JP2006132083A - 階段 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 階段は、踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設されている複数の支持柱10と、各支持柱10にそれぞれ片持ち状態で固定され、かつ、上段側のものになるにしたがって支持柱10への固定位置が蹴上げの寸法とほぼ等しい高さずつ高くなっている複数の蹴込み板20と、隣り合う2つの蹴込み板20の間にそれぞれ設けられ、かつ、下段側の端部が下段側の蹴込み板20の上部に固定されているとともに、上段側の端部が上段側の蹴込み板20の下部に固定されている複数の踏み板30とを備える。
【選択図】 図1
Description
(請求項1)
そこで、請求項1記載の発明は、ささら桁や階段室を用いず、住宅を広く感じさせる階段を提供することを目的とする。
(請求項2)
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、十分な強度を有する階段を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、階段に係るものであって、踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設されている複数の支持柱10と、各支持柱10にそれぞれ片持ち状態で固定され、かつ、上段側のものになるにしたがって支持柱10への固定位置が蹴上げの寸法とほぼ等しい高さずつ高くなっている複数の蹴込み板20と、隣り合う2つの蹴込み板20の間にそれぞれ設けられ、かつ、下段側の端部が下段側の蹴込み板20の上部に固定されているとともに、上段側の端部が上段側の蹴込み板20の下部に固定されている複数の踏み板30とを備えていることを特徴とする。
ここで、本発明に係る階段は、「複数の支持柱10」と「複数の蹴込み板20」と「複数の踏み板30」とを備える。
また、複数の支持柱10は、階段を設けようとする位置に並べて立設される。
また、支持柱10の間隔とは、隣り合う2つの支持柱10の中心間の距離をいう。つまり、隣り合う2つの支持柱10の芯間が、支持柱10の間隔である。
また、踏み面とは、踏み板30における足が乗る部分をいう。
また、踏み面の寸法とは、踏み板30における足が乗る部分の奥行きの寸法をいう。
例えば、踏み面の寸法が210mmの階段であれば、支持柱10の間隔は、210mmとされる。つまり、複数の支持柱10は、210mmピッチで並べて立設される。
また、支持柱10と土台100や梁120とは、例えば、直に固定してもよく、また、床板や天井板などを介して間接的に固定してもよい。
また、支持柱10と土台100や梁120との固定は、例えば、支持柱10の上下の端部に設けたホゾと土台100の上面や梁120の下面に設けたホゾ穴との嵌合によって行ってもよく、また、土台100の上面や梁120の下面に支持柱10の端部がすっぽり嵌る切り欠きを設け、この切り欠きに支持柱10の上下の端部を嵌め込むことによって行ってもよく、また、L字型やT字型の金具とビスや釘などとを用いて行ってもよい。
また、各蹴込み板20は、いずれも、各支持柱10に片持ち状態で固定される。つまり、各蹴込み板20は、いずれも、その左右のいずれか一方の端部付近のみを、各支持柱10に固定される。更に換言すれば、各蹴込み板20は、いずれも、各支持柱10の一側面から水平方向へ向けて突出するように、各支持柱10に固定される。
例えば、複数の支持柱10が一直線上に並べて立設される場合には、各蹴込み板20は、各支持柱10の同じ向きの側面から支持柱10が並ぶ方向と直交する方向へ向けて突出するように、各支持柱10にそれぞれ固定される。つまり、複数の支持柱10が南北方向に並べて立設される場合には、各蹴込み板20は、各支持柱10の西側の側面から西方向へ向けて突出するように、又は各支持柱10の東側の側面から東方向へ向けて突出するように、各支持柱10にそれぞれ固定される。
また、蹴上げの寸法とは、階段の一段の高さをいう。つまり、隣り合う2つの踏み板30の上面の高さの差が、蹴上げの寸法である。
例えば、蹴上げの寸法が210mmの階段であれば、蹴込み板20の支持柱10への固定位置は、上段側のものになるにしたがって、210mmずつ高くなる。つまり、蹴上げの寸法が210mmの階段であれば、隣り合う2つの蹴込み板20で支持柱10への固定位置を比較すると、上段側のものの方が、下段側のものよりも、210mm高い。
また、各踏み板30は、隣り合う2つの蹴込み板20の間を架け渡すようにして、両蹴込み板20に固定される。
