JP2019070509A - 吸着器および吸着式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着式冷凍機の全体の構成を簡素化でき、かつ、吸着器の冷却性能の低下を抑制できる吸着器を提供する。【解決手段】吸着器10は、吸着剤142に吸着される被吸着媒体が内部に封入された容器12と、容器12の内部に存在する被吸着媒体の熱を容器12の外部に放出させるフィン22とを備える。容器12の内部には、気相の被吸着媒体が吸着剤142に吸着する吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部が形成される。フィン22は、気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する脱離過程のときに、外気に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。【選択図】図1A
Description
本発明は、吸着式冷凍機に用いられる吸着器およびそれを用いた吸着式冷凍機に関する。
特許文献1に、連続冷却を行う吸着式冷凍機が開示されている。この吸着式冷凍機は、2つの吸着器を備える。2つの吸着器のそれぞれは、吸着コアと蒸発凝縮部とを有する。2つの吸着器のうち一方の吸着器で、吸着コアに被吸着媒体が吸着する吸着過程が行われる。このとき、2つの吸着器のうち他方の吸着器で、吸着コアから被吸着媒体が脱離する脱離過程が行われる。その後、2つの吸着器のそれぞれにおいて、吸着過程と脱離過程とが切り換えられる。
この吸着式冷凍機は、加熱媒体が流れる回路と、冷却媒体が流れる回路と、被冷却物が流れる回路とを含む複数の回路を備える。
吸着過程のとき、吸着コアに被吸着媒体を吸着させるために、吸着コアが冷却媒体によって冷却される。このとき、蒸発凝縮部では、被吸着媒体を蒸発させて、被冷却物を冷却するために、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換される。
脱離過程のとき、吸着コアから被吸着媒体を脱離させるために、加熱媒体によって吸着コアが加熱される。このとき、蒸発凝縮部で、被吸着媒体を凝縮させるために、被吸着媒体が冷却媒体によって冷却される。
2つの吸着器のそれぞれにおいて、吸着過程と脱離過程とが切り換えて実行されるように、複数の回路は、2つの吸着器のそれぞれとの接続が切り換え可能に構成されている。
ところで、本発明者は、上記の連続冷却を行う吸着式冷凍機とは異なり、1つの吸着器で間欠冷却を行う吸着式冷凍機を検討した。この吸着式冷凍機では、1つの吸着器において、吸着過程と脱離過程とが切り換えられる。
このときの吸着器の構成として、吸着器の蒸発凝縮部が、被吸着媒体と被冷却物との熱交換によって、被吸着媒体を蒸発および凝縮させる構成が考えられる。この場合、吸着過程のとき、蒸発凝縮部で被吸着媒体が蒸発する。このときの蒸発潜熱によって、被冷却物を冷却することができる。
しかし、脱離過程で、蒸発凝縮部で被吸着媒体が凝縮するとき、被吸着媒体が放熱する。このため、被冷却物が加熱されてしまう。このように、1つの吸着器において、吸着過程と脱離過程とを切り換える場合、吸着器の冷却性能が低下することが、本発明者によって見出された。
本発明は上記点に鑑みて、吸着器の冷却性能の低下を抑制できる吸着器および吸着式冷凍機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の吸着器は、
吸着剤に吸着される被吸着媒体が内部に封入された容器(12、12A、12G、12H)と、
容器の内部に配置された吸着剤(142)と、
容器の内部に存在する被吸着媒体の熱を容器の外部へ放出させる放熱部(22、38、48、62、64)とを備え、
容器の内部には、気相の被吸着媒体が吸着剤に吸着する吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部(13b、341、441、13e)が形成され、
放熱部は、気相の被吸着媒体が吸着剤から脱離する脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。
吸着剤に吸着される被吸着媒体が内部に封入された容器(12、12A、12G、12H)と、
容器の内部に配置された吸着剤(142)と、
容器の内部に存在する被吸着媒体の熱を容器の外部へ放出させる放熱部(22、38、48、62、64)とを備え、
容器の内部には、気相の被吸着媒体が吸着剤に吸着する吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部(13b、341、441、13e)が形成され、
放熱部は、気相の被吸着媒体が吸着剤から脱離する脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。
これによれば、1つの吸着器において、吸着過程から脱離過程に切り換えたときに、被冷却物とは別の物に受熱させて被吸着媒体を凝縮させることができる。このため、脱離過程のときに、被冷却物が加熱されることを回避することができる。よって、これによれば、吸着器の冷却性能の低下を抑制できる。
なお、上記の放熱部には、フィン、冷却管、電子冷却器などが含まれる。
また、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
図1Aに示す本実施形態の吸着器10は、吸着式冷凍機の一部を構成する。本実施形態の吸着式冷凍機は、車両用の空調装置を構成する蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の冷媒を冷却する。具体的には、この吸着式冷凍機は、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の放熱器から流出の液相冷媒を冷却する。
図1Aに示す本実施形態の吸着器10は、吸着式冷凍機の一部を構成する。本実施形態の吸着式冷凍機は、車両用の空調装置を構成する蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の冷媒を冷却する。具体的には、この吸着式冷凍機は、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の放熱器から流出の液相冷媒を冷却する。
吸着器10は、1つの容器12と、1つの吸着コア14と、1つの第1フィン16と、1つの多孔質体18と、1つの多穴管20と、2つの第2フィン22とを備える。
容器12は、内部に空間13を形成する。容器12の内部には、吸着剤に吸着される被吸着媒体(すなわち、吸着質)が封入されている。被吸着媒体としては、水、アルコールなどが挙げられる。容器12の内部は、真空状態とされている。真空状態とは、容器12の内部の空間13が容器12の周囲の圧力に対して減圧された状態であり、工業的に利用できる圧力の状態である。また、真空状態とは、被吸着媒体の蒸発と凝縮が生じる圧力状態である。容器12は、金属製である。
容器12の形状は、直方体である。容器12は、上壁122と、底壁124と、4つの側壁126とを有する。上壁122は、容器12のうち上側に位置する壁である。上壁122は、内面122aと外面122bとを有する。底壁124は、容器12のうち下側に位置する壁である。底壁124は、上壁122に対して間をあけて対向している。底壁124は、内面124aと外面124bとを有する。
それぞれの側壁126は、容器12の側方に位置する壁である。それぞれの側壁126は、上壁122と底壁124との両方に連なる。それぞれの側壁126は、上側から下側へ延びている。それぞれの側壁126は、上壁122と底壁124とともに空間13を囲んでいる。それぞれの側壁126は、内面126aと外面126bとを有する。
上壁122と底壁124とは、上下方向に空間13を挟んで対向している。したがって、上壁122が第1壁に相当する。底壁124が、第1壁に対して空間を挟んで対向する第2壁に相当する。それぞれの側壁126は、上壁122側から底壁124側へ延びている。したがって、それぞれの側壁126は、第1壁側から第2壁側へ延びている第3壁に相当する。
吸着コア14は、上壁122の内面122aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。吸着コア14は、容器12の内部の空間13のうち上壁側部分13aに配置されている。上壁側部分13aは、空間13のうち底壁124よりも上壁122に近い側の部分である。
吸着コア14は、吸着剤142と、伝熱促進材144とを有する。吸着剤142は、被吸着媒体を吸着および脱離する。吸着剤142としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、金属有機構造体(すなわち、MOF:Metal Organic Frameworks)などが挙げられる。伝熱促進材144は、吸着剤142と容器12の外部との間の伝熱を促進させる。伝熱促進材144としては、金属フィン、金属粉、発泡金属、焼結金属、炭素繊維などが挙げられる。吸着剤142は、上壁122に対して伝熱促進材144を介して熱伝導可能な状態で固定されている。
第1フィン16は、上壁122の外面122bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。第1フィン16としては、コルゲートフィンが用いられる。第1フィン16は、容器12の外部の受熱媒体または加熱媒体と吸着剤142との間の熱交換を促進させる熱交換部材である。換言すると、第1フィン16は、容器12の外部の受熱媒体または加熱媒体と吸着剤142との間を伝熱させる伝熱部材である。第1フィン16は、上壁122の外側の伝熱面の面積を拡大させる拡大伝熱面を有する。後述の通り、第1フィン16は、吸着剤142を冷却および加熱する冷却加熱部として機能する。
多孔質体18は、容器12の内部の空間13のうち底壁側部分13bに配置されている。底壁側部分13bは、空間13のうち上壁122よりも底壁124に近い側の部分である。多孔質体18は、底壁124の内面124aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。多孔質体18は、液相の被吸着媒体を複数の孔に保持する。
多穴管20は、底壁124の外面124bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。多穴管20は、内部に複数の流路202を有する。複数の流路202には、被冷却物である蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒が流れる。多穴管20は、後述の通り、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の一部を構成している。多穴管20は、被冷却物と被吸着媒体とを熱交換させる熱交換部材である。換言すると、多穴管20は、被冷却物と被吸着媒体との間を伝熱させる伝熱部材である。多穴管20は、底壁124の被冷却物側の伝熱面の面積を拡大させる拡大伝熱面を有する。
