JP2019061119A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウェイトタイムの短縮と、中間転写体と感光体の当接離間に伴う動作音の低減を図ること。【解決手段】全当接状態とモノ当接状態と離間状態とを切り替えるための当接離間モータ217、当接離間ソレノイド210と、全当接状態を検知するための当接位置センサ214と、全当接状態又は離間状態であることを推測する初期位置移動判断部220と、離間状態に移行させる移動制御を行うCPU205と、を備え、CPU205は、初期位置移動判断部220により推測された結果に基づいてホームポジション移動制御を行うか否かを判断する(S701)。【選択図】図7
Description
本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に、電源投入時、ドア開閉時から印刷開始までの準備動作のウェイトタイムの短縮化に関する。
電子写真方式のカラー画像形成装置では、高速に印刷するために、各色の画像形成部を独立して有した所謂タンデム方式が知られている。このタンデム方式のカラー画像形成装置では、各色の画像形成部から順次中間転写体に画像を転写し、更に中間転写体から記録媒体に一括して画像を転写する構成がとられている。このようなカラー画像形成装置は、プリントを開始する前に、スキャナの駆動、定着器への予備加熱、中間転写体と感光体の駆動、感光体の位相補正、中間転写体と感光体の当接制御、転写電圧の制御等の様々な準備動作を行う。このため、電源投入やドアの開閉後、実際に画像形成が開始されるまでに時間を要する(以降、この時間をウェイトタイムと呼ぶ)。
近年においてはユーザストレス低減のため、ウェイトタイムを短縮したいという要望がある。例えば、特許文献1では、中間転写体と感光体の当接に要する時間を短縮するために、予め記憶した情報に応じて電源投入時のホームポジションをフルカラーモード位置にするか、モノモード位置にするかを選択している。ここで、予め記憶した情報とは、ユーザーの使用状況(フルカラーモードの使用頻度、モノモードの使用頻度)を示す情報である。
ところで近年、製品価格を安価に抑える目的で、モータやソレノイド等の構成部品の点数を削減することで画像形成装置自体のコストを削減し、少ない部品で機能を満たすことが求められている。具体的には、中間転写体と各感光体との当接離間状態を切り替えるためのソレノイドを感光体毎に備える構成を、1つのソレノイドと1つのフォトインタラプトセンサで全ての感光体の当接離間状態を切り替えることができる構成に変更した場合である。この場合、当接離間位置を検知するためのフォトインタラプトセンサの検知結果を用いて、一旦初期位置となる離間状態に切り替えるホームポジション移動制御を行う。その後、ソレノイドが動作する度にモノクロ当接状態、全当接状態、離間状態と当接離間状態が順次切り替わる構成が考えられる。このようなカラー画像形成装置では、電源投入時や、ドア開閉時には、必ずホームポジション移動制御を行っており、中間転写体と各感光体を離間状態に切り替えていた。そのため、ウェイトタイムの短縮化の律速になるという課題があった。また、ホームポジション移動制御は、印刷準備の一番初めで各種モータ等アクチュエータが動作していない状態で開始される。このため、中間転写体の位置状態を変えるときに発生する動作音が目立って課題となるケースがあった。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、ウェイトタイムの短縮と、中間転写体と感光体の当接離間に伴う動作音の低減を図ることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)複数の感光体と、前記複数の感光体上に形成されたトナー像が重畳して転写される中間転写体と、前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て当接した第1の状態と、前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て離間した第2の状態と、前記複数の感光体のうちの一の感光体と前記中間転写体とが当接した第3の状態とを切り替えるための切替手段と、前記第1の状態を検知するための第1の検知手段と、前記第1の検知手段の検知結果に基づき前記複数の感光体と前記中間転写体とが前記第1の状態又は前記第2の状態であることを推測する推測手段と、前記切替手段を駆動して前記複数の感光体と前記中間転写体とを前記第2の状態に移行させる移動制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記推測手段により推測された結果に基づいて前記移動制御を行うか否かを判断することを特徴とする画像形成装置。
(2)第1の感光体と第2の感光体を含む複数の感光体と、前記複数の感光体上に形成されたトナー像が重畳して転写される中間転写体と、前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て当接した第1の状態と、前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て離間した第2の状態と、前記第1の感光体と前記中間転写体とが当接し、前記第2の感光体と前記中間転写体とが離間した第3の状態とを切り替えるための切替手段と、前記第1の感光体と前記中間転写体を駆動する第1の駆動源と、前記第2の感光体を駆動する第2の駆動源と、前記複数の感光体と前記中間転写体が前記第1の状態であるか否かを検知するための検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づき、前記複数の感光体と前記中間転写体が前記第1の状態であると判断した場合、前記第1の駆動源と前記第2の駆動源を駆動する前に、前記切替手段を駆動して前記複数の感光体と前記中間転写体を前記第3の状態に移行させる移動制御を行い、前記複数の感光体と前記中間転写体が前記第1の状態ではないと判断した場合、前記第1の駆動源と前記第2の駆動源を駆動する前に、前記移動制御を行わない制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、ウェイトタイムの短縮と、中間転写体と感光体の当接離間に伴う動作音の低減を図ることができる。
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(画像形成装置の概要)
