JP2019065403A - ポリエステル系繊維材料用染色性向上剤及び分散染料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
スルホン酸塩基を有する二塩基酸成分は、ポリエステル共重合体に含まれる全二塩基酸成分単位の5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%を構成する。
またカス汚れの問題とは、染色浴と同浴で耐光向上剤や防炎剤等の機能性付与剤を処理した場合に、繊維材料に吸尽されなかった機能性付与剤が繊維表面に残留することで汚れが生じることである。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩118.4g(0.4モル)、エチレングリコール62g、 分子量600のポリエチレングリコール24g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら、150℃から230℃まで約3時間かけて昇温してエステル交換反応を行い、メタノールを系外に留出させた。次いで、チタン酸テトラブチル0.1gを加えて徐々に減圧していき、内圧を約10kPaとし、250℃で2時間反応させて、ポリエステル共重合体257gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約66.6質量%であり、分子量は11,600であった。
分子中の二塩基酸成分単位の含有量%=(OC−R−CO使用量(計算値)/得られたポリエステル共重合体量)×100
(Rは二塩基酸から2個のカルボキシル基を除いた残基)
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩118.4g(0.4モル)、エチレングリコール62g、分子量600のポリエチレングリコール2.4g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体235gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約72.7質量%であり、分子量は4,500であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩118.4g(0.4モル)、エチレングリコール62g 、分子量600のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体245gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約69.8質量%であり、分子量は7,300であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル155.4g(0.8モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩59.2g(0.2モル)、エチレングリコール62g、分子量600のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体224gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約67.1質量%であり、分子量は6,900であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル174.8g(0.9モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩29.6g(0.1モル)、エチレングリコール62g、分子量600のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体214 gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約65.5質量%であり、分子量は6,500であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩118.4g(0.4モル)、エチレングリコール62g、分子量200のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体245gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約69.8質量%であり、分子量は6,800であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩118.4g(0.4モル)、エチレングリコール62g、分子量400のポリプロピレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体245gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約69.8質量%であり、分子量は7,200であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル174.8g(0.9モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩29.6g(0.1モル)、ネオペンチルグリコール104g、分子量600のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体256gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約54.8質量%であり、分子量は6,000であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル174.8g(0.9モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩26.8g(0.1モル)、ジエチレングリコール106g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体246gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約57.0質量%であり、分子量は4,500であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、イソフタル酸49.8g(0.3モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩29.6g(0.1モル)、エチレングリコール62g、 