JP2019006844A - Hemc含有物質および銀ナノワイヤインク並びにそれらの製造法並びに導電膜 - Google Patents

Hemc含有物質および銀ナノワイヤインク並びにそれらの製造法並びに導電膜 Download PDF

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Abstract

【課題】塩素含有量が合成時よりも大幅に減じられており、かつ、水に溶解させる際に粗大なゲル状粒子の生成量が顕著に抑制される性質を有する、精製されたHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を提供する。【解決手段】HEMC100質量部に対する塩素の含有量が0.20質量部以下であるHEMC含有物質。このHEMC含有物質は、原料であるHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)が溶解している水溶液と、HEMCの溶解度が水よりも小さく且つ水と混じり合う性質の有機溶媒Aを混合することによって、その混合液中にHEMCを固形分として析出させる工程(析出工程)、前記固形分をろ過により回収する工程(ろ過工程)、を有する製造法によって得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、導電塗料の粘度調整剤として有用な、不純物の少ないHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)含有物質およびその製造法に関する。また、そのHEMC固形物を用いた銀ナノワイヤインクおよびその製造法に関する。また、前記銀ナノワイヤインクを用いた導電膜に関する。
本明細書では、太さが200nm程度以下の微細な金属ワイヤを「ナノワイヤ(nanowire(s)」と呼ぶ。金属ナノワイヤや金属微粒子などの導電フィラーを含有し、導電塗膜を形成するための塗工液を「導電塗料」と呼ぶ。導電フィラーとして銀ナノワイヤを含有する導電塗料、あるいはその導電塗料を作製するために銀ナノワイヤの分散性や銀濃度が調整されている銀ナノワイヤ分散液を、「銀ナノワイヤインク」と呼ぶ。銀ナノワイヤが分散している液に、バインダー成分や粘度調整剤などを加えて所定性状の銀ナノワイヤインクを得る操作を「インク化」と言う。
銀ナノワイヤは、透明導電膜を形成するため導電フィラーとして有望視されている。銀ナノワイヤを含有する液(銀ナノワイヤインク)をガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)などの透明基材にコーティングしたのち、液状成分を蒸発等により除去させると、銀ナノワイヤは当該基材上で互いに接触し合うことにより導電ネットワークを形成するので、透明導電膜を実現することができる。昨今では、細くて長い銀ナノワイヤを製造する技術の検討が進み、銀ナノワイヤを用いた透明導電膜の導電性と光学特性は向上しつつある。
塗料には、通常、用途に応じて適切な粘度調整剤(増粘剤)が添加されている。水系溶媒を用いた塗料の場合、代表的な粘度調整剤の一つとして、水溶性セルロースエーテルを挙げることができる。例えば、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を増粘剤に用いた銀ナノワイヤインクが知られている(特許文献1〜3)。
特開2015−174922号公報 特開2015−180772号公報 特表2009−505358号公報
基材上に塗料を塗布して薄膜を形成する塗工方法の一つとしてダイコーター法が知られている。銀ナノワイヤインクを用いた透明導電膜の製造においても、ダイコーター塗工は膜厚精度の高い導電薄膜を形成する上で有用な手法であり、実用化も進められている。ただし、銀ナノワイヤインクをダイコーター塗工に供すると、得られた透明導電膜中に銀ナノワイヤが束状に集まって存在する部分(「束状集合」と呼ぶ。)が見られるという事象が起こりやすい。このワイヤの束状集合は、白い筋や点として目視できる場合もあり、製品の外観不良の原因となる。また、ワイヤの束状集合が目視できない程度に小さい場合であっても、透明導電膜のヘイズを増加させる要因となり、好ましくない。
発明者らの検討によれば、増粘剤にHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を使用した従来の銀ナノワイヤインクの場合、インク中にフッ素系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤を添加する等の手段を用いることによって、ダイコーター塗工による透明導電膜の形成が十分可能であり、束状集合の発生も許容範囲に抑えられることが確認されている。しかし、このような界面活性剤を添加した銀ナノワイヤインクを用いると、得られる導電膜のシート抵抗が高くなりやすいという問題がある。そこで発明者らは、特段に界面活性剤を添加しなくてもダイコーター塗工において束状集合が生じにくい銀ナノワイヤインクの検討を進めた。その結果、増粘剤としてHPMCではなく、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を用いた銀ナノワイヤインクにおいて、界面活性剤に頼ることなく、ダイコーター塗工での束状集合の発生が顕著に抑制できることが明らかとなり、その手法を特願2016−126195に開示した。
しかしながら、HEMCを含有する銀ナノワイヤインクによって形成した導電膜は、経時劣化に伴う導電性の低下が比較的早いという問題を生じやすく、所定の導電性を長期間にわたって維持しうる「長期安定性」に関して改善の余地があった。
本発明は、導電塗料用粘度調整剤として特に長期安定性に優れた導電膜を形成する上で有用である精製されたHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を提供することを目的とする。また、それを用いた銀ナノワイヤインクおよび導電膜を提供することを目的とする。
発明者らは、HEMCを含有する銀ナノワイヤインクにより形成された導電膜において導電性の早期低下が生じやすい原因を、種々検討してきた。その結果、HEMCの合成過程で混入する塩素成分が透明導電膜中に入ると、導電膜の経時劣化が促進され、早期に導電性が低下するという問題が生じやすいことを知見した。
