JP2018145323A - 粘着テープ、滑り防止材、液晶表示モジュール及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明が解決しようとする課題は、被着体に対して良好な接着力を有し、前記液晶表示パネル等の物品の経時的なズレを引き起こすことがなく、かつ、気温の変化などにより生じた前記液晶表示装置の微小な寸法変化に対し、液晶パネルを過度に拘束することなく、前記液晶表示装置の微小な寸法変化によって生じた歪みを開放することができる適度な滑り防止性を有し、かつ、貼付作業性に優れた粘着テープを提供することである。
【解決手段】本発明は、ポリウレタン発泡体の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有し、前記ポリウレタン発泡体表面の平均表面粗さRaが1000〜3000nmであることを特徴とする粘着テープである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、ポリウレタン発泡体の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有し、前記ポリウレタン発泡体表面の平均表面粗さRaが1000〜3000nmであることを特徴とする粘着テープである。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置をはじめとする様々な電子機器の製造場面で使用可能な粘着テープに関するものである。
粘着テープは、例えば電子機器を構成する部品の固定等の場面で広く使用されている。具体的には、前記両面粘着テープは、携帯電子端末、カメラ、パソコンなどの小型電子機器を構成する画像表示部の保護パネルと筐体との固定、前記小型電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定等に使用されている。
一方、大型の液晶表示装置等には、大型の液晶表示パネルが搭載されている。液晶表示パネルは、通常、バックライトユニットの前面に、フレーム部材等を介して設置される。その際、前記液晶表示パネルは、前記フレーム部材に直接、固定されるのではなく、前記フレーム部材に貼付されたクッション材または滑り防止材の表面に接した状態で、その位置が保持されることが多い。そのため、前記クッション材には、フレーム部材に対する良好な接着性とともに、前記液晶表示パネル等のズレを防止可能なレベルの適度なクッション性と滑り防止性(グリップ性)とが求められている。
一方、大型の液晶表示装置等には、大型の液晶表示パネルが搭載されている。液晶表示パネルは、通常、バックライトユニットの前面に、フレーム部材等を介して設置される。その際、前記液晶表示パネルは、前記フレーム部材に直接、固定されるのではなく、前記フレーム部材に貼付されたクッション材または滑り防止材の表面に接した状態で、その位置が保持されることが多い。そのため、前記クッション材には、フレーム部材に対する良好な接着性とともに、前記液晶表示パネル等のズレを防止可能なレベルの適度なクッション性と滑り防止性(グリップ性)とが求められている。
前記クッション材等としては、例えば前記フレーム部材等の被着体に貼付可能な粘着剤層とクッション層とを備えた粘着テープが知られており、例えば特定の製造方法で得られた、粘着剤層と樹脂フィルムと、シリコーンゴムを主成分として含む発泡ゴム層とがこの順に積層されたテレビ用緩衝材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、シリコーンゴムを含む層は、比較的高温環境下に長期間おかれた場合に、油成分等のブリードアウトを引き起こす場合があった。前記ブリードアウトは、前記液晶表示パネルの汚染を引き起こし、その結果、液晶表示装置に表示される映像の鮮明性を損なうという不具合を引き起こす場合があった。
しかし、シリコーンゴムを含む層は、比較的高温環境下に長期間おかれた場合に、油成分等のブリードアウトを引き起こす場合があった。前記ブリードアウトは、前記液晶表示パネルの汚染を引き起こし、その結果、液晶表示装置に表示される映像の鮮明性を損なうという不具合を引き起こす場合があった。
また、前記クッション材等のクッション性を備えた粘着テープは、概ね5mm程度の細幅で、50cm程度の長さに裁断され、それを、前記フレーム部材の所定の位置に貼付される。しかし、前記したようなクッション材は、比較的伸びやすいものであるため、フレーム部材の所定の位置に貼付しにくく、液晶表示装置等の生産効率を向上させるうえで、改善の余地があった。
また、前記クッション材等としては、例えば特定の製造方法で得られたポリウレタン発泡体の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、前記クッション材等としては、例えば特定の製造方法で得られたポリウレタン発泡体の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、前記粘着テープに使用されるポリウレタン発泡体表面の滑り防止性が高すぎるため、大型化、薄型化が進む薄型TV用液晶表示パネルにおいて、液晶表示パネルを強く拘束しすぎ、気温の変化により生じた液晶表示装置の微小な寸法変化により、液晶表示パがゆがみ、画質に影響を及ぼすことがあった。
本発明が解決しようとする課題は、被着体に対して良好な接着力を有し、前記液晶表示パネル等の物品の経時的なズレを引き起こすことがなく、かつ、気温の変化などにより生じた前記液晶表示装置の微小な寸法変化に対し、液晶パネルを過度に拘束することなく、前記液晶表示装置の微小な寸法変化によって生じた歪みを開放することができる適度な滑り防止性を有し、かつ、貼付作業性に優れた粘着テープを提供することである。
本発明者等は、表面が特定の凹凸構造を有する発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有することを特徴とする粘着テープによって、前記課題を解決した。
本発明の粘着テープは、被着体に対して良好な接着力を有し、前記液晶表示パネル等の物品の経時的なズレを引き起こすことがなく、かつ、気温の変化などにより生じた前記液晶表示装置の微小な寸法変化に対し、液晶パネルを過度に拘束することなく、前記液晶表示装置の微小な寸法変化により生じた歪みを開放することができる適度な滑り防止性を有し、かつ、貼付作業性に優れることから、液晶表示パネルをはじめとする板状剛体を所定の位置に固定する際の滑り防止材等に好適に使用することができる。
本発明の粘着テープは、特定の平均表面粗さを有する発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に、直接または他の層を介して、粘着剤層を有することを特徴とするものである。具体的には、本発明の粘着テープは、前記発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有する複合部材を基材(中芯)とし、その少なくとも片面に粘着剤層を有するものである。
[発泡体基材]
はじめに、本発明の粘着テープを構成する発泡体基材について説明する。
発泡体基材は、粘着テープの基材(中芯)の一部を構成するものである。前記発泡体基材としては、前記液晶表示パネル等の物品のズレを防止可能なレベルの、より一層優れたクッション性とグリップ性とを両立するうえで、70℃の環境下で前記発泡体基材を厚さ方向に50%圧縮させたときの圧縮残留歪みが、10%以下であるものを使用することが好ましく、5%以下であるものを使用することがより好ましい。なお、前記圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した値を指す。具体的には、発泡体基材の厚さを測定した後、発泡体基材を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下で22時間放置する。次に、前記発泡体基材を治具から取り出し、再び発泡体基材の厚さを測定する。前記圧縮前後の発泡体基材の厚さに基づき、
[{(前記圧縮前の発泡体基材の厚さ)−(前記圧縮後の発泡体基材の厚さ)}/(前記圧縮前の発泡体基材の厚さ)]×100
によって算出する。
はじめに、本発明の粘着テープを構成する発泡体基材について説明する。
発泡体基材は、粘着テープの基材(中芯)の一部を構成するものである。前記発泡体基材としては、前記液晶表示パネル等の物品のズレを防止可能なレベルの、より一層優れたクッション性とグリップ性とを両立するうえで、70℃の環境下で前記発泡体基材を厚さ方向に50%圧縮させたときの圧縮残留歪みが、10%以下であるものを使用することが好ましく、5%以下であるものを使用することがより好ましい。なお、前記圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した値を指す。具体的には、発泡体基材の厚さを測定した後、発泡体基材を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下で22時間放置する。次に、前記発泡体基材を治具から取り出し、再び発泡体基材の厚さを測定する。前記圧縮前後の発泡体基材の厚さに基づき、
[{(前記圧縮前の発泡体基材の厚さ)−(前記圧縮後の発泡体基材の厚さ)}/(前記圧縮前の発泡体基材の厚さ)]×100
によって算出する。
