JP2019056259A - 既設階段を互い違い形式に改装する施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記特許文献1に記載の階段用階段アタッチメントは、住宅等の建築物の既設階段を互い違い形式の階段に変更することを課題とする。
或いは既設階段の半分の横幅を有する踏板部と、踏板部の前方の延長部と、踏板部手前側の下面に設けた高さ調整可能な支柱と支柱の下端に設けた固定部材とから成る。これら階段アタッチメントを既設階段の各段部の手前側に左右互い違いに固定することにより既設階段を互い違い形式となる。
そこで、本発明においては、この既設階段の各段の高さよりもその各段の高さをより低いものとすることができる互い違い形式の階段に改装することができる施工方法を提案することをその課題とする。
勿論、各段の前後方向の長さも既設階段のそれよりも長くなる点は従来の発明と同じである。
また、本発明においては、所望により1段目を右側又は左側の何れの側からも施工開始することができる。
また、完成した互い違い式階段の各段部は、既設階段の各段部に比べて、各段部の高さを低いものとすることができ、且つ、踏み面の前後方向長さも長くすることができる。
これにより、「バリアーフリー性に関する基準(高齢者等配慮対策等級5)」に適合する階段に改修することが可能となる。
即ち、上記第1の発明においては、左右の互い違い式階段が施工されるのであるが、それぞれの段部の蹴込み板と踏板との中央側に開口部が残るため、この開口部を塞ぐためのセンタープレートを付加したものである。
各段の中央側の側面部に取り付けられるセンタープレートは、それぞれの上段部の蹴込み板又は踏み板が取り付けられた後のその都度、その下段のセンタープレートを取り付けることもできるし、最後にまとめて1段目から最上段までのセンタープレートを取り付けることもできる。
その効果は、上記第1の発明と同じである。
図1は、本発明の施工方法に係る一実施形態によって施工された互い違い式階段の説明図である。
この図から解る通り、既設階段Kは13段設けられており、この既設階段Kを被覆するように互い違い式階段10が17段設けられ、施工される。
従って、各段の高さは、互い違い式階段10の高さの方が低く形成できる。
具体的に施工方法の手順は、図2乃至図6を用いて説明するが、概略以下の通りである。
桟木は、横方向及び縦方向(前後方向)の桟木があるが、図面では、横方向の桟木12を見て取ることができる。桟木は木材製の角材を使用できる。
次に、1段目の蹴込み板11を取り付ける(第1−B工程)。
蹴込み板11を取り付けた後、1段目踏み板14を取り付けるための桟木及び奥付16を取り付ける(第1−C工程)。この奥付16は1段目の踏み板14の前端部を下から支持する支持板材から成る。
これらの桟木と奥付16の上に1段目踏み板14を取り付け、固定する(第1−D工程)。
桟木は、横方向及び縦方向(前後方向)の桟木があるが、図面では、横方向の桟木22を見て取ることができる。
次に、2段目の蹴込み板21を取り付ける(第2−B工程)。
この奥付26は、既設階段の踏み面の位置により、既設階段の踏み面の前端縁部の段鼻に取り付ける際には(8段目踏み板24y)、横方向の桟木26yを利用することができる。
これらの桟木と奥付26の上に2段目踏み板24を取り付け、固定する(第2−D工程)。
上記の2段目踏み板24を固定した後に、一段目のセンタープレートを取り付け、固定する。
このセンタープレートの取り付け固定は、左右の互い違い式階段の蹴込み板と踏み板との取り付け固定完了後、1段目から最上段までの全部を順次纏めて行うこともできる。
尚、本発明においては、上記施工の前に予め設計図面を作成し、既設階段の段数に応じて改装する互い違い式階段の段数を決定しておくのである。
これにより、最上段部分(階上の床面)の一段下の踏み面で、踏み面の長さが他の下段の踏み面の長さよりも長い、端数(75mm)が生じ、この実施形態では、最上段の17段目で、左側の蹴込み板21tと、踏み板24tを付加して取り付けている。
この最上段の左側の段を施工した後、センタープレート30tを取り付け固定して、本発明に係る互い違い式階段が完成する。
尚、上記最上段の左側の段部は、予めの設計段階で無しとすることもできる。最初の設計段階で上記踏み面の前後方向長さを統一して、その端数をゼロとすることができるからである。
そして、本発明においては、第1段目は、上記実施形態と異なり、左側から施工して、左右逆に設けることも容易に可能となる。
また、本発明においては、センタープレートを設けずに実施することも可能である。というのも、少なくとも蹴込み板と踏み板とによって互い違い式階段は完成するからであり、請求項1においてセンタープレートの構成を排除した理由である。
図2は、上記実施形態を示す説明図であって、その(A)は既設階段の最下段部に蹴込み板用の桟木を取り付けた状態(第1−A工程)を示し、その(B)は、更に右側のささら桁を取り付けた状態を示す。
上記ささら桁17の幅が広い場合、或いは、ささら桁が側方壁面と一体的に形成されている場合には、このささら桁18の付加は不要である。
図3(A)では、1段目の蹴込み板11が取り付けられる(第1−B工程)のであるが、この図からは縦方向の桟木13が見えているが、この蹴込み板11の下端背面に横方向の桟木も設けている。この横方向桟木と上記縦方向桟木13により蹴込み板11の位置決め及び固定が行われる。
