JP2019062139A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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隆樹 丹羽
隆弘 藤井
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隆弘 藤井
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正芳 小嵜
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Abstract

【課題】イオン注入によって半導体に与えられたダメージを回復させ、ホール濃度を高める。【解決手段】n型不純物を含有する窒化ガリウム系の半導体に、1E19cm−3以下のイオン注入濃度で、マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)のうち少なくとも一方のp型不純物をイオン注入するイオン注入工程と、p型不純物がイオン注入された半導体を熱処理する熱処理工程と、を行う。【選択図】図2

Description

本開示は、イオン注入法を用いた半導体装置の製造方法に関する。
イオン注入法を用いた半導体装置の製造方法では、イオン注入によって半導体にダメージが与えられることが知られている。特許文献1には、イオン注入された結晶材料に対して、結晶材料中の荷電子の励起が可能なエネルギーの波長を有するレーザ光を照射することで、結晶材料の結晶性を回復させ、所望の特性を出現させることが記載されている。
特開2000−277448号公報
しかし、特許文献1では、イオン注入によって半導体に与えられたダメージを回復させることが可能なイオン注入量については、検討されていなかった。
本開示は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。この製造方法は;n型不純物を含有する窒化ガリウム系の半導体に、1E19cm−3以下のイオン注入濃度で、マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)のうち少なくとも一方のp型不純物をイオン注入するイオン注入工程と;前記p型不純物がイオン注入された前記半導体を熱処理する熱処理工程と、を備える。
この形態によれば、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行うので、半導体に与えられたダメージを熱処理により回復させることができ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができる。その結果、半導体のホール濃度を高めることができる。
(2)上記形態において、前記イオン注入工程と前記熱処理工程と、の組合せを、複数回行ってもよい。
この形態によれば、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行うので、半導体に与えられたダメージを熱処理により回復させることができ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができるとともに、イオン注入工程と熱処理工程とを複数回行うことにより、半導体のホール濃度をより高めることができる。
(3)上記形態において、前記イオン注入工程におけるイオン注入濃度は、5E18cm−3以上であってもよい。
この形態によれば活性化率のより高い濃度範囲でイオン注入を行うので、半導体のホール濃度をより高めることができる。
(4)上記形態において、m回目の前記イオン注入工程におけるイオン注入濃度は、前記m回目よりも後に行われる前記イオン注入工程におけるイオン注入濃度よりも低くてもよい。ただし、mは1以上の整数である。
この形態によれば、m回目にイオン注入されたp型不純物を、m回目よりも後のイオン注入によるノックオン効果によって、半導体内部へと拡散させることができる。そのため、イオン注入によって形成されたp型半導体領域におけるp型不純物濃度のばらつきを低減することができる。
(5)上記形態において、前記熱処理は、熱アニールであってもよい。
この形態によれば、熱アニールにより、半導体内部まで加熱することができるので、イオン注入によって半導体内部に与えられたダメージをより回復させることができ、半導体内部のp型不純物をより活性化させることができる。
(6)上記形態において、前記熱アニールは、高周波誘導加熱方式を用いたRTA(Rapid Thermal Anneal)であってもよい。
この形態によれば、イオン注入された半導体を急速昇温できるとともに、赤外線照射方式を用いたRTAに比べて半導体内部まで加熱することができる。そのため、半導体装置の製造におけるスループットを高めることと、半導体内部のp型不純物をより活性化させることと、を達成できる。
(7)上記形態において、前記イオン注入工程では、2価のp型不純物を用いてイオン注入を行ってもよい。
この形態によれば、1価のp型不純物を用いる場合と比較して、イオン注入によって半導体に与えられるダメージを低減することができるので、ホール濃度をより高めることができる。
(8)上記形態において、前記イオン注入工程の前に行われ、前記半導体上にイオン注入用マスクを形成するイオン注入用マスク形成工程と;前記イオン注入工程の後、前記熱処理工程の前に行われ、前記イオン注入用マスクの上に保護膜を形成する保護膜形成工程と;前記イオン注入工程と前記熱処理工程と、の組合せが複数回終了した後、前記イオン注入用マスクを除去するイオン注入用マスク除去工程と、を備えてもよい。
