JP2019056441A - 波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ - Google Patents

波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ Download PDF

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健 ブライアン 池口
Ken Ikeguchi Bryan
健 ブライアン 池口
正登 真子
Masato Masako
正登 真子
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Abstract

【課題】 軸受寿命を向上できる波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータを提供する。
【解決手段】 波動発生器26は、その回転軸線の直角断面が楕円状であって、回転軸線を中心として最も半径の大きい長軸部分および最も半径の小さい短軸部分を有する楕円状外形を有し、楕円状外形は、回転軸線に沿う方向において、長軸部分の外周面として可撓性外歯車25の内フランジ部25cの側の半径が内フランジ部25cと反対側の半径に対して小さくなる第1傾斜面28aを有し、短軸部分の外周面として可撓性外歯車25の内フランジ部25cの側の半径が内フランジ部25cと反対側の半径に対して大きくなる第2傾斜面28bを有する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータに関する。
特許文献1には、剛性内歯車、可撓性外歯車および波動発生部材を有する波動歯車機構が開示されている。波動発生部材と可撓性外歯車との間には、深溝玉軸受が配置されている。
特開2012-251446号公報
しかしながら、上記従来技術にあっては、通常使用される深溝玉軸受の環境よりも厳しい環境となるため、軸受寿命が短くなるおそれがあった。
本発明の目的の一つは、軸受寿命を向上できる波動歯車減速機および内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータを提供することにある。
本発明の一つの態様において、波動発生部材は、その回転軸線の直角断面が楕円状であって、回転軸線を中心として最も半径の大きい長軸部分および最も半径の小さい短軸部分を有する楕円状外形を有し、楕円状外形は、回転軸線に沿う方向において、長軸部分の外周面として可撓性外歯車のフランジ部の側の半径がフランジ部と反対側の半径に対して小さくなる第1傾斜面を有し、短軸部分の外周面として可撓性外歯車のフランジ部の側の半径がフランジ部と反対側の半径に対して大きくなる第2傾斜面を有する。
よって、本発明の好ましい態様によれば、軸受寿命を向上できる。
実施形態1の可変圧縮比機構を備えた内燃機関の概略図である。 実施形態1のアクチュエータの軸方向断面図である。 実施形態1の波動歯車減速機の分解斜視図である。 実施形態1の波動発生器の分解斜視図である。 実施形態1の波動歯車減速機の長軸方向断面図である。 実施形態1の波動歯車減速機の短軸方向断面図である。 従来の波動歯車減速機の長軸部分および短軸部分の状態を示す模式図である。 従来の波動歯車減速機においてボールベアリングをニードルベアリングに代えたときの長軸部分および短軸部分の状態を示す模式図である。 実施形態1の波動歯車減速機の長軸部分および短軸部分の状態を示す模式図である。 実施形態2の波動歯車減速機の分解斜視図である。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の可変圧縮比機構を備えた内燃機関の概略図である。基本的な構成は、特開2011-169251号公報の図1に記載されたものと同じであるため、簡単に説明する。
ピストン1は、内燃機関(ガソリンエンジン)におけるシリンダブロックのシリンダ内を往復運動する。ピストン1には、ピストンピン2を介してアッパリンク3の上端が回転可能に連結する。アッパリンク3の下端には、連結ピン6を介してロアリンク5が回転可能に連結する。ロアリンク5には、クランクピン4aを介してクランクシャフト4が回転可能に連結する。ロアリンク5には、連結ピン8を介して第1制御リンク7の上端部が回転可能に連結する。第1制御リンク7の下端部は、複数のリンクを有する連結機構9と連結する。連結機構9は、第1制御軸10、第2制御軸(制御軸)11、第2制御リンク12およびアームリンク13を有する。
