JP2019056454A - 波動歯車装置、及び内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ - Google Patents

波動歯車装置、及び内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ Download PDF

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健 ブライアン 池口
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Abstract

【課題】 基本性能を向上可能な波動歯車装置、及び内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータを提供する。【解決手段】 波動歯車装置は、複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、複数の歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、楕円状の外周を有する波動発生器とを有する。波動発生器の外周が外歯車の内周に接することで、外歯車が上記楕円状に撓み、内歯車に対して外歯車の長軸方向における一部の歯が噛合する。波動発生器が回転することで噛合の位置が周方向に移動する。波動発生器の上記楕円状の外周は、基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が基準楕円と異なる。長軸との交点を除く周方向の少なくとも一部の領域で、基準楕円に対し、回転軸からの距離が大きい。【選択図】 図8

Description

本発明は波動歯車装置、及び内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータに関する。
波動歯車装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。C. W. Musser氏により発明され、K-H-V型遊星歯車に分類される遊星歯車を楕円形状に撓ませて長軸端をかみ合わせ、長軸回転を装置の1系統とするものである。その概略を説明すると、波動歯車装置は、薄肉円筒状の弾性外歯車と、弾性外歯車より歯数が偶数歯だけ多い剛性内歯車とが同軸上に配置された構成であり、弾性外歯車は、その内部に嵌入された波動発生器により楕円形状に撓められる。楕円長軸は、波動発生器へ入力される回転運動と同期して回転するが、弾性外歯車は周方向への回転自由度が与えられた状態で変形保持されるため、弾性外歯車は剛性内歯車と楕円長軸上での噛み合い位置を変えながら変形運動を行う。この変形運動の際、弾性外歯車と剛性内歯車との歯数差のため、剛性内歯車と弾性外歯車間の周方向相対位置が差分変化し、この差分を減速回転として出力する。内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータとしては例えば、特許文献2に記載されたものが知られている。可変圧縮比機構は、制御軸と、この制御軸の回転位置を変更するアクチュエータを有する。アクチュエータには、電動モータの回転数を減速して上記制御軸へ伝達する減速機として、波動歯車装置が搭載される。
米国特許第2906143号 特開2012−251446号公報
従来、歯面の形状を変えることで波動歯車装置の基本性能の向上が図られてきた。しかし、歯面の形状を歯の運動に合わせて調整するには、歯形の大幅な修正を要し、修正量にも限界があり、それは波動歯車装置の基本性能向上の限界でもあった。本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基本性能を向上可能な波動歯車装置、及び内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態における波動歯車装置は、楕円状の外周を有する波動発生器を備える。上記楕円状の外周は、基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が基準楕円と異なる。
よって、歯面の形状に関わらず、歯の移動軌跡を噛み合い相手の歯の形状に調和させることができるため、基本性能を向上可能である。
第1実施形態の可変圧縮比機構を備えた内燃機関の概略図である。 第1実施形態の可変圧縮比機構のアクチュエータの断面図である。 第1実施形態の波動歯車装置の分解等角図である。 第1実施形態の可撓性外歯車と剛性内歯車との噛合い状態を表す概略図である。 第1実施形態の可撓性外歯車の外歯の移動軌跡を示す。 第1実施形態の波動発生器の外周の形状を修正した後の可撓性外歯車と剛性内歯車との噛合い状態を表す概略図である。 波動発生器の外周の形状を修正する前の可撓性外歯車と剛性内歯車との噛合い状態を表す概略図である。 第1実施形態の波動発生器における外周の修正後の形状を基準楕円との対比で模式的に示す。
〔第1実施形態〕
