JP2019077819A - 樹脂組成物及びフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光色素による光変換効率が向上したフィルム等の成形品を作製可能な、樹脂組成物の提供。【解決手段】2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、前記2種以上の樹脂において、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを特徴とする、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びフィルムに関する。
野菜、果物等の植物の生育を促進するために、或いは、意図するタイミングで作物を出荷すべく植物の生育を遅行させるために、太陽光スペクトルを有効な光スペクトルに変換する機能を有する化合物を熱可塑性樹脂に添加して成形したフィルムを用いて、ハウス、トンネル等の施設栽培に利用し、野菜、果物等の収穫量、品質を向上させることが広く行われている。
そのようなフィルムとして、例えば、特許文献1は、樹脂成分100重量部あたり、発光ピークが420〜530nm又は600〜700nmにある蛍光顔料を0.01〜20重量部含有する農業用フィルムが、植物の光合成の明反応又は暗反応に関与する波長の光を選択的に発光させて、作物の成長を促進するとともに、有害な紫外線を遮蔽できることを開示している。
特開平5−227849号公報
ここで、蛍光色素は一般に高価であることから、フィルムの製造コストを抑えるべく、蛍光色素の使用量をできるだけ低減しつつ、その光変換機能を有効に享受したいという要求がある。そして、上述した従来のフィルムには、そのような観点で改良の余地があった。
そこで、本発明は、蛍光色素による光変換効率が向上したフィルム等の成形品を作製可能な、樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、蛍光色素による光変換効率が向上したフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、蛍光色素とともに、所定の2種以上の樹脂を用いることで、高い全光線透過率を維持しつつ、上述の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、
前記2種以上の樹脂において、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを特徴とする、樹脂組成物。
〔2〕
前記蛍光色素の含有量が、0.001質量%以上0.1質量%以下である、項目〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
項目〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物を含む、ことを特徴とする、フィルム。
〔4〕
外部ヘイズ値が10%以上である、項目〔3〕に記載のフィルム。
〔5〕
項目〔3〕又は〔4〕に記載のフィルムを中間層として備える、多層フィルム。
本発明によれば、蛍光色素による光変換効率が向上したフィルム等の成形品を作製可能な、樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、蛍光色素による光変換効率が向上したフィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
(樹脂組成物)
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物(以下、「本実施形態の樹脂組成物」と称することがある。)は、2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有することができる。また、本実施形態の樹脂組成物が含有する2種以上の樹脂は、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを要する。本発明者らは、驚くべきことに、蛍光色素とともに、屈折率差が0.01以上である少なくとも2種の樹脂を用いることにより、得られるフィルム等の成形品において、高い全光線透過率を維持しつつ、蛍光色素による光変換効率が向上する効果が得られることを見出した。そのため、本実施形態の樹脂組成物によれば、少ない蛍光色素量で光変換効率を十分に高められるため、低コストで、高性能な農業用フィルムなどの成形品を作製することができる。更に、蛍光色素によっては焼却時に有害ガスを発生させ得る金属成分を含むものもあることから、本実施形態の樹脂組成物は、当該蛍光色素の使用量を減らして、環境への負荷を低減できるという利点もある。
なお、用いる2種の樹脂の屈折率差が0.01未満であると、蛍光色素による光変換効率を向上させることができない。
ここで、樹脂の屈折率は、常温(例えば、23.8℃)で測定される値である。
上記効果が奏される理由は、定かではないが、光がフィルムを通過する際の光路長が有意に長くなるとともに、フィルム内部における光散乱の効率化が図られて、蛍光色素による蛍光が増感することに因るものと考えられる。
<樹脂>
本実施形態の樹脂組成物が含有する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられ、屈折率を考慮して、これらより2種以上を選択することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
なお、例えば、同系(例えば、ポリオレフィン系樹脂)に分類される2種の樹脂であっても、それらの屈折率差が0.01以上であれば、それらを本発明における「2種以上の樹脂」として用いることができる。
本実施形態で用いる2種以上の樹脂は、屈折率が1.470〜1.550の範囲の樹脂から選択されることが好ましい。また、本実施形態で用いる2種以上の樹脂は、屈折率の相加平均値が1.50以下となるように選択されることが好ましく、1.450以下となるように選択されることがより好ましい。
