JP2019056154A - 銀ナノワイヤの製造法並びに銀ナノワイヤ、銀ナノワイヤインクおよび透明導電膜 - Google Patents

銀ナノワイヤの製造法並びに銀ナノワイヤ、銀ナノワイヤインクおよび透明導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】アルコール溶媒還元法で細い銀ナノワイヤを合成する際に、特に平均長さが長く、平均アスペクトの大きいワイヤを安定して生成させる。【解決手段】銀化合物、有機保護剤が溶解しているアルコール溶媒中で、銀をワイヤ状に還元析出させる工程を有する銀ナノワイヤの製造法において、前記有機保護剤としてビニルピロリドン構造単位を持つポリマーを使用すること、前記アルコール溶媒中に有機酸エステルが0.1〜20.0mmol/Lの濃度で溶解している状態とし、その液中で前記還元析出を進行させること、を特徴とする銀ナノワイヤの製造法。【選択図】図4

Description

本発明は、透明導電膜の導電素材(フィラー)として有用な銀ナノワイヤの製造方法に関する。また、その製造方法によって得られる銀ナノワイヤ、銀ナノワイヤインクおよび透明導電膜に関する。
本明細書では、太さが200nm程度以下の微細な金属ワイヤを「ナノワイヤ(nanowire(s)」と呼ぶ。
銀ナノワイヤは、透明基材に導電性を付与するための導電素材として有望視されている。銀ナノワイヤを含有する液(銀ナノワイヤインク)をガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)などの透明基材に塗布したのち、液状成分を蒸発等により除去すると、銀ナノワイヤは当該基材上で互いに接触し合うことにより導電ネットワークを形成するので、透明導電膜を実現することができる。
電子機器のタッチパネル等に使用される透明導電膜には、導電性が良好であることに加え、ヘイズの少ないクリアな視認性が要求される。銀ナノワイヤを導電素材とする透明導電膜において導電性と視認性を高いレベルで両立させるためには、できるだけ細く、かつ長い銀ナノワイヤを適用することが有利となる。
従来、銀ナノワイヤの合成法として、例えば、エチレングリコール等のポリオール溶媒に銀化合物を溶解させ、ハロゲン化合物と有機保護剤の存在下において、溶媒であるポリオールの還元力を利用して線状形状の金属銀を析出させる手法(以下、「アルコール溶媒還元法」と言う。)が知られている。その有機保護剤として、従来一般的にPVP(ポリビニルピロリドン)が多用されてきた。PVPは細く長い銀ナノワイヤを析出させる上で好適な有機保護剤である。
アルコール溶媒還元法で使用される有機保護剤の分子は、合成後の銀ナノワイヤ表面に吸着し、液状媒体中における銀ナノワイヤの分散性を支配する要因となる。PVPが吸着した銀ナノワイヤは、水に対して良好な分散性を呈する。しかし、PET等の基材に対する濡れ性を改善するためには、水と有機溶媒(例えばアルコール)との混合媒体を用いた銀ナノワイヤインクを適用することが有利となる。また、塗工設備によっては、非水系溶媒を用いた銀ナノワイヤインクを適用することが望ましい場合もある。PVPは、そのような混合媒体や非水系溶媒中での銀ナノワイヤの分散性を考慮した場合、必ずしも満足できる有機保護剤とは言えない。最近では、水以外の液状媒体中での銀ナノワイヤの分散性を改善することができる有機保護剤も種々開発されている。例えば、特許文献1にはビニルピロリドンとジアリルジメチルアンモニウム(Diallyldimethylammonium)塩モノマーとの重合組成を有するコポリマー、特許文献2にはビニルピロリドンとアクリレート系またはメタクリレート系モノマーとのコポリマー、特許文献3にはビニルピロリドンとマレイミド系モノマーとのコポリマーがそれぞれ開示されている。これらのポリマーを有機保護剤に用いたアルコール溶媒還元法では、合成条件を適正化することによって、PVPを用いた場合と同程度あるいはそれ以上に、細くて長い銀ナノワイヤを合成することが可能である。
特開2015−180772号公報 特開2017−78207号公報 特開2016−135919号公報
上述のように、透明導電塗膜の導電素材として使用する銀ナノワイヤは、導電性と視認性を高レベルで両立させる観点から、細くて長い形態であることが有利となる。本発明は、アルコール溶媒還元法で細い銀ナノワイヤを合成する際に、特に長いワイヤを安定して生成させる効果の高い技術を提供しようというものである。
上記目的は、アルコール溶媒還元法において、所定濃度の有機酸エステルが溶媒中に存在する環境下で銀の析出反応を進行させることによって達成される。本明細書では以下の発明を開示する。
[1]銀化合物、有機保護剤が溶解しているアルコール溶媒中で、銀をワイヤ状に還元析出させる工程を有する銀ナノワイヤの製造法において、
前記有機保護剤としてビニルピロリドン構造単位を持つポリマーを使用すること、
前記アルコール溶媒中に有機酸エステルが0.1〜20.0mmol/Lの濃度で溶解している状態とし、その液中で前記還元析出を進行させること、
