JP2024038581A - 内接噛合い型歯車装置 - Google Patents

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Teijiro Yamanaka
章 山本
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Abstract

【課題】高効率化と歯車の低摩耗化を図ることのできる歯車装置を提供する。【解決手段】内歯歯車と、内歯歯車と噛合う外歯歯車と、を備える内接噛合い型歯車装置であって、内歯歯車の軸方向から見て、外歯歯車の外歯歯車中心O1と前記内歯歯車の内歯歯車中心O2とを通る直線を歯車中心線L1としたとき、外歯歯車と内歯歯車のピッチ点Pは、外歯歯車の外歯歯先円C22及び内歯歯車の内歯歯先円C24よりも径方向内側に位置し、外歯歯車と内歯歯車の接触点軌跡Lcの法線L3と歯車中心線との交点Kは、ピッチ点Pと外歯歯車中心O1との間に位置し、接触点軌跡Lcは、外歯歯先円C22と内歯歯先円C24との間にある噛合い領域R1に位置する曲線及び直線の一方又は両方により構成され、ピッチ点Pを中心として歯車中心線L1に対する角度θを0~π/2[rad]とする角度範囲内に位置する。【選択図】図3

Description

本開示は、内接噛合い型歯車装置に関する。
特許文献1は、内歯歯車と、内歯歯車と噛合う外歯歯車とを備える内接噛合い型歯車装置を開示する。
特開2018-155263号公報
一般的な歯車の設計手法では、歯車対(外歯歯車及び内歯歯車)のうちの一方の歯車の歯形曲線を先に決定したうえで、その歯形曲線に基づいて他方の歯車の歯形曲線を設定している。本願発明者は、このような一般的な歯形の設計手法とは異なるアプローチで、歯車装置の高効率化と歯車の低摩耗化を図るためのアイデアを新たに見出した。
本開示の目的の1つは、高効率化と歯車の低摩耗化を図ることのできる内接噛合い型歯車装置を提供することにある。
本開示の歯車装置は、内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、を備える内接噛合い型歯車装置であって、前記内歯歯車の軸方向から見て、前記外歯歯車の外歯歯車中心Oと前記内歯歯車の内歯歯車中心Oとを通る直線を歯車中心線としたとき、前記外歯歯車と前記内歯歯車のピッチ点Pは、前記外歯歯車の外歯歯先円及び前記内歯歯車の内歯歯先円よりも径方向内側に位置し、前記外歯歯車と前記内歯歯車の接触点軌跡の法線と前記歯車中心線との交点Kは、前記ピッチ点Pと前記外歯歯車中心Oとの間に位置し、前記接触点軌跡は、前記外歯歯先円と前記内歯歯先円との間にある噛合い領域に位置する曲線及び直線の一方又は両方により構成され、かつ、前記ピッチ点Pを中心とする前記歯車中心線に対する角度θを0~π/2[rad]とする角度範囲内に位置する。
本開示によれば、歯車装置の高効率化と歯車の低摩耗化を図ることができる。
実施形態の歯車装置の側面断面図である。 実施形態の歯車装置の正面断面図である。 接触点軌跡の説明図である。 かみあい方程式の説明図である。 図5(A)は追い越し噛合いの説明図であり、図5(B)はすれ違い噛合いの説明図である。 追い越し噛合いを実現するための交点Kの位置を示す図である。 外歯歯車と内歯歯車の噛合い部の移動軌跡を示す図である。
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
本実施形態の歯車装置を想到するに至った背景から説明する。前述のように、一般的な歯車の設計手法では、歯車対のうちの一方の歯車の歯形曲線を先に決定したうえで、その歯形曲線に基づいて他方の歯形曲線を設定している。しかしながら、歯車での摩擦損失、摩耗等の歯車特性は、歯形曲線の形状に大きく影響される。よって、このような一般的な設計手法を用いた場合、歯車対の一方の歯形曲線を先に決定してしまっている関係上、これら歯車特性に対する設計自由度が低くなってしまう。
そこで、本願発明者は、歯車対を設計するにあたって、一方の歯車の歯車曲線を先に決定するのではなく、二つの歯車の歯車曲線を定義できる諸条件として、二つの歯車の接触点の軌跡(以下、接触点軌跡という)、ピッチ点Pを先に決定するアプローチを行うこととした。これにより、一方の歯車の歯形曲線を先に決定する一般的な設計手法と比べて、その歯車の歯車曲線の形状にとらわれることなく、高い設計自由度のもと歯車特性を設定できるようになる。また、本願発明者は、このようなアプローチで歯車対の設計を進める過程で、接触点軌跡等の諸条件として、歯車装置の高効率化、歯車の低摩耗化を図るうえで適した条件を新たに見出した。