後に取り付けるセンタープレートの位置決めと固定用として使用できるからである。
そして、縦方向桟木13の前端部の奥側には奥付16を設ける。
図3(B)は、上記工程を経て、第1段目右側の踏み板14が取り付けられた(第1−D工程)状態を示している。
この踏み板14を支持する部材としては、上記蹴込み板11とその前方の奥付16と、更に図には表れていないが、踏み板14の右側端部の下面を支持する縦方向桟木を設けることができる。
従って、踏み板14は、手前側端部、前端部と右側側縁部で支持されることとなる。
上記の通り、右側の第1段目が施工された後に、左側の第2段目の蹴込み板21を取り付けるための縦方向の桟木23と横方向の桟木22が取り付けられる。
この蹴込み板21が取り付けられた後に1段目の蹴込み板11と踏み板14の側面を塞ぐセンタープレート30が取り付けられる。
このセンタープレート30は、互い違い式階段の各段が完成した後、最後の工程で纏めて取り付けることもできる。
左側の蹴込み板21が取り付けられ固定された後に、その背面側前後方向に縦方向桟木23を取り付け、その奥側に奥付26を取り付ける(第2−C工程)。桟木23は角材を、奥付26は板材を使用する。
既設のささら桁17の幅が不足するからであり、右側のささら桁18と同様である。
その後、図5(B)に示した通り、左側の踏み板24を取り付ける(第2−D工程)。
左側のささら桁17の幅が広い場合、或いは、このささら桁17が側面壁部と一体的に形成されている場合には、上記ささら桁18の付加は不要である。
図6(A)では、上記第1工程から第2工程までが施工されて、再度第1−A工程から第1−C工程迄を示しており、右側の2段目の蹴込み板11sが取り付けられ、縦方向桟木13s及び奥付16sが取り付けられている状態を示している。
その後、2段目の左側の蹴込み板21と踏み板24の中央側の開口部が略四角形の板材からなるセンタープレート30によって塞がれる。
以上の工程を繰り返すことにより、既設階段Kを被覆するように、その段数を増やして、その蹴上げ高さを既設階段のそれよりも低くなるように互い違い式階段を施工することができるのである。
本発明の既設階段を互い違い式階段に改修する施工方法においては、その第1−A工程の1段目の階段は、右側でも左側でも施工開始できる。
最上段の一つ下の段においては、多少の踏み面の前後方向の長さが他の段部と異なる(長くなる)こともあるが、これを調整すべく、同一高さで、左右反対側に最上段の段と同じ高さで踏み面(段部)を形成することもできる。勿論、これを設けずに実施することも自由である。
各段の蹴込み板及び踏み板のサイズも、既設階段のサイズに適合するように適宜設計することがかのうである。
11、11s、11t、21、21t 蹴込み板
12、13、22、23 桟木
14、24、24t 踏み板
16、16s、26、26y 奥付
17、18 ささら桁
30、30t センタープレート
D 段鼻
F 床
K 既設階段
Claims (5)
- 1段目蹴込み板取り付け用桟木を取り付ける第1−A工程と、
1段目蹴込み板を取り付ける第1−B工程と、
1段目踏み板取り付け用の桟木及び奥付を取り付ける第1−C工程と、
1段目踏み板を取り付ける第1−D工程と、
2段目蹴込み板取り付け用の桟木を取り付ける第2−A工程と、
2段目蹴込み板を取り付ける第2−B工程と、
2段目踏み板取り付け用の桟木及び奥付を取り付ける第2−C工程と、
2段目踏み板を取り付ける第2−D工程と、
以上の工程を繰り返して、改装される互い違い式階段の段数が偶数の場合には、前記第1−A工程から第2−D工程迄を繰り返し、その段数が奇数の場合には、上記工程を繰り返して前記第1−D工程迄を施工し、
各段の高さを既設階段の各段の高さよりも低く設定したことを特徴とする既設階段を互い違い形式に改装する施工方法。 - 最上段の踏み板を取り付けた後に、各段のセンタープレートを取り付ける工程、又は、それぞれの上段の蹴込み板若しくは踏み板を取り付けた後にその下段のセンタープレートを取り付け、最後に再上段のセンタープレートを取り付ける工程を付加したことを特徴とする請求項1に記載の既設階段を互い違い形式に改装する施工方法。
- 前記第1−A工程又は前記第1−B工程の後に、1段目の踏み板が設けられる側のささら桁を取り付ける工程、及び/又は、
前記第2−A工程又は前記第2−B工程の後に、2段目の踏み板が設けられる側のささら桁を取り付ける工程を付加したことを特徴とする請求項1又は2に記載の既設階段を互い違い形式に改装する施工方法。 - 最上段の一つ下の段の踏み面の前後方向長さが、それより下段の他の踏み面の前後方向長さよりも長い場合には、当該前後方向長さを略同一とすべく、最上段の段部の左右反対側に同じ高さで段部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の既設階段を互い違い形式に改装する施工方法。
- 前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の施工方法によって既設階段を被覆し、各段の高さを既設階段よりも低く改装した互い違い式階段。
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