JP2019065213A - 発泡体基材粘着テープ、物品及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、被着体に対して良好な接着力を有し、前記表示パネル等を垂直方向から20°下向きに傾けて固定した場合でも表示パネルの歪みを抑制しながら表示パネルなどの部材の経時的なずれや落下を抑制するための粘着テープを提供することである。【解決手段】本発明は、発泡体基材の少なくとも一面にアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープであり、前記粘着剤の80℃でのせん断貯蔵弾性率G’が4.0×104〜1.5×105Paであり、前記発泡体基材の25%圧縮強度が1.0〜100.0kPaである粘着テープに関するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、有機EL表示装置や液晶表示装置をはじめとする様々な電子機器の製造場面で使用可能な粘着テープに関するものである。
粘着テープは、例えば電子機器を構成する部品の固定等の場面で広く使用されている。具体的には、前記両面粘着テープは、有機ELや液晶画像表示装置を備えた薄型テレビやパソコン、携帯電子端末、カメラなどの電子機器において画像表示装置と筐体との固定、前記電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定等に使用されている。
一方、大型の画像表示装置等には、大型の有機ELや液晶表示パネルが搭載されている。有機EL表示パネルは、発光する有機層と電極および基板から構成されており、従来の液晶表示パネルに比べても構造の薄型化が可能となる。これら表示パネルは、背面に配置される電子基盤や筐体とはフレーム状の部材を介して固定される場合が多いが、表示パネルの薄型化技術が進歩することで表示パネルの歪みによる表示ムラが生じ易くなる。このため、表示パネルの支持体となるフラットな構造部材を設置することが必要となる場合がある。
しかし、電子基盤の構造やスピーカーなどの外装部品の配置などにより表示パネルの支持体となる構造部材が配置できずに、空間が生じてしまう場合がある。そこで、前記表示パネルの背面に粘着テープを貼付し、表示パネルと電子基盤や筐体の間に生じる空間を埋めながら表示パネルを支える構造が考えられる。しかし、粘着テープを貼付することにより表示パネルにストレスが掛かると、表示パネルの歪みを引き起こす原因となるため、粘着テープによる表示パネルの歪みを抑制することが重要となる。
また、薄型テレビなどの画像表示装置では、壁に掛けて使用する場合や天井から吊り下げて使用される場合などの人の目線よりも高い位置に設置される場合があり、表示パネルが20°程度下向きに傾いた状態で設置されることを想定する必要がある。この際、前記20°程度傾いた状態で長期使用時にも表示パネルの位置ずれや落下を防止するための接着性を併せ持つ粘着テープが必要となる。
前記粘着テープ等としては、例えば被着体に貼付可能な粘着剤層とクッション性のある発泡体を備えた粘着テープが知られており、例えば特定の製造方法で得られた、粘着剤層と樹脂フィルムと、シリコーンゴムを主成分として含む発泡ゴム層とがこの順に積層されたテレビ用緩衝材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、前記粘着テープ等としては、例えば特定の製造方法で得られたポリウレタン発泡体の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、いずれの粘着テープにおいても表示パネルの歪みの抑制と接着性を両立するものではなかった。
また、前記粘着テープ等としては、例えば特定のアクリルブロック共重合体で構成された粘着組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープ(例えば、特許文献3参照。)や、せん断保持力に優れるアクリルフォーム粘着剤が知られている(例えば、特許文献4参照。)。
特許文献3及び特許文献4では、いずれの粘着テープにおいてもせん断方向への優れた保持力が発揮できることが確認されている。一方、20°傾いた状態での長期使用を想定する場合にはせん断方向の保持力とは異なる応力が粘着テープには負荷される。即ち、20°に傾いた表示パネルが粘着テープに与える荷重は、粘着テープの上部先端での剥がれ応力として集中することを考慮しなければならない。従って、特許文献3及び特許文献4はいずれも前記20°傾け使用時にも表示パネルの位置ずれや落下を防止するための接着性を有しているとは言えず、解決が望まれていた。
特開2012−047299号公報 特開2016−23247号公報 特開2016−183275号公報 特許5746828号公報
本発明が解決しようとする課題は、被着体に対して良好な接着力を有し、前記表示パネル等を垂直方向から20°下向きに傾けて固定した場合でも表示パネルの歪みを抑制しながら表示パネルなどの部材の経時的なずれや落下を抑制するための粘着テープを提供することである。
本発明者等は、発泡体基材の両面に特定の物性値を有する粘着剤層を設けたことを特徴とする粘着テープによって、前記課題を解決した。
即ち、本発明は、発泡体基材の少なくとも一面にアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープであり、前記粘着剤の80℃貯蔵弾性率が4.0×10〜1.5×10であり、前記発泡体基材の25%圧縮強度が1.0〜100.0kPaである粘着テープを提供するものである。
