JPH1042721A - 柑橘類の栽培法 - Google Patents

柑橘類の栽培法

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JPH1042721A
JPH1042721A JP8221838A JP22183896A JPH1042721A JP H1042721 A JPH1042721 A JP H1042721A JP 8221838 A JP8221838 A JP 8221838A JP 22183896 A JP22183896 A JP 22183896A JP H1042721 A JPH1042721 A JP H1042721A
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Japan
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film
citrus
light
fruits
wavelength
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Hiroshi Takahashi
弘 高橋
Takeshi Naohara
剛士 猶原
Hiroshi Suda
広 須田
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Nippon Soda Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】収穫時期を遅らせ、高品質の果実を収穫するこ
とのできる柑橘類の栽培方法を提供する。 【解決手段】360nm以下の紫外線を減衰させる紫外
線吸収剤及び/又は発光極大波長が540〜700nm
にある蛍光色素を含有する資材で被覆する柑橘類の栽培
法により解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は柑橘類の栽培法に関
する。
【0002】
【従来の技術】冬場を代表する柑橘類は、温州みかんか
らネーブルオレンジや「八朔」に代表される中晩柑類、
スダチやカボスのようなその他に属する柑橘類まで多く
の品種がある。なかでも温州みかんは消費者の嗜好に合
い、普通温州(晩生温州)の他に極早生温州、早生温州
が多数育成された。なかでも「青島温州」は現在最も糖
度の高いみかんであり、静岡県を中心に広く栽培されて
いる。「青島温州」の出荷時期は12月上旬から5月上
旬であり、極早生温州の「橋本早生」や早生温州の「宮
川早生」などがその他の時期に市場に出回るようになっ
ている。従って、ほぼ年間を通じて温州みかんが食べら
れるようになり、現在では消費者の嗜好も高くなり、特
に、より品質の高い味のよいみかんが望まれるようにな
った。高品質のみかんを生産するため、1)極早生温
州、早生温州と普通温州の互いの長所を持つ品質の交配
による育成、2)温州みかんとオレンジ、グレープフル
ーツ等との交雑実生による改良、3)越年による完熟化
などの方法が行われているが、1)、2)は時間がかか
るため、温州みかんだけでなく中晩柑類も含めて、3)
の方法が現在のところ主流となっている。特に極早生温
州、早生温州を生産している農家は、樹上で越年させる
ことによる完熟果の生産を行っている。しかしながら、
冬場は、夏に比べて太陽光の光量が1/2ないし1/4
に減少するため、樹上で越年させても糖の生成が十分で
ない果実が多数発生する。そこで、冬場の光合成の促進
が一つの課題となっている。このほか、寒害の回避等の
問題を解決しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、紫外線ない
し可視光線の透過光量を制御することにより収穫時期を
遅らせると共に品質を向上させることができる柑橘類の
栽培法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)360
nm以下の紫外線を減衰させる紫外線吸収剤及び/又は
発光極大が540〜700nmにある蛍光色素を含有す
る資材で被覆することを特徴とする柑橘類の栽培法、
(2)360nm以下の紫外線を減衰させる紫外線吸収
剤及び/又は発光極大波長が540〜700nmにある
蛍光色素を含有する資材で被覆することにより収穫時期
を遅らせることを特徴とする柑橘類の栽培方法および
(3)360nm以下の紫外線を減衰させる紫外線吸収
剤及び/又は発光極大波長が540〜700nmにある
蛍光色素を含有する資材で被覆することにより品質を向
上させることを特徴とする柑橘類の栽培法である。
【0005】
【発明の実施の形態】360nm以下の紫外線を現実的
にカットする紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート,2−エ
チルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリ
レート等のシアノアクリレート誘導体、2−エチル−
5′−t−ブチル−2′−エトキシ−N,N′−ジフェ
ニロキサルアミド,2−エチル−2′−エトキシ−N,
N′−ジフェニロキサルアミド,4−ドデシル−2′−
エトキシ−N,N′−ジフェニロキサルアミド等のシュ
ウ酸アミド誘導体、2−(2′−ヒドロキシ−3′,
5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール,2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オク
チルフェニル)ベンゾトリアゾール,2−(2′−ヒド
ロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール,2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール,2−
(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール,2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′
−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール,2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール,2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリ
アゾール,2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール,2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミ
ドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル,2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジノニルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール誘
導体、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−ドデシルオキシベンゾフェノン,2,2′−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2,2′−ジ
ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン,2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン誘導体、フェニルサリチレート,
4−t−ブチルフェニルサリチレート,4−n−オクチ
ルフェニルサリチレート,2−エチルヘキシルサリチレ
ート,ホモメシチルサリチレート等のサリチル酸エステ
ル誘導体などを挙げることができる。
【0006】発光極大が540〜700nmにある蛍光
色素としては、例えば、ルモゲンFRed300などの
ベリレン系、ルミノールRed、Violet 635
Pなどのアントラキノン系、テオインジゴBright
Pink G、チオインジコScariet Rなど
のチオインジゴ系、ルミノールBright Oran
ge575PT、
【0007】
【化1】
【0008】などのナフタル酸系、ローダミン、アクリ
ジンRedなどのキサンテン系、
【0009】
【化2】
【0010】などのクマリン系、
【0011】
【化3】
【0012】などのナフトイレン系、WO93/096
64号、特願平5−342746号公報に記載される、
【0013】
【化4】
【0014】〔式中R1 、R2 、R3 、R4 は同一又は
相異なって水素、置換基を有してもよいアルキル基、置
換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよ
いアルキニル基、またR1 とR2 又は/およびR3 とR
4 が一緒になって、−CH2 −Z−CH2 −(Zは置換
基を有してもよいアルキレン又は置換基を有しても良い
芳香族炭化水素を示す)を形成しても良く、さらにR1
とR2 又は/およびR3とR4 が一緒になって、=CH
Nr1 2 (r1 、r2 は同一又は相異なってアルキル
基を示す)又は=Sr3 4 (r3 、r4 は同一又は相
異なって、アルキル基、アリール基を示す)なる基を形
成しても良い。ただしR1 、R2 、R3 、R4 がすべて
水素である化合物及びすべて置換基を有してもよいアル
キニル基である化合物は除く〕で表わされるシアノピラ
ジン誘導体、WO93/096664号に記載される、