以下、歯車対(外歯歯車及び内歯歯車)の特徴を説明する前に、その歯車対が用いられる歯車装置の概要から説明する。図1、図2を参照する。歯車装置10は、駆動源から入力回転が入力される入力軸12と、入力軸12の回転を伝達する歯車機構14と、歯車機構14から伝達される出力回転を被駆動装置に出力する出力部材16と、を備える。駆動源の具体例は特に限定されず、例えば、モータ、ギヤモータ、エンジン等である。被駆動部材の具体例は特に限定されず、例えば、コンベア、車輪、工作機械、ロボット(産業用ロボット、サービスロボット等)等の被駆動機械の一部である。この他に、本実施形態の歯車装置10は、歯車機構14を収容するケーシング18と、歯車機構14を構成する外歯歯車22の軸方向側方に配意されるキャリヤ20A、20Bと、を備える。
本実施形態の歯車装置10は、歯車機構14として、外歯歯車22及び内歯歯車24を備える偏心揺動型歯車装置である。この種の歯車装置10は、外歯歯車22及び内歯歯車24の一方(ここでは外歯歯車22)をクランク軸26の偏心体30によって揺動させることで出力部材16に出力回転を伝達可能である。本実施形態では、キャリヤ20Aが出力部材16となる例を説明するが、ケーシング18が出力部材16となってもよい。
本実施形態の入力軸12はクランク軸26である。クランク軸26は、軸体28と、軸体28と一体回転可能な少なくとも一つ(ここでは二つ)の偏心体30とを備える。偏心体30は、クランク軸26の回転中心C26に対して偏心する。軸体28と偏心体30とは別体でもよいし、同じ部材の一部として設けられてもよい。
外歯歯車22は、軸受32を介して入力軸12に相対回転自在に支持される。外歯歯車22は、外歯歯車22の外周部に設けられる複数の外歯22aと、入力軸12が貫通する貫通孔22bとを備える。内歯歯車24は、外歯歯車22を収容するケーシング18と一体化される内歯歯車本体24aと、内歯歯車本体24aの内周部に設けられる複数の内歯24bとを備える。本実施形態の内歯24bは内歯歯車本体24aの内周面に直接に形成されている。
本実施形態のキャリヤ20A、20Bは、外歯歯車22に対して軸方向両側に個別に配置される。キャリヤ20A、20Bは、反入力側に配置される第1キャリヤ20Aと、入力側に配置される第2キャリヤ20Bとを含む。第1キャリヤ20Aは、本実施形態において、入力側に配置される第1キャリヤ部材20aと、反入力側に配置される第2キャリヤ部材20bとを一体化して構成される。キャリヤ20A、20Bは、外歯歯車22を貫通する内ピン34によって、外歯歯車22が揺動したとき、外歯歯車22の自転成分と同期可能である。
外歯歯車22を支持する軸受32は複数の転動体32aを備える。本実施形態の軸受32は専用の外輪を備えておらず、外歯歯車22の貫通孔22bの内周面が外輪を兼ねており、その内周面に外側転動面が設けられる。本実施形態の軸受32は専用の内輪を備えておらず、入力軸12の外周面(ここでは偏心体30の外周面)が内輪を兼ねており、その外周面に内側転動面が設けられる。この他にも、軸受32は、専用の外輪及び内輪を備え、それらに外側転動面及び内側転動面が設けられてもよい。
以上の歯車装置の動作を説明する。入力軸12(ここではクランク軸26)が回転すると、クランク軸26の偏心体30によって外歯歯車22が揺動する。外歯歯車22が揺動すると、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合位置が順次に周方向に変化する。この結果、クランク軸26が一回転する毎に、外歯歯車22と内歯歯車24のいずれか一方(ここでは外歯歯車22)が両者の歯数差分だけ自転する。この自転成分は、出力部材(ここでは内ピン34を介してキャリヤ20A)に伝達されたうえで被駆動部材に出力回転として出力される。
以上のように、実施形態の歯車装置10は、歯車対として、内歯歯車24と、内歯歯車24と噛合う外歯歯車22とを備える内接噛合い型歯車装置である。この歯車対の特徴の詳細に移る。