2つの第2フィン22のそれぞれは、4つの側壁126のうち2つの側壁126のそれぞれに設けられている。それぞれの第2フィン22は、対応する側壁126の外面126bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。第2フィン22としては、コルゲートフィンが用いられる。第2フィン22は、気相の被吸着媒体と容器12の外部の受熱媒体との熱交換を促進させる熱交換部材である。換言すると、第2フィン22は、容器12の外部の受熱媒体と被吸着媒体との間を伝熱させる伝熱部材である。第2フィン22は、側壁126の外側の伝熱面の面積を拡大させる拡大伝熱面を有する。
次に、吸着式冷凍機が適用される蒸気圧縮式冷凍サイクル装置について説明する。図1Bに示すように、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置1は、圧縮機2と、凝縮器3と、受液器4と、多穴管20と、膨張弁5と、蒸発器6とを備える。
圧縮機2は、エンジン7を駆動源として駆動される。圧縮機2は、吸入した冷媒を圧縮して吐出する。凝縮器3は、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱させる放熱器である。凝縮器3は、外気との熱交換によって冷媒を凝縮させる熱交換器である。受液器4は、凝縮器3から流出した冷媒の気液を分離して、液相冷媒を貯める容器である。
多穴管20は、吸着器10の内部の被吸着媒体との熱交換によって、受液器4から流出した液相冷媒を冷却して過冷却状態とする過冷却部である。膨張弁5は、多穴管20から流出した液相冷媒を減圧膨張させる。蒸発器6は、膨張弁5から流出した気液2相の冷媒を蒸発させる。蒸発器6は、車室内の空気との熱交換によって冷媒を蒸発させる熱交換器である。蒸発器6は、車室内に搭載される図示しない空調ユニットに収容されている。
空調装置の作動時では、エンジン7を駆動源として圧縮機2が作動する。圧縮機2から吐出された冷媒は、凝縮器3で外気との熱交換によって凝縮する。凝縮器3で凝縮された冷媒は、受液器4で気液分離される。分離された液相冷媒が受液器4に貯められる。受液器4から流出した液相冷媒は、後述の通り、多穴管20で、被吸着媒体との熱交換によって冷却される。多穴管20から流出した液相冷媒は、膨張弁5で減圧膨張して気液2相の冷媒となる。気液2相の冷媒は、蒸発器6で車室内の空気との熱交換によって蒸発して気相冷媒となる。これにより、車室内の空気が冷却される。すなわち、車室内の冷房が行われる。蒸発器6から流出した気相冷媒は、圧縮機2に吸入される。
次に、本実施形態の吸着式冷凍機について説明する。吸着式冷凍機は、吸着器10の他に、送風部を備える。送風部は、第1フィン16と第2フィン22とに対して選択的に外気を送風する。送風部は、1つの送風機を用いて、送風先を第1フィン16と第2フィン22との一方に切り換え可能に構成されている。なお、送風部は、第1フィン16へ外気を送風するための上壁用送風機と、第2フィン22へ外気を送風するための側壁用送風機とを有していてもよい。
また、吸着式冷凍機は、吸着器の他に、排ガス供給装置を備える。排ガス供給装置は、第1フィン16へエンジンの排ガスを供給する。排ガスは、吸着剤を加熱するための加熱媒体である。排ガス供給装置が排ガスを供給することで、排ガスと吸着剤とが熱交換する。この熱交換によって、吸着剤が加熱される。
具体的には、図1Bに示すように、吸着式冷凍機70は、吸着器10と、外気用ファン71と、排ガス用ファン72と、ダクト73と、外気用ドア74と、排ガス用ドア75とを備える。外気用ファン71と、ダクト73の外気供給部分733と、外気用ドア74とが、上記の送風部を構成している。排ガス用ファン72と、ダクト73の排ガス供給部分735と、排ガス用ドア75とが、上記の排ガス供給装置を構成している。
外気用ファン71は、第1フィン16および第2フィン22へ外気を送る送風機である。排ガス用ファン72は、第1フィン16へ排ガスを送る送風機である。ダクト73は、外気および排ガスが流れる流路を形成する。ダクト73は、第1フィン部分731と、第2フィン部分732と、外気供給部分733と、外気放出部分734と、排ガス供給部分735と、排ガス放出部分736とを含む。
第1フィン部分731は、第1フィン16が配置された部分である。第2フィン部分732は、第2フィン22が配置された部分である。第2フィン部分732を通過した外気は、容器12の周囲の環境に放出される。
外気供給部分733は、外気用ファン71によって送風された外気が第1フィン部分731または第2フィン部分732に向かって流れる部分である。外気供給部分733の下流側に、第1フィン部分731と、第2フィン部分732とが連なっている。換言すると、ダクト73は、外気供給部分733の下流側で、第1フィン部分731と、第2フィン部分732とに分岐している。なお、図1Bでは、2つの第2フィン部分732のうち一方のみが外気供給部分733と連なっているように示されている。しかしながら、2つの第2フィン部分732のうち他方についても、図示しない箇所で、外気供給部分733に連なっている。
外気放出部分734は、第1フィン部分731の途中に連なっている。外気放出部分734は、第1フィン部分731を通過した外気を容器12の周囲の環境に導く部分である。第1フィン部分731を通過した外気は、外気放出部分734から容器12の周囲の環境へ放出される。
排ガス供給部分735は、第1フィン部分731のうち外気供給部分733側とは反対側に連なっている。排ガス供給部分735は、排ガス用ファン72によって送風される排ガスが第1フィン部分731に向かって流れる部分である。排ガス放出部分736は、第1フィン部分731を通らずに排ガスを外部へ導く部分である。
外気用ドア74は、ダクト73の内部のうち第1フィン部分731および第2フィン部分732の上流側に設けられている。外気用ドア74は、外気用ファン71から送風された外気が第1フィン部分731を流れる状態と、外気用ファンから送風された外気が第2フィン部分732を流れる状態とを切り替える外気切替部である。
排ガス用ドア75は、ダクト73の内部のうち第1フィン部分731および排ガス放出部分736の上流側に設けられている。排ガス用ドア75は、排ガス用ファン72から送風された排ガスが第1フィン部分731を流れる状態と、排ガス用ファン72から送風された排ガスが排ガス放出部分736を流れる状態とを切り替える排ガス切替部である。
また、吸着式冷凍機70は、制御装置76を備える。制御装置76は、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。制御装置76は、吸着式冷凍機70の作動状態を、吸着器10が吸着過程となる第1状態と、吸着器10が脱離過程となる第2状態とに切り替える。制御装置76は、第1状態と第2状態とが所定時間毎に交互に繰り返されるように、第1状態と第2状態とを切り替える。制御装置76は、プロセッサ、メモリを含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。なお、制御装置76のメモリは、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
次に、本実施形態の吸着式冷凍機70の作動について、図1B、1C、2A、2B、2Cを用いて説明する。なお、図1Cでは、図1B中の蒸気圧縮式冷凍サイクル装置1の図示が省略されている。
吸着器10は、図2Aの吸着過程と図2Cの脱離過程とが、図2Bの切替過程を経て、切り換えられる。いずれの過程においても、矢印C1のように多穴管20の内部に被冷却物が流入し、矢印C2のように多穴管20の内部から被冷却物が流出する。矢印C1は、図の手前側から多穴管20へ向かう被冷却物の流れを示している。矢印C2は、多穴管20から図の奥側へ流出した被冷却物の流れを示している。
(吸着過程)
図1Bに示すように、制御装置76は、吸着式冷凍機70の状態が吸着過程のときの第1状態となるように、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。具体的には、制御装置76は、外気用ドア74のドア位置を、第1フィン部分731を開き、第2フィン部分732を閉じる位置とする。制御装置76は、排ガス用ドア75のドア位置を、第1フィン部分731を閉じ、排ガス放出部分736を開く位置とする。制御装置76は、外気用ファン71を作動させる。なお、排ガス用ファン72は、エンジン7の作動時に作動している。
図1Bに示すように、制御装置76は、吸着式冷凍機70の状態が吸着過程のときの第1状態となるように、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。具体的には、制御装置76は、外気用ドア74のドア位置を、第1フィン部分731を開き、第2フィン部分732を閉じる位置とする。制御装置76は、排ガス用ドア75のドア位置を、第1フィン部分731を閉じ、排ガス放出部分736を開く位置とする。制御装置76は、外気用ファン71を作動させる。なお、排ガス用ファン72は、エンジン7の作動時に作動している。
これにより、外気用ファン71によって送風された外気は、図1Bの矢印A1のように、ダクト73の外気供給部分733、第1フィン部分731および外気放出部分734を流れる。ダクト73の第2フィン部分732には、外気は流れない。一方、排ガス用ファン72によって送風された排ガスは、図1Bの矢印A2のように、ダクト73の排ガス供給部分735および排ガス放出部分736を流れる。
したがって、吸着過程では、図2Aの矢印A1のように、第1フィン16へ外気が送風される。第1フィン16へ送風される外気は、吸着剤142から受熱する受熱媒体である。換言すると、第1フィン16へ送風される外気は、吸着剤142を冷却する冷却流体である。外気と吸着剤142との熱交換によって、外気が受熱し、吸着剤142が冷却される。このように、第1フィン16によって吸着剤142が冷却される。
これにより、矢印B1のように、底壁側部分13bに存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体が吸着剤142に吸着される。このとき、多穴管20、底壁124および多孔質体18を介して、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
例えば、多穴管20に50℃の被冷却物が流入する。40℃の外気が第1フィン16へ送風される。これにより、被冷却物の温度が50℃から15℃まで冷却される。このように、被冷却物である液相冷媒が冷却されることによって、液相冷媒が過冷却状態となる。
