JP2019063411A - 伸縮性シート及び吸収性物品 - Google Patents

Abstract

【課題】柔軟性を有しつつ、表面に不規則な細かい皺を形成することがすることが可能な伸縮性シートを提供する。【解決手段】複数の溶着部（５０）によって接合された第１シート（３２）と第２シート（３３）との間に、弾性部材（３５）が複数配置された伸縮性シート（３１）であって、上下方向に隣り合って並ぶ複数の溶着部（５０）を有する第１溶着部列（６１）と、第１溶着部列（６１）の左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列（６２）とを備え、第１溶着部列（６１）は、前記一方側に凸となった第１凸部（６１Ｐ１）と第２凸部（６１Ｐ２）とを有しており、第２溶着部列（６２）は、左右方向の他方側に凸となった第３凸部（６２Ｐ３）を有しており、自然状態において、第１凸部（６１Ｐ１）の前記一方側の端（６１Ｐ１Ａ）と、前記第２凸部（６１Ｐ２）の前記一方側の端（６１Ｐ２Ｂ）とを結んだ直線よりも前記他方側に、前記第３凸部（６２Ｐ３）の前記他方側の端（６２Ｐ３Ｃ）が位置している。【選択図】図７

Description

本発明は、伸縮性シート及び吸収性物品に関する。

尿などの排泄物を吸収する吸収性物品の一例として使い捨ておむつが知られている。捨ておむつの胴回り部材として、ホットメルト接着剤等の接着剤で弾性部材が取り付けられることにより伸縮性が付与されたシート部材が使用されることが一般的である。しかし、接着剤を用いて弾性部材が取り付けられた場合、弾性部材の外周面に付着した接着剤の硬化に起因して弾性部材の弾性、つまり伸縮性が阻害されたり、シート部材の柔軟性が阻害されたりするおそれがある。そのため、最近では、接着剤を使用せずに弾性部材をシート部材に取り付けることが検討されている。

例えば、厚さ方向に重ねられた２枚のシート部材の間に弾性的に伸長可能なワイヤ状要素を長さ方向に伸長させた状態で配置し、溶着手段等を用いて形成される複数の接続部によって２枚のシート部材同士を接合する。そして伸長状態が解除され、ワイヤ状要素が長さ方向に収縮して外径が太くなると、該ワイヤ状要素の径方向の両側に配置された１対の接続部によって挟み込まれることによって、ワイヤ状要素がシート部材間に固定される。このようにして、接着剤を使用せずに伸縮性を有するシート部材を製造し、ナプキンやおむつ等の吸収性物品に適用する技術が開示されている（特許文献１参照）。

特表２００１−５０４８９９号公報

特許文献１の伸縮性シート部材は、ワイヤ状要素の長さ方向に沿って接合部（溶着部）が等間隔で規則的に形成されているため、ワイヤ状要素（弾性部材）の収縮に伴ってシート部材の表面に均等な皺が形成されやすい。すなわち、ワイヤ状要素の長さ方向と直行する方向に連なる長い皺が、長さ方向に沿って断続的に形成される。このようなシート部材を用いて製造された吸収性物品（例えばおむつ）では、シート部材の表面に大きな皺が規則的な形成されるため、吸収性物品の装着時において装着者の身体（肌）と当接する際に、肌に大きな皺の跡が付きやすく、良好な肌触りを実現することが困難である。

本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、柔軟性を有しつつ、表面に不規則な細かい皺を形成することがすることが可能な伸縮性シートを提供することにある。

上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、複数の溶着部によって接合された第１シートと第２シートとの間に、前記左右方向に沿って伸縮可能な弾性部材が前記上下方向に間隔を空けて複数配置された伸縮性シートであって、各々の前記弾性部材は、前記左右方向に収縮した状態において、前記上下方向に隣り合う２つの前記溶着部の間に挟み込まれることによって前記第１シート及び前記第２シートに取り付けられており、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有する第１溶着部列と、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有し、前記第１溶着部列の前記左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列、とを備え、前記第１溶着部列は、前記一方側に凸となった第１凸部と、前記上下方向において前記第１凸部に隣り合う第２凸部とを有しており、前記第２溶着部列は、前記左右方向の他方側に凸となった第３凸部を有しており、自然状態において、前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に、前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことを特徴とする伸縮性シート。
である。

本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。

本発明によれば、柔軟性を有しつつ、表面に不規則な細かい皺を形成することがすることが可能な伸縮性シートを提供することができる。

おむつ１の概略斜視図である。 展開かつ伸長した状態のおむつ１を着用者の肌側から見た概略平面図である。 図２中のＡ−Ａ断面図である。 展開かつ伸長させた状態の腹側帯部材３１を非肌側から見た概略平面図である。 図５Ａ及び図５Ｂは、弾性部材３５の取り付け機能の説明図であり、図４中のＣ部の概略拡大図である。 領域Ｘについて拡大して表した図であり、左右方向に伸長させた状態における溶着部列６０の配置について説明する図である。 伸長状態を解除して自然状態にした場合の溶着部列６０の配置について説明する図である。 図６の領域Ｙについて拡大して表した図であり、溶着部５０の位置関係について説明する図である。 図９Ａ及び図９Ｂは比較例の腹側帯部材３７における皺の形成について説明する図である。

本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。

互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、複数の溶着部によって接合された第１シートと第２シートとの間に、前記左右方向に沿って伸縮可能な弾性部材が前記上下方向に間隔を空けて複数配置された伸縮性シートであって、各々の前記弾性部材は、前記左右方向に収縮した状態において、前記上下方向に隣り合う２つの前記溶着部の間に挟み込まれることによって前記第１シート及び前記第２シートに取り付けられており、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有する第１溶着部列と、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有し、前記第１溶着部列の前記左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列と、を備え、前記第１溶着部列は、前記一方側に凸となった第１凸部と、前記上下方向において前記第１凸部に隣り合う第２凸部とを有しており、前記第２溶着部列は、前記左右方向の他方側に凸となった第３凸部を有しており、自然状態において、前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に、前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことを特徴とする伸縮性シート。

このような伸縮性シートによれば、溶着部が分散して形成されているため、上下方向及び左右方向の変形が阻害されにくい柔軟なシート部材を実現することができる。また、自然状態において、溶着部列の凸部間同士の間に不均一で細かい皺が形成されやすくなるため、長く連なった直線的な皺が形成される場合と比較して、シート部材表面の肌触りをソフトにすることができる。そして、そのような細かい皺が形成された部分では、シート部材の坪量が部分的に高くなることからクッション性が高まり、より良好な肌触りを実現することができる。

かかる伸縮性シートであって、前記左右方向に伸長した状態において、前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記一方側に、前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、弾性部材の収縮に伴って、第３凸部の他方側の端が、第１凸部の一方側の端と第２凸部の一方側の端とを結んだ直線よりも他方側から一方側に移動することにより、当該移動距離に応じた領域に皺を形成することができる。また、凸部に沿って左右方向に湾曲した皺が形成され、皺の向きが変化する点において皺が途切れやすくなり、上下方向に非連続な細かい皺が形成されやすくなる。これにより、シート部材表面の肌触りをよりソフトにすることができる。

