JP2019050812A - 文字又は画像入り魚介類食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】くっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品の提供。【解決手段】ボイル後の魚介類の表面の内側にある可食部には至らない深さの祝事、招福等を表す所定の文字1又は画像が加工、彩色されている、文字又は画像入り魚介類食品30。具体的には、魚介類食品がカニ類であり、文字又は画像が白色に彩色されてなる、文字又は画像入り魚介類食品、及び、魚介類食品が貝類であり、前記文字又は画像が白以外の色に彩色されてなる、文字又は画像入り魚介類食品。【選択図】図6
Description
本発明は、魚介類食品内側の可食部に影響を及ぼすことなく、くっきりと鮮明な文字又は画像を簡便な方法により表面に加工することのできる文字又は画像入り魚介類食品の製造方法及び表面にくっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品に関する。より詳細には、耐冷性、耐流水性、耐擦過性を備えるとともに、発色性に優れた彩色の文字又は画像を甲羅表面に加工するカニ等の魚介類食品の製造方法及びそのような優れた彩色の文字又は画像を有するカニ等の魚介類食品に関する。
従来から、魚介類の単品又はそれら複数のセットとして付加価値を高めた食材商品が流通している。このような魚介類の食品において更に付加価値のある商品として、例えば、祝事、招福等の文字等の入った贈答品等の食材商品が望まれていた。魚介類の食品に対して文字等を入れる方法としては、例えば、文字等入りのシールを魚介類の表面に貼付したり、ペンで書き込むこと等が容易に思いつくが、商品価値の点で不十分である。また、他の方法として、魚介類の表面における色素(例えば、カニ類の甲羅の赤色を発しているアスタキサンチン等)を光で退色させて文字を描く等、様々な方法が考えられる。しかしながら、未だ満足できる程度に鮮明な文字等の入った魚介類食品が得られていないのが実状であった。
これまでに、祝事、招福用等の文字や画像を食品に形成する技術が幾つか提案されている。例えば、特許文献1では、米等の穀物を精米、脱皮等の表皮加工する前に、この表皮に祝事、招福用等の文字を刻設する工程と、この祝事、招福用等の文字を刻設した穀物の滓を取除く工程と、この滓を取除いた祝事、招福用等の文字を刻設した穀物を養生する工程と、この養生した祝事、招福用等の文字を刻設した穀物を精米、脱皮等の表皮剥離をする工程と、この表皮剥離した祝事、招福用等の文字を刻設した穀物を、霧化洗浄及び/又は清掃する工程とで構成した祝事、招福用等の文字を刻設した穀物の製造方法が開示されている。
また、特許文献2では、殻付きの落花生を焙煎する前に、この殻に祝事、招福用等の文字を刻印する工程と、この祝事、招福用等の文字を刻印した殻付きの落花生の滓を取除く工程と、この滓を取除いた祝事、招福用等の文字を刻印した殻付きの落花生を養生する工程と、この養生した祝事、招福用等の文字を刻印した殻付きの落花生を焙煎する工程と、この焙煎した祝事、招福用等の文字を刻印した殻付きの落花生を、霧化洗浄及び/又は清掃する工程とで構成した祝事、招福用等の文字を刻印した殻付きピーナッツの製造方法が開示されている。
また、特許文献3では、せんべい、最中、饅頭、カステラ、スナック菓子等の食品で、かつ外面が淡色の仕上がりとなった食品に、祝事、招福、激励、励まし、勇気を鼓舞する言葉等の文字及び/又はコンピュータ画像を刻設(表現)した構造のメッセージ食品であって、このメッセージ食品の面上を利用し、前記文字及び/又は画像を刻設する構造であり、この構造においては、中心にレーザービームを介して、画像を刻設し、その周辺にレーザービームを介して、文字を刻設し、商品としての価値観と、メッセージとしての有効性とを確保する構成とした文字及び/又は画像を刻設したメッセージ食品が開示されている。
そこで、魚介類食品においても、上記のようなレーザービームにより文字や画像を刻設することが考えられる。しかし、魚介類食品は、前述した各従来技術におけるような穀物、ピーナッツ、せんべい等の食品とは異なり、魚介類食品には、海水が付着している、表面がつるつるしたもの(せんべいやお菓子のようなざらざら表面に対し、文字が乗りにくいほど滑らかな表面)や、いびつなものがある等の特殊な性質がある。また、このような魚貝類食品は、特殊な加工フロー〔通常、例えば、水揚げ(漁獲時)、湯がき(ボイル)、下処理の後に文字加工し、その後必要に応じて冷凍する等〕の中で文字等を加工する必要がある。
すなわち、魚介類食品は本来的に保湿状態にあり、水揚げ、湯がきの後に下処理をしても完全に乾燥した状態にはならない。魚貝類食品の表面は、撥水性を有するものや、不平であったり、個体差がある。また、魚介類食品は鮮度を保つ必要があることから、短時間のうちに出荷することが望まれる。特にカニ等の魚貝類食品は、その鮮度を保つためのフローにおけるグレース加工(高濃度塩分)、急速冷凍(沸騰から冷凍までの極端な温度差)、流水解凍等に耐えられる必要がある。このように、魚介類食品に対しては、その性質上特に取扱いに注意を払いつつ、文字等の加工条件を調整する必要があった。