本発明の粘着テープは、被着体に対して良好な接着力を有し、前記表示パネル等を垂直方向から20°下向きに傾けて固定した場合でも表示パネルの歪みを抑制しながら表示パネルなどの部材の経時的なずれや落下を抑制するための粘着テープとして好適に使用することができる。
本発明の粘着テープは、発泡体基材の少なくとも一面にアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープであり、前記粘着剤の80℃貯蔵弾性率が4.0×10〜1.5×10であり、前記発泡体基材の25%圧縮強度が1.0〜100.0kPaであることを特徴とするものである。
[発泡体基材]
本発明の粘着テープにおける発泡体基材は、粘着テープの基材(中芯)の一部を構成するものである。前記発泡体基材としては、表示パネルの歪みを抑制するためのスペーサーとしての役割を果たすことで表示パネルの歪みを抑制する上で、25%圧縮強度が1.0kPa〜100.0kPaであるものを使用するが、3.0kPa〜80.0kPaであるものを使用することがより好ましく、6.0kPa〜60.0kPaであるものを使用することが更に好ましく、10.0kPa〜40.0kPaであるものを使用することがよりいっそう好ましい。25%圧縮強度が上記範囲となることで、粘着テープに表示パネルの歪みを抑制するための良好な柔軟性と反発性が得られる。なお、前記25%圧縮強さはJISK6254に準じて測定した値を指す。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、直径50mmの円形状に裁断した発泡体基材を試験装置に設置し、先端に直径50mmの円形の底面を有する治具を装着したロードセルで速度1mm/分で発泡体基材を圧縮し、元の発泡体基材の厚さの25%の厚さ分に圧縮させた際の強度を測定する。測定した強度を発泡体基材の断面積で除して得られる値である。
また、前記発泡体基材は、23℃の環境下で厚さ方向に50%圧縮させたときの圧縮残留歪みが、10%以下であるものを使用することが好ましく、7%以下であるものを使用することがより好ましく、5%以下であるものを使用することがより好ましく、4%以下であるものを使用することがさらに好ましく、3%以下であるものを使用することがよりいっそう好ましい。なお、前記圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した値を指す。具体的には、発泡体基材の厚さを測定した後、発泡体基材を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下で22時間放置する。次に、前記発泡体基材を治具から取り出し、再び発泡体基材の厚さを測定する。前記圧縮前後の発泡体基材の厚さに基づき、
[{(前記圧縮前の発泡体基材の厚さ)−(前記圧縮後の発泡体基材の厚さ)}/(前記圧縮前の発泡体基材の厚さ)]×100
によって算出する。
前記範囲の圧縮残留歪みを有する発泡体基材を使用することによって得られる粘着テープは、例えば表示パネルと筐体や電子基盤とを固定した状態で長期間放置した場合であっても、発泡体のヘタリが防止でき、柔軟性と反発性を維持するため、前記表示パネル等のズレや歪み抑制の効果を長期間にわたり持続できる。
また、前記発泡体基材は、密度が100〜1000%であるものを使用することが好ましく、120〜700%であるものを使用することがより好ましく、130〜600%であるものを使用することがさらに好ましく、140〜500%であるものを使用することがよりいっそう好ましい。なお、前記密度は、JISK6401に準じて測定した値を指す。
前記発泡体基材の厚さは、50μm〜3000μmであることが好ましく、75μm〜2500μmの範囲であることがより好ましく、100μm〜2000μmであることがさらに好ましく、150μm〜1500μmであることがよりいっそう好ましい。前記範囲の発泡体基材を使用することによって、表示パネルの歪みを好適に抑制することができ、電子基盤構造やスピーカーなどの外装部品の配置などにより表示パネルの支持体となる構造部材が配置できずに、空間が生じてしまう場合にも、前記空間のスペーサーの役割を果たす粘着テープとして好適に使用できる。
前記発泡体基材は、例えばメカニカルフロス法等によって製造することができる。ここで、メカニカルフロス法とは、空気や窒素を機械的に混合し泡立てた原料(液体)を、離型ライナーや樹脂フィルムの表面に塗布し、塗布した前記原料を加熱することで硬化させることによって発泡体基材を製造する方法である。また、前記発泡体基材は、発泡剤を含有する原料を離型ライナーや樹脂フィルムの表面に塗布し加熱硬化させる方法によって製造することもできる。
前記発泡体基材の製造方法としては、前記メカニカルフロス法を採用することが、気泡径が小さく、前記圧縮残留歪みが低い発泡体基材を得ることができるため好ましい。
また、前記発泡体基材の製造方法としては、前記原料を、本発明の粘着テープを構成する樹脂フィルムの片面に塗布し加熱硬化等させる方法を採用することが、本発明の粘着テープの生産効率を格段に向上させるうえで好ましい。
本発明に使用する発泡体基材の種類は、上記特性を実現できるものであれば特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー等からなるポリオレフィン発泡体やポリウレタン発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマー等からなるゴム発泡体等を使用でき、なかでも発泡体のヘタリを抑制する観点からポリウレタン発泡体が好ましい。
前記ウレタン発泡体に用いられるウレタン原料としては、特に限定されず一般的なポリウレタン発泡体に用いられるウレタン原料を用いることができるが、一般的にはポリオールや、ポリイソシアネート等を含有するものを使用することができる。
