JP2019070340A - 内燃機関の吸気ダクト及び内燃機関の吸気ダクトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通気抵抗を抑制することのできる内燃機関の吸気ダクトを提供すること。【解決手段】内燃機関の吸気ダクトは、筒状のダクト本体10を有している。ダクト本体10は、帯状の第1繊維成形体11aが螺旋状に捲回されてなり、ダクト本体10の内周面をなす通気性の内層11と、帯状の第2繊維成形体12aが螺旋状に捲回されてなり、内層11の外周面に固定されるとともにダクト本体10の外周面をなす通気性の外層12とを備えている。第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面11bと他方の幅方向の端面11cとが接合されている。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の吸気ダクト及び内燃機関の吸気ダクトの製造方法に関する。
従来、車載内燃機関の吸気ダクトの管壁を不織布などの繊維成形体により形成したものが知られている(例えば特許文献1参照)。
こうした吸気ダクトでは、吸気音が管壁を通過する際に吸収される。すなわち、吸気音によって管壁を構成する繊維が振動するとともにその振動のエネルギが繊維同士の摩擦熱に変換されて消費される。これにより、吸気ダクト内において吸気音の定在波が発生することを抑制でき、吸気ダクトの入口からの吸気騒音を低減することができる。
こうした吸気ダクトでは、吸気音が管壁を通過する際に吸収される。すなわち、吸気音によって管壁を構成する繊維が振動するとともにその振動のエネルギが繊維同士の摩擦熱に変換されて消費される。これにより、吸気ダクト内において吸気音の定在波が発生することを抑制でき、吸気ダクトの入口からの吸気騒音を低減することができる。
特許文献1に記載の吸気ダクトは、不織布からなる帯体を螺旋状に捲回することにより形成されている。同文献1では、帯体の互いに隣り合う部分同士が径方向において重合されている。
ところで、特許文献1に記載の吸気ダクトの場合、帯体の互いに隣り合う部分同士が径方向において重合しているため、吸気ダクトの内周面に段差が生じることとなる。そのため、当該段差によって通気抵抗が増大するという問題がある。
本発明の目的は、通気抵抗を抑制することのできる内燃機関の吸気ダクト及び内燃機関の吸気ダクトの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための内燃機関の吸気ダクトは、筒状のダクト本体を有する。前記ダクト本体は、帯状の第1繊維成形体が螺旋状に捲回されて前記ダクト本体の内周面をなす通気性の内層と、前記内層の外周面に固定された第2繊維成形体からなる通気性の外層と、を備え、前記第1繊維成形体の互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面と他方の幅方向の端面とが当接されている。
同構成によれば、ダクト本体の内周面のうち第1繊維成形体の互いに隣り合う部分の段差が小さくなる、または段差がなくなる。このため、ダクト本体の内周面を滑らかにすることができる。
また、上記構成によれば、内層の外周面には第2繊維成形体からなる通気性の外層が固定されているため、ダクト本体の管壁の通気性を確保しつつ、内層を構成する第1繊維成形体の互いに隣り合う部分同士を固定することができる。これにより、通気性の管壁を通じて吸気音の音圧を低減することができる。
また、上記目的を達成するための内燃機関の吸気ダクトの製造方法は、筒状のダクト本体を有する内燃機関の吸気ダクトを製造するものであって、軸型の外周面に対して帯状の第1繊維体を螺旋状に捲回するとともに、捲回された前記第1繊維体の外周面に対して帯状の第2繊維体を螺旋状に捲回する捲回工程と、前記第1繊維体及び前記第2繊維体を加熱及び圧縮して成形する成形工程と、を備え、前記捲回工程では、前記第1繊維体の互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面と他方の幅方向の端面とを当接させ、前記成形工程では、前記第1繊維体の互いに隣り合う部分同士を融着させて固定することで通気性の内層を形成し、前記第2繊維体の互いに隣り合う部分同士を融着させて固定することで通気性の外層を形成し、前記第1繊維体と前記第2繊維体とを融着させて固定する。
同方法によれば、上記構成の吸気ダクトを製造することができる。特に、捲回工程において第1繊維体及び第2繊維体を同時に捲回するため、例えば第1繊維体を捲回し、加熱及び圧縮して成形することにより内層を形成した後に第2繊維体を捲回し、加熱及び圧縮して成形することにより外層を形成する場合に比べて、ダクト本体の製造に要する時間を短縮できる。
