JP2008202666A - シャフト嵌合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】止め輪を必要とせず、部品管理工数の減少を図ることができ、しかも安定した抜け止め機能を発揮することができるシャフト嵌合構造を提供する。
【解決手段】内径面にスプライン29が形成された嵌合部品にシャフト3のスプライン31が嵌合したシャフト嵌合構造である。シャフト3のスプライン31は、嵌合スプライン31bと、この嵌合スプライン31bの凹凸歯と周方向にずれた凹凸歯を有する端部スプライン31aとを備える。嵌合スプライン31bを嵌合部品のスプライン29に嵌合させるとともに、端部スプライン31aを嵌合部品のスプライン29外に配置した。
【選択図】図1

Description

本発明はシャフト嵌合構造に関し、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるドライブシャフト等の嵌合構造に関する。
自動車のドライブシャフト等の連結用継手として使用されている等速自在継手(ツェパー型等速自在継手:BJ)は、内径面にトラック溝が形成された外輪と、外径面に外輪のトラック溝と対をなすトラック溝が形成された内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内径面と内輪の外径面との間に介在してボールを保持するケージとを備えている。
また、図9に示すように、内輪1の中心孔の内周面(内径面)にスプライン2を設け、この内輪1の中心孔に挿入されるシャフト3のスプライン4をこのスプライン2に係合させている。そして、シャフト3のスプライン4の端部には、凹周溝5が形成され、この凹周溝5にシャフト抜け止め用の止め輪6が嵌合され、この止め輪6が、内輪1の内径面に形成された切欠部7に係合する。このように、止め輪6及び切欠部7等でシャフト抜け止め構造が構成される。
この場合、止め輪6は縮径可能とされた状態で凹周溝5に嵌合され、この状態で、シャフト3を内輪1の中心孔に嵌入することになる。すなわち、この嵌入の際には、止め輪6は内輪1の内径面に押圧されて縮径した状態となって、シャフト3が内輪1に嵌入されていく。そして、止め輪6が切欠部7に対応した際に、止め輪6が拡径してこの切欠部7に係合する。
しかしながら、前記図9に示すシャフト抜け止め構造では、内輪1にシャフト3を連結した後は、止め輪6が内輪1の切欠部7に係合するので、シャフト3を内輪1から引き抜くことができなかった。
そこで、従来にはシャフトと内輪とを分離(分解)可能としたものがある(特許文献1〜特許文献3)。特許文献1及び特許文献2に記載のものは、シャフトを内輪に対して引き抜く方向の力を付与した場合において、止め輪が当接する面に角度を付け(ガイド面とし)、この引き抜き力の分力によって、止め輪を縮径させて引き抜きを可能としている。
また、特許文献3に記載のものは、止め輪の断面形状を非円形として、その内側面と外径面とのコーナ部にガイド面を形成している。このため、シャフトを内輪に対して引き抜く方向の力を付与した場合、ガイド面に対してこの止め輪が縮径する方向の押圧力が作用し、シャフトの引き抜きを可能としている。
特開平8−68426号公報 実公昭64−5124号公報 特開平8−145065号公報
ところが、前記特許文献1〜特許文献3に記載のようなシャフト抜け止め構造では、止め輪を必要としており、このため、この止め輪が嵌合する溝をシャフト側に形成するとともに、内輪側にはこの止め輪が係止する段差部等を形成する必要があった。
このため、従来では部品点数が多いとともに、止め輪に対応した溝等を形成する必要があり、コスト高となり、しかも組立作業性に劣ることになっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて、止め輪を必要とせず、部品管理工数の減少を図ることができ、しかも安定した抜け止め機能を発揮することができるシャフト嵌合構造を提供する。
本発明のシャフト嵌合構造は、内径面にスプラインが形成された嵌合部品にシャフトのスプラインが嵌合したシャフト嵌合構造であって、前記シャフトのスプラインは、嵌合スプラインと、この嵌合スプラインの凹凸歯と周方向にずれた凹凸歯を有する端部スプラインとを備え、嵌合スプラインを前記嵌合部品のスプラインに嵌合させるとともに、前記端部スプラインを嵌合部品のスプライン外に配置したものである。