前記ウレタン原料に使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加MDI、イソホロンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネート等を使用することができる。また、前記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを使用することもできる。
前記ポリイソシアネートと組み合わせ使用可能なポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等を使用することができる。
また、前記ポリオールとしては、3官能ポリエーテルポリオールエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の短鎖ジオール等を、適宜選択し使用することもできる。
前記ウレタン原料としては、必要に応じて触媒を含有するものを使用することができる。
前記触媒としては、例えばスタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ニッケルアセチルアセトエート、ニッケルジアセチルアセトエート等の有機ニッケル化合物、鉄アセチルアセトエート等の有機鉄化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、フェノキシド等の金属触媒、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の3級アミン系触媒、有機酸塩等を使用することができ、有機錫化合物を使用することが好ましい。
前記触媒は、前記ポリオール100質量部に対して、0.05質量部〜2.0質量部の範囲で使用することが好ましく、0.05質量部〜1.0質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記ウレタン原料としては、必要に応じて整泡剤を含有するものを使用することができる。
前記整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡剤を使用することができ、具体的には、ジメチルシロキサン、ポリエーテルジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン等を使用することができる。なかでも、シリコーン系整泡剤としては、ポリエーテルジメチルシロキサンを使用することが好ましく、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとのブロック共重合体を使用することがより好ましい。
前記整泡剤は、前記ポリオール100質量部に対して、2質量部〜10質量部の範囲で使用することが好ましく、3質量部〜8質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記ウレタン原料としては、前記したもののほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機充填剤、無機充填剤、着色剤等の、ポリウレタンフォームの製造において一般に用いられる添加剤を適量使用することができる。
[樹脂フィルム層]
本発明の粘着テープは、前記発泡体層に加えて樹脂フィルム層を有しても良い。
本発明の粘着テープに樹脂フィルム層を構成する場合について説明する。本発明の粘着テープは、それを前記表示パネルの固定用として使用する場合、5mm程度の細幅で、50cm程度の長さに裁断され使用される場合がある。本発明の粘着テープは、前記樹脂フィルム層を有することで、その長さ方向及び幅方向への寸法安定性に優れるため、前記したような細幅に裁断された状態で使用する場合であっても、ポリウレタン発泡体の長さ方向または幅方向への伸びに起因した貼付作業性の低下や、その裁断作業性等の低下を防止することができる。また、本発明の粘着テープを適用する電子機器や表示パネルのリサイクルを行う際などには、粘着テープを剥がして部材の回収を行う。この際、前記樹脂フィルム層を備えた粘着テープとしておくことで、粘着テープを剥がす工程において、発泡体の破壊が生じた場合にも強度の高い樹脂フィルム層があることで被着体から粘着テープをはがしやすくなる。
前記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等の樹脂フィルムを使用することができる。
なかでも、前記樹脂フィルムとしては、様々な強度、平滑性、厚さ等のバリエーションが豊富で、良好な耐熱性を備えた樹脂フィルムとして知られるポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することが好ましい。
前記樹脂フィルムとしては、前記ポリウレタン発泡体や粘着剤層との密着性をより一層向上させることを目的として、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、易接着処理剤の塗布処理等の表面処理が施されたものを使用することができる。
また、前記樹脂フィルムとしては、前記ポリウレタン発泡体と接する側の面と反対側の面に、サンドマット加工の施されたものを使用することが好ましい。特に、前記粘着テープを製造するにあたり、予め前記ポリウレタン発泡体と樹脂フィルムとが積層されたものを製造し、それをロール状に巻き取った状態で一定期間保管等する場合に、前記ポリウレタン発泡体の表面と、前記樹脂フィルムの裏面との間のブロッキングを効果的に防止するうえで、前記サンドマット加工された樹脂フィルムを使用することが好ましい。