特許文献1〜3の技術で使用されているHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の場合は、温度の高い水への溶解度が極めて低いため、HPMCの粉体を熱水に添加し強撹拌するとHPMC自体は溶解しないが、HPMC粉体中に不純物として含まれる塩化物イオンやナトリウムイオンなどは熱水に溶解する。したがって、不純物を熱水に溶解し、不純物を含む熱水を分離することで精製を行う「熱時ろ過」の精製手法が適用可能であり、不純物の少ないHPMCを比較的容易に得ることができる。これに対し、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)は、HPMCとは異なり熱水にも溶ける。そのため「熱時ろ過」を利用して精製することができない。そこで、発明者らはHEMCの製品粉体から不純物を分離する精製手法について種々検討し、HEMC成分を溶液中に析出させて分離回収する後述の手法により、不純物の少ない精製されたHEMC粉体を得ることが可能であることを見いだした。そして、市販のHEMC粉末や、この手法により精製されたHEMC粉体を種々使用して導電塗料を作製し、導電膜の経時劣化に及ぼす要因を詳細に調べたところ、特に塩素成分の含有量が低いHEMC粉体を使用した場合に、導電膜の長期安定性が顕著に向上することを発見した。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
上記目的を達成するために、本明細書では以下の発明を開示する。
[1]HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を主成分とする固体物質であって、HEMC100質量部に対する塩素の含有量が0.20質量部以下であるHEMC含有物質。
[2]HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)が水系溶媒中に溶解している液状物質であって、HEMC100質量部に対する塩素の含有量が0.20質量部以下であるHEMC含有物質。
[3]上記[1]または[2]に記載のHEMC含有物質からなる導電塗料用粘度調整剤。
[4]上記[1]または[2]に記載のHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)含有物質が溶解している水系溶媒中に銀ナノワイヤを有する銀ナノワイヤインクであって、当該インク中の塩素含有量が銀100質量部に対し1.20質量部以下である銀ナノワイヤインク。
[5]当該インク中の塩素含有量がHEMC100質量部に対し0.90質量部以下である上記[4]に記載の銀ナノワイヤインク。
[6]当該インク中のHEMC含有量が銀100質量部に対し10〜500質量部である上記[4]または[5]に記載の銀ナノワイヤインク。
[7]水系溶媒が水とアルコールの混合溶媒であり、インク中に占めるアルコール含有量が1.0〜25.0質量%である上記[4]〜[6]のいずれかに記載の銀ナノワイヤインク。
[8]銀ナノワイヤは、平均長さが10.0μm以上であり、かつ平均長さと平均直径の比で表される平均アスペクト比が200以上である上記[4]〜[7]のいずれかに記載の銀ナノワイヤインク。
[9]銀ナノワイヤは、ビニルピロリドンと親水性モノマーとのコポリマーに被覆されたものである上記[4]〜[8]のいずれかに記載の銀ナノワイヤインク。
[10]原料であるHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)粉体を溶解させた水溶液と、HEMCの溶解度が水よりも小さく且つ水と混じり合う性質の有機溶媒Aを混合することによって、その混合液中にHEMCを固形分として析出させる工程(析出工程)、
前記固形分をろ過により回収する工程(ろ過工程)、
を有する上記[1]に記載のHEMC含有物質の製造法。
[11]原料であるHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)粉体を溶解させた水溶液と、HEMCの溶解度が水よりも小さく且つ水と混じり合う性質の有機溶媒Aを混合することによって、その混合液中にHEMCを固形分として析出させる工程(析出工程)、
前記固形分をろ過により回収する工程(ろ過工程)、
前記ろ過工程で回収された固形分、または前記ろ過工程で回収された固形分を乾燥させた固体物質を、水系溶媒中に溶解させる工程(溶液化工程)、
を有する上記[2]に記載のHEMC含有物質の製造法。
[12]前記有機溶媒Aがアセトンである上記[10]または[11]に記載のHEMC含有物質の製造法。
[13]原料であるHEMC粉体は、HEMC100質量部に対し、0.30質量部以上の塩素を含有するものである上記[10]〜[12]のいずれかに記載のHEMC含有物質の製造法。
[14]銀ナノワイヤを含有する水系溶媒と、上記[1]または[2]に記載のHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)含有物質を混合する工程、を有する銀ナノワイヤインクの製造法。
[15]上記[4]〜[9]のいずれかに記載の銀ナノワイヤインクを用いた導電膜。
ここで、「HEMCを主成分とする固体物質」は、当該固体物質を構成する成分のうち質量割合の最も大きい成分がHEMCである。特に、HEMC含有量が95質量%以上であるHEMC含有固体物質は導電塗料用粘度調整剤として好適である。固体物質の代表的な形態として、乾燥粉体や、有機溶媒あるいは水系溶媒が付着した状態の固形分が挙げられる。「水系溶媒」とは、水、または水と水溶性物質との混合溶液からなる溶媒であって、溶媒を構成する物質に占める水の配合割合が30質量%以上である溶媒をいう。銀ナノワイヤの平均長さ、平均直径、平均アスペクト比は以下の定義に従う。
〔平均長さ〕
顕微鏡画像(例えばFE−SEM画像)上で、ある1本の銀ナノワイヤの一端から他端までのトレース長さを、そのワイヤの長さと定義する。顕微鏡画像上に存在する個々の銀ナノワイヤの長さを平均した値を、平均長さと定義する。平均長さを算出するためには、測定対象のワイヤの総数を100以上とする。ただし、長さが1.0μm未満であるワイヤ状生成物や、最も長い部分の長さ(「長径」という)と、長径に対して直角方向の最も長い部分の長さ(「短径」という)の比(「軸比」という)が5.0未満である粒状生成物は、測定対象から外す。
〔平均直径〕
顕微鏡画像(例えばFE−SEM画像)上で、ある1本の銀ナノワイヤにおける太さ方向両側の輪郭間の平均幅を、そのワイヤの直径と定義する。顕微鏡画像上に存在する個々の銀ナノワイヤの直径を平均した値を、平均直径と定義する。平均直径を算出するためには、測定対象のワイヤの総数を100以上とする。ただし、長さが1.0μm未満であるワイヤ状生成物や、上述の軸比が5.0未満である粒状生成物は、測定対象から外す。
〔平均アスペクト比〕
上記の平均直径および平均長さを下記(1)式に代入することにより平均アスペクト比を算出する。
[平均アスペクト比]=[平均長さ(nm)]/[平均直径(nm)] …(1)
