以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明に係る情報配信システム1は、図1に示すように、ユーザ端末10と、建物11内に設けられたルータ12と、ルータ12と通信可能なサーバ13とを備えている。又、建物11内には、無線機器14が設けられている。
ユーザ端末10は、画面を表示する表示部(出力部)と、ユーザの操作により所定の指示の入力を受け付ける受付部(入力部)と、無線通信用の通信部と、データを記憶させる記憶部と、各部を制御する制御部とを備えている。ユーザ端末10の通信部は、ルータ12及び無線機器14のそれぞれと無線通信可能である。ユーザ端末10は、例えば、タッチパネル付きの携帯端末装置(スマートフォン)、タブレット型端末装置、携帯用のノートパソコン等である。
建物11は、ユーザ端末10のユーザが出入りし、内部を回遊することが出来るスペースを有し、例えば、商品を販売する店舗、スーパーマーケット、量販店等である。建物11は、その他に、美容院、病院、歯科院、クリニック、整骨院等であっても良い。
無線機器14は、ユーザ端末10と近距離無線通信可能な通信部を備えている。近距離無線通信とは、無線信号の電波を用いて数十cm〜百数十mの範囲内でデータの送信又は受信を行うことを意味する。ユーザ端末10は、無線機器14の電波の受信圏(受信範囲)に入ると、無線機器14と近距離無線通信する。無線機器14は、Wi−Fiセンサ、Beacon端末、又はこれらの組み合わせを含む。又、無線機器14は、建物11の広さに応じて、1台でも2台以上でも構わない。
ルータ12は、サーバ13が接続されたネットワーク15を中継する中継機器(アクセスポイント)である。ルータ12は、建物11の専用の第一のルータと、無線機器14とネットワーク15とを接続する第二のルータとに分割されても良いし、第一のルータと第二のルータとを兼ね備えた一台のルータでも構わない。
サーバ13は、一般的に使用されるコンピュータ等であり、無線及び有線通信用の通信部と、データを蓄積する記憶部と、各種処理する処理部(クッキーID割付部、端末ID取得部、クッキーID紐付部、閲覧履歴収集部、行動履歴収集部、属性決定部、情報配信部)とを備えている。サーバ13は、ルータ12を経由してユーザ端末10とデータの送受信をしたり、ルータ12を経由せずにネットワーク15からユーザ端末10とデータの送受信をしたりする。
ユーザ端末10と、ルータ12と、サーバ13と、無線機器14とは、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD、SSD等を内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD、SSD等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各部についても、CPUがプログラムを実行することで当該各部を実現する。
次に、図2、図3を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。建物11(例えば、店舗)には、図4Aに示すように、ルータ12と無線機器14とが予め設けられている。先ず、ユーザ端末10を所有するユーザが、店舗11に入ると、ユーザ端末10は、ルータ12からの電波を受信(検出)する。又、ユーザ端末10は、周辺に存在する無線通信装置(無線機器14を含む)からの電波も自動受信する。
ルータ12は、例えば、店舗11における無料又は有料のWi−Fiアクセスポイントとして機能し、ユーザ端末10は、ルータ12からの電波に応答することで、ルータ12を経由してネットワーク15に接続可能である。
ユーザは、ユーザ端末10を操作し、表示部に無線通信画面を表示させる。無線通信画面の構成に特に限定は無いが、例えば、無線通信画面400には、図4Bに示すように、無線通信の対象の選択を促すメッセージ401(「Wi−Fi Network Selection」)と、電波を受信したルータ12又は他の無線通信装置の識別情報402(「AP aaa」、「bbb」等)と、接続キー403(「Connect」)と、キャンセルキー404(「Cancel」)とが表示される。識別情報402は、例えば、アクセスポイント名やSSID(Service Set Identifier)である。
ここで、ユーザは、キャンセルキー404を選択すると、ユーザ端末10は、表示部に他の画面を表示し、無線通信接続しない(図3:S101NO)。一方、ユーザは、無線通信画面400を見ながら、店舗11のWi−Fiアクセスポイントを示すルータ12の識別情報402a(「AP aaa」)を選択し、接続キー403を選択すると、ユーザ端末10は、ルータ12の電波に応答し、ルータ12と無線通信接続を開始する(図3:S101YES)。
ルータ12は、ユーザ端末10と無線通信接続を開始すると、予め設定された特定のウェブサイト(初期ウェブサイト)にユーザ端末10を強制的にアクセスさせる。ユーザ端末10が、店舗11のルータ12を介して初期ウェブサイトにアクセスし、ユーザ端末10のブラウザ(ウェブブラウザ)で当該初期ウェブサイトを表示させる(図3:S102)。
初期ウェブサイトの画面の構成に特に限定は無い。例えば、初期ウェブサイト405には、図4Bに示すように、店舗11のWi−Fiアクセスポイントへの接続完了を示すメッセージ406(「Welcome aaa connection completed」)と、店舗11に関する情報407(「Store aaa Coupon」)とが表示される。店舗11に関する情報407は、広告表示部分に表示され、最初は(ユーザ属性が決定されていない場合は)、予め設定された標準的な情報となる。
ここで、初期ウェブサイト406には、サーバ13のトラッキングタグ(トラッキングコード)408が埋め込まれている。トラッキングタグ408が埋め込まれているウェブサイトをADウェブサイトとする。ユーザ端末10がブラウザで初期ウェブサイト406のトラッキングタグ408を表示させると、トラッキングタグ408は、先ず、ユーザ端末10でプログラム的に起動し、サーバ13と通信する。
トラッキングタグ408の起動により、サーバ13のクッキーID割付部201は、トラッキングタグ408を表示したユーザ端末10を認識し、当該ユーザ端末10のクッキーに、サーバ13が発行する特有のクッキーIDが存在するか否かを判定する(図3:S103)。
ここで、クッキーID割付部201がクッキーIDの存否を判定する方法に特に限定は無い。クッキーID割付部201は、例えば、ユーザ端末10のブラウザのクッキーに基づいて、サーバ13により発行されたクッキーIDがクッキー内に既に存在するか否かを判定する。クッキーIDは、サーバ13にアクセス(接触)した特定のユーザ端末10を識別するための特有の識別情報である。
ここで、ユーザ端末10がサーバ13に初めてアクセスした場合には、ユーザ端末10のブラウザのクッキー内にクッキーIDは存在しない。そのため、この場合は、クッキーID割付部201は、ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDが存在しないと判定し(図3:S103NO)、当該ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDを割り付ける(図3:S104)。
