以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1及び図2は、実施の形態1に係る画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の全体の概要を示し、図2はその画像形成装置における要部(作像装置など)を拡大して示している。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを用いて画像を形成する画像出力装置2と、連続する記録媒体の一例としての連続紙5を供給する供給装置3と、画像出力装置2によって画像が形成された連続紙5を排出して収容する排出装置4と、排出装置4の上部に設けられ、画像出力装置2、供給装置3及び排出装置4を制御する制御装置100を備えている。
画像出力装置2は、画像情報に基づいて連続紙5に画像を形成する電子写真方式による画像形成部106を備える。画像形成部106は、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する画像形成手段の一例としての複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されるトナー像をそれぞれ保持して最終的に連続紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20で二次転写された連続紙5上のトナー像を定着させる定着手段の一例としての定着装置40と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の連続紙5を搬送する搬送手段の一例としての搬送装置60を備えている。
画像出力装置2は、例えば、連続紙5に形成すべき原稿画像を入力する図示しない画像読取部としての画像読取装置を追加して装備させた場合にはカラー複写機として構成することができる。図1中、符号2aは画像出力装置2の装置本体を示し、この装置本体2aは支持構成部材、外装カバー等で構成されている。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これら4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、画像出力装置2の装置本体2aの内部空間において1列に並べた状態となるよう配置されている。なお、作像装置10で形成される画像の色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)に限らず、他の色であっても良い。また、作像装置10の数も4つに限定されるものではなく、それより多くても少なくても良い。
各作像装置10は、図2に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づくレーザ光LBを照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する静電潜像形成手段の一例としての露光装置13と、その静電潜像を対応する色の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像手段の一例としての現像装置14と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電器等の非接触型の帯電装置で構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、その現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11に接触した状態で配置される帯電ロール等の接触型の帯電装置を用いても勿論良い。
露光装置13は、画像出力装置2に入力される画像の情報に応じて構成されるレーザ光LBを、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。露光装置13には、潜像形成時になると画像出力装置2に任意の手段で入力され、図示しない画像処理部で画像処理された画像の情報(信号)が送信される。なお、露光装置13としては、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッド等からなるものを用いても良い。
現像装置14はいずれも、開口部と現像剤の収容室が形成された現像装置本体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を撹拌しながら現像ロール141に供給するよう搬送する2つのスクリューオーガー等の撹拌供給部材142及び撹拌搬送部材143と、現像ロール141に保持される現像剤4の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成されたものである。現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用のバイアス電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や撹拌供給部材142及び撹拌搬送部材143は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。現像剤4としては、例えば、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。なお、現像方式は、乾式の現像方式に限定されず、液体現像方式等の他の方式を採用したものであっても良い。