分子量600のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体206gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約64.1質量%であり、分子量は6,700であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、アジピン酸43.8g(0.3モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩29.6g(0.1モル)、エチレングリコール62g、分子量1000のポリエチレングリコール12g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体200gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約63.0質量%であり、分子量は5,800であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル116.5g(0.6モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩 118.4g(0.4モル)、エチレングリコール62g、分子量600のポリエチレングリコール120g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体353gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約48.5質量%であり、分子量は19,500であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル77.7g(0.4モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩177.6(0.6モル)、エチレングリコール62g、分子量600のポリエチレングリコール24g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体277gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約69.0質量% であり、分子量は12,000であった。
反応容器に、テレフタル酸ジメチル155.4g(0.8モル)、5-スルホイソフタル酸ジメチル・ナトリウム塩59.2g(0.2モル)、エチレングリコール62g、分子量2000のポリエチレングリコール24g及び酢酸亜鉛0.1gを仕込んだ以外は合成例1と同様に反応させて、ポリエステル共重合体236gを得た。得られたポリエステル共重合体の二塩基酸成分単位の含有量は約63.7質量%であり、分子量は8,400であった。
合成例1〜11及び比較合成例1〜3で得られたポリエステル共重合体をそのまま実施例1〜11及び比較例1〜3の染色性向上剤とした。また、双環助剤有限公司製の分散剤MF(ナフタレンスルホン酸塩系分散剤)を比較例4の染色性向上剤とした。
得られた染色性向上剤の評価を以下のようにして行った。結果を表2に示す。
1-1.低温分散性(50℃)
300mLビーカーに、下記処方のように水、分散染料組成物1、染色性向上剤を入れ染料液を調整し、50℃で10分保持した。その後、5A濾紙(ADVANTEC製)にて染料液を濾過し、下記の基準によって評価した。その結果を表1に示す。
染料液処方
カラーペット(日本染色機械(株)製)のポットに下記染色浴処方のようにpH調整剤、分散染料組成物1、染色性向上剤と、合計が300mlとなるように水を入れ混合均一として、染色浴を調整した。布を入れずに、この染色浴を40℃より3℃/分で130℃に昇温し、同温度で30分保持した後、80℃に冷却し、5A濾紙(ADVANTEC製)にて染色浴を濾過し、下記の基準によって評価した。その結果を表1に示す。
染色浴処方
A:染料凝集物は見られず、分散性が良好(濾紙に目詰まりなし)。濾過時間0〜24秒以下。
B:染料凝集物がやや見られ、分散性がやや劣る(濾紙に目詰まり少しあり)。濾過時間25〜50秒以下。
C:染料凝集物が多く残っており、分散性が劣る(濾紙に目詰まり多い)。濾過時間50秒超。
ミニカラー染色機(テクサム技研製)のポットに、水、下記染色浴処方のようにpH調整剤、分散染料組成物1、染色性向上剤を入れ混合均一として、染色浴を調整した。次いで、ポリエステルタフタ精練布帛(30d/目付50g/m2)を、浴比=1:10(10g/100cc)になるように染色浴に投入し、この染色浴を40℃〜80℃(昇温2℃/分)⇒80℃〜130℃(昇温1℃/分) ⇒130℃x30分の温度条件で染色した。その後、80℃に降温しポットより取り出し、還元洗浄(80℃×15分、浴比=1:30)後、水洗脱水乾燥を行い、ポリエステル繊維染色布を得た。得られたポリエステル繊維染色布の染色性及び均染性について、下記の基準によって評価した。
染色処方