本発明によれば、塩素含有量が少なく、かつ、水に溶解させる際に粗大なゲル状粒子の生成量が顕著に抑制される性質を有するHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)含有固体物質が実現される。このHEMC含有固体物質や、その固体物質を溶媒中に溶解させた液状のHEMC含有物質は銀ナノワイヤインクをはじめとする導電塗料用の粘度調整剤として有用である。また、このHEMCを用いた銀ナノワイヤインクは、所定の導電性を長期間にわたって維持しうる耐久性に優れた透明導電膜の形成に極めて有用である。
〔水溶性セルロースエーテル〕
水溶性セルロースエーテルは、セルロースが有しているOH基の水素原子の多くを置換基によって置換することにより水溶性を付与したものである。例えば、OH基の水素原子をメチル基(−CH3)で置換するとメトキシ基(−OCH3)が形成され、ヒドロキシプロピル基(−CH2CHOHCH3)で置換するとヒドロキシプロポキシ基(−OCH2CHOHCH3)が形成され、ヒドロキシエチル基(−CH2CH2OH)で置換するとヒドロキシエトキシ基(−OCH2CH2OH)が形成される。これらの置換基を有する部分ではセルロース分子間の水素結合が解消され、それによってセルロース分子間に水分子が入り込む余地ができ、水溶性を呈するようになる。その置換基として、メトキシ基(−OCH3)とヒドロキシプロポキシ基(−OCH2CHOHCH3)を導入したものがHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)であり、メトキシ基とヒドロキシエトキシ基(−OCH2CH2OH)を導入したものがHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)である。HPMCや、HEMCは、通常、乾燥した粉体の状態で工業用材料として市場に供給されている。本発明は、熱水にも溶解するために「熱時ろ過」による精製手法が適用できないHEMCを対象としている。
〔塩素含有量〕
合成後に洗浄されたHEMCの粉体製品(以下、これを「原料HEMC粉体」と言う。)には、通常、原料物質や製造工程で添加される物質などから混入する塩素が、HEMC100質量部当たり0.35質量部(3500ppm)を超える量で含まれている。これを導電塗料の増粘剤としてそのまま使用すると、塗工条件によっては、要求される粘度に調整するために必要なHEMC添加量としたとき、透明導電膜中に入り込む塩素量が多くなりすぎて導電膜の性能劣化が懸念される場合が考えられる。種々検討の結果、塩素含有量がHEMC100質量部当たり0.20質量部(2000ppm)以下に低減されているHEMC含有物質であれば、多くの導電塗料の用途において、HEMCからの塩素混入に起因する導電膜の性能劣化を気にすることなく、増粘剤として使用できるようになる。塩素含有量がHEMC100質量部当たり0.20質量部(2000ppm)以下に低減されているHEMC含有物質であることがより効果的である。このように塩素含有量が大幅に低減されたHEMC含有物質は、アセトンなどの液状媒体を用いた後述の精製方法によって、固体物質として得ることができる。この精製によって塩素含有量が上記のように減じられたHEMCで構成される固体物質、あるいはその固体物質を溶媒中に溶解させた液状のHEMC含有物質を「精製HEMC含有物質」と呼ぶ。精製HEMC含有物質の塩素含有量は低いほど好ましいが、過剰な精製は生産性低下の要因となる。精製HEMC含有物質の塩素含有量は例えばHEMC100質量部当たり0.001質量部(10ppm)以上の範囲とすればよく、HEMC100質量部当たり0.01質量部(100ppm)以上の範囲に管理してもよい。HEMC含有物質中の塩素含有量は、燃焼管分解−イオンクロマトグラフ法によって測定することができる。
〔銀ナノワイヤインク〕
上記の精製HEMC含有物質を配合した導電塗料の好ましい例として、以下に銀ナノワイヤインクを例示する。
(銀ナノワイヤ)
銀ナノワイヤインクに使用する銀ナノワイヤは、導電性と視認性に優れた透明導電塗膜を形成する観点から、できるだけ細くて長い形状であるものが好ましい。例えば、平均直径が50nm以下、平均長さが10μm以上であることが望まれる。平均直径30nm以下、平均長さ10μm以上のものを使用することがより好ましい。平均アスペクト比は200以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましい。
このような細くて長い銀ナノワイヤは、有機保護剤存在下のアルコール溶媒中において溶媒であるアルコールの還元力を利用して銀をワイヤ上に析出させる公知の手法(アルコール溶媒還元法)によって得ることができる。有機保護剤としてはPVPや、ビニルピロリドンと他のモノマーとのコポリマーが使用できる。銀ナノワイヤの表面には通常、合成時に使用した有機保護剤が付着しており、その有機保護剤が液中分散性を担っている。
上記のビニルピロリドンと他のモノマーとのコポリマーでは、アルコールを添加した水系溶媒中における分散性を、PVPよりも向上させることができる。そのためには、親水性モノマーの構造単位を有するコポリマーであることが重要である。ここで、親水性モノマーとは、25℃の水1000gに1g以上溶解する性質を持つモノマーを意味する。具体的には、ジアリルジメチルアンモニウム(Diallyldimethylammonium)塩モノマー、アクリレート系またはメタクリレート系のモノマー、マレイミド系のモノマーなどが挙げられる。例えば、アクリレート系またはメタクリレート系のモノマーは、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。また、マレイミド系モノマーとしては、4−ヒドロキシブチルアクリレート、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミドが挙げられる。
(インク組成)
銀ナノワイヤインクは、液状媒体と、その中に分散している銀ナノワイヤで構成される。本発明に従う銀ナノワイヤインクでは、当該インクを構成する液状媒体中に、HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を含有させている。有機化合物HEMCは水溶媒や、水とアルコールの混合溶媒に溶解可能であり、カルボキシル基など銀に配位する配位子を持たない。発明者らの検討によれば、「ビニルピロリドンと親水性モノマーとのコポリマーに被覆された銀ナノワイヤ」と「HEMCを主成分とする粘度調整剤」を組み合わせたときには、「PVPに被覆された銀ナノワイヤ」と「HPMCを主成分とする粘度調整剤」を組み合わせた場合と比べ、特にアルコールを含有する水系溶媒を使用したインクにおいて、フッ素系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤の添加に頼ることなく、塗布された導電塗膜中での銀ナノワイヤの分散性を改善することができる。銀ナノワイヤ同士が束状集合を形成しやすいダイコーター塗工においては、束状集合の生成が効果的に抑止できる。
