JP2019066014A - トリポード型等速自在継手及びトリポード型等速自在継手製造方法 - Google Patents

トリポード型等速自在継手及びトリポード型等速自在継手製造方法 Download PDF

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東 和弘
Kazuhiro Azuma
和弘 東
石島 実
Minoru Ishijima
実 石島
達朗 杉山
Tatsuro Sugiyama
達朗 杉山
卓 板垣
Taku Itagaki
卓 板垣
祐志 後藤
Yushi Goto
祐志 後藤
琢也 小島
Takuya Kojima
琢也 小島
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Abstract

【課題】ローラが傾斜したり傷ついたりすることなく外側継手部材に圧入することができ、しかも、ローラの抜けを有効に防止できるトリポード型等速自在継手及びトリポード型等速自在継手の製造方法を提供する。【解決手段】外側継手部材のトラック溝の開口端部に、加締め加工にて形成されてなるローラ抜け止め用の隆起部を有する。隆起部に、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、トリポード型等速自在継手及びトリポード型等速自在継手製造方法に関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系を構成する等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸をトルク伝達可能に連結すると共に、前記二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる。等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位の両方を許容する摺動式等速自在継手とに大別され、例えば、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトにおいては、デフ側(インボード側)に摺動式等速自在継手が使用され、駆動車輪側(アウトボード側)には固定式等速自在継手が使用される。
摺動式等速自在継手の一つとしてトリポード型等速自在継手がある。このトリポード型等速自在継手は、トルク伝達部材であるローラがシングルローラタイプと、ダブルローラタイプが知られている。
図13と図14は、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手を示し、このトリポード型等速自在継手は、外側継手部材102と、内側継手部材としてのトリポード部材103と、トルク伝達部材としてのローラユニット104とで主要部が構成されている。
外側継手部材102は、一端が開口したカップ状をなし、内周面に軸方向に延びる3本の直線状トラック溝105が周方向等間隔に形成され、各トラック溝105の両側には、円周方向に対向して配置され、それぞれ軸方向に延びるローラ案内面106が形成されている。外側継手部材102の内部には、トリポード部材103とローラユニット104が収容されている。
トリポード部材103は、半径方向に突出した3本の脚軸107を有する。トリポード部材103の中心孔に形成された雌スプライン108にシャフト109に形成された雄スプライン114が嵌合し、止め輪110により軸方向に固定されている。
ローラユニット104は、ローラであるアウタリング111と、このアウタリング111の内側に配置されて脚軸107に外嵌されたインナリング112と、アウタリング111とインナリング112との間に介在された多数の針状ころ113とで主要部が構成されており、外側継手部材102のトラック溝105に収容されている。インナリング112、針状ころ113およびアウタリング110からなるローラユニット104は、ワッシャ115,116により分離しない構造となっている。
ところで、従来のトリポード型等速自在継手では、一般的には外側継手部材にローラの抜けを規制する規制部材が設けられている(特許文献1〜特許文献3)。特許文献1では、案内溝の開口端の上部と下部とに、球状凹部と球状凸部とを設けたものである。すなわち、球状凹部を設けたことによって、この球状凹部を介したローラの組み込みを許容し、球状凸部を設けたことによって、ローラの抜けを規制するものである。