かかる伸縮性シートであって、前記第１溶着部列及び前記第２溶着部列に含まれる複数の前記溶着部のうち、前記上下方向に隣り合う２つの溶着部は、前記左右方向に重複する部分を有している、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、上下方向に隣り合う２つの溶着部の左右方向のずれ量が溶着部の左右方向の長さよりも小さくなる。すなわち、溶着部のずれ量の大きさを所定の範囲に制限することにより、溶着部列の左右方向における凹凸が滑らかになり、凸部同士の間に曲線的な細かい皺を形成しやすくなる。これにより、シート表面の肌触りを柔軟なものにすることができる。

かかる伸縮性シートであって、前記上下方向に隣り合う２つの溶着部が前記左右方向に重複している部分の長さは、前記上下方向に隣り合う２つの溶着部が前記左右方向に重複していない部分の長さよりも長い、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、溶着部の左右方向における重複部部分の長さが、溶着部の左右方向における長さの１／２よりも大きくなる。これにより、溶着部列の左右方向における凹凸の振れ幅が大きくなりすぎず、凸部同士の間の領域で、より曲線的で細かい皺を形成しやすくなり、より柔軟な肌触りを実現しやすくなる。

かかる伸縮性シートであって、前記溶着部列は、前記上下方向の上側から下側に向かって、前記左右方向に蛇行している、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、曲線的な細かい皺を形成しやすくするとともに、溶着部列自体が伸縮シートの表面に曲線的な幾何学模様を形成するため、外観的なデザイン性を向上させることができる。

かかる伸縮性シートであって、前記溶着部の前記左右方向における長さは、前記溶着部の前記上下方向における長さよりも長い、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、溶着部の形状が横長であることにより、弾性部材と溶着部との間の左右方向における接触部分の面積（長さ）が大きくなるため、当該接触部分に生じる摩擦力を大きくすることができる。したがって、溶着部によって固定されている弾性部材の位置ずれが生じ難くなり、伸縮性シートに安定した伸縮性を付与することができる。

かかる伸縮性シートであって、前記溶着部の前記上下方向における長さは、前記上下方向において、隣り合う２つの前記溶着部の間隔よりも長い、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、上下方向において大きな途切れを有していない溶着部列が形成される。これにより、伸縮性シートが左右方向に収縮した際に、隣り合う溶着部列間でシート表面に歪が生じにくくなるため、溶着部列の凹凸（カーブ）に沿った皺が形成されやすくなり、良好な肌触りを実現することができる。

かかる伸縮性シートであって、複数の前記弾性部材のうち、第１弾性部材と、前記第１弾性部材と前記上下方向に隣り合う第２弾性部材との前記上下方向における間隔は、前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端との前記上下方向における間隔よりも小さい、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、上下方向に隣り合う凸部同士の間隔よりも、弾性部材の上下方向の間隔が小さくなるようにすることで、弾性部材による収縮力を凸部間の領域にしっかりと作用させ、皺を形成させやすくすることができる。これにより、良好な肌触りを実現しやすくなる。

かかる伸縮性シートであって、複数の前記弾性部材のうち、第１弾性部材と、前記第１弾性部材と前記上下方向に隣り合う第２弾性部材との前記上下方向における間隔は、前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端との前記上下方向における間隔の１／２よりも小さい、ことが望ましい。

このような伸縮性シートによれば、上下方向に隣り合う２つの凸部の間の領域において単位面積あたりに作用する弾性部材の収縮力がより大きくなるため、より皺を形成させやすくすることができる。

かかる伸縮性シートであって、前記左右方向に伸長した状態においては、前記第３凸部の前記他方側の端が、前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記一方側に位置し、前記自然状態においては、前記第３凸部の前記他方側の端が、前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に位置するように、前記第３凸部の前記他方側の端を移動させることが可能な収縮力を発現する伸長倍率で、前記弾性部材が取り付けられている、ことが望ましい。

このような伸縮シートによれば、弾性部材の収縮によって、第３凸部の他方側の端の位置を、第１凸部の一方側の端と第２凸部の一方側の端とを結んだ直線よりも他方側に移動させることができるため、第３凸部と第１凸部（第２凸部）との間の領域に、長く連なった皺が形成されることを抑制し、不規則で細かな皺を形成させやすくすることができる。

かかる伸縮性シートであって、前記弾性部材は、２倍以上３倍以下の伸長倍率で取り付けられている、ことが望ましい。

このような伸縮シートによれば、第３凸部の他方側の端の位置を、第１凸部の一方側の端と第２凸部の一方側の端とを結んだ直線よりも他方側に移動させることを可能にしつつ、収縮力が大きくなりすぎることにより吸収性物品等に適用する際に過度な締め付け力が生じてしまうことを抑制することができる。

かかる伸縮性シートであって、前記左右方向において、隣り合う２つの前記溶着部の間隔は６ｍｍ以下である、ことが望ましい。

このような伸縮シートによれば、自然状態において、第３凸部の他方側の端の位置を、第１凸部の一方側の端と第２凸部の一方側の端とを結んだ直線よりも他方側に移動させやすくなる。したがって、伸縮性シートの表面に不規則な細かい皺を形成しやすくすることができる。

また、互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、排泄物を吸収する吸収性本体と、前記左右方向に沿って設けられ、前記吸収性本体の前側上端部に接合された腹側帯部材と、前記腹側帯部材とは別体として前記左右方向に沿って設けられ、前記吸収性本体の後側上端部に接合された背側帯部材と、備えた吸収性物品であって、前記腹側帯部材及び前記背側帯部材は、複数の溶着部によって接合された第１シート及び第２シートと、前記左右方向に沿って伸縮可能な弾性部材とを有し、前記弾性部材は、前記第１シートと前記第２シートとの間に、前記上下方向に間隔を空けて複数配置され、前記左右方向に収縮した状態において、前記上下方向に隣り合う２つの前記溶着部の間に挟み込まれることによって前記第１シート及び前記第２シートに取り付けられており、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有する第１溶着部列と、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有し、前記第１溶着部列の前記左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列、とを備え、前記第１溶着部列は、前記一方側に凸となった第１凸部と、前記上下方向において前記第１凸部に隣り合う第２凸部とを有しており、前記第２溶着部列は、前記左右方向の他方側に凸となった第３凸部を有しており、自然状態において、前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に、前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことを特徴とする吸収性物品が明らかとなる。

このような吸収性物品によれば、着用者の胴回りに当接する腹側（背側）帯部材において、良好な肌触りやフィット性を実現することができる。また、直線的な皺と比較して倒れにくく潰れにくい曲線的な皺が帯部材の表面に形成されるため、吸収性物品の着用時において良好なフィット性や肌触りを持続しやすくなる。

かかる吸収性物品であって、前記腹側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔と、前記背側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔と、が異なる、ことが望ましい。

このような吸収性物品によれば、腹側帯部材と背側帯部材とで表面に形成される皺の大きさや形状を異ならせることができる。これにより、腹側帯部材と背側帯部材とが厚さ方向に密着しにくくなり、吸収性物品の使用時に腹側帯部材と背側帯部材とを前後に開いて胴回り開口を形成しやすくすることができる。

かかる吸収性物品であって、前記腹側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔が、前記背側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔よりも狭い、ことが望ましい。

