフイル
    ムの接合に用いた接着剤と同じポリウレタン系接着を塗
    布して同様にして接合し、ついで形成されたラミネート
    フイルムをヒーターロールを通して加熱処理して硬化反
    応を行いポリウレタン接着剤層を形成して接着を行うこ
    とを特徴とする、加熟殺菌包装用フイルムラミネート物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 ヒーターロールによる加熱処理が、90
    ℃〜140℃で2〜10秒である、請求項6に記載され
    た加熱殺菌包装用フイルムラミネート物の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    されたフイルムラミネート物を加熱処理したフイルムラ
    ミネート物を用いて形成した包装袋に内容物を充填し、
    後加熱処理を行って接着剤の硬化反応を完了させた包装
    物。
  9. 【請求項9】 後加熱処理が80℃〜135℃、10分
    〜40分である、請求項8に記載された包装物。
  10. 【請求項10】 後加熱処理が殺菌処理を兼ねた熱処理
    である、請求項8または9に記載された包装物。
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