JP2019072755A - 線材分離搬送装置 - Google Patents
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Description
このような集合体から線材を1本ずつ分離して搬送する従来技術として、特許文献1に開示された管棒部材の供給装置がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした線材分離搬送装置を提供することを目的とする。
第1に、回転軸3と、この回転軸3に固定されていて外周に線材Sを受け入れる線材受凹部4Aを形成した複数枚の基円盤4と、各基円盤4に隣接されて回転軸3に嵌合しかつ外周に線材Sを受け入れる線材当凹部5Aを形成した調整円盤5と、前記複数枚の基円盤4に対して全調整円盤5の位相を同時に変更する位相調整手段6とを有しており、
前記基円盤4の線材受凹部4Aと調整円盤5の線材当凹部5Aとは位相がずれて重合して1本の線材Sを係合する係合凹部Pを形成していることを特徴とする。
第3に、前記位相調整手段6は、前記調整軸8に設けたギヤ12と、前記回転軸3に設けられていてギヤ12と噛合するロックギヤ13とを有し、前記ロックギヤ13は回転軸3に対して着脱自在であることを特徴とする。
を設けており、この軸受手段15は回転軸3及び調整軸8に嵌合して回転軸3と一体回転する軸受円板16と、この軸受円板16の外周面を下方から回転自在に支持する支持回転体17とを有することを特徴とする。
第5に、前記複数枚の基円盤4の線材S受け入れ側の外方でかつ回転軸3より上方位置に、前記係合凹部Pに向けて下向き傾斜した線材ガイド面19aを有する線材ガイド19と、この線材ガイド19の線材ガイド面19aに線材Sを供給する供給手段20とを有することを特徴とする。
第7に、前記複数枚の基円盤4の線材S受け入れ側と反対側の外方で係合凹部Pから線材Sの放出を案内する放出ガイド手段22と、この放出ガイド手段22によって放出される線材Sを受持して線材長手方向に搬送する長手搬送手段23とを有することを特徴とする。
即ち、請求項1に係る発明は、複数枚の基円盤4の線材受凹部4Aとこれに隣接する調整円盤5の線材当凹部5Aとは位相がずれて重合して1本の線材Sを係合する係合凹部Pを形成しており、位相調整手段6により複数枚の基円盤4に対して全調整円盤5の位相を同時に変更するので、全係合凹部Pの大きさを同時に変更することができ、径の異なる線材Sの搬送を簡便に変更でき、複数の係合凹部Pは線材Sの長手方向複数個所を同時に係合できる。
請求項3に係る発明は、ロックギヤ13を回転軸3に対して固定することにより調整軸8をロックでき、ロックギヤ13を回転軸3に対して離脱することにより調整軸8の回動が許容できる。
請求項5に係る発明は、線材ガイド19によって係合凹部Pへの線材Sの供給を確実に行うことができる。
請求項6に係る発明は、線材ガイド19から線材Sを受け取るときの基円盤4の線材受凹部4Aの線材ガイド面19aが径外端から径内端側へ下向き傾斜するので、係合凹部Pで線材Sを確実に係合して受け取ることができる。
図1〜5において、線材分離搬送装置1は前半分を表示しており、引抜加工、抽伸加工
、伸管加工等の加工が行われた後の直線状の管材、棒材等の線材Sを、多数本まとめて導入し、それを1本ずつ分離して探傷検査機等の後処理機2へ搬送するものである。
線材分離搬送装置1は大別して、円盤の回転により線材Sを1本ずつ間欠的に搬送する分離部Aと、この分離部Aへ線材Sを可及的1本ずつ連続して供給する供給部Bと、分離部Aで分離された線材Sを長手方向に搬送して後処理機2へ供給する搬出部Cとを備えている。
前記回転軸3には間隔をおいて複数枚(9枚)の基円盤4と調整円盤5とが嵌合され、基円盤4は回転軸3に対して固定され、調整円盤5は回転軸3に対して回動可能であって、隣接している基円盤4に対して位相(周方向位置)が調整自在になっている。
前記複数枚の基円盤4に対して全調整円盤5の位相を同時に変更する位相調整手段6が設けられている。図4〜8において、前記位相調整手段6は、複数枚の基円盤4に貫通支持された調整軸8と、全調整円盤5に設けられていて回転軸3を曲率中心とする円弧状のラック9と、前記調整軸8に設けられていて前記ラック9と噛合して調整円盤5を回転軸3廻りに回動するピニオン10とを有する。