一次転写装置15は、感光体ドラム11の周面に中間転写ベルト21を介在させて接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触して回転するように配置されて残留トナー等の付着物を掻き取って清掃する清掃ブラシ162と、清掃板161及び清掃ブラシ162により取り除かれた付着物を回収する回収部材163等で構成されている。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の下方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内周から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22〜27と、ベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を連続紙5に二次転写させる二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナーや紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置28等で構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22は駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23,25は中間転写ベルト21の面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21の張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール26は二次転写のバックアップロールとして構成され、ベルト支持ロール27はベルト清掃装置28の背面支持ロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール26に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロール31を備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール31又は中間転写装置20のベルト支持ロール26には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として供給される。二次転写ロール31は、所要のタイミングで図示しない接離手段によってベルト支持ロール26に対して接触又は離間する方向に移動可能に構成されている。
定着装置40は、連続紙5を導入する導入口及び連続紙5を送出する送出口を有する筐体43の内部に、表面温度が予め定められた温度に保持されるよう加熱手段によって加熱されるロール形態又はベルト形態の加熱用回転体41と、この加熱用回転体41に所要の圧力で接触して回転するロール形態又はベルト形態の加圧用回転体42などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱用回転体41と加圧用回転体42が接触する接触部が連続紙5を加熱する加熱工程を含む所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部(ニップ部)となる。加圧用回転体42は、所要のタイミングで図示しない接離手段によって加熱用回転体41に対して接触又は離間する方向に移動可能に構成されている。
搬送装置60は、連続紙5を供給する供給装置3、及び連続紙5を排出する排出装置4、更には画像出力装置2の内部において連続紙5を搬送する搬送ロール63a〜63d等から構成されている。
供給装置3は、連続する記録媒体の一例としての普通紙からなる長尺な連続紙5をロール状に巻き付けた供給ロール61を備える。連続紙5は、供給ロール61から供給される。連続する記録媒体としては、普通紙からなる連続紙5に限定されるものではなく、連続する合成樹脂製の薄いフィルムやシート、あるいは連続するラベル紙など他の素材からなるものを用いても良い。尚、図1中、符号61aは、供給ロール61の回転軸を示している。
供給装置3は、図示しない駆動手段によって回転駆動される供給ロール61以外に、供給ロール61から連続紙5を画像出力装置2に対して搬送する搬送ロール対62を備える。搬送ロール対62は、互いに接触するよう配置されて連続紙5を挟持した状態で搬送する駆動ロール62aと従動ロール62bから構成されている。供給ロール61及び搬送ロール対62の駆動ロール62aは、図示しない駆動手段によって連続紙5を画像出力装置2に対して供給する正規の搬送(送出)方向と、正規の搬送方向とは逆方向の搬送(巻取)方向とに駆動可能となっている。供給ロール61及び供給ロール対62の駆動ロール62aによって連続紙5が搬送される送出方向及び搬送量(搬送長)は、例えば、搬送ロール対62の駆動ロール62aに設けられたエンコーダ等からなる検出手段の一例としての検出装置67により検出される。なお、検出装置67は、連続紙5の送出方向及び搬送量(搬送長)を検出可能なものであれば、エンコーダ以外からなるものであっても良く、又搬送ロール対62の駆動ロール62a以外に設けられるものであっても良い。
画像出力装置2は、その装置本体2aの内部に、供給装置3から供給された連続紙5を二次転写位置へと案内するように搬送する複数又は単数の搬送ロール63a〜63dを備えている。搬送ロール63a,63b,63dは、連続紙5の画像形成面と反対側の面(図示例では、裏面)に接触して搬送し、搬送ロール63cは、連続紙5の画像形成面(図示例では、表面)に接触して搬送する。搬送ロール63a〜63dは、連続紙5の移動に伴って従動回転するが、必要に応じて回転駆動しても良い。