銀ナノワイヤインクを構成する液状媒体(固体物質以外の部分)には、水系溶媒の成分と、HEMCが含まれる。HEMC以外の有機物質(例えばバインダー機能を有する有機物質など)が添加された銀ナノワイヤインクでは、その有機物質も液状媒体の構成要素となる。一方、液状媒体中に分散している銀ナノワイヤは、金属銀と、有機保護剤の成分を構成要素に持つ。銀ナノワイヤインクに占める液状媒体の割合は95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上に管理してもよい。
本明細書において「水系溶媒」は前述のように、水、または水と水溶性物質との混合溶液からなる溶媒であって水の配合割合が30質量%以上である溶媒をいう。粘度調整剤(増粘剤)として使用するHEMCは、水に良く溶け、水とアルコール等の混合溶媒の場合は水の配合割合が30質量%以上の範囲では通常、工業的に実施可能な溶解性を呈する。したがって、ここでは水の配合割合が30質量%以上である溶媒を「水系溶媒」として適用する。水の配合割合が50質量%以上である水系溶媒を適用するように管理してもよい。
水系溶媒を「水とアルコールの混合溶媒」とすることによって、PET等の基材への濡れ性を改善することができる。「水とアルコールの混合溶媒」を使用する場合は、そのアルコールとして、溶解度パラメータ(SP値)が10以上の極性を有するものが好ましい。例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)などの低沸点アルコールが好適に使用できる。なお、SP値は、水:23.4、メタノール:14.5、エタノール:12.7、2−プロパノールが11.5であるとされる。水とアルコールの混合溶媒を適用する場合、インク中に占めるアルコール含有量が1.0〜25.0質量%の範囲に調整されたインクとすることが好ましい。ここで記載のSP値は、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値である。
良好な導電性を長期間にわたって維持できる耐久性の高い透明導電膜を形成させる観点から、インク中の塩素含有量は、銀100質量部に対し1.20質量部以下であることが望ましく、1.00質量部以下であることがより好ましい。0.60質量部以下に調整することも可能である。インク中の塩素成分はHEMCの他、銀ナノワイヤ表面の有機保護剤からも混入しうるが、上記の精製HEMC含有物質を使用することによって、インク中の塩素含有量は、HEMC100質量部に対し0.90質量部以下の範囲に調整することができ、0.40質量部以下とすることも可能である。
インク中のHEMC含有量は、銀100質量部に対し10〜500質量部の範囲で設定すればよい。フッ素系、ノニオン系、カチオン系などの界面活性剤を添加しない場合においても、インク中のHEMC濃度(銀ナノワイヤを含めたインクの総質量に対するHEMCの含有割合)を0.01質量%以上確保すると、塗布された導電塗膜中での銀ナノワイヤの分散性が向上し、例えばダイコーター塗工においてはワイヤの束状集合の生成抑止効果が明らかに認められる。0.05質量%以上とすることがより好ましい。過剰にHEMCを含有させるとインクの粘度が過大となる。これまでの研究によれば、インク中のHEMC濃度は、1.0質量%以下とすることが好ましい。銀ナノワイヤインク中におけるHEMC濃度はNMRのスペクトルを解析することによって判る。また、使用するHEMCの重量平均分子量は例えば100,000〜1,200,000の範囲とすることができる。HEMCの重量平均分子量は例えばGPC−MALS法により確認することができる。
〔精製HEMC含有物質の製造〕
本発明に従う精製HEMC含有物質は、例えば以下の手法によって得ることができる。
原料物質として前述の「原料HEMC粉体」を用意する。原料HEMC粉体はメーカーでの洗浄過程を経ているが、その洗浄で除去できなかった塩素が残留しており、粉体中の塩素含有量は一般に3500ppmを超えている。この原料HEMC粉体を水に溶解させて水溶液とする。後述の有機溶媒Aとの混合を行う温度における溶解度の範囲内で、できるだけ多量のHEMCを溶解させることが望ましい。有機溶媒Aとの混合を常温で行う場合であれば、水溶液中のHPMC濃度は例えば0.5〜2.0質量%とすればよい。強撹拌を行うことによって溶解を促進させる。投入したHEMCが十分に溶解した後、溶解しきれずに残ったHEMCのゲル状(ゼリー状)粒子をろ過により取り除き、HEMC水溶液を回収する。
少なくともある温度域Xで、HEMCの溶解度が水よりも小さく、且つ水と混じり合う性質を呈する有機溶媒Aを用意する。そして、上記のHEMC水溶液と、有機溶媒Aを混合する。この混合を上記温度域Xにおいて行うことによって、混合溶媒に対するHEMCの溶解度は、水に対する溶解度よりも低下する。このとき、HEMCの溶解量が溶解度を超えて過飽和となるように十分な量の有機溶媒Aを混合することによって、過飽和となったHEMCが固形分として析出する。原料HEMC粉体中に含まれていた大部分の塩素成分や、アルカリ金属成分の他、種々の不純物成分を混合溶媒中に溶解させたままの状態で、HEMCの固形分を析出させることができる。特に、HEMC粉体を水に溶解させる際に、ゲル状粒子の形成を促進させる作用があると考えられる疎水性の不純物(疎水成分)が、有機溶媒Aに溶解する性質を有するものであるときは、その疎水成分も混合溶媒中に溶解したまま残すことが可能となる。この工程を「析出工程」と呼ぶ。
HEMCの析出が終了したのち、液をろ過してHEMCの固形分を回収する。この工程を「ろ過工程」と呼ぶ。その後、回収された固形分を乾燥することにより、精製HEMC含有物質を固体物質して得ることができる。より高純度化を狙う場合は、析出工程およびろ過工程を複数回行っても構わない。その場合、2回目以降の析出工程では、「原料であるHEMCが溶解している水溶液」に代えて、「前回のろ過工程で回収されたHEMCが溶解している水溶液」を適用する。また、ろ過工程で回収された固形分を水に溶解させず、そのまま有機溶媒A中に投入し、撹拌・ろ過することにより高純度化してもよい。
有機溶媒Aとしては、例えばアセトン、エタノール、2−プロパノール、などが使用可能である。なかでもアセトンは、常温でHEMCの溶解度が非常に小さいので、好適である。発明者らの検討によれば、アセトンを用いて製造した精製HEMC含有物質は、塩素含有量が低減されていることに加え、水に溶解させる際に粗大なゲル状粒子の生成が顕著に抑制される性質を備えており、工業的に導電塗料を調合する際の粘度調整剤として極めて有用である。これを用いると、従来の銀ナノワイヤインクに多用されているHPMCのように「熱時ろ過」などの煩雑な操作を行うことなく、常温で比較的容易にゲル状粒子の少ない溶液を得ることができる。アセトンは、原料HEMC粉体中に不可避的に混入している疎水成分の多くが溶解し得る性質を有しているものと推測される。