以下、本発明を適用できる実施例1について、図1を用いて説明する。図1は、カラー画像形成装置としてのレーザプリンタエンジン全体の構成を示す概略図である。レーザプリンタは、コントローラ部(不図示)から送信された画素信号に基づいて形成される画像光により静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して可視画像(トナー像)を形成する。レーザプリンタは、可視画像を重畳して転写してカラー可視画像を形成し、このカラー可視画像を用紙2へ転写し、その用紙2上のカラー可視画像を定着させる。画像形成部は、現像色分並置したステーション毎の感光ドラム5Y、5M、5C、5K、帯電手段としての帯電器7Y、7M、7C、7K、現像器8Y、8M、8C、8K、一次転写ローラ4Y、4M、4C、4K、中間転写ベルト12によって構成されている。なお、符号の末尾のY、M、C、Kはイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色を表している。以下、特定の色を説明する場合を除き、符号の末尾Y、M、C、Kを省略する。感光体である感光ドラム5、帯電器7、現像器8は、画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジ22に搭載されている。
以下、本発明を適用できる実施例1について、図1を用いて説明する。図1は、カラー画像形成装置としてのレーザプリンタエンジン全体の構成を示す概略図である。レーザプリンタは、コントローラ部(不図示)から送信された画素信号に基づいて形成される画像光により静電潜像を形成し、この静電潜像を現像して可視画像(トナー像)を形成する。レーザプリンタは、可視画像を重畳して転写してカラー可視画像を形成し、このカラー可視画像を用紙2へ転写し、その用紙2上のカラー可視画像を定着させる。画像形成部は、現像色分並置したステーション毎の感光ドラム5Y、5M、5C、5K、帯電手段としての帯電器7Y、7M、7C、7K、現像器8Y、8M、8C、8K、一次転写ローラ4Y、4M、4C、4K、中間転写ベルト12によって構成されている。なお、符号の末尾のY、M、C、Kはイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色を表している。以下、特定の色を説明する場合を除き、符号の末尾Y、M、C、Kを省略する。感光体である感光ドラム5、帯電器7、現像器8は、画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジ22に搭載されている。
一次転写ローラ4は、当接離間ソレノイド(不図示)を動作させることによって位置を変えることができる。後述するように中間転写ベルト12と感光ドラム5が接触した状態(以下、当接状態という)と離間した状態(以下、離間状態という)を切り替えることができる。
感光ドラム5は、アルミシリンダの外周に有機光導伝層を塗布して構成される。感光ドラム5は、駆動モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転するもので、駆動モータは感光ドラム5を画像形成動作に応じて時計周り方向に回転させる。スキャナ部10は露光光を感光ドラム5に照射し、感光ドラム5の表面を選択的に露光することにより、感光ドラム5上(感光体上)に静電潜像が形成される。帯電手段として、各ステーションにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の感光ドラム5を帯電させるための4個の帯電器7Y、7M、7C、7Kが備えられている。各帯電器7Y、7M、7C、7Kには帯電ローラ7YR、7MR、7CR、7KRが備えられている。現像手段として、感光ドラム5上に形成された静電潜像を可視化するために、各ステーションにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の現像を行う4個の現像器8Y、8M、8C、8Kが備えられている。現像器8Y、8M、8C、8Kには、現像ローラ8YR、8MR、8CR、8KRが備えられている。
カラー画像形成時に、中間転写ベルト12は感光ドラム5Y、5M、5C、5Kに当接した状態で反時計周り方向に回転する。中間転写体である中間転写ベルト12は、一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Kに印加された一次転写電圧によって可視画像が転写される。中間転写ベルト12上に転写されたカラー可視画像は、二次転写ローラ9の位置において用紙2を狭持搬送することにより用紙2に重畳転写される。一次転写ローラ4及び二次転写ローラ9は、搬送ローラ18によって駆動される中間転写ベルト12の回転に伴って回転する。用紙2は給紙トレイ1に格納されており、給紙ローラ40及びレジストレーションローラ対3によって二次転写ローラ9まで搬送される。また、用紙2の種類が不明な場合、用紙2は一度レジストレーションローラ対3に到達した位置で搬送を停止され、メディアセンサ41によって種類の特定が行われる。メディアセンサ41による用紙2の種類の特定が完了した後、用紙2は二次転写ローラ9へ搬送される。
定着部13は、用紙2を搬送させながら、転写されたカラー可視画像を定着させるものであり、用紙2を加熱する定着ローラ14と用紙2を定着ローラ14に圧接させるための加圧ローラ15とを備えている。定着ローラ14と加圧ローラ15は中空状に形成され、定着ローラ14の内部にはヒータが内蔵されており、メディアセンサ41で特定された用紙2の種類に適した温度になるようヒータが制御される。未定着のカラー可視画像を保持した用紙2は定着ローラ14と加圧ローラ15により搬送されるとともに、熱及び圧力が加えられることにより未定着のトナーが表面に定着される。可視画像が定着された後の用紙2は、排出ローラ31によって排出部27に排出されて画像形成動作を終了する。画像形成装置の正面に向かって右側面に設けられた右ドア28は、画像形成装置の内部にアクセスするためのドアである。右ドア28を開けることにより、用紙の搬送路25上に滞留した用紙(ジャム紙)の除去や、中間転写ベルト12の取り出しが可能である。
(画像形成装置の制御部の構成)
次に、画像形成装置の制御部全体のシステム構成について図2のブロック図を用いて説明する。エンジン制御部203は、ビデオインタフェース部204、CPU(中央演算処理装置)205、初期位置移動判断部220、初期位置移動判断検証部221、不揮発メモリ222、カートリッジ着脱検知部223、メディア検知部224を有している。コントローラ部201は、ホストコンピュータ200から画像情報と印刷命令を受信する。コントローラ部201は、受信した画像情報を解析してビットデータに変換し、ビデオインタフェース部204を介して、転写材毎に印刷予約コマンド、印刷開始コマンド及びビデオ信号をエンジン制御部203に出力する。エンジン制御部203のCPU205は、各種センサから取得した情報に基づいて、各種アクチュエータに対して出力を行うことによって画像形成動作を完了させる。エンジン制御部203は、プログラムコード及びデータを記憶したROM206及び一時的なデータ記憶に用いられるRAM207を備えており、CPU205はROM206及びRAM207にアクセス可能となっている。