を特徴とする銀ナノワイヤの製造法。
[2]平均長さ15μm以上、平均直径35nm以下、かつ下記(1)式で定義される平均アスペクト比AMが600以上である銀ナノワイヤを還元析出させる上記[1]に記載の銀ナノワイヤの製造法。
M=LM/DM …(1)
ここで、LMは上記平均長さをnmの単位で表した値、DMは上記平均直径をnmの単位で表した値である。
[3]前記有機酸エステルが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルの1種または2種以上である上記[1]または[2]に記載の銀ナノワイヤの製造法。
[4]前記ポリマーが、PVP(ポリビニルピロリドン)またはビニルピロリドンと親水性モノマーとのコポリマーである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造法。
[5]前記ポリマーが、ビニルピロリドンと、ジアリルジメチルアンモニウム塩、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、および2−ジエチルアミノエチルメタクリレートから選ばれる1種または2種以上のモノマーとの重合組成を有するものである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造法。
[6]前記ポリマーは、重量平均分子量Mwが30,000〜300,000である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の銀ナノワイヤの製造法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造法によって得られた銀ナノワイヤ。
[8]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造法によって得られた銀ナノワイヤが液状媒体中に分散している銀ナノワイヤインク。
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造法によって得られた銀ナノワイヤを導電素材として含有する透明導電膜。
本明細書において、銀ナノワイヤの平均長さ、平均直径、平均アスペクト比は以下の定義に従う。
〔平均長さLM
電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)による観察画像上で、ある1本の銀ナノワイヤの一端から他端までのトレース長さを、そのワイヤの長さと定義する。顕微鏡画像上に存在する個々の銀ナノワイヤの長さを平均した値を、平均長さLMと定義する。平均長さを算出するためには、測定対象のワイヤの総数を100以上とする。ここでは、還元反応を終えた液から回収される銀ナノワイヤを洗浄した段階(クロスフローろ過などの精製工程に供給する前の段階)での平均長さを評価する。
〔平均直径DM
透過型電子顕微鏡(TEM)による明視野観察画像上で、ある1本の銀ナノワイヤにおける太さ方向両側の輪郭間距離を、そのワイヤの直径と定義する。図4に本発明に従う銀ナノワイヤについてのTEMによる明視野観察画像(以下「TEM画像」という。)を例示する。各ワイヤは全長にわたってほぼ均等な太さを有しているとみなすことができる。従って、太さの計測は他のワイヤと重なっていない部分を選択して行うことができる。1つの視野を写したTEM画像において、その画像内に観察される銀ナノワイヤのうち、他のワイヤと完全に重なって直径の計測が困難であるワイヤを除く全てのワイヤの直径を測定する、という操作を無作為に選んだ複数の視野について行い、合計100本以上の異なる銀ナノワイヤの直径を求め、個々の銀ナノワイヤの直径の平均値を算出し、その値を平均直径DMと定義する。
〔平均アスペクト比〕
上記の平均直径DMおよび平均長さLMを下記(1)式に代入することにより平均アスペクト比AMを算出する。ただし、(1)式に代入するDM、LMはいずれもnmの単位で表された値とする。
M=LM/DM …(1)
本発明に従えば、平均直径が例えば35nm以下といった細い銀ナノワイヤにおいて、特に平均長さが15nm以上、平均アスペクト比が600以上という長い銀ナノワイヤを安定して合成することができる。合成後に行う洗浄を終えた段階で上記のような平均長さの長い銀ナノワイヤが得られるので、その後にクロスフローろ過などによってワイヤの長さ分布を調整する精製操作を行うと、平均長さが一層長く、アスペクト比の高い銀ナノワイヤを歩留り良く製造することができる。それを透明導電膜の導電素材として使用すると、高い導電性を維持しながら、ヘイズの少ない視認性に優れる透明導電膜が実現できる。
ビニルピロリドン構造単位の構造式。 比較例1で得られた銀ナノワイヤのSEM写真。 比較例1で得られた銀ナノワイヤのTEM写真。 実施例3で得られた銀ナノワイヤのSEM写真。 実施例3で得られた銀ナノワイヤのTEM写真。