二次転写位置の連続紙5の搬送方向に沿った下流側には、連続紙5上に形成される調整用画像などの画像を読み取るCCD等からなる読取手段の一例としての読取装置68が、搬送ロール63dによって背面が支持された連続紙5と対向する位置に配置されている。
また、画像出力装置2の下流側には、画像出力装置2により画像が形成された連続紙5を排出して収容する排出装置4が装着されている。排出装置4は、連続紙5を挟んだ状態で搬送する排出ロール対64と、図中時計回り方向に回転可能に配置されて連続紙5をロール状に巻き取る巻取ロール65を備えている。排出ロール対64は、互いに接触するよう配置されて連続紙5を挟持した状態で搬送する駆動ロール64aと従動ロール64bから構成されている。排出ロール対64の駆動ロール64a及び巻取ロール65は、図示しない駆動手段によって連続紙5を排出する正規の搬送(巻取)方向と、正規の巻取方向とは逆方向の連続紙5を送り出す搬送(送出)方向とに駆動可能となっている。なお、排出装置4の入口部には、必要に応じて連続紙5を裁断する裁断装置66を配置しても良い。図1中、符号65aは、巻取ロール65の回転軸を示している。
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1の画像出力装置2による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、画像出力装置2の4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成される通常のフルカラー画像を形成するときの画像形成動作を説明する。なお、画像出力装置2の4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のうちいずれか1色以上のトナー像を形成するときの画像形成動作も同様である。
画像出力装置2は、制御装置100が画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等が始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図2に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位に帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像出力装置2に入力される通常の画像情報を各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光されるレーザ光LBを照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各現像装置14(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーをそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わせるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラム清掃装置16が感光体ドラム11の表面に残留するトナー等の付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、供給装置3及び排出装置4では、作像動作に先立ち、必要に応じてユーザの手作業を介して、供給装置3から画像出力装置2の装置本体2aの内部に連続紙5が導入され、搬送装置60の搬送ロール63a〜63dから二次転写装置30及び定着装置40を通って画像出力装置2の装置本体2aの外部に導出され、連続紙5の先端が排出装置4の排出ロール対64を介して巻取ロール65に巻き付けられる。通常の画像形成時、供給装置3から供給された連続紙5は、搬送装置60を介して画像出力装置2の内部を所要の搬送速度で搬送された後、排出装置4に収容される。なお、連続紙5の搬送速度は、連続紙5の種類等に応じて複数設定しても良い。
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を連続紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した後の中間転写装置20では、ベルト清掃装置28が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された連続紙5は、中間転写ベルト21と二次転写ロール30から剥離された後に定着装置40まで搬送される。定着装置40では、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を連続紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の連続紙5は、画像出力装置2の装置本体2aの外部に排出され、排出装置4の内部に設けられた巻取ロール65によって巻き取られる。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて形成される通常のフルカラー画像が形成された連続紙5が出力される。
<画像形成装置の制御装置>
図3はこの実施の形態1に係る画像形成装置の制御装置を示すブロック図である。
