JP2013132213A - 食品のカラー印刷方法、および、それによって製造したカラー印刷食品 - Google Patents

食品のカラー印刷方法、および、それによって製造したカラー印刷食品 Download PDF

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Abstract

【課題】勢い製造コストの嵩むような可食シールや可食フィルムなどを利用せずとも、食品の表面に一体化して高い品質と装飾性とを達成できる全く新たな食品のカラー印刷技術を提供する。
【解決手段】対象食品1である林檎果実1の表面の印刷対象箇所2を含み、且つ該印刷対象箇所2を僅かに上回る範囲3に対し、水、イナゲル(登録商標)粉、食品用ニスを所定の割合で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成した後、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にて可食下地層域4を形成(C,D)した後、該可食下地層域4上適所の印刷対象箇所2に対し、可食印刷機(図示せず)にて、可食インクからなる可食カラー表示層5を形成(F)・乾燥(G)するようにしてなる食品のカラー印刷方法である。
【選択図】図1

Description

この発明は、食品の表面に文字、記号、絵、模様などを印刷・表示可能とする技術に関連するものであり、特に、果実、野菜、もち、せんべい、スライス乾燥果物、チョコレート、クッキー、まんじゅう、スルメ、パン、ケーキなどを始めとする様々な食品の表面に文字、記号、絵、模様などを可食カラー印刷・表示可能とする技術を提供する分野は勿論のこと、その可食カラー印刷済みの食品の製造、加工、調理、輸送、保管、陳列、展示および販売に必要となる設備、器具類、什器類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
赤色品種の林檎果実は、その成熟期に太陽光、特に紫外線を受けると、果皮中にアントシアニンを生成し、光線の強さに応じた濃さの赤色に着色するという性質があり、この性質を利用し、除袋直後、着色前の林檎果実表面に、遮光用のシートやフィルムなどを貼着し、貼着箇所以外の部分には太陽光を浴びせて充分に着色した後、それらの貼着物を剥離、除去し、日焼けしていない果皮部分が日焼けした周囲から浮かび上がり、文字や絵などを表示するようにして商品価値を高めるという栽培法が盛んに実施され、永年に亘り、贈答品や産直品などとして好評を博してきているが、黄色品種の林檎は、果実の成熟につれて果皮中に含まれるクロロフィルが分解し、果皮の地色は次第に黄化するが、太陽光を浴びてもアントシアニンは生成しないから、日焼けによる着色を利用した文字や絵の表示はできないという事情があった。
このため、赤色品種の林檎果実だけが、文字や絵柄などを表示して販売されることとなり、篭盛りや箱詰めなどの詰め合わせ商品として提供する場合などには、赤色林檎だけに文字や絵が表示してあり、黄色品種の林檎は無地のままとなって装飾のバランスが崩れてしまうという不具合を生じるばかりでなく、さらにまた、赤色林檎の日焼けによる文字や絵柄は、色調の濃淡(モノクロームのコントラスト)による表現しかできず、黄や青、緑、紫、ピンク、灰、茶、黒色などのカラーバリエーションを展開することは全く不可能であって、これまで以上の多彩な表現に展開するには限界があり、しかも、生産には長期間を要し、天候による品質への影響が大きく、不良を回避して必ず良品を得るためには、複数個の林檎に同じ表示内容の日除け処理を施し、収穫期になって一番良くできているものを選別して出荷しなければならないことも想定されるなど、通常の栽培より、一層厳しい品質管理が要求されることから、勢い高価なものとなってしまうという致命的な欠点を伴ってきた。
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となり得るような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)ないし(3)に提案されているものに代表されるように、可食インクジェット用インクの製造方法によって製造した可食インクを用いることにより、林檎果実の果皮表面に容易に高画質カラー印刷が可能になるということが想定されるようになり、また、このような可食インクを、同特許文献1(4)ないし(6)に見られるような、可食シールや可食フィルムの技術などに応用することによって林檎等果実の果皮表面に効率的に文字や絵柄などを表示することが可能になるということも考えられる外、同特許文献1(7)のような、溶解除去可能な可食フィルムに、可食インクにて印刷したものを林檎果実の果皮表面に貼着するようにすれば、可食インクによる林檎果実への印刷・表示を実現化できるかもしれないというような期待感を有する幾つかの技術が散見される。