図7は、2点鎖線で示す調整円盤5の線材当凹部5Aが、基円盤4の線材受凹部4Aと最小径の線材Sを係合する最小係合凹部Pを形成する位置から、線材受凹部4Aの半分程度の幅だけずらした実線で示す位置まで位相を変更(位相ずれ角α)した状態を示している。
軸3に対してロックギヤ13を固定すると、ギヤ12は回動できなく、ロックギヤ13を離脱すると、ギヤ12は自由に回動できるようになる。
調整軸8の先端にはスパナ等の工具を係合する角軸部8aが形成されており、工具を係合して調整軸8及びギヤ12を回動することができる。
前記各調整円盤5及びラック9は基円盤4の前後面のどちら側に隣接配置しても良いが、図2においては、総ての調整円盤5は基円盤4の前面側に配置されて、線材分離搬送装置1の前面側から総てのラック9及びピニオン10が目視できるようになっており、図3、4,7では、ロックギヤ13に近い側の調整円盤5だけ基円盤4の後面側に配置されており、最前部の基円盤4と装置フレーム30上の軸受31との間の距離を短くできるようにしている。
分離部Aへ線材Sを供給する供給部Bは、分離部Aへ向かって3段構成になっており、多数本の線材Sを受け入れて多数本同時に持ち上げ可能な第1供給部B1と、この第1供給部B1から線材Sを少量ずつ荒送りされる第2供給部B2と、この第2供給部B2から送られた線材Sを可及的1本ずつ連続して分離部Aへ供給する第3供給部B3とを有している。
前記第2供給部B2は、前記前上向きの傾斜面Faの上端から前下向き傾斜した転動板47と、前上向き傾斜面Faとオーバラップしていて、前上向き傾斜面Faの上端に位置する線材Sを掬い上げながら転動板47上へ転動させる前下向き傾斜部材48と、この前下向き傾斜部材48を昇降するエアーシリンダ49とを有する。
前下向き傾斜部材48は、1組の供給部Bいついて複数本(3本)配置されており、各前下向き傾斜部材48には上下方向に長いラックが形成され、このラックに係合するピニオンが伝動軸50に設けられ、1本の前下向き傾斜部材48をエアーシリンダ49で昇降することにより、ピニオン、伝動軸50及びラックを介して他の前下向き傾斜部材48も同時に同量昇降できるようにしている。
ド19と、転動板47の下端とオーバラップしていて、止め板51で止められた線材Sを掬い上げながら線材ガイド面19a上へ転動させる供給手段20とを有し、供給手段20は第2供給部B2と同様な形状の前下向き傾斜部材52及びそれを昇降するエアーシリンダ53を有する。
前下向き傾斜部材52は前記前下向き傾斜部材48と同様に、1組の供給部Bについて複数本(3本)配置されていて、エアーシリンダ53の作動でピニオン、伝動軸54及びラックを介して複数本の前下向き傾斜部材52が同時に昇降できるようにしている。
前記第2供給部B2及び第3供給部B3は、前下向き傾斜部材48、52で線材Sを1本のみ持ち上げて供給するのが最良であるが、前下向き傾斜部材48、52の上端の前下向き傾斜面は大径の線材Sを受けるだけの幅があり、そのような幅は小径の線材Sを複数本同時に持ち上げ得るものである。そのため、線材Sの径に応じて可及的に1本のみを持ち上げるように径適応手段60が設けられている。
径規制部材61は縦部61aと横部61bとを有する略正面視L字状の板材であって、縦部61aは止め板51と平行であって、前下向き傾斜部材52と正面視でオーバラップしており、止め板51から転動板47側に突出することにより、前下向き傾斜部材52上に乗り得る線材Sの径を設定する。
前記径規制部材61における縦部61aと前下向き傾斜部材52とのオーバラップ量と、横部61bの後部と前下向き傾斜部材48とのオーバラップ量とは同一であり、それぞれ搬送する線材Sを1本のみ前下向き傾斜部材48、52上に載せることができ、線材Sの径が変更になれば、位置調整具62によって前後に位置調整をする。
仮に、線材ガイド面19a上に複数本の線材Sが存在していても、係合凹部Pには1本のみしか係合できないので、供給部Bから供給される線材Sは1本のみが分離されて搬出部Cへ搬送される。