このような吸収性物品によれば、上下方向における弾性部材間のピッチが広い背側帯部材において、傾きの大きな皺を形成しやすくすることができる。皺の傾きが大きい分、背側帯部材は腹側帯部材よりも上下方向に対する伸びしろが大きくなり、吸収性物品の着用時において、背側帯部材が上下方向に伸びやすくなる。これにより、身体の動きが大きい臀部領域において背側帯部材が身体の動きに追従しやすくなり、フィット性が向上する。

＝＝＝実施形態＝＝＝
＜使い捨ておむつの構成＞
本実施形態に係る伸縮性シートを用いた吸収性物品の一例として使い捨ておむつ１（以下、「おむつ１」とも呼ぶ）について説明する。同おむつ１では、伸縮性シートを胴回りの帯部材（後述する腹側帯部材３１と背側帯部材４１）として使用している。図１は、おむつ１の概略斜視図である。図２は、展開かつ伸長した状態のおむつ１を着用者の肌側から見た概略平面図である。図３は、図２中のＡ−Ａ断面図であるとともに、同図２中のＢ−Ｂ断面図でもある。

このおむつ１は、図１のような着用前のパンツ型状態において、「上下方向」と、上下方向と直交する「左右方向」と、上下方向及び左右方向と直交する「前後方向」と、を有している。なお、上下方向については、上側が、着用者の胴回り開口側に対応し、下側が、着用者の股下側に対応している。また、前後方向については、前側が着用者の腹側に対応し、後側が着用者の背側に対応している。

図１のパンツ型状態において、おむつ１は、左右方向に沿って伸縮性を有する腹側帯部材３１と、この腹側帯部材３１の後側に位置しつつ、当該腹側帯部材３１と共同して、上下方向の上側に胴回り開口ＢＨを形成するための左右方向に沿って伸縮性を有する背側帯部材４１と、腹側帯部材３１と背側帯部材４１との間に設けられた股下部としての吸収性本体１０と、を備えている。そして、吸収性本体１０は、腹側帯部材３１及び背側帯部材４１よりも上下方向の下方に突出して位置している。

また、腹側帯部材３１における左右方向の各端部３１ｅ，３１ｅと、対応する背側帯部材４１における左右方向の各端部４１ｅ，４１ｅとは、溶着部としてのサイドシール部ＳＳで接合されている。そして、これにより、腹側帯部材３１及び背側帯部材４１が、吸収性本体１０と共同して、下側かつ左右方向の両側にそれぞれ脚回り開口ＬＨ，ＬＨを一つずつ形成している。

ここで、「展開状態」とは、図１のパンツ型状態のおむつ１が左右方向の両側に有する前述のサイドシール部ＳＳの接合を解くことで、腹側帯部材３１と背側帯部材４１とを分離するとともに、おむつ１を上下方向に開くことで、おむつ１を平面上に展開した状態のことである。また、「伸長状態」とは、製品（おむつ１）を皺無く伸長させた状態、具体的には、おむつ１を構成する各部材（例えば、吸収性本体１０や腹側帯部材３１等）の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長した状態のことを言う。

展開状態において、おむつ１は、互いに直交する三方向として長手方向と左右方向と厚さ方向（図２では紙面を貫通する方向）とを有している。なお、長手方向は、前述の上下方向に沿っている。そして、長手方向の一方側が腹側（前側）に対応し、他方側が背側（後側）に対応している。また、長手方向の外側が、上下方向の上側（胴回り開口側）に対応し、長手方向の内側が、上下方向の下側（股下側）に対応している。そして、このように長手方向と上下方向とは互いに似通った方向であることから、以下では、説明の都合上、この展開状態においても、長手方向に代えて上下方向を用いて説明することもある。一方、左右方向は、前述のパンツ型状態における左右方向と同義である。また、厚さ方向については、一方側が、着用者の身体に接する肌側に対応し、他方側が、その逆側の非肌側に対応している。なお、厚さ方向は、前述の前後方向に沿っている。

図２の展開状態においては、腹側帯部材３１は、左右方向に沿って配されており、また、背側帯部材４１は、腹側帯部材３１と長手方向に所定の間隔を空けた位置で、左右方向に沿って配されている。そして、これら腹側帯部材３１と背側帯部材４１との間に吸収性本体１０が長手方向に沿って掛け渡されつつ、同吸収性本体１０の長手方向の各端部１０ｅａ，１０ｅｂ（すなわち、パンツ型状態における前側上端部１０ｅａ及び後側上端部１０ｅｂ）が、それぞれ最寄りの各帯部材３１，４１に接合固定されていて、これにより、その外観形状は、平面視略Ｈ型状をなしている。また、この状態から、吸収性本体１０における長手方向の所定位置ＣＬ１（長手方向におけるおむつ１の中央位置ＣＬ１）を折り位置としておむつ１が二つ折りされるとともに、この二つ折りの状態において互いに対向する帯部材３１，４１の左右方向の端部３１ｅ，４１ｅ同士が前述のサイドシール部ＳＳで接合されると、これら帯部材３１，４１同士が環状に繋がって、これにより、図２に示すような胴回り開口ＢＨ及び一対の脚回り開口ＬＨ，ＬＨが形成されたパンツ型のおむつ１となる。

吸収性本体１０は、図２の展開状態において平面視略長方形状をなしている。そして、吸収性本体１０の長手方向が、おむつ１の長手方向に沿うように配されている。また、図３に示すように、吸収性本体１０は、吸収体１１と、同吸収体１１を肌側から覆って吸収性本体１０の肌側面をなす液透過性のトップシート１３と、同吸収体１１を非肌側から覆って吸収性本体１０の非肌側面をなす液不透過性のバックシート１５と、を備えている。

吸収体１１は、液体吸収性の吸収性コア１１ｃと、同コア１１ｃの外周面を被覆する不図示のコアラップシートと、を有する。吸収性コア１１ｃは、パルプ繊維や高吸収性ポリマー等の液体吸収性素材を所定形状の一例としての平面視略砂時計形状に成形した成形体である。また、コアラップシートには、ティッシュペーパーや不織布等の液透過性シートを使用可能であるが、コアラップシートについては無くても良い。更に、吸収性コア１１ｃの形状は、何等上記の平面視略砂時計形状に限らず、他の形状でも良い。

トップシート１３は、不織布等の液透過性の柔軟なシートである。また、バックシート１５は、液不透過性の柔軟なシートである。そして、同バックシート１５の一例としては、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等の液不透過性の防漏シートと、防漏シートの非肌側に貼り合わされた不織布製の外装シートとを有した二層構造のラミネートシートが挙げられる。

なお、図２に示すように、少なくともバックシート１５は、吸収体１１から長手方向及び左右方向に突出するような平面サイズのシートである。そして、左右方向に突出した部分に、それぞれ長手方向に伸縮するレッグギャザーＬＧが形成されている。すなわち、当該突出した部分には、弾性部材として長手方向に沿った糸ゴム１７が長手方向に伸長した状態で固定されていて、これにより、当該部分に伸縮性のレッグギャザーＬＧが形成されている。

また、図２及び図３に示すように、吸収性本体１０は、横漏れを防止する目的で左右方向の各端部に防漏壁部としての立体ギャザーＬＳＧ，ＬＳＧを有している。すなわち、立体ギャザーＬＳＧとなるシート状部分に弾性部材として長手方向に沿った糸ゴム１８が長手方向に伸長した状態で取り付けられた構成が、吸収性本体１０の左右方向の各端部に設けられている。