まず、構成を説明する。本実施形態における内燃機関の可変圧縮比機構の基本的な構成は、特開2011-169152号公報の図1に記載されているものと同じであるため、簡単に説明する。図1に示すように、内燃機関のシリンダブロックのシリンダ内を往復運動するピストン1には、ピストンピン2を介してアッパリンク3の上端部が回転自在に連結される。アッパリンク3の下端部には、連結ピン6を介してロアリンク5が回転自在に連結される。ロアリンク5には、クランクピン4aを介してクランクシャフト4が回転自在に連結される。また、ロアリンク5には、連結ピン8を介して第1制御リンク7の上端部が回転自在に連結される。第1制御リンク7の下端部は、複数のリンク部材を有する連結機構9と連結される。連結機構9は、第1制御軸10、第2制御軸11、及び第2制御リンク12を有する。
第1制御軸10は、内燃機関内部の気筒列方向に延びるクランクシャフト4と平行に延びる。第1制御軸10は、第1ジャーナル部10a、制御偏心軸部10b、及び偏心軸部10cを有する。第1ジャーナル部10aは、内燃機関本体に回転自在に支持される。制御偏心軸部10bには、第1制御リンク7の下端部が回転自在に連結される。偏心軸部10cには、第2制御リンク12の一端部12aが回転自在に連結される。第1アーム部10dは、一端部が第1ジャーナル部10aと連結され、他端部が第1制御リンク7の下端部と連結される。制御偏心軸部10bは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置にある。第2アーム部10eは、一端部が第1ジャーナル部10aと連結され、他端部が第2制御リンク12の一端部12aと連結される。偏心軸部10cは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置にある。第2制御リンク12の他端部12bには、アームリンク13の一端部が回転自在に連結される。アームリンク13の他端部には、第2制御軸11が相対移動不能に連結される。第2制御軸11は、後述するハウジング20の内部に複数のジャーナル部を介して回転自在に支持される。
第2制御リンク12は、第1制御軸10及び第2制御軸11を連結する。第2制御リンク12は、レバー形状であり、偏心軸部10cに連結された一端部12aは、略直線的に形成される。一方、アームリンク13が連結された第2制御リンク12の他端部12bは、湾曲して形成される。一端部12aの先端部には、偏心軸部10cが回動自在に挿通される挿通孔が貫通する。アームリンク13は、第2制御軸11とは別体である。第2制御軸11は、アクチュエータAの一部である減速機としての波動歯車装置(波動歯車減速機)21を介して電動モータ22から伝達されたトルクにより、回転位置が変更される。第2制御軸11の回転位置が変更されると、第2制御リンク12を介して第1制御軸10が回転し、第1制御リンク7の下端部の位置を変更する。これにより、ロアリンク5の姿勢が変化し、ピストン1のシリンダ内におけるストローク位置やストローク量を変化させ、これに伴って機関圧縮比を変更する。
次に、本実施形態の可変圧縮比機構のアクチュエータAの構成を説明する。図2に示すように、アクチュエータAは、電動モータ22、波動歯車装置21、ハウジング20、及び第2制御軸11を有する。電動モータ22は、例えばブラシレスモータであり、モータケーシング45、コイル46、ロータ47、及びモータ出力軸48を有する。モータケーシング45は有底円筒状である。コイル46は、モータケーシング45の内周面に固定される。ロータ47は、コイル46の内側に回転自在に設けられる。モータ出力軸48は、一端部48aがロータ47の中心に固定される。モータ出力軸48は、モータケーシング45の底部に設置されたボールベアリング52により回転可能に支持される。第2制御軸11は、ハウジング20に回転自在に支持される。第2制御軸11は、軸部本体23及び固定用フランジ24を有する。軸部本体23は、軸方向に延びる。固定用フランジ24は、軸部本体23の一端部に位置し、径方向外側に立ち上がる。鉄系金属材料により、軸部本体23及び固定用フランジ24は一体に形成される。固定用フランジ24の外周部には、複数のボルト挿通孔が円周方向に等間隔に形成される。このボルト挿通孔にボルトが挿通される。ボルトは、波動歯車装置21の可撓性外歯車36のフランジ部36bと結合する。
次に、本実施形態の波動歯車装置21の構成を説明する。波動歯車装置21は、電動モータ22の先端側に取り付けられ、ハウジング20の内部に収容される。波動歯車装置21は、ボルトによりハウジング20に固定される。波動歯車装置21は、ハウジング20の開口溝部20aの内部に収容される。開口溝部20aの内部であって、波動歯車装置21の重力方向上方には、図外の油圧源等から潤滑油を供給する供給孔20bが開口する。供給孔20bから潤滑油が供給されると、下方の波動歯車装置21に潤滑油が滴下され、各回転要素の間を潤滑する。図3に示すように、波動歯車装置21は、剛性の内歯車27、可撓性の外歯車36及び波動発生器37を有する。
剛性内歯車27は、内周に複数の内歯27aを有する剛体の円環状部材である。可撓性外歯車36は、剛性内歯車27の内径側に配置される。可撓性外歯車36は、金属材料によって形成された円筒状部材であり、薄肉であり撓み変形可能な円筒状部(胴部)、及び底部を有する。可撓性外歯車36は、剛性内歯車27の内歯27aと噛み合い可能な外歯36aを外周に有する。外歯36aの歯数は、内歯27aの歯数より偶数歯(2歯)少ない。可撓性外歯車36の底部に形成されたフランジ部36bの内周には、第2制御軸11が貫通するための挿通孔36cがある。可撓性外歯車36の円筒状部の側から挿通孔36cに第2制御軸11が挿入され、第2制御軸11の固定用フランジ24とフランジ部36bとがボルトで結合される。挿通孔36cの内周が第2制御軸11により支持されることで、可撓性外歯車36の底部の剛性が確保される。
