JP2019065287A - 光学用充填接合材、フレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置 - Google Patents

光学用充填接合材、フレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置 Download PDF

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Yuichi Sumii
佑一 炭井
伸宜 安井
Nobuyoshi Yasui
伸宜 安井
豊嶋 克典
Katsunori Toyoshima
克典 豊嶋
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Abstract

【課題】偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れた光学用充填接合材を提供する。また、該光学用充填接合材を含むフレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置を提供する。【解決手段】23℃におけるせん断弾性率が1MPa以上、100MPa以下である硬い層と、23℃におけるせん断弾性率が0.001MPa以上、1.0MPa未満である柔らかい層とを有する光学用充填接合材。【選択図】なし

Description

本発明は、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れた光学用充填接合材に関する。また、本発明は、該光学用充填接合材を含むフレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置に関する。
タッチパネル及び表示装置においては、部材間を固定して組み立てるため、通常、光学用粘着シートが用いられている(例えば、特許文献1、2)。光学用粘着シートには、用途に応じて、例えば、接着強度、衝撃吸収性、透明性等の性能に優れることが求められている。このような光学用粘着シートとして、例えば、アクリル共重合体を含有する粘着剤層を有する粘着シートが多用されている。
近年、表示部分が柔軟に変形するフレキシブルタイプ又はフォルダブルタイプのタッチパネル及び表示装置が開発されている(例えば、特許文献3)。
しかしながら、このようなフレキシブルタイプ又はフォルダブルタイプのタッチパネル及び表示装置に従来の光学用粘着シートを用いた場合、変形(屈曲)させた際に変形(屈曲)部分の光学用粘着シートが伸びて白化してしまう(即ち、耐屈曲性が低い)という課題がある。また、従来の光学用粘着シートには、加工性が悪いという課題もある。
特開2009−242541号公報 特開2009−258274号公報 特開2016−129017号公報
本発明は、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れた光学用充填接合材を提供することを目的とする。また、本発明は、該光学用充填接合材を含むフレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、23℃におけるせん断弾性率が1MPa以上、100MPa以下である硬い層と、23℃におけるせん断弾性率が0.001MPa以上、1.0MPa未満である柔らかい層とを有する光学用充填接合材である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、耐屈曲性を向上させるため、従来多用されているアクリル共重合体に比べて硬い材料(例えば、ポリビニルアセタール)を用いることを検討した。しかしながら、このような硬い材料は、硬すぎて変形(屈曲)しにくいうえ、被着体に対する接着強度、特に偏光板に対する接着強度が低いという課題があった。
本発明者らは、23℃におけるせん断弾性率が特定範囲に調整された硬い層と、23℃におけるせん断弾性率が特定範囲に調整された柔らかい層を有する光学用充填接合材であれば、変形(屈曲)しやすく、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光学用充填接合材は、23℃におけるせん断弾性率が1MPa以上、100MPa以下である硬い層と、23℃におけるせん断弾性率が0.001MPa以上、1.0MPa未満である柔らかい層とを有する。
上記硬い層と、上記柔らかい層とを有することにより、本発明の光学用充填接合材は、変形(屈曲)しやすく、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れる。また、本発明の光学用充填接合材は、加工性にも優れる。
なお、本発明の光学用充填接合材は、上記硬い層と、上記柔らかい層とを有していれば、2層構造であってもよいし、3層以上の構造であってもよい。上記3層以上の構造は特に限定されず、例えば、上記硬い層の両面に上記柔らかい層が積層されている構造、上記柔らかい層の両面に上記硬い層が積層されている構造等が挙げられる。なかでも、耐屈曲性を確保しつつ偏光板等の被着体に対する接着強度を充分に得る観点からは、上記硬い層の両面に上記柔らかい層が積層されている構造が好ましい。
また、本発明の光学用充填接合材は、上記柔らかい層が上記硬い層を内包又は被覆している構造、上記硬い層が上記柔らかい層を内包又は被覆している構造等であってもよい。
また、上記硬い層又は上記柔らかい層が2層以上存在する場合、それぞれの硬い層又は柔らかい層は、同じ組成であってもよいし、それぞれ異なる組成であってもよい。
上記硬い層は、23℃におけるせん断弾性率の下限が1MPa、上限が100MPaである。上記23℃におけるせん断弾性率が1MPa以上であれば、光学用充填接合材の加工性が向上する。上記23℃におけるせん断弾性率が100MPa以下であれば、光学用充填接合材が硬すぎて変形(屈曲)しにくくなることを抑制し、光学用充填接合材が被着体から剥がれることを防止することができる。上記23℃におけるせん断弾性率の好ましい下限は10MPa、好ましい上限は80MPaであり、より好ましい下限は15MPa、より好ましい上限は50MPaである。