上述のように、銀ナノワイヤの合成法として、銀化合物、有機保護剤が溶解しているアルコール溶媒中で、溶媒であるアルコールの還元力を利用して銀をワイヤ状に析出させる手法が既に実用化されている。この手法を本明細書では「アルコール溶媒還元法」と呼んでいる。
アルコール溶媒還元法で金属銀をワイヤ状に析出させるには、銀の多重双晶であると考えられる核結晶の{100}面に、有機保護剤のポリマー分子が選択的に吸着することが必要である。それにより{100}面の成長が抑制され、銀結晶の最密面である{111}面が優先的に成長し、金属銀の線状構造体が形成される。ポリマー分子の選択吸着性は、ポリマー分子の表面電位と銀の結晶面の表面電位の相互作用によって生じると考えられている。銀結晶{100}面への選択吸着性に優れるポリマーとして、ビニルピロリドン構造単位を有するホモポリマー(PVP)やコポリマーが知られている。図1にビニルピロリドン構造単位の構造式を示す。このようなポリマーを主体とする有機保護剤がアルコール溶媒中に溶解している状況下で銀の還元析出を進行させると、{111}結晶面への銀の析出が優先的に起こり、ロッド状あるいは線状の金属銀構造体が得られる。ただし、銀ナノワイヤを安定して合成するためには、{111}結晶面を活性化させる作用のあるハロゲン化物等を溶媒中に共存させておくことが一般的である。
発明者は、ビニルピロリドン構造単位を有するポリマーを有機保護剤に用いて細い銀ナノワイヤを合成するに際し、特に合成されるワイヤの平均長さを向上させる手法について種々検討してきた。その結果、従来一般的に使用されているハロゲン化物等の添加剤の他に、有機酸エステルを添加することが極めて有効であることを知見した。有機酸エステルは、アルコール溶媒還元法で銀ナノワイヤを合成する際に、銀が優先的に析出していく{111}結晶面を清浄化する作用、すなわち{111}結晶面への有機保護剤分子の吸着を抑止するとともに露出している{111}結晶面を活性化させて新たな銀の析出を促進させる作用を有すると考えられる。{111}結晶面を活性化させる作用は、従来一般的な添加剤であるハロゲン化物等が主として担うが、有機酸エステルもこれと類似の働きをするものと推察される。既に析出した金属銀の線状構造体の近傍に、ハロゲンに加えて有機酸エステルが存在すると、上記清浄化の作用が増大し、線状構造体の太さ方向の表面({100}結晶面)への銀の析出のし易さに対する、長さ方向の露出表面({111}結晶面)への相対的な析出のし易さがより一層高まり、結果的に平均アスペクト比の大きい銀ナノワイヤの合成が容易になるものと考えられる。
{111}結晶面の活性化作用を強化する目的でハロゲン化物の添加量を増大させることには問題がある。合成された銀ナノワイヤの表面を被覆する有機保護剤には、合成時に添加された塩素等のハロゲン原子が付着しており、そのハロゲン原子は、銀ナノワイヤに随伴して透明導電膜の中に入り込む。発明者の調査によれば、透明導電膜中の塩素濃度が高いと、透明導電膜の経時劣化が促進され、早期に導電性が低下するという問題が生じやすいことが確認されている。この点、有機酸エステルの添加によって{111}結晶面の清浄化作用を強化する手法では、上記のような透明導電膜の経時劣化の問題は回避される。
種々検討の結果、アルコール溶媒中に有機酸エステルが0.1mmol/L(=0.1×10-3mol/L)以上の濃度で溶解している状態で還元析出を進行させることにより、合成される銀ナノワイヤの平均長さを向上させる効果が顕著に発揮される。有機酸エステル濃度を0.5mmol/L(=0.5×10-3mol/L)以上とすることがより好ましい。ただし、有機酸エステル濃度が高くなると銀ナノワイヤの平均長さを向上させる効果は飽和してくる。溶媒中の有機酸エステル濃度は20.0mmol/L(20.0×10-3mol/L)以下の範囲で設定すればよく、15.0mmol/L(15.0×10-3mol/L)以下に管理してもよい。
還元析出反応時のアルコール溶媒中に存在する有機保護剤との量比で見ると、例えば有機保護剤であるビニルピロリドン構造単位を持つポリマー1モルに対し、有機酸エステルの液中存在量を0.001〜0.3モルの範囲で調整することが好ましい。また、銀との量比で見ると、反応に使用する銀の総量1モルに対し、有機酸エステルの液中存在量を反応開示時点において0.001〜0.5モルの範囲で調整することが好ましい。
有機酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジエチル(C10184)、アセチルクエン酸トリエチル(C14228)、安息香酸イソアミル(C12162)、安息香酸エチル(C9102)、イソ吉草酸エチル(C7142)、ギ酸エチル(C362)、ギ酸ブチル(C5102)、クエン酸トリブチル(C18327)、シュウ酸ジエチル(C6104)、酒石酸ジエチル(C8146)、ステアリン酸エチル(C20402)、乳酸エチル(C5103)、フタル酸ジエチル(C12144)、プロピオン酸エチル(C5102)、マレイン酸ジイソプロピル(C10164)、マロン酸ジエチル(C7124)、酪酸エチル(C6122)や、酢酸メチル(C362)、酢酸エチル(C482)、酢酸プロピル(C5102)、酢酸ブチル(C6122)、アセト酢酸エチル(C6103)、アセト酢酸メチル(C583)、酢酸アミル(C7142)、酢酸イソブチル(C6122)、酢酸ベンジル(C9102)等の酢酸エステルが挙げられる。有機酸エステルは、1種または2種以上を使用することができる。