本実施形態では、容器12の内部の空間13のうち底壁側部分13bに存在する液相の被吸着媒体が蒸発する。したがって、底壁側部分13bが、吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とを熱交換させて、液相の被吸着媒体を蒸発させる蒸発部に相当する。この蒸発部は、空間13のうち被吸着媒体が底壁124を介して被冷却物と熱交換する部分である。このように、容器12の内部には、蒸発部が形成される。なお、吸着過程では、後述する脱離過程で行われる、第2フィン22による被吸着媒体からの熱の放出は、行われない。
(吸着過程後の切替過程)
吸着過程から脱離過程へ切り替わるときの切替過程が吸着過程後の切替過程である。吸着過程後の切替過程では、制御装置76は、外気用ファン71を停止させる。これにより、図2Bに示すように、第1フィン16への送風が停止される。このため、吸着剤142の冷却が停止される。被吸着媒体の吸着剤142への吸着が停止される。このとき、底壁124および多孔質体18の熱容量分の冷熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却されるとともに、底壁124が加熱される。
吸着過程から脱離過程へ切り替わるときの切替過程が吸着過程後の切替過程である。吸着過程後の切替過程では、制御装置76は、外気用ファン71を停止させる。これにより、図2Bに示すように、第1フィン16への送風が停止される。このため、吸着剤142の冷却が停止される。被吸着媒体の吸着剤142への吸着が停止される。このとき、底壁124および多孔質体18の熱容量分の冷熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却されるとともに、底壁124が加熱される。
(脱離過程)
図1Cに示すように、制御装置76は、吸着式冷凍機70の状態が脱離過程のときの第2状態となるように、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。具体的には、制御装置76は、外気用ドア74のドア位置を、第1フィン部分731を閉じ、第2フィン部分732を開く位置とする。制御装置76は、排ガス用ドア75のドア位置を、第1フィン部分731を開き、排ガス放出部分736を閉じる位置とする。制御装置76は、外気用ファン71を作動させる。
図1Cに示すように、制御装置76は、吸着式冷凍機70の状態が脱離過程のときの第2状態となるように、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。具体的には、制御装置76は、外気用ドア74のドア位置を、第1フィン部分731を閉じ、第2フィン部分732を開く位置とする。制御装置76は、排ガス用ドア75のドア位置を、第1フィン部分731を開き、排ガス放出部分736を閉じる位置とする。制御装置76は、外気用ファン71を作動させる。
これにより、外気用ファン71によって送風された外気は、図1Cの矢印A3のように、ダクト73の外気供給部分733および第2フィン部分732を流れる。一方、排ガス用ファン72によって送風された排ガスは、図1Cの矢印A2のように、ダクト73の排ガス供給部分735、第1フィン部分731および外気放出部分734を流れる。
したがって、脱離過程では、図2Cの矢印A2のように第1フィン16へ排ガスが送風される。排ガスは、吸着剤142を加熱するための加熱媒体である。上壁122および第1フィン16を介して、排ガスと吸着剤142とが熱交換する。この熱交換によって、吸着剤142が加熱される。このように、第1フィン16によって吸着剤142が加熱される。これにより、矢印B2のように気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
脱離過程では、さらに、矢印A3のようにそれぞれの第2フィン22へ外気が送風される。第2フィン22へ送風される外気は、気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体である。換言すると、第2フィン22へ送風される外気は、気相の被吸着媒体を冷却する冷却流体である。第2フィン22へ送風される外気の温度は、多穴管20の内部を流れる被冷却物の温度よりも低い。それぞれの側壁126および第2フィン22を介して、容器12の内部の空間13のうち側壁側部分13cに存在する気相の被吸着媒体と外気とが熱交換する。側壁側部分13cは、空間13のうち横方向での中央部よりも側壁126に近い側の部分である。この熱交換によって、外気が受熱し、気相の被吸着媒体が冷却される。これにより、気相の被吸着媒体が凝縮して液相の被吸着媒体となる。凝縮した液相の被吸着媒体は、重力で落下して、図2Aに示す底壁側部分13bに溜まる。
例えば、多穴管20に50℃の被冷却物が流入する。90℃の排ガスが第1フィン16へ送風される。40℃の外気が第2フィン22へ送風される。これにより、容器12の内部の空間13のうち側壁側部分13cに存在する気相の被吸着媒体が凝縮する。
このように、本実施形態では、2つの第2フィン22は、脱離過程のときに、容器12の内部に存在する被吸着媒体の熱を容器12の外部へ放出させる放熱部として機能する。すなわち、脱離過程のときでは、放熱部による被吸着媒体からの熱の放出が行われる。これらの第2フィン22は、気相の被吸着媒体の熱を外気に受熱させて、気相の被吸着媒体を凝縮させる。換言すると、2つの第2フィン22は、脱離過程のときに、外気を冷却源として、容器12の内部に存在する気相の被吸着媒体を冷却して凝縮させる冷却部として機能する。なお、気相の被吸着媒体が吸着剤から脱離してから凝縮するまでに、吸着媒体の温度が下がる。しかしながら、被吸着媒体の温度が下がらない場合もあり得る。
(脱離過程後の切替過程)
脱離過程から吸着過程へ切り替わるときの切替過程が脱離過程後の切替過程である。脱離過程後の切替過程では、図2Bに示すように、第1フィン16への排ガスの送風と第2フィン22への外気の送風とが停止される。これにより、吸着剤142の加熱と被吸着媒体の冷却とが停止される。
脱離過程から吸着過程へ切り替わるときの切替過程が脱離過程後の切替過程である。脱離過程後の切替過程では、図2Bに示すように、第1フィン16への排ガスの送風と第2フィン22への外気の送風とが停止される。これにより、吸着剤142の加熱と被吸着媒体の冷却とが停止される。
次に、本実施形態の吸着器10の効果について、図3に示す比較例1の吸着器J10と対比して説明する。
比較例1の吸着器J10は、第2フィン22を備えていない点で、本実施形態の吸着器10と異なる。比較例1の吸着器J10の他の構成は、本実施形態の吸着器10と同じである。
比較例1の吸着器J10では、脱離過程のときに、容器12の内部の底壁側部分13bで、気相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。この熱交換によって、気相の被吸着媒体が冷却されて凝縮する。このように、比較例1の吸着器J10では、脱離過程のときの気相の被吸着媒体の冷却源として、被冷却物を用いている。このため、被冷却物が加熱される。よって、比較例1の吸着器J10では、吸着器J10の冷却性能が低下する。
これに対して、本実施形態の吸着器10では、脱離過程のときに、容器12の内部の底壁側部分13bではなく、側壁側部分13cで、気相の被吸着媒体が凝縮する。すなわち、本実施形態の吸着器10は、脱離過程のときに、被冷却物とは別の物である外気に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。このため、脱離過程のときに、被冷却物が加熱されることを回避することができる。よって、本実施形態の吸着器10によれば、吸着器10の冷却性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態の吸着式冷凍機70は、1つの吸着器10で間欠冷却を行う。このため、2つの吸着器で連続冷却を行う吸着式冷凍機と比較して、吸着器の数を2つから1つに減らすことができる。よって、吸着式冷凍機70の全体の構成を簡素化することができる。
また、本実施形態の吸着式冷凍機70では、制御装置76は、第2状態への切り替えの際に、外気用ファン71と、ダクト73の外気供給部分733および第2フィン部分732と、外気用ドア74とによって、第2フィン22へ外気を供給する。外気は、容器12の周囲の環境に存在する熱交換媒体である。そして、第2フィン22で気相の被吸着媒体と熱交換した後の外気は、容器12の周囲の環境に放出される。このように、脱離過程のときに気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体として、外気を用いることができる。
ところで、この受熱媒体として外気とは異なる熱交換媒体を用い、かつ、受熱媒体が流れる閉回路を用いる場合、受熱媒体の閉回路から受熱媒体が漏れないようにする必要がある。これに対して、本実施形態によれば、受熱媒体が流れる回路は開回路である。このため、本実施形態によれば、受熱媒体が流れる閉回路を用いていないので、受熱媒体が漏れないようにする必要が無い。
なお、本実施形態では、第2フィン22が、気相の被吸着媒体と外気とを熱交換させる熱交換部に相当する。外気用ファン71と、ダクト73の外気供給部分733および第2フィン部分732と、外気用ドア74とが、気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体を放熱部へ供給する受熱媒体供給部に相当する。
また、本実施形態と異なり、第1フィン16へ外気を送風するための上壁用送風機と、第2フィン22へ外気を送風するための側壁用送風機とを用いる場合、側壁用送風機が気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体を放熱部へ供給する受熱媒体供給部に相当する。
(第2実施形態)
図4に示すように、本実施形態の吸着器10Aは、複数の容器12A−12Fを有する。複数の容器12A−12Fは、第1容器12Aと、第2容器12Bと、第3容器12Cと、第4容器12Dと、第5容器12Eと、第6容器12Fとを含む。複数の容器12A−12Fは、一方向に並んでいる。複数の容器12A−12Fは、連なっている。
図4に示すように、本実施形態の吸着器10Aは、複数の容器12A−12Fを有する。複数の容器12A−12Fは、第1容器12Aと、第2容器12Bと、第3容器12Cと、第4容器12Dと、第5容器12Eと、第6容器12Fとを含む。複数の容器12A−12Fは、一方向に並んでいる。複数の容器12A−12Fは、連なっている。
複数の容器12A−12Fのそれぞれの構造は、基本的に同じである。このため、以下では、第1容器12Aの構造について説明する。