また、各踏み板30は、下段側の端部が、下段側の蹴込み板20の上部に固定されるとともに、上段側の端部が、上段側の蹴込み板20の下部に固定される。
また、踏み板30の下段側の端部と下段側の蹴込み板20の上部との固定は、例えば、踏み板30の下段側の端部を下段側の蹴込み板20の上面に載置し、踏み板30の上面側から蹴込み板20へ向けてビスや釘やダボなどを打ち込んだり、踏み板30の下面と蹴込み板20の上面との間に接着剤を流し込むことによって行うことができる。
このように、本発明に係る階段では、各蹴込み板20は、片側のみで支持され、また、各踏み板30は、手前側及び奥側の両端が、隣り合う2つの蹴込み板20で支持される。このため、本発明に係る階段では、各踏み板30の左右の両端を支持するためのささら桁や階段室などが不要である。したがって、本発明に係る階段は、住宅を広く感じさせる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明を限定したものであって、各蹴込み板20の高さは、蹴上げの寸法とほぼ等しく、各支持柱10には、蹴込み板20の外寸とほぼ等しい内寸の貫通孔11が設けられ、各蹴込み板20は、その一方の端部付近を貫通孔11内に挿入された状態で、各支持柱10に固定されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、各蹴込み板は、片側のみで支持され、また、各踏み板は、手前側及び奥側の両端が、隣り合う2つの蹴込み板で支持される。このため、各踏み板の左右の両端を支持するためのささら桁や階段室の壁などが不要であり、これにより、住宅を広く感じさせる階段を提供できる。
また、請求項1記載の発明によれば、踏み板ではなく、上下の高さが踏み板よりもはるかに大きい蹴込み板が支持柱に片持ち支持され、更には、1つの踏み板にかかる荷重が、2つの蹴込み板及び支持柱に分散してかかるため、片持ち式であるものの高い強度を発揮する階段を提供できる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え、各蹴込み板の一方の端部付近が各支持柱に設けた貫通孔に挿入された状態で、各蹴込み板が各支持柱に固定されるため、片持ち式であるものの高い強度を発揮する階段を提供できる。
図1は、本実施の形態に係る階段の斜視図、図2は、本実施の形態に係る階段の要部側面図、図3は、支持柱10及び蹴込み板20の分解斜視図、図4は、支持柱10及び蹴込み板20を組んだ状態の斜視図、図5は、支持柱10、蹴込み板20及び踏み板30の分解斜視図、図6は、支持柱10、蹴込み板20及び踏み板30を組んだ状態の斜視図、図7は、蹴込み板20の下部と踏み板30の奥側の端部との固定方法を示す断面図、図8は、蹴込み板20の上部と踏み板30の手前側の端部との固定方法を示す断面図、図9は、蹴込み板20の上部と踏み板30の手前側の端部との位置決め方法を示す断面図である。
(階段)
図1に示すように、本実施の形態に係る階段は、13段の片持ち式の階段である。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る階段は、踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設されている複数の支持柱10と、各支持柱10にそれぞれ片持ち状態で固定され、かつ、上段側のものになるにしたがって支持柱10への固定位置が蹴上げの寸法とほぼ等しい高さずつ高くなっている複数の蹴込み板20と、隣り合う2つの蹴込み板20の間にそれぞれ設けられ、かつ、下段側の端部が下段側の蹴込み板20の上部に固定されているとともに、上段側の端部が上段側の蹴込み板20の下部に固定されている複数の踏み板30とを備えたものである。
(支持柱10)
本実施の形態では、支持柱10として、105mm角の角材を用いている。
また、図1に示すように、本実施の形態では、土台100と梁120との間に、12本の支持柱10が並べて立設されている。
また、12本の支持柱10は、踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設されている。
また、支持柱10の間隔とは、隣り合う2つの支持柱10の中心間の距離をいう。
また、踏み面とは、踏み板30における足が乗る部分をいう。
また、本実施の形態では、踏み面の寸法は、210mmとしている。このため、支持柱10の間隔は、210mmとされている。つまり、本実施の形態では、12本の支持柱10が210mmピッチで並べて立設されている。
また、本実施の形態では、各支持柱10は、その下端を土台100に直に固定されるとともに、その上端を梁120に直に固定されている。
