JP2019056270A - 枠材固定具、バルコニーおよび建物 - Google Patents
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Abstract
【課題】高さ調節可能としつつ締結部材の締め付けの緩みを抑制できる枠材固定具を提供する。【解決手段】断面形状が波形状の折板屋根11の複数の長尺な頂部24に固定される固定部40と、バルコニー12の床部13の外縁を形成する枠材(17)に設けられた締結部材21を支持する支持部30と、を備える枠材固定具10である。支持部30は、水平方向に締結部材21を挿入可能な複数の水平溝35を有し、複数の水平溝35は、鉛直方向の位置が互いに異なるものとされている。【選択図】図1
Description
本開示は、折板屋根にバルコニーの床部の外縁を形成する枠材を固定する枠材固定具、その枠材固定具を用いて設けたバルコニー、その枠材固定具を用いてバルコニーが取り付けられた建物に関する。
従来、折板屋根にバルコニーの床部の外縁を形成する枠材を固定金具により固定することが考えられている(特許文献1参照)。その固定金具は、L字形状の型鋼で形成されて枠材に取り付けられる取付け部材と、その下方に設けられて折板屋根の頂部に嵌合される嵌合部材と、を有し、枠材を折板屋根に固定することができる。また、固定金具では、取付け部材に設けるボルト孔を縦長の長孔とすることで、枠材の取り付け高さの調整を可能としている。
しかしながら、固定金具は、取付け部材の縦長の長孔としたボルト孔に通したボルトを締め付けることで、調整した高さで枠材を固定することとなる。このため、固定金具は、ボルトの締め付けによる圧力に応じた摩擦力で枠材の荷重を支える。すると、固定金具では、枠材の荷重を支え続けることや、歩行等に起因する衝撃が枠材に生じることにより、ボルトの締め付けが緩む虞がある。
本開示は、上記の事情に鑑みて為されたもので、高さ調節可能としつつ締結部材の締め付けの緩みを抑制できる枠材固定具を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本開示の枠材固定具は、断面形状が波形状の折板屋根の複数の長尺な頂部に固定される固定部と、バルコニーの床部の外縁を形成する枠材に設けられた締結部材を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、水平方向に前記締結部材を挿入可能な複数の水平溝を有し、複数の前記水平溝は、鉛直方向の位置が互いに異なるものとされていることを特徴とする。
ここで、前記固定部は、複数の前記頂部に跨って固定されている構成とすることができる。また、前記支持部は、複数の前記水平溝を連結する鉛直溝を有する構成とすることができる。
複数の前記水平溝は、鉛直方向の位置を変化させながら前記鉛直溝に対して左右交互に位置されている構成とすることができる。複数の前記水平溝は、前記締結部材を水平方向に移動可能に受け入れる構成としてもよい。上記した枠材固定具を用いて設けられているバルコニーとすることができる。上記した枠材固定具を用いて前記バルコニーが取り付けられている建物とすることができる。
このように構成された本開示の枠材固定具は、高さ調節可能としつつボルトの締め付けの緩みを抑制できる。
ここで、前記固定部は、複数の前記頂部に跨って固定されている構成であれば、支持部で受けた荷重を複数の頂部に分散することができ、より適切に枠材を支持することができる。また、前記支持部は、複数の前記水平溝を連結する鉛直溝を有する構成であれば、締結部材を鉛直溝から挿入することでいずれかの水平溝へと挿入することができ、各水平溝に導くことを容易なものとすることができ、枠材の高さ位置の調整を容易なものにできる。複数の前記水平溝は、鉛直方向の位置を変化させながら前記鉛直溝に対して左右交互に位置されている構成であれば、各水平溝による締結部材すなわち枠材の支持強度を確保しつつ、水平溝の本数すなわち調節可能な高さ位置の数を増やすことができ、より適切に枠材の高さ位置を調整することができる。
複数の前記水平溝は、前記締結部材を水平方向に移動可能に受け入れる構成であれば、締結部材を支持する位置の自由度を向上させることができ、より適切に枠材を支持することができる。上記した枠材固定具を用いて設けられていることを特徴とするバルコニーであれば、簡易にかつ適切に折板屋根に設けられる。上記した枠材固定具を用いて前記バルコニーが取り付けられている建物であれば、簡易にかつ適切にバルコニーが折板屋根に設けられる。
以下に、本開示に係る枠材固定具の一例としての実施例1の枠材固定具10、その枠材固定具10を用いて設けたバルコニー12、およびその枠材固定具10を用いてバルコニー12が取り付けられた建物1について図面を参照しつつ説明する。