図3において、符号100は、画像形成装置1のすべての動作を制御する制御装置を示している。制御装置100は、画像形成装置1の動作を統括的に制御するCPU101(Central Processing Unit)や、CPU101で実行するプログラムを記憶した記憶手段の一例としてのROM102(Read Only Memory)、制御パラメータなどを一時的に記憶するRAM103(Random Access Memory)、あるいはこれらCPU101やROM102等との間あるいは外部の装置との間を接続する図示しないバスや通信インターフェイスなどを備える。
CPU101には、連続紙5の搬送方向及び搬送量を検出するエンコーダ等からなる検出装置67から出力される検出信号及び読取装置68から出力される画像の読取信号がそれぞれ入力される。
また、CPU101は、ROM102に予め記憶されたプログラムに基づいて画像形成部106を制御することにより、画像出力装置2における画像形成動作を制御する。画像出力装置2が実行する画像形成動作としては、外部から入力される画像情報に基づいて連続紙5に画像を形成する通常の画像形成動作以外に、画像形成部106のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)において形成される画像の画質を調整するための画質調整用画像、及び各作像装置10(Y,M,C,K)の現像装置14内におけるトナーの帯電性の安定化や劣化トナーの吐き出しを目的とした調整用画像(以下、「トナーバンド」という。)を含む調整用画像を形成する調整用画像の形成動作が含まれる。画質調整用画像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)における画像の濃度を調整する濃度調整用画像(パターン)と、各作像装置10(Y,M,C,K)における画像の位置(レジストレーション)を調整する位置調整用画像(パターン)からなる。また、画質調整用画像は、画質(濃度及び位置)を概略目標値に近い値に粗く調整する粗調整用画像(パターン)と、画質(濃度及び位置)を目標値と略等しい値(所要の範囲内)に微調整する微調整用画像の双方を有している。画像出力装置2が画質調整用画像及びトナーバンドを形成するための画像情報は、図3に示されるように、調整用画像の画像情報を記憶する記憶手段の一例としての調整用画像記憶装置110に予め記憶されている。CPU101は、調整用画像記憶装置110に予め記憶された画質調整用画像及びトナーバンドの画像情報を所要のタイミングで読み出して画像形成部106の各作像装置10(Y,M,C,K)に出力し、画質調整用画像及びトナーバンドを形成する。
濃度調整用画像200は、図4に示されるように、粗調整用パターン210と微調整用パターン220とから構成されている。粗調整用パターン210及び微調整用パターン220は、いずれもイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各色で所要濃度に設定された平面矩形状のトナー像210(Y,M,C,K)及び220(Y,M,C,K)からなる。微調整用パターン220(Y,M,C,K)は、粗調整用パターン210(Y,M,C,K)より面積及び連続紙5の搬送方向に沿った間隔が小さく設定されている。また、粗調整用パターン210(Y,M,C,K)は、連続紙5の搬送方向と交差する方向(幅方向)に沿った中央部にのみ連続紙5の搬送方向に沿って配置される。これに対して、微調整用パターン220(Y,M,C,K)は、連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った中央部並びに両端部に連続紙5の搬送方向に沿ってそれぞれ配置される。濃度調整用画像の微調整用パターン220(Y,M,C,K)は、複数の階調にわたって形成するのが望ましい。
また、位置調整用画像300は、図4に示されるように、濃度調整用画像200と同様に、粗調整用パターン310と微調整用パターン320とから構成されている。粗調整用パターン310及び微調整用パターン320は、いずれもイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)及びブラック(K)の各色で所要濃度(例えば、濃度100%)に設定された線状のトナー像310(Y,M,C,K)及び320(Y,M,C,K)からなる。微調整用パターン320(Y,M,C,K)は、粗調整用パターン310(Y,M,C,K)より連続紙5の搬送方向に沿った間隔及び線幅が小さく設定されている。粗調整用パターン310及び微調整用パターン320は、いずれも連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った両端部にそれぞれ配置される。また、位置調整用画像300の粗調整用パターン310は、連続紙5の搬送方向に沿って濃度調整用画像200の粗調整用パターン210と同じ位置に配置されている。
また、位置調整用画像300の粗調整用パターン310及び微調整用パターン320は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)における主として副走査方向(連続紙5の搬送方向)の画像の位置ずれを検出する第1の位置調整用パターン3101,3201と、主として主走査方向(連続紙5の搬送方向と交差する方向)の画像の位置ずれを検出する第2の位置調整用パターン3102,3202を備えている。また、第1の位置調整用パターン3101,3201及び第2の位置調整用パターン3102,3202は、いずれもブラック(K)色のパターン3101K,3201K及び3102K,3202Kの位置を基準とし、他のイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)色のパターン3101(Y,M,C),3201(Y,M,C)及び3102(Y,M,C),3202(Y,M,C)の主走査方向及び副走査方向に沿った位置を検出することにより、各色の画像のブラック(K)色の画像に対する位置ずれを検出する。