図5に示すように、第1容器12Aは、吸着剤収容部32と、液内在部34と、連通部36とを有する。吸着剤収容部32は、第1容器12Aのうちの上側に位置する。吸着剤収容部32は、第1空間321を内部に形成している。吸着剤収容部32は、第1空間321を囲む壁322を有する。吸着剤収容部32の壁322には、上壁323と、上壁を除く壁324とが含まれる。上壁323は、第1容器12Aのうち上側に位置する壁である。
吸着剤収容部32の内部に、吸着コア14が配置されている。したがって、吸着剤収容部32の内部に、吸着剤142が配置されている。吸着コア14は、上壁323の内面323aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
液内在部34は、吸着剤収容部32よりも下側に位置する。液内在部34の内部に、液相の被吸着媒体が存在する。液内在部34は、第2空間341を内部に形成している。液内在部34は、第2空間341を囲む壁342を有する。液内在部34の壁342には、底壁343と、底壁を除く壁344とが含まれる。底壁343は、第1容器12Aのうち下側に位置する壁である。液内在部34の内部に、多孔質体18が配置されている。多孔質体18は、底壁343の内面343aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
連通部36は、吸着剤収容部32と液内在部34との両方に連なっている。連通部36は、第1空間321と第2空間341とを連通させる連通空間361を内部に形成する。連通部36は、連通空間361を囲む壁362を有する。連通部36の壁362は、上側から下側へ延びている。第1空間321と第2空間341と連通空間361とは、第1容器12Aの内部の連続する1つの空間13を構成している。複数の容器12A−12Fの並び方向において、連通部36の幅は、吸着剤収容部32の幅および液内在部34の幅よりも小さい。
吸着剤収容部32の上壁323と液内在部34の底壁343とは、上下方向に空間13を挟んで対向している。したがって、上壁323が第1壁に相当する。底壁343が、第1壁に対して空間を挟んで対向する第2壁に相当する。連通部36の壁362は、上壁323側から底壁343側へ延びている。したがって、連通部36の壁362は、第1壁側から第2壁側へ延びている第3壁に相当する。連通部36の壁362は、上壁323と底壁343とともに、空間13を囲んでいる。
図4に示すように、本実施形態の吸着器10Aでは、第2容器12B、第3容器12Cおよび第4容器12Dは、第1容器12Aと同じ形状である。第5容器12Eおよび第6容器12Fは、第1容器12Aを左右に2分割したうちの一方を壁で塞いだ形状である。
複数の容器12A−12Fの並び方向において、それぞれの吸着剤収容部32が並んでいる。複数の容器12A−12Fの並び方向において、それぞれの液内在部34が並んでいる。複数の容器12A−12Fの並び方向において、それぞれの連通部36が並んでいる。
吸着器10Aは、1つの第1フィン16と、1つの多穴管20とを備える。複数の容器12A−12Fに対して、1つの第1フィン16が設けられている。第1フィン16は、それぞれの吸着剤収容部32の上壁323の外面323bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。複数の容器12A−12Fに対して、1つの多穴管20が設けられている。多穴管20は、それぞれの液内在部34の底壁343の外面343bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
吸着器10Aは、複数の第2フィン38を備える。それぞれの第2フィン38は、複数の連通部36のうち隣り合う連通部36の間のそれぞれに設けられている。それぞれの第2フィン38は、それぞれの連通部36の壁362の外面362aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。複数の第2フィン38は、それぞれの連通部36の内部の気相の被吸着媒体とそれぞれの連通部36の外部の受熱媒体との熱交換を促進させる熱交換部材である。
本実施形態の吸着器10Aでは、第1容器12Aの吸着剤142が、第1吸着剤に相当する。第2容器12Bの吸着剤142が、第2吸着剤に相当する。第1容器12Aの被吸着媒体が、第1被吸着媒体に相当する。第2容器12Bの被吸着媒体が、第2被吸着媒体に相当する。
次に、本実施形態の吸着器10Aの作動について説明する。本実施形態の吸着器10Aの作動は、第1実施形態の吸着器10と基本的に同じである。また、吸着式冷凍機70の吸着器10Aを除く部分の作動は、第1実施形態の吸着式冷凍機70と同じである。複数の第2フィン38は、第1実施形態の2つの第2フィン22に対応する。
(吸着過程)
吸着過程では、第1フィン16へ外気が送風される。それぞれの吸着剤収容部32の内部の吸着剤142が冷却される。これにより、それぞれの液内在部34の内部に存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体がそれぞれの吸着剤収容部32の内部の吸着剤142に吸着される。このとき、それぞれの液内在部34において、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
吸着過程では、第1フィン16へ外気が送風される。それぞれの吸着剤収容部32の内部の吸着剤142が冷却される。これにより、それぞれの液内在部34の内部に存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体がそれぞれの吸着剤収容部32の内部の吸着剤142に吸着される。このとき、それぞれの液内在部34において、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
本実施形態では、それぞれの液内在部34の第2空間341に存在する液相の被吸着媒体が蒸発する。したがって、それぞれの液内在部34の第2空間341が、吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とを熱交換させて、液相の被吸着媒体を蒸発させる蒸発部に相当する。この蒸発部は、空間のうち被吸着媒体が底壁343を介して被冷却物と熱交換する部分である。第1容器12Aの第2空間341が第1蒸発部に相当する。第2容器12Bの第2空間341が第2蒸発部に相当する。このように、第1容器12Aの内部には、第1被吸着媒体が蒸発する第1蒸発部が形成される。第2容器12Bの内部には、第2被吸着媒体が蒸発する第2蒸発部が形成される。
(脱離過程)
脱離過程では、第1フィン16へ排ガスが送風される。それぞれの吸着剤収容部32の内部の吸着剤142が加熱される。これにより、それぞれの吸着剤収容部32において、気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
脱離過程では、第1フィン16へ排ガスが送風される。それぞれの吸着剤収容部32の内部の吸着剤142が加熱される。これにより、それぞれの吸着剤収容部32において、気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
さらに、脱離過程では、複数の第2フィン38へ外気が送風される。それぞれの連通部36の内部に存在する気相の被吸着媒体と外気との熱交換によって、気相の被吸着媒体が冷却される。これにより、それぞれの連通部36の内部に存在する気相の被吸着媒体が凝縮して液相の被吸着媒体となる。凝縮した液相の被吸着媒体は、重力で落下して、それぞれの液内在部34の内部に溜まる。
このように、本実施形態では、複数の第2フィン38は、脱離過程のときに、それぞれの連通部36の内部に存在する被吸着媒体の熱をそれぞれの連通部36の外部へ放出させる放熱部として機能する。複数の第2フィン38のうち第1容器12Aと第2容器12Bとの間に設けられた第2フィン38は、外気に受熱させて気相の第1、第2被吸着媒体を凝縮させる。換言すると、複数の第2フィン38は、外気を冷却源として、それぞれの連通部36の内部に存在する気相の被吸着媒体を冷却して凝縮させる冷却部として機能する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図6に示すように、本実施形態の吸着器10Bは、1つの容器12Gを備える。容器12Gは、1つの第1タンク部42と、1つの第2タンク部44と、複数のチューブ46とを有する。
図6に示すように、本実施形態の吸着器10Bは、1つの容器12Gを備える。容器12Gは、1つの第1タンク部42と、1つの第2タンク部44と、複数のチューブ46とを有する。
第1タンク部42は、容器12Gのうち上側に配置されている。第1タンク部42は、第1タンク空間421を内部に形成する。第1タンク部42は、第1タンク空間421を囲む壁422を有する。第1タンク空間421の壁422には、上壁423が含まれる。上壁423は、容器12Gのうち上側に位置する壁である。
第1タンク部42の内部に、吸着コア14が配置されている。したがって、第1タンク部42の内部に、吸着剤142が配置されている。吸着コア14は、上壁423の内面423aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
第2タンク部44は、第1タンク部42の下側に配置されている。第2タンク部44は、第2タンク空間441を内部に形成する。第2タンク部44は、第2タンク空間441を囲む壁442を有する。第2タンク部44の壁442には、底壁443が含まれる。底壁443は、容器12Gのうち下側に位置する壁である。
第2タンク部44の内部に、液相の被吸着媒体が存在する。第2タンク部44の内部に、多孔質体18が配置されている。多孔質体18は、底壁443の内面443aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
複数のチューブ46のそれぞれは、第1タンク部42と第2タンク部44との両方に連なっている。複数のチューブ46のそれぞれは、第1タンク空間421と第2タンク空間441とを連通させる連通空間461を内部に形成する。複数のチューブ46のそれぞれは、連通空間461を囲む壁462を有する。複数のチューブ46のそれぞれの壁462は、上側から下側へ延びている。
複数のチューブ46のそれぞれは、互いに間を空けて、一方向に積層されている。この一方向が、複数のチューブ46が積層されているチューブ積層方向D1である。第1タンク空間421と第2タンク空間441と複数の連通空間461とは、容器12Gの内部の連続する1つの空間13を構成している。
第1タンク部42の上壁423と第2タンク部44の底壁443とは、上下方向に空間13を挟んで対向している。したがって、上壁423が第1壁に相当する。底壁443が、第1壁に対して空間を挟んで対向する第2壁に相当する。複数のチューブ46のそれぞれの壁462は、上壁423側から底壁443側へ延びている。したがって、複数のチューブ46のそれぞれの壁462は、第1壁側から第2壁側へ延びている第3壁に相当する。複数のチューブ46のそれぞれの壁462は、上壁423と底壁443とともに、空間13を囲んでいる。