特許文献4では、所定波長のレーザを使用することにより、レーザ照射を受けた食品表面の部位が表層にある水分に反応して蒸散されるため、食品の傷みを最小限にしつつ、食品表面にマーキングすることが可能なレーザマーキング装置の提供、並びにこのレーザマーキング装置を利用して、大量の食品へのマーキングを自動化することを目的とした技術が開示されている。
しかしながら、このマーキング装置でも、魚介類食品に対する適切な加工条件とはいえず、鮮明な文字又は画像には至っていない。また、加工条件によっては、魚介類食品の内側における可食部に対して悪影響を及ぼすおそれもあった。
その他、近年可食インクジェットインク等による果物等への彩色文字加工が行われており、かかる彩色技術の魚介類食品への適用性も考えられる。しかし、魚介類食品については前述したその特質から、同様の方法での彩色文字の形成には至っていない。
本発明は、魚介類食品内側の可食部に影響を及ぼすことなく、くっきりと鮮明な文字又は画像を簡便な方法により表面に加工することのできる文字又は画像入り魚介類食品の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、表面にくっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品を提供することである。
本発明の更に他の目的は、耐冷性、耐流水性、耐擦過性を備えるとともに、発色性に優れた彩色の文字又は画像を甲羅表面に加工するカニ等の魚介類食品の製造方法及びそのような優れた彩色の文字又は画像を有するカニ等の魚介類食品を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、表面にくっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品を提供することである。
本発明の更に他の目的は、耐冷性、耐流水性、耐擦過性を備えるとともに、発色性に優れた彩色の文字又は画像を甲羅表面に加工するカニ等の魚介類食品の製造方法及びそのような優れた彩色の文字又は画像を有するカニ等の魚介類食品を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意研究した結果、レーザー光(ビーム)で特定条件により甲羅の表面に直接照射し、所定の文字を加工する方法が、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
さらに、本発明者は、可食性インクを用いて所定の文字又は画像を加工する方法が、前記の更に他の目的を達成し得ることの知見も得た。
さらに、本発明者は、可食性インクを用いて所定の文字又は画像を加工する方法が、前記の更に他の目的を達成し得ることの知見も得た。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、下記の発明を提供することにより、その目的を達成したものである。
1.食材としてのボイル後の魚介類の表面に対し、レーザー光によりレーザー照射をして所定の文字又は画像を形成する魚介類食品の製造方法であって、
前記魚介類の表面の内側にある可食部には前記レーザー照射が至らない照射強度で加工を施す工程と、
前記レーザー照射の後に、可食性インクにより前記文字又は画像の加工部分に対して彩色を施す工程と、を含むことを特徴とする文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
前記魚介類の表面の内側にある可食部には前記レーザー照射が至らない照射強度で加工を施す工程と、
前記レーザー照射の後に、可食性インクにより前記文字又は画像の加工部分に対して彩色を施す工程と、を含むことを特徴とする文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
2.前記可食性インクが、少なくとも白色顔料を含むインク組成物である、前記1記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
3.前記可食性インクが、白色顔料、展着/分散剤、及び溶剤を含むインク組成物である、前記1又は2記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
4.前記可食性インクが、二酸化チタン、セラック(天然樹脂)、トリポリリン酸ナトリウム及びエタノールを含むインク組成物である、前記3記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
5.前記文字又は画像を形成するためのレーザー照射をする工程は、食材としての魚介類の水揚げ、湯がき及び下処理の工程の後に行う、前記1〜4の何れかに記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
6.前記文字又は画像を形成するためのレーザー照射をする工程は、前記の水揚げ、湯がき及び下処理をした後さらに冷凍する工程の後に行う、前記5記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