本実施形態の樹脂組成物において、最小の屈折率を有する樹脂(以下、「低屈折率樹脂」と称することがある。)と最大の屈折率を有する樹脂(以下、「高屈折率樹脂」と称することがある。)との屈折率差は、0.02以上であることが好ましい。屈折率差が0.02以上であることにより、蛍光色素による蛍光の増感をより効果的に生じさせることができる。同様の観点から、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂との屈折率差は、0.03以上であることがより好ましく、0.04以上であることが更に好ましい。
一方で、高屈折率樹脂と低屈折率樹脂との屈折率差は、全光線透過率の悪化を抑制するする観点から、0.1以下であることが好ましい。
本実施形態で用いる樹脂は、SP値(溶解パラメータ)が7以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。SP値が7以上の樹脂を用いることで、樹脂組成物中で蛍光色素を均一に分散させて、光変換効率を効果的に向上させることができる。また、樹脂のSP値が8以上であれば、蛍光色素として顔料を用いた場合に、樹脂組成物中で当該顔料を十分均一に分散させることができる。一方、本実施形態で用いる樹脂SP値は、20以下であることが好ましい。ここで、SP値が一般的に上記範囲内である樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。即ち、言い換えると、本実施形態の樹脂組成物は、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)(以下、これらを「特定SP樹脂」と総称することがある。)から選択される1種以上を含有することが好ましい。
なお、上記の特定SP樹脂は、本実施形態の樹脂組成物において、低屈折率樹脂及び高屈折率樹脂のいずれに該当してもよい。
また、本実施形態で用いる樹脂のSP値は、用いる蛍光色素のSP値に近いことが好ましい。具体的に、例えば、蛍光色素としてペリレン系色素を用いる場合には、用いる樹脂のSP値は、17に近い(例えば、14〜20である)ことが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、蛍光色素による光変換効率の向上効果をより確実に得る観点から、高屈折率樹脂及び低屈折率樹脂の合計含有量における低屈折率樹脂の含有量の割合が、5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10質量%以上95質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上95質量%以下であることが更に好ましく、30質量%以上95質量%以下であることが特に好ましい。
<蛍光色素>
本実施形態の樹脂組成物は、蛍光色素を含有する。ここで、蛍光色素は、蛍光染料及び蛍光顔料を包含するものとする。
蛍光色素としては、非イオン系の蛍光色素が挙げられ、より具体的には、多環系色素(ビオラントロン系色素、イソビオラントロン系色素、ビラントロン系色素、フラバントロン系色素、ペリレン系色素、ビレン系色素等)、キサンテン系色素、チオキサンテン系色素、ナフタルイミド系色素、ナフトラクタム系色素、アンスラキノン系色素、ベンゾアントロン系色素、クマリン系色素などが挙げられる。蛍光色素は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、ペリレン系色素としては、例えば、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名Lumogen FシリーズのYellow 083、Orange 240、Red 305等が挙げられる。
また、ナフタルイミド系色素としては、例えば、ビーエーエスエフアクチェンゲゼルシャフト社製の商品名Lumogen FシリーズのViolet570、Blue650等が挙げられる。
蛍光色素は、蛍光波長域が400〜500nm及び/又は600〜680nmであることが好ましい。これらの波長域は、植物の葉緑素が吸収する光の波長域であり、蛍光波長域がこの範囲であれば、樹脂組成物から作製されるフィルムを用いることで、植物等の光合成をより効果的に促進することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、蛍光色素の含有量が0.001質量%以上0.1質量%以下であることが好ましい。蛍光色素の含有量が0.001質量%以上であれば、十分な量の光を波長変換させることができる。また、蛍光色素の含有量が0.1質量%以下であれば、必要最小限の蛍光色素の量で光変換効率を十分に高め、低コストでの製造を可能にするとともに、フィルム焼却時の環境への負荷を低減することができる。同様の観点から、本実施形態の樹脂組成物における蛍光色素の含有量は、0.002質量%以上であることがより好ましく、0.03質量%以上であることが更に好ましく、また、0.08質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物においては、光変換効率を効果的に向上させる観点から、蛍光色素が、樹脂中で均一に分散していることが好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、目的を逸脱しない範囲において、樹脂及び蛍光色素以外の、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、防曇剤、防霧剤、耐候性向上剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等)、赤外線吸収剤、保温剤、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩及び過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、硫黄系、フェノール系およびホスファイト系等の酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
