JP2016206217A - 光学フィルム、転写フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び転写フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルム、転写フィルム、画像表示装置、光学フィルムの製造方法及び転写フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶材料による位相差層の積層構造により1/4波長板を構成する光学フィルムに関して、経時変化による位相差の低下を低減する。
【解決手段】直線偏光板15と1/4波長板16とが積層され、1/4波長板16は、液晶材料による第1及び第2の位相差層23及び22が、直線偏光板15側から順次設けられ、第1の位相差層23は、80nm以上230nm以下の位相差を備え、直線偏光板15の吸収軸方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように配置され、第2の位相差層22は、65nm以上120nm以下の位相差を備え、直線偏光板15の吸収軸方向に対して遅相軸方向が45度以上80度以下の角度を成すように配置された。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶材料による位相差層の積層構造により1/4波長板を構成する光学フィルムに関する。
従来、画像表示装置に関して、画像表示パネルのパネル面(視聴者側面)に円偏光板による光学フィルムを配置し、この光学フィルムにより外来光の反射を低減する方法が提案されている。ここでこの光学フィルムは、直線偏光板、1/4波長板の積層により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く1/4波長板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板により、直線偏光板で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
この光学フィルムに関して、特許文献1等には、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長位相差層、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長位相差層を積層して1/4波長板を構成することにより、正の波長分散特性による液晶材料を使用して直線偏光板からの入射光に対して逆分散特性により1/4波長板を機能させる方法が提案されている。なおここで逆分散特性とは、短波長側ほど透過光における位相差が小さい波長分散特性である。
このような光学フィルムに関して、特許文献2には、1/2波長位相差層、1/4波長位相差層、正Cプレートの積層体に関して、斜め方向からの観察時における色味を向上する工夫が提案されている。また特許文献3には、転写法により1/2波長位相差層、1/4波長位相差層の積層体を作製する構成において、1/4波長位相差層の転写に関する工夫が提案されている。この特許文献3に開示の構成によれば、配向層により製造過程における位相差層の傷つき等も低減することができる。
なおここで転写法とは、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
ところでこの種の位相差層である重合性液晶から形成された液晶層は、時間経過によって位相差が低下する問題がある。この問題を解決する1つの方法として、特許文献3に開示の手法を適用することが考えられるものの、位相差層から対応する配向層が製造過程で剥離する場合もあり、これにより実用上未だ不十分な問題がある。
特開平10−68816号公報 特開2014−224837号公報 特開2014−013291号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、液晶材料による位相差層の積層構造により1/4波長板を構成する光学フィルムに関して、経時変化による位相差の低下を低減することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、従来の1/2波長位相差層、1/4波長位相差層の積層構造による場合に比して、厚みの薄い位相差層の積層構造により1/4波長板を構成するとの着想に至り、本発明に想到した。
(1) 直線偏光板と1/4波長板とが積層され、
前記1/4波長板は、
液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記直線偏光板側から順次設けられ、
前記第1の位相差層は、
80nm以上230nm以下の位相差を備え、
前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように配置され、
前記第2の位相差層は、
65nm以上120nm以下の位相差を備え、
前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が45度以上80度以下の角度を成すように配置された光学フィルム。
(1)によれば、第1の位相差層と第2の位相差層との積層により1/4波長板を構成するようにして、広い波長帯域で、直線偏光板からの出射光に対して逆分散の波長特性により1/4波長の位相差を付与することができる。またこの位相差層の組み合わせにおいては、従来の1/2波長位相差層、1/4波長位相差層の積層構造による場合に比して、位相差層の厚みを薄くすることができることにより、経時変化による位相差の低下を低減することができ、これにより画像表示パネルに配置して色味の変化を防止することができる。
(2) (1)において、
前記1/4波長板は、
