JP2019065374A - 焼却灰からの貴金属回収方法 - Google Patents

焼却灰からの貴金属回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019065374A
JP2019065374A JP2017195213A JP2017195213A JP2019065374A JP 2019065374 A JP2019065374 A JP 2019065374A JP 2017195213 A JP2017195213 A JP 2017195213A JP 2017195213 A JP2017195213 A JP 2017195213A JP 2019065374 A JP2019065374 A JP 2019065374A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
molten
recovery
molten metal
receiver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017195213A
Other languages
English (en)
Inventor
英人 前田
Hideto Maeda
英人 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Eco Systems Co Ltd
Original Assignee
Dowa Eco Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Eco Systems Co Ltd filed Critical Dowa Eco Systems Co Ltd
Priority to JP2017195213A priority Critical patent/JP2019065374A/ja
Publication of JP2019065374A publication Critical patent/JP2019065374A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】焼却灰に含有される貴金属の回収率を従来に比べ向上させる。【解決手段】焼却灰を溶融して溶融メタルと溶融スラグを含有する溶湯とし、当該溶湯が固化した後に貴金属回収用メタルを分離回収し、該貴金属回収用メタルを精製して貴金属を回収する貴金属回収方法であって、溶融メタル及び溶融スラグを含有する溶湯を受容器内に出滓し、徐冷後の前記溶融メタル及び溶融スラグを含む溶湯を固化物とした後に前記受容器から一体的に脱型させ、脱型させた固化物を破砕した後、篩選別及び磁力選別を行い、貴金属回収用メタルを分離回収することを特徴とする、貴金属回収方法が提供される。【選択図】図5