又、クッキーID割付部201がクッキーIDを割り付ける方法に特に限定は無い。例えば、クッキーID割付部201は、初めてアクセスしたユーザ端末10に対応して、特有のクッキーID(「c01」)を発行し、図5Aに示すように、ネットワーク15とルータ12とを経由して、当該クッキーID(「c01」)をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10のクッキーに保存(割付)する。発行されるクッキーIDは、唯一無二で、ユーザ端末10毎に異なる識別情報である。
更に、クッキーIDが保存されるユーザ端末10のブラウザのクッキーの形態に特に限定は無い。例えば、図5Bに示すように、クッキー500(又はクッキーファイル)が、クッキーIDの発行元501毎にドメイン502を形成している場合、ドメイン502内に、固有の識別情報を示すデバイスID503が保存される。発行元501は、ユーザ端末10のクッキーを送信する送信先のアドレスに対応する。このようなクッキーの形態では、クッキーID割付部201がクッキーID(「c01」)をユーザ端末10に送信すると、サーバ13の発行元502a(「adinte.jp」)に対して新たにドメイン502aが形成され、そのドメイン502a内に、発行されたクッキーID503a(「c01」)がデバイスID503として保存される。尚、発行元501が異なるクッキーID503は、発行元501相互で読み書き出来ないようになっている。
ここで、クッキー500の形態は、ブラウザの種類により適宜設計されるため、例えば、ドメイン502が存在しない場合もある。その場合であっても、図5Bに示すように、クッキー500において、クッキーID503は、発行元501(送信先)と対で保存される。又、ブラウザの種類により、クッキー500の発行元501毎に有効期限が設定されても良い。
ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDが割り付けられると、トラッキングタグ408の起動により、ユーザ端末10が、図6Aに示すように、ユーザ端末10のブラウザが表示しているウェブサイト405の閲覧情報600(例えば、URL:Uniform Resource Locator 「www.xyz.co.jp」)を取得し、クッキーID503(「c01」)とともにサーバ13に送信する。サーバ13は、ユーザ端末10からのウェブサイト405の閲覧情報600(「www.xyz.co.jp」)をクッキーID503(「c01」)に関連付けて蓄積する。
このように、クッキーIDが保存された後では、ユーザ端末10がブラウザで閲覧するウェブサイトの閲覧履歴をクッキーIDに関連付けて取得することが可能となる。
一方、S103において、ユーザ端末10がサーバ13に二回以上アクセスしていた場合、例えば、ユーザ端末10が、上述のトラッキングタグが埋め込まれた他のウェブサイトを閲覧していた場合、クッキーID割付部201は、そのユーザ端末10に既にクッキーIDを割り付けている。この場合は、ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDが存在し、例えば、サーバ13の発行元(送信先)に対してクッキーIDが存在する。そのため、クッキーID割付部201は、ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDが存在すると判定し(図3:S103YES)、S104のクッキーIDの割付処理を省略する。これにより、一のユーザ端末10に対してクッキーIDの重複割付を防止することが出来る。
さて、次に、サーバ13のクッキーID紐付部202は、前記サーバ13のデータベースに基づいて、前記ユーザ端末10のクッキーIDに、当該ユーザ端末10の端末IDが紐付けされているか否かを判定する(図3:S105)。端末IDは、例えば、MACアドレス等のユーザ端末10を識別するための情報である。
ここで、クッキーID紐付部202がクッキーIDに対する端末IDの紐付の存否を判定する方法に特に限定は無い。例えば、クッキーID紐付部202は、サーバ13のデータベースである第一のテーブルを参照する。第一のテーブル601には、図6Bに示すように、クッキーID602(例えば、「c10」等)に、端末ID603(例えば、「def」等)が関連付けて記憶されている。第一のテーブル601には、既に紐付けされたクッキーID602と端末ID603とが関連付けられている。クッキーID紐付部202は、第一のテーブル601のクッキーID602に前記ユーザ端末10のクッキーID(「c01」)を検索する。第一のテーブル601のクッキーID602に前記ユーザ端末10のクッキーID(「c01」)が存在しない場合、クッキーID紐付部202は、前記ユーザ端末10のクッキーIDに当該ユーザ端末10の端末IDが紐付けされていないと判定する(図3:S105NO)。この場合、サーバ13の端末ID取得部203は、前記ルータ12を介して前記ユーザ端末10の端末IDを取得する(図3:S106)。
ここで、端末ID取得部202がユーザ端末10の端末IDを取得する方法に特に限定は無い。例えば、ユーザ端末10は、ルータ12を介してサーバ13にアクセスしているため、端末ID取得部202は、当該ルータ12を介してアクセスしたユーザ端末10から端末ID(例えば、「abc」)を取得する。
そして、サーバ13のクッキーID紐付部202は、前記取得された端末IDを前記クッキーIDに紐付ける(図3:S107)。
クッキーID紐付部202が前記端末IDを前記クッキーIDに紐付ける方法に特に限定は無い。例えば、クッキーID紐付部202は、図6Bに示すように、第一のテーブル601において、前記クッキーID602(「c01」)に前記端末ID603(「abc」)を新たに関連付けて記憶させる。これにより、特定のユーザ端末10のウェブサイトの閲覧履歴と行動履歴とを紐付けることが可能となる。
ところで、S106において、店舗11内には、ユーザ端末10が存在するとともに無線機器14が設けられていることから、図7Aに示すように、端末ID取得部203は、店舗11内におけるユーザ端末10と無線機器11との近距離無線通信に基づいて、前記ユーザ端末10の端末IDを取得しても良い。
ここで、無線機器14がWi−Fiセンサの場合は、下記のようになる。即ち、ユーザ端末10は、通常、無線LAN(Local Area Network)通信のアクセスポイントを検索するための電波(Beacon、無方向性の電波)を定期的に発信している。この電波には、ユーザ端末10の端末ID(例えば、「abc」)が含まれている。
そこで、ユーザ端末10がWi−Fiセンサ12の電波受信圏に入ると、Wi−Fiセンサ12は、ユーザ端末10の電波を受信し、電波内の端末ID(「abc」)と、Wi−Fiセンサ12を識別するための機器ID(例えば、「a01」)と、電波強度(例えば、「81」)とを含む通信情報をルータ12を介してサーバ13に送信する。