本発明のシャフト嵌合構造では、嵌合スプラインを嵌合させるとともに、前記端部スプラインを嵌合部品のスプライン外に配置し、しかも、嵌合スプラインの凹凸歯と端部スプラインの凹凸歯とが周方向にずれているので、嵌合状態でシャフトに軸方向に沿って引き抜き力を付与したとしても、端部スプラインの凹凸歯が嵌合部品のスプラインの凹凸歯に嵌合せず、シャフトは軸方向にスライドしない。
シャフトへの捩り力付与によって、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれが解消され、前記捩り力付与の解除によってもとのずれ状態に戻るようにできる。このため、シャフトを嵌合部品に組み込む際に、シャフトに対して捩り力を付与することによって、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消した状態とすれば、端部スプラインの各凹凸歯と嵌合スプラインの各凹凸歯とが軸方向に沿って一致して嵌入が可能な状態となる。そして、この一致状態では、嵌合スプラインが嵌合部品のスプラインに嵌合する状態で、端部スプラインもこの嵌合部品のスプラインに嵌合する状態となっている。また、端部スプラインが嵌合部品のスプラインよりも軸方向外方に位置したときに、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向ずれが生じる。
シャフトへの軸方向引き抜き力付与にて、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面を嵌合部品側とシャフト側との少なくともどちらか一方に設けることができる。すなわち、シャフトに軸方向引き抜き力を付与すれば、このシャフトに端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力が発生し、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯とが、嵌合部品のスプラインの凹凸歯に嵌合した状態となって、シャフトを軸方向に沿って引き抜くことができる。このガイド面としては、例えば、シャフトの端部スプラインの嵌合スプライン側に設けることができる。
シャフトへの軸方向嵌入力付与にて、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面を嵌合部品側とシャフト側との少なくともどちらか一方に設けることができる。すなわち、シャフトに軸方向嵌入力付与すれば、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力が発生し、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯とが、嵌合部品のスプラインの凹凸歯に嵌合した状態となって、シャフトを軸方向に沿って嵌合部品に嵌入して行くことができる。このガイド面としては、例えば、前記シャフトの嵌合スプラインの端部スプライン側に設けることができる。
本発明では、端部スプラインの凹凸歯と、嵌合スプラインの凹凸歯とが周方向にずれている状態で、嵌合スプラインが嵌合部品のスプラインに嵌合しているので、この状態でシャフトに軸方向に沿って引き抜き力を付与したとしても、端部スプラインの凹凸歯が嵌合部品のスプラインに嵌合せず、シャフトは軸方向にスライドしない。このため、止め輪を用いることなく、シャフトの嵌合部品からの軸方向に沿った抜けを防止できる。
このように、このシャフト嵌合構造では、止め輪を必要としないので、部品点数及び部品管理工数減少を図ることができて、コストの低減を図ることができる。
シャフトに対して捩り力を付与することによって、端部スプラインも嵌合部品のスプラインに嵌合する状態とできる。この状態では、シャフトを軸方向に沿って嵌合部品に嵌入することができ、また、端部スプラインが嵌合部品のスプラインよりも軸方向外方に位置したときには、シャフトへの捩り力付与を解除することによって、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを生じさせて、端部スプラインと嵌合部品のスプラインとが嵌合しない状態とすることができる。このように、シャフトに対して捩り力を付与した状態でこのシャフトを嵌合部品に嵌入し、嵌入終了後、シャフトへの捩り力付与を解除することにより端部スプラインが嵌合部品のスプラインと係合して抜け止めがなされる。このため、シャフトの組み付け作業の簡略化を図ることができ、短時間で抜け止めされた状態にシャフトを嵌合部品に確実に組み付けることができる。