Description

本発明は、都市ごみや産業廃棄物などを焼却した際の焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収方法に関する。
一般に、都市ごみ(一般廃棄物)や産業廃棄物等は、そのままの形で埋設して処理すれば、埋設地のスペース的な問題もあって非効率的であることから、通常、焼却又は熱分解処理によって容積を縮小した形態で処分されている。即ち、焼却処理の場合にはこの処理により発生する焼却灰を、熱分解処理の場合にはこの処理により発生する熱分解残渣をそれぞれ埋立てるなどして処分している。
しかし、このように焼却灰や熱分解残渣を埋立処分しても、それ自体の経費高騰、埋立場所確保の困難性、及び焼却灰や熱分解残渣による環境汚染等の問題がある。
そこで、焼却灰の処理方法として焼却灰を溶融させて徐冷することで再利用を図る技術が創案されており、例えば特許文献1には、溶融スラグを徐冷することで、スラグの成分が同一であっても結晶化が進み、天然石と同様な石として回収でき、土建材料等としての骨材として利用できる人工骨材を製造することが可能な技術が開示されている。
また、焼却灰を溶融させる際には、焼却灰中に含有される金属を選別し回収することが望ましい。そこで、例えば特許文献2には、焼却灰を溶融させ、当該焼却灰に含有された金属を回収する際に、灰の付着が少なくて安全に金属を回収することが可能となる技術が開示されている。
特許第3280256号 特許第4508493号
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、溶融スラグの徐冷時に溶融スラグが投入される受容器の冷却効率によっては、当該溶融スラグの結晶化が不十分となり、得られた骨材の品質が劣位となることや、溶融スラグ中のメタルの回収率が十分ではないといった事情がある。また、特許文献1の設備において、受容器から骨材を脱型させる際の成功率には更なる向上の余地があり、且つ、設備の省スペース化が求められている。
また、上記特許文献2に記載の技術では、焼却灰に含有される金属の回収に関し、灰の付着を少なくし、安全性を向上させる点は記載されているものの、金属回収量の向上については記載されておらず、溶融スラグから貴金属を回収する際の選別方法には検討の余地があった。
このような事情に鑑み、本発明の目的は、焼却灰に含有される貴金属の回収率を従来に比べ向上させる技術を提供することにある。
前記の目的を達成するため、本発明によれば、焼却灰を溶融して溶融メタルと溶融スラグを含有する溶湯とし、当該溶湯が固化した後に貴金属回収用メタルを分離回収し、該貴金属回収用メタルを精製して貴金属を回収する貴金属回収方法であって、溶融メタル及び溶融スラグを含有する溶湯を受容器内に出滓し、徐冷後の前記溶融メタル及び溶融スラグを含む溶湯を固化物とした後に前記受容器から一体的に脱型させ、脱型させた固化物を破砕した後、篩選別及び磁力選別を行い、貴金属回収用メタルを分離回収することを特徴とする、貴金属回収方法が提供される。
前記受容器内に出滓された直後の溶湯が1200℃以上1500℃以下であるように該受容器の温度を制御し、前記溶湯を10℃/分以下の冷却速度で徐冷し、当該溶湯中の溶融メタルを前記受容器内の底部寄りに沈降させても良い。
前記徐冷は、前記受容器内の溶湯が1100℃を超える温度且つ10分以上100分以下で行っても良い。
前記脱型後の固化物に対して粗破砕及び磁力選別を行い、磁着物から貴金属回収用メタルを回収した後、粗破砕し磁着物を除いた固化物を更に破砕してから、篩選別及び磁力選別を行って磁着物から貴金属回収用メタルを回収しても良い。
前記篩選別は、篩目が6m〜100mmの範囲から選ばれた少なくとも3種の篩を用いても良い。
前記磁力選別は、500〜2000Gの磁力で3回以上行い、各磁力選別を前記篩選別の直後に行っても良い。
本発明によれば、焼却灰に含有される貴金属の回収率を従来に比べ向上させる技術が提供される。
本発明の実施の形態に係る貴金属回収方法を示すフローチャートである。 溶融工程を行うための装置工程の一例である焼却灰溶融設備の概略説明図である。 受容器における溶融メタルの沈降の様子を示す概略説明図である。 貴金属回収用メタルを含む固化物を受容器から脱型させた状態を示す概略説明図である。 貴金属回収用メタル回収工程を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(貴金属回収方法の概略)