7.更に、前記文字又は画像が形成された加工表面に対して保護するコーティング処理を施す、前記1〜6の何れかに記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
8.前記魚介類の表面を覆うためのマスキング材であって、該マスキング材に対しレーザー光によるレーザー照射をして、加工する前記文字又は画像と同寸のフチを彫り、そのフチの内側部分を取り除いたマスキング材を使用する工程を更に含む、前記1〜7の何れかに記載の文字又は画像入り魚介類食品の製造方法。
9.食材としてのボイル後の魚介類の表面をマスキング材によりマスキングし、レーザー光によりレーザー照射をして該マスキング材上に所定の文字又は画像のフチを彫り、そのフチの内側部分を取り除き、前記魚介類の表面上の塗り部分に対し可食性インクにより彩色を施した後、前記マスキング材を取り除く魚介類食品の製造方法。
10.食材としてのボイル後の魚介類の表面の内側にある可食部には至らない深さで表面に加工された所定の文字又は画像が彩色されていることを特徴とする文字又は画像入り魚介類食品。
11.前記魚介類食品がカニ類であり、前記文字又は画像が白色に彩色されてなる、前記10記載の文字又は画像入り魚介類食品。
12.前記魚介類食品が貝類であり、前記文字又は画像が白以外の色に彩色されてなる、前記10記載の文字又は画像入り魚介類食品。
本発明によれば、食品内側の可食部に影響を及ぼすことなく、くっきりと鮮明な文字又は画像を表面に加工した文字又は画像入り魚介類食品を簡便に製造することができる。
また、本発明によれば、表面にくっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品を提供することができる。
さらに、本発明によれば、耐冷性、耐流水性、耐擦過性を備えるとともに、発色性に優れた彩色の文字又は画像を甲羅表面に加工するカニ等の魚介類食品の製造方法及びそのような優れた彩色の文字又は画像を有するカニ等の魚介類食品を提供することができる。
また、本発明によれば、表面にくっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品を提供することができる。
さらに、本発明によれば、耐冷性、耐流水性、耐擦過性を備えるとともに、発色性に優れた彩色の文字又は画像を甲羅表面に加工するカニ等の魚介類食品の製造方法及びそのような優れた彩色の文字又は画像を有するカニ等の魚介類食品を提供することができる。
以下、本発明について、その好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る文字又は画像入り魚介類食品の製造方法は、食材としての魚介類の表面に対し、レーザー光によりレーザー照射をして所定の文字又は画像を形成する方法であって、前記魚介類の表面の内側にある可食部には前記レーザー照射が至らない照射強度で加工を施すことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る文字又は画像入り魚介類食品の製造方法は、食材としての魚介類の表面に対し、レーザー光によりレーザー照射をして所定の文字又は画像を形成する方法であって、前記魚介類の表面の内側にある可食部には前記レーザー照射が至らない照射強度で加工を施すことを特徴とする。
本実施形態に係る製造方法は、前記の構成からなるため、食品内側の可食部に影響を及ぼすことなく、くっきりと鮮明な文字又は画像を表面に加工形成した魚介類食品を容易に製造できる。
図1は、本実施形態により文字を加工形成した魚介類食品からなる商品の一例(イメージ)を表す図である。図1に示すように、本実施形態によれば、例えば、タラバガニ・毛ガニ・ズワイガニ・花咲ガニからなる四大カニセットとして、前三者のカニの甲羅に「感謝」、「寿」、「祝」の文字(縁が黒で中が白色)を付した魚介類食品を提供することができる。なお、図1では、文字入りのカニを含む食品セットのほか、敷物、箸と箸置き等背景のものも含めて示している。このように、本実施形態に係る文字又は画像入り魚介類食品によって、贈答品等の一層付加価値の高い商品を提供することができるようになる。
本実施形態に係る製造方法におけるレーザー照射工程では、魚介類の表面の内側にある可食部にはレーザー照射が至らない照射強度のレーザー光を備えるものであれば特に制限されず、一般のレーザー照射装置(市販品等)を用いることができる。例えば、ダイオードレーザー加工機(レーザー方式:445nm、レーザーダイオード、1.6W、クラス4)、CO2レーザー加工機(レーザー方式:CO2レーザー、40W)や、その他のレーザー照射装置(レーザー発振器:10W、25W又は30W)等を好ましく使用することができる。これらの加工機を用いると、文字又は画像の鮮明性を向上できる点で好ましい。
本実施形態においては、食材としての魚介類(照射対象物)であるカニの甲羅の内側にある可食部にはレーザー照射が至らない照射強度で加工を施す。レーザー照射工程での照射条件としては、使用するレーザー照射装置における発振器等に応じてレーザー光の波長等を調整することができる。