第1制御軸10は、内燃機関内部の気筒列方向に沿って配置されたクランクシャフト4と平行に配置されている。第1制御軸10は、第1ジャーナル部10a、制御偏心軸部10b、偏心軸部10c、第1アーム部10dおよび第2アーム部10eを有する。第1ジャーナル部10aは、内燃機関本体に回転可能に支持されている。制御偏心軸部10bは、第1制御リンク7の下端部と回転可能に連結する。偏心軸部10cは、第2制御リンク12の一端部12aと回転可能に連結する。第1アーム部10dの一端は、第1ジャーナル部10aと連結する。第1アーム部10dの他端は、制御偏心軸部10bと連結する。制御偏心軸部10bは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置にある。第2アーム部10eの一端は、第1ジャーナル部10aと連結する。第2アーム部10eの他端は、偏心軸部10cと連結する。偏心軸部10cは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置にある。第2制御リンク12の他端部12bは、アームリンク13の一端が回転可能に連結する。アームリンク13の他端は、第2制御軸11と連結する。アームリンク13と第2制御軸11は相対移動しない。
第2制御軸11は、内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ14の一部である波動歯車減速機15を介して電動モータ16から伝達されたトルクにより回転位置が変更される。第2制御軸11の回転位置が変更されると、第2制御リンク12を介して第1制御軸10が回転し、第1制御リンク7の下端部の位置を変更する。これにより、ロアリンク5の姿勢が変化し、ピストン1のシリンダ内におけるストローク位置やストローク量を変化させ、これに伴って機関圧縮比を変更する。
次に、アクチュエータ14の構成を説明する。
図2は、実施形態1のアクチュエータの軸方向断面図である。
アクチュエータ14は、電動モータ16、波動歯車減速機15、ハウジング17および第2制御軸11を有する。
電動モータ16は、例えばブラシレスモータであり、モータケーシング18、コイル19、ロータ20およびモータ出力軸21を有する。モータケーシング18は、有底円筒状に形成され、開口側がハウジング17に固定されている。コイル19は、モータケーシング18の内周面に固定されている。ロータ20は、コイル19の内側に回転可能に配置されている。モータ出力軸21は、ロータ20の中心に固定されている。モータ出力軸21は、2つのボールベアリング22,23を介してハウジング17およびモータケーシング18に対し回転可能に設けられている。ボールベアリング22はハウジング17に固定されている。ボールベアリング23はモータケーシング18の底部に固定されている。モータ出力軸21の先端部21aは、ハウジング17を貫通し、波動歯車減速機15の波動発生器26と連結する。第2制御軸11はモータ出力軸21と同軸である。つまり、第2制御軸11およびモータ出力軸21の回転軸線Oは一致する。第2制御軸11の先端部11aは、波動歯車減速機15の可撓性外歯車25とセレーション結合する。
次に、波動歯車減速機15の構成を説明する。
図3は、実施形態1の波動歯車減速機の分解斜視図である。
波動歯車減速機15は、ハウジング17に取り付けられている。波動歯車減速機15は、剛性内歯車24、可撓性外歯車25および波動発生器26を有する。
剛性内歯車24は、内周に複数の内歯24aを有する剛体円環状部材である。剛性内歯車24は、ハウジング17に固定されている。
可撓性外歯車25は、剛性内歯車24の径方向内側に配置されている。可撓性外歯車25は、金属材料によって形成され、円筒部25bおよび内フランジ部25cを有する。円筒部25bは撓み変形可能な薄肉の円筒状に形成され、外周面の軸方向一端側に外歯25aが形成されている。外歯25aは剛性内歯車24の内歯24aと噛み合う。外歯25aの歯数は内歯24aの歯数よりも2歯少ない。内フランジ部25cは、円筒部25bの軸方向他端側から径方向内側へ延びる。内フランジ部25cの内周には、小径の円筒部25dが形成されている。円筒部25dは、スプライン穴25eを有する。スプライン穴25eには、第2制御軸11の先端部(スプライン軸)11aが挿入されている。
波動発生器26は、外周面が可撓性外歯車25の内周面に沿って摺動する。波動発生器26は、波動生成プラグ26aおよびニードルベアリング27を有する。波動生成プラグ26aは、その回転軸線と直交する方向の断面が楕円状であって、回転軸線Oを中心として最も半径の大きい長軸部分および最も半径の小さい短軸部分を有する楕円状外形を有する。波動生成プラグ26aは中心に貫通穴26a1を有する。貫通穴26a1にはモータ出力軸21が圧入により固定されている。波動生成プラグ26aの中央には、モータ出力軸48が圧入により固定されている。ニードルベアリング27は、波動生成プラグ26aの外周および可撓性外歯車25の内周間の相対回転を許容する。図4に示すように、ニードルベアリング27は、内輪28、外輪29、複数の転動体30および保持器31を有する。内輪28は、波動生成プラグ26aの外周面と一体に形成されている。外輪29は、可撓性を有する薄肉の環状に形成され、可撓性外歯車25の内周に配置されている。複数の転動体30は、円柱状に形成され、内輪28および外輪29間に配置されている。保持器31は、内輪28および外輪29間に配置され、各転動体30の間隔を一定に保持する。