また、前記樹脂フィルムとしては、顔料や染料等の着色成分を含有するものを使用することができる。
前記樹脂フィルムの厚さは、16μm〜100μmであることが好ましく、25μm〜75μmの範囲であることがより好ましい。前記範囲の樹脂フィルムを使用することによって、好適な寸法安定性としなやかさとを備えた粘着テープを得ることができる。
[粘着剤層]
本発明の粘着テープを構成する粘着剤層は、前記発泡体基材の少なくとも片面、好ましくは両面に積層して設けられる。また、本発明の粘着テープに前記樹脂フィルム層を設ける場合には、発泡体基材と樹脂フィルム層を積層して設けた後、粘着剤層を発泡体基材の表面または樹脂フィルム層の表面または、発泡体基材と樹脂フィルム層それぞれの表面に設けられる。
前記粘着剤層に用いる粘着剤は、80℃でのせん断貯蔵弾性率G’が4.0×10Pa〜1.5×10Paであることが好ましく、5.0×10Pa〜1.4×10Paであることがより好ましく、6.0×10Pa〜1.3×10Paであることがさらに好ましく、6.5×10Pa〜1.2×10Paであることがよりいっそう好ましい。80℃でのせん断貯蔵弾性率G’が前記範囲を下回る場合は20°に傾けて使用している際に粘着テープの剥がれが生じ易い。また前記範囲を越える場合は好適な接着性が得られなくなる。
前記粘着剤層としては、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が−40℃〜20℃の範囲であるものを使用することが、前記液晶表示パネルが荷重によってズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止するうえで好ましい。−30℃〜15℃であるものを使用することがより好ましく、−20℃〜10℃であるものを使用することがさらに好ましく、−14℃〜7℃であるものを使用することが特に好ましい。
(せん断貯蔵弾性率G’と損失正接tanδの測定法)
本発明におけるせん断貯蔵弾性率G’と損失正接tanδは、5mm厚にまで重ね合わせ粘着剤を試験片とし、レオメトリックス社製粘弾性試験機アレス2kSTDに直径7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み周波数1Hzで測定した値である。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G”/G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、直径8mm、厚さ約2mmの円筒形に形成した粘着剤層を、同試験機の測定部である直径8mmのステンレス製パラレルプレートの間に挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
本発明に用いる粘着剤層に使用される粘着剤には、公知のアクリル系、ゴム系、シリコーン系などの粘着樹脂を使用することができる。そのなかでも、アクリル系重合体を含有するアクリル系粘着剤を使用することが、前記基材との密着性や、耐熱性をよりいっそう向上させることや、微量揮発成分による他部材汚染の抑制などの観点で好ましい。
前記アクリル系重合体としては、(メタ)アクリル単量体を重合して得られるものを使用することができる。前記(メタ)アクリル単量体としては、例えば(メタ)アクリレートが挙げられ、炭素原子数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを含有するものを使用することが好ましい。
前記炭素原子数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられる。
前記の(メタ)アクリレートとしては、前記したなかでも、炭素原子数4〜9のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数4〜9のアルキル基を有するアルキルアクリレートを使用することがより好ましい。
前記炭素原子数4〜9のアルキル基を有するアルキルアクリレートとしては、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、エチルアクリレートが、好適な粘着力を確保しやすいためさらに好ましい。
前記炭素原子数2〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、前記(メタ)アクリル単量体の全量に対して90質量%〜99質量%の範囲で使用することが好ましく、90質量%〜96質量%の範囲で使用することが好適な粘着力を確保しやすいためより好ましい。
前記アクリル系重合体としては、例えば水酸基、カルボキシル基、アミド基などの極性基を有するものを使用することができる。
前記アクリル系重合体は、例えば水酸基、カルボキシル基、アミド基などの極性基を有する(メタ)アクリル単量体を含有する(メタ)アクリル単量体を重合することによって製造することができる。
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのなかでも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記カルボキシル基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸又はメタクリル酸の2量体、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレートなどが挙げられる。これらのなかでも、アクリル酸を使用することが好ましい。