上記柔らかい層は、23℃におけるせん断弾性率の下限が0.001MPa、上限が1.0MPa未満である。上記23℃におけるせん断弾性率が0.001MPa以上であれば、光学用充填接合材が柔らかすぎて加工性が悪くなることを抑制することができる。上記23℃におけるせん断弾性率が1.0MPa未満であれば、光学用充填接合材の偏光板等の被着体に対する接着強度が向上する。上記23℃におけるせん断弾性率の好ましい下限は0.005MPa、好ましい上限は0.7MPaであり、より好ましい下限は0.007MPa、より好ましい上限は0.5MPaである。
上記硬い層及び上記柔らかい層の23℃におけるせん断弾性率は、動的粘弾性測定装置(例えば、動的粘弾性測定装置DVA−225、アイティ計測制御社製)を用いて10Hzの周波数条件にて測定することができる。
上記硬い層を構成する材料は特に限定されず、例えば、ポリビニルアセタール、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。また、上記柔らかい層を構成する材料も特に限定されず、例えば、アクリル共重合体、ウレタン共重合体、シリコン粘着剤等が挙げられる。
なかでも、上記硬い層及び上記柔らかい層の23℃におけるせん断弾性率を上記範囲に調整するためには、上記硬い層がポリビニルアセタールを含有し、上記柔らかい層がアクリル共重合体を含有することが好ましい。その際、上記硬い層及び上記柔らかい層の23℃におけるせん断弾性率を上記範囲に調整するためには、ポリビニルアセタールの組成、平均重合度、アクリル共重合体の組成、重量平均分子量等を調整することが好ましい。
上記ポリビニルアセタールは、可塑化ポリビニルアセタールであってもよいし、可塑剤を含まないポリビニルアセタールであってもよい。なかでも、可塑化ポリビニルアセタールであることが好ましい。本明細書中、可塑化ポリビニルアセタールとは、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含有する樹脂を意味する。
上記ポリビニルアセタールは、例えば、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られたポリビニルアルコールを、触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化することにより調製することができる。上記ポリビニルアルコールの鹸化度は特に限定されないが、一般に70〜99.9モル%の範囲内にあり、鹸化度70〜99.8モル%が好ましく、80〜99.8モル%がより好ましい。
上記ポリビニルアルコールの平均重合度は特に限定されないが、好ましい下限は200、好ましい上限は4000である。上記平均重合度が200以上であると、光学用充填接合材の加工性が向上する。上記平均重合度が4000以下であれば、上記ポリビニルアルコールをアセタール化する際に溶液粘度が異常に高くなることがなく、アセタール化及び上記硬い層の成形を適切に行うことができる。上記平均重合度のより好ましい下限は600、より好ましい上限は3800であり、更に好ましい下限は800、更に好ましい上限は3600である。
また、上記平均重合度を2000以下とすることで、可塑剤の含有量の調整等により、残留応力を低減することができる。上記平均重合度のより好ましい上限は1800、更に好ましい上限は1500、特に好ましい上限は900である。
上記ポリビニルアルコールを触媒存在下でアルデヒドによりアセタール化する際には、上記ポリビニルアルコールを含む溶液を用いてもよい。上記ポリビニルアルコールを含む溶液に用いられる溶媒として、例えば、水等が挙げられる。
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般的には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。
上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、直鎖状のアルデヒドであってもよいし、分枝状のアルデヒドであってもよい。上記炭素数が1〜10のアルデヒドとして、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。即ち、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール(上記アルデヒドがn−ブチルアルデヒドである場合、上記ポリビニルアセタールをポリビニルブチラールという)を含有することが好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
上記ポリビニルアセタールの水酸基の含有率(水酸基量)の好ましい下限は16モル%、好ましい上限は45モル%である。上記水酸基量が16モル%以上であれば、上記硬い層と上記柔らかい層との密着性が向上する。上記水酸基量が45モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなる。上記水酸基量のより好ましい下限は18モル%、更に好ましい下限は20モル%、特に好ましい下限は22モル%であり、より好ましい上限は40モル%、更に好ましい上限は38モル%、更により好ましい上限は36モル%、特に好ましい上限は35モル%である。