前記範囲の圧縮残留歪みを有する発泡体基材を使用することによって得られる粘着テープは、例えば液晶表示モジュール及び液晶表示装置を製造する際に、前記液晶表示パネルを密着させた状態で、高温下に長期間放置した場合であっても、発泡体のヘタリを防止でき、長期間にわたり優れたクッション性を維持でき、その結果、前記液晶表示パネル等のズレを効果的に防止することができる。
また、前記発泡体基材としては、その25%圧縮強さが40kPa〜100kPaであるものを使用することが好ましく、25%圧縮強さが50kPa〜90kPaであるものを使用することが、良好な柔軟性及び反発性を備えクッション性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、前記25%圧縮強さはJISK6254に準じて測定した値を指す。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、直径50mmの円形状に裁断した発泡体基材を試験装置に設置し、先端に直径50mmの円形の底面を有する治具を装着したロードセルで速度1mm/分で発泡体基材を圧縮し、元の発泡体基材の厚さの25%の厚さ分に圧縮させた際の強度を測定する。測定した強度を発泡体基材の断面積で除して得られる値である。
また、前記発泡体基材の発泡体表面の平均表面粗さRaは1000〜3000nmであるが、1500〜2500nmであることがより好ましい。こうすることで、前記液晶表示パネル等のズレ等を引き起こすことなく、前記液晶表示パネル等を所定の位置に長期間固定し、かつ気温の変化などにより液晶表示装置の微小な寸法変化が生じた際には、液晶パネルを過度に拘束することなく、前記液晶表示装置の微小な寸法変化により生じた歪みを開放することができる。
なお、発泡体表面の表面粗さRaは、菱化システム社製非接触表面・層断面形状計測システムVERTSCANを使用し、下記の条件で発泡体表面を観察することで測定した。・カメラ:SONY社製HR−50 1/3CCDカメラ
・レンズ:×5対物レンズ
・鏡筒:×1BODY
・波長フィルター:530WHITE
・測定モード:WAVE
・視野サイズ:640×480
・レンズ:×5対物レンズ
・鏡筒:×1BODY
・波長フィルター:530WHITE
・測定モード:WAVE
・視野サイズ:640×480
前記平均表面粗さRaが1000〜3000nmである発泡体基材を用いて得られた粘着テープは、液晶表示モジュール及び液晶表示モジュールを製造する際に、前記液晶表示パネルを前記粘着テープの発泡体基材に密着させた状態で適度にズレを防止することができ、液晶表示装置生産中に液晶表示パネルを固定した位置を保持することが可能である。前記平均表面粗さが1000nmよりも小さい表面を有する発泡体基材では、液晶表示パネルが過剰に密着し、液晶表示パネルを強く拘束しすぎ、気温の変化により生じた液晶表示装置の微小な寸法変化により、液晶表示パネルがゆがみ、画質に影響を及ぼすことがある。一方で前記平均表面粗さが3000nmよりも大きい表面を有する発泡体基材では、液晶表示パネルが発泡体基材に密着しないため、液晶表示装置生産中に液晶表示パネルがずれることがある。
また、前記発泡体基材としては、前記液晶表示パネル等のズレ等を引き起こすことなく、前記液晶表示パネル等を所定の位置に長期間固定し、かつ気温の変化などにより液晶表示装置の微小な寸法変化が生じた際には、液晶パネルを過度に拘束することなく、前記液晶表示装置の微小な寸法変化により生じた歪みを開放することができるうえで、その表面が特定の滑り防止性に優れるものを使用することが好ましい。具体的には、前記発泡体基材としては、ガラス板に対する静摩擦係数が2以上10未満であるものを使用することが好ましく、2〜7であるものを使用することがより好ましい。
なお、前記静摩擦係数は、JISK7125に準じて測定した値を指す。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、水平に置かれたガラス板の上に、80mm角の正方形状に切断した発泡体基材を置き、当該発泡体基材上に63mm角の正方形状の重さ1.96N(200g)の荷重を置く。荷重の先にはロードセルを接続しておく。前記荷重を発泡体基材の上に置いてから15秒経過後に、前記荷重を水平方向に200mm/分の速度で引張り、その強度を測定する。前記強度を前記荷重で除した値を前記静摩擦係数とする。
前記静摩擦係数が2以上10未満の表面を有する発泡体基材を用いて得られた粘着テープは、液晶表示モジュール及び液晶表示モジュールを製造する際に、前記液晶表示パネルを前記粘着テープの発泡体基材に密着させた状態で適度にズレを防止することができ、液晶表示装置生産中に液晶表示パネルを固定した位置を保持することが可能である。前記静摩擦係数が2よりも低い表面を有する発泡体基材では、液晶表示パネルが発泡体基材に密着しないため、液晶表示装置生産中に液晶表示パネルがずれることがある。一方で前記静摩擦係数が10以上の表面を有する発泡体基材では、液晶表示パネルが過剰に密着し、液晶表示パネルを強く拘束しすぎ、気温の変化により生じた液晶表示装置の微小な寸法変化により、液晶表示パネルがゆがみ、画質に影響を及ぼすことがある。
また、前記発泡体基材としては、前記液晶表示パネル等のズレ等を引き起こすことなく、前記液晶表示パネル等を所定の位置に長期間固定し、かつ気温の変化などにより液晶表示装置の微小な寸法変化が生じた際には、液晶パネルを過度に拘束することなく、前記液晶表示装置の微小な寸法変化により生じた歪みを開放することができるうえで、その表面がガラスに対して特定の接着力を有することが好ましい。具体的には前記発泡体基材のガラスに対する接着力は2〜20N/6.25cm2であることが好まし、2〜15N/6.25cm2であることがより好ましい。
なお、ガラスに対する接着力は、23℃50%RH雰囲気下にて、25mm×25mmに切断した発泡体基材の裏面を両面粘着テープでステンレス板に貼りつけ、発泡体基材表面をガラス板に接触させた。ステンレス板の裏側より9.8Nの荷重をかけ1時間放置した後、引っ張り試験装置に試料を固定し、分速50mmの速さでステンレス板に貼り付けた発泡体基材を上方に引っ張り、ガラス板から剥がれた際の接着力を測定した。
前記ガラスに対する接着力が5〜20N/6.25cm2であるである発泡体基材を用いて得られた粘着テープは、液晶表示モジュール及び液晶表示モジュールを製造する際に、前記液晶表示パネルを前記粘着テープの発泡体基材に密着させた状態で適度にズレを防止することができ、液晶表示装置生産中に液晶表示パネルを固定した位置を保持することが可能である。前記ガラスに対する接着力が5N/6.25cm2よりも小さい表面を有する発泡体基材では液晶表示パネルが発泡体基材に密着しないため、液晶表示装置生産中に液晶表示パネルがずれることがある。一方で前記ガラスに対する接着力が20N/cm2よりも大きい表面を有する発泡体基材では、液晶表示パネルが過剰に密着し、液晶表示パネルを強く拘束しすぎ、気温の変化により生じた液晶表示装置の微小な寸法変化により、液晶表示パネルがゆがみ、画質に影響を及ぼすことがある。
前記発泡体基材は、例えばメカニカルフロス法等によって製造することができる。ここで、メカニカルフロス法とは、空気や窒素を機械的に混合し泡立てた原料(液体)を、離型ライナーや樹脂フィルムの表面に塗布し、塗布した前記原料を加熱することで硬化させることによって発泡体基材を製造する方法である。また、前記発泡体基材は、発泡剤を含有する原料を離型ライナーや樹脂フィルムの表面に塗布し加熱硬化させる方法によって製造することもできる。
前記発泡体基材の製造方法としては、前記メカニカルフロス法を採用することが、気泡径が小さく、前記圧縮残留歪みが低い発泡体基材を得ることができるため好ましい。
また、前記発泡体基材の製造方法としては、前記原料を、本発明の粘着テープを構成する樹脂フィルムの片面に塗布し加熱硬化等させる方法を採用することが、本発明の粘着テープの生産効率を格段に向上させるうえで好ましい。
また、前記発泡体基材の製造方法としては、前記原料を、本発明の粘着テープを構成する樹脂フィルムの片面に塗布し加熱硬化等させる方法を採用することが、本発明の粘着テープの生産効率を格段に向上させるうえで好ましい。
また、前記発泡体基材の表面に適度な滑り防止性を付与させるべく、前記発泡体基材の表面が、その平均表面粗さRaが1000〜3000nmの凹凸を有することを目的として、前記原料を前記樹脂フィルムに所定の厚さを塗布した後、その塗布面に特定の凹凸のある剥離シートを貼り合せ、加熱硬化させた後に剥離紙を除去して得られる発泡体基材を使用することが好ましい。特定の凹凸のある剥離シートは、坪量50〜200g/m2の紙の上にポリエチレン、ポリプロピレンなど融点が200℃以下の樹脂をTダイ押出成型機にて加熱溶融した状態でラミネート後、特定の凹凸のある冷却ロールで冷却し、更にその上にシリコーンなどの剥離剤を塗布することで得られる剥離紙があげられる。また、サンドマット加工や薬品加工などにより表面に凹凸を形成させたポリエステルフィルムの表面にシリコーンを塗布した剥離フィルムがあげられる。
本発明に使用する発泡体基材の種類は、上記特性を実現できるものであれば特に制限されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合ポリマー等からなるポリオレフィン発泡体やポリウレタン発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマー等からなるゴム発泡体等を使用でき、なかでも自着性を有し、発泡体表面にすべり防止性を付与できる点からポリウレタン発泡体が好ましい。