図3を参照する。以下、内歯歯車24の内歯歯車中心Oを円中心とする半径方向を単に「径方向」という。また、内歯歯車24の軸方向から見て、外歯歯車22の外歯歯車中心Oと内歯歯車24の内歯歯車中心Oとを通る直線を歯車中心線L1とする。また、歯車中心線L1に対して固定された直交座標系を基準座標系という。基準座標系の原点はいずれかの歯車の歯車中心となり、その一つの座標軸(y軸)は歯車中心線L1となる。図3で基準座標系は、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いが進行しても静止したままの静止座標系となる。
外歯歯車22の歯先円を外歯歯先円C22といい、内歯歯車24の歯先円を内歯歯先円C24という。外歯歯先円C22は、外歯歯車22における複数の外歯22aの先端を連ねた円をいい、内歯歯先円C24は、内歯歯車24における複数の内歯24bの先端を連ねた円をいう。本実施形態の外歯歯先円C22、内歯歯先円C24のそれぞれは円形状をなす。
外歯歯先円C22と内歯歯先円C24で囲まれた領域を噛合い領域R1という。噛合い領域R1は、外歯歯先円C22の径方向内側かつ内歯歯先円C24の径方向外側に形成される。外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いは、この噛合い領域R1内において行われる。互いに噛合う外歯歯車22の歯形曲線と内歯歯車24の歯形曲線との接触位置を接触点Cという。接触点Cは、基準座標系において、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いの進行とともに方向D1(ここでは時計回り)に移動する。基準座標系において噛合いの進行とともに移動する接触点Cの描く軌跡を接触点軌跡Lcという。噛合い領域R1において接触点軌跡Lcのある範囲が実際の噛合い範囲となる。
外歯歯車22と内歯歯車24のピッチ点Pは、この接触点Cにおける二つの歯形曲線の共通法線L2と歯車中心線L1との交点となる。ピッチ点Pは、互いに噛み合う外歯歯車22の外歯と内歯歯車24の内歯との相対運動の瞬間中心となる。偏心揺動型歯車装置、単純遊星歯車装置の場合、ピッチ点Pは、基準座標系において、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いが進行する過程で移動しない定点となる。
接触点Cにおける接触点軌跡Lcの法線L3(以下、軌跡法線L3という)と歯車中心線L1との交点を交点Kとし、交点Kからピッチ点Pまでの長さをkとする。軌跡法線L3は、接触点Cにおける接触点軌跡Lcの接線に垂直な直線となる。kの符号は、図3に示すように、ピッチ点Pよりも内歯歯車中心Oとは反対側に交点Kがあるときに正になり、ピッチ点Pより内歯歯車中心O側に交点Kがあるときに負になるとする。
基準座標系において、ピッチ点Pを中心とする歯車中心線L1に対する角度を角度θとする。角度θは、歯車中心線L1から接触点Cが移動方向D1に離れる側を正とする。
このとき、本実施形態の歯車装置10は、次に説明する三つの条件を外歯歯車22及び内歯歯車24が満たすことを条件としている。第一の条件は、各歯先円C22、C24よりも径方向内側にピッチ点Pが位置することである。第二の条件は、ピッチ点Pと外歯歯車中心Oとの間に交点Kが位置することである。この第二の条件は、噛合い領域R1において接触点軌跡Lcを接触点Cが移動する過程の全範囲で満たす必要がある。第三の条件は、噛合い領域R1において、角度θが0~π/2[rad]となる角度範囲内に接触点軌跡Lcがあることである。第三の条件は、噛合い領域R1において、角度θが0~π/2となる角度範囲外(θが0未満、かつ、π/2超となる角度範囲)に接触点軌跡Lcがはみ出ないことであるともいえる。図3では、角度θが0となる位置Cから角度θがπ/2となる位置Cまでの角度範囲(つまり、角度θが0~π/2となる全角度範囲)に接触点軌跡Lcがある例を示す。以下、これらの条件を設定した理由を説明する。
図4を参照する。以下、各記号の添字1は外歯歯車22に関する内容であり、添字2は内歯歯車24に関する内容であることを意味する。外歯歯車22、内歯歯車24それぞれの歯車中心O(i=1,2)を極とする接線座標を用いた接触点軌跡Lc上にある接触点Cの表現を検討する。この接線座標は、歯車中心Oから接触点Cまでの半直線OCの長さである動径ρと、半直線OCに対する接触点Cにおける歯形曲線の接線(二つの歯形曲線の共通接線L4でもある)の角度である接線角σとからなる。つまり、接触点Cは、外歯歯車22の歯車中心Oを極とする接線座標を用いた場合、(ρ,σ)で定義でき、内歯歯車24の歯車中心Oを極とする接線座標を用いた場合、(ρ,σ)で定義できる。