次に、画像形成装置の制御部全体のシステム構成について図2のブロック図を用いて説明する。エンジン制御部203は、ビデオインタフェース部204、CPU(中央演算処理装置)205、初期位置移動判断部220、初期位置移動判断検証部221、不揮発メモリ222、カートリッジ着脱検知部223、メディア検知部224を有している。コントローラ部201は、ホストコンピュータ200から画像情報と印刷命令を受信する。コントローラ部201は、受信した画像情報を解析してビットデータに変換し、ビデオインタフェース部204を介して、転写材毎に印刷予約コマンド、印刷開始コマンド及びビデオ信号をエンジン制御部203に出力する。エンジン制御部203のCPU205は、各種センサから取得した情報に基づいて、各種アクチュエータに対して出力を行うことによって画像形成動作を完了させる。エンジン制御部203は、プログラムコード及びデータを記憶したROM206及び一時的なデータ記憶に用いられるRAM207を備えており、CPU205はROM206及びRAM207にアクセス可能となっている。
アクチュエータの内、当接離間ソレノイド210はCPU205が信号を出力することで動作する。当接離間モータ217が駆動された状態で当接離間ソレノイド210をオンすることにより、一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Kの位置が変更される。当接位置センサ214は、後述する機構により一次転写ローラ4Y、4M、4C、4Kの全てが当接位置にあるか否かの信号を出力する。
中間転写ベルト12の駆動モータ211(第1の駆動源)には中間転写ベルト12を回動させる搬送ローラ18が接続されている。また、駆動モータ211にはKステーションの感光ドラム5K(第1の感光体)も接続されている。カラー感光ドラムの駆動モータ213(第2の駆動源)にはYMCステーションの感光ドラム5Y、5M、5C(第2の感光体)が接続されている。CPU205が信号を出力し各駆動モータ211、213を回転させることで、各感光ドラム5Y、5M、5C、5K、搬送ローラ18のそれぞれへ駆動力が供給される。右ドアセンサ216は、右ドア28の開閉に応じて出力が変化するように構成されている。
初期位置移動判断部220は、電源投入時や右ドア28の開閉時に、ROM206に格納された後述する中間転写ベルト12のホームポジション移動制御プログラムを実行するべきか否かを判断し、CPU205に判断結果を出力する。初期位置移動判断検証部221は、初期位置移動判断部220による判断結果が正しいか否かを後述する処理により検証し、CPU205に検証結果を出力する。カートリッジ着脱検知部223は、カートリッジ有無センサ215の出力をCPU205から受信することで、カートリッジ22が装着されているか否かをコントローラ部201へ報知する。実施例1のカートリッジ有無センサ215はフォトインタラプタで構成される。カートリッジ22が画像形成装置に装着されている際に、カートリッジ22によってフォトインタラプタが遮られることで、カートリッジ有無センサ215の出力が変化するように構成されている。メディア検知部224は、RAM207に給紙トレイ1に格納された用紙2の種類の情報が格納されていない場合、印刷制御時にCPU205に指示を出し、メディアセンサ41を用いて用紙の種類の検知を行う。メディアセンサ41の検知結果はRAM207に記憶される。
(感光ドラムと中間転写ベルトの当接離間)
感光ドラム5Y、5M、5C、5Kと中間転写ベルト12の当接・離間の状態について図3を用いて説明する。図3には説明に必要な要部のみ描画している。なお、上述した当接離間モータ217と当接離間ソレノイド210は、複数の感光ドラム5と中間転写ベルト12との当接・離間の状態を切り替えるための切替手段として機能する。図3(a)は中間転写ベルト12と感光ドラム5Y、5M、5C、5Kが全て当接している状態であり、以降この状態を全当接状態(第1の状態)という。図3(b)は中間転写ベルト12と感光ドラム5Y、5M、5C、5Kが全て離間している状態で、以降この状態を離間状態(第3の状態)という。図3(c)は中間転写ベルト12とカラーの感光ドラム(以下、カラー感光ドラムという)5Y、5M、5Cが離間し、モノクロの感光ドラム(以下、モノクロ感光ドラムという)5Kのみ当接している状態である。以降この状態をモノ当接状態(第2の状態)という。
感光ドラム5Y、5M、5C、5Kと中間転写ベルト12の当接・離間の状態について図3を用いて説明する。図3には説明に必要な要部のみ描画している。なお、上述した当接離間モータ217と当接離間ソレノイド210は、複数の感光ドラム5と中間転写ベルト12との当接・離間の状態を切り替えるための切替手段として機能する。図3(a)は中間転写ベルト12と感光ドラム5Y、5M、5C、5Kが全て当接している状態であり、以降この状態を全当接状態(第1の状態)という。図3(b)は中間転写ベルト12と感光ドラム5Y、5M、5C、5Kが全て離間している状態で、以降この状態を離間状態(第3の状態)という。図3(c)は中間転写ベルト12とカラーの感光ドラム(以下、カラー感光ドラムという)5Y、5M、5Cが離間し、モノクロの感光ドラム(以下、モノクロ感光ドラムという)5Kのみ当接している状態である。以降この状態をモノ当接状態(第2の状態)という。
中間転写ベルト12がこれらの状態へ移動する機構について図4を用いて説明する。カム401が図4(a)の矢印Aの方向に回転する動きに連動して中間転写ベルト12が感光ドラム5Y、5M、5C、5Kに対して当接、離間する。回転盤403は、カム401の位置を検知するための回転盤であり、カム401の回転軸402上に固定配置され、カム401と同じ位相で回転する。フラグ404は、回転盤403に取り付けられたフラグであり、第1の検知手段である当接位置センサ214によってフラグ404を検知することにより、カム401の位置を検知する。