図２に示すように、腹側帯部材３１は、厚さ方向に積層された第１シート３２及び第２シート３３を素材とした平面視略矩形形状のシート部材である。すなわち、図３に示すように、第１シート３２，第２シート３３は、互いに厚さ方向に重ねられた状態にあるとともに、互いに対向する一対の対向面同士が、後述の図４に示すように上下方向及び左右方向に離散的に配された複数の溶着部５０，５０…（接合部に相当）によって接合されている。そして、図２に示すように、当該腹側帯部材３１は、吸収性本体１０よりも左右方向の両側に突出するように配されつつ、同吸収性本体１０における腹側の端部（前側上端部）１０ｅａに非肌側から重ねられて接合されている。

また、背側帯部材４１も、腹側帯部材３１と同様に、厚さ方向に積層された第１シート４２及び第２シート４３を素材とした平面視略矩形形状のシート状部材である。すなわち、図３に示すように、第１シート３２，第２シート３３士は、互いに厚さ方向に重ねられた状態にあるとともに、互いに対向する一対の対向面同士が、図４の腹側帯部材３１の場合と同様に、上下方向（長手方向）及び左右方向に離散的に配された複数の溶着部５０，５０…（接合部に相当）で接合されている。そして、図２に示すように、当該背側帯部材４１は、吸収性本体１０よりも左右方向の両側に突出するように配されつつ、同吸収性本体１０における背側の端部（後側上端部）１０ｅｂに非肌側から重ねられて接合されている。

また、この例では、腹側帯部材３１（４１）に係る第１シート３２（４２），第２シート３３（４３）の何れも、スパンボンド不織布が使用されている。但し、何等これに限らず、ＳＭＳ（スパンボンド／メルトブローン／スパンボンド）不織布等の別の種類の不織布を用いても良い。また、この例では、不織布の構成繊維として熱可塑性樹脂の代表例のポリプロピレン（ＰＰ）の単独繊維を用いているが、何等これに限らない。例えば、ポリエチレン（ＰＥ）などの他の熱可塑性樹脂の単独繊維を用いても良いし、更に、ＰＥ及びＰＰ等の鞘芯構造を有した複合繊維を用いても良い。

＜腹側帯部材３１について＞
続いて、本実施形態に係る伸縮性シートたる腹側帯部材３１及び背側帯部材４１の具体的な構成について説明する。上述したように、腹側帯部材３１及び背側帯部材４１はほぼ同様の構成を有している。そこで、以下の説明では腹側帯部材３１及び背側帯部材４１の両者に共通する内容については、両者を代表して腹側帯部材３１についてのみ説明する。背側帯部材４１については、腹側帯部材３１に対応する部材等の符号を必要に応じて括弧書きで示す等として、具体的な説明は省略する。

図４は、展開かつ伸長させた状態の腹側帯部材３１（伸縮性シート）を非肌側から見た概略平面図である。なお、図４では、おむつ１の構成部材としての腹側帯部材３１（４１）が示されているが、同帯部材３１，４１は伸縮性シートとしておむつ１以外の用途にも適用できるものである。すなわち、図４は、本実施形態に係る伸縮性シートの基本的な構成について表す図でもある。

図４に示すように、腹側帯部材３１（４１）に係る第１シート３２（４２），第２シート３３（４３）において互いに対向する一対の対向面同士の間には、左右方向に沿って伸縮可能な糸ゴム等の弾性部材３５，３５…（４５，４５…）が上下方向に間隔を空けて複数並んで介挿されつつ、同シート３２，３３（４２，４３）に前述の溶着部５０，５０…に基づいて取り付けられている。これにより、腹側帯部材３１（４１）には左右方向の伸縮性が付与されている。すなわち、溶着部５０，５０…は、第１シート３２（４２）及び第２シート３３（４３）の一対の対向面同士を接合する機能だけでなく、第１シート３２（４２）及び第２シート３３（４３）に弾性部材３５（４５）を取り付ける機能も有している。

本実施形態の腹側帯部材３１（４１）では、複数の溶着部５０，５０…が上下方向に隣り合って並ぶことにより、上下方向に沿った溶着部列６０が形成され、左右方向に間隔を空けて複数の溶着部列６０が設けられている。各々の溶着部列６０は、上下方向に沿って真っ直ぐ配置されているのではなく、左右方向の一方側若しくは他方側に凸となった凸部６０Ｐを有するように配置されている。すなわち、溶着部列６０に含まれる複数の溶着部５０の左右方向における位置がそれぞれ異なることにより、溶着部列６０は、全体として凹凸を有するように形成される。図４の例では、溶着部列６０は上下方向に上側から下側に向かって左右に蛇行するように形成されている。但し、各々の溶着部５０の配置は図４の例に限られるものではなく、溶着部列６０が左右方向の一方側にのみ凸部６０Ｐを有しているような構成であっても良い。

複数の溶着部５０が上下方向、及び左右方向に所定の間隔を空けて設けられていることにより、腹側帯部材３１（４１）の柔軟性を維持しつつ、おむつ１を着用した際の肌触りが悪化することを抑制することができる。仮に、上下方向若しくは左右方向に長く連なった（連続した）線状の溶着部が形成されていた場合、当該溶着部が形成されている部分において不織布が硬くなり、また、溶着部が線状（帯状）に形成されている方向に不織布が変形することが阻害されやすくなる。これに対して、本実施形態では、小さな溶着部が分散して配置されているため、おむつ１の使用者（着用者）に不織布が硬化していることを感じさせにくく、上下方向及び左右方向に対する変形が阻害されにくい柔軟なシート部材を提供することができる。また、詳細については後述するが、溶着部列６０が左右方向に凹凸を有するように形成されているため、腹側帯部材３１（４１）の表面に不規則な形状の皺が形成されやすくなり、おむつ１着用時における肌触りをよりソフトにすることができる。

また、腹側帯部材３１（４１）では、溶着部列６０に含まれる複数の溶着部５０のうち、上下方向に隣り合う２つの溶着部５０，５０によって弾性部材３５が上下に挟み込まれることにより、該弾性部材３５が腹側帯部材３１（４１）に取り付けられている。すなわち、弾性部材３５の上下方向の両側に並ぶ一対の溶着部５０，５０同士が、溶着部対５０Ｓをなし、該溶着部対５０Ｓによって弾性部材３５が取り付けられている。図５Ａ及び図５Ｂは、弾性部材３５の取り付け機能の説明図であり、図４中のＣ部の概略拡大図である。

図５Ａに示すように、溶着部対５０Ｓをなす一対の溶着部５０，５０は、上下方向に間隔ＧＨ５０を空けて並んでいる。そして、間隔ＧＨ５０大きさは、目標の伸長倍率まで左右方向に伸長した状態での糸ゴム等の弾性部材３５（４５）の外径Ｄ３５ｔ（Ｄ４５ｔ）と同寸又はそれよりも若干大きい寸法に設定されている（ＧＨ５０≧Ｄ３５ｔ）。つまり、伸長状態の弾性部材３５は、溶着部対５０Ｓの上下方向の間に配置される。このような構成であれば、おむつ１（腹側帯部材３１）の製造工程において、第１シート３２及び第２シート３３の間に伸長した状態の弾性部材３５を配置した後、第１シート３２と第２シート３３とを溶着する際に、弾性部材３５と重複させること無く溶着部５０を形成することができる。