次に、ピッチ点Pを極とする極座標を用いた接触点軌跡Lc上にある接触点Cの表現を検討する。この極座標は、ピッチ点Pから接触点Cまでの半直線PCの長さである動径rと、歯車中心線L1に対する半直線PCの角度である偏角θとからなる。つまり、接触点Cは、ピッチ点Pを極とする極座標を用いた場合、(r,θ)で定義できる。この半直線PCは、接触点Cにおける二つの歯形曲線の共通法線L2でもある。角度θは、前述の第三の条件で用いられるものそのものとなる。角度θは、ピッチ点Pを中心とする歯車中心線L1に対する接触点Cにおける二つの歯形曲線の共通法線L2のなす角度であるともいえる。
内接噛合いの歯車対に関するかみあい方程式は、次の式(1)で記述できることが知られる。これは、歯車対の歯形曲線を左辺の接線座標(ρ,σ)で表現し、接触点軌跡Lcを右辺の極座標(θ)で表したものである。Rは、各歯車22、24のピッチ円半径である。
Figure 2024038581000002
接触点Cにおける歯車対の歯形曲線上にある微小線素同士の相対曲率半径ρrcを検討する。外歯歯車22の歯形曲線上にある微小線素の曲率半径ρc1は、次の式(2)で表すことができる。
Figure 2024038581000003
ここで、式(2)の長さkは、以下の式(3)で表すことができる。式(3)のdr、d(r・cosθ)は、歯形曲線上の点Cから点C’に微小線素分だけ変位したときのr、(r・cosθ)の微小変化量である。
Figure 2024038581000004
これと同様に、内歯歯車24の歯形曲線上にある微小線素の曲率半径ρc2は、以下の式(4)で表すことができる。
Figure 2024038581000005
相対曲率半径ρrcは、式(2)、(4)より、次の式(5)で求めることができる。
Figure 2024038581000006
この相対曲率半径ρrcが大きくなるほど、外歯歯車22と内歯歯車24の接触点Cにおける接触応力を低減できると共に潤滑油膜厚さを増大できることが知られる。これは歯車対の負荷容量を低下させることなく油膜厚さを大きくすることができるために、同じ負荷容量をもつ歯車対において摩擦損失の低減による高効率化と低摩耗化に寄与する。なお、外歯歯車22の曲率半径ρc1は、外歯歯車22の歯形曲線が凸曲面となる場合に正、凹曲面となる場合に負となる。また、内歯歯車24の曲率半径ρc2は、内歯歯車24の歯形曲面が凹曲面となる場合に正、凸曲面となる場合に負となる。
次に、相対曲率半径ρrcを用いて第一種干渉を検討する。第一種干渉とは、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いの進行とともに外歯歯車22及び内歯歯車24の実質側(実体部分)が重なり合うことをいう。この第一種干渉は、後述する凹凸噛合いの場合、噛合いの進行とともに、一方の歯形曲線の曲率半径が他方の歯形曲線の曲率半径に近づき、その後、それぞれの曲率半径の大きさが逆転する場合に発生することが知られる。式(5)の相対曲率半径ρrcとの関係でいえば、噛合いの進行とともに、相対曲率半径ρrcの符号が変化する場合に第一種干渉が発生することになる。式(5)から、第一種干渉を発生させないためには、θの変化に対して、「(k+R)・(k+R)」と「cosθ」とが常に同符号又は異符号であることが必要となる。
ここで、本実施形態では、ピッチ点Pと外歯歯車中心Oとの間に交点Kが位置することを条件としている(第二の条件)。これは、式(5)の(k+R)・(k+R)が常に正になることを意味している。また、本実施形態では、角度θを0~π/2とする角度範囲内に接触点軌跡Lcがあることを条件としている(第三の条件)。これは、式(5)のcosθが常に正になることを意味している。よって、本実施形態によれば、第一種干渉を発生させることなく外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いを実現できる。
次に、外歯歯車22と内歯歯車24の接触点Cにおける滑り率Σを検討する。接触点Cにおいて外歯歯車22と内歯歯車24の歯形曲線上にある微小線素をds、dsとしたとき、微小線素ds、dsは、次の式(6)、式(7)で表せることが知られる。
