JP2019053335A - 光学部品、画像表示装置及び光学部品の製造方法 - Google Patents

光学部品、画像表示装置及び光学部品の製造方法 Download PDF

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【課題】分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、例えば円偏光板により反射防止フィルムに適用して、反射色を黒色とする。【解決手段】逆分散波長特性の液晶材料による位相差層19を備えた光学部品13において、前記位相差層19は、波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上、1.182以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶材料による位相差層を備えた各種の光学部品に関する。
従来液晶材料による位相差層を備えた各種の光学部品が種々に提案、利用されている。例えば従来、画像表示装置に関して、画像表示パネルのパネル面(視聴者側面)に円偏光板によるフィルム形状の光学部品である反射防止フィルムを配置し、この反射防止フィルムにより外来光の反射を低減する方法が提案されている。ここでこの反射防止フィルムは、直線偏光板、1/4波長板の積層により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く1/4波長板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板により、直線偏光板で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。この1/4波長板は、液晶材料による位相差層により構成することができる。
この反射防止フィルムに関して、特許文献1、2等には、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長位相差層、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相差層を積層して1/4波長板を構成することにより、正の分散特性による液晶材料を使用して1/4波長板を逆分散特性により機能させる方法が開示されている。なおここで逆分散波長特性とは、透過光の波長が長くなるに従って透過光に与える位相差が増大する特性であり、より具体的に、波長450nmにおけるリタデーション(Re450)と、波長550nmにおけるリタデーション(Re550)との関係が、Re450<Re550である特性である。
このような位相差層に適用可能な液晶材料について、特許文献3、4等に、逆分散波長特性による液晶材料が開示されている。このような逆分散特性による液晶材料により位相差層を構成する場合、通常の正の波長分散特性による液晶材料により位相差層を構成する場合に比して、波長による光学特性の劣化を低減することができ、円偏光板による反射防止フィルムでは広い波長帯域で反射防止を図ることができる。
また特許文献5等には、パッシブ方式の3次元画像表示に利用するフィルム形状による光学部品であるパターン位相差フィルムに関する工夫が提案されている。
このような液晶材料による位相差層を逆分散波長特性による液晶材料により作製する場合、通常の正の波長分散特性による液晶材料により位相差層を構成する場合に比して波長による光学特性の劣化を低減することができる。しかしながら従来の逆分散波長特性による液晶材料を使用した位相差層にあっては、その光学特性に実用上未だ不十分な問題がある。より具体的に、円偏光板による反射防止フィルムに係る1/4波長板の位相差層を逆分散波長特性による液晶材料により作成した場合、青色と赤色とが混色した反射光が得られ、画像表示パネルのパネル面が青色と赤色とが混色した反射色により観察される問題がある。
特開平10−68816号公報 特開2000−284126号公報 米国特許第8119026号明細書 特表2010−522892号公報 特開2014−119569号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、逆分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、例えば円偏光板により反射防止フィルムに適用して、反射色を黒色とすることを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、アニール処理の実行によりリタデーションドロップの現象を有効に利用して波長分散特性を理想的な逆分散波長特性に近づける、との着想により、本発明を完成させた。
具体的に、本発明では、以下のものを提供する。
(1) 逆分散波長特性の液晶材料による位相差層を備えた光学部品において、
前記位相差層は、
波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上、1.182以下である光学部品。
(1)によれば、従来に比して逆分散波長特性を理想的な特性に近づけることができ、これにより逆分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、例えば円偏光板により反射防止フィルムに適用して、反射色を黒色とするができる。
(2) (1)において、
前記位相差層が、
粘着層又は接着層を介して直線偏光板と積層された光学部品。
(2)によれば、円偏光板による反射防止フィルムに関して、従来に比して光学特性を向上し、反射色を黒色とするができる。
(3) (1)又は(2)に記載の光学部品を画像表示パネルのパネル面に配置した画像表示装置。