なお、ポリビニルアセタールの水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により求めることができる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル化度(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は30モル%である。上記アセチル基量が0.1モル%以上であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセチル基量が30モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールの耐湿性が向上する。また、上記アセチル基量が30モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールを製造する際の反応効率の低下を抑制することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は0.2モル%、更に好ましい下限は0.3モル%であり、より好ましい上限は24モル%、更に好ましい上限は20モル%、更により好ましい上限は19.5モル%、特に好ましい上限は15モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセチル基量は、主鎖の全エチレン基量から、アセタール基が結合しているエチレン基量と、水酸基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
上記ポリビニルアセタールのアセチル基量を上記範囲に調整する方法として、例えば、上記ポリビニルアルコールの鹸化度を調整する方法が挙げられる。即ち、上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は、上記ポリビニルアルコールの鹸化度に依存するものであり、鹸化度が低いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は大きくなり、鹸化度が高いポリビニルアルコールを用いれば上記ポリビニルアセタールのアセチル基量は小さくなる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は50モル%、好ましい上限は85モル%である。上記アセタール化度が50モル%以上であれば、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性が高くなる。上記アセタール化度が85モル%以下であれば、上記ポリビニルアセタールを製造するために必要な反応時間を短縮できる。上記アセタール化度のより好ましい下限は54モル%、更に好ましい下限は58モル%、特に好ましい下限は60モル%である。上記アセタール化度のより好ましい上限は82モル%、更に好ましい上限は79モル%、特に好ましい上限は77モル%である。
なお、ポリビニルアセタールのアセタール化度は、アセタール基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率(モル%)で表した値である。アセタール化度は、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により、アセチル基量とビニルアルコール量(水酸基の含有率)とを測定し、得られた測定結果からモル分率を算出し、次いで、100モル%からアセチル基量とビニルアルコール量とを差し引くことにより算出されうる。
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を調整する方法として、例えば、上記アルデヒドの添加量を調整する方法が挙げられる。上記アルデヒドの添加量を少なくすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は低くなり、上記アルデヒドの添加量を多くすれば上記ポリビニルアセタールのアセタール化度は高くなる。
上記可塑剤は特に限定されず、従来公知の可塑剤を用いることができ、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記可塑剤として、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機酸エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機酸エステル可塑剤が好ましい。上記可塑剤は、液状可塑剤であることが好ましい。
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸とグリコールとの反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。上記一塩基性有機酸として、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等が挙げられる。上記グリコールとして、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとの反応によって得られたエステル化合物等が挙げられる。
上記有機酸エステル可塑剤は、下記式(1)で表されるジエステル可塑剤であることが好ましい。上記ジエステル可塑剤を用いることにより、上記硬い層の成形性が向上する。
−CO−(−R−O−)p−CO−R (1)
式(1)中、R及びRはそれぞれ炭素数5〜10(好ましくは炭素数6〜10)の有機基を表し、Rはエチレン基、イソプロピレン基又はn−プロピレン基を表し、pは3〜10の整数を表す。
上記有機酸エステル可塑剤は、具体的には例えば、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、ジヘキシルアジペート、ジオクチルアジペート、ヘキシルシクロヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ヘプチルノニルアジペート、油変性セバシン酸アルキド等が挙げられる。また、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル等が挙げられる。
