JP2019078071A - トラック荷台用扉の錠システム及びトラック荷台 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2で示される従来例は、箱形荷台の後部に1箇所設けられた扉の錠を解錠施錠するものであって、複数の扉のうち選択された扉の錠を解錠施錠するものではない。
制御部は、アクチュエータ動作設定部の設定と、携帯型操作装置の動作信号発信部から送られる動作信号とに基づき、開又は閉予定の扉に設けられた電動アクチュエータに信号を送り、当該電動アクチュエータを解錠動作又は施錠動作をするように制御する。
本発明では、アクチュエータ動作設定部で予め選択された扉の解錠又は施錠を作業員の手元にある携帯型操作装置を操作することで実現することができるので、開ける必要のない又は閉じる必要のない扉に対しては、解錠又は施錠が不要となり、解錠施錠の作業が容易となる。これに対して、特許文献2の従来例は、1つの扉に対して解錠施錠をする技術であり、この技術を複数の扉に対して個別に適用すると、個々の扉毎に携帯型操作装置が必要となり、解除施錠操作が煩雑となる。
この構成では、作業員は、予め、切換機構を手で操作してオフ位置からオン位置に切り換えておき、携帯型操作装置の動作信号発信部を操作して制御部に信号を送る。
本発明では、アクチュエータ動作設定部が切換機構を有する構成であるため、錠システム全体のソフトウェア構成を簡易なものにできる。
この構成では、作業員は、予め、操作部により複数の電動アクチュエータのそれぞれに対したオン位置又はオフ位置の情報を設定する。この設定された情報をプロセッサがオン/オフ設定データ用メモリに記憶させ表示部に表示させる。プロセッサは、設定された情報に対応したオン/オフ設定データをオン/オフ設定データ用メモリから呼び出すように制御する。呼び出されたオン/オフ設定データは、プロセッサにより制御部に送られる。
本発明では、アクチュエータ動作設定部がコンピュータとして構成されるので、所定のアプリケーションソフトを入れて、オン位置とオフ位置の制御を簡単に行うことができる。
この構成では、全開全閉設定手段を操作することで、扉全体に対応した解錠又は施錠を一度に行うことができる。
この構成では、扉開閉検出機構からは、開扉状態又は閉扉状態の検出信号が扉毎に制御部に出力され、イグニッションオン検出機構からは、イグニッションオン信号が制御部に出力される。制御部は、扉開閉検出機構から出力される出力信号とイグニションオン信号との双方を受け、扉開閉検出機構により扉の開扉状態の検出信号が検出された扉以外の扉の電動アクチュエータに対して、施錠信号を送る。施錠信号が送られた電動アクチュエータにより扉が施錠される。
そのため、複数の扉のうち開けられた扉以外の扉を自動的に、確実に施錠することができる。
この構成では、扉開閉検出機構からは、開扉状態又は閉扉状態の検出信号が扉毎に制御部に出力され、イグニッションオン検出機構からは、イグニッションオン信号が制御部に出力される。制御部は、扉開閉検出機構から出力される出力信号とイグニションオン信号との双方を受け、扉開閉検出機構により扉の閉扉状態の検出信号が検出された扉の電動アクチュエータに対して、施錠信号を送る。施錠信号が送られた電動アクチュエータにより扉が施錠される。
そのため、イグニッションがオンしているときに閉じられている扉を自動的に確実に、施錠することができる。
本発明では、前述の錠システムと同様の効果を奏することができるトラック荷台を提供できる。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図17には、本発明の第1実施形態が示されている。
図1には荷台を有するトラックの概略が示されている。
図1において、トラック1は、トラック荷台10と、トラック荷台10に接続された運転席11とを備えている。トラック荷台10の内部には、ボトルや缶に入った清涼飲料、アルコール飲料、その他の荷物が収容可能である。なお、第1実施形態では、荷物として、ボトル入り清涼飲料を例にとり、トラック1を、ボトルカーとして説明する。
[トラックの概要]
トラック荷台10は、箱形荷台のボデー12と、ボデー12に設けられた複数の扉13とを有する。第1実施形態では、扉13は、第1から第6の扉131〜136を有する。
ボデー12は、床部12Aと外壁部12Bとを有し、その内部は、仕切部12Cによって計6つの室に区分けされている。
第1から第6の扉131〜136は、水平方向に移動するスライドドアである。なお、扉の数は、6枚に限定されるものではなく、2枚以上であれば、偶数枚、奇数枚(例えば、7枚)であってもよい。
トラック1には、扉13を解錠又は施錠する錠システム2が設けられている。
錠システム2は、扉13に設けられた電動アクチュエータ21と、電動アクチュエータ21に連結された錠機構部22と、扉13の開扉状態と閉扉状態とを検出する扉開閉検出機構23と、電動アクチュエータ21をコントロールし運転席11に配置されるコントロールボックス3と、コントロールボックス3を通じて電動アクチュエータ21を動作させる携帯型操作装置4と、コントロールボックス3と電動アクチュエータ21との間に設けられた通電コネクタ5とを備えている。
第1実施形態では、電動アクチュエータ21は、第1から第6の扉131〜136に応じて設けられた第1から第6の電動アクチュエータ211〜216を有する。
扉開閉検出機構23は、第1から第6の扉131〜136に応じて設けられた第1から第6の扉開閉検出機構231〜236を有する。
第1実施形態の説明にあたり、扉13、電動アクチュエータ21及び扉開閉検出機構23は、その具体的な構成において、「第1」から「第6」番号を付して対応関係を明確にさせている。
なお、図1では、携帯型操作装置4が大きく示されている。
錠システム2の要部の具体的な構成が図2から図4に示されている。図2は、錠システム2の要部を第1の扉131の内から外を見た状態が示され、図3は、錠システム2の要部を第1の扉131の外から内を見た状態が示され、図4は、図3の4-4線に沿う矢視断面が示されている。これらの図で示される錠システムは、施錠された状態である。
図2から図4において、第1の扉131は、図示しない枠体と、枠体に設けられた面材13Aと、面材13Aの室内側に上下に沿って設けられた複数のリブ13Bとを有する。
第1の電動アクチュエータ211は、取付プレート20に取り付けられたケース21Aと、ケース21Aの内部に配置された図示しない駆動部と、駆動部により基端が回動されるアーム21Bとを有する。
