JP2019070462A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】様々な形状の被加熱物に対して,加熱ムラを低減できる加熱調理器を提供する。【解決手段】オーブン庫と,マイクロ波発振器4と,マイクロ波分布制御手段と,食品情報検出手段32と,加熱制御手段30と,を備え,食品情報検出手段32によって検出する食品情報データと加熱制御手段30により設定した加熱シーケンスを記録できるデータ保存手段31を設けた。【選択図】図4
Description
本発明は,マイクロ波発振器により食品を加熱する加熱調理器に関するものである。
従来この種の代表的な加熱調理器である電子レンジでは,マイクロ波発振器により発生させたマイクロ波をオーブン庫に供給し,オーブン庫内の被加熱物にマイクロ波エネルギーを吸収させることによって被加熱物を加熱している。食品などの被加熱物を効率良く,かつ適切に加熱できるよう,マイクロ波発振器からオーブン庫に通じる導波管などの伝送路の形状や,オーブン庫にマイクロ波を放射するアンテナ形状を設計している。
電子レンジは加熱調理器であり,被加熱物を過不足やムラなく適温に均一加熱することが求められている。しかし,電子レンジに使用されるマイクロ波は周波数2450MHz,波長約120mmであり,オーブン庫のような密閉空間内部では空間に固有の定在波が形成されるため,加熱ムラが生じやすい。そこで,マイクロ波を放射させるアンテナを回転させる,食品を載置する台を回転させる等,可動部品を用いて定在波の分布を変動させることが行われている。
製品開発時には,使用者が加熱調理器を用いて加熱することが想定される被加熱物を用いて加熱試験を行い,マイクロ波分布や加熱の程度を調整しているため,開発時に想定した被加熱物は過不足やムラが少なく適切に加熱できる。しかし,実際には開発時に想定した被加熱物だけを加熱調理することはなく,様々な形状や物性の被加熱物の加熱に使用されている。
つまり,電子レンジで加熱の対象になる被加熱物は,形状,温度分布,大きさ,誘電率等が多様であり,加熱に必要なエネルギーやマイクロ波を照射した際の温度分布がそれぞれの被加熱物によって異なっている。そのため,どのような被加熱物でも適切に加熱するために,オーブン庫内に配置したセンサにより被加熱物の温度や形状などを検知して,それに応じてマイクロ波の出力や加熱時間を調整する加熱制御が一般的となっている。また,使用者によって仕上がり温度に好みがあるため,使用者の好みに応じて仕上がり温度を調整する加熱制御も行われている。
センサにより検知した被加熱物の情報や使用者の嗜好情報などをフィードバックして加熱調理を行う加熱調理器として,以下の特許文献が開示されている。
特許文献1には,「赤外線センサを用いて食品の温度を検知し,この検知温度の変化と調理プログラムとの比較により自動調理を行う調理器において,食品を撮像する撮像器と,この撮像器の出力により食品の形状を認識し,この認識結果に応じて前記調理プログラムを補正する手段とを具備したことを特徴とする調理器」が記載されている。
特許文献2には,「ネットワークを介してホストコンピュータに接続された加熱調理装置であって,食品を加熱するための加熱部と,ホストコンピュータから送信される加熱動作についての情報に従って,加熱部の加熱動作を制御する加熱制御部と,加熱部による加熱の仕上がりに対するユーザの嗜好情報を入力するための嗜好情報入力部と,嗜好情報入力部に入力されたユーザの嗜好情報をホストコンピュータに送信する嗜好情報送信部とを含む」加熱調理装置が記載されており,この構成により「ホストコンピュータにおいて調理シーケンス等の加熱動作についての情報に,ユーザの嗜好情報に基づいた補正を加えることができる」ことが記載されている。