前記アミド基を有する(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−(パーヒドロフタルイミド−N−イル)エチルアクリレートなどが挙げられる。これらのなかでも、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリンを使用することが好ましい。
前記その他の極性基を有するビニル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
極性基を有する(メタ)アクリル単量体は、前記アクリル系重合体の製造に使用する(メタ)アクリル単量体の全量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜13質量%の範囲で使用することがより好ましく、1.5質量%〜8重量%の範囲で使用することが、凝集力、保持力、接着性を好適な範囲に調整しやすいためさらに好ましい。
前記アクリル系重合体の重量平均分子量は40万〜140万であることが好ましく、60万〜120万であることがより好ましく、65万〜100万であることが、接着力を特定範囲に調整しやすいため更に好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、東ソー株式会社製「SC8020」を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPC測定条件で測定して求めることができる。
(GPCの測定条件)
・サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:100μL
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHHR−H」
・検出器:示差屈折
前記粘着剤としては、より一層凝集力を高めるうえで、前記アクリル系重合体などのほかに、架橋剤を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤などが挙げられる。
前記架橋剤は、形成される粘着剤層のゲル分率が25質量%〜95質量%となる範囲で使用することが好ましく、30質量%〜90質量%となる範囲で使用することがより好ましく、35質量%〜85質量%となる範囲で使用することがより好ましく、40質量%〜80質量%となる範囲で使用することがより好ましく、45質量%〜75質量%となる範囲で使用することが、20°に傾けて使用する際の粘着テープの剥がれを抑制する上で好ましい。なお、本発明におけるゲル分率は、養生後の粘着剤層をトルエン中に浸漬し、24時間放置後に残った不溶分の乾燥後の質量を測定し、元の質量に対して百分率で表したものである。
前記粘着剤としては、より一層接着力を高めたい場合には粘着付与樹脂を含有するものを使用することができるが、その使用量は40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましく、10〜0質量部の範囲であることがよりいっそう好ましい。前記粘着付与樹脂は接着性を高める上では優れた効果を発揮する反面、高温特性を低下させる場合があるため、高温環境下で表示パネルが20°傾いた状態で使用することを想定した場合に粘着テープの剥がれを抑制する上では添加量が少ないことが好ましい。
前記粘着剤としては、前記以外に公知慣用の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記添加剤としては、例えば可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、難燃剤、ガラスやプラスチック製の繊維・バルーン・ビーズ、金属粉末、金属酸化物、金属窒化物などの充填剤、顔料・染料などの着色剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤などの公知のものを粘着剤組成物に任意で添加することができる。また、例えばガラス基材への接着性を向上させたい場合には、シランカップリング剤を添加することが好ましく、その添加量は粘着剤100質量部に対して、0.001質量部〜0.005質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の粘着テープの粘着剤層の形成方法としては、ロールコーター等で直接基材に粘着剤を塗布する方法や、剥離紙上にいったん粘着剤層を形成後、基材に転写する方法が用いられる。
[粘着テープ]
本発明の粘着テープの実施形態としては、例えば発泡体の片面または両面に、直接または他の層を介して粘着剤層を積層したものを基本構成とする。
また、本発明の粘着テープを構成する粘着剤層には、前記粘着剤層の保護のため剥離ライナーが積層されていてもよい。
前記離型ライナーとしては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面または両面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されたものを使用することができる。
なかでも、前記離型ライナーとしては、厚さ10μm〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙、ポリエステルフィルムの基材の片面または両面に、シリコーン系剥離処理を施されたもの等を使用することが好ましい。厚さ10μm〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙の両面に、シリコーン系剥離処理を施されたもの使用することが更に好ましい。剥離ライナーの両面に剥離処理が施されていれば、本発明の粘着テープをロール状に巻き取り、剥離ライナーと粘着剤層や発泡体層が接しても、ブロッキングすることがない。