第1の電動アクチュエータ211の駆動部は、正逆回転可能なモータに歯車機構が連結された構造であり、モータは通電コネクタ5を介してコントロールボックス3に電気的に接続されている。なお、駆動部は、モータに代えて、ソレノイド、シリンダ、リニアモータ、その他の駆動機構を採用することができる。
取付プレート20は、隣合うリブ13Bの間に架け渡されている。
第2から第6の電動アクチュエータ212〜216は第1の電動アクチュエータ211と同じ構造である。
なお、本実施形態では、ボデー12の上部又は下部において、扉13を機械的にロック可能に、電動アクチュエータ21を設けるものでもよい。ボデー12に電動アクチュエータ21を設ける場合、扉13の開閉方向の後部から電動アクチュエータ21を設置し、扉13自体をロックするものでもよい。
錠機構部22は、ボデー12に対して第1の扉131の開閉操作を許容あるいは阻止するラッチ機構24と、ラッチ機構24に一端側を連結された連結機構25と、連結機構25の他端側に連結された操作部材としてのフラッシュハンドル26と、フラッシュハンドル26の操作阻止あるいは操作許容をするロック機構27とを有する。
(ラッチ機構)
ラッチ機構24は、ボデー12の外壁部(図示せず)に固定されたボデー側係合部241と、第1の扉131の上部に設けられた扉側係合部242とを有する。
ボデー側係合部241は、三角形状のブロックを水平方向に複数連結した構造である。ブロックは、それぞれ上下方向に延びる鉛直面241Aと鉛直面241Aに接続した傾斜面241Bとを有する。
扉側係合部242は、鉛直面242Aと傾斜面242Bとを有するブロックである。扉側係合部242は、その鉛直面242Aがボデー側係合部241の鉛直面241Aと係合する前進位置と鉛直面241Aから離脱する後退位置とに、図2中、上下方向に進退自在にホルダ243に支持されている。
ホルダ243は、第1の扉131の面材13Aに固定されている。
ホルダ243には、扉側係合部242を上方、即ち、ボデー側係合部241の鉛直面241Aと扉側係合部242の鉛直面242Aとが係合する方向に付勢するばね244が設けられている。
連結機構25は、扉側係合部242の取付孔242Hに上端が連結された係合軸251と、係合軸251に連結部材252を介して連結された連結ロッド253とを有する。
連結ロッド253は、上下に伸びて配置されており、その下端部はフラッシュハンドル26に連結されている。
(フラッシュハンドル)
フラッシュハンドル26は、第1の扉131の面材13Aに取り付けられたフレーム部261と、フレーム部261に回動自在に支持されたハンドル本体262と、ハンドル本体262の回動をガイドするガイド部263と、ハンドル本体262に設けられた係合部264と、を有する。
ガイド部263は、ハンドル本体262に形成された円弧状のガイド孔262Aと、ガイド孔262Aを案内するガイドピン261Aとを有し、ガイドピン261Aはフレーム部261に設けられている。
係合部264には、連結ロッド253の下端部が挿通される挿通孔264Aと、ロック用凹部264Bとが形成されている。挿通孔264Aに挿通された連結ロッド253は、その下端に固定された抜止用ブロック253Aにより抜け止めされている。
ロック機構27は、第1の電動アクチュエータ211のアーム21Bの先端に上端部が回動自在に係合されるスライダ271と、スライダ271の下端部に設けられるピン272と、ピン272にリミッタばね273を介して係合され取付プレート20に回動自在に支持されたロックカム274と、を有する。
スライダ271には、上下に沿ったガイド孔271Aが複数形成されている。これらのガイド孔271Aには、取付プレート20に固定されたガイドピン20Aがそれぞれ係合されている。これにより、スライダ271は、取付プレート20に対し、設定された姿勢を維持したまま上下動自在に支持されている。
スライダ271と取付プレート20とには反転ばね275の端部275A、275Bがそれぞれ接続されている。反転ばね275は、スライダ271に設けられた端部275Aが取付プレート20に設けられた端部275Bより下方に位置する場合には、スライダ271を下方に付勢し、スライダ271に設けられた端部275Aが取付プレート20に設けられた端部275Bより上方に位置する場合(図7(A)参照)には、スライダ271を上方に付勢するものである。
ロックカム274は、スライダ271が下方に位置する場合にロック用凹部264Bに係合されてハンドル本体262の回動を阻止し、スライダ271が上方に位置する場合にロック用凹部264Bから離れてハンドル本体262の回動を許容する(図7(A)参照)。
図2から図4に示される通り、シリンダ錠28は、鍵と係合して回動自在とされたシリンダ281と、シリンダ281に一端が固定されたアーム状の係合板部282と、係合板部282の先端に固定されスライダ271に係合する係合ピン283とを有する。
係合ピン283は、スライダ271の切欠き凹部の水平方向に延びた上下2箇所の係合面271Bに係合可能とされる。
係合ピン283の先端は、取付プレート20に形成された円弧状のガイド孔20Bにガイドされている。
なお、スライダ271と第1の電動アクチュエータ211のアーム21Bとの連結部は、スライダ271に設けられた逃げ溝271Dとアーム21Bの先端に設けられた係合ピン21Cとにより、アーム21Bの回動動作がスライダ271の上下直進動作にスムースに変換されるようになっている。
図2及び図3に示される通り、第1の扉開閉検出機構231は、ボデー12に設けられたボデー側検出部23Aと、第1の扉131に設けられた扉側検出部23Bとを有し、ボデー側検出部23Aと扉側検出部23Bとが近接して第1の扉131が閉じられている閉扉状態と、ボデー側検出部23Aと扉側検出部23Bとが離反して第1の扉131が開けられた開扉状態とを検出する。閉扉状態と開扉状態の検出は、例えば、ボデー側検出部23Aと扉側検出部23Bとに設けられた近接スイッチ、リミットスイッチ、プッシュスイッチ、非接触の光学センサ等で行うことができる。
第1の扉開閉検出機構231で検出された検出信号はコントロールボックス3に送られる。
第2から第6の扉開閉検出機構232〜236は第1の扉開閉検出機構231と同じ構造である。
通電コネクタ5の具体的な構成が図5に示されている。
図5(A)には、通電コネクタ5の全体構成が示され、図5(B)には、扉側接触子が示され、図5(C)には、ボデー側接触子が示されている。
図5(A)に示される通り、通電コネクタ5は、第1の扉131に設けられた扉側接触子51と、ボデー12に設けられたボデー側接触子52とを有する。