特に、ダイオードレーザー加工機を使用する場合には、レーザー光の波長を2500nm以下、特に200〜1000nm、とりわけ350〜550nm、就中400〜500nmとすることが好ましい。また、レーザー照射に際しての出力は、0.5〜10W、特に1〜5W、とりわけ1.5〜2Wの範囲としても、十分に鮮明な文字又は画像に加工することができるため好ましい。
一方、CO2レーザー加工機を使用する場合には、レーザー光の波長を7μm以上、特に8〜15μm、とりわけ9〜11μmとすることが好ましい。また、レーザー照射に際しての出力は、5〜75W、特に7〜60W、とりわけ10〜50Wの範囲とすることが好ましい。
また、レーザー照射工程における加工方式は、ベクター加工でも、ラスター加工でもよい。
図2は、本実施形態に係る製造方法において用いるレーザー照射装置の所定の位置に照射対象物を載置した状態を示している。図2に示すように、レーザー照射を行う準備として、レーザー照射装置20にて、先ず皿上紙上に食材としての魚介類10(本実施形態では、ズワイガニを例に行う)を設置する。
本実施形態に使用するレーザー照射装置20は、照射対象物の表面に対して照射するためのレーザー光を放出するレーザー照射口21と、該照射口21を支持して所定の位置に移動させるための横長形状の照射口支持部22とを備える。照射口支持部22は、その下部に照射口21を備えて照射対象物に直接レーザー照射ができるように構成されている。また、照射口支持部22は、それ自体の構成である左右長手方向に必要な動作を照射口21に対して付与する。さらに、照射口支持部22自体は、レーザー照射装置20において前後に移動可能になされている。これにより照射口21が装置20内における全ての位置・方向に移動可能となり、照射対象物に対してあらゆる文字又は画像の形成を可能としている。
レーザー照射工程においては、レーザー照射装置20における照射条件・加工する文字等を予め設定しておく。そして、図3に示すように、レーザー照射時には、パソコン等から予め設定した条件に制御して、照射対象物であるカニの甲羅に文字又は画像の彫刻を行う。
レーザー照射工程の直前には、図4に示すように、レーザー照射口21を、照射対象物である魚介類としてのカニ10の甲羅の真上に位置するように制御して移動させる。
図5は、レーザー照射工程における文字1を加工中の様子を示す。図5に示すように、予め設定した位置に移動するようにレーザー照射口21が動作し、カニ10の甲羅上に、レーザー光23を直接照射する。そして、レーザー光23を照射した箇所を彫刻しながら、甲羅に所定の文字に相当する文字の枠を描いていく。レーザー照射工程では、枠(縁)のみで中の色彩のない中抜き黒文字までを彫刻形成する。
次いで、可食性インク等により、形成した文字の枠内に、白の彩色を行う。彩色工程では、前記のレーザー照射工程の後に、例えば、白色の可食性インク(例えば、ホタテ貝殻や二酸化チタン〈酸化チタン、TiO2〉を主原料としたもの等の食品添加物のみからなる安全性の高いもの)で色付けを行うことにより、「白字」を形成することができる。その際、色付けの「塗り」の加減をリードタイムのバランスに応じて行うことが好ましい。また、彩色後に冷凍する場合には、その後も劣化しないようにすることが望ましい。
なお、本発明において加工の対象とする食材としての魚介類はボイルをした後のものであり、鮮魚類とは異なる。色付けが法令上認められていない「鮮魚」は、本発明の対象外である。
なお、本発明において加工の対象とする食材としての魚介類はボイルをした後のものであり、鮮魚類とは異なる。色付けが法令上認められていない「鮮魚」は、本発明の対象外である。
彩色工程(白の彩色)に使用する白色の可食性インクとしては、白色顔料としての二酸化チタン、展着/分散剤(顔料の分散剤)、及び溶剤を含有するインク組成物を好適に用いることができる。
白色顔料(二酸化チタン)の含有量は、インク中10〜40重量%、特に20〜35重量%とすることが好ましい。かかる範囲内であれば、加工対象物、特にカニ甲羅への文字等を形成した場合の白色発色性に優れるため好ましい。
展着/分散剤としては、可食性インクに通常使用されるもの等が挙げられるが、中でも、セラック(天然樹脂)、米ヌカロウ、天然ロウ、植物性ロウが好ましく、とりわけセラックが好ましい。
展着/分散剤の含有量は、インク中5〜30重量%、特に7〜25重量%とすることが好ましい。かかる範囲内であれば、加工対象物、特にカニ甲羅への展着性と文字等の色調(色味の濃度)とをバランスよく適切に付与できる。
さらに、可食性インクを塗装して加工対象物、特にカニ甲羅に展着させた後、インクによる形成文字等の上にセラックを保護剤として塗布して保護層を形成させると、グレース加工による冷凍後の環境でも塗膜の剥離を防止でき、色の定着化を充分にすることができる。
この場合、セラックをエタノールに溶解したセラック溶液(セラックの濃度が好ましくは5〜35重量%)を用いて、インクの乾燥塗膜上に塗布することにより、コーティングすることができる。
また、展着/分散剤として、セラック等のほか、トリポリリン酸ナトリウムを添加することが好ましい。トリポリリン酸ナトリウムを添加することで、塗装した文字等の剥離や、インクを塗布・乾燥後に文字等を触った際に手に付くことをより防止できる。