図5は実施形態1の波動発生器の長軸方向断面図、図6は実施形態1の波動発生器の短軸方向断面図である。
図5に示すように、内輪28を含む波動発生器26の長軸および長軸付近(以下、長軸部分と称す。)の外周面には、第1傾斜面28aが形成されている。第1傾斜面28aは、回転軸線Oに沿う方向において、可撓性外歯車25の内フランジ部25cの側が内フランジ部25cと反対側(円筒部25bの開口側)に対して回転軸線Oに近づく側に傾斜する。第1傾斜面28aにより、波動発生器26の長軸部分の半径は、回転軸線Oに沿う方向において、内フランジ部25cに近づくに連れて短くなる。
また、図6に示すように、内輪28を含む波動発生器26の短軸および短軸付近(以下、短軸部分と称す。)の外周面には、第2傾斜面28bが形成されている。第2傾斜面28bは、回転軸線Oに沿う方向において、可撓性外歯車25の内フランジ部25cの側が内フランジ部25cと反対側(円筒部25bの開口側)に対して回転軸線Oに近づく側に傾斜する。第2傾斜面28bにより、波動発生器26の短軸部分の半径は、回転軸線Oに沿う方向において、内フランジ部25cに近づくに連れて長くなる。
第1傾斜面28a及び第2傾斜面28bは波動発生器26の周方向において滑らかに連結している。
第1傾斜面28aおよび第2傾斜面28bの傾斜度合い(回転軸線Oに対する傾斜角度)は、波動発生器26の周方向位置に応じて、波動歯車減速機15が正常に動作するために必要な円筒部25bの傾斜角度に合わせて設定されている。
実施形態1の波動歯車減速機15において、可撓性外歯車25の円筒部25bは可撓性であるが、内フランジ部25cは出力を取り出すために円形状から変形させることはできず、第2制御軸11と直接締結されるため、内フランジ部25cを起点として円筒部25bの開口端に向かって楕円形状へと広がる形となる。すなわち、開口端部付近での変形運動から取り出される可撓性外歯車25の回転運動を内フランジ部25cから第2制御軸11へと伝達できる。
波動歯車減速機15への回転入力は波動発生器26により回転入力軸と直交する方向への往復変位運動へと変換される。回転伝達機構を有する波動生成プラグ26aは接続されたモータ出力軸21により駆動され、波動生成プラグ26aの外周面と一体であるニードルベアリング27の内輪28もこれに追従する。ニードルベアリング27の外輪29は、内外輪間に挟まれた転動体30により内輪28の形状が外輪29へと伝達されるが、転動体30は並進および回転の6自由度を有するために内輪28と外輪29はそれぞれ独立した周方向自由度を持つ。回転入力により駆動された波動生成プラグ26aは楕円体であるため、楕円周上の各位置によって異なる半径を持つ。この楕円の性質により、波動生成プラグ26aの回転による半径の増減が転動体30を介して波動生成プラグ26aの外輪29へ伝達される。この時、可撓性薄肉構造の内外輪であることから、ニードルベアリング27の外輪29の周方向自由度を規制した場合において外輪29が半径の増減と同期した変形運動を行う。
また、ニードルベアリング27の外輪29と可撓性外歯車25は嵌合されているため、外輪29の変形運動に追従して可撓性外歯車25も変形運動を行う。この変形運動が、剛性内歯車24および可撓性外歯車25間における長軸上噛み合い位置を変化させる。これにより、剛性内歯車24上の定点から歯部を拡大して観測した場合、歯同士での軸直交方向への相対運動となる。そして、可撓性外歯車25が剛性内歯車24に対し差分による周方向位置が変化することにより周方向への運動が重ね合わされて、可撓性外歯車25の外歯25aは内歯24aの歯面に沿って内径側へ移動する。
次に、実施形態1の作用効果を説明する。
上述したように、実施形態1の波動歯車減速機15は、モータ出力軸21に直結された楕円状の波動発生器26が回転することにより、円筒部25b上の外歯25aは往復変位運動を行い、また、剛性内歯車24の内歯24aと可撓性外歯車25との外歯25aとの噛み合いピッチ円上での円周差に伴う差分運動による周方向回転運動が複合することを特徴とする。