波動発生器37は、楕円状の外周を有し、この外周が周方向の全範囲で可撓性外歯車36の内周に接する。波動発生器37は、波動生成プラグ371及び深溝玉軸受372を有する。波動生成プラグ371は、楕円状の外周を有する。波動生成プラグ371の中央には、モータ出力軸48が圧入により固定される。深溝玉軸受372は、波動生成プラグ371の外周と可撓性外歯車36の内周との間の相対回転を許容する可撓性の薄肉内外輪を有する。外周が楕円状である波動生成プラグ371が深溝玉軸受372の内輪へ嵌合されると、深溝玉軸受372の内外輪も倣って楕円状となる。可撓性外歯車36の内周に波動発生器37が嵌合し、波動発生器37の外周(深溝玉軸受372の外輪)が周方向の全範囲で可撓性外歯車36の内周に接することにより、初期状態が円形である可撓性外歯車36(の円筒状部)も、深溝玉軸受372の外輪に倣って楕円状へと変形する(撓む)。
図4に示すように、可撓性外歯車36と剛性内歯車27とが噛み合う。外周が楕円状に撓んだ可撓性外歯車36は、剛性内歯車27より2歯少ない歯数である。このため、長軸上で、内歯27aと外歯36aは歯ピッチのずれにより噛み合う。短軸上で、両歯27a,36aの歯ピッチは一致するが、可撓性外歯車36が撓んでいるために両歯27a,36aは干渉しない。このため、偶数倍の歯数差を持つ可撓性外歯車36と剛性内歯車27は、図4で示すように、噛み合うことができる。可撓性外歯車36の外歯36aが形成された円筒状部は可撓性であるが、フランジ部36bは出力を取り出すために円形状から変形させることはできず、第2制御軸11と直接締結される。このため、可撓性外歯車36は、フランジ部36bを起点として円筒状部の開口端部に向かって楕円形状へと広がる形となる。開口端部付近での変形運動から取り出される可撓性外歯車36の回転運動が、フランジ部36bから第2制御軸11へと伝達される。
モータ出力軸48から波動歯車装置21へ入力される回転運動は、モータ出力軸48と直交する方向の往復変位運動へと変換される。すなわち、深溝玉軸受372の内外輪は可撓性薄肉構造である。深溝玉軸受372の玉は並進及び回転の6自由度を有するために内輪と外輪はそれぞれ独立した周方向自由度を持つ。玉により内輪の形状が外輪へと伝達される。波動生成プラグ371はモータ出力軸48により回転駆動され、嵌合相手である深溝玉軸受372の内輪もこれに追従する。回転する波動生成プラグ371の外周は楕円状であるため、内輪も周方向の各位置によって異なる半径を持つ。波動生成プラグ371(内輪)の回転による半径の増減が玉を介して外輪へ伝達される。外輪は、周方向自由度を規制された場合、上記半径の増減と同期した変形運動を行う。ここで、深溝玉軸受372の外輪と可撓性外歯車36は嵌合しており、外輪の上記変形運動に追従して可撓性外歯車36も変形運動を行う。この変形運動が、剛性内歯車27と可撓性外歯車36との間における長軸上の噛み合い位置を変化させる。これにより、剛性内歯車27上の定点から歯部を拡大して観測した場合、歯27a,36a同士が軸直交方向(径方向)へ相対運動する。そして、可撓性外歯車36の外歯36aの基準ピッチ円周長と剛性内歯車27の内歯27aの基準ピッチ円周長との差により、可撓性外歯車36の周方向位置の変化(周方向への自転運動)が生じ、この自転運動が、長軸上の噛み合い位置の変化による上記径方向運動に重ね合わされる。よって、図5に方向38で示すように、可撓性外歯車36の外歯36aは、剛性内歯車27の内歯27aの歯面に沿って内径側へ移動する。
以下、波動発生器37の外周の形状について説明する。まず、概要を説明する。可撓性外歯車36及び剛性内歯車27について任意に選択した歯形と基準ピッチ円径、及び減速比によって規定される歯数で設定される装置21について、基準ピッチ円径及び歯数から決定されるモジュールに従い、波動発生器37の外周の形状が有すべき基本諸量を仮定する。ここで波動発生器37の外周の形状が満たすべき条件は、可撓性外歯車36の外歯36aが一定周期で連続した往復運動を実現できることにある。この条件を満たす曲線であり、かつ可撓性外歯車36の外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの噛み合わせにおいて、外歯36aの移動軌跡が噛み合い相手である内歯27aとの間で干渉を発生させないことを条件とする曲線として、基準楕円を仮定する。仮定した基準楕円により決まる可撓性外歯車36の外歯36aの移動軌跡を求め、その軌跡の噛み合い頂点からκ%までの軌跡線について、内歯27aの歯面形状の相似形になるよう修正する。軌跡の修正量に応じて基準楕円を修正する。元の基準楕円と修正後の楕円状の曲線との曲率半径が異なるため、曲線間をクロソイド曲線で締結することにより外周形状の連続性を保つ。このようにして形成された楕円状の曲線を波動発生器37の外周の形状とする。