(3)によれば、従来に比して光学特性を向上してなる光学部品を配置した画像表示装置を提供することができる。
(4) 逆分散波長特性の液晶材料による位相差層を備えた光学部品の製造方法において、
前記位相差層に粘着層又は接着層を設けた状態で、アニール処理により前記位相差層のリタデーション値を低下させるアニール処理の工程を備える光学部品の製造方法。
(4)によれば、従来に比して逆分散波長特性を理想的な特性に近づけることができ、これにより逆分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、例えば円偏光板により反射防止フィルムに適用して、反射色を黒色とするができる。
本発明によれば、逆分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、例えば円偏光板により反射防止フィルムに適用して、反射色を黒色とすることができる。
本発明の第1実施形態に係る光学部品を示す図である。 図1の光学部品に適用される転写フィルムを示す図である。 図1の光学部品の作製工程を示すフロー図である。 図3の製造工程における直線偏光板一体化工程の説明に供する図である。 常温放置によるリタデーション値の変化の説明に供する図である。 アニール処理によるリタデーション値の変化の説明に供する図である。 アニール処理による波長分散特性の変化の説明に供する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳述する。
〔第1実施形態〕
〔画像表示装置及び光学部品〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置11は、画像表示パネル12のパネル面(視聴者側面)に、円偏光板の機能により反射防止を図るフィルム形状の光学部品である反射防止フィルム13が配置される。ここで画像表示パネル12は、例えば有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。なお画像表示パネル12は、有機ELパネルに限らず、液晶表示パネル等、種々の画像表示パネルを広く適用することができる。
反射防止フィルム13は、PSA(PRessuRe Sensitive Adhesive)粘着剤による粘着層14により画像表示パネル12のパネル面に貼り付けられて保持される。反射防止フィルム13は、直線偏光板15、1/4波長板16を、PSA粘着剤による粘着層18により積層一体化して構成される。なおPSA粘着剤による粘着層に代えて他の粘着剤、接着剤により、反射防止フィルム13を配置しても良く、さらには直線偏光板15、1/4波長板16を積層するようにしてもよい。このような他の粘着剤、接着剤としては、例えば紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を例示することができる。
直線偏光板15は、直線偏光板として機能を担う光学機能層を1対の基材により挟持して構成される。ここで基材は、TAC(トリアセチルセルロース)による透明フィルム、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することができる。光学機能層は、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。
1/4波長板16は、逆分散波長特性の液晶材料による位相差層19により形成される。この実施形態において、この位相差層19は、後述するアニール処理により、リタデーションドロップの現象を有効に利用して理想的な逆分散波長特性に近づくように波長分散特性が補正され、これにより波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上になるように設定される。なおRe(λ)は、波長λにおけるリタデーション値である。ここで理想的な逆分散波長特性は、波長λにおけるリタデーション値Re(λ)が波長λに比例する特性であり、Re(λ)=aλの特性である。ここでaは比例定数である。従って理想的な逆分散波長特性において、波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))は、1.182である。
ここで逆分散波長特性による液晶材料では、波長の長い側で理想的な逆分散波長特性からの乖離が激しく、波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))は、理想的な値より小さくなる。反射防止フィルム13では、アニール処理によりこの値を増大させ、波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上になるように設定される。なおこれにより波長分散(Re(650)/Re(550))の上限値は1.182である。
これによりこの実施形態では、逆分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上する。すなわち反射防止フィルム13では、画像表示パネル12のパネル面に向かう外来光が直線偏光板15により直線偏光に変換され、続く1/4波長板16により円偏光に変換される。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板16により、直線偏光板15で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板15により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