有機保護剤として使用するビニルピロリドン構造単位を持つポリマーとして、PVP(ポリビニルピロリドン)またはビニルピロリドンと親水性モノマーとのコポリマーが好適な対象となる。後者のコポリマーとしては、例えば、ビニルピロリドンと、ジアリルジメチルアンモニウム塩、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミドおよびN−tert−ブチルマレイミドから選ばれる1種または2種以上のモノマーとの重合組成を有するコポリマーが挙げられる。コポリマーの重合組成は、ビニルピロリドン以外のモノマー0.1〜10質量%、残部ビニルピロリドンであることが好ましい。
有機保護剤に使用するポリマーの重量平均分子量Mwは30,000〜300,000の範囲にあることが好ましく、30,000〜150,000の範囲であることがより好ましい。MwはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により求めることができる。
ポリマーを合成する過程では、重合生成したポリマーを精製する際の有機溶剤として酢酸エステルが使用されることがある。その場合には、ポリマーの粉体製品中に酢酸エステルが不純物として混入している。ただし、本発明ではアルコール溶媒中における有機酸エステル濃度を上述の所定範囲に調整するうえで、溶媒中に導入する有機酸エステルの一部をポリマー粉体中に存在している酢酸エステルによって賄う必要はないので、ビニルピロリドン構造単位を持つポリマー1モルに対し酢酸エステル混入量が例えば0.002モル未満であるポリマー粉体を有機保護剤の供給源として使用することができる。この場合、ポリマー粉体からアルコール溶媒中に導入される酢酸エステルは少量であるため、アルコール溶媒中の有機酸エステル濃度の算出には無視して構わない。なお、ポリマー粉体中の酢酸エステル存在量は、ポリマー粉体のNMR(核磁気共鳴)スペクトルから求めることができる。
〔銀ナノワイヤの寸法形状〕
銀ナノワイヤは、導電性と視認性に優れた透明導電塗膜を形成する観点から、できるだけ細くて長い形状であるものが好ましい。本発明では、平均長さが15μm以上、平均直径が35nm以下、かつ前記(1)式による平均アスペクト比が600以上であるものが好適な対象となる。平均長さが15μm以上、平均直径が33nm以下であるものがより好適な対象となる。平均長さが15μm以上、平均直径が30nm以下であるものがさらに好適な対象となる。本発明では、合成段階で平均長さが長く、平均アスペクト比が大きい銀ナノワイヤを得ることができるので、その後の工程で、例えばクロスフロー精製によって長さ分布を高い歩留りで効率的に調整することができる。
〔銀ナノワイヤの合成〕
アルコール溶媒中に有機酸エステルを存在させることを除き、従来から開発されているアルコール溶媒還元法の技術を利用することができる。溶媒であるアルコールの種類としては、銀に対して適度な還元力を有し、金属銀をワイヤ状に析出させることができるものが選択される。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、1,3ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、グリセリンの1種以上からなるアルコール溶媒を使用することができる。これらのアルコールは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。銀源として、アルコール溶媒に可溶な銀化合物を使用する。例えば、硝酸銀、酢酸銀、酸化銀、塩化銀などが挙げられるが、溶媒に対する溶解性やコストを考慮すると硝酸銀(AgNO3)が使いやすい。銀化合物、有機保護剤、有機酸エステルの他に、塩化物、臭化物が溶解しているアルコール溶媒中で還元析出を進行させることが好ましい。更にアルカリ金属水酸化物、アルミニウム塩が溶解しているアルコール溶媒中で還元析出を進行させてもよい。例えば、上記特許文献1に開示される手法において、有機酸エステルを添加したアルコール溶媒を適用することができる。
〔比較例1〕
(有機保護剤)
溶媒であるメチルイソブチルケトンに、1−ビニル2ピロリドンと、ジアリルジメチルアンモニウムナイトレート(diallyldimethylammonium nitrate)を溶解させ、重合開始剤を添加して共重合させる手法で合成されたコポリマー粉体を用意した。重合組成は、モル比で1−ビニル2ピロリドン:ジアリルジメチルアンモニウムナイトレート=99:1である。