この形態によれば、半導体上に形成されたイオン注入用マスクを複数回のイオン注入工程において使用することができるので、半導体装置の製造工程を簡易化することができる。
(9)上記形態において、前記保護膜は、前記イオン注入用マスクから選択的に除去可能であり;前記熱処理工程の後に、前記保護膜を除去する保護膜除去工程を備えていてもよい。
この形態によれば、前回の熱処理工程において用いられた保護膜のみを除去して、次回のイオン注入を行うことができる。
本開示によれば、n型不純物を含有する窒化ガリウム系の半導体に、1E19cm−3以下のイオン注入濃度で、マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)のうち少なくとも一方のp型不純物をイオン注入するイオン注入工程と、p型不純物がイオン注入された半導体を熱処理する熱処理工程と、を備えるので、半導体に与えられたダメージを熱処理により回復させることができ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができる。その結果、半導体のホール濃度を高めることができる。
半導体装置の構成を模式的に示す図である。 半導体装置の製造方法について示す工程図である。 実験により求めらたイオン注入濃度とホール濃度との関係を示す図である。 図3に示すホール濃度を、半導体に由来する電子濃度であるバックグラウンド濃度で補正した結果を示す図である。 イオン注入濃度と活性化率との関係を示す図である。 第2実施形態の製造方法について示す工程図である。 第3実施形態の製造方法について示す工程図である。
・第1実施形態
図1は、半導体装置100の断面の一部を示す模式図である。なお、図1は、半導体装置100の技術的特徴をわかりやすく示すための図であり、各部の寸法を正確に示すものではない。図1には、説明を容易にするために、相互に略直交するXYZ軸が図示されている。図1のXYZ軸は、他の図のXYZ軸に対応する。なお、以降の説明では、+Z軸方向側を「上」又は「上側」とも呼ぶ。
半導体装置100は、窒化ガリウム(GaN)系の半導体装置である。本実施形態では、半導体装置100は、縦型トレンチMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。半導体装置100は、例えば、電力制御に用いられ、パワーデバイスとも呼ばれる。
半導体装置100は、基板110と、半導体層111と、半導体層113と、半導体層114と、を備える。半導体装置100は、また、p型不純物のイオン注入によって形成されたp型半導体領域112、115を備える。半導体装置100は、これらの半導体層及び半導体領域に形成された構造として、トレンチ122と、リセス124と、段差部126と、終端部129とを有する。半導体装置100は、更に、絶縁膜130と、ゲート電極142と、ソース電極144とドレイン電極148とを備える。本実施形態では、半導体装置100は、更に、絶縁膜150と、配線電極160とを備える。図1には、これらの構造の他に、ソース電極144とドレイン電極148と、の間に流れる電流を制御するための制御領域Dが示されている。
半導体装置100の基板110と、半導体層111と、半導体層113と、半導体層114と、はX軸及びY軸に沿って広がる板状の半導体である。本実施形態では、基板110と、半導体層111と、半導体層113と、半導体層114と、は窒化ガリウム(GaN)系の半導体から形成されている。窒化ガリウム(GaN)系の半導体としては、窒化ガリウム(GaN)のほか、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)などが例示できる。なお、電力制御用の半導体装置に用いる観点から、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)が好ましい。本実施形態では、窒化ガリウム(GaN)を用いる。なお、本実施形態の効果を奏する範囲において、窒化ガリウム(GaN)の一部をアルミニウム(Al)やインジウム(In)などの他のIII族元素に置換してもよく、他の不純物を含んでいてもよい。
基板110は、n型の特性を有する半導体である。本実施形態では、基板110に含まれるシリコン(Si)濃度は、1E18cm−3以上である。本実施形態において、基板110の厚さ(Z軸方向の長さ)は、30μm以上500μm以下である。なお、1E18との記載は、1×1018を示す。
半導体層111は、n型の特性を有する半導体である。本実施形態では、半導体層111は、基板110の+Z軸方向側に位置する。本実施形態では、半導体層111に含まれるシリコン(Si)濃度は、1E15cm−3以上8E16cm−3以下である。本実施形態では、半導体層111の厚さは、5μm以上20μm以下である。
p型半導体領域112、115は、半導体層111の一部に対するp型不純物のイオン注入によって形成されたp型の特性を示す半導体領域である。本実施形態では、p型半導体領域112は、半導体層111及び半導体層113に隣接する。p型半導体領域112は、ソース電極144とドレイン電極148と、の間に流れる電流を制御するための制御領域Dから離れて位置している。p型半導体領域112の一部と、p型半導体領域115とは、後述の段差部126に位置している。p型半導体領域112は、半導体層111と同様に、窒化ガリウム(GaN)系の半導体である。本実施形態では、p型半導体領域112、115は、マグネシウム(Mg)をアクセプタ元素(p型不純物)として含有する。p型半導体領域112、115に含まれるマグネシウム(Mg)の平均濃度は、例えば、2E19cm−3以上5E19cm−3以下である。p型半導体領域112、115の厚さは、約0.6μm(マイクロメートル)である。p型半導体領域112、115を形成する方法については、詳細を後述する。
