JP2019052990A - 電源遮断検出装置 - Google Patents

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【課題】トランジスタ素子Tの検出端子Xに生じる電圧の高低の判断だけで負荷(電子ピアノ)への商用電源の遮断を検知できる電源遮断検出装置を得る。【解決手段】商用電源からの電源供給の遮断を検出する電源遮断検出装置であって、前記商用電源ACに対して逆並列に接続された2個の発光ダイオードPDと該発光ダイオードPDの発光によりオン状態となるトランジスタ素子Tとから成るフォトカプラPCと、一端を直流電源Vccに接続し他端を前記トランジスタ素子Tの端子に接続する抵抗R2と、一端を前記トランジスタ素子Tの端子に接続し他端を接地する容量部Cと、前記トランジスタ素子Tに接続され「H」レベル又は「L」レベルを検出する検出端子Xを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、商用電源に接続された機器(負荷)の電源遮断検出装置に関し、例えば、電子ピアノの電源オフシーケンスに適した電源遮断検出装置に関する。
電子ピアノの電源オフを行う場合、電子ピアノに設置された電源ボタンではなく、コンセントが抜かれたような場合は、所定の手順による電源オフシーケンスのミュート動作ができず(間に合わず)、場合によってはスピーカに損傷を与える現象が生じることがあった。
また、電子ピアノの記憶部に対するデータ書き込み時にコンセントが抜かれることで、メモリ書き込みアクセス中に電源が切れ、データが壊れることがあった。
同種の課題を解決するための装置として、特許文献1で示される停電検出装置が提案されている。
この停電検出装置は、商用交流電源で動作しマイコン制御が行われている機器において、時刻や各種ユーザー設定データ保持を管理させている場合、いきなり停電状態になると、これらの情報が消滅したり書き換わることになるので、これらを防止するために停電を何らかの方法で素早く検知することで、バックアップ時間を長くしたり、ノイズに対する誤動作をなくすように動作させるものである。
この停電検出装置は、図5(特許文献1の図1に相当)に記載されるように、商用交流電源101で動作する機器を制御するマイコン105と、このマイコン105の電源端子106に商用交流電源電圧を整流して加える整流回路103,104と、マイコン105の停電検出端子107に、商用交流電源電圧をこの電圧に同期したパルス電圧に変換して印加するフォトカプラ120を備え、マイコン105によりパルス電圧を計数して商用交流電源101が停電状態か否かを判定するように構成されている。
また、フォトカプラ120の入力側には、保護ダイオード122が接続されている。
特開平10−10164号公報
しかしながら、上述した停電検出装置によれば、マイコンによりパルス電圧を計数して商用交流電源が停電状態か否かを判定するため、判定処理が煩雑になりマイコンに負荷がかかるという問題点があった。
本発明は、上記実情に鑑みて提案されたものであり、電圧レベルの高低の判断だけで負荷への商用電源の遮断を検知できる電源遮断検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1の電源遮断検出装置は、商用電源からの電源供給の遮断を検出する装置であって、次の構成を含むことを特徴としている。
前記商用電源(AC)に対して逆並列に接続された2個の発光ダイオード(PD)と、該発光ダイオード(PD)の発光によりオン状態となるトランジスタ素子(T)とから成るフォトカプラ(PC)。
一端を直流電源(Vcc)に接続し、他端を前記トランジスタ素子(T)の端子に接続する抵抗(R2)。
前記トランジスタ素子(T)の端子に接続される検出端子(X)。
前記トランジスタ素子がオン状態の時とオフ状態の時を検出する回路。
請求項2の電源遮断検出装置は、請求項1の電源遮断検出装置において、
一端を前記トランジスタ素子の端子に接続し他端を接地する容量部(C)で前記回路を構成したことを特徴としている。
請求項3の電源遮断検出装置は、請求項1の電源遮断検出装置において、
単安定マルチバイブレータ(3)で前記回路を構成したことを特徴としている。
請求項4の電源遮断検出装置は、請求項1の電源遮断検出装置において、