前記ウレタン発泡体に用いられるウレタン原料としては、特に限定されず一般的なポリウレタン発泡体に用いられるウレタン原料を用いることができるが、一般的にはポリオールや、ポリイソシアネート等を含有するものを使用することができる。
前記ウレタン原料に使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素添加MDI、イソホロンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネート等を使用することができる。また、前記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを使用することもできる。
前記ポリイソシアネートと組み合わせ使用可能なポリオールとしては、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等を使用することができる。
また、前記ポリオールとしては、3官能ポリエーテルポリオールエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の短鎖ジオール等を、適宜選択し使用することもできる。
前記ウレタン原料としては、必要に応じて触媒を含有するものを使用することができる。
また、前記ポリオールとしては、3官能ポリエーテルポリオールエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の短鎖ジオール等を、適宜選択し使用することもできる。
前記ウレタン原料としては、必要に応じて触媒を含有するものを使用することができる。
前記触媒としては、例えばスタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、オクチル酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ニッケルアセチルアセトエート、ニッケルジアセチルアセトエート等の有機ニッケル化合物、鉄アセチルアセトエート等の有機鉄化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、フェノキシド等の金属触媒、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等の3級アミン系触媒、有機酸塩等を使用することができ、有機錫化合物を使用することが好ましい。
前記触媒は、前記ポリオール100質量部に対して、0.05質量部〜2.0質量部の範囲で使用することが好ましく、0.05質量部〜1.0質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記触媒は、前記ポリオール100質量部に対して、0.05質量部〜2.0質量部の範囲で使用することが好ましく、0.05質量部〜1.0質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記ウレタン原料としては、必要に応じて整泡剤を含有するものを使用することができる。
前記整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡剤を使用することができ、具体的には、ジメチルシロキサン、ポリエーテルジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン等を使用することができる。なかでも、シリコーン系整泡剤としては、ポリエーテルジメチルシロキサンを使用することが好ましく、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとのブロック共重合体を使用することがより好ましい。
前記整泡剤は、前記ポリオール100質量部に対して、2質量部〜10質量部の範囲で使用することが好ましく、3質量部〜8質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記整泡剤としては、例えばシリコーン系整泡剤を使用することができ、具体的には、ジメチルシロキサン、ポリエーテルジメチルシロキサン、フェニルメチルシロキサン等を使用することができる。なかでも、シリコーン系整泡剤としては、ポリエーテルジメチルシロキサンを使用することが好ましく、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルとのブロック共重合体を使用することがより好ましい。
前記整泡剤は、前記ポリオール100質量部に対して、2質量部〜10質量部の範囲で使用することが好ましく、3質量部〜8質量部の範囲で使用することがより好ましい。
前記ウレタン原料としては、前記したもののほかに必要に応じて、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機充填剤、無機充填剤、着色剤等の、ポリウレタンフォームの製造において一般に用いられる添加剤を適量使用することができる。
[樹脂フィルム層]
次に、本発明の粘着テープを構成する樹脂フィルム層について説明する。
本発明の粘着テープは、それを前記液晶表示装置のクッション材として使用する場合、概ね5mm程度の細幅で、50cm程度の長さに裁断され使用される場合が多い。本発明の粘着テープは、前記樹脂フィルム層を有することで、その長さ方向及び幅方向への寸法安定性に優れるため、前記したような細幅に裁断された状態で使用する場合であっても、ポリウレタン発泡体の長さ方向または幅方向への伸びに起因した貼付作業性の低下や、素の裁断作業性等の低下を防止することができる。
次に、本発明の粘着テープを構成する樹脂フィルム層について説明する。
本発明の粘着テープは、それを前記液晶表示装置のクッション材として使用する場合、概ね5mm程度の細幅で、50cm程度の長さに裁断され使用される場合が多い。本発明の粘着テープは、前記樹脂フィルム層を有することで、その長さ方向及び幅方向への寸法安定性に優れるため、前記したような細幅に裁断された状態で使用する場合であっても、ポリウレタン発泡体の長さ方向または幅方向への伸びに起因した貼付作業性の低下や、素の裁断作業性等の低下を防止することができる。
前記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム等の樹脂フィルムを使用することができる。
なかでも、前記樹脂フィルムとしては、様々な強度、平滑性、厚さ等のバリエーションが豊富で、良好な耐熱性を備えた樹脂フィルムとして知られるポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することが好ましい。
前記樹脂フィルムとしては、前記ポリウレタン発泡体や粘着剤層との密着性をより一層向上させることを目的として、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線処理、易接着処理剤の塗布処理等の表面処理が施されたものを使用することができる。
また、前記樹脂フィルムとしては、前記ポリウレタン発泡体と接する側の面と反対側の面に、サンドマット加工の施されたものを使用することが好ましい。特に、前記粘着テープを製造するにあたり、予め前記ポリウレタン発泡体と樹脂フィルムとが積層されたものを製造し、それをロール状に巻き取った状態で一定期間保管等する場合に、前記ポリウレタン発泡体の表面と、前記樹脂フィルムの裏面との間のブロッキングを効果的に防止するうえで、前記サンドマット加工された樹脂フィルムを使用することが好ましい。
また、前記樹脂フィルムとしては、顔料や染料等の着色成分を含有するものを使用することができる。
また、前記樹脂フィルムとしては、顔料や染料等の着色成分を含有するものを使用することができる。
前記樹脂フィルムの厚さは、16μm〜100μmであることが好ましく、25μm〜75μmの範囲であることがより好ましい。前記範囲の樹脂フィルムを使用することによって、好適な寸法安定性としなやかさとを備えた粘着テープを得ることができる。
[粘着剤層]
次に、本発明の粘着テープを構成する粘着剤層について説明する。前記粘着剤層は、前記ポリウレタン発泡体の一方の面に積層された前記樹脂フィルムの表面に設けられる。
次に、本発明の粘着テープを構成する粘着剤層について説明する。前記粘着剤層は、前記ポリウレタン発泡体の一方の面に積層された前記樹脂フィルムの表面に設けられる。
前記粘着剤層としては、そのゲル分率が30質量%〜70質量%の範囲であるものを使用することが好ましく、30質量%〜60質量%の範囲であるものを使用することがより好ましく、35質量%〜55質量%の範囲であるものを使用することがさらに好ましい。前記ゲル分率を有する粘着剤層を備えた粘着テープを使用することによって、例えば大型テレビ等の液晶表示装置に搭載される大型の液晶表示パネルを、立てた状態で保持(固定)した場合であっても、前記大型の液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止することができる。なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定された値を指す。