本発明によれば、通気抵抗を抑制することができる。
<第1実施形態>
以下、図1〜図3を参照して、第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるダクト本体10は、円筒状をなし、ダクト本体10の内周面をなす通気性の内層11と、円筒状をなし、内層11の外周面に固定されてダクト本体10の外周面をなす通気性の外層12とを備えている。
以下、図1〜図3を参照して、第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるダクト本体10は、円筒状をなし、ダクト本体10の内周面をなす通気性の内層11と、円筒状をなし、内層11の外周面に固定されてダクト本体10の外周面をなす通気性の外層12とを備えている。
内層11は、一定の幅を有する帯状の第1繊維成形体11aがダクト本体10の中心軸線を中心に螺旋状に捲回された構造を有している。第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面11bと他方の幅方向の端面11cとが接合されており、ダクト本体10の内周面のうち第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分が面一とされている。
外層12は、一定の幅を有する帯状の第2繊維成形体12aがダクト本体10の中心軸線を中心に螺旋状に捲回された構造を有している。第2繊維成形体12aの隣り合う部分の一部がダクト本体10の径方向に重合されている。第2繊維成形体12aのうち重合されている部分Rは、重合されていない部分Sよりも大きく圧縮されている。
本実施形態では、第2繊維成形体12aの幅W2が、第1繊維成形体11aの幅W1よりも大きくされている(W2>W1)。
第1繊維成形体11a及び第2繊維成形体12aの素材である第1繊維体11A及び第2繊維体12Aには共に、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)からなる芯部と、同PETよりも融点の低い変性PETからなる鞘部(いずれも図示略)とを有する周知の芯鞘型の複合繊維からなる不織布と、PET繊維からなる不織布とにより構成されている。第1繊維成形体11a及び第2繊維成形体12aにおいては、上記複合繊維の鞘部をなす変性PETが繊維同士を結合するバインダとして機能する。
第1繊維成形体11a及び第2繊維成形体12aの素材である第1繊維体11A及び第2繊維体12Aには共に、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)からなる芯部と、同PETよりも融点の低い変性PETからなる鞘部(いずれも図示略)とを有する周知の芯鞘型の複合繊維からなる不織布と、PET繊維からなる不織布とにより構成されている。第1繊維成形体11a及び第2繊維成形体12aにおいては、上記複合繊維の鞘部をなす変性PETが繊維同士を結合するバインダとして機能する。
変性PETの配合割合は、30〜70%であることが好ましい。本実施形態では、変性PETの配合割合が50%とされている。
なお、こうした複合繊維としては他に、PETからなる芯部と、同PETよりも融点の低いPP(ポリプロピレン)からなる鞘部(いずれも図示略)とを有するものであってもよい。
なお、こうした複合繊維としては他に、PETからなる芯部と、同PETよりも融点の低いPP(ポリプロピレン)からなる鞘部(いずれも図示略)とを有するものであってもよい。
第1繊維体11A及び第2繊維体12Aの目付け量は共に、250g/m2〜750g/m2であることが好ましい。本実施形態では、第1繊維体11A及び第2繊維体12Aの目付け量が共に400g/m2とされている。
次に、本実施形態の吸気ダクトのダクト本体10を製造する装置及び同装置を用いた製造方法について説明する。
図2及び図3に示すように、ダクト本体10を製造する装置は、互いに間隔をおいて同一軸線上に配置されるとともに、いずれも同一方向に回転駆動される円柱状の第1の軸型15及び第2の軸型16を備えている。
図2及び図3に示すように、ダクト本体10を製造する装置は、互いに間隔をおいて同一軸線上に配置されるとともに、いずれも同一方向に回転駆動される円柱状の第1の軸型15及び第2の軸型16を備えている。
第1の軸型15の外径はT1とされている。第1の軸型15の内部には、ヒータ(図示略)が設けられている。
第1の軸型15の外周には、各軸型15,16とは反対方向に回転駆動される複数の加熱ローラ17が配置されている。
第1の軸型15の外周には、各軸型15,16とは反対方向に回転駆動される複数の加熱ローラ17が配置されている。
一方、第2の軸型16の外径は、上記T1よりも小さいT2とされている(T2<T1)。なお、第2の軸型16には、ヒータが設けられていない。