先ず、図1を参照し、本発明の実施の形態に係る貴金属回収方法における各工程について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る貴金属回収方法を示すフローチャートであり、当該製造方法に含まれる各工程を順に図示したものである。図1に示すように、本実施の形態に係る貴金属回収方法は、磁選工程1、溶融工程2、冷却工程3、及び、貴金属回収用メタル回収工程9を基本的な構成とし、その他の好適な工程として、粒度選別工程1a、乾燥工程4、乾燥後磁選工程5、固化工程6、糊化工程6a、脱型工程7、排ガス処理工程11などを適宜行うことができ、当該各工程は順次連続して行われる。
なお、本明細書では、焼却灰に関し、一部異物や固化灰、バインダー等を含む場合や、それらを除去した場合や含まない場合などの種々の状態が考えられるが、それらの状態に関わらず、後工程に搬送され順次処理されていく被処理物を総称して「焼却灰S」と記載する場合がある。また、焼却灰を溶融して得られる状態のものを「溶湯」とし、この溶湯はメタル相を形成するメタル分とスラグ相を形成するスラグ分とを含み、溶湯中ではそれぞれを「溶融メタル」及び「溶融スラグ」と記載する。
(焼却灰溶融設備・溶融炉)
図2は、上記溶融工程2を行うための装置工程の一例である焼却灰溶融設備10の概略説明図である。溶融炉12は、炉頂部にある材料投入手段12aと炉体12b、排気口12c、燃焼空気供給口12d、排出口12eを備える構成とすることができる。図2に示すように、固化工程6後に固化灰、コークス、石灰石と混合され、成分調整された状態の焼却灰Sは、計量台車17によって焼却灰溶融設備10に送られ、材料投入手段12aを経て溶融炉12に投入される。焼却灰Sは、炉体12b内において溶融され、溶湯Yが得られる。この溶湯Yは溶融炉12の炉底近傍に設けられた排出口12eから抜き出すことができ、一定容量ごとに受容器40へ注入する。
原料となる焼却灰S中には、鉛や水銀などの重金属や、セシウムといった様々な有害成分が含まれているが、溶融工程2では、焼却灰Sに対し種々の成分調整や塩基度調整を行った上で高温の溶融処理を行うので、有害成分を揮発させて除去し、固化物のスラグ相は自然石に近い成分構成とすることができる。そのため、得られた人工骨材に含まれる有害成分や、重金属類の溶出を極めて少ない量に抑制し、一般廃棄物や産業廃棄物等の埋立処分による二次的な環境汚染の発生を抑え、且つ、焼却灰の有効利用が図られる。
なお、計量台車17による焼却灰Sの搬送は搬送方法の一例であり、コンベア、貯めホッパー、荷揚げバケットといった複数の搬送手段を任意に用いて焼却灰Sを移し替える(転動させる)ことで、更なる焼却灰Sの混合の効率化を図ることもできる。また、更なる混合の効率化のため、前記材料投入手段12aは原料混合機構を備えるのが良い。上述したように、ここでの焼却灰Sには、固化灰、コークス、石灰石といった種々の原料が混在しており、溶融炉12の安定操業のためには、なるべくこれら複数の原料を均一化させることが望ましい。
上述の溶湯Yで満たされた複数の受容器40は順次搬送装置20での搬送過程で内部の溶湯Yが徐冷され、固化物Y1となるように調整され、固化物Y1が得られたタイミングで受容器40より離型する。ここで、搬送装置20は、例えば環状のコンベア30上に並べて固設された多数の鉄製受容器40を設定された所定の周期で移動させるといった構成とすることができる。
即ち、搬送装置20は徐冷設備も兼ねており、溶融炉12から排出された溶湯Yを内部に貯留した状態の鉄製受容器40がコンベア30で徐冷され、溶湯Yから固化物Y1の形成を促進させることになる。後述するスラグ相とメタル相の二相構造を綺麗に発現させる観点からは、徐冷の冷却速度は毎分10℃以下であることがよい。得られた固化物Y1は、例えばフォークリフト等である搬送車両100によって後段の工程に送られる。
(冷却工程3における条件)
受容器40内へ注入された溶湯Yが、脱型まで1100℃を超える温度に維持された状態においては、溶湯Y中の溶融スラグよりも比重の大きい溶融メタルK1が受容器40の底部寄りに沈降していく。なお、溶融スラグの比重は例えば2.4〜3.0であり、溶融メタルK1の比重は例えば7.0〜8.0程度である。即ち、搬送装置20での徐冷(冷却工程3)においては、溶湯Yの徐冷時冷却速度を好適な速度とすることで、徐冷中に溶湯Y中の溶融メタルK1を受容器40の底部に沈降させ、スラグ相とメタル相の2相構造を発現させることができる。
図3は受容器40における溶融メタルK1の沈降の様子を示す概略説明図であり、(a)は沈降時の様子を示し、(b)は沈降後にスラグ相とメタル相が分離形成された様子を示している。図3に示すように、受容器40は、下方に向かって順次拡開するテーパー形状(略円錐台形状)の孔42が形成された本体部43と、当該本体部43の下方に位置する基盤部45から構成されている。基盤部45は、本体部43の下方において本体部43の下面に当接した状態と、本体部43の下面から離間分離した状態と、にすることが可能である。即ち、本体部43の下面に基盤部45を当接させた場合には孔42の下端が閉口された状態となり、本体部43と基盤部45を離間分離させた場合には孔42の下端が開口した状態となる。