第1の位置調整用パターン3101,3201は、シアン(C)色のパターン3101C,3201Cとブラック(K)色のパターン3101K,3201K、マゼンタ(M)色のパターン3101M,3201Kとブラック(K)色のパターン3101K,3201K、イエロー(Y)色のパターン3101Y,3201Yとブラック(K)色のパターン3101K,3201Kとを、副走査方向に沿って等間隔で配置したものが、主走査方向に沿って互いに間隔を隔てて同じ位置となるよう隣合って2列形成されている。
また、第2の位置調整用パターン3102,3202は、シアン(C)色のパターン3102C,3202Cとブラック(K)色のパターン3102K,3202K、マゼンタ(M)色のパターン3102M,3202Kとブラック(K)色のパターン3102K,3202K、イエロー(Y)色のパターン3102Y,3202Yとブラック(K)色のパターン3102K,3202Kとを、副走査方向に沿って等間隔で配置したものが、主走査方向に沿って互いに間隔を隔てて隣合うように2列(微調整用パターン320は2列)、しかも各列の副走査方向に沿った位置が互いにずれるように形成されている。
一方、トナーバンド400は、図4に示されるように、連続紙5の搬送方向と交差する幅方向に沿って所要の幅を有するよう形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の帯状パターン400(Y,M,C,K)からなる。また、トナーバンド400(Y,M,C,K)は、各作像装置10(Y,M,C,K)の現像装置14内のトナーの状態(帯電状態/出力画像密度/劣化状態等)に応じてパターンの幅や濃度の少なくとも一方が異なるように形成しても良い。
さらに、この実施の形態では、図5に示されるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の画像濃度調整用画像(パターン)500(Y,M,C,K)及び図示しない画像位置調整用画像(パターン)が、連続紙5の画像領域50における当該連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った両端部の非画像領域にそれぞれ形成されている。画像濃度調整用画像(パターン)500(Y,M,C,K)及び図示しない画像位置調整用画像(パターン)は、それぞれ矩形状に形成されている。また、同一の画像調整用画像(パターン)500(Y,M,C,K)に基づいて、画像濃度と画像位置の両方を検出ように構成しても良い。各色の画像濃度調整用画像(パターン)500(Y,M,C,K)及び図示しない画像位置調整用画像(パターン)は、連続紙5の端部に形成することで、画像形成動作中も画像濃度補正及び画像位置補正を行っている。
また、CPU101は、搬送装置駆動部107を介して搬送装置60の搬送方向及び搬送量の双方、更には必要に応じて搬送速度を制御する。
図3中、符号104はユーザが画像を形成する連続紙5の種類やサイズ、あるいは連続して形成する画像の枚数等を入力並びに表示するユーザーインターフェイス部を示している。
<画像形成装置の特徴部分の動作>
実施の形態1に係る画像形成装置1では、制御装置100の制御に基づいて、通常の画像形成動作であるジョブが終了したジョブ終了時や、画像形成動作の実行中に当該実行中の画像形成動作を一旦中断して他の画像形成動作を実行する割込み時、あるいは連続紙5に斜行等の搬送異常が発生した異常発生時を含む停止要求時に、画像形成動作つまり搬送装置60による連続紙5の搬送を停止する。
図6は画像形成装置における停止要求時の動作を示すフローチャートである。
制御装置100のCPU101は、図6に示されるように、停止要求時の動作を制御するプログラムに基づいて停止要求の有無を判別する(ステップ101)。CPU101は、停止要求有りと判別すると、連続紙5を搬送する搬送装置60を停止させる(ステップ102)。同時に、CPU101は、画像形成部106に信号を出力して各作像装置10(Y,M,C,K)、二次転写装置30及び定着装置40を停止させるとともに、二次転写装置30及び定着装置40のニップを解除する(ステップ103)。
しかし、CPU101が停止信号を出力してから連続紙5が実際に停止するまでには、図7(a)に示されるように、所要の停止必要距離L1を要する。この停止必要距離L1は、例えば、CPU101が停止信号を出力してから搬送装置60が停止するまでの惰性走行距離、連続紙5に出力された出力画像を読取装置68の読取位置まで搬送する読取距離、二次転写装置30のニップ解除に要するニップ解除距離、定着装置40の温度が停止可能温度まで低下するのに要する温度対応距離、定着装置40のニップ解除に要するニップ解除距離などで決まる。停止必要距離L1は、これらの距離が必ずしも累積的に加算されるものではなく、停止必要距離L1を律する単一又は複数の距離に依存して決定される。
連続紙5は、図7(a)に示されるように、停止要求前に既に画像が形成された画像領域50N,50N−1,50N−2・・・のうち、連続紙5の搬送方向Cに沿った最も上流側に位置する最終画像50Nが、定着装置40の位置から所要の停止必要距離L1だけ連続紙5の搬送方向に沿った下流側に移動した位置で停止する。