第2の軸型16の外周には、各軸型15,16とは反対方向に回転駆動される複数の冷却ローラ18が配置されている。
第2の軸型16の外周には、各軸型15,16とは反対方向に回転駆動される複数の冷却ローラ18が配置されている。
ダクト本体10を製造する際には、まず、図2に示すように、第1の軸型15の外周面と各加熱ローラ17との間に帯状の第1繊維体11Aを挟み込むとともに第1の軸型15と各加熱ローラ17とを互いに反対方向に回転駆動する。このとき、各加熱ローラ17の回転速度は、第1の軸型15の回転速度よりも速くされている。これにより、第1の軸型15の外周面に対して第1繊維体11Aが螺旋状に捲回されながら同図の右側に向けて送り出される。このとき、第1繊維体11Aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面11bと他方の幅方向の端面11cとを当接させる。
またこのとき、捲回された第1繊維体11Aの外周面と各加熱ローラ17との間に第2繊維体12Aを挟み込むことにより、第1繊維体11Aの外周面に対して帯状の第2繊維体12Aが螺旋状に捲回されながら同図の右側に向けて送り出される。このとき、第2繊維体12Aの互いに隣り合う部分の一部を径方向において重合させる(以上、捲回工程)。
ここで、第1の軸型15に対する第2繊維体12Aの捲回角度R2は、第1の軸型15に対する第1繊維体11Aの捲回角度R1よりも小さくされている(R2<R1)。
第1の軸型15に捲回された各繊維体11A,12Aは、各加熱ローラ17により加熱及び圧縮される。これにより、各繊維成形体11a,12aに含まれる変性PETが溶融され、同変性PETを介して繊維同士が結合される。
第1の軸型15に捲回された各繊維体11A,12Aは、各加熱ローラ17により加熱及び圧縮される。これにより、各繊維成形体11a,12aに含まれる変性PETが溶融され、同変性PETを介して繊維同士が結合される。
このとき、第1繊維体11Aの互いに隣り合う部分(端面11b,11c)同士が融着される。また、第2繊維体12Aの互いに隣り合う部分における重合された部分Rが融着される。また、第1繊維体11Aと第2繊維体12Aとが融着される(以上、加熱圧縮工程)。
図3に示すように、各繊維体11A,12Aのうち各加熱ローラ17により加熱及び圧縮された部分は、第1の軸型15から第2の軸型16へ送り出され、各冷却ローラ18により冷却されるとともに圧縮される。
これにより、第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分(端面11b,11c)同士が固定されることで内層11が形成される。また、第2繊維成形体12aの互いに重合された部分Rが固定されることで外層12が形成される。また、第1繊維成形体11a(内層11)と第2繊維成形体12a(外層12)とが固定される(以上、冷却圧縮工程)。
本実施形態では、上記加熱圧縮工程及び冷却圧縮工程により、成形工程が構成されている。
その後、成形されたダクト本体10は、第2の軸型16より下流側に配置された図示しない切断装置によって切断される。
その後、成形されたダクト本体10は、第2の軸型16より下流側に配置された図示しない切断装置によって切断される。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の吸気ダクト及び内燃機関の吸気ダクトの製造方法によれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(1)ダクト本体10は、帯状の第1繊維成形体11aが螺旋状に捲回されてダクト本体10の内周面をなす通気性の内層11と、内層11の外周面に固定された第2繊維成形体12aからなる通気性の外層12とを備えている。第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面11bと他方の幅方向の端面11cとが接合されている。
(1)ダクト本体10は、帯状の第1繊維成形体11aが螺旋状に捲回されてダクト本体10の内周面をなす通気性の内層11と、内層11の外周面に固定された第2繊維成形体12aからなる通気性の外層12とを備えている。第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面11bと他方の幅方向の端面11cとが接合されている。
こうした構成によれば、第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分の段差が小さくなる、または段差がなくなるため、ダクト本体10の内周面を滑らかにすることができる。