図3(a)に示すように、徐冷時には、孔42の下端が閉口した状態で溶湯Y中の溶融メタルK1が、溶融スラグとの比重の違いにより沈降する。そして、沈降した溶融メタルK1は、図3(b)に示すように、孔42の底部且つ基盤部45の上面である孔底位置に溶融金属塊50として冷却後に凝固する。一方で、溶融メタルK1が沈降した後の溶湯Yは、固化物(溶融スラグ)Y1として孔42中で凝固する。
受容器40内へ出滓された溶湯Yの出滓直後の温度T2は、例えば1200℃以上1500℃以下に設定される。温度T2を1200℃未満に設定すると、溶湯Y中の溶融スラグの凝固が早く始まるために、溶融メタルK1の沈降が十分に進む前に凝固が完了してしまう恐れがある。一方で、温度T2を1500℃超に設定すると、熱効率が低下し、溶融スラグが凝固するまでに多くの時間がかかってしまう恐れがある。
また、溶湯Yの冷却速度は10℃/分以下とする。冷却速度が10℃/分超であると、溶融スラグが急速に冷却され、溶融メタルK1の沈降が十分に進む前に凝固が完了してしまう。より好ましくは冷却速度が2℃/分以上であることがよい。冷却速度が2℃/分未満であると、熱効率が低下し、溶融スラグが凝固するまでに多くの時間がかかってしまう恐れがある。
また、受容器40内へ注入された溶湯Yを、1100℃を超える温度且つ10分以上100分以下で徐冷することが好ましい。10分未満の場合、溶融メタルK1の沈降が十分に進む前に凝固が完了してしまう恐れがある。一方で、100分超の場合、熱効率が低下し、溶融スラグが凝固するまでに多くの時間をかけてしまうことがある。なお、脱型は上述の徐冷後に溶湯Yが自然冷却で固化されるタイミング(例えば800℃〜1100℃)で行えば良い。
(脱型工程7)
図4は、固化物Y1(溶融メタル(以下、貴金属回収用メタルとも呼称)K1含む)を受容器40から脱型させた状態を示す概略説明図である。図4に示すように、溶湯Yの徐冷が完了し石化状の固化物Y1となった後、基盤部45の取り外しに伴い孔42の下端が開口した状態で当該固化物Y1の脱型が行われる。基盤部45の取り外しは、例えば係止部47を図示しない係止部材によって係脱させ、基盤部45を動かすことで行われる。
固化物Y1の脱型を行った後の空の受容器40は、例えば30m/分以上の速度で空の受容器40を溶融炉12まで搬送することが可能であり、その場合、溶融炉12まで搬送されたとき、受容器40の表面温度が250℃〜800℃に保たれる。受容器40の表面温度が250℃未満となると、再び受容器40に受容された溶湯Yが急冷状態となりガラス化する恐れがある。即ち、循環機構34においては、空の受容器40の搬送を短時間で行い溶融炉12まで戻すことで、注入される溶湯の急冷が抑制され、メタル回収量の向上や、回収される骨材の品質向上等が図られる。また、空の受容器40を溶融炉まで戻したときに、表面温度が250℃〜800℃に保持される限り、特に方法は限定されず、例えば、コンベアの距離を短くしたり、コンベアを断熱材で覆ったり、加熱機構を設けたりするなど、種々の手法を用いることができる。
(貴金属回収用メタル回収工程9)
受容器40から脱型させた固化物Y1に対しては破砕や選別が行われる。ここでは、破砕や篩選別及び磁力選別が繰り返し行われ、非磁着物である人工骨材と磁着物である貴金属回収用メタルとが分離選別される。破砕や篩選別及び磁力選別は複数回繰り返し行われることが好ましく、特に篩選別と磁力選別はセットで複数回行うことが良い。また、回収された貴金属回収用メタルから公知の貴金属精製方法を用いて貴金属を回収することができる。以下では、固化物Y1から貴金属回収用メタルを回収するための貴金属回収用メタル回収工程9についてフローチャートを参照して説明する。図5は、貴金属回収用メタル回収工程9の概略を示すフローチャートである。
先ず、粗破砕工程では、脱型した固化物Y1に対し、例えば重機などを使用して粗破砕し、重機により磁力選別して、貴金属回収用メタルを回収する。これは、重機などを用いずに直接破砕機へ投入すると、粗大な貴金属回収用メタルの塊により、破砕機が破損する恐れがあるからである。