Figure 2024038581000007
Figure 2024038581000008
外歯歯車22の滑り率Σは、次の式(8)で表すことができる。
Figure 2024038581000009
式(8)から、式(1)、式(3)、式(6)、式(7)を用いて、次の式(9)を導き出すことができる。この式(9)より、外歯歯車22の滑り率Σを求めることができる。
Figure 2024038581000010
これと同様に、内歯歯車24の滑り率Σは、次の式(10)で表すことができる。
Figure 2024038581000011
図5を参照する。二つの歯車の噛合い形態として、追い越し噛合いとすれ違い噛合いの二つが知られている。追い越し噛合いは、二つの歯車の接触点Cにおける各歯車22、24の移動方向D22、D24が同じ方向の噛合いをいい、すれ違い噛合いは、その移動方向D22、D24が逆向きの噛合いをいう。追い越し噛合いとすれ違い噛合いは、外歯歯車22の滑り率Σと内歯歯車24の滑り率Σとの積を用いて、以下のように表せることが知られる。
Σ×Σ<0 : 追い越し噛合い
Σ×Σ>0 : すれ違い噛合い
この追い越し噛合いの条件を満たす交点Kの位置は、式(9)、(10)より、(A1)k>0、(A2)k<0かつk<R 、(A3)k<0かつR <kのいずれかであることが分かる。交点Kの位置が、これらの条件のうちのいずれも満たさない場合、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合い形態はすれ違い噛合いとなる。この条件を満たす交点Kの位置は、図6に示す通りである。なお、内接噛合い型の歯車対の場合、外歯歯車22と内歯歯車24のピッチ円半径の関係はR<Rである。
二つの歯車の接触点Cにおいて油膜を形成して低摩耗化を図るうえでは、すれ違い噛合いよりも追い越し噛合いが有利であることが知られる。本実施形態では、ピッチ点Pと外歯歯車中心Oとの間に交点Kが位置することを条件としている(第二の条件)。これは、追い越し噛合いの条件との関係でいえば、(A2)の条件を満たしていることを意味する。これにより、追い越し噛合いの実現により低摩耗化を図ることができる。
第一の条件のように各歯先円C22、C24よりも内側にピッチ点Pがある場合、幾何学的には、交点Kの位置がk>0となる場合よりも、交点Kの位置がk<0となる方が、噛合い領域R1における接触点軌跡を長くし易くなる。言い換えると、交点Kの位置がk<0となる(A2)の条件を採用することで、交点Kの位置がk>0となる(A1)の条件と比べて、噛合い領域R1における接触点軌跡を長くし易くなる。これは、噛合い領域R1において同時に噛合い可能な噛合い歯数を増大できることを意味し、一歯に負荷される荷重の低減、すなわち低摩耗化に寄与する。また、(A2)の条件を採用することで、(A3)の条件と比べて、k値を低減することができる。これは、式(5)から把握できるように、相対曲率半径ρrcを大きくできることを意味し、接触応力の低減と潤滑油膜厚さの増大に寄与する。特に潤滑油膜厚さの増大は高効率化と低摩耗化に寄与する。
次に、外歯歯車22と内歯歯車24の凹凸噛合いの実現のための条件を検討する。外歯歯車22と内歯歯車24は凹凸噛合いを行う場合、凸凸噛合いよりも相対曲率半径を大きくすることで、接触応力を低減できることが知られる。ここでの凹凸噛合いとは、凸曲面と凹曲面の噛合いをいい、凸凸噛合いは、凸曲面と凸曲面の噛合いをいう。凹凸噛合いを実現するためには、接触点Cにおける二つの歯形曲線の曲率半径が同符号であることが必要となる。ここでの同符号とは、二つの歯形曲線両方の曲率半径が正の場合(外歯歯車22が凸曲面、内歯歯車24が凹曲面の場合)と、負の場合(外歯歯車22が凹曲面、内歯歯車24が凸曲面の場合)との二種類がある。