図5(A)(B)に示される通り、扉側接触子51は、第1の扉131の枠体130にボルト12Eで固定された枠台510と、枠台510に取り付けられた金属製ばね材等で構成された第一接触部511及び第二接触部512とを有する。
図5(A)(C)に示される通り、ボデー側接触子52は、ボデー12のうちレール状の上枠12Dにボルト12Eで固定された枠台520と、枠台520に取り付けられた金属製ばね材等で構成された第一接触部521及び第二接触部522とを有する。
第一接触部511,521と第二接触部512,522とは、第1の扉131がスライドする方向と、第1の扉131がスライドする方向とは交差する方向とにそれぞれ離れて配置されている。
第一接触部511と第二接触部512、第一接触部521と第二接触部522とは、第1の扉131が閉じられている際に互いに接触されて導通可能とされ、第1の扉131が閉じられている際に、非接触とされて導通不能とされている。
コントロールボックス3の構成が図6に示されている。
図6において、コントロールボックス3は、筐体30と、筐体30に設けられたアクチュエータ動作設定部31と、全開動作ボタン32、全閉動作ボタン33及び登録ボタン34と、筐体30の内部に設けられた情報処理部300と、を備えている。
アクチュエータ動作設定部31は、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216を動作させるオン位置と動作させないオフ位置とに切り換える第1から第6の切換機構311〜316を有する切換装置である。
第1から第6の切換機構311〜316は、それぞれ筐体30に回動自在に設けられた操作用摘み31Aを有し、操作用摘み31Aを所定位置、例えば、下方に下げた位置をオン位置とし、上方に挙げた位置をオフ位置とするスイッチである。スイッチは、図示されるトグルスイッチに限らず、スライドスイッチ、押しボタンスイッチ等、オン位置とオフ位置とを切り換え可能なものであればよい。
第1から第6の切換機構311〜316は、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216に一対一に対応している。つまり、第1の切換機構311は第1の電動アクチュエータ211に対応し、第2の切換機構312は第2の電動アクチュエータ212に対応し、以下、同様に、第3から第6の切換機構313〜316は第3から第6の電動アクチュエータ213〜216に対応する。
なお、本実施形態では、アクチュエータ動作設定部31を機械的なスイッチに代えてソフトウェアから構成し、アクチュエータ動作設定部31の設定を、コントロールボックス3とケーブル又は通信で繋いだスマートホン(図示せず)で行ってもよい。この場合、スマートホンの画面には、トラック荷台のレイアウトが表示され、作業員は、画面でアクチュエータ動作設定部31を設定してもよい。
全閉動作ボタン33は、押し込み操作をすることで、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216の全てを閉動作する位置に設定する。全閉動作ボタン33は全開動作ボタン32と同じ構造である。
第1実施形態では、全開動作ボタン32及び全閉動作ボタン33により、全開全閉設定手段30Aが構成される。
登録ボタン34は、本実施形態の錠システムで使用される携帯型操作装置4を登録するために用いられる。
図1に戻り、携帯型操作装置4は、いわゆるリモートコントローラ(リモコン)であり、筐体40と、筐体40にそれぞれ設けられる解錠ボタン41、施錠ボタン42及び点灯部43と、筐体40の内部に設けられる情報処理部400と、電池44とを備える。
点灯部43は、電池44の消耗度合いを報知するものであり、青色と赤色の2つのLEDを備えている。
運転席11には、アンテナ61、開扉ランプ63が設けられ、トラックにはイグニッションオン検出機構62、バッテリー64が設けられている。バッテリー64から電動アクチュエータ21までの給電は図示しないケーブルにより行われる。
アンテナ61は、携帯型操作装置4から送られる信号を受信しコントロールボックス3の情報処理部300に送るものである。なお、トラック荷台10の後方で、携帯型操作装置4を操作した場合、運転席11の内部にあるアンテナ61では、受信が十分ではないことがあるので、トラック荷台10の後方に中継用のアンテナ61が設けられている。アンテナ61の数や配置位置は図1の構成に限定されない。
イグニッションオン検出機構62は、トラックのエンジン(図示せず)がイグニッションオンの状態にあることを検出するものであり、イグニッションオンの検出信号は、コントロールボックス3の情報処理部300に送られる。
開扉ランプ63は、情報処理部300からの信号を受けて第1から第6の扉131〜136のうち少なくとも1つが開放された状態を報知するものである。ここで、開扉ランプ63は、第1から第6の扉131〜136に対応してランプを6個用意し、開放されている第1から第6の扉131〜136に対応したランプのみを点灯するもの、あるいは、第1から第6の扉131〜136に対応することなくランプを1個用意し、いずれかの扉131〜136が開放されていれば1個のランプが点灯するもの、複数の扉13毎にまとめて1つのランプが点灯するものとしてもよく、その設定は任意である。さらに、ランプの点灯に合わせて警報音を発する構成としてもよい。
次に、本実施形態の錠システムの動きについて図7から図9に基づいて説明する。この説明においても、第1の扉131に設けられた錠システムを例にとるが、第2から第6の扉132〜136に設けられた錠システムも同じ動きである。
まず、施錠状態の錠システム(図3参照)において、コントロールボックス3から第1の電動アクチュエータ211に解錠信号が送られると、図7(A)に示される通り、第1の電動アクチュエータ211のアーム21Bが一方向、図3,7中反時計方向に回動し、スライダ271が上昇する。ピン272はスライダ271とともに上昇し、リミッタばね273を介してロックカム274が同方向に回動する。すると、ロックカム274が係合部264のロック用凹部264Bから離れる。この状態では、ハンドル本体262の回動操作が許容される。なお、スライダ271が上昇した後では、反転ばね275のスライダ271に設けられた端部275Aが取付プレート20に設けられた端部275Bより上方に位置するので、スライダ271は、反転ばね725によって、上方に付勢された状態が維持される。
次に、図7(B)に示される通り、作業員がハンドル本体262を図3,7中反時計方向に回動すると、連結機構25を介してラッチ機構24の扉側係合部242がばね244の付勢力に抗して下降する。扉側係合部242が下降することで、ボデー側係合部241が扉側係合部242から離れる。この状態で、ハンドル本体262を持ったまま第1の扉131を右側に向かってスライドさせると、第1の扉131が開扉される。