次に、粗破砕と磁選により貴金属回収用メタルを回収した後に残った固化物は、例えばジョークラッシャーのような破砕機により破砕(破砕工程)し、例えば篩目が40〜100mmの篩で篩選別(篩選別工程(1))し、500〜2000G程度の磁力で磁力選別する(磁選工程(1))ことが望ましい。篩選別工程(1)後の篩上は、破砕機(破砕工程)へ繰り返すことが望ましい。篩選別工程(1)のサイズは、必要とされる人工骨材のサイズに合わせて選定することができる。篩下の非磁着物に対しては、さらに500〜2000G程度の磁力でドラム型の磁力選別機で磁力選別(磁選工程(5))することが望ましく、この結果得られる非磁着物が人工骨材となり得る。磁着物は貴金属回収用メタルとして回収できる。同じ磁力であっても、吊下型よりもドラム型の磁力選別機の方が、貴金属回収用メタルの回収量に優れるからである。
さらに、前記磁選工程(1)後の磁着物に対して、例えば20mmの篩で篩選別(篩選別工程(2))し、篩上および篩下それぞれに対し、500〜2000G程度の磁力で磁力選別(磁選工程(2)および(3))することが望ましい。
ここで、前記20mm篩上に対する磁着物は貴金属回収用メタルとして回収し、非磁着物は破砕機(破砕工程)へ繰り返すことが望ましい。篩上の非磁着物には、スラグと貴金属回収用メタルとが分離不十分なことがあるからである。前記篩サイズが20mmを超えると、篩上から得られる貴金属回収用メタルの回収量が低下してしまうことがある。篩サイズが20mm未満だと、篩上から得られる貴金属回収用メタルの品位が低下してしまうことがある。
一方、前記20mm篩下に対する非磁着物は、溶融工程へ繰り返すことが望ましい。
続いて、前記20mm篩下に対する磁着物は、さらに6mmの篩で篩選別(篩選別工程(3))し、500〜2000G程度の磁力で磁力選別(磁選工程(4))することが望ましい。
ここで、前記6mm篩下は、貴金属回収用メタルとして回収できる。前記6mm篩上に対する非磁着物は、スラグと貴金属回収用メタルとが分離不十分のままであるため、溶融工程へ繰り返すことが望ましい。前記6mm篩上に対する磁着物は、貴金属回収用メタルとして回収することができる。篩サイズが6mm以上だと、篩上から得られる貴金属回収用メタルの回収量が低下してしまう。篩サイズが6mm未満だと、篩上から得られる貴金属回収用メタルの品位が低下してしまう。
なお、上記各磁力選別工程で用いられる吊下式磁選機においては、当該磁選機に供給する破砕物の供給高さを均一化することが好ましい。これにより磁力選別の精度が向上し、回収される貴金属の品位や回収量の向上が図られる。
以上説明した本発明技術によれば、一般廃棄物や産業廃棄物等を焼却処理した焼却灰Sを溶融炉において溶融させ、溶湯Yとなった焼却灰S中から貴金属を回収する場合に、冷却工程3や貴金属回収用メタル回収工程9の条件を好適に規定することで貴金属の回収率や回収される貴金属の品位の向上が図られる。即ち、溶湯Yの急冷を防止し、徐冷中の溶湯内での溶融メタルの沈降を効率的に進めることで、貴金属回収用メタルK1の回収率や品位を向上させることができる。また、磁選機や篩による破砕や選別を好適な条件で行うことで、固化物Y1から一体状には離脱しなかった金属粒等も回収することができるため、回収率の向上が図られる。
加えて、貴金属の回収と共に、固化物Y1中の非磁着物であるスラグ相を破砕することで、自然石に近い成分の人工骨材が製造される。
以上、本発明の実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(実施例1)
図1のフローチャートに沿って焼却灰の処理を行った。先ず、焼却灰1tに対し吊下式磁選機(型番SE−730、日本エリーズマグネティックス社製)を用いて1500Gで磁選を行い、鉄スクラップ等の磁着物を35kg除去した。
その後に、目開き25mmの篩にて粒径25mm以上の固化灰を除去した。この固化灰は溶融工程で直接溶融炉へ投入した。更に焼却灰をロータリーキルンへ投入し、120℃で60分間の乾燥処理を行った。乾燥後の焼却灰に対して2回目の磁選をドラム式磁選機(型番DPT−3040、日本磁力選鉱社製)で行い、磁着物を10kg除去した。この焼却灰に、バインダー80kg、粉コークス30kgを添加し混合してからブリケットに成型した。
そして、このブリケット450kgとコークス50kgとを混合し、溶融炉へ投入した後、溶融処理を行った。溶融炉内で得られた溶湯は炉底にある排出口から約1300℃で抜き出し、一定量ずつ受容器へ入れてから毎分10℃の冷却温度で65分間の徐冷を行い、その後1050℃になったところで固化物を得た。その後、受容器内から固化物を脱型し、図5に示すフローチャートに基づく処理を行った。即ち、小割圧砕機を取り付けた重機で粗破砕し、続けて前処理として、3000Gのマグネットを取り付けた重機で磁力選別を行い、磁着物を貴金属回収用メタルとして固形物から除いた。