しかしながら,従来の加熱調理器では赤外線センサ等を用いて被加熱物の表面温度や大きさ,形状に応じて被加熱物が適切な温度に加熱されるように加熱を制御しているものの,全く同じ表面温度や形状の被加熱物を加熱する場合は常に同じ加熱制御を行う。そのため,加熱調理後に加熱ムラや加熱の過不足等が発生する場合でも,加熱の仕上がりを改善することは困難だった。
また開発時に想定していない被加熱物を加熱する際には,被加熱物の表面温度を測定しながら加熱調理しても定在波が適切に制御できないために加熱ムラや加熱の過不足等が発生することがあった。そのような場合でも従来の加熱調理器では常に同じマイクロ波制御で同じ定在波のもとで加熱を行うため,同じ加熱ムラや加熱の過不足等を繰り返すことがあった。
以下,特許文献1〜2に記載の装置の課題について説明する。
特許文献1に記載の調理器では,食品を撮像する撮像器により食品の大きさを認識し,その大きさに応じて調理プログラムを補正する構成が示されている。しかし,調理プログラムの補正は更に加熱を行った方が良いのか,加熱時間を短くした方が良いのかといった加熱時間の大小のみで,加熱の過不足を緩和することは可能だが,マイクロ波分布を任意に制御して加熱ムラを低減することはできない。
特許文献2に記載の加熱調理装置及び加熱調理システムでは,ユーザの嗜好情報を入力することにより,加熱調理方法にそれに基づいた補正を加えることができる。そのため,ユーザによって嗜好が異なる加熱の仕上がりの程度に関して過不足がないように仕上げることができる。しかし,入力する嗜好状況は,加熱の過不足に関する情報のみであるため,加熱ムラを低減する効果はない。また,被加熱物の形状は検知しないため,被加熱物の形状の違いによる加熱性能のばらつきを緩和することが難しい。
本発明は,このような事情に鑑みてなされたものであり,被加熱物の形状を検知できるセンサシステムと,またそれにより食品の均一加熱が可能な加熱調理器を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため,本発明の加熱調理器は,被加熱物を収納するオーブン庫と,前記オーブン庫に供給するマイクロ波を発生するマイクロ波発振器と,前記マイクロ波発振器から前記オーブン庫に照射させたマイクロ波エネルギーの庫内電界強度分布を変化させるマイクロ波分布制御手段と,被加熱物の温度分布を検知する温度分布検知手段を備える食品情報検出手段と,前記食品情報検出手段で検出した食品情報データをもとに,前記マイクロ波エネルギーの出力,発振時間,及びマイクロ波分布制御手段の動作から成る加熱シーケンスを設定する加熱制御手段と,を備え,前記食品情報データと前記加熱シーケンスを,使用毎に記録するデータ保存手段を有することを特徴とする。
本発明によれば,被加熱物の表面温度を検知しながら加熱調理することで適切な温度に加熱できるとともに,加熱シーケンスと食品情報データをデータ保存手段に記録することで,前回までの加熱調理で得られた加熱調理結果をフィードバックして加熱シーケンスを改善するため,加熱制御を繰り返すたびに加熱ムラを低減でき,同じ失敗を繰り返さずに加熱ムラを低減する加熱調理器を提案できる。
以下,本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施例1の構造について,図1から図4を用いて説明する。図1は,本発明の実施例1の加熱調理器本体を前面上方側から見た分解斜視図である。図2は,加熱調理器本体を前面側から見た模式図である。図3は,実施例1の加熱調理のフローチャートである。図4は,加熱調理器本体の各センサと制御手段の関係を示す模式図である。
本実施例の加熱調理器は,マイクロ波を利用して食品を加熱するレンジ加熱機能を備え,食品が回転する載置台を備えていない,ターンテーブルレス式電子レンジ(以下電子レンジ)である。
[全体構成]
まず,電子レンジ(加熱調理器)の本体1の構造について説明する。図1及び図2に示すように,電子レンジの本体1は,前方が開口したオーブン庫2と,オーブン庫2の開口に開閉可能なドア11と,オーブン庫2の下方に機械室3とを備えている。ドア11は上方から前方に回動することで開閉が可能である。また,オーブン庫2及び機械室3をキャビネット10で覆うことで電子レンジの本体1が構成されている。
