JP2019077819A - 樹脂組成物及びフィルム - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕
2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、
前記2種以上の樹脂において、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを特徴とする、樹脂組成物。
〔2〕
前記蛍光色素の含有量が、0.001質量%以上0.1質量%以下である、項目〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕
項目〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物を含む、ことを特徴とする、フィルム。
〔4〕
外部ヘイズ値が10%以上である、項目〔3〕に記載のフィルム。
〔5〕
項目〔3〕又は〔4〕に記載のフィルムを中間層として備える、多層フィルム。
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物(以下、「本実施形態の樹脂組成物」と称することがある。)は、2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有することができる。また、本実施形態の樹脂組成物が含有する2種以上の樹脂は、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを要する。本発明者らは、驚くべきことに、蛍光色素とともに、屈折率差が0.01以上である少なくとも2種の樹脂を用いることにより、得られるフィルム等の成形品において、高い全光線透過率を維持しつつ、蛍光色素による光変換効率が向上する効果が得られることを見出した。そのため、本実施形態の樹脂組成物によれば、少ない蛍光色素量で光変換効率を十分に高められるため、低コストで、高性能な農業用フィルムなどの成形品を作製することができる。更に、蛍光色素によっては焼却時に有害ガスを発生させ得る金属成分を含むものもあることから、本実施形態の樹脂組成物は、当該蛍光色素の使用量を減らして、環境への負荷を低減できるという利点もある。
なお、用いる2種の樹脂の屈折率差が0.01未満であると、蛍光色素による光変換効率を向上させることができない。
ここで、樹脂の屈折率は、常温(例えば、23.8℃)で測定される値である。
本実施形態の樹脂組成物が含有する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)等が挙げられ、屈折率を考慮して、これらより2種以上を選択することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
なお、例えば、同系(例えば、ポリオレフィン系樹脂)に分類される2種の樹脂であっても、それらの屈折率差が0.01以上であれば、それらを本発明における「2種以上の樹脂」として用いることができる。
なお、上記の特定SP樹脂は、本実施形態の樹脂組成物において、低屈折率樹脂及び高屈折率樹脂のいずれに該当してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、蛍光色素を含有する。ここで、蛍光色素は、蛍光染料及び蛍光顔料を包含するものとする。
また、ナフタルイミド系色素としては、例えば、ビーエーエスエフアクチェンゲゼルシャフト社製の商品名Lumogen FシリーズのViolet570、Blue650等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、目的を逸脱しない範囲において、樹脂及び蛍光色素以外の、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、防曇剤、防霧剤、耐候性向上剤(ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤等)、赤外線吸収剤、保温剤、金属の有機酸塩、塩基性有機酸塩及び過塩基性有機酸塩、ハイドロタルサイト化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール、ハロゲン酸素酸塩、硫黄系、フェノール系およびホスファイト系等の酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、着色剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物は、特に制限されず、秤量した所定の配合成分を準備し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、ロール等の、従来から知られている混合機又は押出機を用いて調製することができる。
本発明の一実施形態に係るフィルム(以下、「本実施形態のフィルム」と称することがある。)は、上述した樹脂組成物を含むことを特徴とする。本実施形態のフィルムは、上述した樹脂組成物から作製され得るため、高い全光線透過率を維持しつつ、蛍光色素による光変換効率が向上している。
なお、外層とは、多層フィルムをハウスに展張した際にハウス外側に面している層を指し、内層とは、ハウス内側に面している層を指すものとする。
なお、外部ヘイズ値とは、JIS K7136に準拠して測定される値であり、フィルム表面の凹凸による光散乱が考慮された値である。これに対し、内部ヘイズ値とは、フィルム表面をシリコーンオイルなどで被覆し、フィルム表面の凹凸による光散乱を擬似的になくした状態で、JIS K7136に準拠して測定される値である。
なお、全光線透過率とは、JIS K7361−1に準拠して測定される値である。
表1に示す配合処方で、最初に、EVA(VF215C)と、0.03質量%に相当する蛍光色素としてのLumogen F−Red305(ペリレン系色素)とを混合して、マスターバッチを得た。次いで、表1に示す配合処方で、得られたマスターバッチと、必要に応じてEVA以外の樹脂と、必要に応じて光散乱剤とを用い、株式会社東洋精機製作所製のラボプラストミル「Cモデル」又は東芝機械株式会社製の二軸押出機「TEM18SS」により混練・押出を行い、樹脂組成物を得た。なお、比較例1では、得られたマスターバッチそのものを樹脂組成物とした。その後、得られた樹脂組成物を熱プレスして、厚み150μmのフィルムを作製した。
なお、励起波長としては、各蛍光色素に特有の最大励起波長を採用することとした。具体的に、Lumogen F−Red305を用いたこれらの例では、励起波長を440nm及び578nmの2点とした。
蛍光色素としてPlast Red 8355(アンスラキノン系色素)を用いたこと以外は、上記と同様のやり方で、表2に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
蛍光色素としてのPlast Red 8355の量を0.03質量%から0.05質量%に変更したこと以外は、上記と同様のやり方で、表2に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
EVAとしてV206を用いたこと以外は、上記と同様のやり方で、表2に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
なお、Plast Red 8355を用いたこれらの例では、励起波長を516nm及び551nmの2点とした。
蛍光色素としてFX301(顔料)を用いたこと以外は、上記と同様のやり方で、表3に示す配合処方で、樹脂組成物を得るとともに、厚み150μmのフィルムを作製した。
なお、FX301を用いたこれらの例では、励起波長を567nmの1点とした。
表4に示す配合処方に従い、上記と同様のやり方で、第1層用、第2層(中間層)用及び第3層用の樹脂組成物をそれぞれ得るとともに、インフレーション成形により、これら3層からなる厚み150μmの多層フィルムを作製した。
なお、Lumogen F−Red305を用いたこれらの例では、励起波長を440nm及び578nmの2点とした。
VF215C:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
V206:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
<HDPE>
サンテックHDJ300P:旭化成株式会社製
サンテックHDJ240:旭化成株式会社製
<LLDPE>
ユメリット2040FC:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
ユメリット631J:宇部丸善ポリエチレン株式会社製
エボリューSP4020:株式会社プライムポリマー製
<UHMWPE>
サンファインUH900:旭化成株式会社製
<蛍光色素>
Lumogen F−Red305:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製
Plast Red 8355:有本化学工業株式会社製
FX301:シンロイヒ株式会社製
Claims (5)
- 2種以上の樹脂と、蛍光色素とを含有し、
前記2種以上の樹脂において、最大の屈折率を有する樹脂と、最小の屈折率を有する樹脂との屈折率差が0.01以上である、ことを特徴とする、樹脂組成物。 - 前記蛍光色素の含有量が、0.001質量%以上0.1質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含む、ことを特徴とする、フィルム。
- 外部ヘイズ値が10%以上である、請求項3に記載のフィルム。
- 請求項3又は4に記載のフィルムを中間層として備える、多層フィルム。
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