図4(a)は、図3(a)の全当接状態に対応し、当接位置センサ214がフラグ404を検知しハイレベルの信号を出力する。図4(b)は、図3(b)の離間状態に対応し、図4(a)の状態から当接離間モータ217の駆動中に当接離間ソレノイド210を時間t1だけ動作させた状態を示す。回転盤403の回転により当接位置センサ214はフラグ404を検知していないため、ローレベルの信号を出力する。図4(c)は、図3(c)のモノ当接状態に対応し、図4(b)の状態から当接離間モータ217の駆動中に当接離間ソレノイド210を更に時間t2だけ動作させた状態を示す。当接位置センサ214はフラグ404を検知していないためローレベルの信号を出力する。図4(a’)は、図3(a)の全当接状態に対応し、図4(c)の状態から当接離間モータ217の駆動中に当接離間ソレノイド210を更に時間t3だけ動作させた状態を示す。
図5(A)は、当接位置センサ214の出力信号を示す図である。横軸に時間、縦軸に当接位置センサ214の出力信号(ハイレベル(High)又はローレベル(Low))を示す。図5(A)に示す(a)、(a’)は図4(a)、(a’)に対応し、全当接状態に対応する。(a)、(a’)から当接離間ソレノイド210を時間t1動作させた図5(A)の(b)、(b’)は図4(b)に対応し、離間状態に対応する。図5(A)(c)は(b)から当接離間ソレノイド210を時間t2動作させた図4(c)に対応し、モノ当接状態に対応する。なお、図5(A)(c)から当接離間ソレノイド210を時間t3動作させると(a)又は(a’)の全当接状態に戻る。当接離間モータ217の駆動中に当接離間ソレノイド210を動作させた場合、当接位置センサ214の出力は、順に全当接状態ではハイレベル、全離間状態とモノ当接状態ではローレベルを出力する。図5(A)のt1、t2、t3は、各状態間の時間であり、図4のt1、t2、t3と対応する。このように本実施例の構成では、全当接状態、離間状態、モノ当接状態の順に一方向にのみ状態遷移することが可能である。
CPU205は、後述する中間転写ベルト12のホームポジション移動制御プログラムを実行して中間転写ベルト12と感光ドラム5Y、5M、5C、5Kを離間状態にする。すなわち、ホームポジションとは、中間転写ベルト12と感光ドラム5が離間状態となっている状態をいう。その後、当接離間ソレノイド210に所定時間、信号を出力する度に、モノ当接状態、全当接状態、離間状態の順で状態が変化する構成になっている。ここで、当接位置センサ214の出力値はホームポジション移動制御で離間状態に移行させる際に使用し、その後の状態変化は当接離間ソレノイド210を所定時間動作させることで実現する。例えば、図5(A)(b)の離間状態から図5(A)(a’)の全当接状態に状態を変える場合は、当接離間ソレノイド210を時間t2動作させて図5(A)(c)のモノ当接状態にする。その後、再度当接離間ソレノイド210を時間t3動作させて図5(A)(a’)の全当接状態にする。このように、感光ドラム5と中間転写ベルト12との状態は、当接離間ソレノイド210を動作させることにより、ホームポジションである離間状態から、モノ当接状態を経由して全当接状態に移行する。次に図5(A)(a’)の全当接状態から図5(A)(b’)の離間状態に変える場合には、当接離間ソレノイド210を時間t1動作させる。
なお、印刷を行わない場合は、中間転写ベルト12と感光ドラム5Y、5M、5C、5K(以下、当接離間部ともいう)の状態を離間状態にする必要がある。これは、当接状態でかつ停止している感光ドラム5は、感光ドラム5表面の一部分に一次転写ローラ4との間で圧力がかかり続けることで感光ドラム5表面に変形が生じるためである。変形した感光ドラム5表面部分では表面電位が不均一になるため、この状態で画像形成を行うと印刷精度が低下する課題がある。このため、印刷を行わない場合は、当接離間部を離間状態にしておく必要がある。
(中間転写ベルトのホームポジション移動制御)
図5(B)のタイミングチャートを用いて、中間転写ベルト12のホームポジション移動制御の動作を説明する。図5(B)は、横軸に時間、縦軸に当接離間モータ217の状態、当接離間ソレノイド210の状態、当接位置センサ214の出力信号をそれぞれ示す。当接離間モータ217はローレベルとなっているところが回転数0、ハイレベルとなっているところが所定の回転数となっていることを示す。当接離間ソレノイド210はローレベルとなっているところが動作していない状態を、ハイレベルとなっているところが動作している状態を示す。当接位置センサ214は、中間転写ベルト12が感光ドラム5と全当接状態のときハイレベルを出力し、それ以外の状態ではローレベルを出力する。つまり、当接位置センサ214の検知結果だけでは、CPU205は離間状態とモノ当接状態のいずれの状態であるか判断することはできない。中間転写ベルト12のホームポジション移動制御は、電源投入時や右ドア28の開閉時に、中間転写ベルト12と感光ドラム5を離間状態に移動する処理である。
図5(B)のタイミングチャートを用いて、中間転写ベルト12のホームポジション移動制御の動作を説明する。図5(B)は、横軸に時間、縦軸に当接離間モータ217の状態、当接離間ソレノイド210の状態、当接位置センサ214の出力信号をそれぞれ示す。当接離間モータ217はローレベルとなっているところが回転数0、ハイレベルとなっているところが所定の回転数となっていることを示す。当接離間ソレノイド210はローレベルとなっているところが動作していない状態を、ハイレベルとなっているところが動作している状態を示す。当接位置センサ214は、中間転写ベルト12が感光ドラム5と全当接状態のときハイレベルを出力し、それ以外の状態ではローレベルを出力する。つまり、当接位置センサ214の検知結果だけでは、CPU205は離間状態とモノ当接状態のいずれの状態であるか判断することはできない。中間転写ベルト12のホームポジション移動制御は、電源投入時や右ドア28の開閉時に、中間転写ベルト12と感光ドラム5を離間状態に移動する処理である。
CPU205はホームポジション移動制御処理を開始するタイミングT1で当接離間モータ217の駆動を開始する。CPU205は、次に当接離間モータ217の回転が安定したタイミングT2で当接離間ソレノイド210を動作させて当接位置センサ214の出力信号の検知を開始する。CPU205は、当接位置センサ214の出力がローレベルからハイレベルへ変化するポイント(タイミングT3)を検知し、このタイミングT3から時間t+t1’が経過したタイミングT4で当接離間ソレノイド210を停止する。ここで、時間tは、フラグ404が当接位置センサ214の端から中央まで移動する時間であり、時間t1’は、全当接状態から離間状態へ移動するために必要な時間である。時間t1’と図5(A)の時間t1との関係については後述する。タイミングT4で感光ドラム5Y、5M、5C、5Kと中間転写ベルト12は離間状態となり、CPU205はその後のタイミングT5で当接離間モータ217の駆動を停止する。