したがって、連続紙5に画像を形成する画像形成装置1では、停止要求時、画像形成動作を停止した後に画像形成動作を再開するにあたり、何らの手段を講じない場合には、画像が形成されない連続紙5が停止必要距離L1だけ走行することに伴って無駄な連続紙5(損紙)が発生する。この損紙の発生を抑制するためには、図7(b)に示されるように、停止要求後に画像形成動作を再開するに際して、画像形成動作を再開するのに要する画像形成準備距離L2を含めて連続紙5の搬送方向に沿った上流側に巻き戻し距離L3だけ巻き戻し、画像形成動作を停止する直前に画像が形成された最終領域50Nと、画像形成動作を再開した後の新規画像50N+1,50N+2・・・とが連続するように画像を形成することが望ましい。ここで、画像形成準備距離L2は、画像形成動作の再開後に、中間転写ベルト21上に形成された画像が二次転写位置まで移動するのに要する距離である。
しかしながら、この場合には、次のような技術的課題を有している。すなわち、停止要求時に連続紙5が停止する際、定着装置40から連続紙5の搬送方向に沿った最も上流側に位置する最終画像50Nまでの領域は、図7(a)に示されるように、定着装置40がニップしている状態(またはニップ近接状態)で連続紙5が通過した定着履歴領域となる。この定着履歴領域に位置する連続紙5は、画像が形成されていないものの、加熱用回転体41と加圧用回転体42がニップした状態で定着装置40を通過している。そのため、定着履歴領域に存在する連続紙5は、加熱用回転体41と加圧用回転体42とによるニップ圧や熱の影響を受けて、定着装置40のニップ部を通過していない連続紙5に比較してグロス変化やニップ圧による連続紙5の潰れ、加熱による表面状態の変化や収縮などが起こる。
また、二次転写装置30から最終画像50Nまでの領域は、二次転写装置30の二次転写ロール31が二次転写ベルト21を介してバックアップロール26とニップしている状態で連続紙5が通過した転写履歴領域となる。この転写履歴領域に存在する転写紙5は、定着履歴領域ほどではないにしても、二次転写装置30がニップした状態で搬送されているため、当該連続紙5の表面状態が変化したり、連続紙5の表面や裏面に中間転写ベルト21や二次転写ロール31からかぶりトナーの転移やニップによる連続紙5の潰れ、連続紙5の表面状態の変化などが起こる。
このように、定着履歴領域及び転写履歴領域に存在する連続紙5は、表面状態やかぶりトナー等による汚損の状態が未使用の新規な連続紙5と異なる。
また、この場合には、画像形成動作の再開時に、画像形成動作を停止する以前に画像が形成された画像領域50N,50N−1,50N−2・・・が、転写領域及び定着領域を再度通過することになる。その結果、画像形成動作を停止する以前に形成された画像領域50N,50N−1,50N−2・・・は、再開した画像形成動作時に転写領域及び定着領域を再度通過することになり、転写領域及び定着領域を一度しか受けていない連続紙5に比較して画質が低下することとなる。
そこで、この実施の形態では、図8(b)に示されるように、画像形成動作の再開時、搬送装置60によって連続紙5を巻き戻し距離L3だけ逆方向に搬送して損紙の発生を抑制しつつ、連続紙5を逆方向に搬送する巻き戻し距離L3を画像形成動作の停止前に画像が形成された最終画像50Nが定着装置40の直下(または直下より下流)に位置する距離に設定し、既に形成された画像の画質が低下するのを回避乃至抑制し、しかも連続紙5を逆方向に搬送して二次転写装置30及び定着装置40を再度通過する連続紙5の少なくとも一部の領域に通常画像以外の調整用画像を形成することで、定着履歴や転写履歴を受けた連続紙5の領域を有効に利用し、この点からも損紙の発生を抑制するように構成している。ここで、最終画像50Nが定着装置40の直下(または直下より下流)に位置する距離は、連続紙5上の最終画像50Nが定着装置40による熱的な影響を受け難い距離(マージン)を考慮した値に設定される。なお、図8(b)では、二次転写位置より連続紙5の搬送方向に沿った上流側(図中、左側)、つまり未だ連続紙5に二次転写されておらず中間転写ベルト21上に存在する画像をも、便宜上、連続紙5上に図示している。
すなわち、画像形成装置1は、図6に示されるように、制御装置100のCPU101の制御に基づいて、通常の画像形成動作であるジョブが終了したジョブ終了時や、画像形成動作の実行中に当該実行中の画像形成動作を一旦停止して他の画像形成動作を実行する割込み時、あるいは連続紙の紙詰まりや斜行等の搬送異常などが発生する異常発生時を含む停止要求時に、画像形成動作つまり連続紙5の搬送が停止された後、画像形成の再開要求の有無を判別する(ステップ104)。画像形成の再開要求は、通常の画像形成動作が停止した後に新たなジョブを開始する場合のように、ユーザがユーザーインターフェイス部104を操作することによって発生することもあれば、割込み時や異常発生時の再開時のようにCPU101自体が自動的に発生することもある。
CPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに基づいて、画像形成の再開要求有りと判別すると、搬送装置駆動部107を介して搬送装置60を駆動することにより、連続紙5を通常の搬送方向と逆方向に沿って所要の巻き戻し距離L3だけ搬送して巻き戻す(ステップ105)。その後、CPU101は、二次転写装置30及び定着装置40によって連続紙5をニップするとともに、搬送装置60を通常の搬送方向に駆動して連続紙5の搬送を再開する(ステップ106)。また、連続紙5の巻き戻し動作は、次のジョブの開始時に限らず、前ジョブの画像動作終了時、異常発生時を含む停止要求時、ユーザがユーザーインターフェイス部104が操作されたとき等に実行しても良い。