一方、第1の扉131が閉じられた状態で、第1の電動アクチュエータ211に解錠信号が送られると、図8(B)で示される通り、スライダ271が上昇するが、ロックカム274がロック用凹部264Bに引っ掛かったままとなる不都合が生じることがある。このような不都合が生じても、スライダ271に設けられたピン272がリミッタばね273の付勢力に抗して上昇することになり、ロックカム274や係合部264の破損等が防止される。
図9(A)に示される通り、鍵によってシリンダ錠28のシリンダ281を一方向(反時計回り)に回動すると、係合板部282がシリンダ281と一体となって回動する。すると、係合板部282に固定された係合ピン283が2つの係合面271Bのうち上方の係合面271Bに当たってスライダ271を押し上げることになり、ロックカム274が回動して係合部264のロック用凹部264Bから離れる。これにより、ハンドル本体262の回動が許容される。この際、第1の電動アクチュエータ211に通電されていないので、スライダ271の上昇に伴う第1の電動アクチュエータ211の駆動部の抵抗はほとんどなく、スムースに上昇する。
作業員が手持ちの鍵により、施錠する方法を図9(B)に基づいて説明する。
図9(B)に示される通り、鍵によってシリンダ錠28のシリンダ281を他方向(時計回り)に回動すると、係合板部282がシリンダ281と一体となって回動し、係合ピン283がスライダ271の2つの係合面271Bのうち下方の係合面271Bを押し下げる。スライダ271の下部に設けられたピン272は、スライダ271とともに下降し、リミッタばね273を介してロックカム274が時計方向に回動し、係合部264のロック用凹部264Bに係合する。これにより、ハンドル本体262の回動が阻止される。
第1実施形態の錠システムのブロック図が図10に示されている。
図10において、コントロールボックス3の情報処理部300は、制御部35、入力部301、出力部302、記憶部303、判断部304、全開動作回路部305及び全閉動作回路部306を備えて構成されている。
入力部301は、アンテナ61、第1から第6の扉開閉検出機構231〜236及びイグニッションオン検出機構62からの信号を入力するものであり、これらの信号を制御部35に送る。制御部35は、信号の内容により、記憶部303及び判断部304に所定の処理を実行させる。なお、図10では、電動アクチュエータ、扉開閉機構及び切換機構は、第1と第6のもののみが図示されており、第2から第5のものの図示が省略されている。
判断部304は、携帯型操作装置4から送られる信号が、予め登録された携帯型操作装置4のものか判断し、携帯型操作装置4からの信号が登録されたものであれば、携帯型操作装置4から入力部301で受信した動作信号を制御部35に送ることを許容し、登録されたものでなければ、制御部35に送ることを阻止する。
全閉動作ボタン33を押すと、その信号が全閉動作回路部306に送られ、全閉動作回路部306は、制御部35を介して、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216の全てに施錠動作をさせる。
イグニッションオン検出機構62からの信号は、入力部301を経由して制御部35に送られる。
動作信号発信部46は、解錠ボタン41が押された際に、コントロールボックス3の情報処理部300に解錠動作の動作信号を発信し、施錠ボタン42が押された際に、情報処理部300に施錠動作の動作信号を発信する。
動作信号生成部45は、解錠ボタン41又は施錠ボタン42が押された際に、点灯部43のLEDを点灯させる。動作信号生成部45は、電池44の容量が所定値より大きい場合には青色のLEDを点灯させ、所定値以下の場合には、電池44の交換を促すために、赤色のLEDを点灯させる。
[配達の基地局]
配達の基地局でのボトル入り清涼飲料の積み込み作業を図11から図13のフローチャートに基づいて説明する。
トラック荷台10にボトル入り清涼飲料を積み込むために、作業員は、第1から第6の扉131〜136のうち一部の扉を開け、あるいは、全ての扉を開ける。なお、基地局で荷物の積み込み作業を行う場合では、通常、トラック1のエンジンは切られている。
ここでは、開ける必要のある一部の扉として、第1の扉131と第2の扉132とを例示する。なお、他の扉を開閉する手順は第1の扉131と第2の扉132とを開閉する手順と同じである。
第1の扉131と第2の扉132とを開けてトラック荷台10にボトル入り清涼飲料を積み込む場合、運転席11にいる作業員は、コントロールボックス3の第1の扉131及び第2の扉132に対応する第1の切換機構311及び第2の切換機構312をオン位置に切り換え、開ける必要のない第3から第6の扉133〜136に対応する第3から第6の切換機構313〜316をオフ位置にしておく。
そして、作業員は、運転席11から下りて、第1の扉131と第2の扉132の前まで移動し、携帯型操作装置(リモコン)4の解錠ボタン41を押す。
図11に示される通り、解錠ボタン41が押されることで、コントロールボックス3の入力部301を介して制御部35でリモコン操作受信される(S101)。つまり、解錠ボタン41が押されると、動作信号発信部46から発信された動作信号がコントロールボックス3の入力部301に送られる。
入力部301に入力された動作信号は、制御部35を介して判断部304に送られる。判断部304では、送られた動作信号が記憶部303で予め登録された携帯型操作装置4のID情報と一致するか否かをID情報に基づいてID照合する(S102)。
ステップS103の操作要求が「解錠」の場合、第1の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S104A)。
制御部35は、ステップS105Aにおいて、第1の扉開閉検出機構231から出力された検出信号に基づき、第1の扉131が閉扉状態か否かを判断する。第1の扉131が閉扉状態(Yes)であれば、第1の切換機構311がオン位置にあるかオフ位置にあるかを判断する(S106A)。第1の切換機構311がオン位置にあれば、制御部35は、第1の電動アクチュエータ211に動作信号を送り、第1の電動アクチュエータ211を解錠制御する(S107A)。
第1の電動アクチュエータ211の制御が終了したら、次の扉の開閉をチェックする(S109A)。つまり、第2の扉132の開閉をチェックし(S105A)、以後、第1の扉131に関する手順と同様の手順が実施される。