半導体層113は、p型の特性を有する半導体である。本実施形態では、半導体層114は、半導体層111及びp型半導体領域112の+Z軸方向側に位置する。本実施形態では、半導体層113は、マグネシウム(Mg)をアクセプタ元素として含有する。本実施形態では、半導体層113に含まれるマグネシウム(Mg)濃度は、4E18cm−3以下である。本実施形態では、半導体層113の厚さは、1μm以下である。
半導体層114は、n型の特性を有する半導体である。本実施形態では、半導体層114は、半導体層113の+Z軸方向側に位置する。本実施形態では、半導体層114は、シリコン(Si)をドナー元素として含有する。本実施形態では、半導体層114に含まれるシリコン(Si)濃度は、1E18cm−3以上であり、半導体層114の厚さ(Z軸方向の長さ)は、0.4μm以下である。
トレンチ122は、半導体層114、半導体層113を貫通し半導体層111にまで落ち込んだ溝部である。トレンチ122の下面は、半導体層111内に位置する。本実施形態では、トレンチ122は、半導体層114、113、111に対するドライエッチングによって形成された構造である。
リセス124は、半導体層114を貫通し、半導体層113にまで落ち込んだ溝部である。本実施形態では、リセス124は、半導体層114、113に対するドライエッチングによって形成された構造である。
段差部126は、上面に半導体層114、下面に半導体層111が位置する部位である。本実施形態では、段差部126は、半導体層114、113、111に対するドライエッチングによって形成された構造である。半導体装置100の終端部129は、段差部126に隣接し、半導体層114、113、111の終端を構成する部位である。本実施形態では、終端部129は、ダイシングによって形成された構造である。
半導体装置100の絶縁膜130は、電気絶縁性を有する膜である。本実施形態では、絶縁膜130は、トレンチ122の内側から外側にわたって形成されている。本実施形態では、絶縁膜130は、酸化シリコン(SiO)からなる。
ゲート電極142は、トレンチ122上の絶縁膜130に接し、トレンチ122に形成された電極である。本実施形態では、ゲート電極142は、アルミニウム(Al)からなる。ゲート電極142に電圧が印加された場合、p型の半導体層113に反転層が形成され、この反転層がチャネルとして機能することによって、ソース電極144とドレイン電極148との間に導通経路が形成される。
ソース電極144は、リセス124に形成され、半導体層114にオーミック接触する電極である。本実施形態では、ソース電極144は、チタン(Ti)からなる層にアルミニウム(Al)からなる層を積層した後に熱処理を加えた電極である。
ドレイン電極148は、基板110の−Z軸方向側の表面にオーミック接触する電極である。本実施形態では、ドレイン電極148は、チタン(Ti)からなる層にアルミニウム(Al)からなる層を積層した後に熱処理を加えた電極である。
本実施形態では、半導体装置100は、トレンチ122に絶縁膜130およびゲート電極142を形成した複数のトレンチ構造と、リセス124にソース電極144を形成した複数のリセス構造とを備える。本実施形態では、トレンチ構造およびリセス構造は、X軸方向に交互に配置されている。本実施形態では、トレンチ構造およびリセス構造は、Y軸方向に延びている。本実施形態では、複数のゲート電極142は、半導体装置100の面内において並列に接続されている。本実施形態では、複数のソース電極144は、配線電極160を通じて並列に接続されている。
絶縁膜150は、段差部126、絶縁膜130、ゲート電極142およびソース電極144を被覆する。本実施形態では、絶縁膜150は、酸化シリコン(SiO)からなる。
配線電極160は、絶縁膜150の上に形成された電極である。配線電極160は、絶縁膜150を貫通しソース電極144の各々に接続する接続部を有する。本実施形態では、配線電極160は、アルミニウム(Al)からなる。本実施形態では、配線電極160は、段差部126において配線電極160と共にフィールドプレート構造を形成する。
本実施形態の半導体装置100によれば、トレンチ122の下面が存在する半導体層111内に、p型半導体領域112が位置するため、p型半導体領域112によって、トレンチ122の下面の角に発生する電界集中を緩和することができる。
また、段差部126の箇所におけるp型半導体領域112、115によって、段差部126における電界集中を緩和することができる。
また、配線電極160は、段差部126において配線電極160とともにフィールドプレート構造を形成するため、段差部126に現れるpn接合界面の端部における電界集中を緩和できる。
図2は、半導体装置100の製造方法について示す工程図である。図2には、半導体装置100の製造方法のうち、特に、p型半導体領域112、115の形成方法が示されている。p型半導体領域112、115は、半導体層111に対するp型不純物のイオン注入によって形成される。本実施形態では、まず、基板110の上に形成された半導体層111の上にスルー膜が形成される、スルー膜形成工程が行われる(ステップS10)。本工程では、基板110の上に、半導体層111及びスルー膜を、この順に、形成する。スルー膜は、後述するイオン注入工程において、半導体層111の表面が汚染されること、及び、イオン注入されたp型不純物が半導体層111の表面から抜けることを抑制するために用いられる。半導体層111及びスルー膜は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により形成される。スルー膜は、シリコン(Si)を含まないことが好ましい。