次に、詳細を説明する。まず、波動発生器37の外周の形状が基準楕円であるときの可撓性外歯車36の外歯36aの移動軌跡をモデル化する。次に、剛性内歯車27の内歯27aと可撓性外歯車36の外歯36aの噛み合い率がより高くなる(言換えると、噛合し接触する歯の数が増える)ように上記移動軌跡を修正し、これを波動発生器37の外周の形状に逆転写する。これにより、修正後の波動発生器37の外周の形状を得る。
具体的には、波動発生器37の回転軸(モータ出力軸48の回転軸線)に対し直角の方向の断面において、下記式(1)で表される楕円(x,y)を基準楕円とする。
Figure 2019056454
すなわち、基準楕円は、波動発生器37の回転角θを媒介変数とし、長半径をrn+wとし、短半径をrn-wとしており、y軸方向に長軸をとる。なお、x軸方向に基準楕円の長軸をとってもよい。ここで、rnは、基準円の半径であり、波動発生器37の挿入により変形する前(円形である標準状態)の可撓性外歯車36の基準ピッチ円半径RDnから、可撓性外歯車36の径方向厚みを除いた(波動発生器37の外周の半径に換算した)寸法に相当する。言い換えると、RDnは、波動発生器37の外周が基準円の形状であると仮定した場合の、可撓性外歯車36の基準ピッチ円半径である
wは、基準楕円の長軸及び短軸における基準円に対する偏差の大きさ(楕円量)を表す。波動歯車装置21に要求される減速比iと、装置21の基準体格となる剛性内歯車27の基準ピッチ円半径RDSとにより、歯27a,36aのモジュールmが決定される。すなわち、減速比iから剛性内歯車27の歯数Zが定まる。剛性内歯車27の基準ピッチ円直径2RDSを歯数Zで除すことでモジュールmが求められる。下記式(2)の関係により楕円量wを定める。
Figure 2019056454
前提として、標準状態である可撓性外歯車36の、基準ピッチ円半径RDnからの外歯36aの歯末たけHA及び歯元たけHFは、モジュールmを用いて下記式(3)(4)により表される。
Figure 2019056454
Figure 2019056454
wは、波動発生器37の挿入により基準楕円に倣って変形した後の可撓性外歯車36の基準ピッチ円の長軸及び短軸における、標準状態の可撓性外歯車36の基準ピッチ円に対する偏差の大きさ(楕円量)をも表す。wが上記式(2)で定められることで、可撓性外歯車36が短軸上で剛性内歯車27と干渉せず、かつ長軸上での剛性内歯車27との歯当りが少ない適切な楕円量となる。例えば、w>0.8mでも上記干渉を回避可能であるが、本実施形態ではw>0.9mとすることで、上記歯当りをより抑制可能である。
このようにして波動発生器37の外周の形状を基準楕円に決定したとき、可撓性外歯車36の外歯36aの移動軌跡が決定する。外歯36aの代表点座標(xt,yt)において、標準状態にある外歯36aは、可撓性外歯車36への波動発生器37の挿入により変形移動する。また、波動発生器37の長軸位置が入力に伴い回転することで、代表点座標の変形移動先は、入力回転毎に変化する。この変形移動に、外歯36aの基準ピッチ円周長と内歯の基準ピッチ円周長との差により生じる可撓性外歯車36の自転運動による代表点座標の移動が伴う。このため、最終的にこれら移動の重畳が、図5に示す外歯36aの移動軌跡となる。ここで自転運動の角度(自転角)ωが下記式(5)の関係で表されるとき、外歯36aの実移動軌跡は下記式(6)でモデル化される。
Figure 2019056454
Figure 2019056454
但し、は下記式(7)で示される。
Figure 2019056454
Fθは、標準状態で短軸(x軸)から角度θの位置にある外歯36aの代表点座標(xt,yt)が、可撓性外歯車36への波動発生器37の挿入により変形移動した後の、短軸(x軸)からの角度に相当する。上記式(6)の右辺の丸カッコ内は、上記変形移動後の代表点座標(xt,yt)の原点からの距離(半径)に相当する。よって、上記式(6)は、上記変形移動に自転運動が重畳したときの代表点座標(xt,yt)の移動軌跡に相当する。なお、上記式(7)における係数αは、可撓性外歯車36の材料の硬さ等による変形の強度を表す。例えばα=3である。
上記式(6)で示される移動軌跡を、内歯27aに対する外歯36aの最深かみ合い位置から任意のκ%までの軌跡について、適用する歯形の歯面関数を用いて修正する。例えば、歯形座標がG(xg,yg)なる関数で表されるとき、座標(xt,yt)を(xt+xg, yt+yg)に修正する。そして、上記式(6)の逆変換により、修正後の移動軌跡が得られるよう、波動発生器37の外周の形状を修正する。具体的には、修正後の波動発生器37の外周の形状(修正形状)を構成する極座標系S(β,ψ)の2変数について、下記式(8)の関係を用いてβ及びψを導出することで修正形状が得られる。
Figure 2019056454
このようにして得られた修正形状は、図6に示すように、内歯27a及び外歯36aの形状に関わらず、両歯27a,36aの噛み合い率を、図7に示す修正前(波動発生器37の外周の形状が基準楕円のとき)よりも高くする(言換えると、歯形状が同じでも、内歯27aと噛合し接触する外歯36aの数を増やす)形状である。