また、特許文献2は、トリポード形等速自在継手の調心部材について記載されている。そして、調心部材がトラック溝の開口端に設けた加締部にてローラが抜けないように設定している。
特許文献3では、外側継手部材の開口端面に、ピンを打ち込むことによって、案内溝の内面に盛り上がった突出部を設けるものである。そして、この突出部を、転動部材(ローラ)の抜け止めとして機能させている。また、この突起部は、外周側から内周側のほうが小さくなるようにしている。
実開昭58−30027号公報 特開昭61−241528号公報 特許第4609050号公報
前記特許文献1では、案内溝の上部に、ローラの組み込用の球状凹部を設ける必要があり、外側継手部材の大径化を招くことになる。また、特許文献2では、加締部によって、調心部材が抜けないように設定されるものであり、この加締部は、ローラ等の転動部材の外側継手部材への挿入のガイド部を構成するものではない。
特許文献3では、2本のピンを打ち込むことによって、隆起部を形成する。これによって、抜け止めとしつつ、内周部のピンによる盛り上げ量を、外周部のピンによる盛り上げ量よりも小さくすることで、ローラが内周側へ傾斜しても、内周側の隆起部のローラに対する接触圧が過大にならず、ローラが内側に傾いて圧入されることによって、発生する凝着を防止することができる。
しかしながら、ローラの圧入時に、ローラの転動面に表面傷が発生する可能性がある。ローラの転動面に表面傷が生じれば、この表面傷が起点となって、等速自在継手としての耐久性の低下を招くことになる。また、外側継手部材の開口端面にピンを打ち込むことによって、トラック側に隆起した形状は、外側継手部材の開口端面側が大きく盛り上がることになり、しかも、端面エッジ部が形成されることになる。このため、ローラを圧入する際に、隆起してなる隆起部における端面エッジ部にローラが接触して挿入される。従って、圧入が困難となったり、圧入できても、ローラが傾斜したり、傷ついたりするおそれがあった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みて、ローラが傾斜したり傷ついたりすることなく外側継手部材に圧入することができ、しかも、ローラの抜けを有効に防止できるトリポード型等速自在継手及びトリポード型等速自在継手の製造方法を提供するものである。
本発明のトリポード型等速自在継手は、円周方向の三等分位置に軸方向に延びるトラック溝を形成した外側継手部材と、ボス部の円周方向の三等分位置から半径方向に突出した脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に装着されたローラとを備え、このローラが前記トラック溝に収容されるトリポード型等速自在継手において、前記外側継手部材のトラック溝の開口端部に、加締め加工にて形成されてなるローラ抜け止め用の隆起部を有するとともに、この隆起部に、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面が設けられているものである。
本発明のトリポード型等速自在継手によれば、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面が設けられているので、ローラを外側継手部材に対してこのガイド面に沿って圧入することができ、ローラの傷付きを防止できる。しかも、ローラを外側継手部材に圧入した後は、隆起部にてローラの抜けを規制することができる。
前記ローラ圧入ガイド面は、ローラ圧入時にローラ外径面が最初に接触するように設定されるのが好ましい。このように設定することによって、ローラの傷付きを有効に防止できる。
ローラとトラック溝とはアンギュラコンタクト接触をなし、2点の接触点間隔内に前記隆起部が収まるように設定するのが好ましい。このように設定することによって、圧入時にローラに表面傷がついても、この接触点間隔内であり、トラック溝との接触点に表面傷が生じない。このため、ローラの表面傷を起因とした、等速自在継手としての耐久性の低下を防止できる。
前記隆起部は、ローラとトリポード部材とを有する内部部品を外側継手部材に組み付ける前に成形され、かつ、この隆起部は、通常使用時においてローラの抜けを規制し、通常使用時においては作用しないローラ抜け力の付与によってローラの抜けを許容するように設定するのが好ましい。