ホームポジション移動制御時の当接離間モータ217の回転速度は、実施例1では印刷時よりも遅い速度、例えば、印刷時の回転速度の1/3という遅い速度で駆動する。これは、小型化されたフラグ404を当接位置センサ214によって確実に検知するためである。したがって、印刷時の回転速度で当接離間モータ217を駆動した場合の図5(A)の時間t1との関係は、t1’=t1×3となる。また、タイミングT2からタイミングT3の時間は、タイミングT2の時点での中間転写ベルト12の状態により異なり、実施例1では例えば最大0.7秒の時間を要する。タイミングT1からタイミングT2の時間は予め測定されており例えば1秒、タイミングT3からタイミングT4の時間も予め測定されており例えば0.1秒である。タイミングT4からタイミングT5の時間は例えば1秒と設定されている。以上のことから、中間転写ベルト12のホームポジション移動制御に要する最大時間は、例えば2.8秒である。
ここで、本実施例において、当接離間モータ217は複数の感光ドラム5と中間転写ベルト12との当接・離間の状態を切り替えるだけでなく、現像ローラ8YR、8MR、8CR、8KRを駆動している。つまり、現像モータの役割を兼任している。そのため、当接離間モータ217は、ホームポジション移動制御時だけでなく、印刷時にも駆動させる必要がある。また、当接離間モータ217が定着ローラ14と加圧ローラ15など他のプロセス部材を駆動する構成であってもよい。
(従来の前多回転制御)
電源投入時には印刷の準備動作(以下、前多回転という)を行っている。実施例1との比較のために従来の前多回転制御について、図6のフローチャートを用いて説明する。フローチャートの制御はROM206に記憶され、CPU205によって読み出され実行される。前多回転制御が開始されると、ステップ(以下、Sとする)901でCPU205は、図5(B)で説明したホームポジション移動制御を行い、感光ドラム5と中間転写ベルト12を離間状態とする。このように、従来は、前多回転制御が開始されると、必ずホームポジション移動制御を実施していた。S902でCPU205は、当接離間モータ217を含む前多回転処理に必要なモータを印刷時と同じ速度で駆動する。S903でCPU205は、中間転写ベルト12を全当接状態とするために、当接離間ソレノイド210を駆動し、タイマ(不図示)をリセットしてスタートする。S904でCPU205は、モノ当接状態に切り替わるまでの時間t2が経過したか否かを判断する。S904でCPU205は、タイマを参照することにより、時間t2が経過していないと判断した場合、処理をS904に戻し、時間t2が経過したと判断した場合、処理をS905に進める。
電源投入時には印刷の準備動作(以下、前多回転という)を行っている。実施例1との比較のために従来の前多回転制御について、図6のフローチャートを用いて説明する。フローチャートの制御はROM206に記憶され、CPU205によって読み出され実行される。前多回転制御が開始されると、ステップ(以下、Sとする)901でCPU205は、図5(B)で説明したホームポジション移動制御を行い、感光ドラム5と中間転写ベルト12を離間状態とする。このように、従来は、前多回転制御が開始されると、必ずホームポジション移動制御を実施していた。S902でCPU205は、当接離間モータ217を含む前多回転処理に必要なモータを印刷時と同じ速度で駆動する。S903でCPU205は、中間転写ベルト12を全当接状態とするために、当接離間ソレノイド210を駆動し、タイマ(不図示)をリセットしてスタートする。S904でCPU205は、モノ当接状態に切り替わるまでの時間t2が経過したか否かを判断する。S904でCPU205は、タイマを参照することにより、時間t2が経過していないと判断した場合、処理をS904に戻し、時間t2が経過したと判断した場合、処理をS905に進める。
S905でCPU205は、更にモノ当接状態から全当接状態に切り替わる時間t3が経過したか否かを判断する。S905でCPU205は、更に時間t3が経過していないと判断した場合、処理をS905に戻し、更に時間t3が経過したと判断した場合、処理をS906に進める。S906でCPU205は、当接離間ソレノイド210を停止させる。S907でCPU205は、各種電圧を印加し、S908で中間転写ベルト12のクリーニングを実行する。S909でCPU205は、各種電圧を停止し、当接離間ソレノイド210を駆動してタイマをリセットしてスタートさせ、時間t1だけ待って当接離間ソレノイド210を停止する。これにより、CPU205は、中間転写ベルト12を離間状態にし、当接離間モータ217含む前多回転処理に必要なモータを停止させ、前回転制御を終了する。
(実施例1の前多回転制御)
実施例1の所定の動作である前多回転制御について、図7のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートはROM206に記憶され、制御手段であるCPU205によってROM206から読み出され実行される。前多回転制御が開始されると、S701でCPU205は、初期位置移動判断部220によりホームポジション移動制御を実行するか否かを判断する。初期位置移動判断部220は、全当接状態又は離間状態であることを推測する推測手段として機能する。実施例1では当接位置センサ214の出力を取得し、当接位置センサ214の出力がローレベルであるか否かによって判断する。S701でCPU205は、当接位置センサ214の出力がローレベルであると判断した場合、処理をS702に進める。この場合、初期位置移動判断部220は、中間転写ベルト12と感光ドラム5は離間状態であると推測して、従来の前多回転制御で行っていたホームポジション移動制御を実行しない。
実施例1の所定の動作である前多回転制御について、図7のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートはROM206に記憶され、制御手段であるCPU205によってROM206から読み出され実行される。前多回転制御が開始されると、S701でCPU205は、初期位置移動判断部220によりホームポジション移動制御を実行するか否かを判断する。初期位置移動判断部220は、全当接状態又は離間状態であることを推測する推測手段として機能する。実施例1では当接位置センサ214の出力を取得し、当接位置センサ214の出力がローレベルであるか否かによって判断する。S701でCPU205は、当接位置センサ214の出力がローレベルであると判断した場合、処理をS702に進める。この場合、初期位置移動判断部220は、中間転写ベルト12と感光ドラム5は離間状態であると推測して、従来の前多回転制御で行っていたホームポジション移動制御を実行しない。