まず,電子レンジ(加熱調理器)の本体1の構造について説明する。図1及び図2に示すように,電子レンジの本体1は,前方が開口したオーブン庫2と,オーブン庫2の開口に開閉可能なドア11と,オーブン庫2の下方に機械室3とを備えている。ドア11は上方から前方に回動することで開閉が可能である。また,オーブン庫2及び機械室3をキャビネット10で覆うことで電子レンジの本体1が構成されている。
オーブン庫2の底面には食品などの負荷を配置するテーブルプレート22が配置されている。テーブルプレート22の下方には,回転アンテナ6が配置され,回転アンテナ6はアンテナモータ60により回転駆動が可能である。また,機械室3ではマイクロ波発振器であるマグネトロン4がマイクロ波の伝送路である導波管5に,導波管5がオーブン庫2にそれぞれ接続されており,マグネトロン4において発生したマイクロ波は,導波管5を介して回転アンテナ6からオーブン庫2の方向に照射される。
テーブルプレート22はセラミックやガラスなどのマイクロ波の吸収量が小さくかつマイクロ波が透過しやすい材料で構成されている。テーブルプレート22上に載置した食品などの被加熱物は,回転アンテナ6から照射されてテーブルプレート22を透過したマイクロ波,及びオーブン庫2の壁面で反射されたマイクロ波によって加熱される。
食品の状態を検知する食品情報検出手段32として,オーブン庫2の上面奥に赤外線センサ7を,オーブン庫2の側面に食品の形状を検知できる形状検知センサ8を,またテーブルプレート22の下方に重量センサ9を備えている。また機械室3には各センサの検知結果を処理してマグネトロン4の出力,発振時間や回転アンテナ6の回転角度を制御する加熱制御手段30,加熱制御手段30によって設定した加熱シーケンスや食品情報検出手段32より検知した食品情報データを保存するデータ保存手段31を備えている。
ここで,加熱シーケンスとはマグネトロン4のマイクロ波エネルギーの出力,発振時間,マイクロ波分布制御手段の動作から構成されている。また,マイクロ波分布制御手段として,本実施例では回転アンテナ6とアンテナモータ60を備えており,アンテナモータ60の駆動を制御することで,回転アンテナ6の回転角度の時間変化を制御可能である。
食品を加熱調理する際には,まず,テーブルプレート22の上に食品を載置してドア11を閉じ,操作パネル(図示せず)上で加熱調理を指示する。設定した加熱方法に応じて加熱制御手段30がマグネトロン4と回転アンテナ6を制御し,マイクロ波発生器であるマグネトロン4で出力されたマイクロ波を,伝送路である導波管5を介して回転アンテナ6に伝送する。
回転アンテナ6に伝送されたマイクロ波はテーブルプレート22を通過してオーブン庫2内に放射され,テーブルプレート22上に載置された食品に吸収され,内部で熱エネルギーに変換されることで食品の温度が上昇する。
ここで,自動的に食品を加熱する加熱調理方法(オート調理)を指示した場合には,加熱中に赤外線センサ7を用いて食品の表面温度分布を検知,形状検知センサ8を用いて食品の形状を検知,重量センサ9を用いて食品の重量を検知し,その結果得られた食品情報データをもとに加熱制御手段30により加熱シーケンスを調整し,食品情報データに応じてマグネトロン4の出力や加熱時間,回転アンテナ6の回転速度の時間変化について,食品にあわせて適切に制御することが可能である。
本実施例ではマイクロ波分布制御手段として回転アンテナ6とアンテナモータ60を備えているため,アンテナモータ60を駆動し回転アンテナ6を回転させることで,オーブン庫2内部のマイクロ波分布,定在波分布を変動させることができる。つまり,回転アンテナ6を制御することで,オーブン庫2内部の任意の位置でのマイクロ波強度を調整し,食品の温度分布を変更することが可能である。