このように設定することによって、通常使用時においてはローラの抜けが規制され、安定したトルク伝達を行うことができる。また、ローラ抜け力を付与することによって、ローラを外側継手部材から抜き出すことができる。これによって、等速自在継手の分離・分解を容易に行うことができ、修理やメンテナンスの作業性の向上を図ることができる。
本発明のトリボード型等速自在継手の製造方法は、外側継手部材のトラック溝の開口端部にローラ抜け止め用の隆起部を有するトリポード型等速自在継手の製造方法であって、外方側の断面三角山形の凸部と、この凸部に隣接する内方側の断面三角山形の凹部とを有する加締治具を、外側継手部材の開口端面に押し当てて、この加締治具の凸部を開口端面に圧入することによって、前記凹部に嵌合する前記隆起部を形成し、前記凹部の内方側の側面にて、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面をこの隆起部の内面側に形成するものである。
加締治具を、外側継手部材の開口端面に押し当てて、この加締治具の凸部を開口端面に圧入すれば、凹部に嵌合する隆起部を形成することができる。このため、凹部に嵌合してなる隆起部は、加締治具の凹部の形状に準じるものであり、安定して正確な形状の隆起部となる。従って、ローラ圧入ガイド面も所定寸法形状のものに成形でき、ローラを外側継手部材に対してこのガイド面に沿って圧入することができ、しかも、ローラを外側継手部材に圧入した後は、隆起部にてローラの抜けを規制することができる。
前記加締治具の凸部の長手端部にテーパ形状の面取り面が形成されているのが好ましい。このように、テーパ形状の面取り面を設けることによって、凸部の外側継手部材の開口端面との接触面積を小さくでき、圧入力を小さくできる。また、テーパ形状の面取り面を設けることによって、凸部のエッジ部での応力集中を緩和できる。
本発明のトリポード型等速自在継手では、ローラを外側継手部材に対してこのガイド面に沿って圧入することができるので、ローラが傾斜したり傷ついたりすることなく外側継手部材に圧入することができる。しかも、ローラを外側継手部材に圧入した後は、隆起部にてローラの抜けを規制することができ、長期にわたって、安定したトルク伝達機能を発揮することができる。
本発明のトリポード型等速自在継手の製造方法では、安定して正確な形状の隆起部を成形することができ、ローラを外側継手部材に圧入する際には、安定して圧入することができ、ローラが傾斜したり傷ついたりすることを防止でき、しかも、ローラを外側継手部材に圧入した後は、隆起部にてローラの抜けを規制することができ、長期にわたって、安定したトルク伝達機能を発揮することができる。
本発明のトリポード型等速自在継手の要部縦断面図である。 図1に示すトリポード型等速自在継手の要部横断面図である。 図1に示すトリポード型等速自在継手の外側継手部材の端面図である。 図3の要部拡大図である。 図1に示すトリポード型等速自在継手の外側継手部材の要部拡大断面図である。 図1に示す等速自在継手の外側継手部材の隆起部を成形する前の端面図である。 隆起部を成形する加締工具にて隆起部を成形する前の拡大断面図である。 隆起部を成形する加締工具にて隆起部を成形している状態の断面図である。 隆起部を成形する加締工具にて隆起部を成形している状態の拡大断面図である。 加締工具を示し、(a)は面取り面を有さない加締工具の要部斜視図であり、(b)は面取り面を有する加締工具の要部斜視図である。 ローラを外側継手部材に圧入している状態の断面図である。 ローラを外側継手部材に圧入している状態の拡大断面図である。 従来のトリポード型等速自在継手の要部縦断面図である。 図13に示すトリポード型等速自在継手の要部横断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。図1と図2とは、本発明に係るトリポード型等速自在継手を示し、このトリポード型等速自在継手は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝1を設けると共に各トラック溝1の内側壁に互いに対向するローラ案内面1aを設けた外側継手部材2と、半径方向に突出した3つの脚軸3を備えた内側継手部材としてのトリポード部材4と、トリポード部材4の脚軸3に装着されるトルク伝達部材としてのローラユニット5とを備える。
トリポード部材4は、中心孔6aが設けられたボス部6と、このボス部6から半径方向に突出した3本の脚軸3を有する。トリポード部材4の中心孔6aに形成された雌スプライン7にシャフト8に形成された雄スプライン8aが嵌合し、止め輪9により軸方向に固定されている。