任意の離型ライナーの片面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、粘着剤を塗工したものを、100℃で3分間乾燥した後、40℃で2日エージングすることによって粘着剤層を形成する。それを50mm角に切り取ったものを試料とする。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬する。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求める。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着剤層は、各種粘着剤を用い形成することができる。なかでも、前記粘着剤としては、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。前記アクリル系粘着剤としては、例えばアクリル重合体、必要に応じて粘着付与樹脂及び架橋剤を含有するアクリル系粘着剤を使用することが、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止するうえで好ましい。
前記アクリル重合体としては、アクリル単量体を含有するビニル単量体成分を重合することによって得られるものを使用することが好ましい。
前記アクリル単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ウンデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートを使用することができる。
前記アクリル単量体としては、前記したなかでも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを使用することが、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止するうえで好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体の製造に使用するビニル単量体成分の全量に対して、合計50質量%〜98質量%の範囲で使用することが好ましく、60質量%〜98質量%の範囲で使用することがより好ましく、70質量%〜96質量%の範囲で使用することが、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止するうえで好ましい。
前記アクリル単量体としては、前記したもののほかに、必要に応じて水酸基を有するアクリル単量体、酸基を有するアクリル単量体等を使用することができる。
前記水酸基を有するアクリル単量体としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリル、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
なかでも、前記水酸基を有するアクリル単量体としては、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、4−ヒドロキシブチルアクリレートを使用することが、接着性、凝集性のバランスに優れた粘着テープを得るうえで好ましい。
前記水酸基を有するアクリル単量体は、前記ビニル単量体成分の全量に対して0.01質量%〜0.2質量%の範囲で使用することが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%未満の範囲で使用することがより好ましく、0.02質量%〜0.08質量%の範囲で使用することが、架橋剤との反応性に優れ、粘着剤層は適度な凝集性が得られるため、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等に耐える接着性、凝集性のバランスに優れた粘着テープを得るうえで好ましい。
前記アクリル重合体を製造する際に使用できる前記酸基を有するアクリル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、(無水)イタコン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル単量体、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基を有する(メタ)アクリル単量体等を使用することができる。なかでも、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体を使用することが好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが、接着性と凝集性のバランスに優れた粘着テープを得るうえより好ましい。
前記ビニル単量体成分としては、所定の引張強さを備えた粘着剤層を形成するうえで、酢酸ビニルやスチレン等の(メタ)アクリル単量体以外の単量体の含有量が5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下の範囲で含有するものを使用してもよく、その使用量は0質量%であることが、粘着剤層の凝集力が適度に向上するため、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等に耐える接着性、凝集性のバランスに優れた粘着テープを得るうえで好ましい。
前記アクリル重合体は、例えば有機溶剤の存在下に、前記ビニル単量体成分を供給しそれらをラジカル重合させることによって製造することができる。具体的には、前記アクリル重合体は、前記ビニル単量体成分と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させることによって製造することができる。前記ビニル単量体成分は、一括して供給してもよく、分割して供給してもよい。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロキシパーオキサイド等の過酸化物や、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス−(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物等を使用することができる。前記重合開始剤の使用量は、前記ビニル単量体成分の全量に対して0.01質量%〜5質量%の範囲であることが好ましい。
前記方法で得られたアクリル重合体としては、30万以上の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、30万〜150万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、50万〜100万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがさらに好ましい。なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算での重量平均分子量である。
前記GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定し、ポリスチレン換算した値である。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記アクリル重合体としては、−15℃以下のガラス転移温度を有するものを使用することが好ましく、−45℃〜−20℃のガラス転移温度を有するものを使用することが、より一層優れた静荷重保持力、耐衝撃性、解体性及び除去性を両立した両面粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、前記ガラス転移温度は、「POLYMER HANDBOOK,THIRD EDITION」IVに記載のアクリル単量体のホモポリマーのガラス転移温度と、FOXの式によって算出される計算値を指す。
前記粘着剤としては、粘着性と凝集性のバランスに優れた粘着テープを得るうえで、前記アクリル系重合体の他に、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂としては、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、石油系粘着付与樹脂及びテルペンフェノール系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる2種以上を組み合わせ使用することが、前記アクリル重合体(a1)との相溶性に優れ、接着性と凝集性のバランスに優れた粘着テープを得る上で好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル重合体100質量部に対して、10質量部〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、20質量部〜50質量部の範囲で使用することがより好ましく、20質量部〜40質量部の範囲で使用することが、接着性と凝集性のバランスに優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。