コポリマー粉体について、日本電子社製、JNM−LA400(400MHz)により核磁気共鳴分光法(NMR)で1H NMRスペクトルを測定し、当該粉体に含まれる成分を調べた。その結果、モル比で、ポリマー97.28%、残留VP(ビニルピロリドン):1.07%、酢酸エチル:0.04%、TBME(tert−ブチルメチルエーテル):0.68%、MIBK(メチルイソブチルケトン):0.93%であった。ここで、酢酸エチルは4.1ppm付近のピークの積分値を、TBMEは1.2ppm付近のピークの積分値を、MIBKは0.9ppm付近のピークの積分値を用いて各成分のモル%を算出した。残留VP量は下記(2)式により定めた。
VPR(mol%)=[2×(I1+I2)/(3×I3)]×100 …(2)
ここで、I1はVPモノマーのC=C二重結合に関わるメチンプロトンに由来するピーク(7.0−7.2ppm)の積分値、I2は同モノマーのC=C二重結合に関わるメチレンプロトンに由来するピーク(4.3−4.4ppm)の積分値、I3はポリマーのN原子に隣接するメチレンプロトンに由来するピーク(3.0−3.4ppm)の積分値である。
また、上記コポリマーの重量平均分子量MwをGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により下記の条件で求めた。
・装置:HLC−8320GPC EcoSEC(東ソー社製)
・カラム:TSKgel GMPWXL(×2)+G2500PWXL
・溶離液:100mM硝酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=80/20
・流速:1.0mL/min
・温度:40℃
・注入量:200μL
・多角度光散乱検出器:DAWN HELEOS II(Wyatt Technology社製)
・屈折率(RI)検出器:Optilab T−rEX(Wyatt Technology社製)
その結果、重量平均分子量Mwは84,000であった。
(銀ナノワイヤの合成)
常温にて、プロピレングリコール513.5g中に、塩化リチウム含有量が10質量%であるプロピレングリコール溶液0.302g、臭化カリウム含有量が1質量%であるプロピレングリコール溶液0.893g、水酸化リチウム0.0222g、硝酸アルミニウム九水和物含有量が20質量%であるプロピレングリコール溶液0.312g、および有機保護剤の供給源である上記コポリマー粉体5.24gを添加して溶解させ、溶液Aとした。この例では溶液A中に有機酸エステルを添加していない。これとは別の容器中で、プロピレングリコール5.98gと純水0.5gの混合溶液中に硝酸銀4.25gを添加して、35℃で撹拌して溶解させ、銀を含有する溶液Bを得た。
上記の溶液Aを反応容器に入れ、常温から95℃まで回転数250rpmで撹拌しながら昇温したのち、溶液Aの中に、溶液Bの全量を2個の添加口からチューブポンプを用いて1分かけて添加した。溶液Bの添加終了後、プロピレングリコール溶液4gを溶液Bが付着したチューブ内を洗い流すため、チューブポンプを用いて添加した後、さらに撹拌状態を維持して95℃で3.5時間保持し、85℃まで2.0時間かけて冷却し、85℃で19時間保持した。その後、反応液を常温まで冷却することで、銀ナノワイヤを合成した。
(銀ナノワイヤの平均直径、平均長さ測定)
常温まで冷却された上記反応液20gを遠沈管に分取し、純水180g添加し、遠心分離機により1500rpmで15分間の遠心分離操作を行った。濃縮物と上澄みが観察されたため、上澄み部分は除去し、濃縮物を回収した。この洗浄操作を更に数回繰り返し、濃縮物を得た。得られた濃縮物を純水に分散させた。銀ナノワイヤの長さ測定においては、その分散液をSEM用の観察台にとり、観察台上で水を揮発させたのち、電界放出形走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製;S−4700)により、加速電圧3kV、倍率1,500倍で観察を行った。無作為に選んだ3以上の視野について、視野内で全長が確認できるすべてのワイヤを対象として、上述の定義に従って平均長さを測定した。直径測定においては、上記分散液をTEM用の観察台にとり、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製;JEM-1011)により、加速電圧100kV、倍率40,000倍で明視野像の観察を行って観察画像を採取し、正確に直径を測定するために採取された元画像を2倍のサイズに拡大した上で、ソフトウェア(Motic Image Plus2.1S)を用いて、上述の定義に従って平均直径を測定した。この平均長さおよび平均直径の値を前記(1)式に代入することにより平均アスペクト比を求めた。銀ナノワイヤの平均直径は35.8nm、平均長さは14.1μmであった。平均アスペクト比は、14100(nm)/35.8(nm)≒394であった。結果を他の実施例、比較例とともに表1にまとめてある。