トリポリリン酸ナトリウムの含有量は、インク中5〜25重量%、特に10〜20重量%とすることが好ましい。かかる範囲内であれば、加工対象物、特にカニ甲羅への展着性と文字等の色調(色味の濃度)とをバランスよく適切に付与できる。
溶剤としては、可食性インクに通常使用されるもの、例えば、エタノール、ゲラニオール、スクラレオール等が挙げられるが、中でも、エタノールがカニの甲羅への色の定着性、色調が向上する点で好ましい。
特に、溶剤としてエタノールをインク中20〜65重量%、とりわけ35〜60重量%用い、塗装後、セラックで保護すると、塗膜の剥離がなく、色調も良好という効果が得られる。
本実施形態において可食性インクには、グリセリン等の湿潤剤を使用しないほうが、カニの甲羅への色の定着性向上の観点から望ましい。
その他、可食性インクには、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の展着/沈降防止剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、保存剤等の通常可食性インクに用いられる添加剤を必要に応じて用いることができる。
その他、可食性インクには、塩化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の展着/沈降防止剤、界面活性剤、pH調整剤、消泡剤、保存剤等の通常可食性インクに用いられる添加剤を必要に応じて用いることができる。
本実施形態に係る製造方法により、文字を彫刻、彩色により加工した魚介類食品としての文字入りのカニを図6に示す。図6に示すように、本実施形態では、文字1として、「祝」、「福」の黒枠内白色文字に彩色された加工後の魚介類食品としてのカニ30が得られる。
本実施形態においては、食材としての魚介類(照射対象物)は、所望の文字又は画像を入れるのに適切である点で、カニ類、エビ類、又は貝類であることが好ましい。特に、カニ類の甲羅にレーザー照射及び白色彩色による文字を加工することは、甲羅が他の魚介類の表面より比較的平坦で且つ広いこと及び紅白という祝事に際しての縁起物として提供できるため、一層望ましい。また、特にホタテ貝等の貝類は、安定した白色を有していて且つ平面部分が多いため対象物として好ましく、この場合、レーザーによって中抜き黒文字(縁のみの文字)若しくはベタ黒文字(ベタ塗り文字)に加工すること又は白以外の色に彩色することが好ましい。
加工対象である魚介類の表面としては、例えば、カニ類の甲羅、エビ類の甲殻、又は貝類の貝殻等が挙げられる。かかる対象の場合には、レーザーを照射した際に食品内側の可食部への影響の問題がなく、文字又は画像をより鮮明に刻設することが可能となる。
文字1を形成するためのレーザー照射をする工程は、通常、食材としての魚介類10の水揚げ、湯がき及び下処理(具体的には、滅菌海水処理のうえ、灰汁や汚れの除去等をする)の工程の後に行う。また、レーザー照射をする工程及び彩色工程の後には、通常、鮮度を保つ必要性から、文字1又は画像入り魚介類食品30を冷凍する。また、魚介類10を短時間で出荷することができる等の場合には、文字1又は画像を付した後に冷凍することなく、未冷凍のままにすることもできる。
文字1又は画像入り魚介類食品30としてのカニを冷凍する際には、通常、グレース加工(カニを冷凍する際、乾燥や冷凍焼けから身を守るために施す冷凍カニ独自の瞬間凍結方法)を施す。その際、グレース加工(塩分濃度15%前後)を吹付け又は浸け込みにより行うが、本実施形態により得られる文字1又は画像を備える魚介類食品30は、耐冷性乃至耐流水性を十分に備え、グレース加工を施した場合でも支障がない。
また、一部のタラバガニやズワイガニ等は、高鮮度を保つ目的で水揚げ時に船上で湯がき及び冷凍加工までを行うため、上記の通常フローでは冷凍前の作業が行えないが、これらの冷凍カニに対しては、グレース加工によってできた半透明のグレースを透過するレーザーの性質を利用し、グレースの上から甲羅に対して前述の方法と同様にレーザー加工を施すこともできる。この場合は、白色等の色付けは行わず縁取りの線画で行い、下記の様な工程で行う。
水揚げ→湯がき→下処理→冷凍→(文字又は画像の加工)
このようなフローによる文字等加工によっても、前記と同様の効果が得られる。
水揚げ→湯がき→下処理→冷凍→(文字又は画像の加工)
このようなフローによる文字等加工によっても、前記と同様の効果が得られる。
更に、黒枠に白色の文字1が形成された加工表面に対して、例えば、食用スプレー、又は刷毛塗りした後、送風にあてて、10分〜1時間程度乾燥する等により、保護するコーティング処理を施すことが好ましい。かかるコーティング処理により、形成した文字1又は画像を長期に亘り鮮明に保持する等画質の劣化を防止でき、また文字1又は画像の剥がれも防止できる等種々の耐性を向上できる。コーティング処理による保護層形成に使用する保護剤としては、前述したセラックが好ましい。
本発明によれば、表面の内側にある可食部には至らない深さの所定の文字又は画像が表面に加工されている、文字又は画像入り魚介類食品を提供できる。かかる魚介類食品は、表面に前述したような「祝」、「寿」、「福」、「感謝」等の祝事、招福等を表す所定の文字又は画像がくっきりと鮮明に加工されている。