この凹凸噛合いを実現するための条件は、式(2)、式(4)を用いて特定することができる。二つの歯形曲線両方の曲率半径が正の場合とは、式(2)の左辺ρc1、かつ、式(4)の左辺ρc2が正になる場合を意味する。本実施形態では第二の条件(PO間に交点Kが位置すること)を満たすことから、式(2)の右辺の分子にある「k+R」、式(4)の右辺の分子にある「k+R」のいずれも正となる。式(2)の左辺ρc1が正になり、右辺の分子の「k+R」が正になる場合、右辺の分母は正である必要がある。同様に、式(4)の左辺ρc2が正になり、右辺の分子の「k+R」が正になる場合、右辺の分母は正である必要がある。つまり、二つの歯形曲線両方の曲率半径が正の場合、これら式(2)、(4)の両方の右辺の分母が正であるときに、凹凸噛合いを実現できることを意味する。二つの歯形曲線両方の曲率半径が負の場合も同様である。二つの歯形曲線両方の曲率半径が負の場合とは、式(2)の左辺ρc1、式(4)の左辺ρc2が負になる場合を意味する。よって、前述と同様の考え方から、二つの歯形曲線両方の曲率半径が負の場合、式(2)、(4)の両方の右辺の分母が負であるときに、凹凸噛合いを実現できることを意味する。
ここで、本実施形態では、ピッチ点Pと外歯歯車中心Oとの間に交点Kが位置することを条件とする(第二の条件)。これは、k+R>0、k+R>0の条件を満たしていることを意味する。また、これは、図3に示すように、kが常に負になることを意味する。
二つの歯形曲線両方の曲率半径が正の場合、角度θがπ/2~πとなると式(2)、(4)の右辺の分母は、交点Kの位置によって負の符号をとることになり、凹凸噛合いを実現することができなくなり得る。また、二つの歯形曲線両方の曲率半径が負の場合、角度θが0~π/2の場合、式(2)(4)の右辺の分母は正の符号となるため、凹凸噛合いを実現することができない。また、二つの歯形曲線両方の曲率半径が負の場合、角度θがπ/2~πの場合、式(2)(4)の右辺の分母は、交点Kの位置によって正の符号をとることになり、凹凸噛合いを実現することができなくなり得る。
これに対して、二つの歯形曲線両方の曲率半径が正の場合、角度θが0~π/2の範囲であれば(つまり、第三の条件を満たす場合)、kの大きさによらず、式(2)(4)の分母の符号は正となる。つまり、この場合、第二の条件を満たす交点Kの位置であれば、その交点Kの位置によらず、凹凸噛合いを実現することができる。
以上をまとめる。第二の条件(交点KがPO間に位置すること)と第三の条件(θが0~π/2となる角度範囲内に接触点軌跡Lcがあること)を満たすことで、第一種干渉を発生させることなく、外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いを実現できる。また、第二の条件を満たすことで、追い越し噛合いの実現により歯車の低摩耗化を図ることができる。このとき、第一の条件(各歯先円C22、C24の内側にピッチ点Pがあること)も満たすことで、接触点軌跡を長くすることで、接触応力の低減と低摩耗化を図ることができる。また、第二の条件、第三の条件を満たすことで、交点Kの位置によらず、凹凸噛合いの実現により歯車の低摩耗化と高効率化を図ることできる。以上の特徴により、歯車の低摩耗化と併せて、歯車での摩擦損失を軽減でき、歯車装置10の高効率化を図ることができる。
第二の条件を満たさない場合を検討する。例えば、交点Kがピッチ点Pよりも内歯歯車中心Oとは反対側にある場合、前述のように、噛合い領域R1における接触点軌跡Lcが短くなってしまい、接触応力や磨耗の増大を招く。また、交点Kが外歯歯車中心Oと内歯歯車中心Oとの間にある場合、すれ違い噛合いとなることで歯車の低摩耗化を実現できなくなる。また、交点Kが内歯歯車中心Oよりもピッチ点Pとは反対側にある場合、k値の増大により相対曲率半径の減少や滑り率の増大を招き、接触応力や磨耗、そして摩擦損失の増大となる。
第三の条件を満たさない場合を検討する。角度θが0未満の角度範囲、又は、角度θがπ/2超の角度範囲に接触点軌跡Lcがはみ出てしまうと、式(5)から、θの変化に対してcosθの符号が変化してしまい、第一種干渉が発生、もしくはすれ違いかみ合いが生じてしまう。
以上の接触点軌跡Lcは、噛合い領域R1に位置する曲線及び直線の一方又は両方により構成される。接触点軌跡Lcは、曲線及び直線の一方のみによって構成されてもよいし、曲線と直線を組み合わせて構成されてもよいということである。接触点軌跡Lcが曲線と直線を組み合わせて構成される場合、接触点軌跡Lcを構成する曲線及び直線の少なくとも一方の個数は複数でもよい。接触点軌跡Lcが曲線を含む場合、曲率の異なる複数の曲線を含んでいてもよい。ここでの「曲線」、「直線」とは幾何学的に厳密な曲線及び直線に限定するものではなく、略曲線及び略直線を含んでもよい。接触点軌跡Lcは、本実施形態のように、内歯歯先円C24の内側に曲率中心のある曲線により構成されることが好ましい。これにより、接触点軌跡Lcが直線となる場合や、接触点軌跡Lcが外歯歯先円C22の外側に曲率中心のある曲線により構成される場合と比べ、噛合い領域R1における噛合い範囲を長くすることができる。これは、前述と同様、噛合い歯数を増大できることを意味し、接触応力や磨耗の低減に寄与する。特に、インボリュート歯形を用いた内接噛合いの外歯歯車22と内歯歯車24を用いた場合、接触点軌跡が直線になるため、インボリュート歯形と比べて噛合い歯数を大きくできる点で有利である。