HEMC水溶液に対する有機溶媒Aの混合割合が少なすぎるとHEMCの析出が不十分となってゲル状物質が生成し、ろ過工程でのHEMC回収が難しくなる。一方、有機溶媒Aを過剰に混合してもHEMCの析出効果は飽和してしまう。有機溶媒Aとしてアセトンを使用する場合、前記析出工程ではHEMC水溶液に対して体積比で2〜10倍量のアセトンを混合し、撹拌を例えば10〜60分継続して行うことが好ましい。
上記のろ過工程で回収された固形分は、溶媒物質が付着した未乾燥の状態のまま、銀ナノワイヤインク等の導電塗料用粘度調整剤として使用することができる。また、回収された上記固形分に付着している溶媒物質を揮発させることによって、乾燥粉体とすることができる。この乾燥粉体は、従来のHEMC粉体製品に代えて、導電塗料用粘度調整剤をはじめとする種々の用途に適用できる。さらに、前記ろ過工程で回収された固形分、または前記ろ過工程で回収された固形分を乾燥させた固体物質を、水系溶媒中に溶解させる工程(溶液化工程)に供することによって、液状の精製HEMC含有物質を得ることができる。この液状のHEMC含有物質は、すでにHEMCが溶解しているので、銀ナノワイヤインク等の導電塗料を調製する際の導電塗料用粘度調整剤として利用しやすい。
〔比較例1〕
原料HEMC粉体として、重量平均分子量910,000のHEMC粉体製品(巴工業社製)を用意した。この原料HEMC粉体中の塩素含有量を以下の方法で調べた。その結果、塩素含有量はHEMC100質量部に対し0.470質量部(4700ppm)であった。
(原料HEMC粉体中の塩素含有量の測定)
原料HEMC粉体中の塩素含有量は、HEMC粉体を加湿燃焼させ、生成ガスを吸収液中に吸収し、イオングロマトグラフにより吸収液中のイオン量を定量する方法により求めた。詳細な分析条件は以下の通りである。
[試料燃焼部]
・装置:三菱化学アナリテック製AQF−100
[イオンクロマトグラフ]
・装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック製ICS−1600
・検出器:電気伝導度検出器
・カラム:AS12A
・溶離液:2.7mM Na2CO3+0.3mM NaHCO3
・流速:1.2mL/min
・内標準物質:酒石酸イオン(5mg/kg)
撹拌機で強撹拌してある99℃の熱湯2500g中に、上記原料HEMC粉体37.5gを投入し、そのまま強撹拌を24時間継続したのち、10℃まで冷却した。冷却後の液を目開き100μmの金属メッシュによりろ過し、非常に粗大なゲル状異物が除去されたHEMC水溶液を得た(これを「原料HEMC水溶液」と呼ぶ。)。このHEMC水溶液を20g分取し、純水を用いて固形分濃度を0.15質量%に希釈したサンプル液を作製し、液中パーティクルカウンタ(リオン社製;KS−61)を用いてサンプル液中の粒状物の数を測定した。カウントされる粒状物は、液中に完全に溶解しきれなかったHEMCのゲル状粒子であるとみなされる。
HEMC水溶液を銀ナノワイヤインクの粘度調整に使用する場合、この計測によりカウントされる粒径10μmを超える粒子は、ダイコーター塗工でのノズル詰まりの原因となりやすく、その粒子中に集積している銀ナノワイヤは透明導電回路のショートの原因となりやすい。また、粒径10μm以下の粒子であっても、粒径5μmを超えるものが多量に存在すると、その粒子中に集積している銀ナノワイヤが細線化された透明導電回路でショートを引き起こす確率が高まる。そこで、本比較例および以下の実施例1、比較例2、3で得られたHEMC水溶液について、パーティクルカウンタにより計測される粒径5μmを超える各粒度段階の積算粒子数を、液1mL当たりの粒子数に換算して表1に例示する。
〔実施例1〕
有機溶媒Aとしてアセトン(和光純薬工業社製)を用意した。
比較例1で得られた「原料HEMC水溶液」に、常温で、その原料HEMC水溶液に対して体積比で8倍量の上記有機溶媒Aを加えたところ、HEMCが析出した。析出後、30分間撹拌を行った。この操作により沈殿物を得た。沈殿物を含んだ液を目開き150μmの金属メッシュでろ過し、HEMCを固形分として回収した。得られた固形分を真空乾燥して、精製HEMC粉体を得た。回収した固形分を、上記の「原料HEMC水溶液」に対する体積比で2倍量の有機溶媒A(アセトン)中に添加し、30分撹拌した。撹拌後、固形分を含んだ液を再度目開き150μmの金属メッシュでろ過し、HEMCを固形分として回収した。この固形分を真空乾燥し、固体物質としての精製HEMC含有物質(以下これを「精製HEMC固体物質」と呼ぶ。)を得た。
得られた精製HEMC固体物質について、比較例1と同様の方法で塩素含有量を測定した。その結果、この精製HEMC固体物質中の塩素含有量はHEMC100質量部に対し0.081質量部(810ppm)であり、原料HEMC粉体の0.470質量部(4700ppm)より大幅に減少していることが確認された。また、比較例1と同様の方法で、この精製HEMC固体物質の水溶液を作製し、その水溶液中の粒子数をパーティクルカウンタにより計測した。表1に示した通り、原料HEMC粉体の水溶液(比較例1)と比べ各粒度段階で粒子数は大幅に減少しており、水への溶解性が顕著に改善されていることが確認された。
Figure 2019006844
〔比較例2〕
(銀ナノワイヤの合成)
以下の手法で銀ナノワイヤを得た。
アルコール溶媒としてプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、銀化合物として硝酸銀、塩化物として塩化リチウム、臭化物として臭化カリウム、アルミニウム塩として硝酸アルミニウム九水和物、アルカリ金属水酸化物として水酸化リチウム、有機保護剤としてビニルピロリドンとジアリルジメチルアンモニウムナイトレイト(diallyldimethylammonium nitrate)のコポリマー(ビニルピロリドン99質量%、ジアリルジメチルアンモニウムナイトレイト1質量%でコポリマー作成、重量平均分子量75,000)を用意した。
常温にて、プロピレングリコール7800g中に、塩化リチウム0.484g、臭化カリウム0.1037g、水酸化リチウム0.426g、硝酸アルミニウム九水和物含有量が20質量%であるプロピレングリコール溶液4.994g、ビニルピロリドンとジアリルジメチルアンモニウムナイトレイトのコポリマー83.875gを添加して溶解させ、溶液Aとした。これとは別の容器で、プロピレングリコール320g中に硝酸銀67.96gを添加して、室温で撹拌して溶解させ、銀を含有する溶液Bを得た。
上記の溶液Aを反応容器に入れ、常温から大気開放下で90℃まで撹拌しながら昇温したのち、溶液Aの中に、溶液Bの全量を1分かけて添加した。溶液Bの添加終了後、さらに撹拌状態を維持して90℃で24時間保持した。その後、反応液を常温まで冷却した。