シャフトへの軸方向引き抜き力付与にて、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面を設けたものでは、シャフトを軸方向に沿って引っ張るのみで、シャフトを嵌合部品から引き抜くことができる。すなわち、引き抜く時にシャフトに対して捩り力を直接的に付与する必要がなく、分解(分離)作業の簡略化を図ることができる。
シャフトへの軸方向嵌入力付与にて、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面を設けたものでは、シャフトを嵌合部品に嵌入するのみで、シャフトを嵌合部品に組み込むことができる。すなわち、嵌入時にシャフトに対して捩り力を直接的に付与する必要がなく、組み付け作業の簡略化を図ることができる。
本発明に係るシャフト嵌合構造の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。
図1に示す第1実施形態のシャフト嵌合構造は、例えば等速自在継手に用いられる。等速自在継手は、第1実施形態である図1に示すように、内径面21に複数のトラック溝22が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外側継手部材としての外輪23と、外径面24に外輪23のトラック溝22と対をなす複数のトラック溝25が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内側継手部材としての内輪26と、外輪23のトラック溝22と内輪26のトラック溝25との間に介在してトルクを伝達する複数のボール27と、外輪23の内径面21と内輪26の外径面24との間に介在してボール27を保持するケージ28とを備えている。なお、ボール27はケージ28のポケット28aに保持されている。
また、内輪26の中心孔35の内周面にスプライン29を設け、この内輪26の中心孔に挿入されるシャフト3のスプライン31を係合させている。
外輪23のトラック溝22は、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に距離fだけ外輪23の開口側にずらし、内輪26のトラック溝25は、その曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23のトラック溝22の曲率中心O1と反対側の奥側に等距離fだけ離して設けている。
シャフト3のスプライン31は、このスプライン形成部の端部(先端部)側に設けられる周方向凹溝32を介して端部スプライン31aと嵌合スプライン31bとに分割される。そして、自由状態では、図2に示すように、端部スプライン31aの凹凸歯と、嵌合スプライン31bの凹凸歯とが周方向に沿ってαだけずれている。すなわち、各スプライン31a、31bは周方向に沿って交互に凹歯33a、33bと凸歯34a、34bとが配設され、端部スプライン31aの凹歯33aと嵌合スプライン31bの凹歯33bとが同一軸線上に配設されず、端部スプライン31aの凸歯34aと嵌合スプライン31bの凸歯34bとが同一軸線上に配設されない状態である。
内輪26にて構成される嵌合部品のスプライン29の凹歯と凸歯の配置ピッチは、スプライン31a、31bの凹歯33a、33bと凸歯34a、34bの配設ピッチと同一とされる。すなわち、嵌合部品のスプライン29と端部スプライン31aとは、スプライン嵌合が可能であり、嵌合部品のスプライン29と嵌合スプライン31bとはスプライン嵌合が可能であるが、端部スプライン31aと嵌合スプライン31bとは凹歯33a、33b及び凸歯34a、34bの位相がαだけずれているので、このずれている状態では、端部スプライン31aと嵌合スプライン31bとが同時に嵌合部品のスプライン29に嵌合することはない。なお、周方向凹溝32は、内輪26のスプライン29に干渉しない程度の深さとしている。
次に、前記のように構成されたシャフト3を嵌合部品である内輪26に組み付ける方法を説明する。まず、端部スプライン31aと内輪26のスプライン29とでスプライン嵌合させる。この状態で図3(a)の矢印Aで示すシャフト3に捩り力を付与する。このように、シャフト3に捩り力が付与されれば、端部スプライン31aと内輪26のスプライン29とでスプライン嵌合したまま周方向凹溝32を支点(中心)として嵌合スプライン31b側がねじれ、前記αのずれが解消される。この際、このねじれは後述するように、捩り力が解除された際に元の状態の戻るように弾性変形する必要がある。
ずれαが解消された状態では、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との位相が一致して、図3(a)に示すように、嵌合スプライン31bの凹凸歯と内輪26のスプライン29の凹凸歯との位相が一致する。すなわち、シャフト3が内輪26に嵌入可能な状態となる。そこで、図3(b)の矢印Bのように、このシャフト3を内輪25に押し込んでいく。