一方、無線機器14がBeacon端末の場合、Beacon端末12は近距離無線通信用の電波を定期的に発信している。この電波は、Beacon端末12を識別するための機器ID(「a01」)が含まれている。
そこで、ユーザ端末10がBeacon端末12の電波受信圏に入ると、ユーザ端末10が、Beacon端末12からの電波を受信し、電波内の機器ID(「a01」)と、ユーザ端末10の端末ID(「abc」)と、電波強度(「81」)とを含む通信情報をルータ12を介してサーバ13に送信する。尚、この場合、Beacon端末12との通信情報をサーバ13に(自動的に)送信する特定のプログラム(アプリケーション等)をユーザ端末10に予め導入しておく。
このように、無線機器14がWi−Fiセンサ又はBeacon端末のいずれの場合であっても、サーバ13は、ルータ12を介して端末ID(「abc」)を含む通信情報を受信するため、端末ID取得部203は、受信した通信情報から端末ID(「abc」)を取得する。
尚、端末ID取得部203は、ルータ12を介して端末IDを取得する際に、当該ルータ12を識別するルータID(例えば、「aaa」)を取得し、当該ルータIDを前記端末IDに紐付けておいても良い。ルータIDは、店舗11の識別情報(ロケーション管理)として利用出来る。
一方、S105において、第一のテーブル601のクッキーID602に前記ユーザ端末10のクッキーID(「c01」)が存在する場合、クッキーID紐付部202は、前記ユーザ端末10のクッキーIDに当該ユーザ端末10の端末IDが紐付けされていると判定する(図3:S105YES)。この場合は、このユーザ端末10のクッキーIDと端末IDとの紐付けは既に完了しているため、S106の端末IDの取得処理とS107の紐付処理とを省略する。これにより、クッキーIDに対して端末IDの重複紐付を防止することが出来る。
さて、次に、サーバ13の属性決定部204は、クッキーIDに紐付けされた端末IDのユーザ端末10のユーザ属性の更新時期か否かを判定する(図3:S108)。
ここで、属性決定部204がユーザ属性の更新時期を判定する方法に特に限定は無い。例えば、S107の紐付処理が行われたユーザ端末10のユーザの属性は未だ決定されていないため、更新対象のユーザの属性が無い。この場合は、ユーザの属性を決定する必要があるため、属性決定部204は、ユーザ属性の更新時期であると判定する(図3:S108YES)。
そして、属性決定部204は、ウェブサイトにおけるユーザ端末10の閲覧履歴の収集と無線機器14の周辺におけるユーザ端末10の行動履歴の収集とを行う。ここで、ユーザ端末10の閲覧履歴の収集とユーザ端末10の行動履歴の収集との順番に特に限定は無い。以下では、先にユーザ端末10の閲覧履歴の収集を行い、後にユーザ端末10の行動履歴の収集を行うが、逆になっても構わない。
先ず、サーバ13の閲覧履歴収集部205は、前記紐付けされたクッキーID(「c01」)を有するユーザ端末10のウェブサイトの表示により得られた、前記ウェブサイトにおける前記ユーザ端末10の閲覧履歴を収集する(図3:S109)。
ここで、このユーザ端末10のクッキーID(「c01」)に所定量の閲覧情報が無い場合は、この後、ユーザ端末10がブラウザでウェブサイトの表示を繰り返し、これにより、ユーザ端末10のクッキーID(「c01」)に所定量の閲覧情報が蓄積されることで、閲覧履歴収集部205は、蓄積された閲覧情報をユーザ端末10の閲覧履歴として収集する。
例えば、ブラウザのクッキーにクッキーID(「c01」)が保存されたユーザ端末10のユーザは、店舗11内でルータ12を利用して、自己の興味のあるウェブサイトを検索し、閲覧する(ネットサーフィン)。
ここで、例えば、図7Bに示すように、店舗11のルータ12を介して最初に表示される初期ウェブサイト405には、トラッキングタグ408の他に、各商品を紹介したウェブチラシ700を選択可能に表示させる。ウェブチラシ700に紹介される商品の種類に特に限定は無く、店舗11で販売されている商品、店舗11のブランドに関係する商品、店舗11以外の商品等を挙げることが出来る。ウェブチラシ700の各商品の画像には、商品の詳細を説明したウェブページへアクセスするためのURLが埋め込まれている。
又、初期ウェブサイト405の表示により、トラッキングタグ408が起動し、この初期ウェブサイト405の閲覧情報701(例えば、「www.wifispot」)とクッキーID702(「c01」)がサーバ13に記憶される。
次に、ユーザが、自己の興味のある商品のウェブチラシ700aを選択すると、ユーザ端末10は、ルータ12を経由して、選択された商品のウェブサイト700aのURLにアクセスし、商品の詳細を説明した商品ウェブサイト703を表示させる。
ここで、商品ウェブサイト703にも、トラッキングタグ704が埋め込まれているため、トラッキングタグ704が起動し、この商品ウェブサイト703の閲覧情報705(例えば、「www.pillow.co.jp」)とクッキーID706(「c01」)がサーバ13に記憶される。
このように、ユーザ端末10が、初期ウェブサイト405のウェブチラシ700から、自己の興味のある商品ウェブサイト703をブラウザで閲覧すると、トラッキングタグを有するウェブサイトの閲覧情報が、クッキーIDに関連付けてサーバ13に蓄積される。これにより、初期ウェブサイト405を表示させたユーザ端末10のユーザが興味を持っているウェブサイトの閲覧情報を蓄積することが出来る。
特に、トラッキングタグタグ408が埋め込まれた初期ウェブサイト405に、ウェブチラシ700のように、複数の商品を予め表示させて、ユーザに複数の商品を見せて、ユーザに特定の商品を選択させるように促すことで、ユーザが日ごろ関心を持っている商品のウェブサイトの閲覧情報を蓄積し易くなる。
上述のウェブチラシ700の他に、例えば、図8Aに示すように、トラッキングタグタグ408が埋め込まれた初期ウェブサイト405に、検索エンジンへアクセスするための検索窓800と検索キー801を表示させても良い。上述と同様に、初期ウェブサイト405の表示により、初期ウェブサイト405の閲覧情報802(「www.wifispot」)とクッキーID803(「c01」)がサーバ13に記憶される。
そして、ユーザは、検索窓800に、自己の興味のあるキーワード800a(例えば、「Sweets」)を検索キーワードとして入力して検索キー801を選択する。すると、ユーザ端末10は、ルータ12を経由して検索キーワードに基づいてネットワーク15(例えば、検索サーバ等)にアクセスし、当該ネットワーク15から検索結果を受信する。検索結果を受信したユーザ端末10は、ブラウザに検索結果のウェブサイト804を表示させる。
検索結果のウェブサイト804には、検索キーワード(「Sweets」)に関連するウェブサイトのタイトル805が列記されている。ウェブサイトのタイトル805には、当該ウェブサイトへアクセスするためのURLが埋め込まれている。検索結果のウェブサイト804には、通常、トラッキングタグタグは埋め込まれていないため、この閲覧情報は蓄積されない。