回転軸3の廻りで、前記線材ガイド19から略180度変位した位置に、放出ガイド手段22が設けられ、これにオーバラップして長手搬送手段23が設けられ、これらによって搬出部Cが構成されている。
放出ガイド手段22は案内部材55を上昇して、基円盤4の係合凹部Pが係合して係合
位置から反転してきた線材Sを案内面55aで係合して、線材Sを係合凹部Pから離脱させかつ基円盤4の径外側へ移動し、U溝55bで受け止め、U溝55bに一旦入ってから飛び出るのを飛び出し防止部材56で阻止する。前記案内部材55を下降することにより、U溝55bで受け止められた線材Sは長手搬送手段23に受け渡される。
前記線材分離搬送装置1における線材Sの1本分離動作及び異径線材Sへの対応動作を説明する。
転動板47の前下端まで転動した線材Sを、第3供給部B3の供給手段20の前下向き傾斜部材52で掬い上げて、線材ガイド19の線材ガイド面19aに移載しかつ線材ガイド面19aを転落させて、線材Sを複数枚の基円盤4の外周面に供給する。
係合凹部Pは基円盤4の線材受凹部4Aに対して調整円盤5の線材当凹部5Aがずれて重合して形成され、線材Sが1本しか入らない凹部であるので、仮に線材ガイド面19a上に2本の線材Sが存在しても、他の1本は排除される。
搬送する線材Sが径の異なるものに変更されるとき、位相調整手段6のロックギヤ13を回転軸3に固定している状態から解除して、即ち、ロックギヤ13をフリーにして、調整軸8を工具で回動し、複数個のピニオン10及びラック9を介して複数枚の調整円盤5を基円盤4に対して同時に回動し、基円盤4に対する調整円盤5の位相を変更し、基円盤4の線材受凹部4Aと調整円盤5の線材当凹部5Aとで形成する係合凹部Pの大きさを変更される線材Sの径に適合させる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、基円盤4の線材受凹部4Aと調整円盤5の線材当凹部5Aとをそれぞれ周方向に複数個所に形成して、1本の線材Sと係合する係合凹部Pを複数形成して、回転軸3の1回転中に複数本の線材Sを分離繰り出しができるようにしてもよい。
位相調整手段6は、調整円盤5に固定の円弧状のラック9は内周側にピニオン10と噛合する歯を形成しているが、ラック9の外周側に歯を形成してもよい。
3 回転軸
4 基円盤
4A 線材受凹部
4Aa 受け面
5 調整円盤
5A 線材当凹部
6 位相調整手段
8 調整軸
8a 角軸部
9 ラック
10 ピニオン
12 ギヤ
13 ロックギヤ
15 軸受手段
16 軸受円板
17 支持回転体
19 線材ガイド
19a 線材ガイド面
20 供給手段
22 放出ガイド手段
23 長手搬送手段
30 装置フレーム
A 分離部
B 供給部
C 搬出部
P 係合凹部
S 線材
このような集合体から線材を1本ずつ分離して搬送する従来技術として、特許文献1に開示された管棒部材の供給装置がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした線材分離搬送装置を提供することを目的とする。
第1に、回転軸3と、この回転軸3に固定されていて外周に線材Sを受け入れる線材受凹部4Aを形成した複数枚の基円盤4と、各基円盤4に隣接されて回転軸3に嵌合しかつ外周に線材Sを受け入れる線材当凹部5Aを形成した調整円盤5と、前記複数枚の基円盤4に対して全調整円盤5の位相を同時に変更する位相調整手段6とを有しており、
前記基円盤4の線材受凹部4Aと調整円盤5の線材当凹部5Aとは位相がずれて重合して1本の線材Sを係合する係合凹部Pを形成しており、
前記位相調整手段6は、前記複数枚の基円盤4に貫通された調整軸8と、全調整円盤5に設けられていて回転軸3を曲率中心とする円弧状のラック9と、前記調整軸8に設けられていて前記ラック9と噛合して調整円盤5を回転軸3廻りに回動するピニオン10とを有しており、
前記位相調整手段6は、前記調整軸8に設けたギヤ12と、前記回転軸3に設けられていてギヤ12と噛合するロックギヤ13とを有し、前記ロックギヤ13は回転軸3に対して固定・固定解除可能であることを特徴とする。