また、前記粘着剤としては、より一層優れた凝集力を備えた粘着剤層を形成するうえで、架橋剤を含有するものを使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、前記架橋剤としては、予め製造した前記アクリル重合体またはその溶液と、混合して使用しやすく、かつ、速やかに架橋反応を進行させることのできる架橋剤を使用することが好ましく、具体的には、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤を使用することがより好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することができる。なかでも、前記イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等を使用することが好ましい。
前記粘着剤としては、良好な塗工作業性を付与するうえで、前記アクリル系重合体の他に、必要に応じて溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記溶媒としては、例えば有機溶剤、水等の水性媒体等が挙げられる。前記粘着剤を容易に溶解させる溶媒として有機溶剤を使用することが好ましい。前記有機溶剤としては、各種のものを使用できるが、液晶表示パネルと、フレーム部材と、バックライトユニットとを備えた液晶表示モジュールにおいて、前記フレーム部材と液晶表示パネルとの間に配置され、前記フレーム部材の一部に貼付される滑り防止材として本発明の粘着テープを使用する場合には、トルエンやキシレン等のシックハウス症候群の原因と推定されるものを含まない粘着剤を使用することが好ましい。
前記有機溶剤としては、n−ヘキサン、n−へプタンなどの脂肪族炭化水素、酢酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトンなどを単独で又は2種以上を併用して使用できる。有機溶媒は重合反応時の反応温度制御及び粘着付与樹脂の溶解性を考慮し選択される。この点からn−ヘキサン、酢酸エチルがより好ましい
前記粘着剤としては、前記粘着剤の全量に対して、5質量%〜80質量%の不揮発分であるものを使用することが好ましく、10質量%〜50質量%の不揮発分であるものを使用することが、良好な塗工作業性を維持するうえでより好ましい。
前記粘着剤を用いて形成された粘着剤層としては、周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)の極大値を示す温度が−40℃〜15℃の範囲であるものを使用することが、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止するうえで好ましい。−35℃〜10℃であるものを使用することがより好ましく、−18℃〜6℃であるものを使用することがさらに好ましく、−14℃〜6℃であるものを使用することが特に好ましい。
周波数1Hzにおける損失正接(tanδ)は、温度分散による動的粘弾性測定で得られた貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G”)から、tanδ=G”/G’の式より求められる。動的粘弾性の測定においては、粘弾性試験機(ティ・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:ARES G2)を用いて、直径8mm、厚さ約2mmの円筒形に形成した粘着剤層を、同試験機の測定部である直径8mmのステンレス製パラレルプレートの間に挟み込み、周波数1Hzで−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定する。
前記粘着剤層の厚さは、前記液晶表示パネルが下方向にズレようとする応力に起因した粘着テープの剥がれ等を効果的に防止可能な粘着テープを得るうえで20μm〜80μmの範囲であることが好ましく、30μm〜60μmの範囲であることがより好ましい。
[粘着テープ]
本発明の粘着テープの実施形態としては、例えばポリウレタン発泡体の片面または両面に、直接または他の層を介して樹脂フィルムが積層したものを基材とし、前記樹脂フィルムの上に粘着剤層が積層されたものを基本構成とする。前記樹脂フィルムは、前記ポリウレタン発泡体の片面に直接積層されることが好ましい。
本発明の粘着テープの実施形態としては、例えばポリウレタン発泡体の片面または両面に、直接または他の層を介して樹脂フィルムが積層したものを基材とし、前記樹脂フィルムの上に粘着剤層が積層されたものを基本構成とする。前記樹脂フィルムは、前記ポリウレタン発泡体の片面に直接積層されることが好ましい。
前記ポリウレタン発泡体の片面に樹脂フィルム層を有する基材としては、前記液晶表示パネル等の物品のズレを防止可能なレベルの、より一層優れたクッション性とグリップ性とを両立するうえで、前記基材を厚さ方向に50%圧縮させたときの圧縮残留歪みが、10%以下であるものを使用することが好ましく、5%以下であるものを使用することがより好ましい。なお、前記圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した値を指す。具体的には、前記基材の厚さを測定した後、前記基材を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下で22時間放置する。次に、前記基材を治具から取り出し、再び前記基材の厚さを測定する。前記圧縮前後の前記基材の厚さに基づき、
[{(前記圧縮前の基材の厚さ)−(前記圧縮後の基材の厚さ)}/(前記圧縮前の基材の厚さ)]×100
によって算出する。
[{(前記圧縮前の基材の厚さ)−(前記圧縮後の基材の厚さ)}/(前記圧縮前の基材の厚さ)]×100
によって算出する。
前記範囲の圧縮残留歪みを有する基材を使用することによって得られる粘着テープは、例えば液晶表示モジュール及び液晶表示装置を製造する際に、前記液晶表示パネルを密着させた状態で、高温下に長期間放置した場合であっても、前記基材を構成するポリウレタン発泡体のヘタリを防止でき、長期間にわたり優れたクッション性を維持でき、その結果、前記液晶表示パネル等のズレを効果的に防止することができる。
また、前記基材としては、その25%圧縮強さが40kPa〜100kPaであるものを使用することが好ましく、25%圧縮強さが50kPa〜90kPaであるものを使用することが、良好な柔軟性及び反発性を備えクッション性に優れた粘着テープを得るうえでより好ましい。なお、前記25%圧縮強さはJISK6254に準じて測定した値を指す。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、直径50mmの円形状に裁断した前記基材を試験装置に設置し、先端に直径50mmの円形の底面を有する治具を装着したロードセルで速度1mm/分で前記基材を圧縮し、元の基材の厚さの25%の厚さ分に圧縮させた際の強度を測定する。測定した強度を前記基材の断面積で除して得られる値である。
また、本発明の粘着テープを構成する粘着剤層には、前記粘着剤層の保護のため剥離ライナーが積層されていてもよい。
前記離型ライナーとしては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、不織布、布、発泡シートや金属箔、およびこれらのラミネート体などの基材の少なくとも片面または両面に、粘着剤からの剥離性を高めるためのシリコーン系処理、長鎖アルキル系処理、フッ素系処理などの剥離処理が施されたものを使用することができる。
なかでも、前記離型ライナーとしては、厚さ10μm〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙、ポリエステルフィルムの基材の片面または両面に、シリコーン系剥離処理を施されたもの等を使用することが好ましい。厚さ10μm〜40μmのポリエチレンを両側にラミネートした上質紙の両面に、シリコーン系剥離処理を施されたもの使用することが更に好ましい。静摩擦係数が10以上であるポリウレタン発泡体層の表面は微粘着性を有するため、剥離ライナーの両面に剥離処理が施されていれば、本発明の粘着テープをロール状に巻き取り、剥離ライナーとポリウレタン発泡体層が接しても、ブロッキングすることがない。
本発明の粘着テープは、例えば、前記発泡体基材の一方に前記樹脂フィルムが予め積層された基材を用い、前記基材の樹脂フィルムの上に、前記粘着剤を塗布し乾燥等させることによって粘着剤層を形成する直接法、または、前記離型ライナーの表面に前記粘着剤を塗布し乾燥等することによって形成された粘着剤層を、前記基材の樹脂フィルムの上に転写する方法によって製造することができる。
前記粘着剤として架橋剤を含有するものを使用する場合、前記架橋反応を進行させるうえで、粘着テープを好ましくは20℃〜50℃、より好ましくは23℃〜45℃の環境下で2日間〜7日間の熟成させることが、接着性と凝集性のバランスに優れ、発泡体基材及び樹脂フィルムと粘着剤層との密着性をより一層向上できる 本発明の両面粘着テープは、特定の発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を積層することによって得られるものである。
[実施例1]
ポリウレタン発泡体1の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材1(ポリウレタン発泡体1層:厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ:1200nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