連続紙5の巻き戻し距離L3は、例えば、停止必要距離L1と等しいか、又は停止必要距離L1よりも短い距離に設定される。また、連続紙5の巻き戻し距離L3は、連続紙5の材質や搬送速度、あるいは連続紙5上に形成された画像位置調整用画像(パターン)500(Y,M,C,K)の検出時期などに基づいて異ならせるように設定しても良い。
その後、CPU101は、画像形成部106を制御して画像形成動作を再開する(ステップ107)。CPU101は、画像形成動作を再開するにあたり、画像形成動作を再開するのに要する画像形成準備距離L2を考慮して、連続紙5の定着履歴領域の搬送方向に沿った上流側端部の一部に、図8(b)に示されるように、次ジョブのために現像装置14のトナーを吐き出すブラック(K)及びシアン(C)のトナーバンド500(K,C)を形成するとともに、トナーバンド500(K,C)に連続した転写履歴領域に次ジョブのための残りのマゼンタ(M)及びイエロー(Y)のトナーバンド500(M,Y)及び画質調整用の粗調整パターン210,310及び微調整パターン220,320を形成する(ステップ108,109)。マゼンタ(M)及びイエロー(Y)のトナーバンド500(M,Y)及び画質調整用の粗調整パターン210,310は、定着履歴領域外の転写履歴領域に形成される。また、画質調整用の微調整パターン220,320は、転写履歴領域外の連続紙5の新たな画像領域50に形成される。
トナーバンド400は、図4及び図8(b)に示されるように、連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿って所要幅Wを有する帯状に形成される。このトナーバンドの幅Wは、それ以前の画像領域に形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)において形成された所要枚数の画像の累積的な画像密度を考慮して決定しても良い。
連続紙5に形成された画質調整用の粗調整パターン210,310及び微調整パターン220,320は、二次転写位置の下流側に配置された読取装置68によってパターンの濃度及び位置が読み取られる(ステップ110)。
CPU101は、読取装置68によって読み取られた画質調整用の粗調整パターン210,310及び微調整パターン220,320の読取情報に基づいて、粗調整パターン210,210及び微調整パターン220,320の濃度及び位置が予め定められた許容範囲内か否かを判別する(ステップ111)。なお、粗調整パターン210,310及び微調整パターン220,320の濃度及び位置が予め定められた許容範囲内か否かを判別せずに、粗調整パターン210,310及び微調整パターン220,320の検出結果も基づいて直ちに画像形成条件を調整するように構成しても良い。
その際、画質調整用の粗調整パターン210,310は、連続紙5の転写履歴領域に形成されているが、粗調整パターン210,310は、パターンの大きさや間隔が微調整パターン220,320に比較して大きく、連続紙5の転写履歴領域に存在するカブリトナーの影響を受け難いため、粗調整パターン210,310の画質を殆ど低下させることなく、読取装置68によって読み取られる。なお、定着履歴領域に粗調整パターン210,310を作成しても、粗調として使用可能な場合は、定着履歴領域に作成しても良い。
また、画質調整用の微調整パターン220,320は、本来的に、連続紙5の転写履歴領域外の新たな領域に形成されているため、画質が低下することが回避される。
そして、CPU101は、粗調整パターン210,210及び微調整パターン220,320の濃度及び位置の検出結果に基づいて画像形成条件を調整した後に、直ちに通常の画像形成動作を開始し実行する(ステップ113)。また、CPU101は、粗調整パターン210,210及び微調整パターン220,320の濃度及び位置が許容範囲内でないと判別すると、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各作像装置10(Y,M,C,K)で形成される画像の濃度及び位置を調整する画質調整動作を実行した後に(ステップ112)に、通常の画像形成動作を開始し実行する(ステップ113)。
このように、上記実施の形態1に係る画像形成装置1では、連続紙5の搬送を停止した場合、搬送装置60によって連続紙5を巻き戻し距離L3だけ逆方向に搬送し、画像形成動作の再開時、搬送装置60により連続紙5を順方向に搬送して、画像形成手段である定着装置40又は二次転写装置30を再度通過する連続紙5の少なくとも一部に通常の画像以外のトナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用の粗調整パターン210,310を形成することにより、連続紙5に既に形成された通常画像50N+1の画質を低下させずに損紙の発生を抑制することができる。
上記実施の形態1では、連続紙5の転写履歴領域に形成された画質調整用の粗調整パターン210,310の読取結果に基づいて画質の調整を行う場合について説明したが、連続紙5の転写履歴領域に形成された画質調整用の粗調整パターン210,310の読取結果は、画質の調整に使用せずに、連続紙5の新たな領域に形成された画質調整用の微調整パターン220,320の読取結果のみに基いて画質の調整を行うように構成しても良い。