また,本実施例での形状検知センサ8は,例えば,カメラ等の画像から食品の形状を認識するセンサであり,本実施例の加熱調理器では食品の形状を検出することが可能である。形状検知センサ8はそれ単体,あるいは他のセンサと組み合わせて食品の形状を検出できれば良く,センサの種類は限定されない。例えば形状検知センサ8を多点計測可能な距離センサとして,センサから食品の距離を検出することで食品の形状を検知しても良い。また,形状検知センサ8を温度検知センサとして,赤外線センサ7と組み合わせて2方向から食品の温度を検出することで食品の形状を検知しても良い。また,形状検知センサ8を光センサとして,光の遮断の有無から食品の高さを検出しても良い。
[フローチャート説明]
本発明では,データ保存手段31を備え,加熱制御手段30によって設定した加熱シーケンスと食品情報検出手段32により測定した加熱調理後の食品情報データをデータ保存手段31に保存することを特徴とする。データ保存手段32を用いたフローチャートについて,図3と図4を用いて説明する。
本発明では,データ保存手段31を備え,加熱制御手段30によって設定した加熱シーケンスと食品情報検出手段32により測定した加熱調理後の食品情報データをデータ保存手段31に保存することを特徴とする。データ保存手段32を用いたフローチャートについて,図3と図4を用いて説明する。
オーブン庫2内のテーブルプレート上に食品を載置して加熱調理の開始を指示すると,重量センサ9により食品の重量を,赤外線センサ7により食品の温度分布を,形状検知センサ8により食品の形状を計測する。食品の重量,温度,形状から大まかな食品種類を判別できる。例えば,冷凍ピザの場合は底面積が広く高さが低い冷凍食品として認識可能であるし,カップに入れた牛乳等は底面積が小さく高さが高い冷蔵食品として認識可能である。また形状により容器の種類や重量を推定できることから,重量計測によりそれぞれの食品の分量も推定できる。
データ保存手段31には予め特定の食品に対して加熱シーケンスが記録されている。ここで,加熱シーケンスとは,マグネトロン4のマイクロ波エネルギー出力,発振時間,回転アンテナの回転角度の時間変化などを含めた加熱調理時の制御方法を表すものである。
食品情報検出手段32の検知結果である食品情報データを加熱制御手段30で処理して食品種類や分量を判定することで,データ保存手段31に記録されている加熱シーケンスの中から食品に適した加熱シーケンスを選択し,それに即した加熱制御を行う。つまり,冷凍ピザであれば冷凍ピザに適した加熱シーケンスで,また牛乳であれば牛乳に適した加熱シーケンスで加熱調理を行う。
加熱終了後,食品情報検出手段32により再度食品の重量と温度分布を計測してデータ保存手段31に記録する。ここで,加熱調理の結果,冷たい部分が残り加熱ムラが大きい(調理結果NG)と判断した場合には,データ保存手段31に記録されている加熱シーケンスでは加熱ムラが生じるということがわかるため,加熱制御手段30は食品の加熱ムラを緩和するように加熱シーケンスを変更,更新する。
具体的には,加熱終了時の温度分布を加熱制御手段30により解析し,加熱終了時に温度が高い部分でのマイクロ波強度が低く,温度が低い部分でのマイクロ波強度が高くなるように,回転アンテナ6の回転速度や回転角度を制御する制御方法を導出し,その制御方法を含む加熱シーケンスをデータ保存手段31に記録する。そして,データ保存手段31に記録された温度分布,及び加熱シーケンスに基づいて追加加熱を行うことで,その場で加熱ムラを低減することが可能である。
また,食品情報データと加熱シーケンスをデータ保存手段31に保存,蓄積して加熱制御手段30により分析することで,より食品に適した加熱シーケンスを設定することが可能となるため,同じ食品の2回目以降の加熱では,前回までに更新された加熱シーケンスに基づいて加熱調理を行うため,追加加熱を行うことなく加熱ムラの低減が可能である。