1)染着率:得られたポリエステル繊維染色物を分光測色計CM-3600d(コニカミノルタセンシング(株)製)により、400〜700nmのK/S値を10nmごとに求め、その積分値により染着率を評価した。なお、積分値が大きいほど、染着率が高い。各染色布について求めたK/S値を、比較例4の染色布で得られたK/S値で割った百分率を算出し、各染色布の染着率とした。
2)均染性:得られたポリエステル繊維染色物上の染色斑有無を目視判定した。
染色斑:無○、有×
染色時の加工適性を比較するために、高温高圧液流染色機:HTA-5(江蘇靖江市華泰染整製)を用い、実施例1〜11又は比較例1〜4の染色性向上剤と分散染料組成物1を添加した下記条件の処理浴に、ポリエステルジャージニットを入れ、3℃/分の速度で昇温した。比較例4を標準とし、60〜130℃までの発泡状態を評価した。
○:泡立ちが30cm未満であり、比較例4と同等レベル
△:泡立ちが30cm以上60cm未満であり、比較例4より泡立ち多い
×:泡立ちが60cm以上であり、比較例4より著しい泡立ち
の3段階評価し、泡立ちの少ないものを良と判断した。
前記2染色性試験と同様の染色条件で染色したポリエステルサテン織物を120℃×1分間乾燥した後、180℃×30秒間加熱処理した。その後室温まで冷却した後、生地上に水滴を1滴滴下して、水滴が完全に生地表面から浸透するまでの時間を測定した。吸水性のないものほど染色性向上剤の残留が無いと判断する。
合成例1〜11及び比較合成例1〜3で得られたポリエステル共重合体30g、ベンゼンアゾ系の分散染料(C.I. Disperse Red 167)30g及び、水40gを混合し、撹拌した後、サンドミルで平均粒径1μm以下になるまで分散染料を微粒子化し、液状の分散染料組成物を得た。その後、170℃にてスプレードライ法により乾燥させ、実施例12〜22及び比較例5〜7の分散染料組成物2を得た。
なお、比較例8は、ポリエステル共重合体30gに代えて、分散剤MF(ナフタレンスルホン酸塩系分散剤)30gを用いた。
比較例5と比較例7の分散染料組成物は軟固体状であった。それ以外の分散染料組成物は粉体状であった。
得られた分散染料組成物2の評価を以下のようにして行った。結果を表3にしめす。
5-1.低温分散性(50℃)
300mLビーカーに、下記処方のように水、分散染料組成物2を入れ染料液を調整し、50℃で10分保持した。その後、5A濾紙(ADVANTEC製)にて染料液を濾過し、下記の基準によって評価した。その結果を表1に示す。
染料液処方
カラーペット(日本染色機械(株)製)のポットに、下記染色処方のようにpH調整剤、分散染料組成物2と、合計が300mlとなるように水を入れ混合均一として、染色浴を調整した。布を入れずに、この染色浴を40℃より3℃/分で130℃に昇温し、同温度で30分保持した後、80℃に冷却し、5A濾紙(ADVANTEC製)にて染色浴を濾過し、下記の基準によって評価した。その結果を表1に示す。
染色浴処方
A:染料凝集物は見られず、分散性が良好(濾紙に目詰まりなし)。濾過時間0〜24秒以下。
B:染料凝集物がやや見られ、分散性がやや劣る(濾紙に目詰まり少しあり)。濾過時間25〜50秒以下。
C:染料凝集物が多く残っており、分散性が劣る(濾紙に目詰まり多い)。濾過時間50秒超。
ミニカラー染色機(テクサム技研製)のポットに、水、下記染色浴処方のようにpH調整剤、分散染料組成物2、分散均染剤を入れ混合均一として、染色浴を調整した。次いで、ポリエステルタフタ精練布帛(30d/目付50g/m2)を、浴比=1:10(10g/100cc)になるように染色浴に投入し、この染色浴を40℃〜80℃(昇温2℃/分)⇒80℃〜130℃(昇温1℃/分)⇒130℃x30分の温度条件で染色した。その後、80℃に降温しポットより取り出し、還元洗浄(80℃×15分、浴比=1:30)後、水洗脱水乾燥を行い、ポリエステル繊維染色布を得た。得られたポリエステル繊維染色布の染色性及び均染性について、下記の基準によって評価した。
染色処方
1)染着率:得られたポリエステル繊維染色物を分光測色計CM-3600d(コニカミノルタセンシング(株)製)により、400〜700nmのK/S値を10nmごとに求め、その積分値により染着率を評価した。なお、積分値が大きいほど、染着率が高い。各染色布について求めたK/S値を、比較例8の染色布で得られたK/S値で割った百分率を算出し、各染色布の染着率とした。
2)均染性: 得られたポリエステル繊維染色物上の染色斑有無を目視判定した。
染色斑: 無○、有×
染色時の加工適性を比較するために、高温高圧液流染色機: HTA-5(江蘇靖江市華泰染整製)を用い、実施例12〜22又は比較例5〜8の分散染料組成物2を添加した下記条件の処理浴に、ポリエステルジャージニットを入れ、3℃/分の速度で昇温した。比較例8を標準とし、60〜130℃までの発泡状態をと対比評価した。
染色処方
○: 比較例8と同等レベル
△: 比較例8より泡立ち多い
× : 比較例8とより著しい泡立ち
の3段階評価し、泡立ちの少ないものを良と判断した。
前記6染色性試験と同様の染色条件で染色したポリエステルサテン織物を120℃×1分間乾燥した後、180℃×30秒間加熱処理した。その後室温まで冷却した後、生地上に水滴を1滴滴下して、水滴が完全に生地表面から浸透するまでの時間を測定した。吸水性のないものほど染色性向上剤の残留が無いと判断する。
Claims (2)
- スルホン酸塩基を有する二塩基酸成分を10〜40モル%含有する二塩基酸成分単位と、分子量48〜900未満の二価アルコール由来の二価アルコール成分単位とからなるポリエステル共重合体であって、分子量が3000〜20000であり、かつ、該二塩基酸成分単位の分子内含有比率が50〜75質量%であるポリエステル共重合体、を含んでなるポリエステル系繊維材料用染色性向上剤。
- 請求項1に記載のポリエステル系繊維材料用染色性向上剤と、分散染料とを含んでなる分散染料組成物。
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