そして、弾性部材３５（４５）が伸長状態から緩和されると、図５Ｂに示すように、弾性部材３５（４５）は左右方向に収縮しつつ上下方向に拡大し、拡大した後の外径Ｄ３５ｔ´は溶着部対５０Ｓの上下方向の間隔ＧＨ５０よりも大きくなる（Ｄ３５ｔ´＞ＧＨ５０）。したがって、溶着部対５０Ｓの間では弾性部材３５（４５）の上下方向の拡大が規制され、これにより、溶着部５０，５０同士で、弾性部材３５（４５）は実質的に上下方向に挟圧された状態となる。その結果、弾性部材３５（４５）が腹側帯部材３１（４１）に取り付けられる。なお、図１のパンツ型状態のおむつ１においては、弾性部材３５（４５）は、上記の伸長状態から緩和された状態である。また、パンツ型状態のおむつ１では、腹側帯部材３１の左右方向の両端部３１ｅにおいてサイドシール部ＳＳによって弾性部材３５が接合されているため、おむつ１の着用時において腹側帯部材３１（弾性部材３５）が左右方向に伸長されたとしても、弾性部材３５が腹側帯部材３１から外れてしまうことは無い。

ちなみに、上記の伸長倍率とは、弾性部材３５（４５）の全長Ｌ１を、自然長たる無負荷状態の全長Ｌ０の何倍まで伸ばしているかを示す値Ｒ（＝Ｌ１／Ｌ０）のことである。

図６は、図４の領域Ｘについて拡大して表した図であり、左右方向に伸長させた状態における溶着部列６０の配置について説明する図である。図７は、図６に示される伸長状態を解除して自然状態にした場合の溶着部列６０の配置について説明する図である。図８は、図６の領域Ｙについて拡大して表した図であり、上下方向に隣り合う溶着部５０，５０の位置関係について説明する図である。

なお、「自然状態」とは、おむつ１や腹側帯部材３１（４１）を所定時間放置したときの状態である。例えば、おむつ１の腹側帯部材３１及び背側帯部材４１を左右方向の両外側に引っ張り、帯部材３１，４１を「伸長した状態」として、この伸長状態を１５秒間継続させた後、おむつ１の引っ張りを解除して机等の平面に置く。そして、このような平面平置きで５分間経過させた状態を自然状態とする。

図６及び図７では、第１溶着部列６１と、第１溶着部列６１の左右方向の一方側（図６では右側）に隣り合って配置された第２溶着部列６２とが示されている。第１溶着部列６１及び第２溶着部列６２は、上述のようにそれぞれ複数の溶着部５０が上下方向に隣り合って並ぶことによって形成され、左右方向に凹凸を有している。具体的に、第１溶着部列６１は、左右方向の一方側（右側）に凸となった部分である第１凸部６１Ｐ１と、第１凸部６１Ｐ１の上下方向の下側に隣り合い、左右方向の一方側（右側）に凸となった部分である第２凸部６１Ｐ２を有している。同様に、第２溶着部列６２は、左右方向の他方側（左側）に凸となった部分である第３凸部６２Ｐ３を有している。また、第３凸部６２Ｐ３は、上下方向において第１凸部６１Ｐ１と第２凸部６１Ｐ２との間に位置している。

溶着部列６１、６２を構成する各々の溶着部５０の形状は、図８に示されるように左右方向における長さＷ５０が上下方向における長さＨ５０よりも長い横長の矩形状である（Ｗ５０＞Ｈ５０）。上述したように、本実施形態では、自然状態において上下方向に隣り合う１対の溶着部対５０Ｓによって上下に挟み込まれることによって弾性部材３５が取り付けられる。したがって、溶着部５０Ｓの形状を横長にすることにより、弾性部材３５と溶着部対５０Ｓとの間の左右方向における接触面積（長さ）が大きくなり、その分左右方向の摩擦力も大きくなるため、弾性部材３５を固定しやすくすることができる。但し、溶着部５０の形状は、図８のような横長の矩形状に限られるものではない。例えば、楕円形であったり、縦長の形状であったりしても良い。また、複数の溶着部５０の形状が各々異なっていても良い。しかしながら、少なくとも弾性部材３５を上下に挟み込む溶着部対５０Ｓを構成する２つの溶着部５０の形状を横長にすることにより、弾性部材３５の位置ずれを生じにくくする効果を得ることができる。

また、溶着部列６０中で上下方向に隣り合う溶着部５０，５０の上下方向における間隔ＧＨ５０は、溶着部５０の上下方向の長さＨ５０よりも短くなっている（Ｈ５０＞ＧＨ５０）。本実施形態では、自然状態において、隣り合う溶着部列６０，６０の間の領域に皺を形成させやすくするために、各々の溶着部列６０は上下方向に大きくな途切れを有していないことが望ましい。溶着部列６０が上下方向に大きな途切れを有していた場合（すなわちＧＨ５０が広い場合）、収縮時に当該途切れ部において歪が生じやすくなるからである。したがって、本実施形態では溶着部５０，５０の上下方向の間隔ＧＨ５０をＨ５０よりも小さくすることにより、溶着部列６０が上下方向において大きく途切れてしまうことを抑制している。これにより、腹側帯部材３１が左右方向に収縮した際に、溶着部列６０，６０の間の領域で腹側帯部材３１の表面に歪が生じにくくなり、溶着部列６０の凹凸（カーブ）に沿った皺を形成しやすくすることができる。

図６に示されるように、腹側帯部材３１を伸長させた状態において、第３凸部６２Ｐ３の左右方向の一方側の端６２Ｐ３Ｃ（つまり第３凸部６２Ｐ３の左側端）の位置は、第１凸部６１Ｐ１の左右方向の一方側の端６１Ｐ１Ａ（つまり第１凸部６１Ｐ１の右側端）と第２凸部６１Ｐ２の左右方向の一方側の端６１Ｐ２Ｂ（つまり第２凸部６１Ｐ２の右側端）とを結んだ直線よりも左右方向の一方側（右側）にある。

一方、図７の自然状態では、第３凸部６２Ｐ３の左右方向の一方側の端６２Ｐ３Ｃの位置は、第１凸部６１Ｐ１の左右方向の一方側の端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の左右方向の一方側の端６１Ｐ２Ｂとを結んだ直線よりも左右方向の他方側（左側）にある。すなわち、弾性部材３５が収縮することによって左右方向において隣り合う２つの溶着部列６０（図６，図７では第１溶着部列６１及び第２溶着部列６２）の間隔が狭くなる際に、第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃが第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａ（若しくは第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂ）よりも左側（左右方向の他方側）に移動する。これにより、第１溶着部列６１と第２溶着部列６２との間に不規則な皺を形成させやすくすることができる。

図９Ａ及び図９Ｂは比較例の腹側帯部材３７における皺の形成について説明する図である。図９Ａは、図６に対応する図であり、腹側帯部材３７が左右方向に伸長された状態において溶着部列６０の一部を拡大して表している。図９Ｂは、図７に対応する図であり、腹側帯部材３７の自然状態において溶着部列６０の一部を拡大して表している。比較例の腹側帯部材３７では、複数の溶着部５０，５０…が上下方向に隣り合って並ぶことにより、上下方向に沿った溶着部列６０が形成され、左右方向に間隔を空けて複数の溶着部列６０が設けられている。一方、各々の溶着部列６０は左右方向に凹凸を有していない、若しくは左右方向に極めて小さな凹凸を有している。図９Ａの例では、各々の溶着部列６０が上下方向に沿って真っ直ぐに形成されている。その他の基本的な構成は腹側帯部材３１と同等である。