本発明の粘着テープに樹脂フィルム層を設ける場合にも、例えば、前記発泡体基材の一方に前記樹脂フィルムが予め積層された基材を用い、前記基材の樹脂フィルムの上に、前記粘着剤を塗布し乾燥等させることによって粘着剤層を形成する直接法、または、前記離型ライナーの表面に前記粘着剤を塗布し乾燥等することによって形成された粘着剤層を、前記基材の樹脂フィルムの上に転写する方法によって製造することができる。
前記粘着剤として架橋剤を含有するものを使用する場合、前記架橋反応を進行させるうえで、粘着テープを好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは23℃〜45℃の環境下で2日間〜7日間の熟成させることが、接着性と凝集性のバランスに優れ、発泡体基材及び樹脂フィルムと粘着剤層との密着性をより一層向上できる。
[実施例1]
ポリウレタン製の発泡体1の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材1(発泡体1層:厚さ850μm、密度320kg/m、PETフィルム:厚さ50μm)を用意した。
次に、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート90.0質量部、メチルメタアクリレート5.0質量部、アクリル酸4.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチルで溶解し、それらを70℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液1を得た。
上記アクリル共重合体溶液1を固形分30%となるように酢酸エチルで希釈し、上記アクリル共重合体の固形分100質量部に対し、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)を0.6質量部添加することによって、粘着剤1を得た。
前記粘着剤1を、剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層Aを得た。
前記粘着剤層Aを、前記複合基材1を構成する発泡体1側とPETフィルム側の両面に転写し、ラミネートロールを通すことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Aのゲル分率は70質量%であった。
なお、粘着剤層のゲル分率は、下記に示す方法で測定した。
任意の剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で48時間エージングすることによって粘着剤層を形成した。それを50mm角に切り取ったものを試料とした。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
[実施例2]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート87.0質量部、シクロヘキシルアクリレート10.0質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.0質量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチルで溶解し、それらを80℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量90万のアクリル共重合体溶液2を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、シクロヘキシルメチルメタクリレート95.0質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5.0質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル1.0質量部とを酢酸エチルで溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量2万のメタクリル共重合体溶液1を得た。
前記アクリル共重合体溶液2を100質量部に、前記メタクリル共重合体溶液1を2.5質量部添加し、固形分30%となるように酢酸エチルで希釈し、固形分100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)を0.6質量部添加することによって、粘着剤2を得た。
前記粘着剤2を、剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層Bを得た。
前記粘着剤層Bを、前記複合基材1を構成する発泡体1側とPETフィルム側の両面に転写し、ラミネートロールを通すことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Bのゲル分率は55質量%であった。
[実施例3]
ポリウレタン製の発泡体2の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材2(発泡体2層:厚さ850μm、密度320kg/m、PETフィルム:厚さ50μm)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材2を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例4]