後述するイオン注入工程において、スルー膜中のSiがノックオン効果によって半導体層111及び半導体層111に形成されるp型半導体領域112、115に注入されることを抑制するためである。また、スルー膜は、窒素(N)を含むことが好ましい。窒化ガリウム半導体からの窒素(N)抜けを抑制するためである。例えば、スルー膜として、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウムアルミニウム(InAlN)、窒化インジウムアルミニウムガリウム(InAlGaN)、ダイヤモンドライクカーボン等が用いられてもよい。スルー膜の厚さは、p型不純物を半導体層111に十分に注入するために、厚すぎないことが好ましく、例えば、1nm〜50nmの範囲であることが好ましい。本実施形態では、スルー膜は窒化アルミニウム(AlN)により形成されており、スルー膜の厚さは30nmである。
次に、半導体層111上に、イオン注入領域が開口するイオン注入用マスクが形成される、イオン注入用マスク形成工程が行われる(ステップS20)。本実施形態では、イオン注入用マスクは、スルー膜の上に形成される。イオン注入用マスクの材料として、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム(Al)、フォトレジスト、窒化チタン(TiN)等の金属が用いられてもよい。
イオン注入用マスクが形成された後、イオン注入によって半導体層111にp型不純物が注入される、イオン注入工程が行われる(ステップS30)。イオン注入されるp型不純物の濃度(イオン注入濃度)は、1E19cm−3以下の濃度である。イオン注入濃度は、5E18cm−3以上であることが好ましい。本実施形態では、イオン注入されるp型不純物元素として、マグネシウム(Mg)が用いられる。マグネシウム(Mg)に代えてカルシウム(Ca)が用いられてもよく、マグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)とが用いられてもよい。
イオン注入工程において、基板110の温度は、室温以上であって800℃以下であることが好ましい。800℃以下とすることにより、半導体層111の表面から窒素(N)が抜けることを抑制することができる。基板110の温度は、400℃以上600℃以下の範囲とすることがより好ましい。イオン注入によって半導体層111に与えられるダメージを低減するためである。本実施形態では、基板110の温度は、500℃である。また、本実施形態において、他のイオン注入条件は、以下のとおりである。
・イオン電流:1μA〜10μA
・注入エネルギー:150keV〜250keV
・注入角度(オフ角):基板表面の(0001)面の法線方向に対し、7度
次に、イオン注入用マスクが除去される、イオン注入用マスク除去工程が行われる(ステップS40)。本実施形態では、イオン注入用マスクは、ウエットエッチングによって除去される。例えば、イオン注入用マスクがフォトレジストで形成されている場合には、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いてもよいし、イオン注入用マスクが酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム(Al)で形成されている場合には、フッ酸(HF)又はバッファードフッ酸(BHF、Buffered HydrOgen FluOride)水溶液を用いてもよい。イオン注入用マスクが窒化アルミニウム(AlN)で形成されている場合には、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いてもよい。なお、スルー膜形成工程(ステップS10)において形成されたスルー膜は、本工程(ステップS40)において、イオン注入用マスクとともに除去されてもよい。
次に、イオン注入された半導体層111上に保護膜が形成される、保護膜形成工程が行われる(ステップS50)。保護膜は、後述する熱処理工程において、イオン注入された半導体層111の表面から窒素(N)が抜けることや、イオン注入された半導体層111の表面が荒れること等を抑制するために用いられる。なお、イオン注入用マスク除去工程(ステップS40)においてスルー膜を除去せず、スルー膜の上に保護膜を形成する場合には、半導体層111の表面が大気に曝されない。そのため、p型不純物がイオン注入された領域の表面に、大気中のシリコン(Si)等の不純物が付着することが抑制される。その結果、p型不純物がイオン注入された領域の表面に、n型半導体領域が形成されることが抑制される。本実施形態では、保護膜として、窒化アルミニウム(AlN)を用いる。本実施形態では、保護膜の厚さは、600nmである。
次に、保護膜が形成された半導体層111が熱処理(アニール)される、熱処理工程が行われる(ステップS60)。熱処理工程は、半導体層111にイオン注入によって与えられたダメージを回復させ、イオン注入されたp型不純物を活性化させるために行われる。
熱処理工程における熱処理温度は、1000℃以上、1400℃以下であることが好ましく、1150℃以上、1300℃以下であることがより好ましい。イオン注入されたp型不純物がマグネシウム(Mg)である場合には、マグネシウム(Mg)をより活性化させる観点から、熱処理温度は1200℃以上1300℃未満であることが好ましい。本実施形態では、熱処理温度は1250℃である。熱処理時間は、10秒以上であることが好ましい。また、熱処理時間は、5分以下であることが好ましく、2分以下であることがより好ましい。本実施形態では、熱処理時間は30秒である。熱処理雰囲気は、半導体層111から窒素(N)が抜けることを抑制する観点から、アンモニア(NH3)を含む雰囲気、窒素(N)を含む雰囲気で行われることが好ましい。また、熱処理工程における圧力は、1気圧以上であってもよい。本実施形態では、熱処理雰囲気は窒素(N)ガス雰囲気であり、圧力は1気圧である。