ローラユニット5は、ローラであるアウタリング10と、このアウタリング10の内側に配置されて脚軸3に外嵌されたインナリング11と、アウタリング10とインナリング11との間に介在された多数の針状ころ12とで主要部が構成されており、外側継手部材2のトラック溝1に収容されている。インナリング11の内周面は、インナリング11の軸線を含む縦断面において円弧状凸面をなす。インナリング11、針状ころ12およびアウタリング10からなるローラユニット5は、ワッシャ13,14により分離しない構造となっている。
そして、このトリポード型等速自在継手には外側継手部材2の開口部を密封するためのブーツ15が付設されている。ブーツ15は、大径端部15aと、小径端部(図示省略)と、大径端部15aと小径端部とを連結する蛇腹部15cとからなる。大径端部15aは、外側継手部材2の外径面の開口端部に形成されたブーツ装着部2bに外嵌されてブーツバンド16にて締め付けることによって、外側継手部材2に取付られる。また、小径部は、シャフト8の外径面に、形成されたブーツ装着部に外嵌されてブーツバンドにて締め付けることによって、シャフト8に取付られる。
外側継手部材2のトラック溝1の開口端部には、図3〜図5等に示すように、ローラ抜け止め用の隆起部20が設けられている。隆起部20は、各トラック溝1の各案内面1a,1aに設けている。各隆起部20は、トラック溝1の案内面1aの開口端に、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面21a(図5参照)が設けられた断面扁平三角形状の膨出部からなる。この場合、隆起部20の内面21は、開口側の前記ローラ圧入ガイド面21aと、継手開口側から継手奥側へ突隆量が少なくなる面21bとからなる。
ローラ圧入ガイド面21aの傾斜角度をθ1としては、例えば、5°≦θ1≦25°とする。
ところで、ローラ10の外周面は、縦断面(自身の軸心を含む断面、図1及び図2参照)で円弧状とされ、ローラ案内面1aとアンギュラ接触により二箇所S,S(図4参照)で接触する。ここで、接触点S,Sの間隔をAとし、隆起部20の幅寸法をBとしたときに、A>Bのように設定される。さらに、接触点S,S間のセンターライン上に、隆起部20の幅方向中央線が対応する。すなわち、2点の接触点間隔内に隆起部20が収まっている。なお、図4において、αは、トラック溝1のローラ案内面1aとローラ10の接触角を示している。
次に隆起部20の成形方法を説明する。この場合、図10(a)(b)に示すような加締治具30を用いる。加締治具30は、外方側の断面三角山形の凸部31と、この凸部31に隣接する内方側の断面三角山形の凹部32とを有する。すなわち、加締治具30は、直方体形状の本体33と、この本体33の一面(下面)33aの端部に、この凸部31と凹部32とが形成される。なお、凸部31と凹部32とで隆起部成形部Mと呼ぶことができる。
凸部31の頂点部が、アール状とされて、外側継手部材の開口端面に圧入される爪先端部31aを構成する。また、本体33の側面33cと、凸部31と凹部32とが形成された一面33aとのコーナ部には面取部が33c形成されている。
ところで、図10(a)では、凸部31の爪先端部31aの長さ寸法は本体33の厚さ方向寸法であるが、図10(b)では、凸部31の長手端部にテーパ形状の面取り面31bを形成することによって、凸部31の爪先端部31aの長さ寸法を、本体33の厚さ方向寸法よりも短く設定している。すなわち、図10(a)に示す爪先端部31aの長さ寸法をCとし、図10(b)に示す爪先端部31aの長さ寸法をDとしたときに、C>Dとなる。
この実施形態では、図9に示すように、凹部32の反凸部側の側面の傾斜角度θ1aとしては、15°程度とし、凸部31の爪先端部31aの先端縁と本体33の一面(下面)33aとを同一高さ位置としている。
このように構成された加締治具30を、図6に示すように隆起部20を成形する前の外側継手部材2の開口端面2aに図7に示すように押し当てる。この際、トラック溝1の案内面1aよりも、加締治具30の凹部32の反凸部側の開口縁が内側(トラック溝側)となるように配設する。
次に、この図7に示す状態から、図8と図9に示すように、加締治具30を外側継手部材2の開口端面2a側へ押圧する。これによって、加締治具30の凸部31が開口端面2aに食い込んでいき、開口端面2a側に凸部31に嵌合する凹部35が形成される。このため、この凹部35成形にて肉が凹部32側へ押し出され、押し出された肉が凹部32を充足して凹部32の形状を転写する形で凸部36が形成され、隆起部20が形成される。