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
上記可塑剤のなかでも、ジヘキシルアジペート(DHA)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(4GH)、テトラエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(4G7)及びトリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)がより好ましい。トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエートが更に好ましい。
上記ポリビニルアセタールに対する上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記ポリビニルアセタール100重量部に対する好ましい下限は5重量部、好ましい上限は75重量部である。上記含有量が5重量部以上であれば、上記硬い層の成形性が向上する。上記含有量が75重量部以下であれば、上記硬い層の透明性が充分となり、また、上記可塑剤がブリードアウトすることを抑制することができる。上記可塑剤のより好ましい下限は10重量部、更に好ましい下限は15重量部、特に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は65重量部、更に好ましい上限は55重量部、特に好ましい上限は45重量部である。
なお、上記ポリビニルアセタールによって凝集力を発生させているため、上記可塑剤の含有量は少ないほうが好ましい。即ち、上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高めて、上記可塑剤の含有量を低下させることが好ましい。これにより、被着体から発生するアウトガスによって上記硬い層で発泡することを抑えることができる。また、上記硬い層と上記柔らかい層との積層時に、上記硬い層から上記柔らかい層へ上記可塑剤が移行することを抑えることができる。
上記ポリビニルアセタールと上記可塑剤との相溶性を高める方法として、例えば、上記ポリビニルアセタールのアセタール化度を大きくする方法、アセチル基量を高くする方法が好ましい。また、上記ポリビニルアセタールの水酸基のブロック性を落とす方法も好ましい。水酸基のブロック化を抑制する方法として、熟成温度を下げる方法が好ましい。
上記硬い層中、上記ポリビニルアセタールの含有量は50重量%以上であることが好ましい。上記含有量のより好ましい下限は60重量%、更に好ましい下限は70重量%、特に好ましい下限は80重量%、最も好ましい下限は90重量%である。
上記ポリビニルアセタールの含有量の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
上記硬い層は、必要に応じて、紫外線吸収剤、接着力調整剤、粘着付与樹脂、可塑剤、乳化剤、軟化剤、微粒子、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤、界面活性剤、ワックス等の公知の添加剤を含有してもよい。
上記アクリル共重合体は、単量体成分を共重合して得られるものである。
上記単量体成分は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。更に、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等のアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。更に、例えば、メタクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等のアルキル基の炭素数が13〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。更に、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリルアミド等の官能性モノマーが挙げられる。これらの単量体成分は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、上記アクリル共重合体の粘着性が高くなることから、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ブチルが好ましい。
上記単量体成分が炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルを含有する場合、その含有量は特に限定されないが、単量体成分全体に占める好ましい下限は40重量%、好ましい上限は100重量%である。上記含有量が40重量%以上であれば、上記アクリル共重合体が充分な粘着性能を発揮できる。上記含有量のより好ましい下限は70重量%である。
上記単量体成分を共重合して上記アクリル共重合体を得るには、上記単量体成分を、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させればよい。上記単量体成分をラジカル反応させる方法、即ち、重合方法としては、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記重合開始剤は特に限定されず、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。上記有機過酸化物として、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物として、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましい上限が150万である。上記重量平均分子量が150万以下であれば、上記柔らかい層の流動性が高くなるため、変形(屈曲)しやすくなり、接着強度が高くなる。上記重量平均分子量のより好ましい上限は120万、更に好ましい上限は80万である。