そして、ユーザは、検索結果のウェブサイト804を見ながら、ユーザの興味のあるタイトル805a(例えば、「Cupcake」)を見付け、そのタイトル805aのウェブサイトを選択すると、ユーザ端末10は、選択したタイトル805aのウェブサイトにアクセスし、ブラウザに、タイトル805a(「Cupcake」)を含む検索商品ウェブサイト806を表示させる。
ここで、検索商品ウェブサイト806にトラッキングタグタグ807が埋め込まれている場合、この検索商品ウェブサイト806の閲覧情報808(例えば、「www.cupcakestore.co.jp」)とクッキーID809(「c01」)がサーバ13に記憶される。
上述のように、ユーザ端末10が、初期ウェブサイト405の検索窓800を使って、検索結果のウェブサイト804を経由して、自己の興味のあるタイトル805aのウェブサイト806をブラウザで閲覧すれば、トラッキングタグタグを有するウェブサイトの閲覧情報が、クッキーIDに関連付けてサーバ13に蓄積される。このような場合であっても、ユーザが興味を持っているウェブサイトの閲覧情報を蓄積することが出来る。
尚、クッキーID(「c01」)は、ユーザ端末10のブラウザのクッキーに保存されることから、ユーザ端末10がブラウザでルータ12を経由して閲覧したウェブサイトの閲覧情報に限らず、他のルータを経由して閲覧したウェブサイトの閲覧情報も蓄積する。これにより、ユーザ端末10のユーザが日ごろ興味を持って閲覧しているウェブサイトの閲覧情報を蓄積することが出来る。
そして、閲覧履歴収集部205は、サーバ13から、紐付けされたクッキーID(「c01」)に関連付けられたウェブサイトの閲覧情報を収集する。ここで、閲覧情報の数は、多いほど、ユーザの属性を決定し易くなるが、例えば、特定の商品や目的に偏ったウェブサイトの閲覧情報であれば、一つの閲覧情報でも、ユーザの属性を決定することが出来る。そのため、閲覧履歴収集部205は、一つの閲覧情報を閲覧履歴として収集しても良い。
次に、サーバ13の行動履歴収集部206は、前記紐付けされた端末IDのユーザ端末10と無線機器14との近距離無線通信により得られた、前記無線機器14の周辺における前記ユーザ端末10の行動履歴を収集する(図3:S110)。
ここで、このユーザ端末10の端末ID(「abc」)に行動履歴が無い場合は、ユーザ端末10のユーザが店舗11内の無線機器14の周辺で回遊し、ユーザ端末10の端末IDに無線機器14との近距離無線通信情報がサーバ13に蓄積されることで、行動履歴収集部206は、蓄積された通信情報をユーザ端末10の行動履歴として収集する。
例えば、ユーザ端末10のユーザは、店舗11内のルータ12を介してブラウザでの検索・閲覧を完了すると、店舗11内を回遊して、自己の興味のある商品を検索する。
ここで、図8Bに示すように、店舗11内には、商品を配置している商品棚11aが設けられており、店舗11は適度な広さを有する。そのため、商品棚11aの周囲の四方のそれぞれには、無線機器14が設置され、各無線機器14には、機器IDが設定されている。これにより、ユーザが店舗11内で回遊したり滞在したりすると、ユーザ端末10が店舗11内の無線機器14と近距離無線通信を行い、無線機器14との近距離無線通信情報に基づいて、無線機器14の周辺におけるユーザ端末10の滞在位置や滞在時間等を算出することが出来る。
例えば、図8Bに示すように、ユーザ端末10を所有するユーザが店舗11内の商品棚11aを回遊し、特定の商品売り場(例えば、「Sweets」)に接近すると、ユーザ端末10が無線機器14と近距離無線通信を行う。すると、サーバ13には、ルータ12を介して、ユーザ端末10と無線機器14との近距離無線通信情報が送信されるため、サーバ13は、ユーザ端末10の端末ID(「abc」)に対して近距離無線通信情報を蓄積する。
ここで、サーバ13に近距離無線通信情報を蓄積する方法に特に限定は無い。例えば、近距離無線通信情報に端末IDと機器IDと電波強度とルータIDとが含まれる場合、図9Aに示すように、第二のテーブル900には、近距離無線通信情報を受信した際の取得時刻901(例えば、「9:02」)を、端末ID902(「abc」)と機器ID903(例えば、「a01」)と電波強度904(例えば、「51」)とルータID905(「aaa」)とに関連付けて記憶させる。
尚、店舗11内の任意の位置でユーザ端末10が各無線機器14と近距離無線通信する度に、第二のテーブル900に、取得時刻901と、端末ID902と、機器ID903と、電波強度904と、ルータID905とが蓄積される。ここで、特定の端末ID902に、取得時刻901と、機器ID903と、電波強度904と、ルータID905とが関連付けて記憶されることから、これらの情報を分析・解析することで、無線機器14の周辺における特定の端末ID902のユーザ端末10の行動履歴を取得することが出来る。
特に、電波強度904は、端末ID902のユーザ端末10と、機器ID903の無線機器14との距離に対応するため、店舗11内における機器ID903の無線機器14の設置位置が予め設定されると、電波強度904により店舗11内における端末ID902のユーザ端末10の滞在位置を推定することが出来る。同一の取得時刻901に複数の機器ID903と電波強度904とが記憶されている場合、各機器ID903の無線機器14に対する端末ID902のユーザ端末10の位置関係から店舗11内におけるユーザ端末10の滞在位置を高精度に推定することが出来る。そして、取得時刻901の変化に対応して端末ID902のユーザ端末10の滞在位置の変化を算出することで、店舗11内におけるユーザ端末10の行動履歴(滞在位置、滞在時間、動線等)を推定することが出来る。
尚、ユーザ端末10は、店舗11を出ることで、店舗11内の無線機器14と近距離無線通信を出来なくなることから、第二のテーブル900には、ユーザ端末10が店舗11内を回遊してから店舗11を出るまで、店舗11内におけるユーザ端末10の行動履歴が蓄積される。
そして、行動履歴収集部206は、第二のテーブル900から、紐付けされた端末ID(「abc」)に関連する近距離無線通信情報を収集する。ここで、近距離無線通信情報の数は、多いほど、ユーザの属性を決定し易くなるが、例えば、特定の商品や目的に偏った近距離無線通信情報であれば、一つの近距離無線通信情報でも、ユーザの属性を決定することが出来る。そのため、行動履歴収集部206は、一つの近距離無線通信情報を行動履歴として収集しても良い。
更に、属性決定部204は、前記収集されたユーザ端末10の閲覧履歴と、前記収集されたユーザ端末10の行動履歴とに基づいて、前記ユーザ端末10のユーザの属性を決定する(図3:S111)。
ここで、属性決定部204がユーザの属性を決定する方法に特に限定は無い。例えば、属性決定部204は、前記収集されたクッキーID(「c01」)のウェブサイトの閲覧履歴を参照する。ウェブサイトの閲覧履歴は、図9Bに示すように、クッキーID906(「c01」)に関連付けられ、ユーザ端末10がブラウザでトラッキングタグを有するウェブサイトを表示させるたびに蓄積された所定量のウェブサイトの閲覧情報907である。