前記直線偏光板側、前記直線偏光板とは逆側、前記第1の位相差層及び第2の位相差層の間の何れかに、正Cプレートを備える光学フィルム。
(2)によれば、さらに視野角特性を向上することができる。
(3) (1)又は(2)において、
少なくとも前記1/4波長板が、
転写フィルムからの転写層である光学フィルム。
(3)によれば、転写法の利用により効率良く光学フィルムを生産することができる。
(4) 支持体基材と転写層とを備えた転写フィルムにおいて、
前記転写層が、1/4波長板であり、
前記1/4波長板は、
液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記支持体基材とは逆側から順次設けられ、
前記第1の位相差層は、
80nm以上230nm以下の位相差を備え、
前記第2の位相差層は、
65nm以上120nm以下の位相差を備え、
前記第1の位相差層の遅相軸方向に対して遅相軸方向が30度以上60度以下の角度を成すように配置された転写フィルム。
(4)によれば、直線偏光板に転写層を転写するようにして、広い波長帯域で、直線偏光板からの出射光に対して逆分散の波長特性により1/4波長の位相差を付与することができる。またこの位相差層の組み合わせにおいては、従来の1/2波長位相差層及び1/4波長位相差層の積層構造による場合に比して、位相差層の厚みを薄くすることができることにより、経時変化による位相差の低下を低減することができ、これにより画像表示パネルに配置して色味の変化を防止することができる。
(5) (4)において、
前記支持体基材が、長尺透明フィルム材であり、
前記第1の位相差層は、
前記長尺透明フィルム材の長手方向又は幅方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように形成され、
前記第2の位相差層は、
前記長尺透明フィルム材の長手方向又は幅方向に対して遅相軸方向が45度以上80度以下の角度を成すように形成された転写フィルム。
(5)によれば、長尺フィルム形状により直線偏光板と積層して効率良く生産することができる。
(6) (4)又は(5)において、
前記1/4波長板は、
前記支持体基材側、前記支持体基材とは逆側、前記第1の位相差層及び第2の位相差層の間の何れかに、正Cプレートを備える。
(6)によれば、さらに視野角特性を向上することができる。
(7) (4)、(5)、(6)の何れかに記載の転写フィルムの転写層を直線偏光板と積層した光学フィルム。
(7)によれば、転写法により、位相差の低下を有効に回避してなる光学フィルムを生産することができる。
(8) (1)、(2)、(3)、(7)の何れかに記載の光学フィルムを画像表示パネルのパネル面に配置した画像表示装置。
(8)によれば、液晶材料による位相差層の積層構造による1/4波長板を備えた光学フィルムを画像表示パネル面に配置する構成において、経時変化による位相差の低下を低減することができ、画像表示パネル面の色味の時間変化を低減することができる。
(9) 転写法により直線偏光板に1/4波長板を積層して光学フィルムを作製する積層工程を備え、
前記1/4波長板は、
液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記直線偏光板側から順次設けられ、
前記第1の位相差層は、
80nm以上230nm以下の位相差を備え、
前記第2の位相差層は、
65nm以上120nm以下の位相差を備え、
前記積層工程は、
前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように前記第1の位相差層を配置し、
前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が45度以上80度以下の角度を成すように前記第2の位相差層を配置する光学フィルムの製造方法。
(9)によれば、第1及び第2の位相差層との積層により1/4波長板を構成するようにして、広い波長帯域で、直線偏光板からの出射光に対して逆分散の波長特性により1/4波長の位相差を付与することができる。またこの位相差層の組み合わせにおいては、従来の1/2波長位相差層、1/4波長位相差層の積層構造による場合に比して、位相差層の厚みを薄くすることができることにより、経時変化による位相差の低下を低減することができ、これにより画像表示パネルに配置して色味の変化を防止することができる。
(10) (9)において、
前記積層工程は、
前記第1及び第2の位相差層を積層して1/4波長板を作製する1/4波長板に係る積層工程を備える光学フィルムの製造方法。
(10)によれば、厚みの薄い第2の位相差層を早めに積層体とすることができることにより、第2の位相差層の損傷を低減することができる。
(11) (9)において、
前記積層工程は、
前記第2の位相差層をCプレートと積層するCプレートの積層工程と
前記第2の位相差層及びCプレートの積層体を前記第1の位相差層と積層して前記1/4波長板を作製する1/4波長板に係る積層工程とを備える光学フィルムの製造方法。
(11)によれば、厚みの薄い第2の位相差層を早めに積層体とすることができることにより、第2の位相差層の損傷を低減することができる。
(12) 第1の位相差層の支持体基材に第1の位相差層を作製する第1の位相差層の作製工程と、
第2の位相差層の支持体基材に第2の位相差層を作製する第2の位相差層の作製工程と、
前記第1の位相差層と前記第2の位相差層とを積層する積層工程とを備え、
前記第1の位相差層の作製工程は、
80nm以上230nm以下の位相差により前記第1の位相差層を作製し、
前記第2の位相差層の作製工程は、
65nm以上120nm以下の位相差により前記第2の位相差層を作製し、
前記積層工程は、