図7を参照する。図7は、基準座標系における外歯歯車22と内歯歯車24の噛合い部での動作時の移動軌跡を示す図である。外歯歯車22と内歯歯車24の噛合い部において、外歯歯車22の歯面(歯形曲線)は凸曲面となり、内歯歯車24の歯面(歯形曲線)は凹曲面となる。これにより、前述のような凹凸噛合いを実現でき、歯車の低摩耗化を図ることができる。
外歯歯車中心Oの定義を説明する。内歯歯車24の軸方向に直交する断面において、外歯歯車22の内側に軸受がなく、外歯歯車22と一体的に回転する回転軸がある場合、その回転軸の回転中心を外歯歯車中心Oとする。これは、例えば、単純遊星歯車機構の遊星歯車が外歯歯車22となる場合を想定している。また、内歯歯車24の軸方向に直交する断面において、外歯歯車22の内側に単数の軸受32のみがある場合、その軸受32の外形の曲率中心を外歯歯車中心Oとする。これは、例えば、歯車装置10が本実施形態のようなセンタークランクタイプの偏心揺動型歯車装置となる場合の他、撓み噛合い型歯車装置等となる場合を想定している。また、内歯歯車24の軸方向に直交する断面において、外歯歯車22の内側に複数の軸受がある場合、複数の軸受それぞれの外形の曲率中心を通る円の中心を外歯歯車中心Oとする。これは、例えば、歯車装置10が、振り分けタイプの偏心揺動型歯車装置を想定している。
ここでの「軸受の外形の曲率中心」とは、軸受の内側転動面のなす外形の曲率中心をいう。この軸受の内側転動面は、転動体に対して径方向外側にある転動体が転動する面となる。この内側転動面は、軸受に専用の外輪がある場合、その専用の外輪の内周面に設けられる。また、内側転動面は、軸受に専用の外輪がなく外歯歯車の内周面が外輪を兼ねている場合、外歯歯車の内周面に設けられる。
撓み噛合い型歯車装置の場合の取り扱いを説明する。この撓み噛合い型歯車装置は、起振体と、起振体により楕円形状に撓み変形する撓み歯車(フレックススプライン)とを備える。ここでは撓み歯車が外歯歯車22である場合を説明する。撓み噛合い型歯車装置の場合、外歯歯車22の外歯歯車中心O1は、外歯歯車22と内歯歯車24とが噛み合っている瞬間における、その噛み合っている外歯歯車22の一つの外歯と起振体との相対運動の瞬間中心であることが知られる。また、この場合、外歯歯車中心O1は、着目する外歯毎(内歯歯車24と噛み合っている外歯毎)に異なるものが存在することが知られる。この外歯歯車中心O1は、内歯歯車24と噛み合っている外歯の歯山中心線と軸受の内側転動面のなす曲線との交点におけるこの曲線の曲率中心と合致する。この外歯歯車中心O1は、内歯歯車中心O2と重ならないことを前提に、外歯歯車22のなす楕円形状の長軸から短軸までの90°の角度範囲に存在する。
撓み噛合い型歯車装置の場合、外歯歯車中心O1と同様、外歯歯車中心O1と内歯歯車中心O2を通る歯車中心線L1により定まる基準座標系も、着目する外歯毎に異なるものが存在することが知られる。この場合、外歯歯車中心O1と同様、ピッチ点P、交点Kも着目する外歯毎に異なるものが存在することが知られる。この場合、着目する外歯と内歯の接触点Cにおける歯形曲線の共通法線L2と、その外歯に対応する歯車中心線L1との交点が、その外歯に対応するピッチ点Pとなる。また、この場合、着目する外歯と内歯の接触点Cにおける軌跡法線L3と、その外歯に対応する歯車中心線L1との交点が、その外歯に対応する交点Kとなる。この場合、共通する外歯に対応する外歯歯車中心O1及びピッチ点Pは、噛合いが進行する過程で内歯歯車中心O2に対して僅かに移動するものの、その外歯に対応する歯車中心線L1上に存在する。内歯歯車中心O2は着目する外歯によらず内歯歯車24に固定された定点となる。