前記商用電源(AC)は変圧器(TRS)を介して2次側の負荷(1)に接続し、
前記検出端子(X)は前記負荷(1)を制御する制御部(2)に接続し、
前記制御部(2)が前記検出端子(X)の「H」レベルまたは「L」レベルにより前記負荷(1)の電源遮断を検出して前記負荷の電源オフシーケンス処理を行うことを特徴としている。
請求項5の電源遮断検出装置は、請求項4の電源遮断検出装置において、
電源遮断を検出した場合、前記制御部(2)は、不揮発性メモリへの書き込み作業を中止するとともに、異常電源オフのフラグを立てる機能を備えたことを特徴としている。
請求項6の電源遮断検出装置は、請求項4の電源遮断検出装置において、
前記負荷は電子ピアノ(1)であり、前記電源オフシーケンス処理はミュート処理を含むことを特徴としている。
本発明の電源遮断検出装置によれば、商用電源から変圧器(TRS)を介して2次側の負荷(1)に電源電圧が正常に供給される場合には、並列に接続された2個の発光ダイオード(PD)の発光によりトランジスタ素子(T)がオン状態となり、検出端子(X)の電圧が「L」レベルとなる。
コンセント抜き等による電源遮断が生じた場合は、並列に接続された2個の発光ダイオード(PD)からの発光が無くなるのでトランジスタ素子(T)がオフ状態となり、検出端子(X)の電圧が「H」レベルとなる。
したがって、検出端子(X)の電圧が「H」レベルか「L」レベルを検出するだけで、電源遮断を検出することができるので、電源遮断を検出して負荷(電子ピアノ)(1)の電源オフシーケンス処理(ミュート処理)を即座に行うことができる。
また、電源遮断を検出した場合、前記制御部(2)は、不揮発性メモリへの書き込み作業を中止するとともに、異常電源オフのフラグを立てる機能を備えることで、負荷の次回立ち上げ時に際して、フラグを検知してメモリ初期化を行うことで異常電源オフによる不都合を回避することができる。
負荷が電子ピアノ(1)である場合、電源遮断を検出してミュート処理を行うことによりポップノイズを防止することができる。
本発明の実施形態の一例に係る電源遮断検出装置を示す回路図である。 図1の電源遮断検出装置において、電源オン時に電源遮断検出を行う場合のフローチャート図である。 図1の電源遮断検出装置において、異常電源オフが生じた場合に、次回以降の電源オン時に行われるフローチャート図である。 実施形態の他の例に係る電源遮断検出装置を構成する回路の一部分を示す回路図である。 従来例に係る停電検出回路装置を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態の一例に係る電源遮断検出装置について、図面を参照しながら説明する。
一実施形態に係る電源遮断検出装置は、電源スイッチSWを介して商用電源ACから電源供給を受けている電子ピアノ(負荷)1に対して、異常発生による電源供給の遮断を検出し、電源オフシーケンス処理を施す装置である。すなわち、商用電源ACは変圧器TRSを介して2次側の電子ピアノ1に接続されている。
電子ピアノ1は、各鍵のキーイベント情報(キーのオン・オフ)やタッチ情報(ベロシティ値)を検知する鍵盤装置、キーイベント情報やタッチ情報を生成する鍵盤インタフェース、波形データに基づいて楽音信号を出力する音源装置、D/A変換回路、アナログ信号を増幅するアンプ、発音用のスピーカ等を備えるとともに、制御部2により発音制御や電源オフシーケンス処理等の各種制御が行われる。電源オフシーケンス処理には、電子ピアノ1が備える音源装置の消音(スピーカにおけるノイズ音の発生防止のためのミュート処理)が含まれる。
電源遮断検出装置は、商用電源ACに対して逆並列に接続された2個の発光ダイオードPDと、発光ダイオードPDの発光によりオン状態となるnpn型のトランジスタ素子Tとから成るフォトカプラPCとを備えて構成されている。商用電源ACに対して、逆並列に接続された2個の発光ダイオードPDを備えることで、商用電源ACに接続中はどちらかの発光ダイオードPDが発光するので、トランジスタ素子Tは常時オン状態を維持することとなる。
トランジスタ素子Tのコレクタ側は、検出端子Xを有する信号入力線を介して電子ピアノ1を制御する制御部2に接続されている。トランジスタ素子Tのコレクタ側(信号入力線)は、抵抗R2を介して直流電源Vccが接続されるとともに、容量部Cを介して接地されている。また、トランジスタ素子Tのエミッタ側は接地されている。