ただし、本実施形態の樹脂組成物は、光散乱剤(シリカ、タルク、マイカ等の微粒子など)を含有しないことが好ましい。樹脂組成物が光散乱剤を含有すると、蛍光色素による光変換効率が低下する虞があるからである。
<樹脂組成物の製造>
本実施形態の樹脂組成物は、特に制限されず、秤量した所定の配合成分を準備し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、ロール等の、従来から知られている混合機又は押出機を用いて調製することができる。
なお、蛍光色素は、極性が高い樹脂への分散性が高い傾向を有する。そのため、樹脂組成物の製造においては、あらかじめ、蛍光色素と上述した特定SP樹脂の一部又は全部とを混合してマスターバッチを作製し、次いで、このマスターバッチと残りの配合成分とを混合することが好ましい。
(フィルム)
本発明の一実施形態に係るフィルム(以下、「本実施形態のフィルム」と称することがある。)は、上述した樹脂組成物を含むことを特徴とする。本実施形態のフィルムは、上述した樹脂組成物から作製され得るため、高い全光線透過率を維持しつつ、蛍光色素による光変換効率が向上している。
そして、本実施形態のフィルムは、蛍光色素による光変換効率が高いことから、農業用フィルムとして好適に用いることができ、植物等の光合成を効果的に促進させることができる。なお、本実施形態のフィルムを農業用フィルムとして用いる場合には、特に、ハウス、トンネル、マルチング等の用途に好適に用いることができる。
また、本発明の別の実施形態においては、単層である上述したフィルムを中間層として用いた、多層フィルムを提供することができる。即ち、本発明の一実施形態に係る多層フィルム(以下、「本実施形態の多層フィルム」と称することがある。)は、上述したフィルムを中間層として備えることを特徴とする。本実施形態の多層フィルムも同様に、農業用フィルムとして好適に用いることができる。
農業用フィルムとして用いられ得る本実施形態の多層フィルムは、外層と、内層と、これらに挟まれた少なくとも1層の中間層とを備える。また、本実施形態の多層フィルムは、少なくとも3層で構成されるが、更なる層を備えてもよく、例えば、全体で5層の構成にすることもできる(この場合には、外層及び内層以外の3層が中間層となる)。
なお、外層とは、多層フィルムをハウスに展張した際にハウス外側に面している層を指し、内層とは、ハウス内側に面している層を指すものとする。
ここで、外層及び内層は、それぞれ、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。特には、外層が直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含有し、内層がエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を含有することが好ましい。
そして、本実施形態のフィルム(多層フィルムを含む)は、上述した樹脂組成物から作製されて、外部ヘイズ値を10%以上、特には20%以上とすることができる。
なお、外部ヘイズ値とは、JIS K7136に準拠して測定される値であり、フィルム表面の凹凸による光散乱が考慮された値である。これに対し、内部ヘイズ値とは、フィルム表面をシリコーンオイルなどで被覆し、フィルム表面の凹凸による光散乱を擬似的になくした状態で、JIS K7136に準拠して測定される値である。
また、本実施形態のフィルム(多層フィルムを含む)は、上述した樹脂組成物から作製されて、全光線透過率を65%以上とすることができる。
なお、全光線透過率とは、JIS K7361−1に準拠して測定される値である。
本実施形態のフィルム(多層フィルムを含む)の厚みとしては、強度、展張作業性及びコストの観点から、0.01〜1mmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.5mmの範囲であることがより好ましく、0.05〜0.2mmの範囲であることが更に好ましい。
本実施形態のフィルム(多層フィルムを含む)は、上述の樹脂組成物を用い、公知の方法、例えば、溶融押出成形法(Tダイ法を含む)、カレンダー加工、ロール加工、押出成形加工、ブロー成形、インフレーション成形、溶融流延法、加圧成形加工、ペースト加工、粉体成形等の方法により、作製することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(対比実験A:比較例1−2、実施例1−3)
表1に示す配合処方で、最初に、EVA(VF215C)と、0.03質量%に相当する蛍光色素としてのLumogen F−Red305(ペリレン系色素)とを混合して、マスターバッチを得た。次いで、表1に示す配合処方で、得られたマスターバッチと、必要に応じてEVA以外の樹脂と、必要に応じて光散乱剤とを用い、株式会社東洋精機製作所製のラボプラストミル「Cモデル」又は東芝機械株式会社製の二軸押出機「TEM18SS」により混練・押出を行い、樹脂組成物を得た。なお、比較例1では、得られたマスターバッチそのものを樹脂組成物とした。その後、得られた樹脂組成物を熱プレスして、厚み150μmのフィルムを作製した。
各例で作製したフィルムについて、日本電色工業株式会社製「NDH−5000」を用い、JIS K7136に準拠して外部ヘイズ値(%)を測定するとともに、JIS K7361−1に準拠して全光線透過率(%)を測定した。結果を表1に示す。