自然状態において腹側帯部材３７が左右方向に収縮すると、左右方向に隣り合う２つの溶着部列６０，６０の間隔が狭くなるのに応じて、溶着部列６０，６０の間の不織布（３２，３３）が厚さ方向に盛り上がり、図９Ｂの太破線で示されるような皺が形成される。当該皺は、溶着部列６０とほぼ並行となるように上下方向に沿って真っ直ぐに連続した形成される。すなわち、比較例の腹側帯部材３７では、上下方向に沿って長く大きな皺が規則正しく形成される。このような腹側帯部材３７が使用されたおむつを着用した場合、着用者の肌に長い直線的な皺の跡が付きやすく、また、規則的に形成された皺のエッジ部における圧力が着用者の肌に局所的に作用しやすくなり、着用時に不快感を生じさせるおそれがある。

これに対して、本実施形態の腹側帯部材３１では、自然状態において、第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃが、第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａ（第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂ）よりも左側に位置していることから、比較例のような真っ直ぐな皺は形成されず、不規則な皺が形成されやすい。具体的には、図７の太破線で示されるように、第１溶着部列６１及び第２溶着部列６２の間に左右方向に蛇行した曲線的な皺（曲率を有する皺）が形成される。また、左右方向における皺の向きが変化することによって、上下方向に長く連続した皺が形成されにくくなる。すなわち、左右方向の一方側に凸となる部分と他方側に凸となる部分との中間付近にて皺が上下に分断されやすくなるため、比較例（図９Ｂ参照）よりも細かな皺が形成されやすくなる。

つまり、本実施形態の腹側帯部材３１（４１）では、伸長状態において第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａ（第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂ）よりも右側に位置していた第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃを、自然状態において第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａ（第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂ）よりも左側に移動させることにより、不規則な細かい皺を形成させることができる。したがって、腹側帯部材３１が使用されたおむつ１を着用した場合、着用者の肌に長い直線的な皺の跡が付きにくく、また、不規則に形成された皺により圧力が分散されるため、着用者に良好な肌触りを感じさせることができる。また、このような細かい皺が形成された部分では、シート部材（不織布）の坪量（単位面積当たりの重量）が部分的に高くなることから、該シート部材によるクッション性が高まる。したがって、当該皺が形成された部分において弾性部材３５等が肌に食い込みにくくなり、より良好な肌触りを実現することができる。

また、腹側帯部材３１（４１）では、溶着部列６０を構成する複数の溶着部５０のうち上下方向に隣り合う２つの溶着部５０，５０同士が左右方向に重複する部分を有するように各々の溶着部５０が配置されている。図８では、溶着部５０の左右方向の長さＷ５０のうち、Ｗ５０Ｌの部分が上下方向に隣り合う溶着部５０と重複している。つまり、上下方向に隣り合う２つの溶着部５０，５０の左右方向におけるずれ量がＷ５０よりも小さくなるように各々の溶着部５０が形成されている。例えば、溶着部５０，５０の左右方向におけるずれ量が溶着部５０の左右方向の長さＷ５０よりも大きい場合、溶着部列６０はギザギザに屈曲した稲妻形状となり、溶着部列６０，６０の間の領域に形成される皺も直線的なギザギザ形状になりやすく、柔軟な肌触りを実現しにくくなる。これに対して、本実施形態では、溶着部５０の左右方向におけるずれ量が制限されていることにより、図７に示されるような滑らかな曲線を描く細かい皺が形成されやすくなり、腹側帯部材３１の肌触りを柔軟にすることができる。

更に、上下方向に隣り合う２つの溶着部５０，５０の左右方向における重複部分の長さＷ５０Ｌが、重複していない部分の長さ（Ｗ５０−Ｗ５０Ｌ）よりも長くなるように各々の溶着部５０が配置されていることが望ましい。すなわち、溶着部５０の重複部分の長さＷ５０Ｌが、溶着部５０の左右方向における長さＷ５０の１／２よりも大きいことが望ましい（Ｗ５０Ｌ＞０．５×Ｗ５０）。このようにすれば、溶着部列６０の左右方向における凹凸の振れ幅が大きくなりすぎず、溶着部列６０は、図４に示されるように滑らかな曲線を描きやすくなる。したがって、左右に隣り合う溶着部列６０，６０の間において、滑らかなカーブを有しつつ、不規則で細かい皺が形成されやすくなり、より柔軟な肌触りを実現することができる。

そして、上下方向に隣り合う２つの溶着部５０，５０の左右方向におけるずれ量（Ｗ５０−Ｗ５０Ｌ）をなるべく小さくすることによって、左右方向において滑らかに蛇行した形状を有する溶着部列６０を形成することができる。これにより、上述のような曲線的な細かい皺を形成しやすくするとともに、溶着部列６０自体が腹側帯部材３１（４１）の表面に曲線的な幾何学模様を形成し、腹側帯部材３１（４１）の外観的なデザイン性を向上させることができる。

また、腹側帯部材３１（４１）では、溶着部列６０において上下方向に隣り合う２つの凸部の頂点間距離よりも、少なくとも一部の弾性部材３５の上下方向おけるピッチの方が狭くなるように、弾性部材３５が配置されている。図６の例では、第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の右側端６２Ｐ２Ｂとの間の上下方向における距離Ｈ６０よりも、第１弾性部材３５１と、第１弾性部材３５１の上下方向の下側に隣り合って配置されている第２弾性部材３５２との上下方向における間隔ＧＨ３５の方が狭くなっている（Ｈ６０＞ＧＨ３５）。

上述のように、腹側帯部材３１（４１）では、弾性部材３５（４５）が左右方向に収縮することによって溶着部列６０において上下方向に隣り合う凸部６０Ｐ，６０Ｐの間の領域に細かい皺を形成し、良好な肌触りを実現している。したがって、当該領域に弾性部材３５による収縮力を十分に作用させることができないと、皺が形成されにくくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、溶着部列６０のうち少なくとも一部では、上下方向に隣り合う凸部同士の間隔（ピッチ）よりも、弾性部材３５の上下方向の間隔（ピッチ）が小さくなるようにして、凸部間の領域に左右方向の収縮力をしっかりと作用させ、皺を形成させやすくしている。これにより、良好な肌触りを実現しやすくなる。

更に、腹側帯部材３１（４１）の溶着部列６０で上下方向に隣り合う２つの凸部の頂点間距離の半分の長さよりも、弾性部材３５の上下方向おけるピッチの方が狭くなっていることが望ましい。例えば、図６において、第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂとの間の上下方向の距離Ｈ６０の１／２の長さよりも、第１弾性部材３５１と、第１弾性部材３５１の上下方向の下側に隣り合って配置されている第２弾性部材３５２との上下方向における間隔ＧＨ３５の方が狭いことが望ましい（０．５×Ｈ６０＞ＧＨ３５）。このような関係であれば、上下方向に隣り合う凸部６０Ｐ，６０Ｐの間の領域において単位面積あたりに作用する弾性部材３５の収縮力がより大きくなるため、皺を形成させやすくすることができる。