第3に、前記複数枚の基円盤4の線材S受け入れ側の外方でかつ回転軸3より上方位置に、前記係合凹部Pに向けて下向き傾斜した線材ガイド面19aを有する線材ガイド19と、この線材ガイド19の線材ガイド面19aに線材Sを供給する供給手段20とを有することを特徴とする。
第5に、前記複数枚の基円盤4の線材S受け入れ側と反対側の外方で係合凹部Pから線材Sの放出を案内する放出ガイド手段22と、この放出ガイド手段22によって放出される線材Sを受持して線材長手方向に搬送する長手搬送手段23とを有することを特徴とする。
即ち、請求項1に係る発明は、複数枚の基円盤4の線材受凹部4Aとこれに隣接する調整円盤5の線材当凹部5Aとは位相がずれて重合して1本の線材Sを係合する係合凹部Pを形成しており、位相調整手段6により複数枚の基円盤4に対して全調整円盤5の位相を同時に変更するので、全係合凹部Pの大きさを同時に変更することができ、径の異なる線材Sの搬送を簡便に変更でき、複数の係合凹部Pは線材Sの長手方向複数個所を同時に係合でき、調整軸8を回動することにより、ラック9及びピニオン10を介して全調整円盤5の位相を同時に変更することができ、ロックギヤ13を回転軸3に対して固定することにより調整軸8をロックでき、ロックギヤ13を回転軸3に対して固定解除することにより調整軸8の回動が許容できる。
請求項3に係る発明は、線材ガイド19によって係合凹部Pへの線材Sの供給を確実に行うことができる。
請求項4に係る発明は、線材ガイド19から線材Sを受け取るときの基円盤4の線材受凹部4Aの線材ガイド面19aが径外端から径内端側へ下向き傾斜するので、係合凹部Pで線材Sを確実に係合して受け取ることができる。
図1〜5において、線材分離搬送装置1は前半分を表示しており、引抜加工、抽伸加工、伸管加工等の加工が行われた後の直線状の管材、棒材等の線材Sを、多数本まとめて導入し、それを1本ずつ分離して探傷検査機等の後処理機2へ搬送するものである。
線材分離搬送装置1は大別して、円盤の回転により線材Sを1本ずつ間欠的に搬送する分離部Aと、この分離部Aへ線材Sを可及的1本ずつ連続して供給する供給部Bと、分離部Aで分離された線材Sを長手方向に搬送して後処理機2へ供給する搬出部Cとを備えている。
前記回転軸3には間隔をおいて複数枚(9枚)の基円盤4と調整円盤5とが嵌合され、基円盤4は回転軸3に対して固定され、調整円盤5は回転軸3に対して回動可能であって、隣接している基円盤4に対して位相(周方向位置)が調整自在になっている。
前記複数枚の基円盤4に対して全調整円盤5の位相を同時に変更する位相調整手段6が設けられている。図4〜8において、前記位相調整手段6は、複数枚の基円盤4に貫通支持された調整軸8と、全調整円盤5に設けられていて回転軸3を曲率中心とする円弧状のラック9と、前記調整軸8に設けられていて前記ラック9と噛合して調整円盤5を回転軸3廻りに回動するピニオン10とを有する。
図7は、2点鎖線で示す調整円盤5の線材当凹部5Aが、基円盤4の線材受凹部4Aと最小径の線材Sを係合する最小係合凹部Pを形成する位置から、線材受凹部4Aの半分程度の幅だけずらした実線で示す位置まで位相を変更(位相ずれ角α)した状態を示している。
ロックギヤ13を回転軸3から固定解除してギヤ12及び調整軸8を一体的に回動すると、ピニオン10が駆動されてラック9及び調整円盤5を一体的に回動し、基円盤4に対する調整円盤5の位相を変更できる。ロックギヤ13を回転軸3に固定すると、調整軸8は回動できず、ピニオン10及びラック9を介して調整円盤5を回転軸3及び基円盤4に対して固定する。
前記各調整円盤5及びラック9は基円盤4の前後面のどちら側に隣接配置しても良いが、図2においては、総ての調整円盤5は基円盤4の前面側に配置されて、線材分離搬送装置1の前面側から総てのラック9及びピニオン10が目視できるようになっており、図3、4,7では、ロックギヤ13に近い側の調整円盤5だけ基円盤4の後面側に配置されており、最前部の基円盤4と装置フレーム30上の軸受31との間の距離を短くできるようにしている。
分離部Aへ線材Sを供給する供給部Bは、分離部Aへ向かって3段構成になっており、多数本の線材Sを受け入れて多数本同時に持ち上げ可能な第1供給部B1と、この第1供給部B1から線材Sを少量ずつ荒送りされる第2供給部B2と、この第2供給部B2から送られた線材Sを可及的1本ずつ連続して分離部Aへ供給する第3供給部B3とを有している。