〔実施例1〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.0052gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は0.119mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は32.6nm、平均長さは19.6μmであった。平均アスペクト比は、19600(nm)/32.6(nm)≒601であった。
〔実施例2〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.0131gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は0.298mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は32.1nm、平均長さは19.6μmであった。平均アスペクト比は、19600(nm)/32.1(nm)≒611であった。
〔実施例3〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.0263gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は0.598mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は28.5nm、平均長さは21.8μmであった。平均アスペクト比は、21800(nm)/28.5(nm)≒765であった。
〔実施例4〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.0798gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は1.812mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は28.4nm、平均長さは23.3μmであった。平均アスペクト比は、23300(nm)/28.4(nm)≒820であった。
〔実施例5〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.1344gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は3.051mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は28.8nm、平均長さは23.9μmであった。平均アスペクト比は、23900(nm)/28.8(nm)≒830であった。
〔実施例6〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.2759gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は6.263mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は28.5nm、平均長さは22.2μmであった。平均アスペクト比は、22200(nm)/28.5(nm)≒779であった。
〔実施例7〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.3346gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は7.595mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は28.7nm、平均長さは22.1μmであった。平均アスペクト比は、22100(nm)/28.7(nm)≒770であった。
〔実施例8〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.4250gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は9.648mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は29.4nm、平均長さは23.0μmであった。平均アスペクト比は、23000(nm)/29.4(nm)≒782であった。
〔実施例9〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸エチル0.5825gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸エチル濃度は13.221mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は29.2nm、平均長さは24.5μmであった。平均アスペクト比は、24500(nm)/29.2(nm)≒839であった。