非磁着物の固形物350kgを再度ジョークラッシャーで破砕し、目開き40mmの篩による篩選別工程(1)にて分離した。このときの篩上は前工程の破砕工程へ戻した。篩下は磁選工程(1)を行い、非磁着物に対しては再度磁選し(磁選工程(5))、磁着物を貴金属回収用メタルとして回収し、非磁着物を人工骨材として回収した。
次に、磁選工程(1)の磁着物に対して、目開き20mmの篩による第2の篩選別工程(篩選別工程(2))を行い、篩上及び篩下の両方について別々に磁選工程(2)及び(3)を行った。篩上の非磁着物は前述の破砕工程へ戻し、磁着物は貴金属回収用メタルとして回収した。
一方、篩選別工程(2)の篩下の非磁着物は溶融工程へ戻し、磁着物は目開き6mmの篩による篩選別工程(3)を行った。
篩選別工程(3)の篩下は貴金属回収用メタルとして回収し、篩上に対しては磁選工程(4)を行った。非磁着物は溶融工程へ戻し、磁着物は貴金属回収用メタルとして回収した。なお、磁選工程(1)〜(5)では、ドラム式磁選機を用い、全て磁力2000Gで行った。
以上の工程を、固形物の全量が貴金属回収用メタルと人工骨材として回収されるまで行った。全ての工程で得られた貴金属回収用メタルを併せて精製し金を回収した。
回収した貴金属回収用メタルの回収量は、焼却灰1トンあたり20kg、貴金属回収用メタルに含まれる金の回収量は、焼却灰1トンあたり金1.9gであった。またスラグ相を40mm程度に破砕することで、自然石に近い成分で構成される人工骨材が得られた。
(実施例2)
ドラム型磁選機による磁選工程(5)を行わず磁選工程(1)での非磁着物を人工骨材として回収した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、本実施例2の貴金属回収用メタルを得た。全ての工程で得られた貴金属回収用メタルを併せて精製し金を回収した。
貴金属回収用メタルの回収量は、焼却灰1トンあたり18kg、貴金属回収用メタルに含まれる金の回収量は、焼却灰1トンあたり金1.8gであった。
(実施例3)
磁選工程(3)を行わなかった以外は、実施例2と同様の操作を繰り返して、本実施例3の貴金属回収用メタルを得た。全ての工程で得られた貴金属回収用メタルを併せて精製し金を回収した。
貴金属回収用メタルの回収量は、焼却灰1トンあたり13kg、貴金属回収用メタルに含まれる金の回収量は、焼却灰1トンあたり金1.7gであった。
(実施例4)
磁選工程(4)、並びに篩選別工程(3)(6mm)を行わず、篩選別工程(2)(目開き20mm)の篩下を貴金属回収用メタルとして回収した以外は、実施例3と同様の操作を繰り返して、本実施例4の貴金属回収用メタルを得た。全ての工程で得られた貴金属回収用メタルを併せて精製し金を回収した。
貴金属回収用メタルの回収量は焼却灰1トンあたり11kg、貴金属回収用メタルに含まれる金の回収量は、焼却灰1トンあたり金1.4gであった。
(実施例5)
篩選別工程(2)(目開き20mm)の篩下を繰り返し溶融した以外は、実施例4と同様の操作を繰り返して、本実施例5の貴金属回収用メタルを得た。全ての工程で得られた貴金属回収用メタルを併せて精製し金を回収した。
貴金属回収用メタルの回収量は焼却灰1トンあたり10kg、貴金属回収用メタルに含まれる金の回収量は、焼却灰1トンあたり金1.2gであった。
(比較例)
篩選別工程(1)〜(3)、磁選工程(2)〜(4)を行わず、磁選工程(1)の磁着物を破砕工程に戻して、本比較例の貴金属回収用メタルと人工骨材を得た。その後、貴金属回収用メタルを精製し金を回収した。
貴金属回収用メタルの回収量は焼却灰1トンあたり6kg、貴金属回収用メタルに含まれる金の回収量は、焼却灰1トンあたり金0.7gであった。
以上、実施例1〜5及び比較例を比べて分かるように、図1や図5に示すフローチャートに基づく本発明技術を適用した場合(実施例1〜5)の貴金属回収用メタルの回収量は本発明技術を適用しない場合(比較例)に比べて多量であり、回収率の向上が図られていることが分かった。
また、金の回収量についても、本発明技術を適用した場合(実施例1〜5)、本発明技術を適用しない場合(比較例)に比べて多量となっており、回収率の向上が図られていることが分かった。
本発明は、都市ごみや産業廃棄物などを焼却した際の焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収方法に適用できる。
1…磁選工程
2…溶融工程
3…冷却工程
4…乾燥工程
5…乾燥後磁選工程
6…固化工程
6a…糊化工程
7…脱型工程
9…貴金属回収用メタル回収工程
10…焼却灰溶融設備
11…排ガス処理工程
12…溶融炉
20…搬送設備
30…コンベア
40…受容器
50…溶融金属塊
K1…溶融メタル(貴金属回収用メタル)
S…焼却灰
Y…溶湯
Y1…固化物