常温まで冷却された上記反応液を1L分取し、容量35LのPFAボトルに移液した後、アセトンを20kg添加し15分撹拌した。その後24時間静置した。
静置後、濃縮物と上澄みが観察されたため、上澄み部分を除去し、濃縮物を得た。得られた濃縮物に1質量%のPVP水溶液を適量添加し、3時間撹拌して、銀ナノワイヤが再分散したことを確認した。撹拌後に、アセトンを2kg添加し10分撹拌後、静置した。静置後、新たに濃縮物と上澄みが観察されたため、上澄み部分を除去し、濃縮物を得た。得られた濃縮物に160gの純水を加え、銀ナノワイヤを再分散させた。再分散後の銀ナノワイヤ分散液に対し、アセトンを2kg添加したのち、30分撹拌後、静置した。静置後、新たに濃縮物と上澄みが観察されたため、上澄み部分を除去し、濃縮物を得た。得られた濃縮物に0.5質量%のPVP水溶液を適量添加し、12時間撹拌した。
12時間撹拌後の銀ナノワイヤ含有液を純水で希釈し、銀ナノワイヤ含有量が0.01質量%となるように調整した。このようにして、洗浄後の銀ナノワイヤ含有液を得た。この洗浄工程を終えた時点で、銀ナノワイヤの平均長さは16.1μm、平均直径は25.0nm、平均アスペクト比は、16100/25≒644であった。
この銀ナノワイヤ含有液から分取したサンプル液を真空乾燥して、銀ナノワイヤを含む固形分を得た。この固形分の塩素含有量を以下の方法で調べた。その結果、この固形分中の塩素含有量は0.880質量%であった。
(銀ナノワイヤ含有固形分中の塩素含有量の測定)
銀ナノワイヤ含有固形分中の塩素含有量は、銀ナノワイヤ含有固形分を加湿燃焼させ、生成ガスを吸収液中に吸収し、イオングロマトグラフにより吸収液中のイオン量を定量する方法により求めた。詳細な分析条件は以下の通りである。
[試料燃焼部]
・装置:三菱化学アナリテック製AQF−100
[イオンクロマトグラフ]
・装置:サーモフィッシャーサイエンティフィック製ICS−1600
・検出器:電気伝導度検出器
・カラム:AS12A
・溶離液:2.7mM Na2CO3+0.3mM NaHCO3
・流速:1.2mL/min
・内標準物質:酒石酸イオン(5mg/kg)
(インク化)
粘度調整用の液として、比較例1で作製した原料HEMC水溶液(塩素量4700ppmのHEMC粉体を溶解させた水溶液)を用意した。
水とアルコールの混合溶媒とするために添加するアルコールとして、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)を用意した。
バインダーとして、ウレタン樹脂を主成分とするエマルションを用意した。
1つの蓋付き容器に、上記の銀ナノワイヤ含有液(銀100質量部当たり0.880質量部の塩素を含む液)、上記原料HEMC水溶液、上記バインダーのエマルション、および2−プロパノール(イソプロピルアルコール)を入れ、蓋を閉めた後、この容器を上下に100回シェイキングする手法にて撹拌混合して、銀ナノワイヤインクを得た。インク中に占める各物質の含有量(インク組成)は、質量%で2−プロパノール10.0%、銀0.100%、増粘剤(HEMC)0.133%、バインダー0.067%であり、残部は水である。銀ナノワイヤの表面には有機保護剤が付着しているが、インク中に占める有機保護剤の含有量は上記各成分に比較して僅かであるため、インク組成としては無視しうる(以下の各例において同様)。
このインク中には、銀ナノワイヤ含有固形分に由来する塩素と、HEMC含有物質に由来する塩素が含まれている。それぞれに由来する塩素含有量は以下の通りである。ここで、銀ナノワイヤ含有固形分中に占める銀以外の物質は主として有機保護剤であるが、上記のように有機保護剤の含有量はインク組成としては無視しうるので、下記の計算では実質的に「インク中の銀ナノワイヤ含有固形分含有量(質量%)」を「インク中の銀含有量(質量%)」とみなして差し支えない。また、HEMC含有物質中において、HEMCの質量に比較して塩素の含有量は微量であるので、下記の計算では実質的に「HEMC含有物質中のHEMC100質量部に対する塩素量(質量部)」を「HEMC含有物質中の塩素含有量(質量%)」とみなして差し支えない。
[銀ナノワイヤ含有固形分由来の塩素含有量(質量%)]
=[インク中の銀ナノワイヤ含有固形分含有量(質量%)]×[銀ナノワイヤ含有固形分中の塩素含有量(質量%)]/100
≒[インク中の銀含有量(質量%)]×[銀ナノワイヤ含有固形分中の塩素含有量(質量%)]/100
=0.100×0.880/100
=0.00088質量%
[HEMC含有物質由来の塩素含有量(質量%)]
=[インク中のHEMC含有量(質量%)]×「HEMC含有物質中のHEMC100質量部に対する塩素量(質量部)」/100
≒[インク中のHEMC含有量(質量%)]×[HEMC含有物質中の塩素含有量(質量%)]/100
=0.133×0.47/100
=0.00063質量%
したがって、この銀ナノワイヤインク中の塩素含有量は、0.00088+0.00063=0.00151質量%であるとみなすことができる。これを、銀100質量部に対する塩素の質量部、およびHEMC100質量部に対する塩素の質量部に換算するとそれぞれ以下の通りとなる。
[銀100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.10×0.00151
=1.51質量部
[HEMC100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.133×0.00151
=1.14質量部
(導電膜)
厚さ100μm、寸法150mm×200mmのPETフィルム基材(東洋紡社製、コスモシャイン(登録商標)A4100)を用意した。上記の銀ナノワイヤインクを、巻き線直径12ミル(約305μm)のバーコーターにて上記PETフィルム基材の片面に塗布し、面積100mm×50mmの導電膜を形成し、120℃で1分間乾燥させた。この乾燥後の導電膜の表面抵抗(シート抵抗)を、非接触式のシート抵抗測定装置(ナプソン社製、EC−80P)により、PETフィルム基材の上記導電膜形成面とは反対側の面から測定した。このシート抵抗を「保護層形成前のシート抵抗」と呼ぶ。結果を表2に示してある。
(透明保護層)
透明保護層を形成するための塗料として、アクリル樹脂を主成分とする紫外線硬化樹脂を、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)と混合して、樹脂成分が30質量%である塗工液を調製した。この塗工液を、PETフィルム基材上に形成してある上記の導電膜の上に塗布した。塗布は、ブレードのギャップを67μmに設定したアプリケータを用いて、手引きによる非接触式の塗工方法にて行った。塗布後、80℃で5分間乾燥させ透明保護層を形成した。乾燥後すぐに、透明保護層を形成した後の導電膜の表面抵抗(シート抵抗)を上記と同様の方法で測定した。このシート抵抗を「保護層形成直後のシート抵抗」と呼ぶ。結果を表2に示してある。