第1タンク部42は、チューブ積層方向D1に延びている。吸着コア14は、第1タンク部42の内部において、チューブ積層方向D1での一端側チューブ46aの位置から他端側チューブ46bの位置まで配置されている。一端側チューブ46aは、複数のチューブ46のうちチューブ積層方向D1での一端側に位置する。他端側チューブ46bは、複数のチューブ46のうちチューブ積層方向D1での他端側に位置する。
第2タンク部44も、チューブ積層方向D1に延びている。多孔質体18は、第2タンク部44の内部において、チューブ積層方向D1での一端側チューブ46aの位置から他端側チューブ46bの位置まで配置されている。
吸着器10Bは、1つの第1フィン16と、1つの多穴管20とを備える。第1フィン16は、第1タンク部42の上壁423の外面423bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。多穴管20は、第2タンク部44の底壁443の外面443bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
吸着器10Bは、複数の第2フィン48を備える。それぞれの第2フィン48は、複数のチューブ46のうち隣り合うチューブ46の間にそれぞれ設けられている。それぞれの第2フィン48は、それぞれのチューブ46の壁462の外面462aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。複数の第2フィン48は、それぞれのチューブ46の内部の気相の被吸着媒体とそれぞれのチューブ46の外部の受熱媒体との熱交換を促進させる熱交換部材である。
次に、本実施形態の吸着器10Bの作動について説明する。本実施形態の吸着器10Bの作動は、第1実施形態の吸着器10および第2実施形態の吸着器10Aと基本的に同じである。また、吸着式冷凍機70の吸着器10Bを除く部分の作動は、第1実施形態の吸着式冷凍機70と同じである。複数の第2フィン48は、第1実施形態の2つの第2フィン22に対応する。
(吸着過程)
吸着過程では、第1フィン16へ外気が送風される。第1タンク部42の内部の吸着剤142が冷却される。これにより、第2タンク部44の内部に存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体が第1タンク部42の内部の吸着剤142に吸着される。このとき、第2タンク部44において、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
吸着過程では、第1フィン16へ外気が送風される。第1タンク部42の内部の吸着剤142が冷却される。これにより、第2タンク部44の内部に存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体が第1タンク部42の内部の吸着剤142に吸着される。このとき、第2タンク部44において、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
本実施形態では、第2タンク空間441に存在する液相の被吸着媒体が蒸発する。したがって、第2タンク空間441が、吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部に相当する。この蒸発部は、空間のうち被吸着媒体が底壁443を介して被冷却物と熱交換する部分である。このように、容器12Gの内部には、蒸発部が形成される。
(脱離過程)
脱離過程では、第1フィン16へ排ガスが送風される。第1タンク部42の内部の吸着剤142が加熱される。これにより、第1タンク部42において、気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
脱離過程では、第1フィン16へ排ガスが送風される。第1タンク部42の内部の吸着剤142が加熱される。これにより、第1タンク部42において、気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
さらに、脱離過程では、複数の第2フィン48へ外気が送風される。それぞれのチューブ46の内部に存在する気相の被吸着媒体と外気との熱交換によって、気相の被吸着媒体が冷却される。これにより、それぞれのチューブ46の内部に存在する気相の被吸着媒体が凝縮して液相の被吸着媒体となる。凝縮した液相の被吸着媒体は、重力で落下して、第2タンク部44の内部に溜まる。
このように、本実施形態では、複数の第2フィン48は、脱離過程のときに、それぞれのチューブ46の内部に存在する被吸着媒体の熱をそれぞれのチューブ46の外部へ放出させる放熱部として機能する。複数の第2フィン48は、脱離過程のときに、外気に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。換言すると、複数の第2フィン48は、外気を冷却源として、それぞれのチューブ46の内部に存在する気相の被吸着媒体を冷却して凝縮させる冷却部として機能する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第4実施形態)
図7に示すように、本実施形態の吸着器10Cは、第3実施形態の吸着器10Bにおける多穴管20を、インナーフィン50が内部に配置された管52に変更したものである。管52の内部を、被冷却物である圧縮式冷凍サイクルの冷媒が流れる。インナーフィン50および管52は、被冷却物と被吸着媒体とを熱交換させるための熱交換部材である。換言すると、インナーフィン50および管52は、被冷却物と被吸着媒体との間を伝熱させる伝熱部材である。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
図7に示すように、本実施形態の吸着器10Cは、第3実施形態の吸着器10Bにおける多穴管20を、インナーフィン50が内部に配置された管52に変更したものである。管52の内部を、被冷却物である圧縮式冷凍サイクルの冷媒が流れる。インナーフィン50および管52は、被冷却物と被吸着媒体とを熱交換させるための熱交換部材である。換言すると、インナーフィン50および管52は、被冷却物と被吸着媒体との間を伝熱させる伝熱部材である。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
図8に示すように、本実施形態の吸着器10Dは、1つの容器12Hと、1つの吸着コア14と、1つの第1フィン16と、1つの第1多孔質体18と、1つの多穴管20と、2つの第2フィン22と、2つの第2多孔質体24とを備える。
図8に示すように、本実施形態の吸着器10Dは、1つの容器12Hと、1つの吸着コア14と、1つの第1フィン16と、1つの第1多孔質体18と、1つの多穴管20と、2つの第2フィン22と、2つの第2多孔質体24とを備える。
容器12Hは、第1実施形態の容器12の設置方向を変更したものに相当する。容器12Hは、内部に空間13を形成する。容器12Hの内部には、被吸着媒体が封入されている。
容器12Hは、上壁121と、底壁123と、第1側壁125と、第2側壁127とを有する。上壁121は、容器12Hのうち上側に位置する壁である。上壁121は、内面121aと外面121bとを有する。底壁123は、容器12Hのうち下側に位置する壁である。底壁123は、上壁121に対して間をあけて対向している。底壁123は、内面123aと外面123bとを有する。
第1側壁125および第2側壁127は、容器12Hのうち側方側に位置する壁である。第1側壁125および第2側壁127は、上壁122と底壁124との両方に連なる。第1側壁125および第2側壁127は、上側から下側に向かって延びている。第1側壁125と第2側壁127とは、間をあけて対向している。第1側壁125および第2側壁127は、上壁121と底壁123とともに空間13を囲んでいる。第1側壁125は、内面125aと外面125bとを有する。第2側壁127は、内面127aと外面127bとを有する。
第1側壁125と第2側壁127とは、上下方向に対して交差する方向に空間13を挟んで対向している。したがって、第1側壁125が第1壁に相当する。第2側壁127が、第1壁に対して空間を挟んで対向する第2壁に相当する。上壁121および底壁123は、第1側壁125側から第2側壁127側へ延びている。したがって、上壁121および底壁123は、第1壁側から第2壁側へ延びている第3壁に相当する。
吸着コア14は、第1側壁125の内面125aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。吸着コア14は、容器12Hの内部の空間13のうち第1側壁側部分13dに配置されている。第1側壁側部分13dは、空間13のうち第2側壁127よりも第1側壁125に近い側の部分である。
第1フィン16は、第1側壁125の外面125bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。第1フィン16は、第1側壁125の外側の伝熱面の面積を拡大させる拡大伝熱面を有する。
第1多孔質体18は、第1実施形態の多孔質体18と同じものである。第1多孔質体18は、第2側壁127の内面127aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。第1多孔質体18は、空間13のうち第2側壁側部分13eに配置されている。第2側壁側部分13eは、空間13のうち第1側壁125よりも第2側壁127に近い側の部分である。
多穴管20は、第2側壁127の外面127bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
2つの第2フィン22の一方は、上壁121の外面121bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。2つの第2フィン22の他方は、底壁123の外面123bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
2つの第2多孔質体24は、毛細管力を発生させる構造体である。2つの第2多孔質体24の一方は、上壁121の内面121aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。2つの第2多孔質体24の他方は、底壁123の内面123aに対して熱伝導可能な状態で固定されている。