ここで、実施形態1の波動歯車減速機15のように、弾性変形体(可撓性外歯車)自身で出力回転運動を行うものである場合、可撓性外歯車において円筒部では積極的に変形が生じ、フランジ部では出力を取り出すために剛性が維持される。これに伴い軸直角平面内での弾性変形に加え、軸方向においても剛性部であるフランジ部と変形部である円筒部との間を基点とする変形状態が発生する。図7(a)に示すように、波動発生器の長軸部分では、円筒部の自由端側が開く方向に変形する。一方、図7(b)に示すように、波動発生器の短軸部分では、円筒部の自由端側が狭まる方向に変形する。
これら複合的な変形を許容し、かつ剛性内歯車および可撓性外歯車間での動力伝達に伴う円筒部の変形に柔軟に対処する必要が有ることから、従来の波動歯車減速機では、波動発生器と可撓性外歯車との間に設置される軸受として、単列のボールベアリング(深溝玉軸受)が積極的に用いられてきた。
しかしながら、上記波動歯車減速機、特に内燃機関の可変圧縮比機構に用いる場合では、軸受自身の積極的な変形や可撓性外歯車による変形荷重、さらに第2制御軸側からの負荷入力による荷重入力など、通常使用されるボールベアリングの環境よりも厳しい環境となるため、軸受寿命が短くなるおそれがあった。また、軸受自身の変形を考慮した転走面や外輪肉厚の諸元決定など、設計に要求される基準が高くなるおそれがあった。
そこで、実施形態1の波動歯車減速機15では、波動発生器26と可撓性外歯車25との間に設置される軸受として、ニードルベアリング27を採用した。一般的に、ニードルベアリングはボールベアリングと比べて耐ラジアル荷重性能が高い(ラジアル荷重容量が大きい)ため、従来の波動歯車減速機よりも軸受寿命の向上が期待できる。また、設計に要求される基準を低くできる。ところが、単にボールベアリングをニードルベアリングに代えただけでは、外輪に対して転動体が片当たりすることで摩耗促進、焼き付きや損傷が発生し、軸受寿命の低下を招くおそれがある。また、本来、内歯および外歯が干渉しないはずの短軸部分で内歯および外歯が干渉するおそれがある。理由は、長軸部分では図8(a)のように円筒部が外側へ開く方向に変形するのに対し、短軸部分では図8(b)のように逆に円筒部が内側へ向かう方向に変形するため、ニードルベアリングではボールベアリングほど外輪を傾けられないからである。
これに対し、実施形態1の波動発生器26では、図9に示すように、波動生成プラグ26aの外周面のうち、長軸部分には波動発生器26の半径が内フランジ部25cに近づくに連れて短くなる第1傾斜面28aが形成され、短軸部分には波動発生器26の半径が内フランジ部25cに近づくに連れて長くなる第2傾斜面28bが形成されている。なお、図9では、波動発生器26と内輪28を別体としている。これにより、長軸部分および短軸部分における外輪29の傾きを小さくできるため、ニードルベアリング27の片当たりを抑制できる。
また、第1傾斜面28aおよび第2傾斜面28bの傾斜度合いは、波動歯車減速機15が正常に動作するために必要な円筒部25bの傾斜角度に合わせて設定されているため、短軸部分における内歯24aと外歯25aとの干渉を抑制できる。
つまり、実施形態1の波動歯車減速機15では、ニードルベアリングの採用に伴うトレードオフを解消できるため、ニードルベアリング27の高い耐ラジアル荷重性能によって、軸受寿命を向上できる。
また、実施例1では、ニードルベアリング27の内輪28が波動生成プラグ26aの外周面と一体に形成されている。これにより、内輪28が波動生成プラグ26aと別体に形成されている場合と比較して、部品点数の削減および径方向寸法の小型化を実現できる。
さらに、実施形態1の波動歯車減速機15を内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ14における波動歯車減速機に採用したことにより、アクチュエータ14の耐久性を向上できる。これによって、内燃機関の膨張工程におけるピストン1からの大きな逆入力がかかる環境において軸受の摩耗を抑制することができる。
〔実施形態2〕
次に、実施形態2を説明する。実施形態2の基本的な構成は実施形態1と同じであるため、実施形態1と相違する部分のみ説明する。
図10は、実施形態2の波動歯車減速機の分解斜視図である。
可撓性外歯車25は、円筒部25bおよび外フランジ部25fを有する。外フランジ部25fは、円筒部25bの軸方向他端側から径方向外側へ延びる。外フランジ部25fは、第2制御軸11の先端部11aに形成された固定用フランジ(不図示)と締結されている。また、図示は省略するが、ニードルベアリング27の内輪28は、波動生成プラグ26aとは別体に形成されている。ニードルベアリング27は、波動生成プラグ26aの外周に圧入されている。
波動生成プラグ26aの長軸部分の外周面には、図5に示した第1傾斜面28aと同様の第1傾斜面が形成されている。また、波動生成プラグ26aの短軸部分の外周面には、図6に示した第2傾斜面28bと同様の第2傾斜面が形成されている。