図8に示すように、波動発生器37の外周において、修正形状を設ける範囲は、噛み合い率を高くするという観点からは、基準楕円の長軸との交点Pに周方向で隣接する領域391とすることが好ましい。なお、領域391の終点Qの位置は任意である。一方、波動発生器37の外周において、基準楕円の短軸との交点Sに周方向で隣接する領域392は、短軸上において上記式(2)を満足し、かつ極が短軸上の1点のみとなる連続曲線となっていればよい。よって、これらの条件を満たす限り、この領域392の形状は任意であり、基準楕円でもよいし他の曲線でもよい。
そして、波動発生器37の外周において、領域391と領域392との間(領域391の終点Qから領域392の終点Rまでの間)の領域393は、曲線同士を滑らかに(不連続を生じさせないように)連結する曲線であるという条件から、クロソイド曲線を用いることが適切である。例えば、選択した適切なクロソイド定数をμとし、領域391の終点Q(x,y)の曲率半径をρとし、領域393の曲線長をlとしたとき、クロソイド曲線を表す一般的な下記式(9)を用い、下記式(10)を満たす条件によって、領域393の曲線を設定できる。
Figure 2019056454
Figure 2019056454
以上より、波動発生器37の回転軸に対し直角方向の断面において、波動発生器37の外周は、領域391における修正形状、領域393におけるクロソイド曲線、及び領域392における曲線が複合した曲線である。具体的には、破線で示される基準楕円と共通の長軸を備える楕円状であって、周方向の少なくとも一部(領域391,393)の形状が基準楕円と異なる。基準楕円に対し、周方向における長軸との交点Pと短軸との交点Sとの間の少なくとも一部の領域391,393が肉盛りされた楕円状である。この楕円状の外周は、長軸との交点Pに周方向で隣接する領域391,393(交点Pを除く周方向の少なくとも一部の領域)で、基準楕円に対し、回転軸からの距離が大きい。また、長軸との交点Pに周方向で隣接する所定範囲(領域394)において、基準楕円よりも曲率が小さい。長軸との交点Pに周方向で隣接する領域391と、短軸との交点Sに周方向で隣接する領域392とが、クロソイド曲線を介して滑らかに連結する。
次に、作用効果を説明する。波動歯車装置21は、複数の歯27aを内周に有する剛性の内歯車27と、複数の歯36aを外周に有する筒状であり可撓性の外歯車36と、楕円状の外周を有する波動発生器37とを有する。波動発生器37の外周が可撓性外歯車36の内周に接することで、可撓性外歯車36が楕円状に撓み、剛性内歯車27に対して可撓性外歯車36の一部の外歯36aが噛合する。波動発生器37が回転することで噛合の位置が周方向に移動し、これを減速回転として出力する。このように可撓性外歯車36を変形させることで噛合の位置を移動させる性質上、可撓性外歯車36の外歯36aの移動軌跡を具体化することが、外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの間の干渉を避け、波動歯車装置21の機能を満足させる上で重要であり、また同時に波動歯車装置21の性能を左右する歯形を決定する上でも重要である。波動発生器37の外周の形状は、外歯36aの移動軌跡を決定するものであり、波動歯車装置21の変速機構の根幹を成す。すなわち、動力を伝達する外歯36aの移動は、減速機としての波動歯車装置21の基本性能であるトルク容量やトルク伝達効率に直接影響する。これまで、波動発生器37の外周の形状として、円錐曲線の一種である楕円が用いられてきた。外歯36aの一定周期で連続した往復運動を実現でき、非円形形状の中で最も形状の管理が容易であり、形状の対称性による回転バランスに優れ、かつ外歯36aの移動条件を満たすことが可能だからである。そして、この基準楕円に従う外歯36aの運動に合わせて、接触する歯面の形状を変えることで、上記基本性能の向上が図られてきた。しかし、歯面の形状を外歯36aの運動と調和させるには、歯形の大幅な修正を要し、その加工や測定において課題が生じるために形状の修正量にも限界があり、それは波動歯車装置21の基本性能向上の限界でもあった。
本実施形態の波動歯車装置21は、波動発生器37の外周の形状を基準楕円と異なる楕円状とすることで、上記問題を解決する。波動発生器37の楕円状の外周は、基準楕円と共通の長軸を備える一方、周方向の少なくとも一部(領域391,393)の形状が基準楕円と異なる。波動発生器37の楕円状の外周は、剛性内歯車27及び可撓性外歯車36の歯27a,36aの形状に関わらず、両歯27a,36aの噛み合い率を、基準楕円よりも高くする形状である。よって、歯面の形状を修正することなく、基本性能であるトルク容量を向上できる。すなわち、波動発生器37の外周の形状を、楕円を修正した曲線とすることで、外歯36aの移動軌跡が、噛み合い相手である内歯27aの歯形形状に則したものになる。これにより、外歯36aと内歯27aとの相対運動において歯面間で適切な接触が保たれ、有効接触面が増大することで、波動歯車装置21の負荷能力を、少ない歯形修正で向上させることができる。さらに有効噛み合い領域が増大することで、耐ラチェッティング能力も向上する。なお、噛み合い率だけでなく、又は噛合い率に代えて、トルク伝達効率を向上するように、波動発生器37の外周の形状を修正してもよい。本実施形態では、外歯36aの歯たけが1.8m(=HA+HF)と低い。このため、外歯36aの歯元の応力を低減し、また可撓性外歯車36の小型化を図ることができる。しかし、トルク容量の不足やラチェット現象の抑制が課題となりやすい。よって、波動発生器37の外周の形状を修正することにより噛合い率を高くすることが、トルク容量や耐ラチェッティング能力の向上という観点からは、効果的である。