続いて、第3の扉133の開閉を設定条件に従いチェックする(S104A)。ステップS105Aにより、第3の扉133が閉扉状態であることが判断されれば、第3の電動アクチュエータ213がオン位置にあるかオフ位置にあるかを判断する(S106A)。
第3の扉133は、開ける予定のない扉であるため、第3の切換機構313がオフ位置に設定されている。そのため、第3の電動アクチュエータ213が解錠制御されることがない。第4から第6の扉134〜136は第3の扉133の手順と同様の手順が実施される。
施錠ボタン42が押されると、リモコン操作受信がされ(S101)、その後、ID照合される(S102)。ID照合の結果、携帯型操作装置4から送られた動作信号のID情報が登録されたものと一致する場合(Yes)には、携帯型操作装置4から出力される信号が「解錠」のものか「施錠」のものかの操作要求を制御部35が判断し(S103)、操作要求が「施錠」の場合には、ステップS104A〜S109Aと同様の手順であるステップS104B〜S109Bの手順に従って、第1の電動アクチュエータ211及び第2の電動アクチュエータ212が施錠制御される。
作業員は、全ての扉を開閉して、ボトル入り清涼飲料の積み込み作業を行うことがある。この場合、作業員は、図12で示されるフローチャートに従って、扉の開扉閉扉を行う。
図12に示される通り、作業員は、ボトル入り清涼飲料をトラック荷台10に積み込むために全開全閉設定手段30Aを操作する(S201)。作業員は、全ての扉を開扉するために、全開全閉設定手段30Aの操作として、全開動作ボタン32を押す。全開動作ボタン32が押されると、押されたボタンが全開動作ボタン32か全閉動作ボタン33かを制御部35が判断する(S202)。
押されたボタンが全開動作ボタン32であるならば、第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S203A)。
制御部35は、第1の扉開閉検出機構231から出力された検出信号に基づき第1の扉131が閉扉状態か否かを判断する(S204A)。第1の扉131が閉扉状態(Yes)であれば、制御部35から第1の電動アクチュエータ211に動作信号が送られ、第1の電動アクチュエータ211が解錠制御される(S205A)。第1の扉131が開扉状態であれば、制御部35は、開扉ランプ63をONさせ(S206A)、第1の電動アクチュエータ211の重ねての解錠制御をしない。
第1の電動アクチュエータ211の制御が終了したら、次の扉の開閉をチェックする(S207A)。つまり、第2の扉132の閉扉状態と開扉状態とをチェックし(S204A)、以後、第1の扉131に関する手順と同様の手順が実施される。
ボトル入り清涼飲料の積み込み作業が完了したなら、作業員は、第1から第6の扉131〜136の全てを閉扉し、運転席11に乗り込んで全開全閉設定手段30Aを操作する(S201)。作業員は、全ての扉の施錠のために、コントロールボックス3の全閉動作ボタン33を押す。押されたボタンが全開動作ボタン32か全閉動作ボタン33かが判断され(S202)、押されたボタンが全閉動作ボタン33であるならば、第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S203B)。
第1の扉開閉検出機構231から出力される信号に基づいて第1の扉131が閉扉状態か否かが判断され(S204B)、第1の扉131が閉扉状態であれば、制御部35から第1の電動アクチュエータ211に信号が送られ、第1の電動アクチュエータ211が施錠制御される(S205B)。ステップ204Bで、開扉状態が判断されると、制御部35は、開扉ランプ63をONさせ(S206B)、第1の電動アクチュエータ211を施錠制御しない。作業員は、開扉ランプ63の点灯を見て、開扉された第1の扉131を閉扉し、施錠作業をする。
第2から第6扉132〜136に関しても第1の扉131に関する手順と同様の手順が実施される。
トラック荷台10へのボトル入り清涼飲料の積み込みが完了し、全ての扉を閉扉したら、作業員は目的地までトラックを運転するため、エンジンを始動するが、仮に、扉の施錠忘れがあったとしても、図13に示される通り、自動的に施錠される。
図13に示される通り、エンジンが始動されると、イグニッションオン検出機構62からイグニッションオンの検出信号を制御部35が受信し(S301)、第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S302)。第1の扉開閉検出機構231から出力される信号に基づいて、制御部35は、第1の扉131が閉扉状態にあるか否かを判断する(S303)。第1の扉131が閉扉状態(Yes)であれば、制御部35は、第1の電動アクチュエータ211に信号を送る。第1の扉131の施錠忘れがあった場合には、第1の電動アクチュエータ211が施錠制御される(S304)。
一方、第1の扉131が開扉状態であれば、制御部35は、開扉ランプ63をONさせ(S305)、第1の電動アクチュエータ211は施錠制御されない。なお、開扉ランプ63のONとともに、警報音(アラーム)を発生させることが好ましい。
第1の電動アクチュエータ211の制御が終了したら、次の扉の開閉をチェックする(S306)。以後、第1の扉131に関する手順と同様の手順が実施される。
作業員は、目的地までトラック1を運転し、目的地についたら、自動販売機にボトル入り清涼飲料を補給する。この場合、短期間で発車が予想されるので、施錠忘れをなくし、開扉されている扉に対して作業員への警告を行うことで、安全性が担保される。以下、その手順について説明する。なお、この作業は、通常、イグニッションオンの状態(電源が入っているが、エンジンセルが回っていない状態)で行われることもある。
(任意の扉を開扉したときに、他の閉扉している扉を施錠する手順)
イグニッションオンの状態で、ボトル入り清涼飲料の積み出しのために、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216の全てが解錠されており、第1から第6の扉131〜136のうち任意の扉、例えば、第1の扉131と第2の扉132が開扉され、他の扉、例えば、第3から第6の扉133〜136が閉扉されている。