また、図示しないが、本実施の形態では、各支持柱10と土台100や梁120との固定は、各支持柱10の上下の端部にそれぞれホゾを設けるとともに、土台100の上面及び梁120の下面における支持柱10を設けるべき位置にはそれぞれホゾ穴を設け、各ホゾを各ホゾ穴にそれぞれ嵌合させることによって行われている。
また、各支持柱10と土台100や梁120とは、例えば、床材や天井材などを介して間接的に固定してもよい。
(蹴込み板20)
本実施の形態では、蹴込み板20として、高さ210mm、幅1005mm、厚さ40mmの板材を用いている。
また、図1ないし図6に示すように、各蹴込み板20は、いずれも、各支持柱10に片持ち状態で固定されている。本実施の形態では、各蹴込み板20は、いずれも、右側の端部付近のみを、各支持柱10に固定されている。これにより、本実施の形態では、各蹴込み板20は、いずれも、各支持柱10の左側の側面から左水平方向へ向けて突出するように、各支持柱10に固定されている。また、本実施の形態では、各蹴込み板20の突出方向は、12本の支持柱10が並ぶ方向と直交する方向となっている。
また、蹴上げの寸法とは、階段の一段の高さをいう。つまり、隣り合う2つの踏み板30の上面の高さの差が、蹴上げの寸法である。
また、本実施の形態では、蹴上げの寸法は、210mmとしている。このため、本実施の形態では、各蹴込み板20の支持柱10への固定位置は、上段側のものになるにしたがって、210mmずつ高くなるようにしている。
また、図3及び図4に示すように、本実施の形態では、蹴込み板20は、右側の端部付近を、貫通孔11に挿入されている。更に、蹴込み板20の右側面の位置は、支持柱10の右側面の位置と一致している。そして、この状態で、図3及び図4に示すように、支持柱10の下段側の側面に、奥方向へ向けて6本のビス40が打ち込まれている。また、これら6本のビス40は、いずれも、蹴込み板20にまで達している。このようにして、本実施の形態では、蹴込み板20は支持柱10に固定されている。
(踏み板30)
本実施の形態では、踏み板30として、幅900mm、奥行き225mm、厚さ40mmの板材を用いている。
また、図5及び図6に示すように、各踏み板30は、隣り合う2つの蹴込み板20の間を架け渡すようにして、両蹴込み板20に固定されている。
また、図5及び図6に示すように、各踏み板30は、上段側の端部が、上段側の蹴込み板20の下部に固定されているとともに、下段側の端部が、下段側の蹴込み板20の上部に固定されている。
より具体的には、図3ないし図6に示すように、本実施の形態では、各蹴込み板20の前面下部に、左右方向に延びる横長溝21が形成されている。また、本実施の形態では、横長溝21の幅は20mmであり、また、横長溝21の長さは840mmであり、また、横長溝21の深さは15mmである。また、図5及び図7に示すように、本実施の形態では、各踏み板30の奥側の端部に、奥方向へ向けて突出し、かつ、左右方向に延び、かつ、横長溝21にすっぽり嵌る筋状突部31が形成されている。また、本実施の形態では、筋状突部31の厚さは20mmであり、また、筋状突部31の長さは840mmであり、また、筋状突部31の奥行きは15mmである。これにより、筋状突部31は横長溝21にすっぽり嵌る。そして、本実施の形態では、図5及び図6に示すように、筋状突部31を横長溝21に嵌め込み、この状態で、図7に示すように、蹴込み板20の下面側から筋状突部31を上下に貫くようにしてビス40を打ち込む。このようにして、本実施の形態では、踏み板30の上段側の端部と上段側の蹴込み板20の下部とが固定されている。なお、図7は、踏み板30の上段側の端部と上段側の蹴込み板20の下部とがビス40で固定される位置における、踏み板30及び蹴込み板20の側断面図である。図7に示すように、本実施の形態では、蹴込み板20の下部には、ビス40を通すためのビス孔22とビス40の頭を収めるための凹部23とがあらかじめ形成してある。
以下、本実施の形態に係る階段の施工方法について説明する。
ここで、支持柱10の上下の端部に設けたホゾと土台100の上面や梁120の下面に設けたホゾ穴との嵌合によって各支持柱10と土台100や梁120との固定を行う場合には、下記のように施工することができる。
まず、各支持柱10に各蹴込み板20をそれぞれ固定する。
次に、蹴込み板20を固定した各支持柱10を、土台100の上面上に並べて立設する。
次に、各支持柱10の上端上に梁120を載せる。
つまり、先に土台100の上面上に複数の支持柱10を立設し、その後に各支持柱10の上端上に梁120を載せるようにして施工することができる。