実施形態2の波動歯車減速機15の運用時、可撓性外歯車25の円筒部25bでは積極的に変形が生じ、外フランジ部25fでは出力を取り出すために剛性が維持される。よって、波動生成プラグ26aの外周面に形成された第1傾斜面および第2傾斜面により、実施形態1と同様の作用効果が得られる。
また、実施形態2では、ニードルベアリング27の内輪28が波動生成プラグ26aの外周面と別体に形成されている。これにより、市販のニードルベアリングを採用できるため、コスト低減効果が得られる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明を実施するための実施形態を説明したが、本発明の具体的な構成は実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、本発明の波動歯車減速機は、内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータの減速機として特に好適であるが、特開2015-1190号公報や特開2011-231700号公報等に記載された内燃機関のバルブタイミング制御装置や、操舵角に対する転舵角を変更可能な可変舵角機構にも適用可能である。
11 第2制御軸(制御軸)
15 波動歯車減速機
16 電動モータ
24 剛性内歯車
24a 内歯
25 可撓性外歯車
25a 外歯
25c 内フランジ部(フランジ部)
25f 外フランジ部(フランジ部)
26 波動発生器
27 ニードルベアリング(軸受)
28 内輪
28a 第1傾斜面
28b 第2傾斜面
29 外輪
30 転動体

Claims (5)

  1. 複数の内歯を有する剛性内歯車と、
    外周に複数の外歯を有し、その軸方向一端側にフランジ部を有する円筒状の可撓性外歯車と、
    前記可撓性外歯車の内周側に前記可撓性外歯車と相対回転可能に配置された波動発生部材と、
    前記波動発生部材の外周に配置された内輪と、前記可撓性外歯車の内周に配置された外輪と、前記内輪および前記外輪間に配置された円柱状の転動体と、を有する軸受と、
    を備え、
    前記波動発生部材は、その回転軸線の直角断面が楕円状であって、前記回転軸線を中心として最も半径の大きい長軸部分および最も半径の小さい短軸部分を有する楕円状外形を有し、
    前記楕円状外形は、前記回転軸線に沿う方向において、前記長軸部分の外周面として前記可撓性外歯車の前記フランジ部の側の半径が前記フランジ部と反対側の半径に対して小さくなる第1傾斜面を有し、前記短軸部分の外周面として前記可撓性外歯車の前記フランジ部の側の半径が前記フランジ部と反対側の半径に対して大きくなる第2傾斜面を有する波動歯車減速機。
  2. 請求項1に記載の波動歯車減速機であって、
    前記内輪は、前記波動発生部材と一体に形成されている波動歯車減速機。
  3. 請求項1に記載の波動歯車減速機であって、
    前記内輪は、前記波動発生部材と別体に形成されている波動歯車減速機。
  4. 請求項1に記載の波動歯車減速機であって、
    前記第1傾斜面と前記第2傾斜面は、滑らかに連結している波動歯車減速機。
  5. 内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記内燃機関の可変圧縮比機構に連結する制御軸と、
    電動モータと、
    前記電動モータの回転数を減速する波動歯車減速機と、
    を備え、
    前記波動歯車減速機は、複数の内歯を有する剛性内歯車と、外周に複数の外歯を有し、その軸方向一端側にフランジ部を有する円筒状の可撓性外歯車と、前記可撓性外歯車の内周側に前記可撓性外歯車と相対回転可能に配置された波動発生部材と、前記波動発生部材の外周に配置された内輪と、前記可撓性外歯車の内周に配置された外輪と、前記内輪および前記外輪間に配置された円柱状の転動体と、を有する軸受と、を備え、
    前記波動発生部材は、その回転軸線の直角断面が楕円状であって、前記回転軸線を中心として最も半径の大きい長軸部分および最も半径の小さい短軸部分を有する楕円状外形を有し、
    前記楕円状外形は、前記回転軸線に沿う方向において、前記長軸部分の外周面として前記可撓性外歯車の前記フランジ部の側の半径が前記フランジ部と反対側の半径に対して小さくなる第1傾斜面を有し、前記短軸部分の外周面として前記可撓性外歯車の前記フランジ部の側の半径が前記フランジ部と反対側の半径に対して大きくなる第2傾斜面を有する内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータ。
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