図14に示される通り、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216が解錠されており(S401)、任意の扉である第1の扉131と第2の扉132の開扉状態が第1の扉開閉検出機構231と第2の扉開閉検出機構232より検出される(S402)。制御部35は、イグニッションオン検出機構62からイグニッションオン信号を受信したか否かを判断する(S403)。イグニッションオン信号を受信した場合(Yes)には、第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S404)。制御部35は、第1の扉開閉検出機構231から出力される信号に基づいて第1の扉131が閉扉状態か否かを判断する(S405)。第1の扉131は開扉状態なので、制御部35は、開扉ランプ63をONさせ(S406)、第1の電動アクチュエータ211の施錠制御はしない。第1の電動アクチュエータ211の制御が終了したら(S407)、ステップS408により、次の扉をチェックする。なお、ステップS403で、イグニッションオン信号を受信しない場合(No)には、フローは終了する。
以後、第1の扉131に関する手順と同様の手順が第2の扉132に関して実施される。第2の扉132に関して、前述の手順と同様の手順が実施されたら、第3の扉133に関する手順が実施される。
第3の扉133は閉扉されているので、ステップS405において、第3の扉133の閉扉状態の検出を制御部35が受信した場合(Yes)には、制御部35は、第3の電動アクチュエータ213を施錠制御する(S407)。同様に、第4から第6の扉134〜136は閉扉されているので、第4から第6の電動アクチュエータ214〜216は施錠制御される。
ボトル入り清涼飲料の積み出が完了して扉の開閉をチェックするフローが図15に示されている。例えば、任意の扉、第1の扉131と第2の扉132が開扉状態にある。
図15に示される通り、第1の扉131及び第2の扉132の閉扉状態が第1の扉開閉検出機構231及び第2の扉開閉検出機構232で検出された状態で(S501)、イグニッションオン検出機構62からイグニッションオン信号を制御部35が受信したか否かが判断される(S502)。イグニッションオン信号を受信すると(Yes)、制御部35は、閉扉状態と判断された扉に対応する電動アクチュエータ21、例えば、第1の電動アクチュエータ211と第2の電動アクチュエータ212とを施錠制御する(S503)。
一方、ステップS502において、イグニッションオン検出機構62からイグニッションオン信号を制御部35が受信しなければ(No)、第1及び第2の電動アクチュエータ211,212は施錠制御が行われない。
作業員は、開ける予定の扉に関して解錠しても、開扉しないことがある。
図16に示される通り、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のうち全部あるいは一部が解錠されており(S601)、第1から第6の扉開閉検出機構231〜236から出力される信号によって、制御部35は、第1から第6の扉131〜136のうち少なくも一部が開扉状態であるか否かを判断する(S602)。
第1から第6の扉131〜136の全ての閉扉状態(未開扉)であると判断される(No)と、制御部35は、施錠から既定時間以上経過したか否かを判断する(S603)。ステップS602で、開扉がある(Yes)と判断されると、図14で示されるフローチャートのステップS402に進む。
ステップS603で、既定時間以上が経過した(Yes)と判断されると、第1の扉131の開閉をチェックする(S604)。第1の扉開閉検出機構231により第1の扉131が閉扉状態か否かが判断される(S605)。ステップS605で、第1の扉131の閉扉状態(Yes)が判断されると、制御部35は、第1の電動アクチュエータ211を施錠制御する(S606)。第1の電動アクチュエータ211の制御が終了したら、次の扉の開閉をチェックする(S607)。ステップS605で、第1の扉131の開扉状態が判断されると、制御部35は、開扉ランプ63をONさせ(S608)、第1の電動アクチュエータ211を施錠制御しない。
以降、第2の扉132の開閉をチェックし(S604)、ステップS604〜S608が実施される。さらに、第3の扉133、第4の扉134、第5の扉135、第6の扉136についても、ステップ604〜S608が実施される。
作業員は、ボトル入り清涼飲料を所定の位置に積み込み、あるいは、積み出し作業をするため、イグニッションオンの状態で、自己が使用する携帯型操作装置4をコントロールボックス3に登録する。
携帯型操作装置4の登録のための手順について、図17に基づき説明する。
図17に示される通り、コントロールボックス3の登録ボタン34が押されると(S701)、制御部35から判断部304に信号が送られ、判断部304は、押される時間が2秒以上経過しているか否かを判断(S702)、押されている時間が2秒以上であれば(Yes)、イグニッションオン信号をイグニッションオン検出機構62から受信したか否かを判断する(S702)。イグニッションオン検出機構62からイグニッションオンの検出信号を受信すると(Yes)、判断部304は、登録モード処理に従って、携帯型操作装置4のID情報を記憶部303に記憶させる(S704)。
ステップS702で、登録ボタン34が押される時間が2秒満たない場合(No)、あるいは、ステップS703でイグニッションオン検出機構62からのイグニッションオンの検出信号を受信しない場合(No)、ID情報は登録されないまま終了する。
ここで、ステップS704における登録モード処理は、登録ボタン34を2秒押すことで、登録モードに移行し、この状態で、解錠ボタン41が2秒以上押されることで、登録が完了する。
(1)トラック荷台用扉の錠システムは、複数の扉13にそれぞれ設けられ解錠動作又は施錠動作をする電動アクチュエータ21と、電動アクチュエータ21を動作させるオン位置と動作させないオフ位置とに切り換えるアクチュエータ動作設定部31と、アクチュエータ動作設定部31に、解錠動作又は施錠動作をさせる動作信号を送る動作信号発信部46を有する携帯型操作装置4と、アクチュエータ動作設定部31がオン位置の際に動作信号発信部46からの動作信号を電動アクチュエータ21に送る制御部35と、を備えている。そのため、複数の扉13のうちアクチュエータ動作設定部31で予め選択された扉の解錠又は施錠を、作業員の手元にある携帯型操作装置4を操作することで実現できるので、扉毎に開ける必要のない扉又は閉じる必要のない扉に対しては、解錠又は施錠が不要となる。しかも、各扉13に電動アクチュエータ21、扉開閉検出機構23、これらの制御部35を設けるとともに、携帯型操作装置4を設けたから、扉13の個別開閉操作が容易となり、扉13の閉め忘れを防止できる。ここで、扉13をそれぞれ解錠又は施錠をするための錠システムを扉の数に応じて設けることも可能であるが、それでは、扉の数だけ携帯型操作装置が必要となり、解錠施錠の作業が繁雑となるが、第1実施形態では、1つの携帯型操作装置4を操作することで、複数の扉13に関する解錠施錠を実施できるので、解錠施錠の作業が容易となる。人口減少下において、輸送事業の業界でも、人手不足という問題があるが、本実施形態では、作業時間の短縮、作業員の負担の軽減を図ることができる。