上述の回路によれば、容量部Cを接続することで、トランジスタ素子Tがオン状態の時に検出端子Xが「L」レベルとなり、トランジスタ素子Tがオフ状態の時に検出端子Xが「H」レベルとなることで、トランジスタ素子Tがオン状態の時とオフ状態の時を検出することができる。
制御部2は、電子ピアノ1に対して発音制御や電源オフシーケンス処理等の各種制御を行うCPUと、制御プログラムやデータ等が記憶されるROMと、処理中のデータ等を一時的に記憶するRAMと、を備えて構成されている。
また、制御部2は、電源遮断を検出した場合、不揮発性メモリへの書き込み作業を中止するとともに、異常電源オフのフラグを立てる機能を備えている。
上述した電源遮断検出装置によれば、商用電源ACから電源スイッチSW及び変圧器TRSを介して2次側の電子ピアノ(負荷)1に電源電圧が正常に供給される場合には、並列に接続された2個の発光ダイオードPDの発光によりトランジスタ素子Tがオン状態となり検出端子Xの電圧が「L」レベルとなる。
フォトカプラPCに商用電源(100V〜240V)が印加されている時は、ほぼオン状態となる(交流電圧が入力するフォトカプラの場合、実際には電圧の絶対値が低い−Vf〜+Vfの間でトランジスタ素子Tがオフとなり容量部Cに充電されるため、検出端子Xには充電完了までの間、「L」レベルとなる)。
フォトカプラPCがオン状態では制御部2のマイコンポート(割り込み端子など)へは「L」レベルが入力される。その際は、商用電源が印加されているとみなし、制御部2は通常動作を行う。
電源遮断検出装置において、コンセント抜き等による電源遮断が生じた場合は、並列に接続された2個の発光ダイオードPDからの発光が無くなるのでトランジスタ素子Tがオフ状態となり、検出端子Xの電圧が「H」レベルとなる。
電源コードがコンセントから抜かれて商用電源ACによる電圧印加が無くなると、フォトカプラPCに電流が流れず、制御部2のマイコンポートには「H」レベルが入力される。制御部側では、これを検出してマイコン側でアンプのミュート処理を行い、不揮発性メモリへの書き込み作業を即座に停止するとともに、異常電源オフがなされたことをフラグとして不揮発性メモリに残しておく。
したがって、検出端子Xの電圧は制御部2に入力され、制御部2において、検出端子(X)の電圧が「H」レベルか「L」レベルを検出するだけで、電源遮断を検出することができる。そのため、従来例の回路(図4)のように、パルス電圧を計測することなく電圧が「H」レベルか「L」レベルか検出する簡単な構成で電源遮断を検出することができる。その結果、電子ピアノ1の電源オフシーケンス処理(ミュート処理)を即座に行うことができるので、電子ピアノ1におけるポップノイズを防止することができる。ミュート処理は、例えば、電源遮断の検知によるリレー接点開放やトランジスタによる制御等、既存の技術によって行われる。
上述した電源遮断検出装置における検出処理手順について、図2及び図3のフローチャートを参照して説明する。
電子ピアノの電源スイッチSWがオン状態となり(ステップ20)、商用電源ACから変圧器TRSを介して負荷1及びフォトカプラPCに電圧が供給されると、制御部2により検出端子Xの電圧を検出する(ステップ21)。
検出端子Xの電圧が「L」レベルであれば、トランジスタ素子Tがオン状態でありフォトカプラPCに電源電圧ACが正常に供給されているので、制御部2は通常動作を行う(ステップ22)。
検出端子Xの電圧が「H」レベルであれば、トランジスタ素子Tがオフ状態となっているので、フォトカプラPCに電源電圧ACが正常に供給されていないと判断し、不揮発性メモリへの書き込み作業を中止してメモリアクセス処理を中断する(ステップ23)とともに、制御部2はミュート処理を行い(ステップ24)、異常電源オフのフラグをメモリに書き込むことで(ステップ25)、異常電源オフの処理(異常電源オフされたことを記録)を行う(ステップ26)。
すなわち、フォトカプラを用いてコンセントからケーブルが抜かれたことを制御部2で迅速に検出し、電子ピアノ1の電源が切れる前に適切な処理(ミュート処理)を行うことができる。ミュート処理を行うことにより、アンプに発生するポップノイズを無くすことができる。