Claims (6)

  1. 焼却灰を溶融して溶融メタルと溶融スラグを含有する溶湯とし、当該溶湯が固化した後に貴金属回収用メタルを分離回収し、該貴金属回収用メタルを精製して貴金属を回収する貴金属回収方法であって、
    溶融メタル及び溶融スラグを含有する溶湯を受容器内に出滓し、
    徐冷後の前記溶融メタル及び溶融スラグを含む溶湯を固化物とした後に前記受容器から一体的に脱型させ、
    脱型させた固化物を破砕した後、篩選別及び磁力選別を行い、貴金属回収用メタルを分離回収することを特徴とする、貴金属回収方法。
  2. 前記受容器内に出滓された直後の溶湯が1200℃以上1500℃以下であるように該受容器の温度を制御し、
    前記溶湯を10℃/分以下の冷却速度で徐冷し、当該溶湯中の溶融メタルを前記受容器内の底部寄りに沈降させることを特徴とする、請求項1に記載の貴金属回収方法。
  3. 前記徐冷は、前記受容器内の溶湯が1100℃を超える温度且つ10分以上100分以下で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の貴金属回収方法。
  4. 前記脱型後の固化物に対して粗破砕及び磁力選別を行い、磁着物から貴金属回収用メタルを回収した後、粗破砕し磁着物を除いた固化物を更に破砕してから、篩選別及び磁力選別を行って磁着物から貴金属回収用メタルを回収することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の貴金属回収方法。
  5. 前記篩選別は、篩目が6m〜100mmの範囲から選ばれた少なくとも3種の篩を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の貴金属回収方法。
  6. 前記磁力選別は、500〜2000Gの磁力で3回以上行い、各磁力選別を前記篩選別の直後に行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の貴金属回収方法。
JP2017195213A 2017-10-05 2017-10-05 焼却灰からの貴金属回収方法 Pending JP2019065374A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017195213A JP2019065374A (ja) 2017-10-05 2017-10-05 焼却灰からの貴金属回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017195213A JP2019065374A (ja) 2017-10-05 2017-10-05 焼却灰からの貴金属回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019065374A true JP2019065374A (ja) 2019-04-25