特に、文字又は画像が白色に彩色されているカニ類は、甲羅の表面に大きく且つ見やすく文字を設けられ、また紅白という祝事に際しての縁起物、贈答品等として高付加価値品として好ましく提供することができる。
本発明はまた、他の好ましい実施形態として、食材としての魚介類の表面を覆うためのマスキング材であって、該マスキング材に対しレーザー光によるレーザー照射をして、加工する文字又は画像と同寸のフチを彫り、そのフチの内側部分を取り除いたマスキング材を使用する工程を更に含む、前記文字又は画像入り魚介類食品の製造方法(第2の実施形態)を提供することができる。
第2の実施形態に係る製造方法によっても、前述した一の実施形態と同様に、食品内側の可食部に影響を及ぼすことなく、くっきりと鮮明な文字又は画像を表面に加工した文字又は画像入り魚介類食品を簡便に製造することができる。
本第2実施形態についてカニの甲羅に祝文字を付与する例を挙げて具体的に説明すると、まず事前に、後記のレーザー照射工程で実行用の祝文字に係るインプットデータ(データA)と、次の色付け工程で実行用のマスキング材上のフチ文字(データAと同寸)に係るインプットデータ(データB)を用意する。そして、事前にデータBに基づいてレーザー照射によりフチ文字を形成しその内部を繰り抜いたマスキング材(曲面にフィットする素材、例えばシリコン素材や、マスキングテープ等の養生資材が望ましい)を作成しておく。特に、3Dプリンター等で制作した柔軟な低硬度(0°〜15°)のシリコン素材を用いると、個体差のある甲羅表面の凹凸に対しても、よりマスキング材を密着させ文字等の輪郭をくっきり描くことができるため好ましい。
(第2実施形態のフロー)
(1)レーザー照射工程
カニの甲羅表面に対し、レーザー光によりレーザー照射をデータAに基いて実行する。この工程により、黒色の装飾文字が得られる。
(1)レーザー照射工程
カニの甲羅表面に対し、レーザー光によりレーザー照射をデータAに基いて実行する。この工程により、黒色の装飾文字が得られる。
(2)色付け工程
続けて、前記(1)工程で形成した装飾文字とフチ文字内部を繰り抜いたマスキング材の当該繰り抜き部分とが重なるように、カニの甲羅表面にマスキング材を当てて、白色の可食性インク組成物をエアブラシ噴射する。ここで用いる白色インク組成物としては、例えば、二酸化チタン、トリポリリン酸ナトリウム、エタノール及びセラックを含む組成物等が挙げられる。なお、白色インク組成物を塗布する方法は特に限定されず、エアブラシやインクジェット、その他吹付け等によることができる。
続けて、前記(1)工程で形成した装飾文字とフチ文字内部を繰り抜いたマスキング材の当該繰り抜き部分とが重なるように、カニの甲羅表面にマスキング材を当てて、白色の可食性インク組成物をエアブラシ噴射する。ここで用いる白色インク組成物としては、例えば、二酸化チタン、トリポリリン酸ナトリウム、エタノール及びセラックを含む組成物等が挙げられる。なお、白色インク組成物を塗布する方法は特に限定されず、エアブラシやインクジェット、その他吹付け等によることができる。
(3)乾燥(定着)工程
白色インク組成物を塗布してできた塗膜からなる祝文字部を5〜10分程度、送風乾燥する。
白色インク組成物を塗布してできた塗膜からなる祝文字部を5〜10分程度、送風乾燥する。
(4)表面コーティング(剥離防止)工程
天然樹脂からできた食用セラックを20重量%濃度でエタノール溶解したセラック溶液を用いて、スプレー噴射又は刷毛塗りにより、表面コーティングを行う。なお、セラック溶液は、必要に応じてエタノールで5重量%程度になるように希釈して用いることができる。また、この手順は、前記(2)の工程に混ぜて一度に行ってもよい。
天然樹脂からできた食用セラックを20重量%濃度でエタノール溶解したセラック溶液を用いて、スプレー噴射又は刷毛塗りにより、表面コーティングを行う。なお、セラック溶液は、必要に応じてエタノールで5重量%程度になるように希釈して用いることができる。また、この手順は、前記(2)の工程に混ぜて一度に行ってもよい。
(5)乾燥仕上げ工程
表面コーティング後の祝文字部を5分程度、送風乾燥する。
表面コーティング後の祝文字部を5分程度、送風乾燥する。
(6)急速冷凍工程
通常のカニ出荷フローへ戻る。
通常のカニ出荷フローへ戻る。
本発明はまた、食材としての魚介類の表面をマスキング材によりマスキングし、レーザー光によりレーザー照射をして該マスキング材上に所定の文字又は画像のフチを彫り、そのフチの内側部分を取り除き、前記魚介類の表面上の塗り部分に対し白色等の可食性インクを噴射等により塗装して彩色を施して乾燥した後(必要に応じて二度塗りをする)、更に必要に応じてセラック噴射等によりコーティングをした後、マスキング材を取り除いて乾燥仕上げをする、魚介類食品の製造方法を提供することもできる。かかる方法によれば、事前準備を簡略化して、マスキングテープ等で彫り、色入れまで一気に行うことができ、製造工程を少なくできる。
以上、本発明の好適な実施形態を示したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨・効果を逸脱しない範囲で適宜変更形態とすることができる。