〔実施例10〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸メチル0.1052gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸メチル濃度は1.812mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は27.7nm、平均長さは20.3μmであった。平均アスペクト比は、20300(nm)/27.7(nm)≒733であった。
〔実施例11〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸プロピル0.0671gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸プロピル濃度は1.812mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は28.2nm、平均長さは18.2μmであった。平均アスペクト比は、18200(nm)/28.2(nm)≒645であった。
〔実施例12〕
銀ナノワイヤを合成するに際し、溶液Aとして、比較例1で混合した各物質の他に、更に酢酸ブチル0.0925gを混合して溶解させたものを使用したことを除き、比較例1と同様の条件で実験を行った。銀の析出反応開始時点(すなわち溶液Bの添加開始時点)におけるアルコール溶媒中の酢酸ブチル濃度は1.812mmol/Lである。この条件で得られた銀ナノワイヤの平均直径は26.6nm、平均長さは17.7μmであった。平均アスペクト比は、17700(nm)/26.6(nm)≒665であった。
表1からわかるように、銀ナノワイヤ合成時のアルコール溶媒中に有機酸エステルを存在させると、合成されるワイヤの平均長さを顕著に向上させることができ、それに伴ってワイヤの平均アスペクト比も向上する。その効果を十分に発揮させるためにはアルコール溶媒中の有機酸エステル濃度を0.1mmol/L以上とすることが好ましい。
参考のため、図2および図3にそれぞれ比較例1で得られた銀ナノワイヤのSEM写真およびTEM写真を、図4および図5にそれぞれ実施例3で得られた銀ナノワイヤのSEM写真およびTEM写真を示す。

Claims (9)

  1. 銀化合物、有機保護剤が溶解しているアルコール溶媒中で、銀をワイヤ状に還元析出させる工程を有する銀ナノワイヤの製造法において、
    前記有機保護剤としてビニルピロリドン構造単位を持つポリマーを使用すること、
    前記アルコール溶媒中に有機酸エステルが0.1〜20.0mmol/Lの濃度で溶解している状態とし、その液中で前記還元析出を進行させること、
    を特徴とする銀ナノワイヤの製造法。
  2. 平均長さ15μm以上、平均直径35nm以下、かつ下記(1)式で定義される平均アスペクト比AMが600以上である銀ナノワイヤを還元析出させる請求項1に記載の銀ナノワイヤの製造法。
    M=LM/DM …(1)
    ここで、LMは上記平均長さをnmの単位で表した値、DMは上記平均直径をnmの単位で表した値である。
  3. 前記有機酸エステルが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルの1種または2種以上である請求項1または2に記載の銀ナノワイヤの製造法。
  4. 前記ポリマーが、PVP(ポリビニルピロリドン)またはビニルピロリドンと親水性モノマーとのコポリマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤの製造法。
  5. 前記ポリマーが、ビニルピロリドンと、ジアリルジメチルアンモニウム塩、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、および2−ジエチルアミノエチルメタクリレートから選ばれる1種または2種以上のモノマーとの重合組成を有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤの製造法。
  6. 前記ポリマーは、重量平均分子量Mwが30,000〜300,000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤの製造法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造法によって得られた銀ナノワイヤ。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造法によって得られた銀ナノワイヤが液状媒体中に分散している銀ナノワイヤインク。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造法によって得られた銀ナノワイヤを導電素材として含有する透明導電膜。
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