次に、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート35.95質量部、アクリル酸4.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル50質量部及びn−ヘキサン20質量部の混合溶剤に溶解し、それらを70℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液を得た。
ポリウレタン発泡体1の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材1(ポリウレタン発泡体1層:厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ:1200nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
次に、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート35.95質量部、アクリル酸4.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル50質量部及びn−ヘキサン20質量部の混合溶剤に溶解し、それらを70℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液を得た。
上記アクリル共重合体の固形分100質量部に対し、重合ロジンエステル系樹脂(荒川化学工業株式会社製D−125)を20質量部、不均化ロジンエステル(荒川化学工業株式会社製A100)を10質量部添加し、酢酸エチルで希釈することによって、固形分45質量%で25℃粘度が9500mPa・sの粘着剤溶液を得た。
上記粘着剤溶液の固形分100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を1.7質量部添加することによって、粘着剤(a1)を得た。
上記粘着剤溶液の固形分100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を1.7質量部添加することによって、粘着剤(a1)を得た。
前記粘着剤(a1)を、剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、100℃で2分間乾燥させることによって粘着剤層Aを得た。
前記粘着剤層Aを、前記複合基材1を構成するPETフィルム側の面に転写し、ラミネートロールをとおすことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Aのゲル分率は36質量%であった。
なお、粘着剤層のゲル分率は、下記に示す方法で測定した。
前記粘着剤層Aを、前記複合基材1を構成するPETフィルム側の面に転写し、ラミネートロールをとおすことで4kgf/cmの圧力で圧着させた。それを、40℃のオーブン内で2日間エージングすることによって、本発明の粘着テープを得た。前記粘着テープを構成する粘着剤層Aのゲル分率は36質量%であった。
なお、粘着剤層のゲル分率は、下記に示す方法で測定した。
任意の剥離ライナーの剥離処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工し、80℃で3分間乾燥し、40℃で48時間エージングすることによって粘着剤層を形成した。それを50mm角に切り取ったものを試料とした。
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
次に、上記試料の質量(G1)を測定した後、前記試料をトルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した。前記浸漬後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率を求めた。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
[実施例2]
ポリウレタン発泡体2の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材2(ポリウレタン発泡体2層:厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ1850nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材2を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た
ポリウレタン発泡体2の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材2(ポリウレタン発泡体2層:厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ1850nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材2を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た
[実施例3]
ポリウレタン発泡体3の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材3(ポリウレタン発泡体2層:厚さ950μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ2029nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材3を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
ポリウレタン発泡体3の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材3(ポリウレタン発泡体2層:厚さ950μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ2029nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材3を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例4]
ポリウレタン発泡体4の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材4(ポリウレタン発泡体2層:厚さ950μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ2750nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材4を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
ポリウレタン発泡体4の片面にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が積層された複合基材4(ポリウレタン発泡体2層:厚さ950μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ2750nm、PETフィルム:厚さ50μm、その両面のぬれ指数56mN/m)を用意した。
前記複合基材1の代わりに、前記複合基材4を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例5]
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート35.95質量部、アクリル酸4.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル50質量部及びトルエン20質量部の混合溶剤に溶解し、それらを80℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量80万のアクリル共重合体溶液を得た。
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート35.95質量部、アクリル酸4.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル50質量部及びトルエン20質量部の混合溶剤に溶解し、それらを80℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量80万のアクリル共重合体溶液を得た。
上記アクリル共重合体の固形分100質量部に対し、重合ロジンエステル系樹脂(荒川化学工業株式会社製D−125)を20質量部、不均化ロジンエステル(荒川化学工業株式会社製A100)を10質量部添加し、酢酸エチルで希釈することによって、固形分45質量%で25℃粘度が10000mPa・sの粘着剤溶液を得た。
上記粘着剤溶液の固形分100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を1.7質量部添加することによって、粘着剤(a2)を得た。