また、内層11の外周面には第2繊維成形体12aからなる通気性の外層12が固定されているため、ダクト本体10の管壁の通気性を確保しつつ、内層11を構成する第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分同士を固定することができる。これにより、通気性の管壁を通じて吸気音の音圧を低減することができる。
また、内層11の外周面には第2繊維成形体12aからなる通気性の外層12が固定されているため、ダクト本体10の管壁の通気性を確保しつつ、内層11を構成する第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分同士を固定することができる。これにより、通気性の管壁を通じて吸気音の音圧を低減することができる。
(2)ダクト本体10の内周面のうち第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分が面一とされている。
こうした構成によれば、ダクト本体10の内周面のうち第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分の段差がなくなるため、通気抵抗をより一層低減することができる。
こうした構成によれば、ダクト本体10の内周面のうち第1繊維成形体11aの互いに隣り合う部分の段差がなくなるため、通気抵抗をより一層低減することができる。
(3)第2繊維成形体12aは帯状をなし、内層11の外周面に螺旋状に捲回されている。また、第2繊維成形体12aの隣り合う部分の一部がダクト本体10の径方向に重合されている。
こうした構成によれば、外層12を構成する第2繊維成形体12aのうち重合されている部分Rは、重合されていない部分Sよりも大きく圧縮されており、これによって通気度が小さくされている。
このため、上記重合されている部分Rにおいてはダクト本体10の管壁を通じた空気の吸い込みが抑制される。これにより、ダクト本体10の内壁面近傍に発生する境界層、すなわち空気の粘性が無視できない層の厚さの増大を抑制することができ、通気抵抗の低減を図ることができる。また、外層12における上記重合された部分Rの割合を適宜変更することにより、通気抵抗の制御を行うことができる。
(4)吸気ダクトの製造方法は、第1の軸型15の外周面に対して帯状の第1繊維体11Aを螺旋状に捲回するとともに、捲回された第1繊維体11Aの外周面に対して帯状の第2繊維体12Aを螺旋状に捲回する捲回工程と、第1繊維体11A及び第2繊維体12Aを加熱及び圧縮して成形する成形工程とを備えている。
捲回工程では、第1繊維体11Aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面11bと他方の幅方向の端面11cとを当接させるようにした。成形工程では、第1繊維体11Aの互いに隣り合う端面11b,11c同士を融着させて固定することで通気性の内層11を形成し、第2繊維体12Aの互いに隣り合う部分における重合された部分Rを融着させて固定することで通気性の外層12を形成し、第1繊維体11Aと第2繊維体12Aとを融着させて固定するようにした。
こうした方法によれば、本実施形態の捲回工程において第1繊維体11A及び第2繊維体12Aを同時に捲回するため、例えば第1繊維体11Aを捲回し、加熱及び圧縮して成形することにより内層11を形成した後に第2繊維体12Aを捲回し、加熱及び圧縮して成形することにより外層12を形成する場合に比べて、ダクト本体10の製造に要する時間を短縮できる。
<第2実施形態>
以下、図4を参照して、第2実施形態について第1実施形態との相違点を中心に説明する。
以下、図4を参照して、第2実施形態について第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図4に示すように、本実施形態のダクト本体10では、第2繊維成形体12aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面12bと他方の幅方向の端面12cとが接合されている。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の吸気ダクトによれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(5)第2繊維成形体12aは帯状をなし、内層11の外周面に螺旋状に捲回されている。第2繊維成形体12aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面12bと他方の幅方向の端面12cとが接合されている。
(5)第2繊維成形体12aは帯状をなし、内層11の外周面に螺旋状に捲回されている。第2繊維成形体12aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面12bと他方の幅方向の端面12cとが接合されている。