熱処理は、レーザアニール、フラッシュランプアニール(FLA)、ハロゲンランプを用いたRTA(Rapid Thermal Anneal)、高周波誘導加熱方式を用いたRTA、シーズヒータ等を用いた高温保管炉等を用いて行われてもよい。熱処理は、半導体層の表面状態が劣化することを抑制し、半導体装置の製造におけるスループットを向上させる観点から、レーザを用いた熱処理を除く熱処理(熱アニール)により行われることが好ましい。本実施形態では、高周波誘導加熱方式を用いたRTAにより、熱処理を行う。
次に、半導体層111上に形成された保護膜が除去される、保護膜除去工程が行われる(ステップS70)。本実施形態では、保護膜はウエットエッチングによって除去される。本実施形態では、窒化アルミニウム(AlN)からなる保護膜が、60℃以上の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いて除去される。なお、スルー膜形成工程(ステップS10)において形成されたスルー膜が、マスク除去工程(ステップS40)において除去されていない場合には、スルー膜は、本工程において保護膜とともに除去されてもよい。
なお、スルー膜がマスク除去工程(ステップS40)において除去され、保護膜形成工程において窒化アルミニウム(AlN)がイオン注入された半導体層111上に形成された場合には、熱処理工程(ステップS60)において保護膜と、イオン注入された半導体層111との間に窒化アルミニウム(AlN)と窒化ガリウム(GaN)の混合層が形成される場合がある。このような場合には、保護膜除去工程(ステップS70)において、アッシング装置を用いて半導体層111上から酸素プラズマを照射した後、フッ酸(HF)水溶液によるウエットエッチングによって保護膜を除去してもよい。
保護膜が除去された後、イオン注入された半導体層111上への半導体層113、114の積層、トレンチ122、リセス124の形成、絶縁膜130、ゲート電極142、ソース電極144及びドレイン電極148の形成が行われ、半導体装置100が製造される。以上のようにして、半導体装置100が製造される。
第1実施形態によれば、1E19cm−3以下の濃度でイオン注入を行うので、イオン注入によって半導体に与えられたダメージを回復させ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができる。その結果、半導体のホール濃度を高めることができる。
また、5E18cm−3以上、1E19cm−3以下の濃度でイオン注入を行うことにより、イオン注入されたp型不純物の活性化率をより高めることができるので、半導体のホール濃度をより高めることができる。
また、熱処理工程において熱アニールを用いることにより、半導体表面のみならず半導体内部まで加熱することができるので、イオン注入によって半導体内部に与えられたダメージをより回復させることができ、半導体内部のp型不純物をより活性化させることができる。
また、熱アニールは、高周波誘導加熱方式を用いたRTA(Rapid Thermal Anneal)であるので、急速昇温を行うことができるとともに、赤外線照射方式を用いたRTAに比べて半導体内部まで加熱することができる。そのため、半導体装置の製造におけるスループットを高めることと、半導体内部のp型不純物をより活性化させることと、を達成できる。
以下、イオン注入工程(ステップS30)におけるイオン注入濃度を1E19cm−3以下とすることで、ホール濃度を高めることができる根拠、及び、イオン注入工程(ステップS30)におけるイオン注入濃度を5E18cm−3以上かつ1E19cm−3以下とすることで、ホール濃度をより高めることができる根拠について、実験結果に基づいて説明する。
発明者らは、窒化ガリウム(GaN)からなるn型半導体に、種々のイオン注入濃度でマグネシウム(Mg)をイオン注入した後に、熱処理を行い、熱処理後の半導体におけるホール濃度を測定した。実験において、イオン注入深さは0.25μmであり、注入エネルギーは200keVである。その結果、以下に述べる事項を見出した。
図3は、実験により求められたイオン注入濃度とホール濃度との関係を示す図である。イオン注入濃度は、1回のイオン注入工程(図2、ステップS30)において半導体に注入されるマグネシウム(Mg)濃度であり、ホール濃度は、イオン注入工程(図2、ステップS30)及び熱処理工程(図2、ステップS60)を行った後に測定されたホール濃度である。
図4は、図3に示すホール濃度を、半導体に由来する電子濃度であるバックグラウンド濃度で補正した結果を示す図である。図4に示すホール濃度は、p型不純物のイオン注入に由来するホール濃度でもある。図4に示す直線(a)は、活性化率が一定であると仮定した場合のイオン注入濃度とホール濃度との関係を示している。図5は、イオン注入濃度と活性化率との関係を示す図である。図5の活性化率は、イオン注入濃度と、図4に示す実質的なホール濃度と、を用いて算出した。なお、注入エネルギーを400keVとしても、図3から図5に示す結果と同様の結果が得られた。また、注入されるp型不純物をカルシウム(Ca)としても、図3から図5に示す結果と同様の結果が得られた。