本開示に係る枠材固定具の一実施形態に係る実施例1の枠材固定具10を、図1から図5を用いて説明する。枠材固定具10は、建物1に設けられた折板屋根11にバルコニー12を取り付けるために用いるものである。
バルコニー12は、折板屋根11の上方で水平に拡がる床部13(デッキ)と、床部13の側縁に沿って設けられた手摺部材14と、を有する。床部13では、折板屋根11の後述する各頂部24を跨る水平材としての床フレーム15が、床板材16を支持している。床フレーム15は、床部13の外縁を形成する枠材としての縁フレーム17(図1では両端の対向する2つの縁フレーム17のみ図示)と、対向する2つの縁フレーム17と並列された複数の根太18(図1では2つ)と、を有する。図1では、各根太18は、支持材18aにより適宜高さ調節されて各頂部24に支持されている。
各縁フレーム17は、長尺方向に直交する断面形状が略矩形状とされた鋼製の長尺筒部材であり、外側面17aに支持溝19が設けられている。支持溝19は、縁フレーム17の長尺方向に沿って伸びており、締結部材21を支持することが可能とされている。締結部材21は、支持溝19に頭部22aを嵌め入れ可能とされたボルト22と、ボルト22に嵌められるナット23と、を有する。ボルト22は、支持溝19における任意の位置に頭部22aを嵌め入れることが可能とされており、頭部22aを嵌め入れることで回転が防止された状態で支持溝19に支持される。これにより、締結部材21は、縁フレーム17に設けられる。
折板屋根11は、所定のピッチで複数の頂部24が並列されて設けられた平板状の屋根である(図5等参照)。折板屋根11は、例えば、ポリ塩化ビニル被覆鋼板が、断面が波形状となるように折り曲げられて形成され、その折り曲げられた山形が頂部24になる。折板屋根11の下側には、それを支持する屋根フレームや天井が設けられている。頂部24では、実施例1では、上端近傍と比較してその下方の幅寸法(頂部24が伸びる方向と直交する幅方向の寸法)が部分的に小さくされた括れ25が設けられている。
実施例1の枠材固定具10は、床フレーム15の枠材としての縁フレーム17を折板屋根11の頂部24に固定することで、折板屋根11にバルコニー12を取り付ける。枠材固定具10は、図2、図3に示すように、締結部材21を支持する支持部30と、その支持部30を折板屋根11に固定する固定部40と、を備える。
支持部30は、板状の金属材料がL字形状に折り曲げられて構成されて締結部材21を支持する支持箇所31と、支持箇所31の下端から直交する方向に伸びる固定箇所32と、を有する。支持箇所31は、鉛直面に沿う板状を呈し、中央に支持溝部33が形成されている。支持溝部33は、支持箇所31を貫通して形成され、締結部材21のボルト22において頭部22aから伸びる軸部22bの挿入を許しつつ頭部22aの挿入を阻む幅寸法とされている。支持溝部33は、上端縁から鉛直方向の下方に伸びる鉛直溝34と、鉛直溝34から左右に伸びる複数の水平溝35と、を有する。
鉛直溝34は、支持箇所31の長尺方向の中心で鉛直方向に伸びて形成されており、挿入されたボルト22の軸部22bを鉛直方向に案内することができる。鉛直溝34は、実施例1では、支持箇所31の鉛直方向の寸法の約3分の2(2/3)の長さ寸法とされている。
各水平溝35は、鉛直溝34と連続しつつ鉛直溝34と直交する水平方向に伸びて形成されており、ボルト22の軸部22bを水平方向に移動可能に受け入れることができる。各水平溝35は、鉛直方向の位置(以下では高さ位置ともいう)が互いに異なるものとされている。各水平溝35は、互いに異なる高さ位置で、挿入されたボルト22の軸部22bを水平方向に案内することができる。水平溝35は、実施例1では、5つ設けられており、個別に述べる際には上から順に第n水平溝35n(nは1から5の自然数)ともいう。第1水平溝351は、鉛直溝34の上端近傍から右側へと伸びて形成され、第2水平溝352は、第1水平溝351よりも鉛直方向下方(以下では低い位置ともいう)で鉛直溝34から左側へと伸びて形成されている。また、第3水平溝353は、第2水平溝352よりも低い位置で鉛直溝34から右側へと伸びて形成され、第4水平溝354は、第3水平溝353よりも低い位置で鉛直溝34から左側へと伸びて形成され、第5水平溝355は、第4水平溝354よりも低い位置で鉛直溝34から右側へと伸びて形成されている。
