JP2019056068A - 重荷重タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法 - Google Patents

重荷重タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に改良するようにした重荷重タイヤゴム組成物およびその製造方法を提供する。【解決手段】天然ゴム55〜70質量%と、ブタジエンゴム30〜45質量%とからなるゴム成分100質量部に、CTAB吸着比表面積が180〜300m2/gのシリカを40〜60質量部、窒素吸着比表面積が110〜150m2/gのカーボンブラックを3〜10質量部配合し、スルフィド結合を有するシランカップリング剤を、前記シリカの量の6〜15質量%含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、耐摩耗性および低転がり抵抗性に優れた重荷重タイヤ用ゴム組成物およびその製造方法に関する。
トラックおよびバス用タイヤとして使用される重荷重タイヤは、耐摩耗性に優れタイヤ寿命が長いことが重要視される。一方、近年、転がり抵抗に関する規制が厳しくなり、低転がり抵抗性の向上への要求が高まっている。低転がり抵抗性を付与するために、重荷重タイヤ用ゴム組成物にシリカを配合することが検討されるが、耐摩耗性が低下してしまうという課題がある。
このため、特許文献1は、天然ゴム並びにスチレンブタジエン共重合体ゴム及び/またはポリブタジエンゴムからなるゴム成分に、カーボンブラック、シリカと、特定構造の硫黄含有シラン化合物を配合してなるゴム組成物をキャップゴムに用いた重荷重用空気入りタイヤにより、耐摩耗性および低転がり抵抗性改良することを提案する。しかしながら、重荷重用空気入りタイヤに求められる耐摩耗性のレベルはより高く更なる改良が求められていた。
特開2008−38119号公報
本発明の目的は、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に改良するようにした重荷重タイヤゴム組成物およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の重荷重タイヤは、天然ゴム55〜70質量%と、ブタジエンゴム30〜45質量%とからなるゴム成分100質量部に、CTAB吸着比表面積が180〜300m2/gのシリカを40〜60質量部、窒素吸着比表面積が110〜150m2/gのカーボンブラックを3〜10質量部配合し、スルフィド結合を有するシランカップリング剤を、前記シリカの量の6〜15質量%含有することを特徴とする。
また本発明の重荷重タイヤの製造方法は、本発明の重荷重タイヤ用ゴム組成物を、混練工程、ロール工程、およびファイナル工程により製造する方法であって、前記混練工程が加硫系配合剤以外の原材料をバンバリーミキサーで混練する工程であり、前記ロール工程が、前記混練工程で得られた混合物をロールに供し、ロールギャップ0.5〜5mm、前記混合物の温度40〜100℃で混合する工程であり、前記ファイナル工程が、前記ロール工程で得られた混合物に、加硫系配合剤を添加し混合する工程である、ことを特徴とする。
本発明の重荷重タイヤ用ゴム組成物は、所定量の天然ゴムおよびブタジエンゴムに、微細粒子径のシリカと、少量のカーボンブラックを配合し、スルフィド結合を有するシランカップリング剤を配合するようにしたので、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に改良することができる。
前記ブタジエンゴムのシス1,4結合の含有割合は90%以上であるとよい。また前記ブタジエンゴムは、変性ブタジエンゴムを含むとよい。
本発明の重荷重タイヤ用ゴム組成物の製造方法は、混練工程、ロール工程、およびファイナル工程により製造し、混練工程で得られた混合物をロールに供し、ロールギャップ0.5〜5mm、前記混合物の温度40〜100℃で混合するロール工程を実施することにより、耐摩耗性および低転がり抵抗性のバランスを向上させ、特に耐摩耗性を一層優れたものにすることができる。
前記混練工程における混合物の温度は135〜155℃であり、そのときの混合物の温度Tiを測定間隔△t(秒)毎に測定し、下記の式(1)で求められる150℃に換算した熱履歴量HHSは50〜250秒であるとよい。
HHS=Σ[△t×exp(Ea/R×(1/To−1/Ti))] ・・・(1)