S701でCPU205は、当接位置センサ214の出力がハイレベルであると判断した場合、処理をS711に進める。この場合、初期位置移動判断部220は、中間転写ベルト12と感光ドラム5は全当接状態であると推測して、ホームポジション移動制御を実行するために処理をS711に進める。なお、当接位置センサ214がハイレベルの場合には実際に全当接状態となっているため、初期位置移動判断部220による推測は正しい判断であるともいえる。これは、当接位置センサ214の出力がハイレベルであるということは、全当接状態のまま何らかの異常状態で電源がオフされた可能性があるからである。この場合、当接位置センサ214がフラグ404の中央でハイレベルを出力している保障がないため、再度ホームポジション移動制御を実行する。また、実施例1では、カラー感光ドラムの回転の駆動源である駆動モータ213と中間転写ベルト12の回転の駆動源である駆動モータ211が別であるため、次のような課題が生じる。当接位置センサ214の出力がハイレベル、すなわち当接状態のまま同時に2つのモータを駆動すると、それぞれのモータの立ち上がり速度が異なるため、中間転写ベルト12にダメージを与えるおそれがある。このため、2つのモータを使用する別駆動源でも適用可能なように、一旦、離間状態に移動させるホームポジション移動制御を実行する。一方、中間転写ベルト12の回転の駆動源とモノクロ感光ドラムの回転の駆動源は同一の駆動モータ211としているため、モノクロ感光ドラムのみ当接した状態で駆動しても中間転写ベルト12にダメージを与えることはない。
S702でCPU205は、当接離間モータ217を含む前多回転処理に必要なモータを印刷時と同じ速度で駆動する。次に、中間転写ベルト12を全当接状態とするために、S703で当接離間ソレノイド210を駆動し、タイマをリセットしてスタートさせる。S704でCPU205は、タイマを参照することにより、モノ当接状態に切り替わるまでの時間t2が経過したか否かを判断する。S704でCPU205は、時間t2が経過していないと判断した場合、処理をS704に戻し、時間t2が経過したと判断した場合、処理をS705に進める。S705でCPU205は、タイマを参照することにより、モノ当接状態から全当接状態に切り替わるまで更に時間t3が経過したか否かを判断する。S705でCPU205は、時間t3が経過していないと判断した場合、処理をS705に戻し、時間t3が経過したと判断した場合、処理をS706に進める。
S706でCPU205は、当接離間ソレノイド210を停止する。S707でCPU205は、検証手段である初期位置移動判断検証部221により、当接位置センサ214の出力がハイレベルであるか否かを判断する。これは、S701の処理で当接位置センサ214がローレベルであったことに基づいて離間状態であるとした推測が正しかったか否かを検証するプロセスである。S701の処理で推測した離間状態が正しく、実際に離間状態となっていた場合には、当接離間ソレノイド210を駆動して所定の時間である時間t2+t3だけ経過すると全当接状態となり当接位置センサ214の出力はハイレベルとなるはずである。一方、S701の処理で離間状態とした推測が正しくなく、例えばモノ当接状態やそれ以外の不定の状態であったために当接位置センサ214の出力がローレベルとなっていた場合は、次のようになる。すなわち、当接離間ソレノイド210を駆動して時間t2+t3だけ経過しても全当接状態とはならず当接位置センサ214の出力はローレベルのままとなる。したがって、当接位置センサ214の出力がハイレベルの場合には次の処理を行うために、処理をS708へ進め、ローレベルの場合には、ホームポジション移動制御を実行するために処理をS711へ進める。
S708でCPU205は、各種電圧を印加し、S709で中間転写ベルト12のクリーニングを実行する。S711でCPU205は、ホームポジション移動制御を実行し、処理をS702に進めて以降の処理を継続する。S710でCPU205は、各種電圧の印加を停止する。また、CPU205は、当接離間ソレノイド210を駆動して時間t1だけ待って当接離間ソレノイド210を停止することにより中間転写ベルト12を離間状態にし、当接離間モータ217を含む前多回転処理に必要なモータを停止する。
S707において、CPU205が当接位置センサ214の出力がハイレベルであるか否かを判断している通り、S704及びS705の目的は中間転写ベルト12と感光ドラム5を全当接状態へと遷移させることである。ここで、S704及びS705において、当接位置センサ214の出力に基づくことなく、状態遷移を時間で管理している理由について説明する。
前述した通り、ホームポジション移動制御時の当接離間モータ217の回転速度に比べて、印刷開始時の回転速度は速く設定されている。このように回転速度が速い状態では、当接位置センサ214の出力がハイレベルであることをCPU205が確認した時点で当接離間ソレノイド210を停止させても、精度良く全当接状態で停止させることができない場合がある。つまり、CPU205が当接離間ソレノイド210に対して停止の指示を出しても、状態遷移の停止が間に合わない場合がある。そのため、S704及びS705において既に説明されている通り、回転速度が速い状態では、状態遷移を時間で管理している。
以上説明したように、実施例1によれば、前述した初期位置移動判断部220がホームポジション移動制御を不要と判断した場合には、ホームポジション移動制御を実行しない。このため、前多回転制御の時間を短縮することができる。通常、電源投入時の中間転写ベルト12は離間状態であるため、ホームポジション移動制御を実行しない場合が多くなる。更に、ホームポジション移動制御を行う頻度が低減されるため、ホームポジション移動制御時に発生する動作音も低減することができる。また、電源投入時、中間転写ベルト12が離間状態でない場合も、初期位置移動判断検証部221の検証結果に基づいてホームポジション移動制御を実行するため、中間転写ベルト12の当接離間状態を間違えたまま処理を継続することはない。
以上、実施例1によれば、ウェイトタイムの短縮と、中間転写体と感光体の当接離間に伴う動作音の低減を図ることができる。
実施例2においては、右ドア28の開閉後に所定の動作である印刷動作を行う場合の不要なホームポジション移動制御を削減する方法について説明する。実施例1と同様である箇所については同じ符号を付し、説明を省略する。
(従来の右ドア28開閉後の印刷制御)
従来は、右ドア28の開閉後、中間転写ベルト12の抜き差しが行われた可能性があるため、必ずホームポジション移動制御を実行した後に印刷を行っていた。従来の右ドア28の開閉後の印刷制御について、実施例2との比較のために、図8のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートはROM206に記憶され、CPU205によって実行される。