そして、端部スプライン31aは切欠部36に対応したときは、端部スプライン31aは自由状態となるので、前記捩り力を付与した方向と反対方向に端部スプライン31aが回動して、もとの状態、つまり、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯とが周方向にαだけずれた状態に戻る。
このように、シャフト3が元の状態に戻れば、端部スプライン31aが嵌合部品のスプライン29外に配置されて、端部スプライン31aと嵌合部品のスプライン29とがスプライン嵌合(係合)せず、矢印C方向の抜けが規制される。なお、このスプライン嵌合状態では、スプライン29の他端部29bがシャフトのスプライン31の端部37に係合して矢印B方向のスライドを規制している。
シャフト3を、外径d2が20mmで内径d1が10mmの中空シャフトとした場合、JAEL値(Johnson's Elastic Apparent limit(降伏点))が3100N・mとなる。この場合のねじれ応力τは次の数1で表される。ここで、Tはトルクを示し、τを1.6GPaで計算する。
Figure 2008202666
また、ねじれ角θは次の数2で表される。このため、3100N・m負荷時のねじれ角θは、溝32長さLが10mmときに1.5degとなる。すなわち、このようなシャフト3を使用すれば、このねじれ角θがスプラインの位相ずれαとなって、この1.5degの時に必要な捩りトルクTが3100N・mである。ここで、Gはせん断弾性係数であり、IPは断面2次極モーメントである。
Figure 2008202666
前記図1等に示す第1実記形態のシャフト嵌合構造では、端部スプライン31aの凹凸歯と、嵌合スプライン31bの凹凸歯とが周方向にずれている状態で、嵌合スプライン31bが嵌合部品のスプライン29に嵌合しているので、この状態でシャフト3に軸方向に沿って引き抜き力を付与したとしても、端部スプライン31aの凹凸歯が嵌合部品のスプライン29の凹凸歯に嵌合せず、シャフト3は軸方向にスライドしない。このため、止め輪を用いることなく、シャフト3の嵌合部品からの軸方向に沿った抜けを防止できる。
このように、このシャフト嵌合構造では、止め輪を必要としないので、部品点数及び部品管理工数減少を図ることができて、コストの低減を図ることができる。
図4は第2実施形態を示し、この場合、端部スプライン31aに、シャフト3への軸方向引き抜き力付与にて、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との周方向のずれαを解消する捩り力をシャフト3に付与するガイド面40を、端部スプライン31aに設けている。
すなわち、ガイド面40は、端部スプライン31aの周方向凹溝32側に設けられ、周方向凹溝32側からシャフト3の端面3a側に向かって拡径する。
このシャフト3であっても、内輪26に組み込む場合、図1と図2に示すシャフトと同様、シャフト3に対して捩り力を付与した状態でこのシャフト3を嵌合部品(内輪26)に嵌入することによって端部スプライン31aが嵌合部品のスプライン29と係合して、シャフト3の抜けが規制される。
また、この組込み状態から、図5に示すように、シャフト3を矢印C方向の引き抜き力Pを付与すれば、ガイド面40が内輪26のスプライン29の一端部29aに当接する。この状態からさらに、矢印C方向の引き抜き力Pを付与すれば、このガイド面40において、分力Tが発生する。この分力Tが、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との周方向のずれαを解消する捩り力となる。
これによって、端部スプライン31aの凹凸歯と内輪26の凹凸歯の嵌合が可能となって、シャフト3を矢印C方向に沿って引き抜くことができる。
このため、図4に示すシャフト嵌合構造によれば、シャフト3を軸方向に沿って引っ張るのみで、シャフト3を嵌合部品(内輪26)から引き抜くことができる。すなわち、引き抜く時にシャフトに対して捩り力を直接的に付与する必要がなく、分解(分離)作業の簡略化を図ることができる。
次に、図6は第3実施形態を示し、この場合のシャフト3の嵌合スプライン31bには、シャフト3への軸方向嵌入力付与にて、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との周方向のずれαを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面41が形成されている。