又、属性決定部204は、ウェブサイトの閲覧情報907に基づいて、ウェブサイトにおいてユーザが興味を示した商品の属性を閲覧履歴属性として抽出する。例えば、属性決定部204は、ウェブサイトの閲覧情報907から、出現頻度が高いキーワードを特定し、そのキーワードから商品のカテゴリ(例えば、「Cupcake」)を決定し、決定した商品のカテゴリを閲覧履歴属性として抽出する。その他に、属性決定部204は、ウェブサイトの閲覧情報907のうち、キーワード、URL、ウェブサイト上の文脈の文字情報を収集し、収集した文字情報から、ユーザの興味関心を示すカテゴリを抽出する。抽出処理には、言語構造解析を含む。又、閲覧履歴属性は、商品のカテゴリに限らず、例えば、キーワードから特定されるユーザの性別、年齢、社会属性としても良い。尚、図9Bのウェブサイトの閲覧履歴は、ユーザが検索窓700を用いた際のウェブサイトの閲覧情報となっているが、これに限定されない。ウェブチラシ700であれば、ユーザが選択した商品(例えば、「pillow」)を含むウェブサイトの閲覧情報から閲覧履歴属性が抽出される。
そして、属性決定部204は、前記ユーザ端末10の行動履歴と、前記無線機器14の周辺における商品(又は/及びサービス)の配置とに基づいて、前記無線機器11の周辺においてユーザが興味を示した商品の属性を行動履歴属性として抽出する。
ここで、例えば、属性決定部204は、第二のテーブル900を参照し、当該第二のテーブル900において、クッキーID(「c01」)に紐付けされた端末ID902(「abc」)の取得時刻901と、機器ID903と、電波強度904と、ルータID905とを取得する。次に、属性決定部204は、図10Aに示すように、第二のテーブル900において、端末ID902(「abc」)の取得時刻901と、機器ID903と、電波強度904とに基づいて、無線機器14の周辺におけるユーザ端末10の行動履歴を算出する。行動履歴は、ユーザ端末10が店舗11内の無線機器14の周辺を回遊した回遊履歴に相当する。
次に、属性決定部204は、第二のテーブル900において、端末ID902(「abc」)に紐付けされたルータID905(「aaa」)を店舗11の識別情報(ロケーション管理)として利用し、ルータID905(「aaa」)に関連付けられた第三のテーブルを参照する。
第三のテーブル1000には、図10Aに示すように、ルータID1001に、機器ID1002と、位置1003(座標値等の位置を特定するための情報)と、商品のカテゴリ1004(例えば、「Magazine」、「Cosmetics」等)とが関連付けて記憶されている。第三のテーブル1000は、丁度、店舗11内の無線機器14の周辺に設置された商品棚11aと、当該商品棚11aの商品のカテゴリとの位置関係を示す店舗11内の地図として機能し、第三のテーブル1000の位置1003は、特定のカテゴリ1004の商品の商品棚11aが設置されている位置を示す。そして、属性決定部204は、先ほど算出した行動履歴を地図に重ね合せることで、ユーザ端末10のユーザがどこの商品棚11aで足を止め、商品に接触したかを推定することが出来る。
例えば、属性決定部204は、行動履歴を地図に重ね合せて、ユーザ端末10が所定時間(例えば、30秒、1分、5分等)だけ滞在した滞在位置における商品のカテゴリ(例えば、「Sweets」)を行動履歴属性として抽出する。その他に、属性決定部204は、ユーザ端末10が商品棚11aに接触している接触頻度を各商品棚11a毎に算出し、接触頻度が最も高い商品棚11aの商品のカテゴリを行動履歴属性として抽出しても良い。更に、属性決定部204は、商品棚11aへの滞在位置、滞在時間、接触頻度を示す接触滞在状況を算出し、算出した接触滞在状況と商品棚11aの商品のカテゴリと商品棚11aの配置からユーザの行動パターンを示すメタ情報(例えば、商品棚11aの名称、店舗11内の業態等)を収集し、収集したメタ情報から、ユーザの興味関心を示すカテゴリを抽出する。抽出処理には、言語構造解析を含む。又、行動履歴属性は、商品のカテゴリに限らず、例えば、第三のテーブル1000のカテゴリ1004を適宜設計変更して、商品を購入するユーザの性別、年齢、社会属性としても良い。
そして、属性決定部204は、閲覧履歴属性と行動履歴属性とを同一の図面にカテゴリ別に配置することで、閲覧履歴属性と行動履歴属性とを組み合わせたユーザの属性を決定する。
例えば、属性決定部204は、閲覧履歴属性と行動履歴属性とをそれぞれパラメータとした属性相関図を参照する。属性相関図1005には、図10Bに示すように、閲覧履歴属性1006が縦軸に商品のカテゴリ別に配置され、行動履歴属性1007が横軸に商品のカテゴリ別に配置されている。そして、属性相関図1005では、閲覧履歴属性1006と行動履歴属性1007とが決定されると、閲覧履歴属性1006と行動履歴属性1007とにそれぞれ関係する特定のユーザの属性1008が一義的に決定されるように構成されている。
例えば、閲覧履歴属性1006が「Cupcake」であり、行動履歴属性1007が「Sweets」である場合、ユーザの属性1008は、ユーザ属性A(例えば、ケーキ類の甘いものを好む者)と決定される。その他に、閲覧履歴属性1006が「Beauty」であり、行動履歴属性1007が「Cosmetics」である場合、ユーザの属性1008は、ユーザ属性B(例えば、化粧品等で美容を意識している者)と決定される。ユーザの属性1008は、閲覧履歴属性1006と行動履歴属性1007との組み合わせで、多種多様に定義化することが出来る。ここで、行動履歴属性は、店舗11内の行動履歴のオフラインデータによる属性と仮定し、閲覧履歴属性は、ウェブサイトの閲覧履歴のオンラインデータによる属性と仮定すると、属性をキーとしてオフラインデータとオンラインデータとを統合することで、ユーザの属性を多元的に決定することが可能となる。
さて、属性決定部204がユーザの属性1008(「ユーザ属性A」)を決定すると、サーバ13の情報配信部207は、ユーザの属性1008に応じた情報をユーザ端末10に表示させる(図3:S112)。
ここで、情報配信部207が情報をユーザ端末10に表示させる方法に特に限定は無い。例えば、情報配信部207は、第四のテーブルを参照する。第四のテーブル1100には、図11Aに示すように、属性相関図1000により決定されるユーザ属性1101に、当該ユーザ属性1101のユーザが興味を示すと推定されるコンテンツ情報1102(URLスキーム)が関連付けて記憶されている。
情報配信部207は、参照した第四のテーブル1100から、決定したユーザ属性1101a(「ユーザ属性A」)に対応するコンテンツ情報1102a(「URLスキーム1」)を取得する。これにより、ユーザ属性1101aに合った最適なコンテンツ情報1102aを選択することが出来る。