一方,加熱が終了した後に使用者が追加操作を行った場合,加熱制御手段30は追加操作の情報に従って,データ保存手段31内の加熱シーケンスを更新する。例えば加熱終了後に更に追加加熱を行った場合には,本体で判断した加熱終了温度が使用者の好ましいと思う加熱終了温度よりも低かったために追加加熱が行われたと判断し,加熱終了温度がより高めになるように加熱シーケンスを更新する。
また,加熱調理設定時に「弱め」の仕上がりを選ぶことが多い家庭では過加熱であると感じていると判断して,加熱終了温度がより低めになるように加熱シーケンスを更新する。もしくは,操作パネル(図示せず)に調理結果の評価ボタンを設け,使用者に好みの調理温度を入力させても良い。このように,使用者の操作状況をフィードバックすることで使用者の好みに応じた仕上がりに加熱調理を調整することが可能である。
つまり,食品情報検出手段32である赤外線センサ7や形状検知センサ8重量センサ9から得られた食品情報データを加熱制御手段30によって処理した結果に則り,加熱制御手段30はデータ保存手段31に保存された前回までのデータを使用して加熱シーケンスを設定し,マグネトロン4及びアンテナモータ60を制御して加熱調理を行う。
また,その加熱調理の結果によっては,加熱制御手段30はデータ保存手段31に保存された加熱シーケンスを変更・更新する。このように,食品情報検出手段32により得られた食品情報データと加熱シーケンスをデータ保存手段31に保存し,加熱制御手段30により解析して加熱シーケンスを設定することにより,加熱を行う度に該当食品に対する加熱性能が向上するように,かつ使用者の好みに合うように学習を繰り返す。そのため,どのような食品の種類,形状に対しても加熱ムラや加熱の過不足のない性能の高い加熱調理を実現できる。
[センサ構成]
本実施例では,赤外線センサ7は複数の受光素子を備え,受光素子の列と平行な回転軸を中心に回転させることで,広い領域の温度を複数個所で検知することが可能である。また本実施例では,形状検知センサ8は複数の受講素子を備えており,テーブルプレート22上の広い領域の画像により食品の形状を検知することができる。また本実施例では,テーブルプレート22の下に重量センサ9を3点設けていることから,テーブルプレート22上の食品の重心位置を検知することができる。
本実施例では,赤外線センサ7は複数の受光素子を備え,受光素子の列と平行な回転軸を中心に回転させることで,広い領域の温度を複数個所で検知することが可能である。また本実施例では,形状検知センサ8は複数の受講素子を備えており,テーブルプレート22上の広い領域の画像により食品の形状を検知することができる。また本実施例では,テーブルプレート22の下に重量センサ9を3点設けていることから,テーブルプレート22上の食品の重心位置を検知することができる。
本実施例では,赤外線センサ7をオーブン庫2の上方に,形状検知センサ8をオーブン庫2の側面上方に設置しているため,テーブルプレート22上のどこに配置した食品でも,食品の表面温度を検出することが可能である。テーブルプレート22上に配置された食品から放射される赤外線を受光できる位置であれば赤外線センサ7の位置はどこでも良く,食品の形状が検知できる位置であれば形状検知センサ8の位置もどこでも良い。また赤外線センサ7や形状検知センサ8の受光素子の数や配置位置,種類は問わない。食品の複数個所の表面温度を検知できる温度検知手段であれば,赤外線センサ以外の検出手段でも良い。但し,受光素子の数や赤外線センサ7の配置位置によっては,食品の形状を検出する精度が異なることがある。
[配置,その他構成]
ここで,加熱制御手段30は演算機能を備えたCPU内部に構成されており,他の制御手段と同じ素子上に構成されていても良い。またデータ保存手段31は追記,更新可能なメモリであり,RAMやSSDのような半導体素子でも良いし,HDDのような磁気記憶媒体や,光学記憶媒体でも良い。