また、土台100の上面や梁120の下面に支持柱10の端部がすっぽり嵌る切り欠きを設け、この切り欠きに支持柱10の上下の端部を嵌め込むことによって各支持柱10と土台100や梁120との固定を行う場合には、下記のように施工することができる。
まず、建物の軸組みを組み立てる。これにより、土台100、柱110、及び梁120などを所定位置に設置する。
次に、蹴込み板20を固定した支持柱10を、土台100と梁120との間に並べて立設する。土台100の上面や梁120の下面に切り欠きが設けられているので、支持柱10を縦にした状態のまま水平方向にスライドさせるようにして土台100と梁120との間に挿入することができる。
次に、隣り合う2つの蹴込み板20の間にそれぞれ踏み板30を固定する。
つまり、先に建物の軸組みを組み立てて土台100の上方に土台100と平行に梁120を架け渡し、その後に土台100と梁120との間に複数の支持柱10を並べて立設するようにして施工することができる。また、このようにして施工すると、上述した場合と比較して、建物の軸組みが容易である。
このように、本実施の形態に係る階段では、各蹴込み板20は、片側のみで支持され、また、各踏み板30は、手前側及び奥側の両端が、隣り合う2つの蹴込み板20で支持されている。このため、本実施の形態に係る階段では、各踏み板30の左右の両端を支持するためのささら桁や階段室などが不要である。したがって、本実施の形態に係る階段は、住宅を広く感じさせる。
また、本実施の形態に係る階段では、踏み板30を支持柱10に片持ち支持させるのではなく、上下の高さが踏み板30よりもはるかに大きい蹴込み板20を支持柱10に片持ち支持させている。更に、本実施の形態に係る階段では、1つの踏み板30にかかる荷重が、2つの蹴込み板20及び支持柱10に分散してかかる。このため、本実施の形態に係る階段は、片持ち式であるものの、高い強度を発揮する。
(他の実施の形態)
図示しないが、例えば、土台100と梁120との間に、土台100及び梁120と平行な中間梁を設け、中間梁よりも下方の段に用いる支持柱10については、土台100と中間梁との間に、踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設し、中間梁よりも上方の段に用いる支持柱10については、中間梁と梁120との間に、踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設する。また、各支持柱10にはそれぞれ片持ち状態で蹴込み板20を固定する。また、蹴込み板20の支持柱10への固定位置は、上段側のものになるにしたがって蹴上げの寸法とほぼ等しい高さずつ高くなるようにする。そして、隣り合う2つの蹴込み板20の間にそれぞれ踏み板30を固定する。各踏み板30は、その下段側の端部を下段側の蹴込み板20の上部に固定されるとともに、その上段側の端部を上段側の蹴込み板20の下部に固定される。
なお、中間梁は、1本に限られず、複数本としてもよい。例えば、土台100と梁120との間に、下から順に、第1中間梁と第2中間梁とを設けることができる。そして、第1中間梁よりも下方の段に用いる支持柱10については、土台100と第1中間梁との間に並べて立設し、また、第1中間梁よりも上方かつ第2中間梁よりも下方の段については、第1中間梁と第2中間梁との間に並べて立設し、また、第2中間梁よりも上方の段については、第2中間梁と梁120との間に並べて立設することができる。
11 貫通孔
20 蹴込み板
21 横長溝
22 ビス孔
23 凹部
24 ダボ
30 踏み板
31 筋状突部
32 位置決め穴
33 ノンスリップ溝
34 ビス孔
35 凹部
40 ビス
50 隠し板
100 土台
110 柱
120 梁
130 床下地材
140 床仕上材
Claims (2)
- 踏み面の寸法とほぼ等しい間隔で並べて立設されている複数の支持柱と、
各支持柱にそれぞれ片持ち状態で固定され、かつ、上段側のものになるにしたがって支持柱への固定位置が蹴上げの寸法とほぼ等しい高さずつ高くなっている複数の蹴込み板と、
隣り合う2つの蹴込み板の間にそれぞれ設けられ、かつ、下段側の端部が下段側の蹴込み板の上部に固定されているとともに、上段側の端部が上段側の蹴込み板の下部に固定されている複数の踏み板とを備えていることを特徴とする階段。 - 各蹴込み板の高さは、蹴上げの寸法とほぼ等しく、
各支持柱には、蹴込み板の外寸とほぼ等しい内寸の貫通孔が設けられ、
各蹴込み板は、その一方の端部付近を貫通孔内に挿入された状態で、各支持柱に固定されていることを特徴とする請求項1記載の階段。
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