(5)コントロールボックス3は、トラック1の運転席11に配置されているので、作業員は、切換機構の操作を運転席で行うことができる。
(8)制御部35は、施錠から既定時間以上経過した際に、閉扉状態にある扉の電動アクチュエータを施錠制御するので、施錠忘れがなく、安全である。
(11)第一接触部511,521と第二接触部512,522とは扉のスライド方向と当該方向と交差する方向とにそれぞれ離れて配置されているので、第一接触部511,521と第二接触部512,522とがショートする等の不都合を回避できる。
次に、本発明の第2実施形態を図18及び図19に基づいて説明する。
第2実施形態はアクチュエータ動作設定部の構成が第1実施形態と異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。ここで、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同一の構成は、同一符号を付して説明を省略する。
図18は第2実施形態の錠システムのブロック図を示す。
図18に示される通り、第2実施形態のアクチュエータ動作設定部7は、スマートホン、タブレット端末等の携帯型のコンピュータから構成され、第2実施形態の駆動用アプリケーションが搭載されている。なお、第1実施形態において、アクチュエータ動作設定部を構成する第1から第6の切換機構311〜316は第2実施形態のコントロールボックス3Aから省略されている。
また、コンピュータとしてスマートホンを用いる場合、本実施形態で述べる動作を行わせるため、所定のアプリケーションソフトをダウンロードしておく。
操作部71は、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のそれぞれに対してオン位置又はオフ位置を設定するものである。
オン/オフ設定データ用メモリ72は、操作部71によって第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のそれぞれに対応して設定されたオン位置又はオフ位置を、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のそれぞれに対応するオン/オフ設定データとして記憶する。
表示部73は、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のそれぞれに対応して設定されているオン位置又はオフ位置を表示する。
第2実施形態では、操作部71と表示部73とをタッチパネルディスプレイから構成してもよい。
例えば、作業員が操作部71により第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のそれぞれに対したオン位置又はオフ位置の情報を設定すると、プロセッサ74は、この設定された情報を表示部73に表示させ、かつ、設定された情報をオン/オフ設定データ用メモリ72に記憶する。プロセッサ74は、設定した情報に対応したオン/オフ設定データをオン/オフ設定データ用メモリ72から呼び出し、出力部76からコントロールボックス3Aの入力部301を通じて制御部35に送る。
コントロールボックス3の制御部35は、アクチュエータ動作設定部7の設定と携帯型操作装置4からの動作信号とに基づき電動アクチュエータ21を動作させる制御を行うものである。
つまり、アクチュエータ動作設定部7の入力部75は、携帯型操作装置4から送られる動作信号を入力してプロセッサ74に送る。プロセッサ74は、動作信号を、出力部76からコントロールボックス3Aの制御部35に送る。ここで、携帯型操作装置4から入力部75に送られる信号は、ブルーツース規格の無線信号である。なお、この信号は、ブルーツース規格以外の信号でもよい。
なお、第2実施形態では、動作信号を、アクチュエータ動作設定部7を経由することなく、携帯型操作装置4から直接、制御部35に送るものでもよい。つまり、アクチュエータ動作設定部7は、オン/オフ設定データを出力部76からコントロールボックス3Aの入力部301を通じて制御部35に送り、携帯型操作装置4は、アクチュエータ動作設定部7を経由することなく、動作信号をコントロールボックス3Aの制御部35に送る。
また、第2実施形態では、携帯型操作装置4とアクチュエータ動作設定部7とを1つのコンピュータから構成してもよい。つまり、アクチュエータ動作設定部7を構成するコンピュータに、携帯型操作装置4の機能を組み込むものであってもよい。
図19のフローチャートは、第1実施形態の図11で示されるフローチャートのうち「第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェック(S104A,S104B)」と「次の扉の開閉のチェック(S109A,S109B)」との間を示すものである。図11で示されるものの、図19で示されない手順については、第2実施形態でも実施されるが、ここでの説明を簡略もしくは省略する。
まず、解錠の操作要求があった場合(図11参照)、第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S104A)。
第1の扉開閉検出機構231から出力される検出信号に基づいて、制御部35は、第1の扉131が閉扉状態か否かを判断する(S105A)。第1の扉131が閉扉状態(Yes)であれば、ステップS801において、外部設定がされる。ステップS801における外部設定とは、コントロールボックス3Aとは別に設けられたアクチュエータ動作設定部7が第1から第6の電動アクチュエータ211〜216のオン位置又はオフ位置の設定情報をコントロールボックス3Aの制御部35に送ることである。
一方、ステップS105Aで、第1の扉131が開扉状態であれば(No)、制御部35は、開扉ランプ63をONさせ(S108A)、第1の電動アクチュエータ211を解錠制御しない。ステップS802で、第1の電動アクチュエータ211がオフ位置に設定されていれば、第1の電動アクチュエータ211を解錠制御しない。
第1の電動アクチュエータ211の制御が終了したら、次の扉の開閉をチェックする(S109A)。つまり、第2の扉132の開閉をチェックし(S104A)、以後、第1の扉131に関する手順と同様の手順が実施される。