次回に電源スイッチSWがオンする時には(ステップ30)、制御部2において異常電源オフのフラグが立っているかを判断し(ステップ31)、フラグが無い場合は通常動作を行う(ステップ32)。フラグが有る場合は、異常電源オフが生じていたので、初期化にて異常書き込み閾値をリセットした(ステップ33)後に、通常動作が行われる(ステップ32)。
この処理を行うことで、次回立ち上げ時にメモリ初期化を行うなど、不具合を回避することができる。異常電源オフのデータを保持する方法は、システム内で最もアクセスが早いと思われる不揮発部分にフラグを立てておく等が考えられる。
図4は、電源遮断検出装置の他の実施形態を示すもので、図1の容量部Cに代えて、単安定マルチバイブレータ3をトランジスタ素子Tと検出端子Xとの間に接続している。図4において、図1と同じ構成を採用する部分については同一符号を付している。
単安定マルチバイブレータ3は、パルスが入力される(Hが入力される)と一定期間パルスを出力(Hを出力)し、一定期間パルスが入力されないと「L」レベルが出力される回路である。
したがって、商用電源によりトランジスタ素子Tがオン・オフを繰り返している状態の時には、単安定マルチバイブレータ3にパルスが入力し続けられ、単安定マルチバイブレータ3の出力(検出端子X)は「H」レベルとなり、トランジスタ素子Tがオフ状態の時には検出端子Xは「L」レベルとなることで、論理レベルが図1と逆になるが、トランジスタ素子Tがオン状態の時とオフ状態の時を検出することができる。
そして、単安定マルチバイブレータ3の出力側に論理レベルを反転する回路を設ければ(若しくは、制御部2側での論理を反転するように設定すれば)、図1の容量部Cと同じように動作させることができる。
上述した電源遮断検出装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)異常電源オフ時のポップノイズが無くなり、電子ピアノ1のスピーカへのダメージをなくすことができる。
(2)制御部2のメモリ内のデータを保護することができる。
(3)フォトカプラPCを使用することで電気的には1次側とアイソレートされた安全な状態で電源の状態を直接(高速に)監視することができる。
(4)電源の再立ち上げ時に異常電源オフのフラグを確認することで、適切な処理を行うことができる。
上述の例では負荷として電子ピアノ1を例に説明したが、アンプ及びスピーカ、書き込みデータが記憶される不揮発性メモリを備えた各種機器における電源遮断検出に適した装置として使用することができる。
1…電子ピアノ(負荷)、 2…制御部、 3…単安定マルチバイブレータ、 PC…フォトカプラ、 PD…フォトダイオード、 T…トランジスタ素子、 X…検出端子、 AC…商用電源、 Vcc…直流電源。

Claims (6)

  1. 商用電源からの電源供給の遮断を検出する装置であって、
    前記商用電源に対して逆並列に接続された2個の発光ダイオードと、該発光ダイオードの発光によりオン状態となるトランジスタ素子とから成るフォトカプラと、
    一端を直流電源に接続し他端を前記トランジスタ素子の端子に接続する抵抗と、
    前記トランジスタ素子の端子に接続される検出端子と、
    前記トランジスタ素子がオン状態の時とオフ状態の時を検出する回路と、
    を備えることを特徴とする電源遮断検出装置。
  2. 一端を前記トランジスタ素子の端子に接続し他端を接地する容量部で前記回路を構成した請求項1に記載の電源遮断検出装置。
  3. 単安定マルチバイブレータで前記回路を構成した請求項1に記載の電源遮断検出装置。
  4. 前記商用電源は変圧器を介して2次側の負荷に接続され、
    前記検出端子は前記負荷を制御する制御部に接続され、
    前記制御部が前記検出端子の「H」レベルまたは「L」レベルにより前記負荷の電源遮断を検出して前記負荷の電源オフシーケンス処理を行う請求項1に記載の電源遮断検出装置。
  5. 電源遮断を検出した場合、前記制御部は、不揮発性メモリへの書き込み作業を中止するとともに、異常電源オフのフラグを立てる機能を備えた請求項4に記載の電源遮断検出装置。
  6. 前記負荷は電子ピアノであり、前記電源オフシーケンス処理はミュート処理を含む請求項4に記載の電源遮断検出装置。
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