ここで,加熱制御手段30は演算機能を備えたCPU内部に構成されており,他の制御手段と同じ素子上に構成されていても良い。またデータ保存手段31は追記,更新可能なメモリであり,RAMやSSDのような半導体素子でも良いし,HDDのような磁気記憶媒体や,光学記憶媒体でも良い。
本実施例では,マイクロ波発振器としてマグネトロン4を用いた構造を示したが,マイクロ波発振器はマイクロ波を発振できる装置であれば何でも良く,例えばマイクロ波を発振できる半導体素子でも良い。
また,本実施例では,ターンテーブルレス式単機能電子レンジを対象としたが,本発明は,ヒータによるオーブン加熱機能を備えたオーブンレンジやでも,スチーム発生機能を備えたスチームオーブンレンジでも,レンジ加熱使用時に適用可能である。
また,本実施例では,マグネトロン4や導波管5,回転アンテナ6などをオーブン庫2の下方に備えた下方給電構造を示したが,オーブン庫2の側面からマイクロ波を供給する側方給電や,上面から供給する上面給電など,どのような構造でも構成可能である。
以上の構成の本発明による加熱調理器を使用することで,どのような形状の食品でもムラを抑制して使用者の意向に沿った性能の高い加熱調理が可能となる。
本発明の実施例2の構造について,図5から図7を用いて説明する。図5は,本発明の実施例2の加熱調理器本体を前面上方側から見た分解斜視図である。図6は,加熱調理器本体を前面側から見た模式図である。図7は,加熱調理器本体の各センサと制御手段の関係を示す模式図である。本実施例の加熱調理器は,形状検知センサ8以外は実施例1に記載の構造と同一であり,実施例1と同一の構造に関しては説明を省略する。
実施例2は,形状検知センサ8を備えておらず,赤外線センサ7と重量センサ9で食品の形状を検知する構造である点に置いて,実施例1と異なる。
赤外線センサ7はオーブン庫2の天面に設置されており,広い領域の温度を複数個所で検知することができることから,食品の表面温度とテーブルプレート22の表面温度が異なる場合に,食品の境界を認識して形状を検出することが可能である。また,重量センサ9により食品の重心位置を検知することができるため,その食品位置を利用して赤外線センサ7により食品の境界を認識することで,食品の底面積及び高さ,食品の載置数を検出することが可能である。
本実施例では以上のように,赤外線センサ7から食品の表面温度分布及び食品の形状を検出し,その形状に応じた加熱シーケンスを更新することにより,様々な形状の食品に対して,適切な加熱調理が可能となる。
本発明の実施例3の構造について,図8を用いて説明する。図8は,実施例3の加熱調理器本体を前面側から見た模式図である。
本実施例の加熱調理器は,食品が回転する回転テーブル61を備えている,ターンテーブル式電子レンジである。本実施例の加熱調理器は,回転テーブル61とテーブルモータ610,重量センサ9以外は実施例1に記載の構造と同一であり,実施例1と同一の構造に関しては説明を省略する。
本実施例では,マイクロ波制御手段としてオーブン庫2の底面に回転可能な回転テーブル61を備え,その上に円形のテーブルプレート22を備えた構成である。回転テーブル61の下方にテーブルモータ610と重量センサ9を備えていることから,テーブルプレート22上に載置された食品の重量を検出し,回転テーブル61とテーブルプレート22及び載置した食品を回転させることができる。
食品を回転させることにより,オーブン庫2内の定在波分布に対する食品の位置,角度が移動するため,食品に対するマイクロ波分布を変えることができる。ここで,加熱制御手段30によりテーブルモータ610を制御することにより,回転テーブル61を任意の角度で回転,固定など回転角度の時間変化を任意に制御できることから,実施例1における回転アンテナ6の制御と同様に,本実施例では回転テーブル61を回転制御することによって,食品の任意の位置を加熱することができるため,加熱ムラを抑制できる。