前記第1の位相差層の遅相軸方向に前記第2の位相差層の遅相軸方向が30度以上60度以下の角度を成すように積層する転写フィルムの製造方法。
(12)によれば、直線偏光板に転写層を転写するようにして、広い波長帯域で、直線偏光板からの出射光に対して逆分散の波長特性により1/4波長の位相差を付与することができる。またこの位相差層の組み合わせにおいては、従来の1/2波長位相差層、1/4波長位相差層の積層構造による場合に比して、位相差層の厚みを薄くすることができることにより、経時変化による位相差の低下を低減することができ、これにより画像表示パネルに配置して色味の変化を防止することができる。
(13) 直線偏光板と1/4波長板とが積層され、
前記1/4波長板は、
液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記直線偏光板側から順次設けられ、
前記直線偏光板側から入射して前記1/4波長板から出射される出射光において、波長450nm及び650nmの出射光が、楕円方位が90度±15度以内及び180±10度以内である円偏光であり、波長550nmの出射光が、楕円率0.9以上の円偏光である光学フィルム。
(13)によれば、厚みの薄い位相差層の積層により1/4波長板を作製する場合でも、広い波長帯域で十分に反射を抑制することができる。
本発明によれば、液晶材料による位相差層の積層構造により1/4波長板を構成する光学フィルムに関して、経時変化による位相差の低下を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す断面図である。 図1の画像表示装置に適用される光学フィルムの説明に供する図である。 図2の光学フィルムに係る転写フィルムを示す断面図である。 図3の転写フィルムに使用される各転写フィルムの説明に供する図である。 図3の転写フィルムの製造工程の説明に供する図である。 検討結果を示す図表である。
〔第1実施形態〕
〔光学フィルム及び画像表示装置〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置11は、画像表示パネル12のパネル面(視聴者側面)に、光学フィルム13が配置される。ここで画像表示パネル12は、例えば液晶表示パネルであり、所望のカラー画像を表示する。なお画像表示パネル12は、液晶表示パネルに限らず、有機ELによる画像表示パネル等、種々の画像表示パネルを広く適用することができる。
光学フィルム13は、円偏光板の機能により画像表示パネル12に到来する外来光の反射を抑圧する反射防止フィルムである。このため光学フィルム13は、直線偏光板15、1/4波長板16を積層して構成される。光学フィルム13は、図示しないセパレータフィルムを剥離して感圧接着剤による粘着層14を露出させた後、この粘着層14により、画像表示パネル12のパネル面(視聴者側面)に貼り付けられて保持される。なお感圧接着剤に代えて例えば紫外線硬化性樹脂等の各種の接着剤、粘着剤により光学フィルム13を配置してもよい。また直線偏光板15及び1/4波長板16は、接着層17を介して一体化される。ここで接着層17は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、感圧接着剤等、各種の接着剤を広く適用することができるものの、全体の厚みを薄くする観点から、紫外線硬化性樹脂を適用することが好ましく、この場合は厚み1μm程度により作成することができる。
1/4波長板16は、液晶材料による第1の位相差層23、正Cプレート20と、液晶材料による第2の位相差層22とを接着層19、20により貼合した積層体により構成される。
ここで図2に示すように、光学フィルム13は、矢印により示す直線偏光板15の吸収軸に対して、第1の位相差層23及び第2の位相差層22の遅相軸(それぞれ矢印により示す)が、それぞれ反時計回りに後述する角度θ1、θ2を成すように配置される。ここで斜めから観察した色味変化を低減する最適値は、第1及び第2の位相差層の遅相軸のなる角度が小さくなるほど、第1の位相差層の位相差及び第2の位相差層の位相差が小さくなる傾向がある。但し、角度θ1、θ2が小さすぎると、高温耐久試験後の位相差変化は抑制できるが、色味変化を低減できなくなる。
これにより光学フィルム13は、カラー画像の表示に供する広い波長帯域で十分に外来光の反射を抑圧する。なお見る方向による表示画面の色味の変化を有効に回避して、可視光域の広い波長帯域で入射光を効率良く反射防止する観点から、直線偏光板15の吸収軸と第1の位相差層23の遅相軸との成す角度θ1は、10度以上25度以下の角度、好ましくは12度以上23度以下、より好ましくは14度以上20度以下に設定することが望ましい。また同様に、直線偏光板15の吸収軸と第2の位相差層22の遅相軸との成す角度θ2は、45度以上80度以下、好ましくは52度以上74度以下、より好ましくは52度以上62度以下に設定することが望ましい。この角度θ1、θ2の条件を満足することを前提に、第1の位相差層23の遅相軸方向に対して第2の位相差層22の遅相軸方向は、30度以上60度以下、好ましくは38度以上58度以下、より好ましくは38度以上48度以下の角度を成すように設定される。
また同様に、第1の位相差層23の位相差は、波長550nmの透過光において、80nm以上230nm以下、好ましくは90nm以上220nm以下、より好ましくは90nm以上150nm以下であることが望ましい。また同様に、第2の位相差層22の位相差は、波長550nmの透過光において、65nm以上120nm以下、好ましくは74nm以上110nm以下、より好ましくは74nm以上95nm以下であることが望ましい。