従来は、右ドア28の開閉後、中間転写ベルト12の抜き差しが行われた可能性があるため、必ずホームポジション移動制御を実行した後に印刷を行っていた。従来の右ドア28の開閉後の印刷制御について、実施例2との比較のために、図8のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートはROM206に記憶され、CPU205によって実行される。
第2の検知手段である右ドアセンサ216の検知結果に基づいて右ドア28の開閉が検知されると、S1001でCPU205は、前述したホームポジション移動制御を行い、感光ドラム5と中間転写ベルト12を離間状態とする。このように、従来は、右ドア28の開閉が検知されると、必ずホームポジション移動制御を実施していた。なお、S1002からS1007の処理は、図6のS902からS907の処理を同様であり、説明を省略する。S1008でCPU205は、用紙2を給紙する。S1009でCPU205は、給紙した用紙2上に画像を形成し、S1010で用紙2上の画像を定着し、S1011で用紙2を機外へ排出する。S1012でCPU205は、各種電圧の印加を停止する。CPU205は、当接離間ソレノイド210を駆動して時間t1だけ待って当接離間ソレノイド210を停止することにより中間転写ベルト12を離間状態にし、当接離間モータ217を含む印刷処理に必要なモータを停止する。
(実施例2の右ドア開閉後の印刷制御)
実施例2の右ドア28の開閉後の印刷制御について、図9のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートはROM206に記憶され、CPU205によって実行される。右ドアセンサ216により右ドア28の開閉が検知されると、S801でCPU205は、初期位置移動判断部220によりホームポジション移動制御を実行するか否かを判断する。実施例2でも当接位置センサ214の出力を取得し、当接位置センサ214の出力がローレベルであるか否かを判断する。S801でCPU205は、当接位置センサ214の出力がローレベルであると判断した場合、離間状態であると推測して従来の右ドア28の開閉後に行っていたホームポジション移動制御を実行しないで処理をS802に進める。S801でCPU205は、当接位置センサ214の出力がハイレベルであると判断した場合、ホームポジション移動制御を実行するために処理をS814に進める。これは、当接位置センサ214の出力がハイレベルであるということは、全当接状態のまま何らかの異常状態で右ドア28が開けられた可能性があるからである。このとき、当接位置センサ214はフラグ404の中央でハイレベルを出力している保障がないため、再度ホームポジション移動制御を実行する。
実施例2の右ドア28の開閉後の印刷制御について、図9のフローチャートを用いて説明する。本フローチャートはROM206に記憶され、CPU205によって実行される。右ドアセンサ216により右ドア28の開閉が検知されると、S801でCPU205は、初期位置移動判断部220によりホームポジション移動制御を実行するか否かを判断する。実施例2でも当接位置センサ214の出力を取得し、当接位置センサ214の出力がローレベルであるか否かを判断する。S801でCPU205は、当接位置センサ214の出力がローレベルであると判断した場合、離間状態であると推測して従来の右ドア28の開閉後に行っていたホームポジション移動制御を実行しないで処理をS802に進める。S801でCPU205は、当接位置センサ214の出力がハイレベルであると判断した場合、ホームポジション移動制御を実行するために処理をS814に進める。これは、当接位置センサ214の出力がハイレベルであるということは、全当接状態のまま何らかの異常状態で右ドア28が開けられた可能性があるからである。このとき、当接位置センサ214はフラグ404の中央でハイレベルを出力している保障がないため、再度ホームポジション移動制御を実行する。
また、実施例2においても実施例1と同様に、カラー感光ドラムの回転の駆動源である駆動モータ213と中間転写ベルト12の回転の駆動源である駆動モータ211が別である。そのため、S801において当接位置センサ214の出力がハイレベルの場合は、一旦、離間状態に移動させるホームポジション移動制御を実行する必要がある。一方、中間転写ベルト12の回転の駆動源とモノクロ感光ドラムの回転の駆動源は同一の駆動モータ211としているため、モノクロ感光ドラムのみ当接した状態で駆動しても中間転写ベルト12にダメージを与えることはない。
S802からS806までの処理は、図7のS702からS706までの処理と同様であり、説明を省略する。S807でCPU205は、初期位置移動判断検証部221により、当接位置センサ214の出力がハイレベルであるか否かを判断する。これは、S801で離間状態であるとした推測が正しかったか否かを検証するプロセスである。S801で当接位置センサ214の出力に基づいた推測が正しく、実際に離間状態であった場合は、当接離間ソレノイド210を駆動して時間t2+t3だけ経過すると全当接状態となり当接位置センサ214の出力はハイレベルとなるはずである。一方、S801でした推測が正しくなく、モノ当接状態やそれ以外の不定の状態で当接位置センサ214の出力がローレベルとなっていた場合は、次のようになる。すなわち、当接離間ソレノイド210を駆動して時間t2+t3だけ経過しても全当接状態とはならず当接位置センサ214の出力はローレベルのままとなる。したがって当接位置センサ214の出力がハイレベルの場合は推測が正しかったことになり次の処理を行うために、CPU205は処理をS808へ進める。一方、当接位置センサ214の出力がローレベルの場合は推測が正しくなかったことになり、ホームポジション移動制御を実行するために処理をS814へ進める。S814の処理は図7のS711の処理と同様であるため、説明を省略する。また、S808からS813の処理は図8のS1007からS1012の処理と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、実施例2によれば、前述した初期位置移動判断部220が、ホームポジション移動制御を不要と判断した場合には、ホームポジション移動制御を実行しない。このため、例えば、右ドア28が開いた状態で印刷ジョブを受け付けた場合や、右ドア28を開けてジャム紙を処理した後にジャムで中断した印刷ジョブを再開するケースで、印刷終了までの時間を短縮することができる。通常は、右ドア28を閉じた直後の中間転写ベルト12は離間状態であるため、ホームポジション移動制御を実行しない場合が多くなる。更に、ホームポジション移動制御を行う頻度が低減されるため、ホームポジション移動制御時に発生する動作音も低減することができる。また、右ドア28を閉じたとき、中間転写ベルト12が離間状態でない場合も、初期位置移動判断検証部221の検証によりホームポジション移動制御を実行するため、中間転写ベルト12の当接離間状態を間違えたまま処理を継続することはない。