上記アクリル共重合体の重量平均分子量の下限は特に限定されないが、好ましい下限は20万である。上記重量平均分子量が20万以上であれば、上記柔らかい層が適度な硬さとなって凝集力が充分となり、接着強度が高くなる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は40万である。
上記アクリル共重合体の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)は、好ましい上限が10.0である。Mw/Mnが10.0以下であれば、低分子量成分等の含有量が少なくなるため、上記柔らかい層の凝集力及び濡れ性(被着体との界面の接着強度)が高くなり、接着強度が高くなる。Mw/Mnのより好ましい上限は5.0である。
上記重量平均分子量及びMw/Mnを上記範囲に調整するためには、重合開始剤、重合温度等の重合条件を調整すればよい。
なお、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法による標準ポリスチレン換算の分子量である。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記柔らかい層は、上記アクリル共重合体を含有する場合、更に、粘着付与樹脂を含有してもよい。上記柔らかい層に粘着付与樹脂を含有させることにより、上記柔らかい層の接着強度を高めることができる。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、例えば、ロジンエステル系樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、クマロンインデン系樹脂、脂環族飽和炭化水素系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記柔らかい層の主成分(例えばアクリル共重合体等の樹脂又はポリマー)100重量部に対する好ましい下限は1重量部、好ましい上限は60重量部である。上記粘着付与樹脂の含有量が1重量部以上であれば、上記柔らかい層の接着強度が高くなる。上記粘着付与樹脂の含有量が60重量部以下であれば、上記柔らかい層が硬くなりすぎてタック性又は濡れ性(被着体との界面の接着強度)が低下することを抑制することができる。
上記柔らかい層は、接着強度を向上させる目的で、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、エポキシシラン類、アクリルシラン類、メタクリルシラン類、アミノシラン類、イソシアネートシラン類等が挙げられる。
上記柔らかい層は、遮光性を付与する目的で、着色材を含有してもよい。上記着色材は特に限定されず、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、酸化チタン等が挙げられる。なかでも、比較的安価で化学的に安定であることから、カーボンブラックが好ましい。
上記柔らかい層は、更に、必要に応じてその他の添加剤を含有してもよい。
上記柔らかい層は、ゲル分率の好ましい下限が0重量%、好ましい上限が50重量%である。上記ゲル分率が50重量%以下であれば、上記柔らかい層の流動性が高くなるため、変形(屈曲)しやすくなり、フレキシブル性が高くなる。上記ゲル分率のより好ましい下限は5重量%、より好ましい上限は30重量%であり、更に好ましい下限は10重量%、更に好ましい上限は25重量%である。
上記柔らかい層のゲル分率は、例えば、下記の方法により求めることができる。
即ち、まず、柔らかい層の重量(W)を測定する。この柔らかい層を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を110℃の条件下で2時間乾燥させる。乾燥後の残渣の重量(W)を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=W/W×100
上記柔らかい層のゲル分率を上記範囲に調整する方法は特に限定されないが、上記柔らかい層に架橋剤を添加して、上記柔らかい層の主成分(例えばアクリル共重合体等の樹脂又はポリマー)及び必要に応じて添加される上記粘着付与樹脂の分子間に架橋構造を形成し、その際の架橋剤の種類、配合量等を調整する方法が好ましい。即ち、上記柔らかい層は、架橋剤を含有することが好ましい。
上記架橋剤は特に限定されず、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記柔らかい層にイソシアネート系架橋剤が添加されることで、イソシアネート系架橋剤のイソシアネート基と上記柔らかい層の主成分及び必要に応じて添加される上記粘着付与樹脂中のアルコール性水酸基とが反応して、上記柔らかい層の架橋が緩くなる。従って、上記柔らかい層は、断続的に加わる剥離応力を分散させることができ、接着強度がより向上する。
上記架橋剤の含有量は特に限定されないが、上記柔らかい層の主成分(例えばアクリル共重合体等の樹脂又はポリマー)100重量部に対する好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が1.5重量部であり、より好ましい下限が0.1重量部、より好ましい上限が1重量部である。
上記硬い層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は15μm、好ましい上限は50μmである。上記硬い層の厚みが15μm以上であれば、光学用充填接合材の加工性が向上する。上記硬い層の厚みが50μm以下であれば、光学用充填接合材が硬すぎて変形(屈曲)しにくくなることを抑制することができ、また、フレキシブルタッチパネル又はフレキシブル表示装置に好適に用いることのできる光学用充填接合材となる。上記硬い層の厚みのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は38μmである。