半導体にイオン注入されたマグネシウム(Mg)の活性化率は、イオン注入後の半導体におけるホール濃度を、マグネシウム(Mg)濃度で除算することによって算出される。活性化率が一定であると仮定すると、図4における直線(a)に示されるように、イオン注入濃度の増加とともにホール濃度は増加すると考えられる。図4、5に示す領域Aでは、イオン注入濃度の増加とともにホール濃度(キャリア濃度)が増加している。しかし、イオン注入濃度が2E19cm−3を超えた領域Bでは、イオン注入濃度を増加させてもホール濃度が増加せず、かえってホール濃度が低下し(図4)、活性化率が低下していた(図5)。このような現象が生じるのは、半導体における窒素(N)及びガリウム(Ga)の空孔濃度が増加し、複合欠陥が発生することによって、ホール濃度が低下するためであると考えられる。すなわち、領域Bよりもイオン注入濃度が低い領域、少なくとも1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行うことで、1E19cm−3よりも高いイオン注入濃度でイオン注入を行う場合に比べて、半導体に与えられたダメージを熱処理により回復させることができ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができることが判明した。
さらに、図4及び図5に示すように、イオン注入濃度が5E18cm−3から1E19cm−3の領域Cでは、ホール濃度が特異的に増加し、活性化率が特異的に増加することが判明した。すなわち、5E18cm−3以上かつ、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行うことにより、イオン注入されたp型不純物の活性化率をより高めることができることが判明した。
以上の結果から、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行えば、イオン注入によって半導体に与えられたダメージを回復させ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができ、半導体のホール濃度を高めることができることが示された。
また、活性化率がより高いイオン注入濃度の範囲、すなわち、5E18cm−3以上、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行えば、半導体のホール濃度をより高めることができることが示された。
・第2実施形態
図6は、第2実施形態の製造方法について示す工程図である。第1実施形態と異なる点について主に説明する。第2実施形態では、イオン注入工程(ステップS30a)と熱処理工程(ステップS60a)との組合せが、複数回行われる。
ステップS5aでは、図4及び図5で示したイオン注入濃度とホール濃度との関係を用いて、所望のホール濃度を達成するための、1E19cm−3以下で行われるイオン注入工程の回数、及び、各回におけるイオン注入濃度が決定される。なお、ステップS5aでは、半導体に注入されるp型不純物の合計濃度(積算イオン注入濃度)を定めておき、各回のイオン注入濃度が1E19cm−3以下となるように、イオン注入工程の回数及び、各回におけるイオン注入濃度が決定されてもよい。例えば、積算イオン注入濃度を3.2E19cm−3とする場合には、1回目のイオン注入工程では2E18cm−3のイオン注入濃度、2回目から4回目のイオン注入工程では1E19cm−3のイオン注入濃度でイオン注入を行うように、イオン注入工程の回数、及び、各回におけるイオン注入濃度が決定されてもよい。
なお、ホール濃度をより高める観点から、各イオン注入工程(ステップS30a)において、活性化率のより高い領域である、5E18cm−3以上かつ1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入が行われることが好ましい。そのため、例えば、積算イオン注入濃度を3.2E19cm−3とする場合には、イオン注入工程の回数を4回とし、8E18cm−3のイオン注入濃度でイオン注入を行うように、イオン注入工程の回数、及び、各回におけるイオン注入濃度が決定されてもよい。
また、半導体に与えられるダメージを低減する観点から、イオン注入工程(ステップS30a)と熱処理工程(ステップS60a)と、の組合せが実行される回数が少なくなるように、イオン注入工程の回数、及び各回におけるイオン注入濃度が決定されてもよい。
図6に示すステップS10aからステップS70aの各工程で行われる処理は、ステップS30aにおいて、現在のイオン注入工程回数に対応するイオン注入濃度でイオン注入が行われる点を除き、それぞれ、上述の第1実施形態のステップS10からステップS70と同様である。すなわち、図6に示すステップS10a、S20a、S40a、S50a、S60a、S70aの各工程で行われる処理は、それぞれ、図2に示すステップS10、S20、S40、S50、S60、S70と同様である。
第2実施形態では、ステップS5aにおいて決定したイオン注入工程の回数に達した場合に(ステップS80a、YES)、一連の工程が終了される。ステップS5において決定したイオン注入工程の回数に達していない場合には(ステップS80a、NO)、工程をスルー膜形成工程(ステップS10a)に戻す。こうすることにより、ステップS5aにおいて決定したイオン注入工程の回数、言い換えると、所望のホール濃度又は積算イオン注入濃度に達するまで、イオン注入工程(ステップS40a)と熱処理工程(ステップS60a)と、の組合せが、複数回行われる。本実施形態における半導体装置100のその他の製造方法については、上述の第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
第2実施形態によれば、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行うので、半導体に与えられたダメージを熱処理により回復させることができ、イオン注入されたp型不純物の活性化率を高めることができるとともに、イオン注入工程と熱処理工程とを複数回行うことにより、半導体のホール濃度をより高めることができる。その結果、従来のイオン注入では達成されなかった高いホール濃度を達成することができる。