ポリウレタン製の発泡体3の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材3(発泡体3層:厚さ850μm、密度480kg/m、PETフィルム:厚さ50μm)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材3を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例5]
発泡体1層の厚みを1450μmとした以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例6]
発泡体1層の厚みを350μmとした以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例7]
ポリエチレンテレフタレートフィルムを設けなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例8]
ポリウレタン製の発泡体4の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材4(発泡体4層:厚さ850μm、密度150kg/m、PETフィルム:厚さ50μm)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材4を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[比較例1]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート 75.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート15質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら65℃まで昇温させた。次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビスイソブチロニトリル溶液4質量部(固形分2.5質量%)を添加し、攪拌下、65℃で10時間ホールドした。次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル共重合体溶液3を得た。次に、前記アクリル共重合体溶液3の100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社)5質量部と石油系粘着付与樹脂FTR6125(三井化学株式会社製)15質量部とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31%の粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.3質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤3を得た。
前記粘着剤3を、剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層Cを得た。
前記粘着剤層Bを、前記複合基材1を構成する発泡体1側とPETフィルム側の両面に転写し、ラミネートロールを通すことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Cのゲル分率は55質量%であった。
[比較例2]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート93.4質量部、酢酸ビニル3.0質量部、アクリル酸2.5質量部、N-ビニルピロリドリン1.0質量部、β-ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部のモノマー100質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、80℃で8時間重合して、重量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液4を得た。
前記アクリル共重合体溶液4の固形分100質量部に対し、ロジンエステル系樹脂A−100(荒川化学社製)を15部、重合ロジンエステル系樹脂D−135(荒川化学社製)を15部添加し、トルエンで希釈混合し固形分40%の粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)0.9質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤4を得た。
前記粘着剤4を、剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層Cを得た。
前記粘着剤層Bを、前記複合基材1を構成する発泡体1側とPETフィルム側の両面に転写し、ラミネートロールを通すことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Cのゲル分率は40質量%であった。
[比較例3]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、2−エチルヘキシリアクリレート80.0質量部、酢酸ビニル3.0質量部、アクリル酸2.5質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを酢酸エチルに溶解し、80℃で8時間重合して、重量平均分子量90万のアクリル共重合体溶液5を得た。
次に、前記アクリル共重合体溶液5を100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)2.5質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤5を得た。