上記柔らかい層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は50μmである。上記柔らかい層の厚みが10μm以上であれば、上記柔らかい層が充分な接着強度を有することができ、また、光学用充填接合材が変形(屈曲)しやすくなる。上記柔らかい層の厚みが50μm以下であれば、フレキシブルタッチパネル又はフレキシブル表示装置に好適に用いることのできる光学用充填接合材となる。上記柔らかい層の厚みのより好ましい下限は13μm、より好ましい上限は30μmである。
本発明の光学用充填接合材全体の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は0.001mm、好ましい上限は5mmである。本発明の光学用充填接合材全体の厚みが上記範囲内であれば、フレキシブルタッチパネル又はフレキシブル表示装置に好適に用いることのできる光学用充填接合材となる。本発明の光学用充填接合材全体の厚みのより好ましい下限は0.01mm、より好ましい上限は2mmである。
本発明の光学用充填接合材は、全光線透過率が90%以上、ヘイズ値が1以下であることが好ましい。上記全光線透過率及び上記ヘイズ値が上記範囲に調整されていることにより、光学用充填接合材の透明性が充分となり、フレキシブルタッチパネル又はフレキシブル表示装置に好適に用いることのできる光学用充填接合材となる。
上記全光線透過率は93%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。
上記ヘイズ値は0.7以下がより好ましく、0.5以下が更に好ましい。
本発明の光学用充填接合材は、変形(屈曲)しやすく、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れるものである。また、本発明の光学用充填接合材は、加工性にも優れるものである。このような本発明の光学用充填接合材の23℃におけるせん断弾性率は、好ましい下限が0.01MPa、好ましい上限が1.0MPaであり、より好ましい下限が0.05MPa、より好ましい上限が0.8MPaである。また、本発明の光学用充填接合材の23℃における引張弾性率は、好ましい下限が10MPa、好ましい上限が1000MPaであり、より好ましい下限が100MPa、より好ましい上限が500MPaである。
本発明の光学用充填接合材の製造方法は特に限定されず、例えば、上記硬い層の両面に上記柔らかい層が積層されている場合、下記の方法が挙げられる。
まず、ポリビニルブチラール、可塑剤及び必要に応じて配合される添加剤を含有する組成物を、押し出し法、途工法、キャスティング法、カレンダー法、プレス法等の通常の製膜法によりシート状に製膜する。
次いで、アクリル共重合体、必要に応じて架橋剤、粘着付与樹脂等に溶剤を加えてアクリル共重合体含有組成物Aを作製して、このアクリル共重合体含有組成物Aを上記硬い層の表面に塗布し、組成物中の溶剤を完全に乾燥除去して柔らかい層Aを形成する。次に、形成された柔らかい層Aの上に離型フィルムをその離型処理面が柔らかい層Aに対向した状態に重ね合わせる。
次いで、上記離型フィルムとは別の離型フィルムを用意し、この離型フィルムの離型処理面にアクリル共重合体含有組成物Bの溶液を塗布し、組成物中の溶剤を完全に乾燥除去することにより、離型フィルムの表面に柔らかい層Bが形成された積層フィルムを作製する。得られた積層フィルムを柔らかい層Aが形成された硬い層の裏面に、柔らかい層Bが硬い層の裏面に対向した状態に重ね合わせて積層体を作製する。そして、上記積層体をゴムローラ等によって加圧することによって、光学用充填接合材を得ることができる。なお、硬い層の表面に形成される柔らかい層は、硬い層の片面のみに形成されても両面に形成されてもよい。硬い層の両面に形成される柔らかい層は、同じものであっても異なるものであってもよい。
本発明の光学用充填接合材の用途は特に限定されないが、例えば、タッチパネル及び表示装置に用いることができる。なかでも、本発明の光学用充填接合材は、フレキシブルタッチパネル又はフレキシブル表示装置に好適に用いることができる。これらの場合の本発明の光学用充填接合材の形状は特に限定されず、例えば、長方形、額縁状、円形、楕円形、ドーナツ型等が挙げられる。
本発明の光学用充填接合材を含むフレキシブルタッチパネルもまた、本発明の1つである。
本発明のフレキシブルタッチパネルの構成は特に限定されず、例えば、フレキシブル基板上に少なくともディスプレイモジュール(例えば、有機ELディスプレイモジュール)、タッチパネル機能を有する透明導電フィルム(例えば、ITOフィルム)、及び、偏光板を有し、最表面が表面保護材で覆われている構成等が挙げられる。
本発明のフレキシブルタッチパネルにおいて、本発明の光学用充填接合材は、例えば、ディスプレイモジュールとタッチパネル機能を有する透明導電フィルムとを貼り合わせて固定する、タッチパネル機能を有する透明導電フィルムと表面保護材とを貼り合わせて固定する等の用途に用いられる。また、タッチパネル機能を有する透明導電フィルム同士を貼り合わせて固定する等の用途にも用いられる。
本発明の光学用充填接合材を含むフレキシブル表示装置もまた、本発明の1つである。
本発明のフレキシブル表示装置の構成は特に限定されず、例えば、フレキシブル基板上に少なくともディスプレイモジュール(例えば、有機ELディスプレイモジュール)を有し、最表面が表面保護材で覆われている構成等が挙げられる。
本発明のフレキシブル表示装置において、本発明の光学用充填接合材は、例えば、ディスプレイモジュールと表面保護材とを貼り合わせて固定する等の用途に用いられる。
本発明によれば、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れた光学用充填接合材を提供することができる。また、本発明によれば、該光学用充填接合材を含むフレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(ポリビニルブチラール1(PVB1)の製造)