例えば、レーザー光は、加工対象に対し、ミラー等を用いて間接的に照射することもできる。また、レーザー光によるレーザー照射工程において、彫刻加工と同時に又はその前に、前記の可食インクによる彩色工程を施すこともできる。さらには、レーザー光によるレーザー照射工程において、彫刻加工に代えて、前記の可食インクによる彩色を施すこともできる。この場合は、レーザー光による照射を利用して、食材としての魚介類の表面に対して、文字又は画像を形成する箇所に、前述した可食性インクを用いて直接又は間接に白色その他の種々色を有する文字又は画像を形成した魚介類食品を製造することができる。この場合、本発明に係るレーザー光を照射しなくとも、これに代わるインクジェット等の適宜な手段により可食性インクを塗布して有色の鮮明な文字等を形成することもできる。
また、文字又は画像の彫刻加工部分その他の下地処理した部分の上部に、前記可食インクによる彩色を施すことで、より可食インクによる良好な文字等の形成を可能とする。
また、文字又は画像の彫刻加工部分その他の下地処理した部分の上部に、前記可食インクによる彩色を施すことで、より可食インクによる良好な文字等の形成を可能とする。
本発明はまた、3Dフードプリンター等の3Dプリンターを用いて、文字・画像入り魚介類食品を製造する場合にも適用ができる。
本発明の魚介類食品の表面にあしらう文字として、前記の文字のほか、種々の文字を形成することができる。また、本発明の魚介類食品の表面には、文字のほか、画像をあしらうこともできる。例えば、図7に示すように、「迎春」(文字1)+「富士」、「鶴」(図(絵)からなる画像2)を形成したものや、図8に示すように、「祝!合格」(特殊文字1による図(絵)からなる画像2)を形成したもの等も、広く本発明に包含される。なお、図7及び図8における文字・画像は本出願人が購入したイラスト素材(提供元:ピクスタ株式会社)を採用した本発明に係る文字・画像入り魚介類食品への適用例(一見本)である。
これらの文字1及び/又は画像2を加工された魚介類食品も、前述した実施形態に係る製造方法と同様に、照射対象物であるカニの甲羅やホタテ貝の殻等の内側にある可食部にはレーザー照射が至らない所望の照射強度、照射条件に制御して加工を施すことにより、得ることができる。
文字については、その字体や色彩に制限はなく、また、前述した実施形態のほか縁のみで中の色彩のない中抜き黒文字、ベタ黒文字、斜線黒文字のほか、縁のない白色のみ、縁あり若しくは縁無しの白色以外の例えば赤、黒、緑等に色彩の文字等を形成することもできる。
画像の場合についても、その色彩等を前記文字の場合と同様にして付加することができる。
画像の場合についても、その色彩等を前記文字の場合と同様にして付加することができる。
また、文字又は画像入り魚介類食品の商品として、四大カニセットのほか、単品のカニ、二大又は三大カニセット、5つ以上の複数のカニセットとすることもでき、文字又は画像1入り魚介類としては、1つのカニに文字を入れた形態、複数のカニに文字を入れた形態の何れにもすることができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって何等限定されるものではない。
本発明の製造方法で得られる文字又は画像入り魚介類食品としてのカニは、冷凍カニとしてグレース加工を施す際、実際には吹付け又は浸け込みで行うため、冷凍後に文字等部位が流水に耐えられるかどうか(耐冷・耐流水性)、また流水後に文字等部位を指で擦った場合に剥離しないかどうか(耐流水・耐擦過性)の確認試験を行なった。
まず、二酸化チタン11重量部、エタノール20重量部、セラック10重量部、及びトリポリリン酸ナトリウム5重量部からなるインク組成物Aを調製し、準備した。
また、表面コーティング用のセラック溶液も調製し、準備した。セラック溶液は、天然樹脂からできた食用セラックを20重量%濃度でエタノール溶解とし、さらにエタノールで希釈して5重量%のセラック溶液とした。
また、表面コーティング用のセラック溶液も調製し、準備した。セラック溶液は、天然樹脂からできた食用セラックを20重量%濃度でエタノール溶解とし、さらにエタノールで希釈して5重量%のセラック溶液とした。
(耐冷・耐流水性試験)
インク組成物Aを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上からエアブラシで5重量%のセラック溶液を噴射して乾燥した。そして、甲羅に文字部を形成したカニを塩分濃度12〜15%の水に浸けて家庭用冷凍庫(−18℃)で冷凍し、その後解凍した。その後、セラックコーティング後の文字部に対し、流水を掛けたところ、文字部の剥がれがなく、白色の発色性も問題がなかった。
なお、この結果は、実際のグレース加工に対しても支障がないレベルであるといえる。
インク組成物Aを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上からエアブラシで5重量%のセラック溶液を噴射して乾燥した。そして、甲羅に文字部を形成したカニを塩分濃度12〜15%の水に浸けて家庭用冷凍庫(−18℃)で冷凍し、その後解凍した。その後、セラックコーティング後の文字部に対し、流水を掛けたところ、文字部の剥がれがなく、白色の発色性も問題がなかった。