上壁121および底壁123のそれぞれは、両者の間隔が狭い部分と広い部分とを有する。上壁121および底壁123のうち両者の間隔が狭い部分の間に、吸着コア14が配置されている。上壁121および底壁123における両者の間隔が広い部分の内面のそれぞれに、2つの第2多孔質体24のそれぞれが設けられている。上壁121および底壁123における両者の間隔が広い部分の外面のそれぞれに、2つの第2フィン22のそれぞれが設けられている。
次に、本実施形態の吸着器10Dの作動について、図9A、9B、9Cを用いて説明する。吸着式冷凍機70の吸着器10Dを除く部分の作動は、第1実施形態の吸着式冷凍機70と同じである。吸着器10Dは、第1実施形態の吸着器10と同様に、図9Aの吸着過程と図9Cの脱離過程とが、図9Bの切替過程を経て、切
り換えられる。いずれの過程においても、矢印C1のように多穴管20の内部に被冷却物が流入し、矢印C2のように多穴管20の内部から被冷却物が流出する。
り換えられる。いずれの過程においても、矢印C1のように多穴管20の内部に被冷却物が流入し、矢印C2のように多穴管20の内部から被冷却物が流出する。
(吸着過程)
吸着過程では、図9Aの矢印A1のように、第1フィン16へ外気が送風される。外気と吸着剤142との熱交換によって、吸着剤142が冷却される。これにより、矢印B1のように、第2側壁側部分13eに存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体が吸着剤142に吸着される。このとき、多穴管20、第2側壁127および多孔質体18を介して、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
吸着過程では、図9Aの矢印A1のように、第1フィン16へ外気が送風される。外気と吸着剤142との熱交換によって、吸着剤142が冷却される。これにより、矢印B1のように、第2側壁側部分13eに存在する液相の被吸着媒体が蒸発して気相の被吸着媒体となる。気相の被吸着媒体が吸着剤142に吸着される。このとき、多穴管20、第2側壁127および多孔質体18を介して、被吸着媒体と被冷却物とが熱交換する。このため、液相の被吸着媒体が蒸発するときの蒸発潜熱によって、多穴管20の内部を流れる被冷却物が冷却される。
本実施形態では、容器12Hの内部の空間13のうち第2側壁側部分13eに存在する液相の被吸着媒体が蒸発する。したがって、第2側壁側部分13eが、吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とを熱交換させて、液相の被吸着媒体を蒸発させる蒸発部に相当する。この蒸発部は、空間13のうち被吸着媒体が第2側壁127を介して被冷却物と熱交換する部分である。このように、容器12Hの内部には、蒸発部が形成される。
(吸着過程後の切替過程)
吸着過程後の切替過程では、図9Bに示すように、第1フィン16への送風が停止される。これにより、吸着剤142の冷却が停止される。このため、被吸着媒体の吸着剤142への吸着が停止される。
吸着過程後の切替過程では、図9Bに示すように、第1フィン16への送風が停止される。これにより、吸着剤142の冷却が停止される。このため、被吸着媒体の吸着剤142への吸着が停止される。
(脱離過程)
脱離過程では、図9Cの矢印A2のように第1フィン16へ排ガスが送風される。排ガスと吸着剤142との熱交換によって、吸着剤142が加熱される。これにより、矢印B2のように気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
脱離過程では、図9Cの矢印A2のように第1フィン16へ排ガスが送風される。排ガスと吸着剤142との熱交換によって、吸着剤142が加熱される。これにより、矢印B2のように気相の被吸着媒体が吸着剤142から脱離する。
脱離過程では、さらに、矢印A3のように第2フィン22へ外気が送風される。外気との熱交換によって、容器12Hの内部に存在する気相の被吸着媒体が冷却される。これにより、容器12Hの内部の空間13のうち上壁側部分13fおよび底壁側部分13gに存在する気相の被吸着媒体が凝縮して液相の被吸着媒体となる。上壁側部分13fは、空間13のうち上下方向での中央部よりも上壁121に近い側の部分である。底壁側部分13gは、空間13のうち上下方向での中央部よりも底壁123に近い側の部分である。凝縮した液相の被吸着媒体は、第2多孔質体24および第1多孔質体18のウィック効果によって、第2側壁側部分13eへ引き込まれる。
このように、本実施形態では、2つの第2フィン22は、脱離過程のときに、容器12Hの内部に存在する被吸着媒体の熱を容器12Hの外部へ放出させる放熱部として機能する。これらの第2フィン22は、気相の被吸着媒体の熱を外気に受熱させて、気相の被吸着媒体を凝縮させる。換言すると、2つの第2フィン22は、外気を冷却源として、容器12Hの内部に存在する気相の被吸着媒体を冷却して凝縮させる冷却部として機能する。このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(脱離過程後の切替過程)
脱離過程後の切替過程では、図9Bに示すように、第1フィン16への排ガスの送風と第2フィン22への外気の送風とが停止される。これにより、吸着剤142の加熱と被吸着媒体の冷却とが停止される。
脱離過程後の切替過程では、図9Bに示すように、第1フィン16への排ガスの送風と第2フィン22への外気の送風とが停止される。これにより、吸着剤142の加熱と被吸着媒体の冷却とが停止される。
(第6実施形態)
図10Aに示すように、本実施形態の吸着器10Eは、第1実施形態の吸着器10に対して発熱体60を追加したものである。発熱体60は、上壁122の外面122bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。発熱体60は、外面122bのうち第1フィン16との接合箇所を除く部位に配置されている。発熱体60は、ニクロム線などの抵抗発熱体である。
図10Aに示すように、本実施形態の吸着器10Eは、第1実施形態の吸着器10に対して発熱体60を追加したものである。発熱体60は、上壁122の外面122bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。発熱体60は、外面122bのうち第1フィン16との接合箇所を除く部位に配置されている。発熱体60は、ニクロム線などの抵抗発熱体である。
図10Bに示すように、本実施形態の吸着式冷凍機70は、吸着器10Eの他に、外気用ファン71と、ダクト73と、外気用ドア74と、制御装置76とを備える。ダクト73は、第1フィン部分731と、第2フィン部分732と、外気供給部分733とを含む。
次に、吸着式冷凍機70の作動を説明する。図10Bに示すように、制御装置76は、吸着過程のときの第1状態となるように、第1実施形態と同様に、外気用ファン71、外気用ドア74の作動を制御する。このとき、制御装置76は、発熱体60の作動を停止させる。これにより、第1実施形態と同様に、吸着器10Eは吸着過程の状態となる。
図10Cに示すように、制御装置76は、脱離過程のときの第2状態となるように、第1実施形態と同様に、外気用ファン71、外気用ドア74の作動を制御する。このとき、制御装置76は、発熱体60を作動させる。これにより、第1実施形態と同様に、吸着器10Eは脱離過程の状態となる。
本実施形態の吸着器10Eでは、脱離過程のとき、発熱体60が発熱することで、吸着剤142が加熱される。このように、吸着剤142を加熱する加熱部として、発熱体60を用いることができる。本実施形態では、第1フィン16と発熱体60とが、吸着剤142を冷却および加熱する冷却加熱部として用いられている。
(第7実施形態)
図11Aに示すように、本実施形態の吸着器10Fは、第1多穴管20と、2つの第2多穴管62とを備える。第1多穴管20は、第1実施形態の多穴管20である。本実施形態の吸着器10Fは、第1実施形態の吸着器10に対して2つの第2フィン22を2つの第2多穴管62に変更したものである。それぞれの第2多穴管62は、対応する側壁126の外面126bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。それぞれの第2多穴管62は、内部を冷却液が流れる冷却管である。具体的には、それぞれの第2多穴管62は、内部に複数の流路622を有する。複数の流路622には、脱離過程のときに、冷却液が流れる。この冷却液は、脱離過程のときに、気相の被吸着媒体の熱を受熱する受熱媒体である。この冷却液は、第1多穴管20を流れる被冷却物とは別の物である。この冷却液の温度は、第1多穴管20を流れる被冷却物の温度よりも低い。
図11Aに示すように、本実施形態の吸着器10Fは、第1多穴管20と、2つの第2多穴管62とを備える。第1多穴管20は、第1実施形態の多穴管20である。本実施形態の吸着器10Fは、第1実施形態の吸着器10に対して2つの第2フィン22を2つの第2多穴管62に変更したものである。それぞれの第2多穴管62は、対応する側壁126の外面126bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。それぞれの第2多穴管62は、内部を冷却液が流れる冷却管である。具体的には、それぞれの第2多穴管62は、内部に複数の流路622を有する。複数の流路622には、脱離過程のときに、冷却液が流れる。この冷却液は、脱離過程のときに、気相の被吸着媒体の熱を受熱する受熱媒体である。この冷却液は、第1多穴管20を流れる被冷却物とは別の物である。この冷却液の温度は、第1多穴管20を流れる被冷却物の温度よりも低い。
図11Bに示すように、本実施形態の吸着式冷凍機70は、吸着器10Fの他に、外気用ファン71と、排ガス用ファン72と、ダクト73と、外気用ドア74と、排ガス用ドア75と、制御装置76とを備える。ダクト73は、第1フィン部分731と、外気供給部分733と、外気放出部分734と、排ガス供給部分735と、排ガス放出部分736とを含む。外気用ドア74は、第1フィン部分731と外気供給部分733とが連通した状態と遮断された状態とを切り替える。
吸着式冷凍機70は、冷却液が循環する冷却液回路80を備える。冷却液回路80は、2つの第2多穴管62に接続されている。冷却液回路80は、第2多穴管62に冷却液を供給する。冷却液回路80は、冷却液ポンプ81と、放熱器82と、配管83とを備える。冷却液ポンプ81および放熱器82は、2つの第2多穴管62とともに、配管83によって環状に連結されている。なお、図11Bでは、2つの第2多穴管62のうち一方のみが冷却液回路80に接続されているように示されている。しかしながら、図示されていないが、2つの第2多穴管62のうち他方も、冷却液回路80に接続されている。
冷却液ポンプ81は、冷却液の流れを形成する。冷却液ポンプ81の作動と停止は、制御装置76に制御される。放熱器82は、冷却液と外気との熱交換によって冷却液の熱を外気へ放出する。放熱器82で放熱後の冷却液が、2つの第2多穴管62に流入する。