本実施例では以上のように,回転テーブル61をマイクロ波制御手段として備えており,食品情報検出手段32で検出した食品情報データに応じて回転テーブル61の回転角度の時間変化を制御することにより,加熱ムラを抑制した適切な加熱調理が可能となる。
本発明の実施例4の構造について,図9を用いて説明する。図9は,実施例4の加熱調理器本体を前面側から見た模式図である。本実施例の加熱調理器は,固定アンテナ62及び半導体発振器具40以外は実施例1に記載の構造と同一であり,実施例1と同一の構造に関しては説明を省略する。
本実施例では,オーブン庫2の底面に設置されたテーブルプレート22の下方に,2つの固定アンテナ62を備えた構成である。固定アンテナ62はそれぞれ導波管5を介して半導体発振器40と接続されている。半導体発振器40はマグネトロン4と同様のマイクロ波発振器であり,半導体発振器40で発振したマイクロ波は導波管5を通って固定アンテナ62からオーブン庫2に照射される。
ここで,固定アンテナ62は固定されており移動・回転しないものの,半導体発振器40では発振するマイクロ波の位相と周波数を制御可能であるため,複数の固定アンテナ62から放射されるマイクロ波の位相・周波数を制御することにより,オーブン庫2内の定在波分布を変動させることができる。
よって,加熱制御手段30によりオーブン庫2内のマイクロ波分布を制御できることから,食品の任意の位置を加熱することができる。よって,他の実施例において回転アンテナや回転テーブルを備えた場合と同様に,オーブン庫2内の定在波分布を制御することで,食品の加熱ムラを制御・抑制できる。
本発明の実施例5の構造について,図10及び図11を用いて説明する。図10は,本発明の実施例5の加熱調理器の加熱調理システムの構成を示す模式図である。図11は,図10に示す加熱調理器を複数台用いた加熱調理システムの模式図である。本実施例の加熱調理器は,通信手段33以外は実施例1に記載の構造と同一であり,実施例1と同一の構造に関しては説明を省略する。
本実施例の加熱調理器は,本体1の内部に通信手段33を備え,本体外部のホストコンピュータ100にデータ保存手段132と加熱制御手段130を設けた構造である。本体1内部の食品情報検出手段32により取得した食品情報データを通信手段33を介してホストコンピュータ100の通信手段133に送信し,その食品情報データとデータ保存手段132に保存されたデータをもとにしてホストコンピュータ100内部の加熱制御手段130が加熱シーケンスを設定し,ホストコンピュータ100から送信された加熱シーケンスに基づいて本体内部の加熱制御手段30がマグネトロン4やアンテナモータ60を制御する構成である。
データ保存手段132を本体外部のホストコンピュータ100に設けることで,データ保存手段132として本体内部よりも大容量の保存手段を確保できるため,多種多様の食品形状とそれに対応した加熱シーケンスを記録できる。また,ホストコンピュータ100に設けた加熱制御手段130により加熱シーケンスの更新を行うことにより,本体1の加熱制御手段30の計算負荷を軽くし,本体内部よりも計算能力の高いCPUを用いて加熱調理結果を解析することにより,加熱性能を向上する加熱シーケンスが導出しやすい。また,ホストコンピュータ100にデータ保存手段132と加熱制御手段131を設けることで,本体の価格を抑制して実施例1と同様の効果が得られる構成を構築できる。
また図11に示すように,ホストコンピュータ100は複数の本体と通信が可能であることから,ホストコンピュータ100に設けたデータ保存手段132には複数の本体1の食品情報検出手段32から収集した食品情報データを記録することが可能である。よって,1台の本体のみでデータ収集を行うのに比べて,より多くのデータを収集し易く,またより多くのデータを元に加熱シーケンスの更新を行うことができることから,更に早く性能の高い加熱調理が可能になる。