このように、各水平溝35は、鉛直方向の位置を変化させながら鉛直溝34に対して左右交互に位置されている。各水平溝35は、設けられた位置の鉛直方向の間隔が一定とされている。実施例1の支持溝部33では、各水平溝35の鉛直方向の寸法と、右側で並列された3つの水平溝(351、353、355)の間の鉛直方向の寸法と、左側で並列された2つの水平溝(352、354)の間の鉛直方向の寸法と、が等しくされている。なお、各水平溝35の高さ位置および間隔は、支持箇所31の強度とボルト22を介して設定される床部13に求められる高さ調整の程度とを勘案して適宜設定すればよい。支持溝部33では、ボルト22の軸部22bを各水平溝35のいずれかで受け入れることで、その軸部22bの高さ位置を段階的に変化させることができる。
固定箇所32は、支持部30において固定部40が設けられる箇所であり、水平面に沿う板状を呈し、両側に鉛直方向下方に伸びる連結片36を有する。各連結片36には、後述する締結部44のボルト55を通すボルト穴37(図2参照)が設けられている。ボルト穴37は、実施例1では、前後方向(図2を正面視して紙面に直交する方向)で対を為して設けられている(図3参照)。各連結片36には、固定部40を構成する把持箇所41が設けられている。両把持箇所41は、左右で対称な位置関係とされていることを除くと同様の構成であるので、以下では右側の把持箇所41を用いて説明する。
把持箇所41は、折板屋根11の頂部24を内側から押さえる内側金具42と、折板屋根11の頂部24を外側から押さえる外側金具43と、内側金具42および外側金具43を連結片36に取り付ける締結部44と、を備える。内側金具42は、図2に示すように、板状の金属材料が折り曲げられて形成され、頂部24の内側に宛がわれる内側片45と、頂部24の上面に載せられる上面片46と、連結片36の内側に隣接される連結片47と、を有する。内側片45は、括れ25に嵌るように頂部24の内側面の形状に倣って屈曲されている。上面片46は、内側片45の上端から水平方向外側に伸びる平板とされており、下面に緩衝部材48が設けられている。緩衝部材48は、折板屋根11の頂部24に傷がつくのを抑制するために設けられ、実施例1ではシート状のテープ材が用いられて下面に貼り付けられている。連結片47は、上面片46の外端から鉛直方向下方に伸びる平板とされ、締結部44の後述するボルト55を通すボルト穴49が設けられている。ボルト穴49は、実施例1では、前後方向で対を為して設けられている(図3参照)。
外側金具43は、板状の金属材料が折り曲げられて形成され、頂部24の外側に宛がわれる外側片51と、連結片36の外側に隣接される連結片52と、外側片51の下端と連結片52の下端とを繋ぐ接続片53と、を有する。外側片51は、括れ25に嵌るように頂部24の外側面の形状に倣って屈曲されている。連結片52は、接続片53の外端から鉛直方向上方に伸びる平板とされ、締結部44の後述するボルト55を通すボルト穴54が設けられている。ボルト穴54は、実施例1では、前後方向で対を為して設けられている(図3参照)。
締結部44は、外側金具43の連結片52と連結片36と内側金具42の連結片47とを連結させるボルト55と、そのボルト55が嵌められるナット56と、を有する。ナット56は、内側金具42の連結片47の内側面47aにボルト穴49と同心位置とされて固定されており、実施例1では溶接により固定されている。ボルト55は、外側金具43の連結片52のボルト穴54、連結片36のボルト穴37、内側金具42の連結片47のボルト穴49の順に挿通されて、ナット56に嵌められる。ボルト55の先端は、外側金具43の外側片51の裏側に対向されている。ボルト55は、緩めると右側へと移動するものとされており、外側金具43の外側片51を右側すなわち外側へと移動させることが可能となる。そして、ボルト55は、締め付けると左側へと移動して先端が外側金具43の外側片51を押すことで、外側金具43の外側片51を左側すなわち内側へと移動させて、内側金具42の内側片45との間隔を狭くさせる。ボルト55は、各把持箇所41が折板屋根11の頂部24に固定される前は緩められている。
このように支持部30の固定箇所32の各連結片36に、外側金具43と内側金具42とが締結部44により組み付けられて、各把持箇所41が形成されている。2つの把持箇所41は、それぞれが後述するように折板屋根11の頂部24を把持することができ、固定箇所32を介して支持部30を折板屋根11に固定する固定部40として機能する。
次に、枠材固定具10を用いたバルコニー12の折板屋根11への取り付けについて説明する。なお、取り付けの順番に関しては、以下の説明と取り付けの構造(各部材の関係性)が等しいものであれば、適宜入れ替えてもよく、以下の例に限定されない。