次に、吸着式冷凍機70の作動を説明する。図11Bに示すように、制御装置76は、吸着過程のときの第1状態となるように、第1実施形態と同様に、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。このとき、制御装置76は、冷却液ポンプ81を停止させる。このため、2つの第2多穴管62には、冷却液が供給されない。これにより、第1実施形態と同様に、吸着器10Fは吸着過程の状態となる。
図11Cに示すように、制御装置76は、脱離過程のときの第2状態となるように、第1実施形態と同様に、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。このとき、制御装置76は、冷却液ポンプ81を作動させる。このため、図11Cの矢印E1のように、冷却液が流れる。このように、制御装置76は、第2状態への切り替えの際に、冷却液回路80によって2つの多穴管62に冷却液を供給する。これにより、第1実施形態と同様に、吸着器10Fは脱離過程の状態となる。
本実施形態では、2つの第2多穴管62は、脱離過程のときに、容器12の内部に存在する被吸着媒体の熱を容器12の外部へ放出させる放熱部として機能する。これらの第2多穴管62は、気相の被吸着媒体と冷却液とを熱交換させ、気相の被吸着媒体の熱を冷却液に受熱させて、気相の被吸着媒体を凝縮させる。換言すると、それぞれの第2多穴管62は、脱離過程のときに、複数の流路622を流れる冷却液を冷却源として、容器12の内部に存在する気相の被吸着媒体を冷却して凝縮させる冷却部として機能する。このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態では、冷却液回路80が、気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体を放熱部へ供給する受熱媒体供給部に相当する。2つの第2多穴管62は、気相の被吸着媒体と受熱媒体とを熱交換させる熱交換部に相当する。
また、本実施形態では、吸着過程のときに、冷却液ポンプ81が停止される。しかしながら、吸着過程のときに、冷却液ポンプ81が作動していてもよい。吸着過程のときに、2つの第2多穴管62に冷却液が供給されても、気相の被吸着媒体から冷却液への熱の移動は生じないからである。
(第8実施形態)
図12Aに示すように、本実施形態の吸着器10Gは、第1実施形態の吸着器10に対して2つの第2フィン22を2つの電子冷却器64に変更したものである。それぞれの電子冷却器64は、対応する側壁126の外面126bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。それぞれの電子冷却器64は、ペルチェ素子などの電子部品を冷却源とする冷却器である。それぞれの電子冷却器64は、吸熱面と発熱面とを有する。それぞれの電子冷却器64は、吸熱面を容器12に向けて固定されている。
図12Aに示すように、本実施形態の吸着器10Gは、第1実施形態の吸着器10に対して2つの第2フィン22を2つの電子冷却器64に変更したものである。それぞれの電子冷却器64は、対応する側壁126の外面126bに対して熱伝導可能な状態で固定されている。それぞれの電子冷却器64は、ペルチェ素子などの電子部品を冷却源とする冷却器である。それぞれの電子冷却器64は、吸熱面と発熱面とを有する。それぞれの電子冷却器64は、吸熱面を容器12に向けて固定されている。
図12Bに示すように、本実施形態の吸着式冷凍機70は、吸着器10Gの他に、外気用ファン71と、排ガス用ファン72と、ダクト73と、外気用ドア74と、排ガス用ドア75と、制御装置76とを備える。ダクト73は、第1フィン部分731と、外気供給部分733と、外気放出部分734と、排ガス供給部分735と、排ガス放出部分736とを含む。外気用ドア74は、第1フィン部分731と外気供給部分733とが連通した状態と遮断された状態とを切り替える。制御装置76は、電子冷却器64の作動と停止を制御する。
次に、吸着式冷凍機70の作動を説明する。図12Bに示すように、制御装置76は、吸着過程のときの第1状態となるように、第1実施形態と同様に、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。このとき、制御装置76は、電子冷却器64を停止させる。これにより、第1実施形態と同様に、吸着器10Gは吸着過程の状態となる。
図12Cに示すように、制御装置76は、脱離過程のときの第2状態となるように、第1実施形態と同様に、外気用ファン71、外気用ドア74および排ガス用ドア75の作動を制御する。このとき、制御装置76は、2つの電子冷却器64を作動させる。これにより、第1実施形態と同様に、吸着器10Gは脱離過程の状態となる。
本実施形態では、脱離過程のときに、2つの電子冷却器64が作動する。このとき、電子部品の温度は、第1多穴管20を流れる被冷却物の温度よりもが低くされる。これにより、容器12の内部に存在する被吸着媒体の熱が電子冷却器64の吸熱側へ放出される。このように、2つの電子冷却器64は、脱離過程のときに、容器12の内部に存在する被吸着媒体の熱を容器12の外部へ放出させる放熱部として機能する。これらの電子冷却器64は、気相の被吸着媒体の熱を電子冷却器64の吸熱面に受熱させて、気相の被吸着媒体を凝縮させる。換言すると、脱離過程のときに、2つの電子冷却器64が、容器12の内部に存在する気相の被吸着媒体を冷却して凝縮させる冷却部として機能する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、本実施形態では、吸着過程のときに、電子冷却器64が停止される。しかしながら、吸着過程のときに、電子冷却器64が作動していてもよい。吸着過程のときに、電子冷却器64が作動しても、気相の被吸着媒体から電子冷却器64の吸熱面への熱の移動は生じないからである。
(他の実施形態)
(1)第1実施形態では、4つの側壁126のうち2つの側壁126のみに、第2フィン22が設けられていた。しかしながら、4つの側壁126のそれぞれに、第2フィン22が設けられていてもよい。
(1)第1実施形態では、4つの側壁126のうち2つの側壁126のみに、第2フィン22が設けられていた。しかしながら、4つの側壁126のそれぞれに、第2フィン22が設けられていてもよい。
(2)第1実施形態では、容器12の形状が直方体であった。しかしながら、容器12の形状は、円筒形状等の他の形状であってもよい。容器12の形状が円筒形状の場合、側壁126は1つである。1つの側壁126に、1つまたは複数の第2フィン22が設けられてもよい。
(3)第1実施形態では、容器12の内部の空間13のうち底壁側部分13bに、多孔質体18が配置されていた。しかしながら、多孔質体18が配置されていなくてもよい。この場合であっても、吸着過程のとき、底壁側部分13bに存在する液相の被吸着媒体が蒸発する。第2−第8実施形態においても、同様である。
(4)第1実施形態では、吸着過程のときに、第1フィン16へ供給する受熱媒体として、外気を用いたが、他の受熱媒体を用いてもよい。第2−第8実施形態においても、同様である。また、上記各実施形態では、脱離過程のときに、第2フィン22、38、48へ供給する受熱媒体として外気を用いたが、他の受熱媒体を用いてもよい。
(5)第1実施形態では、脱離過程のときに、第1フィン16へ供給する加熱媒体として、排ガスを用いたが、他の加熱媒体を用いてもよい。他の加熱媒体として、例えば、エンジン7自体または排ガスと熱交換された空気を用いてもよい。第2−第5、第7−第8実施形態においても同様である。
(6)上記各実施形態では、第1フィン16として、コルゲートフィンが用いられていた。しかしながら、第1フィン16として、プレートフィン、ストレートフィン、オフセットフィン、ウェーブフィンなどの他のフィンが用いられてもよい。また、第1フィン16の代わりに、多穴管などの他の伝熱部材を用いてもよい。
(7)上記各実施形態では、多穴管20またはインナーフィン50が内部に配置された管52が用いられていた。しかしながら、これらの替わりに、フィンが用いられてもよい。フィンとしては、プレートフィン、ストレートフィン、オフセットフィン、ウェーブフィンなどが挙げられる。
(8)上記各実施形態では、第2フィン22、第2多穴管62および電子冷却器64に代表される放熱部が、容器の外側に設けられていた。しかしなら、被吸着媒体の熱を容器12の外部に放出させるようになっていれば、放熱部が容器12の内部に設けられていてもよい。例えば、多穴管が容器12の内部に設けられてもよい。この場合、多穴管の内部を受熱媒体が流れる。受熱媒体は、被吸着媒体から受熱し、熱を容器12の外部へ放出するようになっていればよい。
(9)第1実施形態では、吸着器10が空気中に配置されており、容器12の周囲は空気が存在する環境であった。しかしながら、吸着器10は水中に配置されてもよい。この場合、容器12の周囲は水が存在する環境である。この場合、容器12の周囲の環境に存在する水を、放熱部としての第2フィン22に供給してもよい。さらに、第2フィン22で気相の被吸着媒体と熱交換した後の水を、容器12の周囲の環境に放出してもよい。この場合において、容器12の周囲の環境に存在する水を第2フィン22へ供給する装置が受熱媒体供給部に相当する。
(10)上記各実施形態では、被吸着媒体の蒸発潜熱によって冷却する被冷却物は、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置1の凝縮器3から流出した液相冷媒であった。しかしながら、被冷却物は、凝縮器3から流出した液相冷媒と熱交換される流体であってもよい。この場合、この流体を介して、凝縮器3から流出した液相冷媒を冷却することができる。
(11)上記各実施形態では、吸着式冷凍機は、車両用の空調装置を構成する圧縮式冷凍サイクル装置の冷媒を冷却する用途に用いられていた。しかしながら、上記各実施形態の吸着式冷凍機が他の用途に用いられてもよい。他の用途としては、排熱利用冷房装置や、熱駆動ヒートポンプ装置などが挙げられる。また、上記各実施形態では、吸着式冷凍機は、被吸着媒体の蒸発潜熱によって冷却する被冷却物が、圧縮式冷凍サイクル装置の冷媒、すなわち、流体であった。しかしながら、被冷却物は、固体であってもよい。
(12)本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能であり、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、吸着器は、容器と、吸着剤と、放熱部とを備える。容器の内部には、吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部が形成される。放熱部は、脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、吸着器は、容器と、吸着剤と、放熱部とを備える。容器の内部には、吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部が形成される。放熱部は、脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる。