上記粘着剤溶液の固形分100質量部に対し、イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を1.7質量部添加することによって、粘着剤(a2)を得た。
前記粘着剤(a1)の代わりに、上記粘着剤(a2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[実施例6]
イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)の使用量を1.7質量部から2.0質量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で粘着テープを得た
イソシアネート系架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)の使用量を1.7質量部から2.0質量部に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で粘着テープを得た
[比較例1]
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の代わりにポリウレタン発泡体5(厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ235nm)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の代わりにポリウレタン発泡体5(厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ235nm)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[比較例2]
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の代わりにポリウレタン発泡体6(厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ480nm)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の代わりにポリウレタン発泡体6(厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ480nm)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[比較例3]
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の代わりに表面のガラスに対する静摩擦係数が0.4であるポリウレタン発泡体7を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の代わりに表面のガラスに対する静摩擦係数が0.4であるポリウレタン発泡体7を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[比較例4]
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の替わりにポリウレタン発泡体8(厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ2750nm)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
前記複合基材1においてポリウレタン発泡体1の替わりにポリウレタン発泡体8(厚さ450μm、密度0.4g/cm3、平均表面粗さ2750nm)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
[圧縮残留歪み]
前記粘着テープの製造に使用した発泡体基材及び前記発泡体基材の片面にPETフィルムが積層された基材の圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した。具体的には、発泡体基材等の厚さを測定した後、発泡体基材等を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下に22時間放置した。
前記粘着テープの製造に使用した発泡体基材及び前記発泡体基材の片面にPETフィルムが積層された基材の圧縮残留歪みは、JISK6401に準じて測定した。具体的には、発泡体基材等の厚さを測定した後、発泡体基材等を治具に挟み、50%の厚さになるまで圧縮させ、70℃雰囲気下に22時間放置した。
次に、前記発泡体基材等を治具から取り出し、再び発泡体基材等の厚さを測定した。前記圧縮前後の発泡体基材等の厚さを用い、以下の式に従って圧縮残留歪みを測定した。
[{(前記圧縮前の発泡体基材等の厚さ)−(前記圧縮後の発泡体基材等の厚さ)}/(前記圧縮前の発泡体基材等の厚さ)]×100
[25%圧縮強さ]
発泡体基材及び前記発泡体基材の片面にPETフィルムが積層された基材の25%圧縮強さは、JISK6254に準じて測定した。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、直径50mmの円形状に裁断した発泡体等を試験装置に設置し、先端に直径50mmの円形の底面を有する治具を装着したロードセルで速度1mm/分で発泡体基材等を圧縮し、元の発泡体基材等の厚さの25%の厚さ分を圧縮させた際の強度を測定する。測定した強度を発泡体基材等の断面積で除して求めた。
[{(前記圧縮前の発泡体基材等の厚さ)−(前記圧縮後の発泡体基材等の厚さ)}/(前記圧縮前の発泡体基材等の厚さ)]×100
[25%圧縮強さ]
発泡体基材及び前記発泡体基材の片面にPETフィルムが積層された基材の25%圧縮強さは、JISK6254に準じて測定した。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、直径50mmの円形状に裁断した発泡体等を試験装置に設置し、先端に直径50mmの円形の底面を有する治具を装着したロードセルで速度1mm/分で発泡体基材等を圧縮し、元の発泡体基材等の厚さの25%の厚さ分を圧縮させた際の強度を測定する。測定した強度を発泡体基材等の断面積で除して求めた。
[発泡体基材表面の表面粗さ]
菱化システム社製非接触表面・層断面形状計測システムVERTSCANを使用し、下記の条件で発泡体基材表面を観察し、平均表面粗さRaを測定した。
・カメラ:SONY社製HR−50 1/3CCDカメラ
・レンズ:×5対物レンズ
・鏡筒:×1BODY
・波長フィルター:530WHITE
・測定モード:WAVE
・視野サイズ:640×480
菱化システム社製非接触表面・層断面形状計測システムVERTSCANを使用し、下記の条件で発泡体基材表面を観察し、平均表面粗さRaを測定した。
・カメラ:SONY社製HR−50 1/3CCDカメラ
・レンズ:×5対物レンズ
・鏡筒:×1BODY
・波長フィルター:530WHITE
・測定モード:WAVE
・視野サイズ:640×480
[ガラス板に対する静摩擦係数]
発泡体基材の表面の静摩擦係数は、JISK7125に準じて測定した。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、水平に置かれたガラス板の上に、80mm角の正方形状に切断した発泡体基材等を置き、発泡体基材等上に63mm角の正方形状の重さ1.96N(200g)の荷重をかけた。荷重の先にはロードセルを接続した。前記荷重を発泡体基材等の上に置いてから15秒経過後に、前記荷重を水平方向に200mm/分の速度で引張り、その強度を測定した。前記強度を前記荷重で除した値を前記静摩擦係数とした。
発泡体基材の表面の静摩擦係数は、JISK7125に準じて測定した。具体的には、温度23℃及び湿度50%RHの雰囲気下で、水平に置かれたガラス板の上に、80mm角の正方形状に切断した発泡体基材等を置き、発泡体基材等上に63mm角の正方形状の重さ1.96N(200g)の荷重をかけた。荷重の先にはロードセルを接続した。前記荷重を発泡体基材等の上に置いてから15秒経過後に、前記荷重を水平方向に200mm/分の速度で引張り、その強度を測定した。前記強度を前記荷重で除した値を前記静摩擦係数とした。
[発泡体基材表面のガラス板に対する接着力]
23℃50%RH雰囲気下にて、25mm×25mmに切断した発泡体基材の裏面を両面粘着テープでステンレス板に貼りつけ、発泡体基材表面をガラス板に接触させた。ステンレス板の裏側より9.8Nの荷重をかけ1時間放置した後、引っ張り試験装置に試料を固定し、分速50mmの速さでステンレス板に貼り付けた発泡体基材を上方に引っ張り、ガラス板から剥がれた際の接着力を測定した。
23℃50%RH雰囲気下にて、25mm×25mmに切断した発泡体基材の裏面を両面粘着テープでステンレス板に貼りつけ、発泡体基材表面をガラス板に接触させた。ステンレス板の裏側より9.8Nの荷重をかけ1時間放置した後、引っ張り試験装置に試料を固定し、分速50mmの速さでステンレス板に貼り付けた発泡体基材を上方に引っ張り、ガラス板から剥がれた際の接着力を測定した。
[接着力1の評価(90°ピール接着力)]
粘着テープを幅25mm、長さ100mmに切断したものを試験片とした。