【0015】
【化5】
【0016】〔式中R5 、R6 、R7 、R8 はそれぞれ
水素、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニ
ル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、
9 、R10は水素原子、ハロゲン、アルキル基、アルコ
キシ基、モノもしくはジアルキルアミノ基、又はアルキ
ルチオ基を示し、R11は置換基を有してもよいアルキル
基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有
してもよいアルキニル基を示す。〕で表わされるベンゾ
プテリジン誘導体などが挙げられる。また特願平6−2
49914号公報に記載されているように、蛍光色素は
重合していてもよい。
【0017】更に、本発明に用いる資材は、WO93/
09664号、特願平5−342746号公報に示され
ているような、発光極大が540〜700nmにある蛍
光色素にさらに発光極大が380〜520nmにある蛍
光色素を含有している資材でもよい。
【0018】本発明において資材としては、例えば単層
又は積層フィルム,板,ネット,織布,不織布,反射フ
ィルム,反射板などであり、それらの材料は、例えば、
(軟質、半硬質、硬質)PVC,ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリビニルアルコール,ポリメチルアクリレ
ート,ポリメチルメタクリレート,ポリ塩化ビニリデ
ン,ポリアクリルニトリル,ポリブタジエン,ポリスチ
レン,エチレン−メタクリレート共重合体,エチレン−
酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体,PET,PBTなどのポリエステル、ポリアリレー
ト,ポリカーボネート,ポリエステルカーボネート,ナ
イロン6,ナイロン6/6,ナイロン11,ナイロン1
2,MXD6ナイロンなどのポリアミド、ポリジメチル
シロキサン,ポリトリメチルシリルプロピレン,ポリウ
レタン,アイオノマー類,セロファン,ポリエチレンセ
ロファン,セルロースアセテート,セルロースプロピオ
ネート,エチルセルロース,ニトロセルロースなどの合
成樹脂類、セルロースなどの天然繊維類等である。
【0019】例えば、フィルムの場合、その製造法は特
に制約はなく、樹脂の溶融特性、溶剤溶解性、蛍光色素
の熱特性などに応じて押出し成形(単層又は積層)、イ
ンフレーション成形(単層又は積層)、カレンダー成形
などによって製造するか前記樹脂を溶解したワニスを織
布、不織布、紙、樹脂ベースフィルム、樹脂板などに含
浸又はコーティングすることにより製造することができ
る。織布、不織布、ネットの場合は染色してもよい。紫
外線吸収剤及び蛍光色素を含むフィルムの厚さは成形フ
ィルム、コーティング層ともに10〜300μm、好ま
しくは30〜150μmにするのがよい。また、特願平
6−73350号公報にあるように蛍光色素をポリマー
ビーズに含有させ、このビーズをフィルムに含有させて
もよい。
【0020】資材に対する紫外線吸収剤の量は360n
m以下の紫外線の透過率が0〜50%、好ましくは0〜
10%となるように一種又は複数種配合される。資材に
対する蛍光色素の混合比は夫々0.01〜2.0%、好
ましくは0.05〜0.5%である。0.01%より小
さいと発光機能が十分でなくまた2.0%より大きいと
光の吸収割合が大きく蛍光性化合物の特徴である濃度消
光の効果が表われて発光効率が低下する。
【0021】紫外線吸収剤を配合すると蛍光色素は安定
化される。また、栽培用資材としての他の諸条件を満た
すため本発明の目的を損なわない種類及び量の酸化防止
剤、一重酸素クエンチャー、ヒンダードアミン系光安定
剤、その他の安定化剤、滑剤、防曇剤、流滴剤などを配
合してもよい。柑橘類への被覆は発芽と同時に行なっい
もよく、又、収穫の2〜3ケ月前に行なってもよい。被
覆は収穫直前まで行なうのが好ましい。
【0022】資材がフィルムの場合、紫外線吸収剤及び
/又は蛍光色素を溶解した合成樹脂フィルムは合成樹脂
の屈折率によって異なるが発光光のうち60〜80%が
空気との界面で全反射され、フィルム内に伝わって行
く。閉じ込められた光は多くの場合吸収スペクトルが発
光スペクトルと重なっているため一部の光は再び吸収、
発光をくり返す。この時発光は一定の変換効率を乗じた
量で行なわれるのでエネルギーロスは無視出来ない大き
さになる。この様なエネルギーロスを回避し発光光を有
効にフィルム内面から放射することが出来る様にフィル
ムの内面に規則的な、又は不規則な凹凸を設ける粗面化
加工をするのが好ましい。粗面化はワイヤーブラシ、サ
ンドブラスト、エンボシングなど通常実施されている方
法で行なうことができる。