(式中、HHSは150℃に換算した熱履歴量、△tは測定間隔(秒)、Eaは活性化エネルギーでEa=22000cal/mol、Rは気体定数でR=1.987cal/(mol・K)、Toは基準温度でTo=150+273K、Tiは△t毎に測定したi番目の混練温度(K)である。)
重荷重タイヤ用ゴム組成物でトレッド部を構成し、タイヤの外径が700〜1400mmである重荷重タイヤは、耐摩耗性に優れ、転がり抵抗を従来レベル以上に低減することができ、トラックおよびバス用タイヤとして好適である。
本明細書において、重荷重タイヤとは、トラック、バス、建設車両に装着する大型空気入りタイヤをいい、重荷重タイヤ用ゴム組成物は、重荷重タイヤの構成部材、好ましくは、トレッドゴム、サイドゴムを形成するゴム組成物をいう。
重荷重タイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分は、天然ゴム55〜70質量%と、ブタジエンゴム30〜45質量%とからなる。天然ゴムは、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いることができ、変性された天然ゴムでもよい。天然ゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中、55〜70質量%、好ましくは60〜70質量%であるとよい。天然ゴムの含有量が55質量%未満であると、耐チッピング性が悪化する。また天然ゴムの含有量が70質量%を超えると、耐摩耗性が低下する。
一方、ブタジエンゴムの含有量は、ゴム成分100質量%中、30〜45質量%、好ましくは30〜40質量%であるとよい。ブタジエンゴムを含有することにより、耐摩耗性を向上することができる。ブタジエンゴムの含有量が30質量%未満であると、耐摩耗性が低下し、また転がり抵抗が大きくなる。またブタジエンゴムの含有量が45質量%を超えると、ゴム組成物の引張破断強度が低下し重荷重用タイヤにしたとき耐チッピング性が悪化する。
本発明において、ブタジエンゴムは、シス1,4結合の含有割合が好ましくは90%以上、より好ましくは93〜98%であるとよい。シス1,4結合の含有割合を90%以上にすることにより、耐摩耗性が向上する。シス1,4結合の含有割合が90%以上であるブタジエンゴムは、通常の方法で製造してもよいし、市販品の中から適宜選択して使用してもよい。
またブタジエンゴムは、変性ブタジエンゴムを含むことができ、転がり抵抗をより小さくするのに好適である。変性ブタジエンゴムは、シリカと反応性がある官能基を有するブタジエンゴムである。このような官能基として、例えばヒドロキシ基、ヒドロキシシリル基、アルコシキ基、カルボキシ基、アミノ基等を挙げることができる。変性ブタジエンゴムは、通常の方法で製造してもよいし、市販品の中から適宜選択して使用してもよい。
重荷重タイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分100質量部に、シリカを40〜60質量部、好ましくは45〜55質量部配合する。シリカを40質量部以上配合することにより、転がり抵抗を小さくし、耐摩耗性を改良することができる。シリカを60質量部以下配合することにより、転がり抵抗を小さくすることができる。
シリカのCTAB吸着比表面積は180〜300m2/g、好ましくは180〜250m2/gである。シリカのN2SAが180m2/g未満であると、耐摩耗性および低転がり抵抗性を改良する効果が十分に得られない虞がある。またシリカのN2SAが300m2/gを超えると、加工性が悪化する虞がある。本明細書において、シリカのN2SAは、JIS K6430に準拠して、測定するものとする。
本発明では、シリカと共にスルフィド結合を有するシランカップリング剤を配合する。スルフィド結合を有するシランカップリング剤を配合することにより、ゴム成分に対するシリカの分散性を向上し、耐摩耗性および低転がり抵抗性を改良する作用を高くすることができる。
スルフィド結合を有するシランカップリング剤の種類は、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、等を例示することができる。
シランカップリング剤の配合量は、シリカの質量に対し6〜15質量%、好ましくは7〜13質量%にする。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の6質量%未満であるとシリカの分散を十分に改良することができない虞がある。シランカップリング剤の配合量がシリカ配合量の15質量%を超えるとシランカップリング剤同士が縮合し、ゴム組成物における所望の硬度や強度を得ることができない。