また、弾性部材３５は、所定の伸長倍率まで伸長させた状態で腹側帯部材３１に取り付けられ、伸長状態を解除されて収縮することにより、該腹側帯部材３１に伸縮性を付与している。そして、図７の自然状態において、第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃを第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａ（第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂ）よりも左側に移動させることで、不規則で細かい皺を形成させることができる。そのため、本実施形態では、伸長状態（左右方向に伸長させた状態）において第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂとを結んだ直線よりも右側に位置している第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃを、自然状態において当該直線よりも左側に移動させることが可能な収縮力を発現する伸長倍率で、弾性部材３５が腹側帯部材３１（第１シート３２及び第２シート３３）に取り付けられる。このような伸長倍率で弾性部材３５を取り付けることにより、腹側帯部材３１の表面に不規則で細かな皺を形成させやすくすることができる。

なお、弾性部材３５を取り付ける際の具体的な伸長倍率は、２倍以上３倍以下にすることが望ましい。伸長倍率が２倍よりも小さいと、収縮力が十分に発現せず、自然状態において第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃを第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂとを結んだ直線よりも左側に移動させることができない場合がある。一方、伸長倍率が３倍よりも大きいと、収縮力が大きすぎることにより、おむつ１の着用時における胴回りの締め付けが強くなり、着用者に不快感を与えやすくなる。本実施形態では、弾性部材３５を取り付ける際の伸長倍率を２倍以上３倍以下の範囲と設定することによって、腹側帯部材３１の左右方向における適切な収縮を担保し、おむつ１着用時における良好なフィット性と肌触りを両立させることができる。

また、左右方向に隣り合う２つの溶着部列６０，６０の間隔ＧＷ６０（図６において、第１溶着部列６１の右側端と第２溶着部列６２の左側端との間の左右方向の距離）は６ｍｍ以下であることが望ましい。間隔ＧＷ６０が大きすぎると、弾性部材３５の伸長倍率を上述の２〜３倍の範囲で設定したとしても、自然状態において、第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃを、第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂとを結んだ直線よりも左側に移動させることができない場合がある。この場合、図９Ｂに示されるような上下方向に沿って長く真っ直ぐに連なった皺が形成されるおそれがある。これに対して、ＧＷ６０が６ｍｍ以下であれば、自然状態において、第３凸部６２Ｐ３の左側端６２Ｐ３Ｃを、第１凸部６１Ｐ１の右側端６１Ｐ１Ａと第２凸部６１Ｐ２の右側端６１Ｐ２Ｂとを結んだ直線よりも左側に移動させやすくなる。したがって、腹側帯部材３１の表面に不規則な細かい皺を形成させることができる。

以上に説明したように、おむつ１等の吸収性物品の胴回り部材として、上述のような特性を有する腹側帯部材３１（４１）を用いることにより、良好な肌触りやフィット性を実現することができる。また、腹側帯部材３１（４１）では、溶着部列６０に沿って左右方向に屈曲した皺が形成されるが、このような皺は、図９Ｂに示されるような真っ直ぐな皺と比較して、潰れにくい。すなわち、左右方向に隣り合う溶着部列６０，６０の間で、不織布（第１シート３２及び第２シート３３）が厚さ方向の肌側・非肌側に立ち上がることによって皺が形成されるが、皺が直線的に形成されている場合、着用者の肌に押し付けられた際に立ち上がり基点にて折れ曲がりが生じ、皺が倒れやすい（潰れやすい）。一方、本実施形態では、皺が曲線的に形成されるため、直線的な皺と比較して皺が倒れにくい（潰れにくい）。したがって、おむつ１の着用時において良好なフィット性や肌触りを持続しやすい。

このとき、腹側帯部材３１における弾性部材３５の上下方向のピッチ（ＧＨ３５）と、背側帯部材４１における弾性部材４５の上下方向のピッチとが異なっていることが望ましい。弾性部材３５，４５の上下方向におけるピッチを異ならせることにより、腹側帯部材３１及び背側帯部材４１で単位面積あたりに作用する弾性部材の収縮力に差が生じ、おむつ１の腹側と背側とで収縮時に形成される皺の大きさや形状を異ならせることができる。表面に形成される皺の大きさや形状が異なることにより、腹側帯部材３１と背側帯部材４１とが厚さ方向に密着しにくくなり、おむつ１の取り扱いが容易になる。例えば、おむつ１が製造工場から出荷される際には、腹側帯部材３１と背側帯部材４１とが厚さ方向に重ね合わされた状態で圧縮され、包装される。使用者（購入者）がおむつ１を使用する際には、腹側帯部材３１と背側帯部材４１とを前後に開いて胴回り開口を形成する必要があるが（図１参照）、このとき腹側帯部材３１と背側帯部材４１とが互いに密着していないため簡単に胴回り開口を開くことができる。

更に、背側帯部材４１における弾性部材４５の上下方向のピッチが、腹側帯部材３１における弾性部材３５の上下方向のピッチ（ＧＨ３５）よりも広いことが望ましい。上下方向における弾性部材間のピッチが広いほど、収縮時に形成される皺の傾き（左右方向に対する傾き）が大きくなるため、背側帯部材４１において傾きの大きな皺が形成されやすくなる。そして、大きく傾いている皺を上下方向に沿って真っ直ぐに伸ばすことにより、背側帯部材４１を上下方向に伸ばすことができるようになる。つまり、背側帯部材４１では、皺の傾きが大きい分、腹側帯部材３１よりも上下方向に対する伸びしろが大きくなり、おむつ１の着用時において、背側帯部材４１は腹側帯部材３１よりも上下方向に伸びやすくなる。したがって、身体の動きが大きい臀部領域において背側帯部材４１が身体の動きに追従して上下方向に伸びることにより、フィット性が悪化することを抑制しやすくなる。

＝＝＝その他の実施の形態＝＝＝
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱すること無く、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでも無い。例えば、以下に示すような変形が可能である。

上述の実施形態においては、サイドシール部ＳＳは必ずしも矩形形状である必要は無い。矩形形状に限らず、楕円形状、円形状、平行四辺形状等、任意の形状を採用することができる。また、サイドシール部ＳＳは、必ずしも複数のサイド溶着部ＳＳを上下方向に間欠に配置しなくても良い。例えば、おむつ１の左右方向の端部の上端から下端まで設けられたサイドシール部ＳＳを両側部に１つずつ設けるものであっても良い。

１ おむつ（吸収性物品、使い捨ておむつ）、
１０ 吸収性本体、
１０ｅａ 端部、１０ｅｂ 端部、
１１ 吸収体、１１ｃ 吸収性コア、
１３ トップシート、１５ バックシート、
１７ 糸ゴム、１８ 糸ゴム、
３１ 腹側帯部材、３１ｅ 端部、
３２ 第１シート、３３ 第２シート、
３５ 弾性部材、３５１ 第１弾性部材、３５２ 第２弾性部材、
３７ 腹側帯部材（比較例）
４１ 背側帯部材、４１ｅ 端部、
４２ 第１シート、４３ 第２シート、
４５ 弾性部材、
５０ 溶着部、５０Ｓ 溶着部対、
６０ 溶着部列、
６０Ｐ 凸部、
６１ 第１溶着部列、６１Ｐ１ 第１凸部、６１Ｐ１Ａ 端、
６１Ｐ２ 第２凸部、６１Ｐ２Ｂ 端、
６２ 第２溶着部列、６２Ｐ３ 第３凸部、６２Ｐ３Ｃ 端、
ＢＨ 胴回り開口、ＬＨ 脚周り開口、
ＣＬ１ 中央位置、
ＬＧ レッグギャザー、
ＬＳＧ 立体ギャザー（防漏壁部）