こうした構成によれば、外層12の内周面のうち第2繊維成形体12aの互いに隣り合う部分の段差が小さくなる、または段差がなくなる。このため、内層11と外層12の間に隙間が発生することを抑制でき、内層11に対して外層12をより確実に固定することができる。
また、内層11を構成する第1繊維成形体11a全体の圧縮度合及び外層12を構成する第2繊維成形体12a全体の圧縮度合がそれぞれ一定となるため、ダクト本体10の管壁全体の通気度を一定にすることができる。
<第3実施形態>
以下、図5及び図6を参照して、第3実施形態について第2実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態の構成と対応する構成については、第2実施形態の構成の符号「1*」に対して「10」を加算した符号「2*」を付すことにより、重複する説明を省略する。
以下、図5及び図6を参照して、第3実施形態について第2実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第2実施形態の構成と対応する構成については、第2実施形態の構成の符号「1*」に対して「10」を加算した符号「2*」を付すことにより、重複する説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態における吸気ダクトのダクト本体20では、内層21と外層22との間に、円筒状をなすとともに通気性の中間層23が設けられている。
中間層23は、一定の幅を有する帯状の第3繊維成形体23aがダクト本体20の中心軸線を中心に螺旋状に捲回された構造を有している。中間層23の内周面と内層21の外周面とが固定されるとともに、中間層23の外周面と外層22の内周面とが固定されている。第3繊維成形体23aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面23bと他方の幅方向の端面23cとが接合されている。
中間層23は、一定の幅を有する帯状の第3繊維成形体23aがダクト本体20の中心軸線を中心に螺旋状に捲回された構造を有している。中間層23の内周面と内層21の外周面とが固定されるとともに、中間層23の外周面と外層22の内周面とが固定されている。第3繊維成形体23aの互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面23bと他方の幅方向の端面23cとが接合されている。
本実施形態では、第3繊維成形体23aの幅W3が、第1繊維成形体21aの幅W1よりも大きく、且つ第2繊維成形体22aの幅W2よりも小さくされている(W1<W3<W2)。すなわち、各繊維成形体21a,22a,23aの幅W1,W2,W3は、外周側の繊維成形体ほど大きくされている。
第1繊維成形体21a及び第3繊維成形体23aの素材である第1繊維体21A及び第3繊維体23Aは、第1実施形態と同様な不織布により構成されている。
第1繊維体21A及び第3繊維体23Aの目付け量は共に、200g/m2〜800g/m2であることが好ましい。本実施形態では、第1繊維体21A及び第3繊維体23Aの目付け量が共に320g/m2とされている。また、各繊維体21A,23Aにおける変性PETの配合割合は、30〜70%であることが好ましい。本実施形態では、変性PETの配合割合が50%とされている。
第1繊維体21A及び第3繊維体23Aの目付け量は共に、200g/m2〜800g/m2であることが好ましい。本実施形態では、第1繊維体21A及び第3繊維体23Aの目付け量が共に320g/m2とされている。また、各繊維体21A,23Aにおける変性PETの配合割合は、30〜70%であることが好ましい。本実施形態では、変性PETの配合割合が50%とされている。
第2繊維成形体22aの素材である第2繊維体22Aは、PETからなる不織布により構成されている。第2繊維体22Aの目付け量は、30g/m2〜300g/m2であることが好ましい。本実施形態では、第2繊維体22Aの目付け量が70g/m2とされている。
図6に示すように、本実施形態の捲回工程においては、第1の軸型15に対する第3繊維体23Aの捲回角度R3は、第1の軸型15に対する第1繊維体21Aの捲回角度R1よりも小さく、且つ第1の軸型15に対する第2繊維体22Aの捲回角度R2よりも大きくされている(R2<R3<R1)。すなわち、第1の軸型15に対する各繊維体21A,22A,23Aの捲回角度は、外周側の繊維成形体ほど小さくされている。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の吸気ダクトによれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(6)ダクト本体20が3つの層(内層21、外層22、及び中間層23)により構成されている。