また、各例で作製したフィルムについて、株式会社日立製作所製の蛍光分光光度計「F−7000」を用い、測定感度を400Vとして蛍光スペクトルを得、波長が600〜680nmの範囲における発光強度最大値を測定した。そして、比較例の発光強度最大値を100として、発光強度最大値の相対値(相対蛍光強度)を求めた。結果を表1に示す。
なお、励起波長としては、各蛍光色素に特有の最大励起波長を採用することとした。具体的に、Lumogen F−Red305を用いたこれらの例では、励起波長を440nm及び578nmの2点とした。
Figure 2019077819
(対比実験B:比較例3、実施例4−7)
蛍光色素としてPlast Red 8355(アンスラキノン系色素)を用いたこと以外は、上記と同様のやり方で、表2に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
(対比実験C:比較例4、実施例8)
蛍光色素としてのPlast Red 8355の量を0.03質量%から0.05質量%に変更したこと以外は、上記と同様のやり方で、表2に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
(対比実験D:比較例5、実施例9−11)
EVAとしてV206を用いたこと以外は、上記と同様のやり方で、表2に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
そして、対比実験B〜Dにおいても、対比実験Aと同様にして、外部ヘイズ値(%)及び全光線透過率(%)を測定した。更に、対比実験Aと同様のやり方で、波長が570〜680nmの範囲における発光強度最大値を測定した。そして、比較例の発光強度最大値を100として、発光強度最大値の相対値(相対蛍光強度)を求めた。結果を表2に示す。
なお、Plast Red 8355を用いたこれらの例では、励起波長を516nm及び551nmの2点とした。
Figure 2019077819
(対比実験E:比較例6、実施例12,13)
蛍光色素としてFX301(顔料)を用いたこと以外は、上記と同様のやり方で、表3に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
そして、対比実験Aと同様にして、外部ヘイズ値(%)及び全光線透過率(%)を測定した。更に、対比実験Aと同様のやり方で、波長が570〜680nmの範囲における発光強度最大値を測定した。そして、比較例の発光強度最大値を100として、発光強度最大値の相対値(相対蛍光強度)を求めた。結果を表3に示す。
なお、FX301を用いたこれらの例では、励起波長を567nmの1点とした。
Figure 2019077819
(対比実験F:比較例7、実施例14−18)
表4に示す配合処方に従い、上記と同様のやり方で、第1層用、第2層(中間層)用及び第3層用の樹脂組成物をそれぞれ得るとともに、インフレーション成形により、これら3層からなる厚み150μmの多層フィルムを作製した。
そして、対比実験Aと同様にして、外部ヘイズ値(%)及び全光線透過率(%)を測定した。更に、対比実験Aと同様のやり方で、波長が600〜680nmの範囲における発光強度最大値を測定した。そして、比較例の発光強度最大値を100として、発光強度最大値の相対値(相対蛍光強度)を求めた。結果を表4に示す。
なお、Lumogen F−Red305を用いたこれらの例では、励起波長を440nm及び578nmの2点とした。
Figure 2019077819
各例で用いた材料の詳細は、以下の通りである。
<EVA>
VF215C:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
V206:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
<HDPE>
サンテックHDJ300P:旭化成株式会社製
サンテックHDJ240:旭化成株式会社製
<LLDPE>
ユメリット2040FC:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
ユメリット631J:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
エボリューSP4020:株式会社プライムポリマー製
<UHMWPE>
サンファインUH900:旭化成株式会社製
<蛍光色素>
Lumogen F−Red305:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製
Plast Red 8355:有本化学工業株式会社製
FX301:シンロイヒ株式会社製
表1〜表4より、いずれの対比実験においても、屈折率差が0.01以上である2種の樹脂を少なくとも用いることで、全光線透過率を維持しつつ、蛍光色素による光変換効率が高くなっていることが分かる。
本発明によれば、蛍光色素による光変換効率が向上したフィルム等の成形品を作製可能な、樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、蛍光色素による光変換効率が向上したフィルムを提供することができる。

Claims (5)

  1. 2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、
    前記2種以上の樹脂において、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 前記蛍光色素の含有量が、0.001質量%以上0.1質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含む、ことを特徴とする、フィルム。
  4. 外部ヘイズ値が10%以上である、請求項3に記載のフィルム。
  5. 請求項3又は4に記載のフィルムを中間層として備える、多層フィルム。
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