すなわち、ガイド面41は嵌合スプライン31bの周方向凹溝32側に設けられ、周方向凹溝32側から反端部スプライン側に向かって拡径する。
シャフト3を内輪26に組み込む場合、端部スプライン31aの凹凸歯を内輪26の凹凸歯に嵌合(噛合)させて、この状態で、シャフト3を矢印B方向の軸方向に沿って嵌入すれば、図7(a)に示すように、ガイド面41が内輪26のスプライン29の他端部29bに当接する。この場合、内輪26のスプライン29側がシャフト3のスプライン31に対して移動するとすれば、シャフト3の軸方向の嵌入によって、嵌入力P1が生じ、このガイド面41において、分力T1が発生する。この分力T1が、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との周方向のずれαを解消する捩り力となる。
これによって、嵌合スプライン31bの凹凸歯と内輪26のスプライン29の凹凸歯の嵌合が可能となって、図7(b)に示すように、シャフト3を矢印B方向に沿って嵌入することができる。
このため、図6に示すシャフト嵌合構造によれば、シャフト3を嵌合部品である内輪26に嵌入するのみで、シャフト3を嵌合部品に組み込むことができる。すなわち、嵌入時にシャフト3に対して捩り力を直接的に付与する必要がなく、組み付け作業の簡略化を図ることができる。
図8は第4実施形態を示し、この場合、図4に示すシャフト3と図6に示すシャフトとを組み合わせたものである。すなわち、端部スプライン31aにはガイド面40が設けられ、嵌合スプライン31bにはガイド面41が設けられている。
このため、組込み時には、シャフト3を嵌合部品である内輪26に嵌入するのみで、シャフト3を嵌合部品に組み込むことができ、また、分解時には、シャフト3を軸方向に沿って引っ張るのみで、シャフト3を嵌合部品から引き抜くことができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば前記実施形態では、引き抜き時に、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との周方向のずれαを解消する捩り力をシャフト3に付与するためのガイド面40を、端部スプライン31a側に設けたが、内輪26の内径面側に設けてもよく、端部スプライン31a側と内輪26の内径面側との両面に設けてもよい。また、組込み時に、端部スプライン31aの凹凸歯と嵌合スプライン31bの凹凸歯との周方向のずれαを解消する捩り力をシャフト3に付与するためのガイド面41を、内輪26の内径面側に設けてもよく、端部スプライン31a側と内輪26の内径面側との両面に設けてもよい。
この実施形態では、この周方向凹溝32の断面形状を半円乃至半長円形状としているが、このような形状に限るものではなく、また、周方向凹溝32の溝深さ、軸方向長さ等も、種々変更可能である。この場合、シャフト3に捩り力が付与されたときに、嵌合スプライン31bに対して端部スプライン31aがこの周方向凹溝32を介して弾性的にねじれて位相ずれαが解消され、また捩り力の付与が解除されれば、この位相ずれαが生じるものであればよい。位相ずれαとしても、前記実施形態のような1.5degに限るものではなく、使用する材質、シャフト径、周方向凹溝32の溝深さ、溝長さ等によって相違するが、種々変更できる。さらに、シャフト3としては、中空シャフトであっても、中実シャフトであってもよく、構成する材質としても、自動車のドライブシャフト等に一般的に使用されるものを用いることができる。
さらに、周方向凹溝32の配置位置としては、端部スプライン31aと嵌合スプライン31bとが形成される範囲で任意に変更できるが、例えば、端部スプライン31aの軸方向長さが3mm〜10mm程度とし、嵌合スプライン31bの軸方向長さが15mm〜40mm程度とするのが好ましい。すなわち、端部スプライン31aの軸方向長さが3mmよりも短ければ、嵌合スプライン31bとの内輪26のスプライン29との嵌合状態における抜け防止のための端部スプライン31aの係合が安定せず、端部スプライン31aの軸方向長さが10mmを越えれば、嵌合スプライン31bの軸方向長さが短くなって、嵌合スプライン31bとの内輪26のスプライン29との嵌合が安定しない。また、嵌合スプライン31bの軸方向長さが15mmよりも短ければ、嵌合スプライン31bとの内輪26のスプライン29との嵌合が安定せず、嵌合スプライン31bの軸方向長さが40mmよりも長ければ、端部スプライン31aの軸方向長さが短くなる。