(6)ダクト本体20が3つの層(内層21、外層22、及び中間層23)により構成されている。
こうした構成によれば、各層21,22,23を構成する各繊維成形体21a,22a,23a(各繊維体21A,22A,23A)の1枚あたりの目付け量を小さくすることができる。一般に、繊維体を構成する不織布は、目付け量が大きくなるほど高価になる。このため、各繊維体21A,22A,23Aの目付け量を小さくすることにより製造コストを低減できる。
<第4実施形態>
以下、図7を参照して、第4実施形態について第3実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第3実施形態の構成と同一の構成については、第3実施形態と同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
以下、図7を参照して、第4実施形態について第3実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第3実施形態の構成と同一の構成については、第3実施形態と同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
図7に示すように、本実施形態の吸気ダクトのダクト本体30では、外層22の外周面全体に非通気性のフィルム34が固定されている。
フィルム34は、本発明に係るシート材として機能するものであり、例えばナイロンからなる本体層と、本体層の一方の面に設けられた接着層とにより構成されている。接着層は、PET及び変性PETよりも低い融点のポリエチレンからなり、外層22に対してフィルム34を接着するための接着剤として機能する。
フィルム34は、本発明に係るシート材として機能するものであり、例えばナイロンからなる本体層と、本体層の一方の面に設けられた接着層とにより構成されている。接着層は、PET及び変性PETよりも低い融点のポリエチレンからなり、外層22に対してフィルム34を接着するための接着剤として機能する。
フィルム34の目付け量は、15〜100g/m2であることが好ましい。本実施形態では、フィルム34の目付け量が45g/m2とされている。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の吸気ダクトによれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
以上説明した本実施形態に係る内燃機関の吸気ダクトによれば、以下に示す作用効果が得られるようになる。
(7)ダクト本体30の外層22の外周面に非通気性のフィルム34が設けられている。
こうした構成によれば、非通気性のフィルム34によりダクト本体30の管壁を介した水の浸入が阻止される。このため、内層21、外層22及び中間層23に対する撥水処理を省略することが可能となる。
こうした構成によれば、非通気性のフィルム34によりダクト本体30の管壁を介した水の浸入が阻止される。このため、内層21、外層22及び中間層23に対する撥水処理を省略することが可能となる。
また、上記構成によれば、ダクト本体30の管壁を通じて外部の空気が吸われることがない。このため、ダクト本体30の内周面近傍に形成される境界層の発達を抑制でき、吸気ダクト内を流れる吸気の主流の通気抵抗の増大を抑制できる。
(8)フィルム34の目付け量が100g/m2以下である。
こうした構成によれば、内層21、中間層23及び外層22を通過した吸気音がフィルム34を透過することとなり、非通気のフィルム34を設けることによって吸気音の透過が妨げられることがなくなる。したがって、通気性の内層21、中間層23、及び外層22を通じて吸気音の音圧を低減する効果を発揮することができる。
こうした構成によれば、内層21、中間層23及び外層22を通過した吸気音がフィルム34を透過することとなり、非通気のフィルム34を設けることによって吸気音の透過が妨げられることがなくなる。したがって、通気性の内層21、中間層23、及び外層22を通じて吸気音の音圧を低減する効果を発揮することができる。
(9)フィルム34の目付け量が15g/m2以上である。このため、フィルム34の強度が確保されることでフィルム34の破れを適切に回避できる。
<変形例>
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
<変形例>
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1実施形態において、第2繊維成形体12aの幅W2を第1繊維成形体11aの幅W1以下にしてもよい(W2≦W1)。