また、第2の観点によれば、容器は、第1壁と、第1壁に対して空間を挟んで対向する第2壁と、第1壁側から第2壁側へ延びている第3壁とを有する。吸着剤は、第1壁に対して熱伝導可能な状態で固定されている。蒸発部は、空間のうち被吸着媒体が第2壁を介して被冷却物と熱交換する部分である。放熱部は、第3壁のうち容器の外側に設けられている。
第1の観点において、第2の観点の具体的な構成を採用することができる。この場合、放熱部は、第3壁を介して被吸着媒体を冷却する。
また、第3の観点によれば、第1壁は、容器のうち上側に位置する上壁である。第2壁は、上壁よりも下側に位置する底壁である。第3壁は、上側から下側へ延びている壁である。第2の観点において、第3の観点の構成を採用することができる。
また、第4の観点によれば、放熱部は、気相の被吸着媒体と容器の外部の受熱媒体との熱交換を促進させるフィンである。第2、第3の観点において、第4の観点の構成を採用することができる。
また、第5の観点によれば、容器は第1容器である。吸着剤は第1吸着剤である。被吸着媒体は第1被吸着媒体である。蒸発部は第1蒸発部である。吸着器は、第2吸着剤に吸着される第2被吸着媒体が封入された第2容器と、第2容器の内部に配置された第2吸着剤とを備える。第2容器の内部には、気相の第2被吸着媒体が第2吸着剤に吸着する吸着過程のときに、液相の第2被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の第2被吸着媒体が蒸発する第2蒸発部が形成される。放熱部は、気相の第2被吸着媒体が第2吸着剤から脱離する脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の第2被吸着媒体を凝縮させる。
第1の観点において、第5の観点の構成を採用することができる。これによれば、第1容器と第2容器との一方が破損しても、第1容器と第2容器との他方によって、被冷却物を冷却することができる。
また、第6の観点によれば、容器は、第1タンク部と、第2タンク部と、複数のチューブとを有する。第1タンク部は、第1タンク空間を内部に形成する。第2タンク部は、第2タンク空間を内部に形成する。複数のチューブは、第1タンク空間と第2タンク空間とを連通させる連通空間を内部に形成する。吸着剤は、第1タンク部の内部に配置される。蒸発部は、第2タンク部の内部に形成される。放熱部は、複数のチューブのうち隣り合うチューブの間にそれぞれ設けられた複数のフィンである。
第1の観点において、第6の観点の構成を採用することができる。この吸着器は、第1タンク部と第2タンク部と複数のチューブとを備える熱交換器と同様の構造である。このため、熱交換器の製造技術を用いて、吸着器を容易に製造することができる。
また、第7の観点によれば、吸着式冷凍機は、第1、2、3、5、6の観点のいずれか1つに記載の吸着器と、吸着過程のときの第1状態と、脱離過程のときの第2状態との切り替えを制御する制御装置とを備える。吸着器は、吸着剤の冷却および加熱を行う冷却加熱部を有する。第1状態においては、冷却加熱部によって吸着剤が冷却され、容器の内部に蒸発部が形成され、放熱部による被吸着媒体からの熱の放出が行われない。第2状態においては、冷却加熱部によって吸着剤が加熱され、放熱部による被吸着媒体からの熱の放出が行われる。
制御装置は、このように第1状態と第2状態とを切り替える。これにより、第1の観点と同様の効果が得られる。
また、第8の観点によれば、吸着式冷凍機は、気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体を放熱部へ供給する受熱媒体供給部を備える。放熱部は、気相の被吸着媒体と受熱媒体とを熱交換させる熱交換部である。制御装置は、第2状態への切り替えの際に、受熱媒体供給部によって放熱部へ受熱媒体を供給する。第7の観点において、第8の観点の構成を採用することができる。
また、第9の観点によれば、受熱媒体供給部は、受熱媒体として容器の周囲の環境に存在する熱交換媒体を放熱部に供給する。このように、受熱媒体として周囲の環境に存在する熱交換媒体を用いることができる。
また、第10の観点によれば、受熱媒体供給部は、放熱部で気相の被吸着媒体と熱交換した後の熱交換媒体を、容器の周囲の環境に放出する。
ここで、受熱媒体として周囲の環境に存在する熱交換媒体とは異なる熱交換媒体を用い、かつ、受熱媒体が流れる閉回路を用いる場合、閉回路から受熱媒体が漏れないようにする必要がある。これに対して、第10の観点によれば、受熱媒体が流れる閉回路を用いていないので、受熱媒体が漏れないようにする必要が無い。
また、第11の観点によれば、被冷却物は、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の凝縮器から流出した液相冷媒または液相冷媒と熱交換される流体である。このように、第7−第10の観点の吸着式冷凍機を、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の凝縮器から流出した液相冷媒または液相冷媒と熱交換される流体の冷却に適用することができる。
10 吸着器
12 容器
13 容器の内部の空間
13b 容器の内部の空間のうち底壁側部分
122 上壁
124 底壁
126 側壁
142 吸着剤
22 第2フィン
12 容器
13 容器の内部の空間
13b 容器の内部の空間のうち底壁側部分
122 上壁
124 底壁
126 側壁
142 吸着剤
22 第2フィン
Claims (11)
- 吸着器であって、
吸着剤に吸着される被吸着媒体が内部に封入された容器(12、12A、12G、12H)と、
前記容器の内部に配置された前記吸着剤(142)と、
前記容器の内部に存在する被吸着媒体の熱を前記容器の外部へ放出させる放熱部(22、38、48、62、64)とを備え、
前記容器の内部には、気相の被吸着媒体が前記吸着剤に吸着する吸着過程のときに、液相の被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の被吸着媒体が蒸発する蒸発部(13b、341、441、13e)が形成され、
前記放熱部は、気相の被吸着媒体が前記吸着剤から脱離する脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の被吸着媒体を凝縮させる吸着器。 - 前記容器は、第1壁(122、323、423、125)と、前記第1壁に対して空間(13)を挟んで対向する第2壁(124、343、443、127)と、前記第1壁側から前記第2壁側へ延びている第3壁(126、362、462、121、123)とを有し、
前記吸着剤は、前記第1壁に対して熱伝導可能な状態で固定されており、
前記蒸発部は、前記空間のうち被吸着媒体が前記第2壁を介して被冷却物と熱交換する部分であり、
前記放熱部は、前記第3壁のうち前記容器の外側に設けられている請求項1に記載の吸着器。 - 前記第1壁は、前記容器のうち上側に位置する上壁(122、323、423)であり、
前記第2壁は、前記上壁よりも下側に位置する底壁(124、343、443)であり、
前記第3壁は、前記上側から下側へ延びている壁(126、362、462)である請求項2に記載の吸着器。 - 前記放熱部は、気相の被吸着媒体と前記容器の外部の受熱媒体との熱交換を促進させるフィン(22、38、48)である請求項2または3に記載の吸着器。
- 前記容器は第1容器(12A)であり、前記吸着剤は第1吸着剤であり、前記被吸着媒体は第1被吸着媒体であり、前記蒸発部は第1蒸発部(341)であり、
前記吸着器は、
第2吸着剤に吸着される第2被吸着媒体が封入された第2容器(12B)と、
前記第2容器の内部に配置された前記第2吸着剤(142)とを備え、
前記第2容器の内部には、気相の第2被吸着媒体が前記第2吸着剤に吸着する吸着過程のときに、液相の第2被吸着媒体と被冷却物とが熱交換し、液相の第2被吸着媒体が蒸発する第2蒸発部(341)が形成され、
前記放熱部(38)は、気相の第2被吸着媒体が前記第2吸着剤から脱離する脱離過程のときに、被冷却物とは別の物に受熱させて気相の第2被吸着媒体を凝縮させる請求項1に記載の吸着器。 - 前記容器(12G)は、
第1タンク空間(421)を内部に形成する第1タンク部(42)と、
第2タンク空間(441)を内部に形成する第2タンク部(44)と、
前記第1タンク空間と前記第2タンク空間とを連通させる連通空間(461)を内部に形成する複数のチューブ(46)とを有し、
前記吸着剤は、前記第1タンク部の内部に配置され、
前記蒸発部は、前記第2タンク部の内部に形成され、
前記放熱部は、前記複数のチューブのうち隣り合うチューブの間にそれぞれ設けられた複数のフィン(48)である請求項1に記載の吸着器。 - 請求項1、2、3、5、6のいずれか1つに記載の吸着器(10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G)と、
前記吸着過程のときの第1状態と、前記脱離過程のときの第2状態との切り替えを制御する制御装置(76)とを備え、
前記吸着器は、前記吸着剤の冷却および加熱を行う冷却加熱部(16、60)を有し、
前記第1状態においては、前記冷却加熱部によって前記吸着剤が冷却され、前記容器の内部に前記蒸発部が形成され、前記放熱部による被吸着媒体からの熱の放出が行われず、
前記第2状態においては、前記冷却加熱部によって前記吸着剤が加熱され、前記放熱部による被吸着媒体からの熱の放出が行われる吸着式冷凍機。 - 気相の被吸着媒体から受熱する受熱媒体を前記放熱部へ供給する受熱媒体供給部(71、732、733、74、80)を備え、
前記放熱部は、気相の被吸着媒体と前記受熱媒体とを熱交換させる熱交換部(22、38、48、62)であり、
前記制御装置は、前記第2状態への切り替えの際に、前記受熱媒体供給部によって前記放熱部へ前記受熱媒体を供給する、請求項7に記載の吸着式冷凍機。 - 前記受熱媒体供給部(71、732、733、74)は、前記受熱媒体として前記容器の周囲の環境に存在する熱交換媒体を前記放熱部に供給する、請求項8に記載の吸着式冷凍機。
- 前記受熱媒体供給部は、前記放熱部で気相の被吸着媒体と熱交換した後の前記熱交換媒体を、前記容器の周囲の環境に放出する、請求項9に記載の吸着式冷凍機。
- 前記被冷却物は、蒸気圧縮式冷凍サイクル装置の凝縮器から流出した液相冷媒または前記液相冷媒と熱交換される流体である、請求項7ないし10のいずれか1つに記載の吸着式冷凍機。
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