このため、内面21が、開口側のローラ圧入ガイド面21aと、継手開口側から継手奥側へ突隆量が少なくなる面21bとからなる隆起部20が成形される。ローラ圧入ガイド面21aの傾斜角度θ1が、加締治具30の凸部31の反凹部側の側面の傾斜角度θ1aに一致し、隆起部20を、図3に示すように、各案内面1aに形成することになる。
このように、図1と図2に示すように、構成された外側継手部材2にローラ10をトラック溝1に圧入することになる。この際、図12に示すように、まず、ローラ10の外径面が、隆起部20のローラ圧入ガイド面21aに当接(接触)し、この状態からローラ10をトラック溝1内へ押し込んでいけば、相対面する案内面1a、1aを弾性変形による押し広げつつローラ10はトラック溝1内へ圧入していくことができる。
そして、図1に示すように、隆起部20をローラ10が越えれば、ローラ10の組み込みが完了する。このように、ローラ10が組み込まれた後、ローラ10が継手開口側へ移動した場合、ローラが隆起部20の面21b(図12参照)に当接して、ローラ10の外側継手部材からの抜けを規制する。
しかしながら、通常使用時においては作用しないローラ抜け力の付与によってローラの抜けを、面21bが許容する。すなわち、通常使用時においては作用しないローラ抜け力の付与によって、面21bがローラの抜けのガイド面を構成する。
本発明によれば、ローラ10を外側継手部材2に対してこのガイド面21aに沿って圧入することができるので、ローラ10が傾斜したり傷ついたりすることなく外側継手部材2に圧入することができる。しかも、ローラ10を外側継手部材2に圧入した後は、隆起部20にてローラ10の抜けを規制することができ、長期にわたって、安定したトルク伝達機能を発揮することができる。
ローラ圧入ガイド面21aは、ローラ圧入時にローラ外径面が最初に接触するように設定され、このように設定することによって、ローラ10の傷付きを有効に防止できる。また、ローラ10とトラック溝1とはアンギュラコンタクト接触をなし、2点の接触点間隔内に隆起部20が収まるように設定している。このように設定することによって、圧入時にローラに表面傷がついても、この接触点間隔内であり、トラック溝1との接触点に表面傷が生じない。このため、ローラ10の表面傷を起因とした、等速自在継手としての耐久性の低下を防止できる。
隆起部20は、ローラ10とトリポード部材4とで構成される内部部品を外側継手部材2に組み付ける前に成形され、かつ、この隆起部は、通常使用時においてローラ10の抜けを規制し、通常使用時においては作用しないローラ抜け力の付与によってローラ10の抜けを許容するように設定している。
このように設定することによって、通常使用時においてはローラ10の抜けが規制され、安定したトルク伝達を行うことができる。また、ローラ抜け力の付与によってローラ10の抜けを付与することによって、ローラ10を外側継手部材2から抜き出すことができる。これによって、等速自在継手の分離・分解を容易に行うことができ、修理やメンテナンスの作業性の向上を図ることができる。
本発明の製造方法によれば、加締治具30を、外側継手部材2の開口端面2aに押し当てて、この加締治具30の凸部31を開口端面2aに圧入すれば、凹部35に嵌合する隆起部20を形成することができる。このため、凹部35に嵌合してなる隆起部20は、加締治具30の凹部32の形状に準じるものであり、安定して正確な形状の隆起部20となる。従って、ローラ圧入ガイド面21aも所定寸法形状のものに成形でき、ローラ10を外側継手部材2に対してこのガイド面21aに沿って圧入することができ、ローラ10が傾斜したり傷ついたりすることを防止でき、しかも、ローラ10を外側継手部材2に圧入した後は、隆起部20にてローラ10の抜けを規制することができ、長期にわたって、安定したトルク伝達機能を発揮することができる。
凸部31の長手端部にテーパ形状の面取り面31bが形成されている加締治具30を用いれば、凸部31の外側継手部材2の開口端面2aとの接触面積を小さくでき、圧入力を小さくできる。また、テーパ形状の面取り面31bを設けることによって、凸部31のエッジ部での応力集中を緩和できる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、等速自在継手としては、前記実施形態では、ダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手であったが、シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手であってもよい。