また,どのような食品に対してどのような加熱調理が行われているかをホストコンピュータ100内部に蓄積できることから,そのデータベースを利用して性能を重視すべき食品とその開発方針を得ることにより,今後更に加熱性能を高めた製品を開発できる。
ここで,ホストコンピュータ100は家庭内の別のコンピュータでも良いが,サーバやクラウド等を利用してネットワーク上に構成されていても良く,内部に加熱制御手段130とデータ保存手段132のどちらか片方もしくは両方を備えていれば形態は問わない。また,情報制御手段131とデータ保存手段132はコンピュータではなく本体外部の別の機器に内蔵されていても良い。
以上のように,本体内部に通信手段33を設け,本体外部に通信手段33と通信可能な通信手段132と加熱制御手段130とデータ保存手段132を設けることで,更に高精度で加熱性能を向上することが可能である。
1・・・本体,10・・・キャビネット,11・・・ドア,1A・・・本体A,1B・・・本体B,1C・・・本体C,2・・・オーブン庫,22・・・テーブルプレート,23・・・仕切り板,3・・・機械室,30・・・加熱制御手段,31・・・データ保存手段,32・・・食品情報検出手段,33・・・通信手段,4・・・マグネトロン,40・・・半導体発振器,5・・・導波管,6・・・回転アンテナ,60・・・アンテナモータ,61・・・回転テーブル,610・・・テーブルモータ,62・・・固定アンテナ,7・・・赤外線センサ,8・・・形状検知センサ,9・・・重量センサ,100・・・ホストコンピュータ,130・・・加熱制御手段,131・・・データ保存手段,133・・・通信手段
Claims (7)
- 被加熱物を収納するオーブン庫と,
前記オーブン庫に供給するマイクロ波を発生するマイクロ波発振器と,
前記マイクロ波発振器から前記オーブン庫に照射させたマイクロ波エネルギーの庫内電界強度分布を変化させるマイクロ波分布制御手段と,
被加熱物の温度分布を検知する温度分布検知手段を備える食品情報検出手段と,
前記食品情報検出手段で検出した食品情報データをもとに,前記マイクロ波エネルギーの出力,発振時間,及びマイクロ波分布制御手段の動作から成る加熱シーケンスを設定する加熱制御手段と,を備え,
前記食品情報データと前記加熱シーケンスを,使用毎に記録するデータ保存手段を有することを特徴とする加熱調理器。 - 前記データ保存手段に蓄積される前記食品情報データと前記加熱シーケンスの関係を解析し,新たに検出した食品情報データをもとに,前記加熱シーケンスを更新して加熱調理することを特徴とする,請求項1に記載の加熱調理器。
- 前記マイクロ波分布制御手段が,前記オーブン庫の外方にマイクロ波加熱されにくい部材を挟んで配置され,前記オーブン庫内にマイクロ波を照射可能な回転アンテナと,前記回転アンテナの回転角度の時間変化を任意に制御できるモータで構成したことを特徴とする,請求項1又は2に記載の加熱調理器。
- 前記マイクロ波分布制御手段が,前記オーブン庫の略中央底面に配置した回転テーブルと,前記回転テーブルの回転角度の時間変化を任意に制御できるモータで構成したことを特徴とする,請求項1又は2に記載の加熱調理器。
- 前記データ保存手段を加熱調理器の外部に備え,前記データ保存手段と加熱調理器の間でデータの送受信を行う通信手段を双方に備えたことを特徴とする,請求項1乃至4のいずれか1項に記載の加熱調理器。
- 前記加熱制御手段を加熱調理器の外部に備え,前記加熱制御手段と加熱調理器の間でデータの送受信を行う通信手段を双方に備えたことを特徴とする,請求項1乃至5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
- 前記データ保存手段は複数の加熱調理器と前記食品情報データと前記加熱シーケンスを共有でき,複数の加熱調理器と接続可能であることを特徴とする,請求項5又は6に記載の加熱調理器。
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