前記粘着剤5を、剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工し、85℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層Cを得た。
前記粘着剤層Bを、前記複合基材1を構成する発泡体1側とPETフィルム側の両面に転写し、ラミネートロールを通すことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Cのゲル分率は91質量%であった。
[比較例4]
ポリウレタン製の発泡体4の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材5(発泡体5層:厚さ850μm、密度320kg/m、PETフィルム:厚さ50μm)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材5を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[25%圧縮強さ]
発泡体基材及び前記発泡体基材の片面にPETフィルムが積層された基材の25%圧縮強さは、JISK6254に準じて測定した。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、直径50mmの円形状に裁断した発泡体等を試験装置に設置し、先端に直径50mmの円形の底面を有する治具を装着したロードセルで速度1mm/分で発泡体基材等を圧縮し、元の発泡体基材等の厚さの25%の厚さ分を圧縮させた際の強度を測定する。測定した強度を発泡体基材等の断面積で除して求めた。
[圧縮残留歪み]
前記粘着テープの製造に使用した発泡体基材及び前記発泡体基材の片面にPETフィルムが積層された基材の圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した。具体的には、発泡体基材等の厚さを測定した後、発泡体基材等を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下に22時間放置した。
次に、前記発泡体基材等を治具から取り出し、再び発泡体基材等の厚さを測定した。前記圧縮前後の発泡体基材等の厚さを用い、以下の式に従って圧縮残留歪みを測定した。
[{(前記圧縮前の発泡体基材等の厚さ)−(前記圧縮後の発泡体基材等の厚さ)}/(前記圧縮前の発泡体基材等の厚さ)]×100
[粘着剤層のせん断貯蔵弾性率G’]
本発明におけるせん断貯蔵弾性率G’は、2mm厚にまで重ね合わせ粘着剤を試験片とし、レオメトリックス社製粘弾性試験機アレス2kSTDに直径7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み周波数1Hzで測定した値である。
[パネル歪み]
160mm×120mm×2mmのガラス板に、長さ160mm×幅10mm×深さ0.05mmの溝を作成した。ガラス板の溝付き面に粘着テープを貼付し、もう一方の粘着面に厚さ1mmの塩化ビニル板を貼付し、2kgローラーで1往復圧着したサンプルを作成した。サンプルの塩化ビニル板面が上になるように水平な台に置き、塩化ビニル面に映りこむ蛍光灯の歪み程度を目視で評価した。
◎:塩化ビニル面に対して30°以下の角度から目視観察した場合に、
映りこんだ蛍光灯に波打ち状の歪みがあることが確認できる。
○:塩化ビニル面に対して45°以下の角度から目視観察した場合に、
映りこんだ蛍光灯に波打ち状の歪みがあることが確認できる。
△:塩化ビニル面に対して75°以下の角度で目視観察した場合に、
映りこんだ蛍光灯に波打ち状の歪みがあることが確認できる。
×:塩化ビニル面に対して90°〜75°の角度で目視観察した場合にも、
映りこんだ蛍光灯に波打ち状の歪みがあることが確認できる。
[傾斜保持力]
厚さ0.4mmのアルミ板で裏打ちした前記粘着テープ(サイズ:25mm×25mm)を作成し、もう一方の粘着面を厚さ1.0mmのガラス板に貼付した。前記ガラス板をアルミ付き粘着テープが下となるように20°傾け、アルミ板の中央に荷重150gをかけ、80°環境下に放置した。落下するまでの時間を測定した。300時間以上経過しても粘着テープが落下しなかった場合に○、150時間以上300時間未満で粘着テープが落下した場合を△、150時間以前に落下した場合に×と表記した。
Figure 2019065213
Figure 2019065213
Figure 2019065213

Claims (6)

  1. 発泡体基材の少なくとも一面にアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープであり、前記粘着剤の80℃でのせん断貯蔵弾性率G’が4.0×10〜1.5×10Paであり、前記発泡体基材の25%圧縮強度が1.0〜100.0kPaである粘着テープ。
  2. 前記粘着剤のゲル分率が25質量%〜85質量%である請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記発泡体基材の圧縮残留歪が10%以下である請求項1又2に記載の粘着テープ。
  4. 前記発泡体基材の密度が100〜1000kg/mである請求項1〜3の何れか1項に記載の粘着テープ。
  5. 樹脂フィルム層を更に有する請求項1〜4の何れか1項に記載の粘着テープ。
  6. 請求項1〜5記載の粘着テープを使用した電子機器。
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