ここで1/4波長板16の波長分散特性が理想的な逆分散波長特性である場合、画像表示パネル12に向かう外来光は、1/4波長板16において、偏光面に係る楕円率が全波長で値1の円偏光に出射されることになり、また画像表示パネル12のパネル面からの反射光は直線偏光板15で遮光される偏光面の直線偏光に全波長で変換されることになる。しかしながら1/4波長板16の波長分散特性がこのような理想的な特性から乖離していると、その分、画像表示パネル12に向かう外来光の楕円率が波長によって値1より変化することになり、また画像表示パネル12のパネル面での反射光については、波長によって、直線偏光板15で遮光される偏光面の直線偏光に全透過光を変換できなくなる。これにより従来の逆分散液晶による位相差層を使用した反射防止フィルムでは、青色と赤色とが混色した反射光が得られることになり、画像表示パネルのパネル面が青色と赤色とが混色した反射色により観察されることになる。
しかながらこの実施形態のように、波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上になるように設定する場合、従来に比して理想的な特性からの乖離を低減できることにより、従来に比して光学特性を向上し、例えば円偏光板により反射防止フィルムに適用して、反射色を黒色とすることを目的とする。
ここでこの逆分散波長特性の液晶材料にあっては、例えば米国特許第8119026号明細書、特表2010−522892号公報等に開示の構成を適用することができる。
〔転写フィルム〕
図2は、この反射防止フィルム13の作成に供する転写フィルムを示す図である。この転写フィルム20は、PETフィルム、TACフィルム等による透明フィルム材により支持体基材21が構成され、この支持体基材21に、配向層22、位相差層19が設けられる。反射防止フィルム13は、この転写フィルム20に設けられた位相差層19を転写法により直線偏光板15に積層して作成される。
なお転写法とは、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
転写フィルム20は、配向層22の配向規制力により位相差層19に係る液晶材料を配向させた状態で硬化させて位相差層19が作成される。配向層22は、これにより位相差層19に係る液晶材料を配向させることが可能な各種の構成を適用することができるものの、この実施形態では光配向層が適用される。これにより転写フィルム20は、光配向層に係る塗工液の塗工、乾燥により、光配向層に係る材料層が基材21上に形成された後、直線偏光による紫外線の照射により配向層22が形成される。なおこの光配向層に係る材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。なおこの光2量化型の材料は、「M.Schadt,K.Schmitt,V.Kozinkov and V.ChigReinov:Jpn.J.Appl.Phys.,31,2155(1992)」、「M.Schadt,H.SeibeRele and A.SchusteRe:NatuRe,381,212(1996)」等に開示されている。
なおこのような光配向による配向層に代えて、配向層22は、ラビング処理により作製してもよく、賦型処理による微細なライン状凹凸形状により作製してもよく、種々の構成を広く適用することができる。
転写フィルム20は、この配向層22の上に、位相差層19に係る塗工液を塗工、乾燥、硬化して作成される。
〔製造工程〕
図3は、反射防止フィルム13の製造工程を示すフローチャートである。この製造工程は、転写フィルム作成工程SP2において、転写フィルム20を作成する。ここでこの製造工程ではロールにより基材21が提供され、製造工程は、ロールから基材21を引き出しながら、ダイ等により配向層22の塗工液を塗工、乾燥した後、直線偏光の紫外線の照射により配向層22を作成する。またこの配向層22の上に位相差層19に係る塗工液を塗工、乾燥、硬化して位相差層19を作成し、これにより長尺フィルム形状により転写フィルム20を作成する。
この製造工程は、続く直線偏光板一体化工程SP3において、転写法により粘着層18を介して直線偏光板15と位相差層19とを積層一体化し、反射防止フィルム13を作成する。なお反射防止フィルム13は、必要に応じて、さらに画像表示パネル12への貼り付けに係る粘着層14、セパレータフィルム等設けられる。この製造工程は、続くアニール工程SP4において、この光学部品を一定時間加熱してアニール処理し、これにより位相差層19の波長分散特性を理想的な特性に近づける。このアニール処理は、例えば85℃、24時間実行されるものの、反射防止フィルム13の構成部材等に応じて温度、時間を変更することができ、好ましくは45℃以上、85℃以下であり、より好ましくは60℃以上、85℃以下である。
〔直線偏光板一体化工程〕
図4は、直線偏光板一体化工程を示す図である。この製造工程は、ロール41により転写フィルム20が提供される。また粘着層18、PETフィルムによる剥離フィルム31を配置した状態でロール42により直線偏光板15が供給される。この製造工程は、ロール42から直線偏光板15、粘着層18、剥離フィルム31の積層体を引き出しながら、剥離ロール43により剥離フィルム31を剥離し、剥離した剥離フィルム31をロール44に巻き取る。またロール41から転写フィルム20を引き出しながら、剥離フィルム31を剥離してなる直線偏光板15、粘着層18と積層した後、加圧ロール45により加圧し、これにより転写フィルム20、直線偏光板15、粘着層18の積層体を構成する。また続く剥離ローラ46により基材21、配向層22を剥離してロール47に巻き取り、これにより直線偏光板15、粘着層18、1/4波長板16の積層体を形成して反射防止フィルム13を作成し、この反射防止フィルム13をロール48に巻き取る。反射防止フィルム13の製造工程は、このようにロール48に巻き取った状態でアニール処理した後、所望の大きさに切断する。