上記のようにしてPETフィルム基材上に銀ナノワイヤインクを用いた導電膜と透明保護層を形成させた試料を、23℃の大気環境下に置いて、120時間保管した。透明保護層の形成から24時間経過後、96時間経過後、および120時間経過後の導電膜の表面抵抗(シート抵抗)を、それぞれ上記と同様の方法で測定した。結果を表2に示してある。
(シート抵抗変化率)
透明保護層形成のための塗工液を塗布した後の導電性維持性能を評価するために、下記(2)式および(3)式によって「シート抵抗変化率」を求めた。
0=(R0−RINIT)/RINIT×100 …(2)
X=(RX−RINIT)/RINIT×100 …(3)
ここで、
INIT:保護層形成前のシート抵抗(Ω/sq)
0:保護層形成直後のシート抵抗(Ω/sq)
X:透明保護層の形成からX時間経過後のシート抵抗(Ω/sq)
0:保護層形成直後のシート抵抗変化率(%)
X:透明保護層の形成からX時間経過後のシート抵抗変化率(%)
である。
この試験において、透明保護層の形成から96時間経過後のシート抵抗変化率A96、あるいは120時間経過後のシート抵抗変化率A120が低いほど、その導電膜は塩素やゲル状粒子の存在による性能低下が少なく、耐久性に優れると評価できる。結果を表2に示してある。
〔実施例2〕
インク化の工程において、粘度調整用の液を、比較例1で作製した原料HEMC水溶液(塩素含有量4700ppmのHEMC粉体を溶解させた水溶液)に代えて、実施例1で作製した精製HEMC水溶液(塩素含有量810ppmのHEMC粉体を溶解させた水溶液)を使用したことを除き、比較例2と同様の実験を行った。
この実施例で作成したインク中には、銀ナノワイヤ含有固形分に由来する塩素と、HEMC含有物質に由来する塩素が含まれている。それぞれに由来する塩素含有量を上述の比較例2と同様に求めると、以下の通りである。
[銀ナノワイヤ含有固形分由来の塩素含有量(質量%)]
=0.00088質量%(比較例2と同様)
[HEMC含有物質由来の塩素含有量(質量%)]
=[インク中のHEMC含有量(質量%)]×「HEMC含有物質中のHEMC100質量部に対する塩素量(質量部)」/100
≒[インク中のHEMC含有量(質量%)]×[HEMC含有物質中の塩素含有量(質量%)]/100
=0.133×0.081/100
=0.00011質量%
したがって、この銀ナノワイヤインク中の塩素含有量は、0.00088+0.00011=0.00099質量%であるとみなすことができる。これを、銀100質量部に対する塩素の質量部、およびHEMC100質量部に対する塩素の質量部に換算するとそれぞれ以下の通りとなる。
[銀100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.10×0.00099
=0.99質量部
[HEMC100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.133×0.00099
=0.74質量部
結果を表2に示してある。
〔参考例1〕
増粘剤として、HEMCではなく、従来多用されているHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を使用し、インク化の工程を以下のようにして行ったことを除き、比較例2と同様の実験を行った。
(インク化)
増粘剤として、重量平均分子量660,000のHPMC粉体製品(信越化学社製)を用意した。このHPMC粉体中の塩素含有量を上述の方法で測定したところ、530ppm(0.053質量%)であった。撹拌機で強撹拌してある熱水中にHPMCの粉体を投入し、その後、強撹拌を継続しながら40℃まで自然冷却させたのち、チラーを用いて10℃以下まで冷却した。撹拌後の液を目開き100μmの金属メッシュでろ過することによりゲル状の不溶成分を除去し、HPMCが溶解している水溶液を得た(これを後述の参考例2において「原料HPMC水溶液」と呼ぶ。)。
水とアルコールの混合溶媒とするために添加するアルコールとして、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)を用意した。
バインダーとして、ウレタン樹脂を主成分とするエマルションを用意した。
1つの蓋付き容器に、上記クロスフローろ過によって得られた銀ナノワイヤ分散液(媒体が水であるもの)、上記HPMC水溶液、上記バインダーのエマルション、および2−プロパノール(イソプロピルアルコール)を入れ、蓋を閉めた後、この容器を上下に100回シェイキングする手法にて撹拌混合して、銀ナノワイヤインクを得た。インク中に占める各物質の含有量(インク組成)は、質量%で2−プロパノール10.0%、銀0.10%、増粘剤(HPMC)0.133%、バインダー0.067%であり、残部は水である。
この参考例で作成したインク中には、銀ナノワイヤ含有固形分に由来する塩素と、HPMC含有物質(粉体製品)に由来する塩素が含まれている。それぞれに由来する塩素含有量を上述の比較例2と同様に求めると、以下の通りである。
[銀ナノワイヤ含有固形分由来の塩素含有量(質量%)]
=0.00088質量%(比較例2と同様)
[HPMC含有物質由来の塩素含有量(質量%)]
=[インク中のHPMC含有量(質量%)]×「HPMC含有物質中のHPMC100質量部に対する塩素量(質量部)」/100
≒[インク中のHPMC含有量(質量%)]×[HPMC粉体中の塩素含有量(質量%)]/100
=0.133×0.053/100
=0.00007質量%
したがって、この銀ナノワイヤインク中の塩素含有量は、0.00088+0.00007=0.00095質量%であるとみなすことができる。これを、銀100質量部に対する塩素の質量部、およびHPMC100質量部に対する塩素の質量部に換算するとそれぞれ以下の通りとなる。
[銀100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.10×0.00095
=0.95質量部
[HPMC100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.133×0.00095
=0.71質量部
シート抵抗変化率を、表2に示してある。
〔参考例2〕