なお、この結果は、実際のグレース加工に対しても支障がないレベルであるといえる。
(耐流水・耐擦過性試験)
インク組成物Aを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上からエアブラシで5重量%のセラック溶液を噴射して乾燥した。そして、セラックコーティング後の文字部に対し、更に流水を掛けたまま指で擦ったところ、文字部の剥がれがなく(指に付かない)、白色の発色性も問題がなかった。
インク組成物Aを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上からエアブラシで5重量%のセラック溶液を噴射して乾燥した。そして、セラックコーティング後の文字部に対し、更に流水を掛けたまま指で擦ったところ、文字部の剥がれがなく(指に付かない)、白色の発色性も問題がなかった。
二酸化チタン10重量部、エタノール10重量部、セラック3重量部、及びトリポリリン酸ナトリウム5重量部からなるインク組成物Bを調製し、準備した。
インク組成物Bにおけるエタノールの含有量比を15、25及び30重量部に変更した以外は組成物Bと同様にして、それぞれインク組成物C、D及びEを調製し、準備した。
(耐冷・耐流水性試験)
インク組成物B〜Eそれぞれを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上から樹脂からなる食用セラックをエタノールで20重量%濃度としたセラック溶液を刷毛塗りして乾燥した。そして、甲羅に文字部を形成したカニを塩分濃度12〜15%の水に浸けて家庭用冷凍庫(−18℃)で冷凍し、その後解凍した。その後、セラックコーティング後の文字部に対し、流水を掛けたところ、すべて文字部の剥がれがなく、白色の発色性も問題がなかった。
インク組成物B〜Eそれぞれを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上から樹脂からなる食用セラックをエタノールで20重量%濃度としたセラック溶液を刷毛塗りして乾燥した。そして、甲羅に文字部を形成したカニを塩分濃度12〜15%の水に浸けて家庭用冷凍庫(−18℃)で冷凍し、その後解凍した。その後、セラックコーティング後の文字部に対し、流水を掛けたところ、すべて文字部の剥がれがなく、白色の発色性も問題がなかった。
(耐流水・耐擦過性試験)
インク組成物B〜Eそれぞれを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上から20重量%のセラック溶液を刷毛塗りして乾燥した。そして、セラックコーティング後の文字部に対し、更に流水を掛けたまま指で擦ったところ、文字部の剥がれがなかった(指に付かない)。また、白色の発色性については、組成物Bにより形成した文字部が最も良好で、組成物C、D、Eにより形成した文字部はエタノール比が高くなる順に、白色が薄くなる傾向にあった。
インク組成物B〜Eそれぞれを用いてカニ甲羅に刷毛塗りし乾燥して文字部を形成し、その上から20重量%のセラック溶液を刷毛塗りして乾燥した。そして、セラックコーティング後の文字部に対し、更に流水を掛けたまま指で擦ったところ、文字部の剥がれがなかった(指に付かない)。また、白色の発色性については、組成物Bにより形成した文字部が最も良好で、組成物C、D、Eにより形成した文字部はエタノール比が高くなる順に、白色が薄くなる傾向にあった。
以上、実施例1、2の結果は、カニの甲羅表面にレーザー照射をして黒色の装飾文字又は画像を形成した後、当該装飾文字又は画像上に白の彩色を施すことで効果が顕著に現れることがわかる。
本発明は、食品内側の可食部に影響を及ぼすことなく、くっきりと鮮明な文字又は画像を簡便な方法により表面に加工することのできる文字又は画像入り魚介類食品の製造方法、並びに、表面にくっきりと鮮明な文字又は画像が入った魚介類食品として、産業上の利用可能性を有する。さらに、本発明は、耐冷性、耐流水性、耐擦過性を備えるとともに、発色性に優れた彩色の文字又は画像を甲羅表面に加工するカニ等の魚介類食品の製造方法、及びそのような優れた彩色の文字又は画像を有するカニ等の魚介類食品として、産業上の利用可能性を有する。
1:文字
2:画像
10:食材としての魚介類(カニ)
20:レーザー照射装置
21:レーザー照射口
22:照射口支持部
23:レーザー光
30:文字又は画像入り魚介類食品(カニ)
2:画像
10:食材としての魚介類(カニ)
20:レーザー照射装置
21:レーザー照射口
22:照射口支持部
23:レーザー光
30:文字又は画像入り魚介類食品(カニ)
Claims (3)
- 食材としてのボイル後の魚介類の表面の内側にある可食部には至らない深さで表面に加工された所定の文字又は画像が彩色されていることを特徴とする文字又は画像入り魚介類食品。
- 前記魚介類食品がカニ類であり、前記文字又は画像が白色に彩色されてなる、請求項1記載の文字又は画像入り魚介類食品。
- 前記魚介類食品が貝類であり、前記文字又は画像が白以外の色に彩色されてなる、請求項1記載の文字又は画像入り魚介類食品。
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