前記第2供給部B2は、前記前上向きの傾斜面Faの上端から前下向き傾斜した転動板47と、前上向き傾斜面Faとオーバラップしていて、前上向き傾斜面Faの上端に位置する線材Sを掬い上げながら転動板47上へ転動させる前下向き傾斜部材48と、この前下向き傾斜部材48を昇降するエアーシリンダ49とを有する。
前下向き傾斜部材48は、1組の供給部Bいついて複数本(3本)配置されており、各前下向き傾斜部材48には上下方向に長いラックが形成され、このラックに係合するピニオンが伝動軸50に設けられ、1本の前下向き傾斜部材48をエアーシリンダ49で昇降することにより、ピニオン、伝動軸50及びラックを介して他の前下向き傾斜部材48も同時に同量昇降できるようにしている。
前下向き傾斜部材52は前記前下向き傾斜部材48と同様に、1組の供給部Bについて複数本(3本)配置されていて、エアーシリンダ53の作動でピニオン、伝動軸54及びラックを介して複数本の前下向き傾斜部材52が同時に昇降できるようにしている。
前記第2供給部B2及び第3供給部B3は、前下向き傾斜部材48、52で線材Sを1本のみ持ち上げて供給するのが最良であるが、前下向き傾斜部材48、52の上端の前下向き傾斜面は大径の線材Sを受けるだけの幅があり、そのような幅は小径の線材Sを複数本同時に持ち上げ得るものである。そのため、線材Sの径に応じて可及的に1本のみを持ち上げるように径適応手段60が設けられている。
径規制部材61は縦部61aと横部61bとを有する略正面視L字状の板材であって、縦部61aは止め板51と平行であって、前下向き傾斜部材52と正面視でオーバラップしており、止め板51から転動板47側に突出することにより、前下向き傾斜部材52上に乗り得る線材Sの径を設定する。
前記径規制部材61における縦部61aと前下向き傾斜部材52とのオーバラップ量と、横部61bの後部と前下向き傾斜部材48とのオーバラップ量とは同一であり、それぞれ搬送する線材Sを1本のみ前下向き傾斜部材48、52上に載せることができ、線材Sの径が変更になれば、位置調整具62によって前後に位置調整をする。
仮に、線材ガイド面19a上に複数本の線材Sが存在していても、係合凹部Pには1本のみしか係合できないので、供給部Bから供給される線材Sは1本のみが分離されて搬出部Cへ搬送される。
回転軸3の廻りで、前記線材ガイド19から略180度変位した位置に、放出ガイド手段22が設けられ、これにオーバラップして長手搬送手段23が設けられ、これらによって搬出部Cが構成されている。
放出ガイド手段22は案内部材55を上昇して、基円盤4の係合凹部Pが係合して係合位置から反転してきた線材Sを案内面55aで係合して、線材Sを係合凹部Pから離脱させかつ基円盤4の径外側へ移動し、U溝55bで受け止め、U溝55bに一旦入ってから飛び出るのを飛び出し防止部材56で阻止する。前記案内部材55を下降することにより、U溝55bで受け止められた線材Sは長手搬送手段23に受け渡される。
前記線材分離搬送装置1における線材Sの1本分離動作及び異径線材Sへの対応動作を説明する。
転動板47の前下端まで転動した線材Sを、第3供給部B3の供給手段20の前下向き傾斜部材52で掬い上げて、線材ガイド19の線材ガイド面19aに移載しかつ線材ガイド面19aを転落させて、線材Sを複数枚の基円盤4の外周面に供給する。
係合凹部Pは基円盤4の線材受凹部4Aに対して調整円盤5の線材当凹部5Aがずれて重合して形成され、線材Sが1本しか入らない凹部であるので、仮に線材ガイド面19a上に2本の線材Sが存在しても、他の1本は排除される。
搬送する線材Sが径の異なるものに変更されるとき、位相調整手段6のロックギヤ13を回転軸3に固定している状態から解除して、即ち、ロックギヤ13をフリーにして、調整軸8を工具で回動し、複数個のピニオン10及びラック9を介して複数枚の調整円盤5を基円盤4に対して同時に回動し、基円盤4に対する調整円盤5の位相を変更し、基円盤4の線材受凹部4Aと調整円盤5の線材当凹部5Aとで形成する係合凹部Pの大きさを変更される線材Sの径に適合させる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、基円盤4の線材受凹部4Aと調整円盤5の線材当凹部5Aとをそれぞれ周方向に複数個所に形成して、1本の線材Sと係合する係合凹部Pを複数形成して、回転軸3の1回転中に複数本の線材Sを分離繰り出しができるようにしてもよい。