そして、情報配信部207は、取得したコンテンツ情報1102a(「URLスキーム1」)をユーザ端末10に送信することになるが、この送信タイミングに特に限定は無い。例えば、ユーザ端末10のユーザが、店舗11を出た後に、再度、店舗11に入り、ユーザ端末10で店舗11のルータ12を経由してネットワーク15に接続し、ブラウザで初期ウェブサイト405を表示させる。初期ウェブサイト405には、トラッキングタグ408の他に、広告表示部分として店舗11に関する情報407が存在するが、この広告表示部分は、他の情報を掲載することが出来る。そこで、情報配信部207は、このタイミングで、取得したコンテンツ情報1102a(「URLスキーム1」)を広告表示部分に送信する。
図11Bに示すように、ユーザ端末のブラウザが表示している初期ウェブサイト405の広告表示部分に、送信されたコンテンツ情報1103(1102a)が表示される。ここでは、コンテンツ情報1102aとして店舗11において新規カップケーキの販売を知らせるお知らせ情報1103が表示される。これにより、決定したユーザの属性(「ユーザ属性A」)に対応して、ユーザが興味を持ちそうな情報をタイミング良く送信することが可能となり、ユーザをこの情報に効果的に惹き付けることが可能となる。特に、多元的に捉えたユーザの属性に基づいて最適な情報を配信しているため、ユーザにインパクトのある(確実に興味を持つ)リターゲティング広告を行うことが可能となる。
ここで、お知らせ情報1103の他に、例えば、情報配信部207は、ウェブチラシを利用し、ユーザ属性1101aに対応する複数のコンテンツ情報1102aに基づいて、各コンテンツ情報1102a毎の商品のウェブチラシをお知らせ情報1103として表示しても良い。尚、S109からS112までの処理は、ビッティング処理を想定し、瞬時に行われる。
ところで、上述では、ユーザ端末10のユーザが店舗11に再訪問して、店舗11のルータ12を介して初期ウェブサイトを表示させることによって、S112の処理が行われたが、ユーザが店舗11に再訪問せずに、広告表示部分を有するウェブサイトを表示させることによって、S112の処理が行われても良い。
例えば、ユーザ端末10が、ルータ12を経由せずに、他の通信手段によりネットワーク15に接続し、アドネットワーク上の広告表示部分を有するウェブサイトにアクセスすると、図12Aに示すように、ユーザ端末10が、広告表示部分を有するウェブサイト1200をブラウザで表示させる。又、広告表示部分を有するウェブサイト1200には、トラッキングタグ1201が埋め込まれている。情報配信部207は、ユーザの属性に応じた情報をウェブサイト1200の広告表示部分に表示させる(図3:S112)。
ここで、ユーザの属性が、上述のように、「ユーザ属性A」であれば、広告表示部分を有するウェブサイト1200には、店舗11の新規カップケーキのクーポンを示すクーポン情報1202(1102a)が表示される。これにより、上述と同様に、ユーザにインパクトのあるリターゲティング広告を行うことが可能となる。
特に、ユーザ端末10が店舗11のルータ12を介して、広告表示部分を有するウェブサイトを表示させた場合は、情報配信部207が、ユーザの属性1008に応じた情報で、且つ、ユーザが店舗11内で行動できる情報(お知らせ情報、ポイント付与情報等)を配信すると好ましい。一方、ユーザ端末10が店舗11のルータ12を介さずに、広告表示部分を有するウェブサイトを表示させた場合は、情報配信部207が、ユーザの属性1008に応じた情報で、且つ、ユーザが店舗11へ再訪問を促す情報(クーポン情報、お得情報等)を配信すると好ましい。これにより、ユーザのユーザ端末10の使用環境に応じたリターゲティング広告を行うことが出来る。情報配信部207は、ユーザ端末10が店舗11のルータ12を介したか否かを判定する方法は、例えば、ユーザ端末10から送信される情報のうち、ルータ12のルータIDがあるか否かを判定すれば良い。
ところで、ユーザの属性が決定された後において、ユーザ端末10が、トラッキングタグを有するウェブサイトを表示させると、クッキーID割付部201は、ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDが存在すると判定し(図3:S103YES)、クッキーID紐付部202は、前記ユーザ端末10のクッキーIDに当該ユーザ端末10の端末IDが紐付けされていると判定する(図3:S105NO)。そして、属性決定部204は、クッキーIDに紐付けされた端末IDのユーザ端末10のユーザ属性の更新時期か否かを判定する(図3:S108)。
ここで、ユーザの属性は既に決定されているものの、ユーザの属性の決定時点からの経過時間が、予め設定された所定の閾時間(数時間、数日等)を超過している場合は、ユーザの興味が変わっている可能性があり、ユーザの属性を更新(再決定)しないと、有効なリターゲティング広告を行うことが出来ない可能性がある。そのため、この場合は、属性決定部204は、ユーザの属性の更新時期であると判定し(図3:S108YES)、S109へ移行し、S109のユーザ端末10の閲覧履歴の収集処理と、S110のユーザ端末10の行動履歴の収集処理と、S111のユーザの属性の決定処理とが再度行われる。これにより、ユーザの属性の決定時点から長時間が経っている場合は、最新のユーザの属性が反映されている閲覧履歴と行動履歴を新たに収集して、ユーザの属性を更新することで、有効なリターゲティング広告を行うことが可能となる。
一方、ユーザの属性の決定時点からの経過時間が前記閾時間を超過していない場合、ユーザの興味が変わっている可能性は低く、決定したユーザの属性を利用しても、有効なリターゲティング広告を行うことが出来る可能性がある。そのため、この場合は、属性決定部204は、ユーザの属性の更新時期でないと判定し(図3:S108NO)、S109からS111までの処理を省略する。これにより、決定したユーザの属性を有効利用することが出来る。
尚、ユーザの属性の更新時期か否かの判定方法として、例えば、閲覧履歴の数や行動履歴の数を基準としても良い。例えば、ユーザ属性を決定した時点から、新たに蓄積された閲覧履歴の数が所定の第一の閾値を超えた場合、新たに蓄積された行動履歴の数が所定の第二の閾値を超えた場合、又は両方の場合に、属性決定部204は、ユーザの属性の更新時期であると判定しても良い。第一の閾値及び第二の閾値は、適宜設計される。
本発明の実施形態では、S101において、ユーザが、ルータ12の識別情報402aと接続キー403とを選択すると、ユーザ端末10が、店舗11におけるWi−Fiアクセスポイントを利用できるように構成したが、他の構成でも良い。例えば、ユーザが、ルータ12の識別情報402aと接続キー403とを選択すると、店舗11における店舗ウェブサイトがユーザ端末10に表示され、ユーザ登録を予め促し、ユーザ登録されたユーザ端末10のみ店舗11におけるWi−Fiアクセスポイントを利用できるように構成しても良い。又、ユーザが、ルータ12の識別情報402aと接続キー403とを選択すると、パスワードの入力を促す画面がユーザ端末10に表示され、店舗11の専用のパスワードが入力されたユーザ端末10のみ店舗11におけるWi−Fiアクセスポイントを利用できるように構成しても良い。