・第1実施形態において、第1の軸型15に対する第2繊維体12Aの捲回角度R2を、第1の軸型15に対する第1繊維体11Aの捲回角度R1以上にしてもよい(R2≧R1)。
・第1実施形態において、第1の軸型15に対する第2繊維体12Aの捲回角度R2を、第1の軸型15に対する第1繊維体11Aの捲回角度R1以上にしてもよい(R2≧R1)。
・第1実施形態及び第2実施形態において、内層11及び外層12の少なくとも一方に対して撥水処理を施してもよい。また、第3実施形態において、内層21、中間層23及び外層22の少なくとも一方に対して撥水処理を施してもよい。これらの場合、ダクト本体10,20の管壁を通じて雨水などがダクト本体10,20の内部に浸入することを抑制できる。
・外層12,22は、帯状の繊維体を螺旋捲回して構成するものに限らず、内層11,21の外周面を一捲きで覆うものであってもよい。
・加熱ローラ17及び冷却ローラ18が回転されるものであればよく、各軸型15,16は回転しないものであってもよい。
・加熱ローラ17及び冷却ローラ18が回転されるものであればよく、各軸型15,16は回転しないものであってもよい。
・第2の軸型16の外径T2を第1の軸型15の外径T1と同一にしてもよい。
10,20,30…ダクト本体、11,21…内層、11a,21a…第1繊維成形体、11b,11c,12b,12c,23b,23c…端面、12,22…外層、12a,22a…第2繊維成形体、11A,21A…第1繊維体、12A,22A…第2繊維体、15…第1の軸型、16…第2の軸型、17…加熱ローラ、18…冷却ローラ、23…中間層、23a…第3繊維成形体、23A…第3繊維体、34…フィルム(シート材)。
Claims (6)
- 筒状のダクト本体を有する内燃機関の吸気ダクトにおいて、
前記ダクト本体は、
帯状の第1繊維成形体が螺旋状に捲回されて前記ダクト本体の内周面をなす通気性の内層と、
前記内層の外周面に固定された第2繊維成形体からなる通気性の外層と、を備え、
前記第1繊維成形体の互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面と他方の幅方向の端面とが当接されている、
内燃機関の吸気ダクト。 - 前記ダクト本体の内周面のうち前記第1繊維成形体の互いに隣り合う部分が面一とされている、
請求項1に記載の内燃機関の吸気ダクト。 - 前記第2繊維成形体は帯状をなし、前記内層の外周面に螺旋状に捲回されており、
前記第2繊維成形体の互いに隣り合う部分の一部が前記ダクト本体の径方向に重合されている、
請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気ダクト。 - 前記第2繊維成形体は帯状をなし、前記内層の外周面に螺旋状に捲回されており、
前記第2繊維成形体の互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面と他方の幅方向の端面とが当接されている、
請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気ダクト。 - 前記外層の外周面には非通気性のシート材が固定されている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気ダクト。 - 筒状のダクト本体を有する内燃機関の吸気ダクトを製造する方法であって、
軸型の外周面に対して帯状の第1繊維体を螺旋状に捲回するとともに、捲回された前記第1繊維体の外周面に対して帯状の第2繊維体を螺旋状に捲回する捲回工程と、
前記第1繊維体及び前記第2繊維体を加熱及び圧縮して成形する成形工程と、を備え、
前記捲回工程では、前記第1繊維体の互いに隣り合う部分における一方の幅方向の端面と他方の幅方向の端面とを当接させ、
前記成形工程では、前記第1繊維体の互いに隣り合う部分同士を融着させて固定することで通気性の内層を形成し、前記第2繊維体の互いに隣り合う部分同士を融着させて固定することで通気性の外層を形成し、前記第1繊維体と前記第2繊維体とを融着させて固定する、
内燃機関の吸気ダクトの製造方法。
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JP2017196207A JP2019070340A (ja) | 2017-10-06 | 2017-10-06 | 内燃機関の吸気ダクト及び内燃機関の吸気ダクトの製造方法 |
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2017
- 2017-10-06 JP JP2017196207A patent/JP2019070340A/ja active Pending
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