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度850、鹸化度99.0モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)21gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)145gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラールが析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラールを水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラール1(PVB1)を得た。
得られたポリビニルブチラール1(PVB1)の水酸基量は31.0モル%、アセチル基量は1.0モル%、ブチラール化度は68.0モル%であった。
(ポリビニルブチラール2(PVB2)の製造)
平均重合度を1600とした以外は、ポリビニルブチラール(PVB1)と同様にして、ポリビニルブチラール2(PVB2)を得た。
得られたポリビニルブチラール2(PVB2)の水酸基量は31.0モル%、アセチル基量は1.0モル%、ブチラール化度は68.0モル%であった。
(アクリル共重合体Aの製造)
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた反応器内に、アクリル酸2−エチルヘキシルを70重量部、アクリル酸イソボルニルを20重量部、アクリル酸2−ヒドロキシエチルを10重量部と、これら単量体成分100重量部に対して酢酸エチル60重量部とを加えた。窒素ガスを30分間吹き込んで窒素置換した後、反応器を60℃に加熱した。30分後、単量体成分100重量部に対して0.12重量部のt−ヘキシルパーオキシピバレートと0.2重量部の1−ドデカンチオールとを40重量部の酢酸エチルで希釈し、得られた溶液を上記反応器内に5時間かけて滴下添加した。その後、60℃にて、滴下添加開始から8時間反応させて、固形分50重量%のアクリル共重合体Aの溶液を得た。
得られたアクリル共重合体Aについて、「2690 Separations Model」(Waters社製)を用いて、GPC法によって標準ポリスチレン換算による重量平均分子量を測定したところ、30万であった。
(アクリル共重合体Bの製造)
単量体成分100重量部に対して0.10重量部のt−ヘキシルパーオキシピバレートを用いたこと、及び、0.1重量部の1−ドデカンチオールを使用したこと以外はアクリル共重合体Aと同様にして、固形分50重量%のアクリル共重合体Bの溶液を得た。
得られたアクリル共重合体Bについて、アクリル共重合体Aと同様にして重量平均分子量を測定したところ、100万であった。
(アクリル共重合体Cの製造)
単量体成分100重量部に対して0.05重量部のt−ヘキシルパーオキシピバレートを用いたこと、及び、1−ドデカンチオールを使用しなかったこと以外はアクリル共重合体Aと同様にして、固形分50重量%のアクリル共重合体Cの溶液を得た。
得られたアクリル共重合体Cについて、アクリル共重合体Aと同様にして重量平均分子量を測定したところ、180万であった。
(実施例1)
(1)光学用充填接合材の製造
上記で得られたポリビニルブチラール1(PVB1)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)20重量部とを充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型してシート状に製膜することにより、硬い層を形成した。
アクリル共重合体Aの溶液に、アクリル共重合体Aの固形分100重量部に対して0.01重量部の「HX」(イソシアネート系架橋剤、東ソー社製)を架橋剤として添加した後、攪拌し、真空脱泡してアクリル共重合体含有組成物を得た。得られたアクリル共重合体含有組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、100℃で10分間乾燥させて組成物中の酢酸エチルを除去して、厚み15μmの柔らかい層を形成した。
得られた柔らかい層を、硬い層の片側にローラー等を用いてラミネートすることにより、硬い層の両面に柔らかい層が積層され、両面の柔らかい層の表面に離型ポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された光学用充填接合材を得た。
(2)23℃における引張弾性率の測定
動的粘弾性測定装置(DVA−200、アイティ計測制御社製)を用いて10Hzの周波数条件で光学用充填接合材、硬い層のみ、及び、柔らかい層のみの23℃における引張弾性率を測定した。
(3)23℃におけるせん断弾性率の測定
動的粘弾性測定装置(DVA−200、アイティ計測制御社製)を用いて10Hzの周波数条件で光学用充填接合材、硬い層のみ、及び、柔らかい層のみの23℃におけるせん断弾性率を測定した。
(4)光学特性(全光線透過率及びヘイズ値の測定)
光学用充填接合材を50mm×50mmに裁断し、一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出した面を、ガラス板「S9112」(松浪硝子工業社製、52mm×76mm×厚み1.1mm)に気泡が混入しないように貼り合わせた。もう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、これを試験サンプルとした。
試験サンプルの全光線透過率及びヘイズ値を、CM−3700d(コニカミノルタ社製)を用いて測定した。全光線透過率が90%以上、かつ、ヘイズ値が1以下であった場合を〇とし、これらのいずれかを満たさなかった場合を×とした。