このように第1の位相差層23と第2の位相差層22との積層体により1/4波長板を構成する場合、1/2波長位相差層及び1/4波長位相差層の積層構造による場合に比して、各位相差層の厚みを薄くすることができる。これによりこの実施形態では、従来に比して、経時変化による位相差の低下を低減することができる。なおこのように位相差層の厚みを薄くすることにより位相差の低下を低減できる理由は、位相差層の厚みを薄くしたことにより、位相差層の厚みが厚い場合に比して、位相差層を構成する液晶材料が充分に架橋することによるものと考えられる。
このようにして構成して光学フィルム13は、直線偏光板155側から入射して1/4波長板16から出射される出射光において、波長450nm及び650nmの出射光が、楕円方位が90度±15度以内及び180±10度以内である円偏光であり、波長550nmの出射光が、楕円率0.9以上の円偏光であるように設定される。このように設定されることにより光学フィルム13は、厚みの薄い位相差層の積層により1/4波長板を構成する場合でも広い波長帯域で直線偏光板の入射光に対して逆分散波長特性により透過光に位相差を付与することができ、一般に広帯域化された位相差層の積層構造(例えば1/2波長位相差層と1/4波長位相差層との積層構造であって、1/2波長位相差層の位相差を275nmとし、直線偏光板の吸収軸に対して遅相軸が15度の角度を成すようにこの1/2波長位相差層を配置し、1/4波長位相差層の位相差を135nmとし、直線偏光板の吸収軸に対して遅相軸が75度の角度を成すようにこの1/4波長位相差層を配置した構成)に比べ、この実施形態に係る構成では、正面から観察した際の色相(a*、b*)は0から離れる傾向があるものの、斜めから観察したときの色の変化が低減する。これにより表示画面の色味を低減して広い波長帯域で充分に反射光を抑圧することができる。
なおここで楕円偏光に係る楕円方位は、直線偏光板15の透過軸方向を0度とした場合である。なお計測はKOBRA-21ADH王子計測機器社製を実行することができる。
なお正Cプレート20は、直線偏光板15と第1の位相差層23との間に配置しても良く、第2の位相差層22の画像表示パネル12側に配置してもよい。また実用上充分に視野角方向における色味の変化を低減できる場合には、正Cプレート20を省略してもよい。また正Cプレートによる光学補償に代えて、正Cプレートと負Cプレートとの組み合わせ等による光学補償を適用するようにしてもよい。また第1の位相差層23、第2の位相差層22、正Cプレート20は、対応する配向層を一体に配置してもよい。
ここで直線偏光板15は、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて直線偏光板として光学的機能を担う光学機能層が作製され、この光学機能層を例えばTAC(Triacetylcellulose)等による透明フィルムからなる基材により挟持するように構成される。接着層18、19は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、感圧接着剤等、各種の接着剤を広く適用することができるものの、全体の厚みを薄くする観点から、紫外線硬化性樹脂を適用することが好ましく、この場合は厚み1μm程度により作成することができる。
〔転写体〕
光学フィルム13は、接着層17により1/4波長板16、直線偏光板15が一体化され、この一体化に係る一連の処理に転写法が適用される。これによりこの実施形態では、被転写基材は、直線偏光板15であり、転写に供する層(転写層)は、第1の位相差層23、接着層19、正Cプレート20、接着層18、第2の位相差層22の積層体である。
図3は、転写フィルム21の構成を示す図である。転写フィルム21は、支持体基材26上に、第2の位相差層22に係る配向層25、第2の位相差層22、接着層18、正Cプレート20、接着層19、第1の位相差層23、第1の位相差層23に係る配向層24、基材27が設けられる。
ここでこの実施形態において、図4(A)、(B)、(C)に示すように、転写フィルム21は、支持体基材26上に、第2の位相差層22に係る配向層25、第2の位相差層22を作製してなる転写フィルム31、支持体基材32上に正Cプレート20を作製してなる転写フィルム33、支持体基材27上に第1の位相差層23に係る配向層24、第1の位相差層23を作製してなる転写フィルム34を使用して、転写法により第1の位相差層23、正Cプレート20、第2の位相差層22を積層して構成される。なお各転写フィルムを使用した転写法により第1の位相差層23、正Cプレート20、第2の位相差層22を積層する代わり、この積層体の全部又は一部を、支持体基材上に順次塗工液を塗工して露光処理することにより作製してもよい。
転写フィルム21は、基材27を第1の位相差層23の配向層24と一体に剥離した後、接着層17により直線偏光板15に貼り付けられて直線偏光板15に保持された後、支持体26が第2の位相差層22の配向層25と一体に剥離され、その結果、転写法により転写層16が直線偏光板15に積層される。
ここで支持体基材26、32、27は、対応する転写層を剥離可能に担持し、転写層を被転写基材上に接着、積層した後は、適宜時機に剥離、除去に供される基材である。この実施形態では、透明フィルム材であるPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが適用され、これにより転写フィルム21、31、33、34は、光学特性を検査可能に構成される。なおPETフィルムは、必要に応じてコロナ処理され、これにより密着力が適切に設定される。なお支持体基材26、32、27は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂からなる樹脂性フィルム材を適用してもよい。