【0023】資材は果実の袋がけ、ベタガケ、枝ガケ、
トンネル、全体に本資材を用いたハウス、上部だけに本
資材を用いた雨よけ等として用いる。また蛍光色素は、
本発明の効果を損わない範囲で素材の一部分に偏在して
もよい。
【0024】本発明の付加的効果として、赤色光による
害虫の防除効果が挙げられる。橙色から赤色の光には、
ヤノネカイガラムシ,サンホーゼカイガラムシ,ミカン
マルカイガラムシ,ミカンノワタカイガラムシ,ヒラタ
カタカイガラムシ,ルビーローカイガラムシ,イセリヤ
カイガラミシ,コンマカイガラムシ,ミカンノコナカイ
ガラムシ,ミカンネコナカイガラムシ,ミカンハダニ,
サビダニ,ミカンハムグリガ,ホシカミキリ,ヒメエグ
リバ,ミカンアブラムシ,コカクモンハマキムシ、ミカ
ンバエなどの害虫がこれを忌避する作用があるため施設
内の農薬使用量を減らすことができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳述する。実
施例中「部」は重量部を表わす。蛍光スペクトルは
(株)日立製作所製 フルオレッセンススペクトロフォ
トメーター850型を使用して測定した。
【0026】参考例1 (紫外線吸収フィルムの製造) 次の配合比で0.1mm厚、キヌ目エンボスを施した軟質
塩ビフィルムをカレンダー成形した。配合比 塩ビ SUNAR SA1000D1) 100部 DOP2) 45 TCP(トリクレジルフォスフェート)3) 5 DPDP(ジフェニルイソデシルフォスファイト)4) 0.5 エポキシ単量体 DER33/J5) 1 エポキシ化大豆油 ダイマックS−300K6) 1 ステアリン酸バリウム7) 0.5 ステアリン酸亜鉛7) 1 ポリオキシエチレン ソルビタンモノステアレート8) 1 メガファクス F−1209) 0.1 ユビナール N−53910) 3 ──────── 158.1 注)1)サンアロー化学(株) 2)積水化学工業(株) 3)大八化学工 業(株) 4)三光化学(株) 5)ダウケミカル ジャパン(株) 6)ダイ セル化学工業(株) 7)日本油脂(株) 8)和光純薬(株) 9)大日本イ ンキ化学工業(株) 10)BASFジャパン(株)
【0027】参考例2(赤色蛍光フィルムの製造) 参考例1の配合に更に、特願平5−342746号公報
に記載される次式のシアノピラジン誘導体(色素I)を
塩ビ100部に対し0.33部、ミカホワイトATN原体
(色素II、日本化薬(株))を0.05部添加し参考例
1と同様にしてカレンダー成形した。
【0028】
【化6】
【0029】参考例2のフィルムの励起および発光スペ
クトルを図1に示す。
【0030】参考例3(赤色蛍光不織布の製造) ポリエステル不織布、スパンボンド、エクーレ(商標
名)6301A(30g目付(東洋紡績(株)製)を1
m×1m×50枚用意する。それぞれを4つ折りにたた
み、積み上げたものを麻ひもで軽くしばり、20lのF
RP槽に入れ、水道水10l、N,N,N’,N’−テ
トラメチル−3,6−ジアミノ−2,5−ピラジンジカ
ルボニトリルのピラジン系色素(色素III)15g、
界面活性剤(ジ(2−エチルヘキシル)スルホこはく酸
ナトリウム)7.5g、サンガードT−40(UVカット
剤、日本センカ(株)製)30gを加え、攪拌しながら
投げ込みヒーターで90〜100℃に加熱し、3時間保
持した。冷却後、90℃の熱水で洗い、乾燥して波長変
換性の不織布を作製した。
【0031】実施例1 神奈川県のみかん園において青島温州1区1樹2反復の
試験を行った。参考例1および参考例2のフィルムを樹
のまわりに設けたフレームに張り、樹全体を被覆し、収
穫時に、果皮色、糖度、酸度を測定した。なお、甘味比
は糖度/酸度で示し、11〜15が品質優良である。 被覆期間および栽培 平成7年 3月 7日 参考例1、参考例2のフィルム被覆 5月17日 参考例2フィルム張り替え 9月14日 参考例2フィルム張り替え 11月30日 第1回収穫 30果−調査1 12月28日 第1回収穫 全果収穫−調査2 調査1の結果を表1に、調査2の結果を表2にそれぞれ
示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】通常の収穫日(第1回収穫日)において、
参考例2フィルムの被覆区は、果皮の着色、増糖および
減酸が遅れた。しかし、約1ヵ月後の第2回収穫日にお
ける参考例2フィルムの被覆区の果皮色、糖度および酸
度は、第1回収穫の無被覆区と同等であり、果実の品質
を落とさずに収穫時期を遅らせることができた。
【0035】実施例2 愛知県のみかん園において、参考例3の波長変換性の不
織布の被覆試験を行った。 試験方法: 試験場所 伊予郡砥部町宮内 供試樹 ヒメボン 高接4年生 区 制 1区2樹 1区制 被覆期間 平成7年12月22日〜平成8年3月1
9日 処理方法 1樹全体のすそまで光質変換不織布で被