・第3実施形態
図7は、第3実施形態の製造方法について示す工程図である。第2実施形態と異なる点について主に説明する。第2実施形態では、イオン注入工程(図6、ステップS30a)の後にイオン注入用マスクが除去された(図6、ステップS40a)。これに対し、第3実施形態では、ステップS5bで決定したイオン注入回数に達していない場合には(図7、ステップS80b、NO)、イオン注入用マスクを残したままイオン注入工程から保護膜除去工程までが行われる(図7、ステップS30b〜ステップS70b)。第3実施形態では、ステップS5bで決定したイオン注入回数に達した場合に(ステップS80b)、イオン注入用マスク除去工程が行われる(ステップS90b)。
第3実施形態では、イオン注入用マスク形成工程(ステップS20b)において、熱処理工程(ステップS60b)の温度に耐え得る材料を用いてイオン注入用マスクが形成される。保護膜形成工程(ステップS50b)では、保護膜除去工程(ステップS70b)において、保護膜を選択的に除去可能な材料を用いて、保護膜が形成される。イオン注入用マスク形成工程で形成されるイオン注入用マスクと、熱処理工程で形成される保護膜と、の組合せを以下に例示する。
・イオン注入用マスク:酸化シリコン(SiO)、保護膜:窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)
・イオン注入用マスク:窒化シリコン(SiN)、保護膜:酸化シリコン(SiO)、窒化アルミニウム(AlN)
なお、保護膜が窒化アルミニウム(AlN)の場合には、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用い、保護膜が窒化シリコン(SiN)の場合には熱リン酸水溶液を用い、保護膜が酸化シリコン(SiO)の場合にはフッ酸(HF)又はバッファードフッ酸(BHF、Buffered Hydrogen Fluoride)を用いて、保護膜除去工程(ステップS70b)において、保護膜を選択的に除去することができる。図7に示すステップS5b、S10b、S30b、S60bの各工程で行われる処理は、それぞれ、図6に示すステップS5a、S10a、S30a、S60aと同様である。
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果を奏するのに加え、イオン注入工程と熱処理工程と、の組合せが複数回終了した後、イオン注入用マスクを除去するイオン注入用マスク除去工程が行われるので、半導体上に形成されたイオン注入用マスクを複数回のイオン注入工程において使用することができ、半導体装置の製造工程を簡易化することができる。
また、保護膜は、イオン注入用マスクから選択的に除去可能であり、熱処理工程の後に、保護膜を除去する保護膜除去工程が行われるので、前回の熱処理工程において用いられた保護膜のみを除去して、次回のイオン注入を行うことができる。
・第4実施形態
第2実施形態及び第3実施形態では、イオン注入工程(ステップS30a、ステップS30b)と熱処理工程(ステップS60、ステップS60b)と、の組合せが複数回行われる。第4実施形態では、複数回のイオン注入工程のうち、m回目のイオン注入工程におけるイオン注入濃度を、m回目よりも後に行われるイオン注入工程におけるイオン注入濃度よりも低くする。ここで、mは1以上の整数である。例えば、1回目のイオン注入工程におけるイオン注入濃度を5E18cm−3とし、2回目のイオン注入工程におけるイオン注入濃度を1E19cm−3とし、3回目のイオン注入工程におけるイオン注入濃度を1E19c−3とする。なお、1回目と2回目のイオン注入濃度を入れ替えてもよい。その他の点に関しては、上述の第2実施形態又は第3実施形態における半導体装置の製造方法と同様である。
第4実施形態によれば、m回目のイオン注入工程において半導体に注入されたp型不純物を、m回目よりも後のイオン注入工程において、ノックオン効果によって半導体内部へ拡散させることができる。なお、mは1であることが好ましい。こうすることにより、イオン注入濃度が低濃度であっても、ノックオン効果によってp型不純物を半導体内部へより拡散させることができる。
・他の実施形態1
イオン注入工程において、2価のp型不純物を用いてイオン注入が行われてもよい。同じイオン注入濃度であっても、1価のp型不純物を用いる場合と比較して、注入エネルギーを低減することができ、イオン電流を低減することができる。そのため、イオン注入によって半導体に与えられるダメージをより低減することができ、ホール濃度をより高めることができる。
・他の実施形態2
イオン注入工程では、1回のイオン注入工程における合計のイオン注入濃度が1E19cm−3以下となればよく、注入エネルギーを異ならせて複数回イオン注入を行う多重注入法によりイオン注入が行われてもよい。注入エネルギーは、20keV、80keV、200keV・・・のように次第に大きくしてもよいし、各エネルギーにおけるイオン注入濃度を異ならせてもよい。多重注入を行うことにより、p型半導体領域112、115のZ方向における、p型不純物の濃度分布を均一にすることができる。すなわち、イオン注入されたp型不純物の濃度分布を、ボックスプロファイルにすることができる。
・他の実施形態3
上記実施形態において、ウエットエッチングが用いられた工程では、ウエットエッチングに代えてドライエッチングが行われてもよい。
・他の実施形態4
上記実施形態では、半導体の一部にイオン注入を行い、p型半導体領域112、115を形成する例を挙げて説明したが、本開示の製造方法を用いて、半導体の表面全体にイオン注入を行ってもよい。この場合には、イオン注入用マスク形成工程、イオン注入用マスク除去工程は行われなくともよい。