23℃及び50%RH雰囲気下で、表面を耐水研磨紙360番で研磨して清浄にしたステンレス板に、前記試験片を貼り付け、2kgローラーを1往復させる加圧条件でそれらを加圧した。前記で得た貼付物を1時間静置した後、前記貼付面に対して90°方向へ300mm/分の速度で、前記試験片を引き剥がした際の接着力を測定した。なお、前記引き剥がしの際に、前記試験片が破断したものは、強度不足として下記表中「−」と表記した。
粘着テープを幅25mm、長さ100mmに切断したものを試験片とした。
23℃及び50%RH雰囲気下で、表面を耐水研磨紙360番で研磨して清浄にしたステンレス板に、前記試験片を貼り付け、2kgローラーを1往復させる加圧条件でそれらを加圧した。前記で得た貼付物を1時間静置した後、前記貼付面に対して90°方向へ300mm/分の速度で、前記試験片を引き剥がした際の接着力を測定した。なお、前記引き剥がしの際に、前記試験片が破断したものは、強度不足として下記表中「−」と表記した。
[接着力2の評価(保持力)]
粘着テープを幅25mm、長さ100mmに切断したものを試験片とした。
23℃及び50%RH雰囲気下、表面を耐水研磨紙360番で研磨して清浄にしたステンレス板に、前記試験片を貼り付け、2kgローラーを1往復させる加圧条件でそれらを加圧した(貼付面積25mm×25mm)。前記で得た貼付物を1時間静置した後、70℃の雰囲気下に、その貼付面が垂直方向となるように固定し、そのせん断方向に500gの荷重をかけるべく、前記試験片の端部に500gの重りを固定した。
粘着テープを幅25mm、長さ100mmに切断したものを試験片とした。
23℃及び50%RH雰囲気下、表面を耐水研磨紙360番で研磨して清浄にしたステンレス板に、前記試験片を貼り付け、2kgローラーを1往復させる加圧条件でそれらを加圧した(貼付面積25mm×25mm)。前記で得た貼付物を1時間静置した後、70℃の雰囲気下に、その貼付面が垂直方向となるように固定し、そのせん断方向に500gの荷重をかけるべく、前記試験片の端部に500gの重りを固定した。
前記荷重開始から、前記試験片が落下するまでの時間を測定した。前記荷重開始から24時間以内に前記試験片が落下しなかったものは、下記表中に「24<」と記載し、保持力に優れるものとした。
[ズレ防止性、ガラス剥離性]
対角線の長さが32インチであり、厚さが4mmであるアルミニウム板1を、テレビ等の画像表示装置を構成するフレームとした。前記アルミニウム板1の4辺に、幅5mm及び長さ38cm、幅5mm及び長さ68cmに裁断した粘着テープ2を貼付した。その表面(具体的には、前記発泡体基材の表面)に、画像表示パネルに仮定した対角線の長さが32インチで、厚さが5mmであるガラス板3を載置し、それを構成する粘着テープ2の厚さに対し5%圧縮した状態を保持したものを積層体とした。
対角線の長さが32インチであり、厚さが4mmであるアルミニウム板1を、テレビ等の画像表示装置を構成するフレームとした。前記アルミニウム板1の4辺に、幅5mm及び長さ38cm、幅5mm及び長さ68cmに裁断した粘着テープ2を貼付した。その表面(具体的には、前記発泡体基材の表面)に、画像表示パネルに仮定した対角線の長さが32インチで、厚さが5mmであるガラス板3を載置し、それを構成する粘着テープ2の厚さに対し5%圧縮した状態を保持したものを積層体とした。
前記積層体の接着面が垂直となるように前記積層体を固定し、ガラスが粘着テープ表面からずれ落ちなかったものをズレ防止性「○」、ガラスが粘着テープ表面からずれ落ちたものをズレ防止性「×」とした。 前記ズレ防止性評価結果が「○」の前記積層体を、アルミ板が下側になるように床に置き、前記積層体のガラスの短辺側の片端を両手で持ち上げ、ガラスが接着テープから剥離し、ガラスのみ持ち上がったものをガラス剥離性「○」、ガラスが接着テープから剥離せずに前記積層体全体が持ち上がったものをガラス剥離性「×」と評価した。
1 アルミニウム板
2 ガラス板
3 粘着テープ
2 ガラス板
3 粘着テープ
Claims (11)
- 発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有し、前記樹脂フィルム層の表面に粘着剤層を有し、前記発泡体基材表面の平均表面粗さRaが1000〜3000nmであることを特徴とする粘着テープ。
- 前記発泡体基材の表面の、ガラス板に対する静摩擦係数が2以上10未満である請求項1に記載の粘着テープ。
- 前記発泡体基材の表面の、ガラス板に対する接着力が2〜20N/6.25cm2である請求項1又は1に記載の粘着テープ。
- 前記発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有する基材を、70℃の環境下で、厚さ方向に50%圧縮させたときの圧縮残留歪みが10%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
- 前記発泡体基材の片面に樹脂フィルム層を有する基材の、25%圧縮強さが40kPa〜100kPaである請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層が、アクリル重合体と架橋剤と非芳香族系溶剤とを含有する粘着剤を用いて形成される層である請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層が、ゲル分率30質量%〜70質量%の範囲のゲル分率を有するものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
- 前記発泡体基材の厚さが0.2〜2.0mmであり、前記樹脂フィルム層の厚さが25μm〜75μmの範囲であり、かつ、前記粘着剤層の厚さが20μm〜80μmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着テープ。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着テープからなる滑り防止材。
- 液晶表示パネルと、フレーム部材と、バックライトユニットとを備えた液晶表示モジュールであって、前記フレーム部材の一部に請求項9に記載の滑り防止材が貼付され、それを構成する前記発泡体基材の表面に前記液晶表示パネルが配置された構成を有することを特徴とする液晶表示モジュール。
- 請求項10に記載の液晶表示モジュールを備えた液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017042798A JP2018145323A (ja) | 2017-03-07 | 2017-03-07 | 粘着テープ、滑り防止材、液晶表示モジュール及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017042798A JP2018145323A (ja) | 2017-03-07 | 2017-03-07 | 粘着テープ、滑り防止材、液晶表示モジュール及び液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018145323A true JP2018145323A (ja) | 2018-09-20 |
Family
ID=63590678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017042798A Pending JP2018145323A (ja) | 2017-03-07 | 2017-03-07 | 粘着テープ、滑り防止材、液晶表示モジュール及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018145323A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020027237A1 (ja) | 2018-08-01 | 2020-02-06 | 国立大学法人鹿児島大学 | ペプチド融合タンパク質 |
KR102166090B1 (ko) * | 2019-11-29 | 2020-10-15 | 조영철 | 엘리베이터 천정용 미끄럼 방지테이프 및 이를 이용한 방음방진 패드 |
CN115038766A (zh) * | 2020-01-30 | 2022-09-09 | Dic株式会社 | 粘合带 |
JP7463147B2 (ja) | 2019-03-18 | 2024-04-08 | 積水化学工業株式会社 | 粘着テープロール |
-
2017
- 2017-03-07 JP JP2017042798A patent/JP2018145323A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020027237A1 (ja) | 2018-08-01 | 2020-02-06 | 国立大学法人鹿児島大学 | ペプチド融合タンパク質 |
JP7463147B2 (ja) | 2019-03-18 | 2024-04-08 | 積水化学工業株式会社 | 粘着テープロール |
KR102166090B1 (ko) * | 2019-11-29 | 2020-10-15 | 조영철 | 엘리베이터 천정용 미끄럼 방지테이프 및 이를 이용한 방음방진 패드 |
CN115038766A (zh) * | 2020-01-30 | 2022-09-09 | Dic株式会社 | 粘合带 |
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