先ず、枠材固定具10が、図3に示すように、折板屋根11において隣り合う2つの頂部24の一方と他方とに固定部40の2つの把持箇所41が宛がわれる。このとき、各把持箇所41は、内側金具42の内側片45と外側金具43の外側片51との間に対応する頂部24が位置されて、緩衝部材48を介して内側金具42の上面片46が頂部24の上面に載せられる。そして、締結部44のボルト55を締め付けて外側金具43の外側片51を内側へと移動させることで、外側片51と内側金具42の内側片45とが括れ25に引っ掛かって抜け落ちることが防止された状態で頂部24を挟んで、各把持箇所41が頂部24に固定される。これにより、枠材固定具10を折板屋根11の頂部24に固定することができる。この各枠材固定具10は、折板屋根11において、床部13の外縁を形成する枠材としての縁フレーム17を支持する位置に適宜設けられる(図1では両端の2箇所)。
その後、各枠材固定具10では、縁フレーム17の支持溝19に頭部22aが嵌め入れられたボルト22の軸部22b(図1参照)が、支持部30の支持溝部33の鉛直溝34に挿入される。そして、各枠材固定具10は、図4、図5に示すように、軸部22bが5つの水平溝35のいずれかに挿入されることで、頂部24に対する所定の高さ位置に軸部22bを位置させることができる。このとき、各水平溝35は、軸部22bを水平方向に移動可能な寸法とされているので、所定の高さ位置において左右方向の位置の調整することが可能とされている。各枠材固定具10では、軸部22bの左右の位置が調整された後、ボルト22に嵌められたナット23が締め付けられることで、水平溝35および締結部材21が支持溝19を介して縁フレーム17を所望の高さ位置で支持する。実施例1では、図1で左側に位置する縁フレーム17に設けられたボルト22が図4に示すように第1水平溝351で固定され、図1で右側に位置する縁フレーム17に設けられたボルト22が図5に示すように第3水平溝353で固定されている。
ここで、各枠材固定具10は、支持部30が、板状とされた支持箇所31を貫通する支持溝部33の各水平溝35でボルト22の軸部22bを支持する構成とされているので、図3を正面視した手前側からでも奥側からでも軸部22bを介して縁フレーム17を支持することができる。このため、各枠材固定具10は、折板屋根11の構成や取り付けるバルコニー12の構成等に応じて、折板屋根11へと取り付ける向きを適宜設定することができる。実施例1では、図1において、左側に位置する縁フレーム17を支持する枠材固定具10の固定部40がバルコニー12の外側に位置する向きとし、右側に位置する縁フレーム17を支持する枠材固定具10の固定部40がバルコニー12の内側(下方)に位置する向きとしている。すなわち、実施例1では、傾斜により折板屋根11が下る方向に各枠材固定具10の固定部40を位置させている。
このように、各枠材固定具10は、支持部30において、5つの中から選択した水平溝35にボルト22の軸部22b(締結部材21)を挿入するだけで縁フレーム17を所望の高さ位置で支持することができるので、現場での縁フレーム17の高さ調整を容易なものにできる。これにより、各縁フレーム17は、各枠材固定具10により各頂部24との間隔すなわち高さ位置が調整されて折板屋根11に固定されることで、同一の水平面上に位置されている。このため、各縁フレーム17が同一の水平面上に位置されることで床部13を水平に設けることができ、折板屋根11の傾斜に関わらずバルコニー12を適切に設けることができる。これにより、建物1では、簡易にかつ適切にバルコニー12が折板屋根11に設けられている。
本開示に係る枠材固定具の一実施例の枠材固定具10は、以下の各作用効果を得ることができる。
枠材固定具10は、支持部30において、鉛直方向の位置が互いに異なる水平溝35で、縁フレーム17(枠材)に設けられた締結部材21を支持する。このため、枠材固定具10は、水平溝35で締結部材21の上下方向の移動を規制した状態とした上で、締結部材21の締め付けにより縁フレーム17を固定している。これにより、枠材固定具10は、締結部材21が縁フレーム17の荷重を支え続けたり、歩行等に起因する衝撃が縁フレーム17に生じたりしても、上下方向の荷重は水平溝35で支えることができるので、締結部材21の締め付けが緩むことを抑制できる。
また、枠材固定具10は、固定部40は、複数の頂部24(実施例1では2つ)に跨って固定されている。このため、枠材固定具10は、支持部30で受けた荷重を複数の頂部24に分散することができ、より適切に縁フレーム17を支持することができる。
さらに、枠材固定具10は、複数の水平溝35が締結部材21を水平方向に移動可能に受け入れることが可能とされている。このため、枠材固定具10は、締結部材21を支持する位置の自由度を向上させることができ、より適切に縁フレーム17を支持することができる。