この実施形態において配向層25、24には、光配向層が適用される。この光配向層には、偏光紫外線の照射により配向規制力を設定することが可能な各種光配向層材料を適用することができる。より具体的にこの実施形態において、配向層24、25は、例えば光2量化型の材料、異性化材料が適用される。なおこの光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212 (1996)」等に開示されているものを用いることができる。また異性化材料は、特許第5170468号公報、国際公開第WO13/191251号、国際公開第WO14/010688号等に開示の構成を適用することができる。なお光配向層による配向層24、25に代えて、ポリイミド膜、PVA等のラビング処理により作製される配向層、賦型処理によりラビン処理による微細凹凸形状を転写して作製する配向層を適用してもよい。
位相差層23、22は、配向層25、24の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で固化して作製される。またCプレート20は、垂直配向を促す添加剤を添加した液晶化合物を固化して作製される。なおこの添加材は、例えば特開2005−173410、特開2006−57051、特開2006−106662に記載されている添加剤を用いることにより、特別な配向層を使うことなく、液晶を垂直配向することができる。なおCプレート20は、対応する配向層を作製して作製するようにしてもよい。
位相差層22、23、正Cプレート20には、この種の光学フィルムに適用される種々の液晶材料を広く適用することができる。より具体的に位相差層22、23、正Cプレート20は、重合性液晶組成物を含有する。この重合性液晶組成物は、液晶性を示し分子内に重合性官能基を有する液晶化合物(以下、「棒状化合物」ともいう。)のほか、アンチブロッキング剤等を含有させることができる。また棒状化合物に代えて、ディスコティック液晶による液晶化合物を適用しても良い。
棒状化合物は、屈折率異方性を有し、対応する配向層の配向規制力、垂直配向を促す添加物による配向規制力により規則的に配列することにより、所望の位相差性を付与する機能を有する。棒状化合物として、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料が挙げられるが、他の液晶相を示す液晶化合物と比較して規則的に配列させることが容易である点で、ネマチック相を示す棒状化合物を用いることがより好ましい。
本実施形態において位相差22、23、正Cプレートに用いられる棒状化合物の具体例としては、例えば、下記式(1)〜(16)で表される化合物を例示できる。
Figure 2016206217
Figure 2016206217
また位相差層22、23に適用されるディスコティック液晶による液晶化合物は、例えば特開2012−042530号公報、特開2005−283670号公報等に開示の構成等を広く適用することができる。
より具体的に、例えば、特開2001−183643号公報、特開平9−073081号公報に開示の下記の液晶化合物を適用することができる。
Figure 2016206217
〔製造工程〕
転写フィルム21の製造工程は、転写フィルム31の製造工程において、転写フィルム31を作製する。ここでこの転写フィルム31の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルム形状により基材26が提供され、ロールより基材26を引き出して搬送しながら、配向層25に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、これにより配向層25の材料層を作製する。その後、図2について上述した方向(基材の長手方向又は幅方向に対して角度θ2の方向)が偏光面の方向である直線偏光による紫外線を照射し、これにより配向層25を作製する。続いて位相差層22に係る塗工液を塗工して乾燥させた後、無偏光の紫外線の照射により硬化させ、これにより第2の位相差層22を作製する。
またこの製造工程は、転写フィルム33の製造工程において、転写フィルム33を作製する。ここでこの転写フィルム33の製造工程は、ロールに巻き取った長尺フィルム形状により基材32が提供され、ロールより基材32を引き出して搬送しながら、正Cプレート20に係る塗工液を塗工して乾燥させた後、無偏光の紫外線の照射により硬化させ、これにより正Cプレート20を作製して転写フィルム33を作製する。
また転写フィルム34造工程において、ロールより基材27を引き出して搬送しながら、配向層24に係る塗工液を塗工した後、乾燥させ、これにより配向層24の材料層を作製する。その後、図2について上述した方向(基材の長手方向又は幅方向に対して角度θ1の方向)が偏光面の方向である直線偏光による紫外線を照射し、これにより配向層24を作製する。続いて位相差層23に係る塗工液を塗工して乾燥させた後、無偏光の紫外線の照射により硬化させ、これにより第1の位相差層23を作製する。
この製造工程は、続いて図5(A)に示すように、接着層18により転写フィルム31、33を積層した後、図5(B)に示すように、転写フィルム33の基材32を剥離する。続いて図5(C)に示すように、転写フィルム34を接着層19により積層し、転写フィルム21が作製される。
なおこのように第1の位相差層、正Cプレート、第2の位相差層の積層体を転写法により直線偏光板15に積層する代わりに、第1の位相差層、正Cプレート、第2の位相差層を順次、転写法により直線偏光板15に積層するようにしてもよい。また第1の位相差層、正Cプレートの積層体を直線偏光板15に積層した後、第2の位相差層を積層するようにしてもよい。また第1の位相差層を直線偏光板15に積層した後、正Cプレート及び第2の位相差層の積層体を積層するようにしてもよい。しかしながら第2の位相差層は、極端に厚みが薄く、製造過程において損傷し易いことにより、直線偏光板に配置する場合には、事前に正Cプレート、第1の位相差層と積層して配置することが望ましい。