〔アニール処理〕
図5から図7は、アニール処理の説明に供する特性曲線図である。この特性曲線図は、位相差層19におけるリタデーション値の変化を示すものであり、図5は、温度25℃による室温放置(250時間)(符号L2により示す)とその初期値(符号L1により示す)を示すものである。
なお位相差層19は、光配向層による配向層22の上に、流量調整してダイヘッドコーティング方式で塗工液を塗工した後、乾燥温度65℃で、5分間乾燥させ、その後、Fusion社製のHバルブで照射量が380mJ/cmになるように紫外線を照射して硬化させることにより固定化して作成した。またこの塗工液は、特表2010−522892号公報記載の化合物(1)、ReM(1)、ReM(3)の混合物を5:3:2の配合比で、トルエン/シクロヘキサノンの7:3の混合溶剤に溶解させて、固形分濃度が21.5%になるように調整して作成した。
図5は、粘着層18により位相差層19を直線偏光板15と積層一体化した状態で放置した計測結果である。なお粘着層18は、リンテック製MO−3014を適用した。
この図5の計測結果によれば、室温放置ではリタデーション値の変化が小さいことが判る。またリタデーション値にあっては、波長が短い側に比して波長が長い側で波長による変化が小さいことが判り、これにより理想的な逆分散特性とは言えないことが判る。
図6は、図5の計測に供したサンプルと同一のサンプルを温度85℃の環境に放置した場合のリタデーション値の変化を示す図である。符号L2は初期値であり、符号L3は、250時間放置後の計測値である。この場合、250時間の放置により、リタデーションドロップが全波長で発生しているものの、長波長側でリタデーション値の低下が小さく、その結果、波長に比例してリタデーション値が増大する理想的な逆分散波長特性に近づいていることが判る。
図7は、図6の計測結果を、波長550nmを基準にした波長分散(Re(λ)/Re(550))より示す図である。符号L4は、理想的な特性である。これによりアニール処理により波長分散特性が理想的な逆分散波長特性に近づくことが判る。またこのようなリタデーション値の低下は、時間経過により徐々に低下速度(単位時間当たりの低下量)が小さくなり、実用上、85℃により放置する場合、24時間の放置により充分にリタデーション値の低下速度が低下し、これにより85℃、24時間のアニール処理により充分に反射防止フィルム13の光学特性を向上することができる。
しかしてリタデーションドロップは、残留溶剤による影響により発生すると考えられることから、反射防止フィルム13におけるリタデーションドロップは、粘着層18の残留溶剤による影響により発生するものと思われる。これによりこの実施形態のように、直線偏光板15と積層した状態でアニール処理することにより、効率良くリタデーションドロップの現象を発現させることができる。なおこれにより位相差層19側に粘着層18、剥離フィルムを設けるようにし、直線偏光板15との積層前にアニール処理しても良い。
この実施形態では、波長550nmを基準にした波長650nmにおける波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上とすることにより、逆分散波長特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、反射色を黒色とすることができる。
また粘着層を設けた状態で、アニール処理することにより、分散特性による液晶材料を使用して位相差層を構成する光学部品に関して、従来に比して光学特性を向上し、反射色を黒色とすることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、円偏光板による反射防止フィルムに本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばパッシブ方式による3次元画像表示に適用されるパターン位相差フィルム、視野角特性に制御に供するCプレートを備えた各種フィルム材等に広く適用することができる。
また上述の実施形態では、粘着層の残留溶剤によるリタデーションドロップを有効に利用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要はリタデーションドロップを発現可能な残留溶剤が存在すれば良く、例えば粘着層に代えて紫外線硬化性樹脂等による接着剤層を位相差層に設けるようにしてもよい。
11 画像表示装置
12 画像表示パネル
13 反射防止フィルム
14、18 粘着層
15 直線偏光板
16 1/4波長板
19 位相差層
20 転写フィルム
21 基材
22 配向層
31 剥離フィルム
41〜48 ロール

Claims (2)

  1. 逆分散波長特性の液晶材料を使用した位相差層を備えた光学部品の製造方法において、
    前記位相差層に粘着層又は接着層を設けた状態で、アニール処理により前記位相差層のリタデーション値を低下させるアニール処理の工程を備える
    光学部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光学部品の製造方法において、
    前記アニール処理では、波長550nmを基準にした波長650nmにおける前記位相差層の波長分散(Re(650)/Re(550))が1.05以上、1.182以下となるように処理を行なうこと、
    を特徴とする光学部品の製造方法。
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