(実施例2)
アクリル共重合体の種類を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光学用充填接合材を得た。
(比較例1)
アクリル共重合体Aの溶液に、アクリル共重合体Aの固形分100重量部に対して0.01重量部の「HX」(イソシアネート系架橋剤、東ソー社製)を架橋剤として添加した後、攪拌し、真空脱泡してアクリル共重合体含有組成物を得た。得られたアクリル共重合体含有組成物を、離型ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に塗工し、100℃で10分間乾燥させて組成物中の酢酸エチルを除去して、厚み100μmの柔らかい層を形成した。
得られた柔らかい層上に、離型処理面が柔らかい層に接するように新たに離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを重ね合わせて、硬い層を有さず、柔らかい層の表面に離型ポリエチレンテレフタレートフィルムが積層された光学用充填接合材を得た。
(比較例2)
アクリル共重合体の種類を表1に示すように変更したこと以外は比較例1と同様にして、光学用充填接合材を得た。
(比較例3)
上記で得られたポリビニルブチラール1(PVB1)100重量部と、可塑剤であるトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)20重量部とを充分に混練し、混練物を得た。得られた混練物をプレス成型機でプレス成型してシート状に製膜することにより、硬い層を形成した。これを光学用充填接合材とした。
(比較例4、5)
ポリビニルブチラール(PVB)及びアクリル共重合体の種類を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、光学用充填接合材を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた光学用充填接合材について下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)対偏光板接着力
光学用充填接合材を25mm×20cmのサイズにカットし、2kgローラーを用いて偏光板に貼り合せ、これを試験サンプルとした。
試験サンプルを貼り合せた後20分静置し、その後300mm/minの速度で180°ピール試験を行い、5N/25mm以上の粘着力が発現した場合を○とし、5N/25mm未満の粘着力であった場合を×とした。
(2)屈曲試験(耐屈曲性)
光学用充填接合材を50mm×50mmに裁断し、一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出した面に、離型処理されていないポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)を気泡が混入しないように貼り合わせた。もう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、露出した面に、離型処理されていないポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)を気泡が混入しないように貼り合わせた。これを試験サンプルとした。
試験サンプルを曲率1mmで屈曲させて、剥がれの発生の有無や、外観上の悪化が見られるかどうかを観察した。観察は、10回屈曲させた時点及び100回屈曲させた時点で行った。それぞれの時点において、剥がれの発生及び外観上の悪化がなかった場合を○とし、剥がれの発生又は白化が観察された場合を×とした。
Figure 2019065287
本発明によれば、偏光板等の被着体に対する接着強度が高く、耐屈曲性に優れた光学用充填接合材を提供することができる。また、本発明によれば、該光学用充填接合材を含むフレキシブルタッチパネル及びフレキシブル表示装置を提供することができる。

Claims (9)

  1. 23℃におけるせん断弾性率が1MPa以上、100MPa以下である硬い層と、23℃におけるせん断弾性率が0.001MPa以上、1.0MPa未満である柔らかい層とを有することを特徴とする光学用充填接合材。
  2. 光学用充填接合材の全光線透過率が90%以上、ヘイズ値が1以下であることを特徴とする請求項1記載の光学用充填接合材。
  3. 光学用充填接合材の23℃におけるせん断弾性率が0.01〜1.0MPaであることを特徴とする請求項1又は2記載の光学用充填接合材。
  4. 光学用充填接合材の23℃における引張弾性率が10〜1000MPaであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光学用充填接合材。
  5. 硬い層がポリビニルアセタールを含有し、柔らかい層がアクリル共重合体を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光学用充填接合材。
  6. 硬い層の両面に柔らかい層が積層されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光学用充填接合材。
  7. フレキシブルタッチパネル又はフレキシブル表示装置に用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学用充填接合材。
  8. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学用充填接合材を含むことを特徴とするフレキシブルタッチパネル。
  9. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学用充填接合材を含むことを特徴とするフレキシブル表示装置。
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