覆した。他1本を無処理とした。 調査月日 処理直前 12/22、収穫期調査 3
/19
【0036】調査方法 (イ)傷害果調査 各区毎に1樹より50〜100個
を無作為に選び、風傷果と汚染果を被害程度別に調査し
た。 (ロ)外観の正品率調査 各区毎に1樹より50〜1
00個を無作為に選び、果実の外観を等級別に調査し
た。 (ハ)ス上り果及びヤケ果調査 各区毎に1樹より5
0〜100個を無作為に選び、樹上越冬した果実のス上
り果とヤケ果の被害を調査した。 (ニ)果実品質調査 各区毎、1樹より10個を無作
為に取り、果重・糖度・クエン酸を調査した。 (ホ)樹勢状況調査 各区の樹勢や葉色等を肉眼調査
した。 (へ)着色調査 各区毎の果実を肉眼調査した。 (イ)〜(ニ)の調査結果を表3〜表6に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】樹勢状況調査;樹勢状況の調査は肉眼調査
であったが、光質変換不織布を被覆した区の葉色は緑色
が濃く、落葉が少なく、無処理区に比べ鮮やかで樹勢も
良好であった。一方、無被覆区は最近にない平成7年度
12月から平成8年度の低温や寒風等により葉色の色が
全体に薄れ、葉巻や落葉も多く樹勢がやや疲れた感じが
見られた。 着色調査;光質変換不織布の被覆区の果実と、無被覆区
の果実の着色状態にはあまり差が見られなかった。
【0042】試験成績のまとめ: 1)傷害果; (a)風傷果は、光質変換不織布被覆区が無被覆区に比
べ、かなり少なく、冬期間の寒風による被害防止効果が
認められた。 (b)汚染果は、黒い煤煙の流れたもので、被覆区の方
が無被覆区よりかなり少なかった。 2)外観の正品率;出荷基準による等級選別の結果は、
光質変換不織布被覆区の方が無被覆区に比べ、秀品、優
品率が高く被覆効果は高い。 3)ス上り果及びヤケ果;光質変換不織布被覆区は無被
覆区に比べ、ス上り果がかなり少なく、またヤケ果の発
生は全く見られなく被覆効果は高い。 4)果実品質; (a)被覆後の糖度は、光質変換不織布被覆区と無被覆
区との差異は見られなかった。 (b)被覆後のクエン酸は、被覆区と無被覆区ではあま
り差異は見られなかった。 5)樹勢状況;光質変換不織布被覆区は無被覆区に比
べ、葉色がよく寒風による落葉や寒害の被害は少なく、
樹勢も良好で被覆効果は高かった。 6)着色;果実の着色は、光質変換不織布被覆区と無被
覆区には差異は見られなかった。
【0043】結果の要約:光質変換不織布被覆は樹上越
冬すると、ヒメボンに対して冬期間の低温や寒風害によ
るス上り果及びヤケ果、また風傷、汚染果などの寒害被
害がかなり少なく、被覆の効果は高い。冬期は一般に光
量が不足しがちであるが、不織布被覆による光量の低下
(透過率約60%)を添加したピラジン系色素による波
長変換の効果が補うことにより、無被覆区と同等の品質
を維持することができたものと考えられる。
【0044】
【発明の効果】
(1)本発明の栽培法は柑橘類の収穫時期を遅らせ、出
荷時期の調節、労働力の分散を図ることができる。 (2)本発明の栽培法により、高品質の柑橘類を生産す
ることができる。 (3)本発明の栽培法により、柑橘類の樹勢を良好に維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例2で製造した赤色フィルムの励起および
発光スペクトル。
【符号の説明】 (ハ)色素〔II〕の420nm発光に対する励起スペク
トル。 (ニ)色素〔II〕の380nmの励起による発光スペク
トル。 (x)色素〔II〕自体の発光ピーク。 (y)色素〔II〕の励起エネルギーが色素〔I〕にエネ
ルギー移動した結果発光するピーク。 (ホ)色素〔I〕の598nm発光に対する励起スペク
トル。 (ヘ)色素〔I〕の506nmの励起による発光スペク
トル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 360nm以下の紫外線を減衰させる紫
    外線吸収剤及び/又は発光極大波長が540〜700n
    mにある蛍光色素を含有する資材で被覆することを特徴
    とする柑橘類の栽培法。
  2. 【請求項2】 360nm以下の紫外線を減衰させる紫
    外線吸収剤及び/又は発光極大波長が540〜700n
    mにある蛍光色素を含有する資材で被覆することにより
    収穫時期を遅らせることを特徴とする柑橘類の栽培法。
  3. 【請求項3】 360nm以下の紫外線を減衰させる紫
    外線吸収剤及び/又は発光極大波長が540〜700n
    mにある蛍光色素を含有する資材で被覆することにより
    品質を向上させることを特徴とする柑橘類の栽培法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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