加締治具30として、図10(b)に示すものでは、凸部31の長手端部にテーパ形状の面取り面31bを形成することによって、凸部31の外側継手部材2の開口端面2aとの接触面積を小さくするようにしているが、幅寸法が小さい本体33を有するものであれば、このようなテーパ形状の面取り面31bを形成することなく、凸部31の外側継手部材2の開口端面との接触面積が小さいものとなる。爪先端部31aのアールの大きさや凸部31の断面積として、凸部31の外側継手部材2の開口端面2aに食い込むことができるものであればよい。
また、加締治具30として、前記実施形態では、隆起部20を設けるための凹部31と凸部32との隆起部成形部Mを、一対備えたものであったが、一つの隆起部成形部Mを有するものであってもよく、また、本体33を、外側継手部材2の開口端面2aに対応するリング体とし、この本体33に6個の隆起部成形部Mを形成したものであってもよい。このような6個の隆起部成形部Mを備えたものを用いれば、一度に全部の隆起部20を成形することができる。
S 接触点
1 トラック溝
2 外側継手部材
2a 開口端面
3 脚軸
4 トリポード部材
6 ボス部
10 アウタリング(ローラ)
20 隆起部
21a ローラ圧入ガイド面
30 加締治具
31 凸部
31b 面取り面
32 凹部

Claims (6)

  1. 円周方向の三等分位置に軸方向に延びるトラック溝を形成した外側継手部材と、ボス部の円周方向の三等分位置から半径方向に突出した脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に装着されたローラとを備え、このローラが前記トラック溝に収容されるトリポード型等速自在継手において、
    前記外側継手部材のトラック溝の開口端部に、加締め加工にて形成されてなるローラ抜け止め用の隆起部を有するとともに、この隆起部に、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面が設けられていることを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 前記ローラ圧入ガイド面は、ローラ圧入時にローラ外径面が最初に接触するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. ローラとトラック溝とはアンギュラコンタクト接触をなし、2点の接触点間隔内に前記隆起部が収まることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記隆起部は、ローラとトリポード部材とを有する内部部品を外側継手部材に組み付ける前に成形され、かつ、この隆起部は、通常使用時においてローラの抜けを規制し、通常使用時においては作用しないローラ抜け力の付与によってローラの抜けを許容することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. 外側継手部材のトラック溝の開口端部にローラ抜け止め用の隆起部を有するトリポード型等速自在継手の製造方法であって、
    外方側の断面三角山形の凸部と、この凸部に隣接する内方側の断面三角山形の凹部とを有する加締治具を、外側継手部材の開口端面に押し当てて、この加締治具の凸部を開口端面に圧入することによって、前記凹部に嵌合する前記隆起部を形成し、前記凹部の内方側の側面にて、継手開口側から継手奥側へ突隆量が多くなるローラ圧入ガイド面をこの隆起部の内面側に形成することを特徴とするトリポード型等速自在継手の製造方法。
  6. 前記加締治具の凸部の長手端部にテーパ形状の面取り面が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のトリポード型等速自在継手の製造方法。
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KR20220005126A (ko) * 2020-07-06 2022-01-13 서한산업(주) 차량용 등속 조인트 어셈블리 및 차량용 트러니언 조인트 어셈블리, 이들의 제조방법
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