Family

ID=66339142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017195213A Pending JP2019065374A (ja) 2017-10-05 2017-10-05 焼却灰からの貴金属回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019065374A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110252762A (zh) * 2019-05-13 2019-09-20 江苏天楹环保能源成套设备有限公司 一种混合可回收物分选系统及方法
JP2021139020A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 住友金属鉱山株式会社 廃電池からの有価金属回収方法
CN113857206A (zh) * 2021-09-17 2021-12-31 中国恩菲工程技术有限公司 生活垃圾焚烧炉渣的处理方法及系统
JP7167373B1 (ja) 2022-02-14 2022-11-08 株式会社潮来工機 焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理装置、並びに製鋼原料

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10113647A (ja) * 1996-10-09 1998-05-06 Mitsubishi Materials Corp ゴミ焼却灰からの有価金属の回収方法
JP2001232341A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Nippon Steel Corp 廃棄物中の非鉄金属資源の回収方法
JP2003089824A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Shin Meiwa Ind Co Ltd 焼却灰含有金属の回収方法
JP2014500142A (ja) * 2010-11-29 2014-01-09 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア スラグ材料からの貴重品の磁気回収

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10113647A (ja) * 1996-10-09 1998-05-06 Mitsubishi Materials Corp ゴミ焼却灰からの有価金属の回収方法
JP2001232341A (ja) * 2000-02-24 2001-08-28 Nippon Steel Corp 廃棄物中の非鉄金属資源の回収方法
JP2003089824A (ja) * 2001-09-14 2003-03-28 Shin Meiwa Ind Co Ltd 焼却灰含有金属の回収方法
JP2014500142A (ja) * 2010-11-29 2014-01-09 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア スラグ材料からの貴重品の磁気回収

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110252762A (zh) * 2019-05-13 2019-09-20 江苏天楹环保能源成套设备有限公司 一种混合可回收物分选系统及方法
JP2021139020A (ja) * 2020-03-06 2021-09-16 住友金属鉱山株式会社 廃電池からの有価金属回収方法
JP7413847B2 (ja) 2020-03-06 2024-01-16 住友金属鉱山株式会社 廃電池からの有価金属回収方法
CN113857206A (zh) * 2021-09-17 2021-12-31 中国恩菲工程技术有限公司 生活垃圾焚烧炉渣的处理方法及系统
CN113857206B (zh) * 2021-09-17 2022-12-23 中国恩菲工程技术有限公司 生活垃圾焚烧炉渣的处理方法及系统
JP7167373B1 (ja) 2022-02-14 2022-11-08 株式会社潮来工機 焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理装置、並びに製鋼原料
JP2023117923A (ja) * 2022-02-14 2023-08-24 株式会社潮来工機 焼却灰の処理方法及び焼却灰の処理装置、並びに製鋼原料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019065374A (ja) 焼却灰からの貴金属回収方法
EP2827995B1 (en) Method and system for processing slag material
Park et al. The regeneration of waste foundry sand and residue stabilization using coal refuse
JP2009056362A (ja) 焼却灰処理システム
JP2008232522A (ja) シュレッダダストの処理方法及びそのシステム
KR102227173B1 (ko) 폐주물사를 이용한 폐기물에 포함된 금속의 회수와 인공 주물사의 제조방법과 이를 통해 제조된 인공 주물사
CN103752593A (zh) 生活垃圾焚烧炉渣中重金属物质的精选和回收工艺
US3049305A (en) Process for recovering substantially clean magnetic metal pieces and magnetic oxides from steel plant debris
JP2019019346A (ja) 焼却灰からの貴金属回収方法
JPS60135533A (ja) ステンレススラグの処理方法
CN102531420B (zh) 炉渣处理工艺及装置
JP4177674B2 (ja) 自動車廃棄物の再資源化方法
CN110937835A (zh) 一种垃圾焚烧炉渣资源化利用的方法
RU2740887C2 (ru) Установка и способ утилизации отработанного огнеупорного материала
JPH0975853A (ja) シュレッダーダスト焼却灰の処理方法
JPS62172107A (ja) 焼却灰溶融処理炉の出滓方法および装置
JP2001187406A (ja) プラスチック系一般廃棄物からコークス炉原料を製造する方法
JP2001232341A (ja) 廃棄物中の非鉄金属資源の回収方法
JP2007021444A (ja) シュレッダーダストの再利用方法及び製鋼用原燃料体
JPH11300331A (ja) 廃棄物焼却残渣を原料とした砂の製造方法
JP3734224B1 (ja) 粗造粒物ロール圧潰装置
JP2019089007A (ja) 廃材料からの有価物の選別回収方法及び設備
JP2000176400A (ja) 都市ごみ処理方法
JP2002119820A (ja) 廃棄物焼却排ガスとダストの処理方法
KR200278865Y1 (ko) 알루미늄 드로스로부터 알루미늄 칩 및 Powder 제조기술

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190213

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200820

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210409

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210427

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210928

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211130