又、S102において、ユーザ端末10がルータ12を経由してウェブサイトを表示させる際に、サーバ13が、どのようなウェブサイトでも表示(閲覧)可能に構成したが、他の構成でも良い。例えば、ユーザ端末10がルータ12を経由してウェブサイトを表示させる場合、サーバ13が、店舗11に関係するウェブサイトのみの表示を許可し、店舗11に関係しない他のウェブサイトの表示を禁止するよう構成しても良い。又、ユーザ端末10がルータ12を経由して検索エンジンのウェブサイトで検索する場合、サーバ13が、検索結果のうち、店舗11のブランドの商品の同業者検索結果のみの表示を許可し、他の店舗や他のブランドの商品の他業者検索結果の表示を禁止するよう構成しても良い。更に、ユーザ端末10がルータ12を経由して検索エンジンのウェブサイトで検索して、他業者検索結果を表示した場合、サーバ13が、他業者検索結果に対抗する同業者検索結果を表示するよう構成しても良い。
S110において、行動履歴収集部206は、前記紐付けされた端末IDのユーザ端末10と店舗11内の無線機器14との近距離無線通信により得られた前記ユーザ端末10の行動履歴を収集するよう構成したが、他の構成でも良い。例えば、ユーザ端末10の端末IDを利用することで、この店舗11以外の他の店舗に無線機器との近距離無線通信により得られた前記ユーザ端末10の行動履歴を利用することが出来る。そのため、複数の店舗11のそれぞれに無線機器14が設けられている場合、ユーザ端末10と無線機器14との近距離無線通信により、ユーザ端末10の端末IDに関連付けて近距離無線通信情報がサーバ13に蓄積される。この場合、ユーザ端末10の端末IDに対して近距離無線通信情報が各無線機器14の機器ID毎に蓄積される。そのため、各店舗11毎に、店舗11内の無線機器14の周辺に設置された商品棚の商品の配置を示す地図又はテーブルを用意することで、各店舗11毎の無線機器14の周辺におけるユーザ端末10の行動履歴を収集することが出来る。これにより、全ての店舗11に共通してユーザが興味を持っている商品のカテゴリを抽出し、ユーザの属性の決定に利用することが出来る。店舗11に複数の無線機器14を設置する場合は、例えば、ルータ12のルータIDに店舗11内の複数の無線機器14の機器IDを関連付ければ良い。
S111において、属性決定部204は、閲覧履歴属性1006と行動履歴属性1007との相関関係や因果関係を考慮することなく、属性相関図1005からユーザの属性1008を一義的に決定するよう構成したが、他の構成でも良い。例えば、ユーザの購買行動は、ウェブサイトの閲覧履歴と店舗11内の無線機器14の周辺における行動履歴との強い相関度から生じたり、ウェブサイトの閲覧履歴から店舗11内の行動履歴に移行する又は店舗11内の行動履歴からウェブサイトの閲覧履歴に移行するという時間的な関係から生じたりする。そのため、属性相関図1005を相関関係や因果関係(又は時間的な関係)に展開して、属性決定部204は、閲覧履歴属性1006と行動履歴属性1007との相関度や時間的な関係から、ユーザの属性を決定するようにしても良い。このように、ユーザが購買行動に至るまでのプロセスを多元的に解釈し、ユーザの属性を立体的に捕えることで、ユーザが商品に興味を持ってからその商品を購買する行動に至るまでのユーザの属性の定義化を精度高く行い、ユーザに商品を購買させるための最適な情報を配信することが可能となる。更に、属性相関図に、ユーザの購入履歴を結び付けることで、ユーザが商品を購買する場合の前兆のユーザの行動履歴を予測することが可能となり、ユーザの購買行動を促す情報を効果的に配信することが可能となる。
ここで、サーバ13へのユーザ端末10の閲覧履歴の蓄積は、ユーザ端末10のブラウザがトラッキングタグを表示させて、クッキーIDがユーザ端末10に割付されることで行われるため、クッキーIDに対する端末IDの紐付と無関係に行われる。又、サーバ13へのユーザ端末10の行動履歴の蓄積は、ユーザ端末10が無線機器14と近距離無線通信することで行われるため、クッキーIDに対する端末IDの紐付と無関係に行われる。そのため、図12Bに示すように、クッキーIDに対する端末IDの紐付1203が行われる前1204に、ユーザ端末10にクッキーIDが割り付けられ、ユーザ端末10の閲覧履歴1205が蓄積されている場合もあるし、逆に、ユーザ端末10の行動履歴1206が蓄積されている場合もある。これら場合、閲覧履歴収集部205は、クッキーIDに対する端末IDの紐付前1204のユーザ端末10の閲覧履歴1205を収集し、行動履歴収集部206は、クッキーIDに対する端末IDの紐付前1204のユーザ端末10の行動履歴1206を収集し、属性決定部204は、収集された閲覧履歴1205や行動履歴1206に基づいて、前記ユーザ端末10のユーザの属性を決定しても良い。これにより、クッキーIDに対する端末IDの紐付1203の直後でも、ユーザの属性を決定することが出来る。
又、クッキーIDに対する端末IDの紐付1203が行われた後1207は、ユーザ端末10のネットサーフィンやユーザの店舗11内の回遊により、ユーザ端末10の閲覧履歴1208や行動履歴1209が新たに蓄積される。この場合、閲覧履歴収集部205は、クッキーIDに対する端末IDの紐付前1204と後1207のユーザ端末10の閲覧履歴1205、1208を収集し、行動履歴収集部206は、クッキーIDに対する端末IDの紐付前1204と後1207のユーザ端末10の行動履歴1206、1209を収集して、属性決定部204は、収集された閲覧履歴1205や行動履歴1206に基づいて、前記ユーザ端末10のユーザの属性を決定しても良い。これにより、クッキーIDに対する端末IDの紐付1203の前後における閲覧履歴や行動履歴を考慮して、ユーザの属性を決定することが出来る。
尚、上述は、クッキーIDに対する端末IDの紐付1203を基準にして、この基準の前後における閲覧履歴や行動履歴を収集しているが、ユーザの興味は、通常、時間の経過とともに変化するものであるから、ユーザの属性を決定するための閲覧履歴や行動履歴は、ユーザの属性を決定する時点を基準にして、この基準の前後における閲覧履歴や行動履歴が収集されることが基本になる。もちろん、今までサーバ13に蓄積した閲覧履歴や行動履歴を所定の期間で区切ったり、全ての閲覧履歴や行動履歴を考慮したりすることで、上述の属性相関図1005を相関関係や因果関係を分析して、ユーザの購買行動を精度高く解析しても良い。
S112において、情報配信部207は、ユーザ端末10が閲覧しているウェブサイトに情報を表示させるように構成したが、他の構成でも良い。例えば、情報配信部207は、ユーザ端末10に情報をSMSメッセージで配信しても良い。又、情報配信部207は、第四のテーブル1100においてユーザ属性1101から一義的に決定されるコンテンツ情報1102を配信するように構成したが、他の構成でも良い。例えば、第四のテーブル1100において、配信日時(平日、休日、祝日等)を考慮して、ユーザ端末10の日時に合わせてコンテンツ情報1102を変更して、最適化されたコンテンツ情報1102をユーザ端末10に配信しても良い。