〔検討結果〕
実施例、比較例のサンプルを作製して評価した。
〔実施例1〕
〔第1の位相差層〕
下記の材料を混合、溶解し、85℃にて20時間反応させることにより共重合体溶液(固形分濃度20wt%)を生成した。
4−[6−(2−メタクリロイルオキシエチルアミノ力ルボニルオキシ)へキシルオキシ]ケイ皮酸メチルエステル :40.0g
2−ヒドロキシエチルメタクリレート :10.0g
α,α'-アゾビスイソブチロ二トリル(重合触媒) :1.2g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー卜(溶剤):204.8g
この共重合体溶液を、以下の配合比により混合して溶解し、光配向層用組成物を作製した。
共重合体溶液 :5
ポリエステルポリオール(アジピン酸/ジエチレングリコール共重合体) (数平均分子量4,800) :0.8
ヘキサメトキシメチルメラミン(架橋剤) :1
P−卜ルエンスルホン酸−水和物(架橋触媒) :0.1
プロピレングリコールモノメチルエーテル :41.4
この光配向層用組成物を、厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡、E5100:片面がコロナ処理面であり、他の面が何らコロナ処理等を施していない平滑面であるフィルム材)のコロナ処理面上に、乾燥厚み100nmによりダイコートし、110℃で乾燥させ、これにより光配向層の材料層を形成した。
その後、直線偏光の紫外線を、積算光量20mJ/cm照射し、第1の位相差層23に係る配向層24を作製した。
さらに配向層24の上に、下記の組成による位相差層用組成物(位相差層の塗工液)を乾燥厚み0.7μmによりダイコートして乾燥させた後、無偏光の紫外線の照射により第1の位相差層23を作製し、これらにより第1の位相差層23に係る転写フィルム34を作製した。
下記(3−1)の化合物:40重量部
下記(3−2)の化合物:30重量部
下記(3−3)の化合物:30重量部
開始剤(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1) :5重量部
フッ素系界面活性剤 :0.01重量部
MEK :400重量部
MIBK :400重量部
シクロヘキサノン :100重量部
Figure 2016206217
このようにして作製した転写フィルム34から、粘着シートを介してガラス板に第1の位相差層23を転写し、液晶層付ガラス板を作製し、位相差を測定した。面内位相差は90nmであった。この液晶層付ガラス板を85℃により24時間保存したところ面内位相差は87nmに保持されており、これにより位相差の低下は僅かであった。
〔第2の位相差層〕
第1の位相差層23と同様にして第2の位相差層22に係る転写フィルム31を作製した。但し、配向層25に係る偏光紫外線の偏光方向は、図2について上述した第2の位相差層22の遅相軸方向に対応する方向である。また位相差層用組成物の乾燥厚みを0.73μmとした。
この第2の位相差層22に係る転写フィルム31について、第1の位相差層23と同様にして液晶層付ガラス板を作製し、位相差を測定した。面内位相差は95nmであった。この液晶層付ガラス板を85℃により24時間保存したところ面内位相差は92nmであった。
このようにして作製した転写フィルム34における第1の位相差層23の遅相軸方向と、転写フィルム31における第2の位相差層22の遅相軸方向とが38度の角度をなすように粘着シートを介してガラス板に貼り付け、位相差測定装置(KOBRA-21ADH王子計測機器社製)を使用して波長450nm、550nm、650nmの直線偏光による入射光(直線偏光板15の出射光に対応する偏光面を有する入射光である)に対する楕円率、及び波長450nm、650nmの直線偏光による入射光(同上)に対する楕円方位角を測定したところ、それぞれ0.71、0.93、0.71の楕円率、78度、172度の楕円方位角が計測され、これにより良好な値が得られた。なお楕円方位角は、直線偏光板の透過軸方向を0度して計測した。
〔転写工程〕
直線偏光板に、粘着シートにより第1の位相差層23に係る転写フィルム34を、直線偏光板の吸収軸に対して遅相軸方向が14度の角度を成す向きにより貼り合せた後、配向層24と一体に基材27を剥離し、これにより直線偏光板と第1の位相差層23との積層体を作製した。
さらに直線偏光板の吸収軸方向に対して、第2の位相差層22の遅相軸方向が52度の角度を成す向きにより、粘着シートを介して、直線偏光板15、第1の位相差層23の積層体に第2の位相差層22を貼り合せた後、第2の位相差層22に係る配向層25と一体に基材26を剥離し、これにより直線偏光板15と第1及び第2の位相差層23、22との積層体を作製し、円偏光板による反射防止フィルムである光学フィルム13を作製した。
この光学フィルム13について、粘着層を用いてGalaxyS4(サムスン電子製)に組み込んで評価した。なおGalaxyS4は、画像表示パネル面から反射防止フィルム等を取り除いた後、評価対象の光学フィルムを配置した。このようにして作製した試料の表示画面を目視により観察したところ、黒色により観察され、これにより広い波長帯域で、直線偏光板からの入射光に対して第1及び第2の位相差層の積層体が1/4波長板として機能していることが判った。
この試料を、85℃により24時間保存した後、色味の変化を観察したところ、色味の変化は確認できなかった。
〔実施例2〜13、比較例1、2〕
実施例1の構成において、第1及び第2の位相差層23、22の厚み、配置に係る角度θ1、θ2を変化させて実施例、比較例を作成し、実施例1と同様に評価した。なお比較例1は、第2の位相差層を省略した構成である。