位相調整手段6は、調整円盤5に固定の円弧状のラック9は内周側にピニオン10と噛合する歯を形成しているが、ラック9の外周側に歯を形成してもよい。
3 回転軸
4 基円盤
4A 線材受凹部
4Aa 受け面
5 調整円盤
5A 線材当凹部
6 位相調整手段
8 調整軸
8a 角軸部
9 ラック
10 ピニオン
12 ギヤ
13 ロックギヤ
15 軸受手段
16 軸受円板
17 支持回転体
19 線材ガイド
19a 線材ガイド面
20 供給手段
22 放出ガイド手段
23 長手搬送手段
30 装置フレーム
A 分離部
B 供給部
C 搬出部
P 係合凹部
S 線材
Claims (7)
- 回転軸(3)と、この回転軸(3)に固定されていて外周に線材(S)を受け入れる線材受凹部(4A)を形成した複数枚の基円盤(4)と、各基円盤(4)に隣接されて回転軸(3)に嵌合しかつ外周に線材(S)を受け入れる線材当凹部(5A)を形成した調整円盤(5)と、前記複数枚の基円盤(4)に対して全調整円盤(5)の位相を同時に変更する位相調整手段(6)とを有しており、
前記基円盤(4)の線材受凹部(4A)と調整円盤(5)の線材当凹部(5A)とは位相がずれて重合して1本の線材(S)を係合する係合凹部(P)を形成していることを特徴とする線材分離搬送装置。 - 前記位相調整手段(6)は、前記複数枚の基円盤(4)に貫通された調整軸(8)と、全調整円盤(5)に設けられていて回転軸(3)を曲率中心とする円弧状のラック(9)と、前記調整軸(8)に設けられていて前記ラック(9)と噛合して調整円盤(5)を回転軸(3)廻りに回動するピニオン(10)とを有することを特徴とする請求項1に記載の線材分離搬送装置。
- 前記位相調整手段(6)は、前記調整軸(8)に設けたギヤ(12)と、前記回転軸(3)に設けられていてギヤ(12)と噛合するロックギヤ(13)とを有し、前記ロックギヤ(13)は回転軸(3)に対して着脱自在であることを特徴とする請求項2に記載の線材分離搬送装置。
- 前記複数枚の基円盤(4)の間に前記回転軸(3)を回転自在に支持する軸受手段(15)を設けており、この軸受手段(15)は回転軸(3)及び調整軸(8)に嵌合して回転軸(3)と一体回転する軸受円板(16)と、この軸受円板(16)の外周面を下方から回転自在に支持する支持回転体(17)とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の線材分離搬送装置。
- 前記複数枚の基円盤(4)の線材(S)受け入れ側の外方でかつ回転軸(3)より上方位置に、前記係合凹部(P)に向けて下向き傾斜した線材ガイド面(19a)を有する線材ガイド(19)と、この線材ガイド(19)の線材ガイド面(19a)に線材(S)を供給する供給手段(20)とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の線材分離搬送装置。
- 前記各基円盤(4)の線材受凹部(4A)の線材(S)を受ける受け面(4Aa)は、径外端が前記線材ガイド(19)の線材ガイド面(19a)の下端高さに略合致するとき、径外端から径内端側へ回転軸(3)の上側を指向する下向き傾斜していることを特徴とする請求項5に記載の線材分離搬送装置。
- 前記複数枚の基円盤(4)の線材(S)受け入れ側と反対側の外方で係合凹部(P)から線材(S)の放出を案内する放出ガイド手段(22)と、この放出ガイド手段(22)によって放出される線材(S)を受持して線材長手方向に搬送する長手搬送手段(23)とを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の線材分離搬送装置。
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