以上、実施例2によれば、ウェイトタイムの短縮と、中間転写体と感光体の当接離間に伴う動作音の低減を図ることができる。
5 感光ドラム
12 中間転写ベルト
205 CPU
210 当接離間ソレノイド
214 当接位置センサ
217 当接離間モータ
220 初期位置移動判断部
12 中間転写ベルト
205 CPU
210 当接離間ソレノイド
214 当接位置センサ
217 当接離間モータ
220 初期位置移動判断部
Claims (9)
- 複数の感光体と、
前記複数の感光体上に形成されたトナー像が重畳して転写される中間転写体と、
前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て当接した第1の状態と、前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て離間した第2の状態と、前記複数の感光体のうちの一の感光体と前記中間転写体とが当接した第3の状態とを切り替えるための切替手段と、
前記第1の状態を検知するための第1の検知手段と、
前記第1の検知手段の検知結果に基づき前記複数の感光体と前記中間転写体とが前記第1の状態又は前記第2の状態であることを推測する推測手段と、
前記切替手段を駆動して前記複数の感光体と前記中間転写体とを前記第2の状態に移行させる移動制御を行う制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記推測手段により推測された結果に基づいて前記移動制御を行うか否かを判断することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の検知手段の検知結果に基づき前記推測手段による推測の検証を行う検証手段を備え、
前記制御手段は、前記推測手段により前記第2の状態であると推測された場合、前記移動制御を行うことなく前記切替手段を所定の時間、駆動し、前記所定の時間が経過したときに前記検証手段による検証の結果、前記推測手段による推測が正しいと判断された場合には所定の動作を実行し、前記推測手段による推測が正しくないと判断された場合には前記移動制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記複数の感光体と前記中間転写体とが前記第2の状態であるとき、前記切替手段を前記所定の時間、駆動させることにより、前記第2の状態から前記第3の状態を経由して前記第1の状態に移行させることが可能であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記画像形成装置に電源が投入されると、前記推測手段により推測された結果に基づいて前記移動制御を行うか否かを判断することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記所定の動作は、印刷の準備動作であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置の内部にアクセスするためのドアと、
前記ドアの開閉を検知する第2の検知手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第2の検知手段により前記ドアの開閉を検知すると、前記推測手段により推測された結果に基づいて前記移動制御を行うか否かを判断することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記所定の動作は、印刷動作であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記推測手段により前記第1の状態であると推測された場合、前記移動制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 第1の感光体と第2の感光体を含む複数の感光体と、
前記複数の感光体上に形成されたトナー像が重畳して転写される中間転写体と、
前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て当接した第1の状態と、前記複数の感光体と前記中間転写体とが全て離間した第2の状態と、前記第1の感光体と前記中間転写体とが当接し、前記第2の感光体と前記中間転写体とが離間した第3の状態とを切り替えるための切替手段と、
前記第1の感光体と前記中間転写体を駆動する第1の駆動源と、
前記第2の感光体を駆動する第2の駆動源と、
前記複数の感光体と前記中間転写体が前記第1の状態であるか否かを検知するための検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づき、前記複数の感光体と前記中間転写体が前記第1の状態であると判断した場合、前記第1の駆動源と前記第2の駆動源を駆動する前に、前記切替手段を駆動して前記複数の感光体と前記中間転写体を前記第3の状態に移行させる移動制御を行い、前記複数の感光体と前記中間転写体が前記第1の状態ではないと判断した場合、前記第1の駆動源と前記第2の駆動源を駆動する前に、前記移動制御を行わない制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017186376A JP2019061119A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017186376A JP2019061119A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019061119A true JP2019061119A (ja) | 2019-04-18 |
Family
ID=66178503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017186376A Pending JP2019061119A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019061119A (ja) |
-
2017
- 2017-09-27 JP JP2017186376A patent/JP2019061119A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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