本実施形態では、波動発生器37の外周が有する楕円状の形状は、基準楕円に対し、周方向における長軸との交点Pと短軸との交点Sとの間の少なくとも一部の領域391,393が肉盛りされた楕円状である。言換えると、長軸との交点Pを除く周方向の少なくとも一部の領域391,393で、基準楕円に対し、回転軸からの距離が大きい。よって、可撓性外歯車36の外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの噛み合いを促進し、両歯36a,27aの噛み合い率を、基準楕円よりも高くすることが容易である。また、波動発生器37の外周が有する楕円状の形状は、基準楕円と共通の長軸を半径とする円よりも内側にある。よって、波動発生器37が可撓性外歯車36を無理に撓ませる量を抑制し、トルク伝達効率を向上できる。なお、波動発生器37の外周の形状を、基準楕円に対し、周方向における長軸との交点Pと短軸との交点Sとの間の少なくとも一部の領域が肉抜きされた楕円状としてもよい。言換えると、長軸との交点Pを除く周方向の少なくとも一部の領域で、基準楕円に対し、回転軸からの距離を小さくしてもよい。この場合、両歯36a,27aの噛み合い面積を抑制し、トルク伝達効率を向上することが容易である。
本実施形態では、波動発生器37の外周において、基準楕円に対し、回転軸からの距離が大きい領域は、長軸との交点Pに周方向で隣接する領域391,393である。よって、基準楕円に対して回転軸からの距離が大きい領域が、長軸との交点Pに周方向で隣接しない領域にある場合に比べ、両歯36a,27aの噛み合いを促進し、両歯36a,27aの噛み合い率を、基準楕円よりも高くすることが容易である。
また、波動発生器37の外周の形状は、長軸との交点Pに周方向で隣接する所定範囲(領域394)において、基準楕円よりも曲率が小さい。よって、長軸との交点Pに周方向で隣接する領域で、基準楕円に対し、回転軸からの距離を大きくすることができる。
波動発生器37の外周の形状は、基準楕円と共通の短軸を有していなくてもよい。また、波動発生器37の外周において、短軸との交点Sに周方向で隣接する領域392は、基準楕円に対し、回転軸からの距離が大きくてもよいし、小さくてもよい。回転軸から領域392までの距離が、基準楕円より大きければ、(長軸の側における)両歯36a,27aの噛み合いをより容易に促進できる。回転軸から領域392までの距離が、基準楕円より小さければ、短軸上における両歯36a,27aの干渉をより確実に回避できると共に、波動発生器37が可撓性外歯車36を撓ませる量を抑制し、トルク伝達効率を向上できる。
波動発生器37の楕円状の外周は、長軸との交点Pに周方向で隣接する領域391と、短軸との交点Sに周方向で隣接する領域392とが、滑らかに連結する。両領域391,392が滑らかに(不連続が生じないように)連結することで、波動発生器37(深溝玉軸受372)の作動を円滑化し、波動発生器37の耐久性を向上させることができる。なお、両領域391,392の間(領域393)はクロソイド曲線に限らない。本実施形態では、両領域391,392がクロソイド曲線を介して連結することで、上記滑らかな連結の実現が容易である。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の波動歯車装置は、内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータに限らず、特開2015-1190号公報や特開2011-231700号公報等に記載された内燃機関のバルブタイミング制御装置のアクチュエータや、操舵角に対する転舵角を変更可能な可変舵角機構のアクチュエータ等にも適用可能である。また、実施例では、波動発生器の外周が周方向の全範囲で外歯車の内周に接する例を示したが、周方向の一部が外歯車の内周に接する構成としてもよい。
[実施形態から把握しうる技術的思想]
以上説明した実施形態から把握しうる技術的思想(又は技術的解決策。以下同じ。)について、以下に記載する。
(1) 本技術的思想の波動歯車装置は、その1つの態様において、
複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
複数の歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
前記波動発生器の外周が前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車が前記楕円状に撓み、前記内歯車に対して前記外歯車の前記長軸方向における一部の歯が噛合し、前記波動発生器が回転することで前記噛合の位置が周方向に移動し、
前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点を除く周方向の少なくとも一部の領域で、前記基準楕円に対し、前記回転軸からの距離が大きい、前記波動発生器とを有する.