図6は、これら実施例1〜13、比較例1、2の評価結果を、第1及び第2の位相差層23、22の設定と共に示す図表である。この図6において、実装品の色味は、色味の変化を知覚できない程度を、「なし」とし、詳細な観察により色味の変化を認識できるものの、実用上十分な場合を「若干あり」とし、実用に供しない程度に色味が変化するものを「あり」とした。この図6においては、位相差の変化をΔReにより示す。なお比較例1では、色味に変化は無いものの、赤味を帯びた色味により表示画面が観察され、これにより実用上未だ不十分なことが判った。
〔実施例14〕
〔正Cプレート〕
以下の材料を混合して溶解し、配向層用組成物を作製した。
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(炭素含有比=4.5)
:100重量部
配向制御化合物(FC-4430、3M Company製) :5重量部
MEK :157.5重量部
2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(開始剤) :8重量部
厚み50μmのPETフィルム(東洋紡、E5100)のコロナ面上に、この配向層用組成物を乾燥厚み2μmによりダイコートし、80℃で乾燥させた後、積算光量120mJ/cmにより紫外線を照射して硬化させ、これによりCプレートに係る配向層を作製した。
その後、この配向層の上に、以下の材料を混合して溶解させた位相差層用組成物を、乾燥厚み1μmによりダイコートし、100℃で乾燥するとともに配向させ、積算光量100mW/cmにより紫外線を照射して硬化させ、正Cプレート20を備えてなる転写フィルム33を作製した。
下記(4−1)の化合物:40重量部
下記(4−2)の化合物:30重量部
下記(4−3)の化合物:30重量部
2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(開始剤) :5重量部
MEK :300重量部
MIBK :200重量部
シクロヘキサノン :100重量部
Figure 2016206217
この転写フィルム33ついて、上述の実施例に係る位相差層と同様にして液晶層付ガラス板を作製し、位相差を測定した。面外位相差は−100nmであった。この液晶層付ガラス板を85℃により24時間保存したところ面外位相差は−99nmであった。
〔転写工程〕
このようにして作製したCプレートと、実施例1の第1及び第2の位相差層とを組み合わせて光学フィルム13を作製した。すなわち直線偏光板に、粘着シートにより第1の位相差層23に係る転写フィルム34を、直線偏光板15の吸収軸に対して遅相軸方向が14度の角度を成す向きにより貼り合せた後、配向層24と一体に基材27を剥離し、これにより直線偏光板と第1の位相差層23との積層体を作製した。
その後、直線偏光板と第1の位相差層23の積層体に、粘着層を介してCプレートを積層した後、配向層と一体に基材を剥離し、これにより直線偏光板、第1の位相差層23、Cプレートの積層体を作製した。
さらに直線偏光板の吸収軸方向に対して、第2の位相差層22の遅相軸方向が52度の角度を成す向きにより、粘着シートを介して、直線偏光板15、第1の位相差層23、Cプレートの積層体に第2の位相差層22を貼り合せた後、第2の位相差層22に係る配向層25と一体に基材26を剥離し、これによりCプレートを備えた円偏光板による反射防止フィルムである光学フィルム13を作製した。
この光学フィルム13を実施例1〜13と同様にして評価した。85℃により24時間保存した後、色味の変化を観察したところ、色味の変化は確認できなかった。また正面方向からの観察と斜め方向からの観察とで、色味の変化を観察することができず、これにより正Cプレートにより充分に視野角特性が改善されていることが確認された。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更し、さらに組み合わせることができる。
すなわち上述の実施形態では、長尺フィルム材の連続した処理により光学フィルムを生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、枚葉の処理により生産する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、直線偏光板としての光学的機能を担う光学機能層を基材により挟持してなる直線偏光板に転写層を転写する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、転写層側の直線偏光板基材を省略して、直線偏光板の光学的機能層に直接転写するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、配向層を設けて位相差層を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、配向層の構成を省略し、例えば光配向機能を有する光配向性液晶ポリマーにより光配向の手法を適用して位相差層を構成する場合にも広く適用することができる。
11 画像表示装置
12 画像表示パネル
13 光学フィルム
14 粘着層
15 直線偏光板
16 1/4波長板(転写層)
17、18、19 接着層
20 正Cプレート
21、31、33、34 転写フィルム
22、23 位相差層
24、25 配向層
26、27、32 基材

Claims (13)

  1. 直線偏光板と1/4波長板とが積層され、
    前記1/4波長板は、
    液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記直線偏光板側から順次設けられ、
    前記第1の位相差層は、