参考例1で使用した原料HPMC水溶液に、常温で、その原料HPMC水溶液に対して体積比で8倍量の上記有機溶媒Aを加えたところ、HPMCが析出した。析出後、30分間撹拌を行った。この操作により沈殿物を得た。沈殿物を含んだ液を目開き150μmの金属メッシュでろ過し、HPMCを固形分として回収した。回収した固形分を、元々の原料HPMC水溶液に対して体積比で2倍量のアセトン中に添加し、30分撹拌した。撹拌後、固形分を含んだ液を再度目開き150μmの金属メッシュでろ過し、HPMCを固形分として回収した。得られた固形分を真空乾燥して、精製HPMC粉体を得た。この固形分を真空乾燥し、固体物質としての精製HPMC含有物質(以下これを「精製HPMC固体物質」と呼ぶ。)を得た。この精製HPMC固体物質中の塩素含有量を上述の方法で測定したところ、32ppm(0.0032質量%)であった。インク化工程でHPMC粉体として上記の精製HPMC固体物質を用いてHPMC水溶液を得たことを除き、参考例1と同様の実験を行った。
この参考例で作成したインク中には、銀ナノワイヤ含有固形分に由来する塩素と、HPMC含有物質に由来する塩素が含まれている。それぞれに由来する塩素含有量を上述の比較例2と同様に求めると、以下の通りである。
[銀ナノワイヤ含有固形分由来の塩素含有量(質量%)]
=0.00088質量%(比較例2と同様)
[HPMC含有物質由来の塩素含有量(質量%)]
=[インク中のHPMC含有量(質量%)]×「HPMC含有物質中のHPMC100質量部に対する塩素量(質量部)」/100
≒[インク中のHPMC含有量(質量%)]×[HPMC粉体中の塩素含有量(質量%)]/100
=0.133×0.0032/100
=0.000004質量%
したがって、この銀ナノワイヤインク中の塩素含有量は、0.00088+0.000004≒0.00088質量%であるとみなすことができる。これを、銀100質量部に対する塩素の質量部、およびHPMC100質量部に対する塩素の質量部に換算するとそれぞれ以下の通りとなる。
[銀100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.10×0.00088
=0.88質量部
[HPMC100質量部に対する塩素の質量部]
=100/0.133×0.00088
=0.66質量部
シート抵抗変化率を、表2に示してある。
Figure 2019006844
本発明に従う精製HEMC含有物質を粘度調整剤に用いた実施例2では、原料HEMC粉体を用いた比較例2と比べ、96時間経過後および120時間経過後のシート抵抗変化率が低く、透明導電膜の耐久性が顕著に向上した。HPMCを用いた参考例では、原料HPMC粉体中の塩素含有量が元々低いこともあり、耐久性の高い透明導電膜が得られている。ただし、塩素含有量をさらに減じた精製HPMC含有物質を使用しても、透明導電膜の耐久性向上効果は認められなかった(参考例1と参考例2の対比)。

Claims (15)

  1. HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)を主成分とする固体物質であって、HEMC100質量部に対する塩素の含有量が0.20質量部以下であるHEMC含有物質。
  2. HEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)が水系溶媒中に溶解している液状物質であって、HEMC100質量部に対する塩素の含有量が0.20質量部以下であるHEMC含有物質。
  3. 請求項1または2に記載のHEMC含有物質からなる導電塗料用粘度調整剤。
  4. 請求項1または2に記載のHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)含有物質が溶解している水系溶媒中に銀ナノワイヤを有する銀ナノワイヤインクであって、当該インク中の塩素含有量が銀100質量部に対し1.20質量部以下である銀ナノワイヤインク。
  5. 当該インク中の塩素含有量がHEMC100質量部に対し0.90質量部以下である請求項4に記載の銀ナノワイヤインク。
  6. 当該インク中のHEMC含有量が銀100質量部に対し10〜500質量部である請求項4または5に記載の銀ナノワイヤインク。
  7. 水系溶媒が水とアルコールの混合溶媒であり、インク中に占めるアルコール含有量が1.0〜25.0質量%である請求項4〜6のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤインク。
  8. 銀ナノワイヤは、平均長さが10.0μm以上であり、かつ平均長さと平均直径の比で表される平均アスペクト比が200以上である請求項4〜7のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤインク。
  9. 銀ナノワイヤは、ビニルピロリドンと親水性モノマーとのコポリマーに被覆されたものである請求項4〜8のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤインク。
  10. 原料であるHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)粉体を溶解させた水溶液と、HEMCの溶解度が水よりも小さく且つ水と混じり合う性質の有機溶媒Aを混合することによって、その混合液中にHEMCを固形分として析出させる工程(析出工程)、
    前記固形分をろ過により回収する工程(ろ過工程)、
    を有する請求項1に記載のHEMC含有物質の製造法。
  11. 原料であるHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)粉体を溶解させた水溶液と、HEMCの溶解度が水よりも小さく且つ水と混じり合う性質の有機溶媒Aを混合することによって、その混合液中にHEMCを固形分として析出させる工程(析出工程)、
    前記固形分をろ過により回収する工程(ろ過工程)、
    前記ろ過工程で回収された固形分、または前記ろ過工程で回収された固形分を乾燥させた固体物質を、水系溶媒中に溶解させる工程(溶液化工程)、
    を有する請求項2に記載のHEMC含有物質の製造法。
  12. 前記有機溶媒Aがアセトンである請求項10または11に記載のHEMC含有物質の製造法。
  13. 原料であるHEMC粉体は、HEMC100質量部に対し、0.30質量部以上の塩素を含有するものである10〜12のいずれか1項に記載のHEMC含有物質の製造法。
  14. 銀ナノワイヤを含有する水系溶媒と、請求項1または2に記載のHEMC(ヒドロキシエチルメチルセルロース)含有物質を混合する工程、を有する銀ナノワイヤインクの製造法。
  15. 請求項4〜9のいずれか1項に記載の銀ナノワイヤインクを用いた導電膜。
JP2017120683A 2017-06-20 2017-06-20 Hemc含有物質および銀ナノワイヤインク並びにそれらの製造法並びに導電膜 Abandoned JP2019006844A (ja)

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