[実施の形態2]
図9は、実施の形態2に係る画像形成装置の要部を示す構成図である。
この実施の形態2では、図9(b)に示されるように、二次転写ロール31が連続紙5と接触し、搬送装置60による連続紙5の搬送が開始されると、トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用の微調整パターン220,320のすべてを形成する動作が実行される。なお、微調整パターン220,320の代わりに粗微調整パターン210,310でも良い。
つまり、トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用の微調整パターン220,320は、そのすべてが定着履歴領域を含む転写履歴領域に形成される。
また、転写履歴領域の上流側に位置する連続紙5上には、転写履歴領域の直後の位置から次ジョブの画像50N+1,50N+2・・・が形成される。
この実施の形態2では、画質調整用画像として微調整パターン220,320のみを形成することにより、連続紙5の転写履歴領域内にトナーバンド400(K,C,M,Y)は勿論のこと画質調整用の微調整パターン220,320のすべてを形成するように構成している。
そのため、次のジョブの画像形成以外に使用される連続紙5の領域、すなわち損紙を実施の形態1に比較して減少させることが可能となる。
[実施の形態3]
図10及び図11は、実施の形態3に係る画像形成装置の要部を示す構成図である。
この実施の形態3では、トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用画像200,300として、上述した実施の形態1及び2と異なる画像を使用するように構成されている。
すなわり、この実施の形態3では、図11に示されるように、トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用画像200,300が連続紙5の搬送方向に沿った同じ領域に形成されている。連続紙5の搬送方向に沿った同一領域には、連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った中央部に画質調整用画像として濃度調整用の微調整パターン220が形成されている。
また、濃度調整用の微調整パターン220,320の連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った両側には、連続紙5の幅方向に沿った長さを実施の形態1及び2に比較して短く設定したトナーバンド400(K,C,M,Y)がそれぞれ形成されている。
さらに、トナーバンド400(K,C,M,Y)の連続紙5の搬送方向と交差する方向に沿った両側には、位置調整用の微調整パターン320がそれぞれ形成されている。
このように、上記実施の形態3では、トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用画像200,300が連続紙5の搬送方向に沿った同じ領域に形成することにより、トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用画像200,300を形成するのに要する連続紙5の搬送方向に沿った長さを相対的に短くすることができ、連続紙5に損紙が発生するのを実施の形態2に比較して更に抑制することができる。
[実施の形態4]
図12は、実施の形態4に係る画像形成装置を示す構成図である。
この実施の形態4では、定着装置40として、連続紙5に接触しないレーザー定着やフラッシュ定着等の非接触方式の定着装置40を採用している。そのため、前回のジョブで連続紙5上に形成された画像に対して定着装置40が与える定着履歴の影響を考慮する必要がない。なお、図12中、符号63eは定着装置40と対向する連続紙5の背面を支持する支持ロールを示している。
そこで、この実施の形態4では、図13(b)に示されるように、連続紙5の巻き戻し距離L3を前記実施の形態に比較して長く設定することができ、前回のジョブで連続紙5上に形成された最終画像50Nを二次転写装置30の直下(または直下より下流)まで巻き戻すことができる。また、この実施の形態4では、連続紙5の転写履歴領域にトナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用画像200,300の粗調整用パターン及び微調整用パターンのすべてを形成するように構成されている。
更に説明すると、この実施の形態4では、二次転写ロール31が連続紙5と接触し、搬送装置60による連続紙5の搬送が開始されると、トナーバンド300(K,C,M,Y)及び画質調整用の粗調整パターン210,310のすべてを形成する動作が実行される。
トナーバンド400(K,C,M,Y)及び画質調整用の粗調整パターン210,310は、そのすべてが定着履歴領域を含む転写履歴領域に形成される。
また、転写履歴領域の上流側に位置する連続紙5上には、転写履歴領域の直後の位置から画質調整用の粗調整パターン210,310に続いて次ジョブの画像50N+1・・・が形成される。
この実施の形態では、連続紙5の転写履歴領域の有効活用による損紙の発生の抑制と、連続紙5の転写履歴領域以外に新たな次ジョブの画像50N+1・・・を形成することにより、画質の維持とを図ることができる。
なお、パターン形状や種類、作成位置は、上記実施の形態に限定されず、請求項に記載される範疇のものは含まれる。