重荷重タイヤ用ゴム組成物は、上述したゴム成分100質量部に、カーボンブラックを3〜10質量部、好ましくは5〜10質量部配合する。カーボンブラックを3質量部以上配合することにより、ゴムを黒色化することができる。カーボンブラックを10質量部以下配合することにより、ゴムを補強せず黒色化することができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、110〜150m2/g、好ましくは110〜140m2/gにする。カーボンブラックのN2SAが110m2/g未満であると、耐摩耗性が低下する虞がある。またカーボンブラックのN2SAが150m2/gを超えると、カーボンブラックが高価になる虞がある。本明細書において、カーボンブラックのN2SAは、JIS K6217−2に準拠して、測定するものとする。
本発明では、シリカ、カーボンブラック以外の他の無機充填剤を配合することができる。他の無機充填剤として、例えばクレー、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等を挙げることができる。他の無機充填剤を配合することにより、ゴム組成物が安価になる。
重荷重タイヤ用ゴム組成物には、加硫剤/架橋剤、加硫促進助剤、老化防止剤、素練促進剤、各種オイル、可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を、本発明の構成を阻害しない範囲で配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して重荷重タイヤ用ゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。
本発明の重荷重タイヤ用ゴム組成物の製造方法は、混練工程、ロール工程、およびファイナル工程からなり、混練工程では加硫系配合剤以外の原材料をバンバリーミキサーで混練し、ロール工程では、混練工程で得られた混合物をロールに供し、ロールギャップ0.5〜5mm、混合物の温度40〜100℃で混合し、ファイナル工程では、ロール工程で得られた混合物に、加硫系配合剤を添加し混合することにより、重荷重タイヤ用ゴム組成物を得る。
混練工程は、重荷重タイヤ用ゴム組成物に用いる原材料のうち、加硫系配合剤以外の原材料をバンバリーミキサーで混練する工程である。ここで加硫系配合剤とは、加硫剤/架橋剤、加硫促進助剤等を例示することができる。また、中空微粒子、熱膨張性マイクロカプセル等の高い剪断力が付加されることにより、破壊または機能が失われる原材料をいう。
この混練工程は、通常のゴム組成物の製造方法と同様に、剪断力の強さ、混練する温度および時間を適宜、調整することができる。混練工程の混練温度は、好ましくは135〜155℃、より好ましくは140〜150℃にするとよい。混練工程の混練温度を135℃以上にすることにより、粘度が低下し、加工性が向上する。また混練工程の混練温度を155℃以下にすることにより、耐摩耗性が向上する。ここで混練工程の混練温度は、混練工程における混合物の温度を測定するものとする。
混練工程において、混練する時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは200〜500秒、より好ましくは200〜300秒であるとよい。混練時間が200秒以上であると、シリカの分散性が向上する。また混練時間が500秒以下であると、ゴム硬度を確保することができる。
混練工程において、熱履歴量を特定することにより、得られる重荷重タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性および低転がり抵抗をより優れたものにすることができる。すなわち、混練工程における混合物の温度が135〜155℃であり、そのときの混合物の温度Tiを測定間隔△t(秒)毎に測定し、下記の式(1)で求められる150℃に換算した熱履歴量HHSを50〜250秒にすることが好ましく、より好ましくは100〜150秒にするとよい。
HHS=Σ[△t×exp(Ea/R×(1/To−1/Ti))] ・・・(1)
(式中、HHSは150℃に換算した熱履歴量、△tは測定間隔(秒)、Eaは活性化エネルギーでEa=22000cal/mol、Rは気体定数でR=1.987cal/(mol・K)、Toは基準温度でTo=150+273K、Tiは△t毎に測定したi番目の混練温度(K)である。)