上記目的を達成するための主たる発明は、
互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、複数の溶着部によって接合された第１シートと第２シートとの間に、前記左右方向に沿って伸縮可能な弾性部材が前記上下方向に間隔を空けて複数配置された伸縮性シートであって、各々の前記弾性部材は、前記左右方向に収縮した状態において、前記上下方向に隣り合う２つの前記溶着部の間に挟み込まれることによって前記第１シート及び前記第２シートに取り付けられており、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有する第１溶着部列と、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有し、前記第１溶着部列の前記左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列と、を備え、前記第１溶着部列は、前記一方側に凸となった第１凸部と、前記上下方向において前記第１凸部に隣り合う第２凸部とを有しており、前記第２溶着部列は、前記左右方向の他方側に凸となった第３凸部を有しており、自然状態において、前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に、前記第３凸部の前記他方側の端が位置しており、前記左右方向に伸長した状態において、前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記一方側に、前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことを特徴とする伸縮性シートである。

Claims (15)

1. 互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、
   複数の溶着部によって接合された第１シートと第２シートとの間に、前記左右方向に沿って伸縮可能な弾性部材が前記上下方向に間隔を空けて複数配置された伸縮性シートであって、
   各々の前記弾性部材は、前記左右方向に収縮した状態において、前記上下方向に隣り合う２つの前記溶着部の間に挟み込まれることによって前記第１シート及び前記第２シートに取り付けられており、
   前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有する第１溶着部列と、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有し、前記第１溶着部列の前記左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列と、を備え、
   前記第１溶着部列は、前記一方側に凸となった第１凸部と、前記上下方向において前記第１凸部に隣り合う第２凸部とを有しており、
   前記第２溶着部列は、前記左右方向の他方側に凸となった第３凸部を有しており、
   自然状態において、
   前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に、
   前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、
   ことを特徴とする伸縮性シート。
2. 請求項１に記載の伸縮性シートであって、
   前記左右方向に伸長した状態において、
   前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記一方側に、
   前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことを特徴とする伸縮性シート。
3. 請求項１または２に記載の伸縮性シートであって、
   前記第１溶着部列及び前記第２溶着部列に含まれる複数の前記溶着部のうち、前記上下方向に隣り合う２つの溶着部は、
   前記左右方向に重複する部分を有している、ことを特徴とする伸縮性シート。
4. 請求項３に記載の伸縮性シートであって、
   前記上下方向に隣り合う２つの溶着部が前記左右方向に重複している部分の長さは、
   前記上下方向に隣り合う２つの溶着部が前記左右方向に重複していない部分の長さよりも長い、ことを特徴とする伸縮性シート。
5. 請求項３または４に記載の伸縮性シートであって、
   前記溶着部列は、前記上下方向の上側から下側に向かって、
   前記左右方向に蛇行している、ことを特徴とする伸縮性シート。
6. 請求項１〜５のいずれか１項に記載の伸縮性シートであって、
   前記溶着部の前記左右方向における長さは、
   前記溶着部の前記上下方向における長さよりも長い、ことを特徴とする伸縮性シート。
7. 請求項１〜６のいずれか１項に記載の伸縮性シートであって、
   前記溶着部の前記上下方向における長さは、
   前記上下方向において、隣り合う２つの前記溶着部の間隔よりも長い、ことを特徴とする伸縮性シート。
8. 請求項１〜７のいずれか１項に記載の伸縮性シートであって、
   複数の前記弾性部材のうち、第１弾性部材と、前記第１弾性部材と前記上下方向に隣り合う第２弾性部材との前記上下方向における間隔は、
   前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端との前記上下方向における間隔よりも小さい、ことを特徴とする伸縮性シート。
9. 請求項８に記載の伸縮性シートであって、
   複数の前記弾性部材のうち、第１弾性部材と、前記第１弾性部材と前記上下方向に隣り合う第２弾性部材との前記上下方向における間隔は、
   前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端との前記上下方向における間隔の１／２よりも小さい、ことを特徴とする伸縮性シート。
10. 請求項１〜９のいずれか１項に記載の伸縮性シートであって、
    前記左右方向に伸長した状態においては、前記第３凸部の前記他方側の端が、前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記一方側に位置し、
    前記自然状態においては、前記第３凸部の前記他方側の端が、前記第１凸部の前記一方側の端と前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に位置するように、
    前記第３凸部の前記他方側の端を移動させることが可能な収縮力を発現する伸長倍率で、前記弾性部材が取り付けられている、ことを特徴とする伸縮性シート。
11. 請求項１０に記載の伸縮性シートであって、
    前記弾性部材は、２倍以上３倍以下の伸長倍率で取り付けられている、ことを特徴とする伸縮性シート。
12. 請求項１０または１１に記載の伸縮性シートであって、
    前記左右方向において、隣り合う２つの前記溶着部の間隔は６ｍｍ以下である、ことを特徴とする伸縮性シート。
13. 互いに交差する上下方向と左右方向とを有し、
    排泄物を吸収する吸収性本体と、
    前記左右方向に沿って設けられ、前記吸収性本体の前側上端部に接合された腹側帯部材と、
    前記腹側帯部材とは別体として前記左右方向に沿って設けられ、前記吸収性本体の後側上端部に接合された背側帯部材と、
    を備えた吸収性物品であって、
    前記腹側帯部材及び前記背側帯部材は、
    複数の溶着部によって接合された第１シート及び第２シートと、前記左右方向に沿って伸縮可能な弾性部材とを有し、
    前記弾性部材は、前記第１シートと前記第２シートとの間に、前記上下方向に間隔を空けて複数配置され、前記左右方向に収縮した状態において、前記上下方向に隣り合う２つの前記溶着部の間に挟み込まれることによって前記第１シート及び前記第２シートに取り付けられており、
    前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有する第１溶着部列と、前記上下方向に隣り合って並ぶ複数の前記溶着部を有し、前記第１溶着部列の前記左右方向の一方側に隣り合って配置された第２溶着部列と、を備え、
    前記第１溶着部列は、前記一方側に凸となった第１凸部と、前記上下方向において前記第１凸部に隣り合う第２凸部とを有しており、
    前記第２溶着部列は、前記左右方向の他方側に凸となった第３凸部を有しており、
    自然状態において、
    前記第１凸部の前記一方側の端と、前記第２凸部の前記一方側の端とを結んだ直線よりも前記他方側に、
    前記第３凸部の前記他方側の端が位置している、ことを特徴とする吸収性物品。
14. 請求項１３に記載の吸収性物品であって、
    前記腹側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔と、
    前記背側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔と、が異なる、ことを特徴とする吸収性物品。
15. 請求項１４に記載の吸収性物品であって、
    前記腹側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔が、
    前記背側帯部材に設けられた前記弾性部材の前記上下方向における間隔よりも狭い、ことを特徴とする吸収性物品。
    

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