枠材固定具10は、支持部30において、複数の水平溝35が鉛直溝34で連結されている。このため、枠材固定具10は、締結部材21を鉛直溝34から挿入することでいずれかの水平溝35へと挿入することができ、各水平溝35に導くことを容易なものとすることができ、縁フレーム17の高さ位置の調整を容易なものにできる。
枠材固定具10は、支持部30において、複数の水平溝35が鉛直方向の位置を変化させながら鉛直溝34に対して左右交互に位置されている。このため、枠材固定具10は、各水平溝35による締結部材21すなわち縁フレーム17の支持強度を確保しつつ、水平溝35の本数すなわち調節可能な高さ位置の数を増やすことができる。これにより、枠材固定具10は、より適切に縁フレーム17の高さ位置を調整することを可能とすることができる。
したがって、本開示に係る枠材固定具としての実施例1の枠材固定具10では、高さ調節可能としつつ締結部材21の締め付けの緩みを抑制できる。
以上、本開示の枠材固定具10を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、枠材としての縁フレーム17を枠材固定具10により折板屋根11に固定していたが、床部13の外縁を形成する枠材であればよく、実施例1の構成に限定されない。
また、実施例1では、固定部40が折板屋根11において隣り合う2つの頂部24を両把持箇所41が挟み込むものとされていたが、頂部24に固定するものであれば、単一の頂部24に固定するものでもよく、3つ以上の頂部24に跨って固定するものでもよく、実施例1の構成に限定されない。
さらに、実施例1では、支持部30の支持箇所31の支持溝部33が、鉛直方向の位置を変化させながら鉛直溝34に対して左右交互に各水平溝35が位置されて構成されている。しかしながら、支持溝部33は、鉛直方向の位置を変化させながら鉛直溝34の一方側に各水平溝35を位置させてもよく、例えば支持箇所31の縁部に各水平溝35を設けることのように鉛直溝34がないものとしてもよく、実施例1の構成に限定されない。
実施例1では、各水平溝35がボルト22の軸部22b(締結部材21)を水平方向に移動可能に受け入れることができるものとされていたが、互いに異なる鉛直方向の位置で締結部材21を支持できるものであれば、水平方向に移動できないものでもよく、実施例1の構成に限定されない。
実施例1では、固定部40が両把持箇所41で頂部24を挟むことで折板屋根11に固定される構成とされている。しかしながら、固定部40は、頂部24に固定することができるものであればよく、実施例1の構成に限定されない。
1 建物 10 枠材固定具 11 折板屋根 12 バルコニー 13 床部 17 (枠材の一例としての)縁フレーム 21 締結部材 24 頂部 30 支持部 34 鉛直溝 35 水平溝 40 固定部
Claims (7)
- 断面形状が波形状の折板屋根の複数の長尺な頂部に固定される固定部と、
バルコニーの床部の外縁を形成する枠材に設けられた締結部材を支持する支持部と、を備え、
前記支持部は、水平方向に前記締結部材を挿入可能な複数の水平溝を有し、
複数の前記水平溝は、鉛直方向の位置が互いに異なるものとされていることを特徴とする枠材固定具。 - 前記固定部は、複数の前記頂部に跨って固定されていることを特徴とする請求項1に記載の枠材固定具。
- 前記支持部は、複数の前記水平溝を連結する鉛直溝を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の枠材固定具。
- 複数の前記水平溝は、鉛直方向の位置を変化させながら前記鉛直溝に対して左右交互に位置されていることを特徴とする請求項3に記載の枠材固定具。
- 複数の前記水平溝は、前記締結部材を水平方向に移動可能に受け入れることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の枠材固定具。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の枠材固定具を用いて設けられていることを特徴とするバルコニー。
- 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の枠材固定具を用いて前記バルコニーが取り付けられていることを特徴とする建物。
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JP2021155926A (ja) * | 2020-03-25 | 2021-10-07 | ソーラーフロンティア株式会社 | 固定具 |
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