一方、施錠の操作要求があった場合(図11参照)、第1から第6の扉の開閉を設定条件に従いチェックする(S104B)。以後、解錠のステップS104A、S105A、S106A、S107A、S108A、S109Aと同等の手順のステップS104A、S105A、S106A、S107A、S108A、S109Aが実施される。
(12)アクチュエータ動作設定部を、コントロールボックス3とは別のコンピュータから構成されたアクチュエータ動作設定部7としたので、所定のアプリケーションソフトを入れて、簡単に制御することができる。
(13)コンピュータとして市販のスマートホンを利用すれば、アクチュエータ動作設定部を安価に構成できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第1実施形態では、第1から第6の切換機構311〜316と、第1から第6の電動アクチュエータ211〜216との割り当ては、切換機構の1つに対し電動アクチュエータが1つの一対一としたが、本発明では、切換機構の1つに対し電動アクチュエータが複数の一対複数、切換機構の複数が電動アクチュエータの1つに対する複数対一のうちいずれか1つ、あるいは、複数の組み合わせとしてもよい。第1実施形態のように、切換機構と電動アクチュエータとの割り当てが一対一とすれば、個々の扉の解錠又は施錠が容易に行える。切換機構と電動アクチュエータとが一対複数に割り当てられると、複数の電動アクチュエータが1つの切換機構で同時に動作させることができるので、荷物の積み込み積み出し作業を効率的に行える。さらに、複数の携帯型操作装置4の登録に際して、異なる切換機構を1つの電動アクチュエータに割り当てることもできる。
前記各実施形態では、第1から第6の扉131〜136は、それぞれスライドドアであったが、本発明では、複数の扉の一部あるいは全部をスライドドアに代えて、片開きドア、観音開きドア、跳ね上げドア等としてもよい。
また、通電コネクタを用いる場合であっても、前述の接触式の構成に限定されるものではなく、例えば、光センサや超音波センサ等の非接触式の構成であってもよい。
さらに、イグニッションオンは、ACCオン(アクセサリーオン)で検出される構成やエンジンオンで検出される構成であってもよく、トラックの動力源(モータ)のスタートの状態を検知する構成であってもよい。トラックの動力源(モータ)のスタートの状態を検知する構成では、設定を変えられる構成としてもよい。
Claims (7)
- 箱形荷台のボデーに設けられた複数の扉に対して解錠又は施錠するトラック荷台用扉の錠システムであって、
前記複数の扉のそれぞれに対応して設けられ解錠動作又は施錠動作をする電動アクチュエータと、
前記電動アクチュエータを動作させるオン位置と動作させないオフ位置とに切り換えるアクチュエータ動作設定部と、
前記電動アクチュエータに解錠動作又は施錠動作をさせる動作信号を発信する動作信号発信部を有する携帯型操作装置と、
前記アクチュエータ動作設定部の設定と前記携帯型操作装置からの動作信号とに基づき前記電動アクチュエータを制御する制御部と、を備えた
ことを特徴とするトラック荷台用扉の錠システム。 - 請求項1に記載されたトラック荷台用扉の錠システムにおいて、
前記アクチュエータ動作設定部は、前記電動アクチュエータの前記オン位置と前記オフ位置とを切り換える少なくとも1つの切換機構を有し、前記切換機構の所定のものと前記電動アクチュエータの所定のものとが割り当てられる切換装置により構成された
ことを特徴とするトラック荷台用扉の錠システム。 - 請求項1に記載されたトラック荷台用扉の錠システムにおいて、
前記アクチュエータ動作設定部は、
前記複数の電動アクチュエータのそれぞれに対して前記オン位置又は前記オフ位置を設定する操作部と、
前記操作部によって前記複数の電動アクチュエータのそれぞれに対応して設定された前記オン位置又は前記オフ位置を、前記複数の電動アクチュエータのそれぞれに対応するオン/オフ設定データとして記憶するオン/オフ設定データ用メモリと、
前記複数の電動アクチュエータのそれぞれに対応して設定されている前記オン位置又は前記オフ位置を表示する表示部と、
前記操作部と前記オン/オフ設定データ用メモリと前記表示部とを制御するプロセッサと、を備えるコンピュータにより構成された
ことを特徴とするトラック荷台用扉の錠システム。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたトラック荷台用扉の錠システムにおいて、
前記複数の扉の全てに対応した前記電動アクチュエータに解錠動作をさせる全開動作と、前記複数の扉の全てに対応した前記電動アクチュエータに施錠動作をさせる全閉動作とを設定する全開全閉設定手段を備える
ことを特徴とするトラック荷台用扉の錠システム。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載されたトラック荷台用扉の錠システムにおいて、
前記複数の扉にそれぞれ設けられ前記扉の開扉状態と閉扉状態とを検出して前記制御部に検出信号を出力する扉開閉検出機構と、トラックのイグニッションがオンされたことを検出し前記制御部にイグニッションオン信号を出力するイグニッションオン検出機構とを備え、
前記制御部は、前記扉開閉検出機構により前記扉の開扉状態の検出信号が検出された扉以外の扉の前記電動アクチュエータに対して、前記扉開閉検出機構の検出信号と前記イグニションオン信号とを受けて前記電動アクチュエータに施錠信号を送る
ことを特徴とするトラック荷台用扉の錠システム。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載されたトラック荷台用扉の錠システムにおいて、
前記複数の扉にそれぞれ設けられ前記扉の開扉状態と閉扉状態とを検出して前記制御部に検出信号を出力する扉開閉検出機構と、トラックのイグニッションがオンされたことを検出し前記制御部にイグニッションオン信号を出力するイグニッションオン検出機構とを備え、
前記制御部は、前記扉開閉検出機構により前記扉の閉扉状態の検出信号が検出された扉の前記電動アクチュエータに対して、前記扉開閉検出機構の検出信号と前記イグニションオン信号とを受けて前記電動アクチュエータに施錠信号を送る
ことを特徴とするトラック荷台用扉の錠システム。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載されたトラック荷台用扉の錠システムを備えたことを特徴とするトラック荷台
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