このように、撓み噛合い型歯車装置の場合、外歯毎に対応する基準座標系が異なっている。よって、この場合、ある外歯と内歯の接触点Cから導き出されるピッチ点P、交点Kに関する前述の第1の条件~第3の条件は、その外歯に対応する基準座標系との関係で満たされていればよい。
撓み噛合い型歯車装置に用いられる起振体の軸方向に直交する断面形状は楕円形状をなす。この楕円形状は、幾何学的に厳密な楕円形状に限定されず、略楕円形状も含まれる。例えば、起振体の断面形状には、略楕円形状をなすうえで、その断面形状の長軸を通り外歯歯車22と内歯歯車24の噛合いをさせる箇所の全域に単数の曲率半径r1の円弧形状をなす円弧形状部を設けていてもよい。ここでの長軸とは、軸方向に直交する断面において、起振体の回転中心から起振体の周面までの距離が最も長くなる位置に沿った直線をいう。この場合、内歯歯車24と噛み合っている外歯歯車22の一つの外歯(起振体の円弧形状部により噛み合う外歯)と起振体の円弧形状部との相対運動の瞬間中心(外歯歯車中心O)は、その外歯に対応する基準座標系において定点となる。
また、撓み噛合い型歯車装置等の場合、外歯歯車22の歯すじが軸方向に向かって径方向にずれるように軸方向に対して傾斜しているケースがある。このケースでは、外歯歯車と内歯歯車とが噛み合っている任意の軸方向位置を通る軸方向に直交する断面において、前述の第1の条件~第3の条件が満たされていればよい。
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
歯車装置の種類は特に限定されない。歯車装置10は、例えば、偏心揺動型歯車装置の他にも、単純遊星歯車装置、撓み噛合い型歯車装置でもよい。偏心揺動型歯車装置の場合、その具体的な種類は特に限定されない。この種類は、本実施形態のように、内歯歯車24の中心上にクランク軸26が配置されるセンタークランクタイプの他に、内歯歯車24の軸心から径方向にオフセットした位置に複数のクランク軸が配置される振り分けタイプでもよい。また、偏心揺動型歯車装置の場合、外歯歯車が揺動する場合の他、内歯歯車が揺動してもよい。撓み噛合い型歯車装置の場合、その具体的な種類は特に限定されない。撓み噛合い型歯車装置の種類は、例えば、二つの内歯歯車を備える筒型の他、一つの内歯歯車を備えるカップ型、シルクハット型でもよい。また、歯車装置は、減速装置、増速装置、動力伝達装置(動力分配装置)のいずれとして機能してもよい。
歯車装置10が撓み噛合い型歯車装置となる場合、外歯歯車22及び内歯歯車24の一方は噛合いの進行に伴い撓み変形する前述の撓み歯車となり、他方が撓み変形しない剛性を持つ剛性歯車となる。この場合、撓み歯車となる歯車の歯先円(外歯歯先円C22及び内歯歯先円C24の一方)は楕円形状をなしていてもよい。
接触点軌跡Lcの具体例は特に限定されない。また、接触点軌跡Lcは、外歯歯先円C22の外側に曲率中心のある曲線により構成されてもよい。
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。実施形態及び変形形態において言及している構造/数値には、製造誤差等を考慮すると同一とみなすことができるものも当然に含まれる。
L1…歯車中心線、O…外歯歯車中心、O…内歯歯車中心、10…歯車装置、22…外歯歯車、C22…外歯歯先円、24…内歯歯車、C24…内歯歯先円、30…偏心体。

Claims (2)

  1. 内歯歯車と、前記内歯歯車と噛合う外歯歯車と、を備える内接噛合い型歯車装置であって、
    前記内歯歯車の軸方向から見て、前記外歯歯車の外歯歯車中心Oと前記内歯歯車の内歯歯車中心Oとを通る直線を歯車中心線としたとき、
    前記外歯歯車と前記内歯歯車のピッチ点Pは、前記外歯歯車の外歯歯先円及び前記内歯歯車の内歯歯先円よりも径方向内側に位置し、
    前記外歯歯車と前記内歯歯車の接触点軌跡の法線と前記歯車中心線との交点Kは、前記ピッチ点Pと前記外歯歯車中心Oとの間に位置し、
    前記接触点軌跡は、前記外歯歯先円と前記内歯歯先円との間にある噛合い領域に位置する曲線及び直線の一方又は両方により構成され、かつ、前記ピッチ点Pを中心とする前記歯車中心線に対する角度θを0~π/2[rad]とする角度範囲内に位置する内接噛合い型歯車装置。
  2. 前記外歯歯車を揺動させる偏心体を有する偏心揺動型歯車装置である請求項1に記載の内接噛合い型歯車装置。
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