本発明において、150℃に換算した熱履歴量HHSは、混合物の混練温度Ti(K)を測定間隔△t秒毎に測定し、上記式(1)のように、基準温度Toと混練温度Tiのそれぞれ逆数の差から計算される指数値に測定間隔△tを乗じて足し合わせることによりに求める。また、測定間隔の時間△t(秒)は、任意に設定することができるが、好ましくは0.2〜2.0秒、より好ましくは0.5〜1.0秒にするとよい。ここでΣ(△t)秒は、混練りした混練時間の合計である。式(1)中の添え字iは、1から測定終了に至るまでの順番を示す自然数である。例えばΣ(△t)=180秒、△t=0.5秒のとき、iは1〜360の自然数になる。熱履歴量HHSが50秒以上であると、シリカの分散性を向上することができる。また熱履歴量HHSが250秒以下であると、ゴム硬度を確保することができる。熱履歴量HHSは、混練温度(Ti)および混練時間の合計(Σ△t)を、増減することにより調整することができる。
混練工程で得られた混合物は、混練機から取り出され、ロール工程へ供される。このとき、混練機から取り出した混合物は、そのままロールへ供してもよいし、或は適宜、冷却し混合物の温度を下げてから、ロールへ供してもよい。
ロール工程では、混練工程で得られた混合物を、ロールギャップ0.5〜5mm、温度40〜100℃で繰り返し混合する。バンバリーミキサーで混練された混合物を、さらにロール工程で混合することにより、天然ゴムおよびブタジエンゴムに対するシリカの分散性を良好にするので、ゴム組成物の耐摩耗性をより優れたものにすることができる。ロール工程における混合物の温度は、40〜100℃であり、好ましくは60〜80℃である。混合物の温度を40℃以上にすることにより、ロールに過大な負荷を掛けなくすることができる。また混合物の温度を100℃以下にすることにより、ゴムに高いせん断を与え、シリカの分散性を高めることができる。
ロール工程に用いるミキシングロール機の大きさ(ロールの直径)は、特に制限されるものではなく、処理する混合物の量に基づき、適宜、選択することができる。ここで、ロールの大きさに関係なく、隣接するロール間のロールギャップは、0.5〜5mm、好ましくは1.0〜2.0mmであるとよい。ロールギャップを0.5mm以上にすることにより、ロール同士が接触するリスクを軽減できる。またロールギャップを5mm以下にすることにより、ゴムに高いせん断を与え、シリカの分散性を高めることができる。ここで、ロールギャップは、隣接するロールの外表面間の最小距離をいう。
ロール工程における混合時間は、特に制限されるものではないが、好ましくは100〜600秒、より好ましくは300〜500秒にするとよい。混合時間をこのような範囲にすることにより、シリカの分散性を向上するので、ゴム組成物の耐摩耗性をより優れたものにすることができる。なお、ロール工程は、1回行ってもよいし、複数回行ってもよい。ここで1回のロール工程とは、所定のロールギャップ、温度および混合時間で、混合することをいい、ロール工程を複数回行うとは、1回目のロール工程を終えた混合物を、ミキシングロールから取り出し、温度を調節しまたは調節しないで、別のミキシングロールまたは同じミキシングロールに供し、別のロール混合条件または同じロール混合条件で混合することをいい、これを任意の回数繰り返すことをいう。
本発明の製造方法は、ロール工程の後に、必要に応じ混合物の温度を冷ましてから、ファイナル工程へ供し、ロール工程で得られた混合物に加硫系配合剤を添加し混合する。ファイナル工程は、通常のゴム用混練機械、例えばバンバリーミキサー、ロール、ニーダー等を使用することができ、通常のゴム組成物の製造方法におけるファイナル工程と同様にして行うことができる。
本発明の重荷重タイヤ用ゴム組成物は、所定量の天然ゴムおよびブタジエンゴムに、微細粒子径のシリカと、少量のカーボンブラックを配合し、スルフィド結合を有するシランカップリング剤を配合するようにしたので、耐摩耗性および低転がり抵抗性を従来レベル以上に改良することができる。また本発明の重荷重タイヤ用ゴム組成物の製造方法は、耐摩耗性および低転がり抵抗性のバランスを向上させた重荷重タイヤ用ゴム組成物を効率よく製造することができ、特に耐摩耗性を一層優れたものにすることができる。重荷重タイヤ用ゴム組成物でトレッド部を構成し、タイヤの外径が700〜1400mmである重荷重タイヤは、耐摩耗性に優れ、転がり抵抗を従来レベル以上に低減することができ、トラックおよびバス用タイヤとして好適である。