(2) より好ましい態様では、前記態様において、
前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点に周方向で隣接する領域で、前記基準楕円に対し、前記回転軸からの距離が大きい。
(3) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点に周方向で隣接する領域と、短軸との交点に周方向で隣接する領域とが、クロソイド曲線を介して連結する。
(4) さらに、他の観点から、本技術的思想の波動歯車装置は、その1つの態様において、
複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
複数の歯を外周に有する胴部を含む可撓性の外歯車と、
楕円状の外周を有し、前記外歯車の内側に配置され、周方向の全範囲で前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車を前記楕円状に撓めて前記内歯車に対して部分的に噛合させ、回転することで前記噛合の位置を周方向に移動させる波動発生器であって、
前記波動発生器の回転軸に対し直角の方向の断面において、長半径をr+wとし、短半径をr−wとし、前記波動発生器の回転角θを媒介変数として、下記式(1)で表される楕円に対し、周方向における長軸との交点と短軸との交点との間の少なくとも一部の領域が肉盛りされた前記楕円状の外周を有する、前記波動発生器とを有する。
Figure 2019056454
(5) さらに、他の観点から、本技術的思想の波動歯車装置は、その1つの態様において、
複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
複数の外歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
前記外歯車の内側に配置され、前記外歯車を前記楕円状に撓ませ、前記長軸方向における前記外歯車の一部の歯を前記内歯車に噛合させ、回転することで前記噛合の位置を周方向に移動させ、
前記楕円状の外周は、前記内歯車及び前記外歯車の歯の形状に関わらず、前記外歯車の歯と前記内歯車の歯との噛み合い率を、前記基準楕円よりも高くする形状である、前記波動発生器とを有する。
(6) さらに、他の観点から、本技術的思想の波動歯車装置は、その1つの態様において、
複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
複数の外歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
前記波動発生器の外周が前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車が前記楕円状に撓み、前記内歯車に対して前記外歯車の前記長軸方向における一部の歯が噛合し、前記波動発生器が回転することで前記噛合の位置が周方向に移動し、
前記楕円状の外周は、前記長軸との交点に周方向で隣接する所定範囲において、前記基準楕円よりも曲率が小さい、前記波動発生器とを有する。
(7) 本技術的思想の内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータは、その1つの態様において、
電動モータと、
前記内燃機関の可変圧縮比機構に連係する制御軸と、
前記電動モータの回転数を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車減速機とを有し、
前記波動歯車減速機は、
複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
複数の歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
前記波動発生器の外周が前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車が前記楕円状に撓み、前記内歯車に対して前記外歯車の前記長軸方向における一部の歯が噛合し、前記波動発生器が回転することで前記噛合の位置が周方向に移動し、
前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点を除く周方向の少なくとも一部の領域で、前記基準楕円に対し、前記回転軸からの距離が大きい、前記波動発生器とを有する。
(8) より好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記楕円状の外周において前記長軸との交点に隣接する領域と前記短軸との交点に隣接する領域とが滑らかに連結する。
(9) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記楕円状の外周において前記長軸との交点に隣接する領域と前記短軸との交点に隣接する領域とがクロソイド曲線を介して連結する。
(10) 別の好ましい態様では、前記態様のいずれかにおいて、
前記内歯車の歯のモジュールをmとしたとき、下記式(2)を満たす。
Figure 2019056454
A 内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ
11 第2制御軸(制御軸)
21 波動歯車装置(波動歯車減速機)
22 電動モータ
27 剛性内歯車
27a 内歯
36 可撓性外歯車
36a 外歯
37 波動発生器
以下、波動発生器37の外周の形状について説明する。まず、概要を説明する。可撓性外歯車36及び剛性内歯車27について任意に選択した歯形と基準ピッチ円径、及び減速比によって規定される歯数で設定される装置21について、基準ピッチ円径及び歯数から決定されるモジュールに従い、波動発生器37の外周の形状が有すべき基本諸量を仮定する。ここで波動発生器37の外周の形状が満たすべき条件は、可撓性外歯車36の外歯36aが一定周期で連続した往復運動を実現できることにある。この条件を満たす曲線であり、かつ可撓性外歯車36の外歯36aと剛性内歯車27の内歯27aとの噛み合わせにおいて、外歯36aの移動軌跡が噛み合い相手である内歯27aとの間で干渉を発生させないことを条件とする曲線として、基準楕円を仮定する。仮定した基準楕円により決まる可撓性外歯車36の外歯36aの移動軌跡を求め、その軌跡の噛み合い頂点からκ%までの軌跡線について、内歯27aの歯面形状の相似形になるよう修正する。軌跡の修正量に応じて基準楕円を修正することで修正後の楕円状の曲線を得る。元の基準楕円と修正後の楕円状の曲線との曲率半径が異なるため、曲線間をクロソイド曲線で締結することにより外周形状の連続性を保つ。このようにして形成された楕円状の曲線を波動発生器37の外周の形状とする。
具体的には、波動発生器37の回転軸(モータ出力軸48の回転軸線)に対し直角の方向の断面において、下記式(1)で表される楕円(x,y)を基準楕円とする。
Figure 2019056454