又、本発明の実施形態では、建物11は、複数の商品が陳列する店舗を想定したが、その他に、待ち時間が長い又はサービスを受ける時間が長い美容院等を想定しても良い。更に、情報配信部207は、ユーザ端末10に情報を直接表示するように構成したが、その他に、ユーザ端末10の近傍にある映像表示機器に情報を表示するように構成しても良い。映像表示機器は、例えば、屋外広告、交通広告、道標、屋内外案内看板、店頭プロモーション、映像ディスプレイ等のデジタルサイネージ(電子看板)を含む。
例えば、図13Aに示すように、美容院11(待合室)に、ルータ12と1台の無線機器14とデジタルサイネージ16とが設けられ、ルータ12とデジタルサイネージ16とは、ネットワーク15を介してサーバ13を通信可能である。美容院11では、その広さから、例えば、1台の無線機器11が設置される。
ユーザ端末10を有するユーザが、美容院11の待合室に入って待っている時に、美容院11のルータ12を利用して、無線通信接続を開始すると、上述のように、ユーザ端末10が、トラッキングタグを有する初期ウェブサイトを表示させることで、サーバ13へアクセスし、当該ユーザ端末10のクッキーにクッキーIDが割り付けられる。又、ルータ12を介してクッキーIDを割り付けたユーザ端末10の端末IDが取得され、取得された端末IDが前記クッキーIDに紐付けられる。
そして、ユーザは、待ち時間で、美容院11のルータ12を利用して、ネットサーフィンするが、ネットサーフィンによるウェブサイトの閲覧履歴は、ユーザ端末10のクッキーIDに関連付けてサーバ13に蓄積される。一方、ユーザが、待ち時間で、例えば、美容院11内の商品や表示物を見て回ったり、特定の場所で座って留まったりしていると、ユーザ端末10と無線機器14との近距離無線通信により、ユーザ端末10の端末IDに対する近距離無線通信情報がサーバ13に送られ、ユーザ端末10の美容院11内の行動履歴がサーバ13に蓄積される。ここで、美容院11では、陳列される商品が少なく、ユーザが積極的に回遊する可能性は低いものの、例えば、美容院11での長椅子の座る位置や待つ位置の行動履歴が蓄積される。このような行動履歴は、ユーザの性別、年齢、社会属性等の行動履歴属性の抽出に役立つ。尚、この場合、ユーザの属性は決定していないため、美容院11のデジタルサイネージ16には、美容院11の一般的な情報が表示される。
そして、ユーザの順番となり、ユーザは、美容院11でサービスを受けて帰宅する。そして、暫くして、ユーザが、再度、美容院11に訪れ、美容院11のルータ12を利用して、無線通信接続を開始する。すると、今度は、ユーザ端末10が、トラッキングタグを有する初期ウェブサイトを表示させることで、今までのユーザ端末10の閲覧履歴と行動履歴とが収集され、収集された閲覧履歴と行動履歴とに基づいて、ユーザの属性が決定される。そして、決定されたユーザの属性に応じたコンテンツ情報が、ユーザ端末10の近傍にあるデジタルサイネージ16に表示される。例えば、ユーザの属性が、20代の女性と決定されると、図13Aに示すように、若者に人気がある髪型のコンテンツ情報がデジタルサイネージ16に表示される。このように、美容院11等のデジタルサイネージ16が情報を表示しても、ユーザにインパクトのあるリターゲティング広告を行うことが可能となる。
尚、デジタルサイネージ16が、ユーザ端末10の近傍にあるか否かを判定する方法は、ユーザ端末10から送信される通信情報の無線機器14の機器IDやルータ12のルータIDを利用すれば良い。
本発明の実施形態では、トラッキングタグを埋め込んだウェブサイトを想定したが、その他に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のウェブサイトと連携しても良い。SNSのウェブサイトとの連携の形態に特に限定は無く、サーバ13が、ユーザ端末10によるSNSのウェブサイト上での閲覧履歴又は操作履歴を取得して、この閲覧履歴又は操作履歴をユーザの属性の決定に利用しても良い。
本発明の実施形態では、一つのサーバ13で、クッキーIDの割り付け、端末IDの取得、クッキーIDと端末IDとの紐付け、閲覧履歴の収集、行動履歴の収集、ユーザの属性の決定、情報配信を行っているが、例えば、複数のサーバの組み合わせにより、これらの処理を行っても良い。本発明では、現実的には、CookieSyncの仕組みが利用される。具体的には、図13Bに示すように、サーバとして、SSP(Supply Side Platform)サーバ13aと、DSP(Demand Side Platform)サーバ13bが設けられている。そして、ユーザ端末10が第一のウェブサイト1300を表示させると、第一のウェブサイト1300には、Sync用のトラッキングタグ1301が埋め込まれているため、トラッキングタグ1301が起動して、SSPサーバ13aは、ユーザ端末10を認識し、クッキーIDを発行して、このユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、クッキーIDを受信することで、クッキーに当該クッキーIDを保存する。
次に、トラッキングタグ1301により、ユーザ端末10からSSPサーバ13aへSyncリクエストが送信される。SSPサーバ13aは、Syncリクエストを受信すると、ユーザ端末10のクッキーからクッキーIDを取得し、当該クッキーIDのリダイレクトを第一のウェブサイト1300を介してDSPサーバ13bへ送信し、共有する。これにより、DSPサーバ13bは、クッキーIDを取得することが出来る。
又、SSPサーバ13a又はDSPサーバ13bは、ユーザ端末10による第一のウェブサイト1300のアクセスによりユーザ端末10の端末IDを取得する。これにより、クッキーIDと端末IDとを紐付けることが出来る。更に、DSPサーバ13bは、図示しないルータ12を介して無線機器14と通信し、ユーザ端末10の端末IDを含む通信情報を受信し、当該ユーザ端末10の建物内の行動履歴を蓄積することが出来る。
そして、ユーザ端末10のクッキーにウェブサイトの閲覧履歴が蓄積され、ユーザ端末10が、第二のウェブサイト1302を表示させると、第二のウェブサイト1302には、トラッキングタグ1303が埋め込まれているため、トラッキングタグ1303が起動して、SSPサーバ13aは、ユーザ端末10のクッキーからクッキーIDを取得し、DSPサーバ13bに送信する。DSPサーバ13bは、クッキーIDを受信すると、当該クッキーIDに対するウェブサイトの閲覧履歴と、当該クッキーIDに紐付けされた端末IDの行動履歴とに基づいて、前記ユーザ端末10のユーザの属性を決定し、当該ユーザの属性に応じた情報をSSPサーバ13aを介して第二のウェブサイト1302に送信し、表示させる。このように、二つのサーバが協働して本発明の処理を実行しても良い。
又、本発明の実施形態では、情報配信システム1が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを装置に読み出させ、当該装置が前記各部を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各部が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。