本発明が対象とする重荷重タイヤは、タイヤの外径が好ましくは900〜1200mmであるとよい。また重荷重タイヤの重さは、特に限定されるものではないが好ましくは20〜70kg、より好ましくは30〜60kgにすることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す共通配合を有し、表1に示す配合からなる13種類の重荷重タイヤ用ゴム組成物(実施例1〜10、比較例1〜3)を調製する。それぞれ硫黄および加硫促進剤からなる加硫系配合剤を除く成分を秤量し、270L密閉式バンバリーミキサーで約4〜8分間混練し、混練工程を行った後、得られた混合物を放出し室温冷却した。このとき混練温度が120℃以上になったときから混練り工程の終了まで(混合物を1.7L密閉式バンバリーミキサーから放出するまで)、測定間隔△t=1秒毎に混練温度Tiを測定し、前述の式(1)に基づき150℃に換算した熱履歴量HHSを演算した。得られた熱履歴量HHSを表1,2に示した。
270L密閉式バンバリーミキサーから放出し室温冷却した混合物を、再び270L密閉式バンバリーミキサーまたはミキシングロール(直径660mm)に供した。270L密閉式バンバリーミキサーに供したとき、表1中、「リミルの形態」の欄に「ミキサー」と記載し、ミキシングロールに供したとき、「リミルの形態」の欄に「ロール」と記載した。270L密閉式バンバリーミキサーを使用したリミルは、混練温度130〜140℃で約2〜3分間行った。またミキシングロールを使用したリミルは、表1に記載したロールギャップおよび混合物の混練温度でロール工程を実施し、このロール工程を2回繰り返した。
リミルにより得られた混合物を、室温で冷却した後、ロールに供し、硫黄および加硫促進剤からなる加硫系配合剤を添加、混合しファイナル工程を行い、重荷重タイヤ用ゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物を用いて、所定形状の金型を使用して160℃、30分間加硫成形し試験用サンプルを作成し、下記に示す方法により動的粘弾性tanδ(60℃)、耐摩耗性および引張破断伸びを評価した。
動的粘弾性tanδ(60℃)
得られた試験用サンプルの動的粘弾性を、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzで測定し、温度60℃におけるtanδを求めた。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数にし表1に示した。温度60℃におけるtanδ(60℃)の指数が小さいほど発熱性が小さく、重荷重タイヤにしたとき転がり抵抗性が小さく優れることを意味する。
耐摩耗性
得られた試験用サンプルのランボーン摩耗を、JIS K6264−2に準拠して、岩本製作所社製ランボーン摩耗試験機を使用し、荷重49N、スリップ率25%、時間4分、室温の条件で測定した。得られた結果は、比較例1を100とする指数にし表1に示した。ランボーン摩耗の指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
引張破断伸び
得られた試験用サンプルから、JIS K6251に準拠してJIS3号ダンベル型試 験片を切り出した。JIS K6251に準拠し温度20℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、引張破断伸びを測定した。得られた結果は、比較例1の値を100とする指数にし表1に示した。引張破断伸びの指数が大きいほど、重荷重タイヤにしたとき耐チッピング性が優れることを意味する。
Figure 2019056068
表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、TSR20
・BR:NIPOL BR1220(未変性BR、日本ゼオン社製)、シス1,4結合の含有割合が96%
・変性BR:変性ポリブタジエン(ランクセス社製CB24)、シス1,4結合の含有割合が96%
・シリカ1:ローディア社製ZEOSIL Premium 200MP、CTAB吸着比表面積:200m2/g
・シリカ2:ローディア社製ZEOSIL 1165MP、CTAB吸着比表面積:160m2/g
・CB1:カーボンブラック、東海カーボン社製シースト6、窒素吸着比表面積:119m2/g
・CB2:カーボンブラック、東海カーボン社製シースト9H、窒素吸着比表面積:142m2/g