すなわち、基準楕円は、波動発生器37の回転角θを媒介変数とし、長半径をrn+wとし、短半径をrn-wとしており、y軸方向に長軸をとる。なお、x軸方向に基準楕円の長軸をとってもよい。ここで、rnは、基準円の半径であり、波動発生器37の挿入により変形する前(円形である標準状態)の可撓性外歯車36の基準ピッチ円半径RDnから、可撓性外歯車36の径方向厚みを除いた(波動発生器37の外周の半径に換算した)寸法に相当する。言い換えると、RDnは、波動発生器37の外周が基準円の形状であると仮定した場合の、可撓性外歯車36の基準ピッチ円半径である

Claims (10)

  1. 複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
    複数の歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
    基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
    前記波動発生器の外周が前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車が前記楕円状に撓み、前記内歯車に対して前記外歯車の前記長軸方向における一部の歯が噛合し、前記波動発生器が回転することで前記噛合の位置が周方向に移動し、
    前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点を除く周方向の少なくとも一部の領域で、前記基準楕円に対し、前記回転軸からの距離が大きい、前記波動発生器と
    を有する波動歯車装置。
  2. 請求項1に記載の波動歯車装置において、
    前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点に周方向で隣接する領域で、前記基準楕円に対し、前記回転軸からの距離が大きい、
    波動歯車装置。
  3. 請求項2に記載の波動歯車装置において、
    前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点に周方向で隣接する領域と、短軸との交点に周方向で隣接する領域とが、クロソイド曲線を介して連結する、波動歯車装置。
  4. 複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
    複数の歯を外周に有する胴部を含む可撓性の外歯車と、
    楕円状の外周を有し、前記外歯車の内側に配置され、周方向の全範囲で前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車を前記楕円状に撓めて前記内歯車に対して部分的に噛合させ、回転することで前記噛合の位置を周方向に移動させる波動発生器であって、
    前記波動発生器の回転軸に対し直角の方向の断面において、長半径をr+wとし、短半径をr−wとし、前記波動発生器の回転角θを媒介変数として、下記式(1)で表される楕円に対し、周方向における長軸との交点と短軸との交点との間の少なくとも一部の領域が肉盛りされた前記楕円状の外周を有する、前記波動発生器と
    を有する波動歯車装置。
    Figure 2019056454
  5. 請求項4に記載の波動歯車装置において、
    前記楕円状の外周において前記長軸との交点に隣接する領域と前記短軸との交点に隣接する領域とが滑らかに連結する波動歯車装置。
  6. 請求項4に記載の波動歯車装置において、
    前記楕円状の外周において前記長軸との交点に隣接する領域と前記短軸との交点に隣接する領域とがクロソイド曲線を介して連結する波動歯車装置。
  7. 請求項4に記載の波動歯車装置において、
    前記内歯車の歯のモジュールをmとしたとき、下記式(2)を満たす波動歯車装置。
    Figure 2019056454
  8. 内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    電動モータと、
    前記内燃機関の可変圧縮比機構に連係する制御軸と、
    前記電動モータの回転数を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車減速機と
    を有し、
    前記波動歯車減速機は、
    複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
    複数の歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
    基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
    前記波動発生器の外周が前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車が前記楕円状に撓み、前記内歯車に対して前記外歯車の前記長軸方向における一部の歯が噛合し、前記波動発生器が回転することで前記噛合の位置が周方向に移動し、
    前記波動発生器の回転軸に対し直角方向の断面において、前記楕円状の外周は、前記長軸との交点を除く周方向の少なくとも一部の領域で、前記基準楕円に対し、前記回転軸からの距離が大きい、前記波動発生器とを有する、
    内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  9. 複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
    複数の外歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
    基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
    前記外歯車の内側に配置され、前記外歯車を前記楕円状に撓ませ、前記長軸方向における前記外歯車の一部の歯を前記内歯車に噛合させ、回転することで前記噛合の位置を周方向に移動させ、
    前記楕円状の外周は、前記内歯車及び前記外歯車の歯の形状に関わらず、前記外歯車の歯と前記内歯車の歯との噛み合い率を、前記基準楕円よりも高くする形状である、前記波動発生器と
    を有する波動歯車装置。
  10. 複数の歯を内周に有する剛性の内歯車と、
    複数の外歯を外周に有する筒状であり可撓性の外歯車と、
    基準楕円と共通の長軸を備え、周方向の少なくとも一部の形状が前記基準楕円と異なる楕円状の外周を有する波動発生器であって、
    前記波動発生器の外周が前記外歯車の内周に接することで、前記外歯車が前記楕円状に撓み、前記内歯車に対して前記外歯車の前記長軸方向における一部の歯が噛合し、前記波動発生器が回転することで前記噛合の位置が周方向に移動し、
    前記楕円状の外周は、前記長軸との交点に周方向で隣接する所定範囲において、前記基準楕円よりも曲率が小さい、前記波動発生器と
    を有する波動歯車装置。
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