    80nm以上230nm以下の位相差を備え、
    前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように配置され、
    前記第2の位相差層は、
    65nm以上120nm以下の位相差を備え、
    前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が45度以上80度以下の角度を成すように配置された
    光学フィルム。
  2. 前記1/4波長板は、
    前記直線偏光板側、前記直線偏光板とは逆側、前記第1の位相差層及び第2の位相差層の間の何れかに、正Cプレートを備える
    請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 少なくとも前記1/4波長板が、
    転写フィルムからの転写層である
    請求項1又は請求項2に記載の光学フィルム。
  4. 支持体基材と転写層とを備えた転写フィルムにおいて、
    前記転写層が、1/4波長板であり、
    前記1/4波長板は、
    液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記支持体基材とは逆側から順次設けられ、
    前記第1の位相差層は、
    80nm以上230nm以下の位相差を備え、
    前記第2の位相差層は、
    65nm以上120nm以下の位相差を備え、
    前記第1の位相差層の遅相軸方向に対して遅相軸方向が30度以上60度以下の角度を成すように配置された
    転写フィルム。
  5. 前記支持体基材が、長尺透明フィルム材であり、
    前記第1の位相差層は、
    前記長尺透明フィルム材の長手方向又は幅方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように形成され、
    前記第2の位相差層は、
    前記長尺透明フィルム材の長手方向又は幅方向に対して遅相軸方向が46度以上80度以下の角度を成すように形成された
    請求項4に記載の転写フィルム。
  6. 前記1/4波長板は、
    前記支持体基材側、前記支持体基材とは逆側、前記第1の位相差層及び第2の位相差層の間の何れかに、正Cプレートを備える
    請求項4、又は請求項5に記載の転写フィルム。
  7. 請求項4、請求項5、請求項6の何れかに記載の転写フィルムの転写層を直線偏光板と積層した
    光学フィルム。
  8. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項7の何れかに記載の光学フィルムを画像表示パネルのパネル面に配置した
    画像表示装置。
  9. 転写法により直線偏光板に1/4波長板を積層して光学フィルムを作製する積層工程を備え、
    前記1/4波長板は、
    液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記直線偏光板側から順次設けられ、
    前記第1の位相差層は、
    80nm以上230nm以下の位相差を備え、
    前記第2の位相差層は、
    65nm以上120nm以下の位相差を備え、
    前記積層工程は、
    前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が10度以上25度以下の角度を成すように前記第1の位相差層を配置し、
    前記直線偏光板の吸収軸方向に対して遅相軸方向が45度以上80度以下の角度を成すように前記第2の位相差層を配置する
    光学フィルムの製造方法。
  10. 前記積層工程は、
    前記第1及び第2の位相差層を積層して1/4波長板を作製する1/4波長板に係る積層工程を備える
    請求項9に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記積層工程は、
    前記第2の位相差層をCプレートと積層するCプレートの積層工程と
    前記第2の位相差層及びCプレートの積層体を前記第1の位相差層と積層して前記1/4波長板を作製する1/4波長板に係る積層工程とを備える
    請求項9に記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 第1の位相差層の支持体基材に第1の位相差層を作製する第1の位相差層の作製工程と、
    第2の位相差層の支持体基材に第2の位相差層を作製する第2の位相差層の作製工程と、
    前記第1の位相差層と前記第2の位相差層とを積層する積層工程とを備え、
    前記第1の位相差層の作製工程は、
    80nm以上230nm以下の位相差により前記第1の位相差層を作製し、
    前記第2の位相差層の作製工程は、
    65nm以上120nm以下の位相差により前記第2の位相差層を作製し、
    前記積層工程は、
    前記第1の位相差層の遅相軸方向に前記第2の位相差層の遅相軸方向が30度以上60度以下の角度を成すように積層する
    転写フィルムの製造方法。
  13. 直線偏光板と1/4波長板とが積層され、
    前記1/4波長板は、
    液晶材料による第1及び第2の位相差層が、前記直線偏光板側から順次設けられ、
    前記直線偏光板側から入射して前記1/4波長板から出射される出射光において、波長450nm及び650nmの出射光が、楕円方位が90度±15度以内及び180±10度以内である円偏光であり、波長550nmの出射光が、楕円率0.9以上の円偏光である
    光学フィルム。
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