・シランカップリング剤:Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、エボニックデグッサ社製
Figure 2019056068
表2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:酸化亜鉛3種、正同化学工業社製
・老化防止剤1:大内新興化学社製ノクラック6C
・老化防止剤2:精工化学社製ノンフレックスRD
・ワックス:サンノック、大内新興化学社製
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日油社製
・硫黄:ミュークロン OT−20(硫黄含有量が80質量%)、四国化成工業社製
・加硫促進剤:大内新興化学社製ノクセラーCZ
表1から明らかなように実施例1〜10の重荷重タイヤ用ゴム組成物は、低転がり抵抗性、耐摩耗性および耐チッピング性が優れる。
比較例1の重荷重タイヤ用ゴム組成物は、シリカのCTAB吸着比表面積が180m2/g未満であるので、低転がり抵抗性および耐摩耗性が実施例のゴム組成物に比べ劣る。
比較例2の重荷重タイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムが70質量%を超え、ブタジエンゴムが30質量%未満であるので、低転がり抵抗性および耐摩耗性が悪化する。
比較例3の重荷重タイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムが55質量%未満、ブタジエンゴムが45質量%を超えるので、耐チッピング性が悪化する。

Claims (6)

  1. 天然ゴム55〜70質量%と、ブタジエンゴム30〜45質量%とからなるゴム成分100質量部に、CTAB吸着比表面積が180〜300m2/gのシリカを40〜60質量部、窒素吸着比表面積が110〜150m2/gのカーボンブラックを3〜10質量部配合し、スルフィド結合を有するシランカップリング剤を、前記シリカの量の6〜15質量%含有することを特徴とする重荷重タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ブタジエンゴムのシス1,4結合の含有割合が90%以上であることを特徴とする請求項1に記載の重荷重タイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ブタジエンゴムが変性ブタジエンゴムを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の重荷重タイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の重荷重タイヤ用ゴム組成物を、混練工程、ロール工程、およびファイナル工程により製造する方法であって、
    前記混練工程が加硫系配合剤以外の原材料をバンバリーミキサーで混練する工程であり、前記ロール工程が、前記混練工程で得られた混合物をロールに供し、ロールギャップ0.5〜5mm、前記混合物の温度40〜100℃で混合する工程であり、
    前記ファイナル工程が、前記ロール工程で得られた混合物に、加硫系配合剤を添加し混合する工程である、
    ことを特徴とする重荷重タイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  5. 前記混練工程における混合物の温度が135〜155℃であり、そのときの混合物の温度Tiを測定間隔△t(秒)毎に測定し、下記の式(1)で求められる150℃に換算した熱履歴量HHSを50〜250秒にすることを特徴とする請求項4に記載の重荷重タイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    HHS=Σ[△t×exp(Ea/R×(1/To−1/Ti))] ・・・(1)
    (式中、HHSは150℃に換算した熱履歴量、△tは測定間隔(秒)、Eaは活性化エネルギーでEa=22000cal/mol、Rは気体定数でR=1.987cal/(mol・K)、Toは基準温度でTo=150+273K、Tiは△t毎に測定したi番目の混練温度(K)である。)
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の重荷重タイヤ用ゴム組成物でトレッド部を構成し、タイヤの外径が700〜1400mmである重荷重タイヤ。
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