また、嵌合スプライン31bに対して端部スプライン31aがこの周方向凹溝32を介して弾性的にねじれて位相ずれαが解消され、また捩り力の付与が解除されれば、この位相ずれαが生じるものであればよいので、端部スプライン31aと嵌合スプライン31bとの間に、周方向凹溝32を設けなくてもよい。この際、端部スプライン31aと嵌合スプライン31bとの間にこれらを連続形成するための傾斜スプラインを設けても、さらには、傾斜スプラインを設けることなく、端部スプライン31aと嵌合スプラインとを段差状に連続配置してもよい。
このシャフト嵌合構造の適用装置(部材)としては、等速自在継手に限るものではなく、内径面にスプラインが形成された嵌合部品にシャフトのスプラインが嵌合するものであればよい。また、等速自在継手に適用する場合、等速自在継手として、前記実施形態では、固定式(ツェパー型)等速自在継手(BJ)を例示したが、他の等速自在継手、例えば、固定式(アンダーカットフリー型)等速自在継手(UJ)、摺動式(クロスグルーブ型)等速自在継手(LJ)や摺動式(ダブルオフセット型)等速自在継手(DOJ)等であってもよい。
本発明の第1実施形態を示すシャフト嵌合構造を使用した等速自在継手の要部側面図である。 前記等速自在継手のシャフトの要部側面図である。 前記等速自在継手のシャフトの内輪への組込み方法を示し、(a)は組込み途中の側面図であり、(b)は組込み完了時の側面図である。 本発明の第2実施形態を示すシャフト嵌合構造の側面図である。 前記図4のシャフト嵌合構造の作用説明図である。 本発明の第3実施形態を示すシャフト嵌合構造のシャフトの側面図である。 前記図6のシャフト嵌合構造を示し、(a)はねじれ解消状態の説明図であり、(b)はシャフト嵌入状態の説明図である。 本発明の第4実施形態を示すシャフト嵌合構造のシャフトの側面図である。 従来のシャフト嵌合構造の側面図である。 従来のシャフト嵌合構造に使用するシャフトの側面図である。
符号の説明
29、31 スプライン
3 シャフト
31b 嵌合スプライン
31a 端部スプライン
32 周方向凹溝
40、41 ガイド面

Claims (6)

  1. 内径面にスプラインが形成された嵌合部品にシャフトのスプラインが嵌合したシャフト嵌合構造であって、前記シャフトのスプラインは、嵌合スプラインと、この嵌合スプラインの凹凸歯と周方向にずれた凹凸歯を有する端部スプラインとを備え、嵌合スプラインを前記嵌合部品のスプラインに嵌合させるとともに、前記端部スプラインを嵌合部品のスプライン外に配置したことを特徴とするシャフト嵌合構造。
  2. シャフトへの捩り力付与によって、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれが弾性的に解消されて、シャフトの嵌合部品への嵌入を可能としたことを特徴とする請求項1のシャフト嵌合構造。
  3. シャフトへの軸方向引き抜き力付与にて、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面を嵌合部品側とシャフト側との少なくともどちらか一方に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2のシャフト嵌合構造。
  4. 前記ガイド面を前記シャフトの端部スプラインの嵌合スプライン側に設けたことを特徴とする請求項3のシャフト嵌合構造。
  5. シャフトへの軸方向嵌入力付与にて、端部スプラインの凹凸歯と嵌合スプラインの凹凸歯との周方向のずれを解消する捩り力をシャフトに付与するガイド面を嵌合部品側とシャフト側との少なくともどちらか一方に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかのシャフト嵌合構造。
  6. 前記ガイド面を前記シャフトの嵌合スプラインの端部スプライン側に設けたことを特徴とする請求項5のシャフト嵌合構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103095034A (zh) * 2011-11-08 2013-05-08 罗伯特·博世有限公司 电机以及用于制造电机的方法
JP2013113331A (ja) * 2011-11-25 2013-06-10 Ntn Corp スプライン嵌合構造
JP2016169792A (ja) * 2015-03-12 2016-09-23 富士重工業株式会社 アクチュエータとシフトシャフトとの嵌合構造

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