・他の実施形態5
上記種々の実施形態において、スルー膜を形成せずにイオン注入を行ってもよいし、保護膜を形成せずに熱処理を行ってもよい。また、第2実施形態において、1E19cm−3以下のイオン注入濃度でイオン注入を行うイオン注入工程と熱処理工程と、の組合せが複数回行われれば、イオン注入の回数を決定する工程(図6、ステップS5a)及びイオン注入の回数に達したことを判定する工程(図6、ステップS80a)は省略されてもよい。このようにしても、半導体のホール濃度を高めることができる。
・他の実施形態6
イオン注入工程では、イオンの入射方向を半導体(GaN)表面の結晶面に対し垂直にイオン注入する、チャネリング条件でイオン注入が行われてもよいし、非チャネリング条件でイオン注入が行われてもよい。チャネリング条件でイオン注入を行うことにより、イオン注入深さを増加させることができる。非チャネリング条件でイオン注入を行うことにより、イオン注入深さがばらつくことを抑制することができる。そのため、複数の半導体装置を製造する場合において、半導体装置間でのイオン注入深さがばらつくことを抑制することができる。
・他の実施形態7
イオン注入が行われる半導体は、上述の半導体層111に限られず、n型不純物を含有する他の半導体であってもよい。また、本開示によって製造される半導体装置は、上述の実施形態で説明した縦型トレンチMOSFETに限られない。例えば、ショットキーバリアダイオード、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate BipOlar TransistOr)、MESFET(metal-semicOnductOr field effect transistOr)及びサイリスタなどであってもよい。
本開示は、上述した実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、実施形態における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替え及び組合せを行うことが可能である。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除することが可能である。
100…半導体装置
110…基板
111…半導体層
112…p型半導体領域
113…半導体層
114…半導体層
115…p型半導体領域
122…トレンチ
124…リセス
126…段差部
129…終端部
130…絶縁膜
142…ゲート電極
144…ソース電極
148…ドレイン電極
150…絶縁膜
160…配線電極
A…領域
B…領域
C…領域
D…制御領域

Claims (9)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    n型不純物を含有する窒化ガリウム系の半導体に、1E19cm−3以下のイオン注入濃度で、マグネシウム(Mg)及びカルシウム(Ca)のうち少なくとも一方のp型不純物をイオン注入するイオン注入工程と、
    前記p型不純物がイオン注入された前記半導体を熱処理する熱処理工程と、を備える、半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記イオン注入工程と前記熱処理工程と、の組合せを、複数回行う、半導体装置の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記イオン注入工程におけるイオン注入濃度は、5E18cm−3以上である、半導体装置の製造方法。
  4. 請求項2又は請求項2に従属する請求項3記載の半導体装置の製造方法であって、
    m回目の前記イオン注入工程におけるイオン注入濃度は、前記m回目よりも後に行われる前記イオン注入工程におけるイオン注入濃度よりも低い、半導体装置の製造方法。
    ただし、mは1以上の整数である。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記熱処理は、熱アニールである、半導体装置の製造方法。
  6. 請求項5記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記熱アニールは、高周波誘導加熱方式を用いたRTA(Rapid Thermal Anneal)である、半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記イオン注入工程では、2価のp型不純物を用いてイオン注入を行う、半導体装置の製造方法。
  8. 請求項2又は請求項2に従属する請求項3から請求項7までのいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記イオン注入工程の前に行われ、前記半導体上にイオン注入用マスクを形成するイオン注入用マスク形成工程と、
    前記イオン注入工程の後、前記熱処理工程の前に行われ、前記イオン注入用マスクの上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記イオン注入工程と前記熱処理工程と、の組合せが複数回終了した後、前記イオン注入用マスクを除去するイオン注入用マスク除去工程と、を備える、半導体装置の製造方法。
  9. 請求項8に記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記保護膜は、前記イオン注入用マスクから選択的に除去可能であり、
    前記熱処理工程の後に、前記保護膜を除去する保護膜除去工程を備える、半導体装置の製造方法。
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