しかしながら、林檎は、収穫後、日が経つに従って果皮表面に油(ワックス)膜が生じてしまうという性質を持つことから、前者特許文献1(1)ないし(3)に示されているような水溶性の可食インクでは容易に弾かれてしまい、綺麗なカラー印刷ができないという欠点を有しており、特許文献1(4)ないし(6)に代表するような可食シールなどは、日焼け林檎と並べて陳列した場合などに、フィルム部分の有無という点で質感に差異が生じ、見方によっては商品の統一性を確保できなくなるという難点が際立つものとなってしまう虞があり、最後に取り上げた特許文献1(7)のように、外表面が濡れた状態となっている豆腐、コンニャク、剥き身の茹で卵などの加工食品の表面に貼着後、デンプンやコラーゲン、ゼラチン、オブラート、水飴、コーン、砂糖などからなるシール部分が、次第に食品外表面に染み込み、溶解・消失するようにし、可食インクによる印刷表示部分のみを残存させるというような技術は、林檎果実のように乾燥した硬い果皮には不向きであり、シール部分が果皮に浸透することは殆どないと予想される上、仮にも、シール部分が果皮に浸透、消滅するものとした場合には、油(ワックス)膜が、直接可食インクに接して弾いてしまい、印刷部分の形状を維持できなくしてしまうという虞があり、乾燥した硬い果皮の林檎や夏みかんのような果実はじめ、その他同様の性状を有する他の食品などへの適用までを想定したものとなっていないことは明白である。
(1)特開2010−215687号公報 (2)特開2010−248440号公報 (3)特開2010−248441号公報 (4)特開2010−88329号公報 (5)実用新案登録第3098030号公報 (6)実開平7−7489号公報 (7)特開2010−110273号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種可食インク類および可食シール類などでは、何れも林檎果実その他で、乾燥した硬い果皮を有する果実や、それと同様の性状を呈する食品などにそのまま利用することは全く不可能であり、林檎王国に立地して、永年に亘って林檎に係わりの深い顧客や市場ニーズに様々に対応した高品質、高付加価値の商品を提供し続けてきている中、それらから得られた様々な知見、および市場や店舗からの情報などに基づき、林檎の更なる高品位化、高付加価値化のため、果実そのものの有する色艶に加え、斬新でデザイン性に秀れた外観を有する林檎の実現を、従来の手法にはない新規な技術思想を以て実現可能とすることにより、林檎等果実類の一層の拡販を図り、天災に見舞われて落ち込む地元経済の、一刻も早い復興に繋げる必要性を痛感するに至ったものである。
(発明の目的)
そこで、この発明は、勢い製造コストの嵩むような従前までの可食シールや可食フィルムなどを利用せずとも、食品の表面に一体化して高い品質と装飾性とを達成できるようにした全く新たな食品のカラー印刷技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、県農業試験場の指導を仰ぎつつ、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な食品のカラー印刷方法、および、それによって製造した新規な構造のカラー印刷食品を実現化することに成功し得たものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の食品のカラー印刷方法は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、対象食品表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成した後、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機にて、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥するようにしてなる構成を要旨とする食品のカラー印刷方法である。
この基本的な構成からなる食品のカラー印刷方法を、より具体的に示すと、対象食品表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水、イナゲル粉、食品用ニスを所定の割合で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成した後、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機にて可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、食品用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにした構成からなる食品のカラー印刷方法となる。
さらに具体的には、果実果皮表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲を、適宜脱脂処理にて果皮表面に元来生成している油(ワックス)層を除去し、確保した下地処理範囲内に対し、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層中に気泡や皮膜ムラが無いか検品した後、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機にて可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう製菓用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにした構成からなる食品のカラー印刷方法となる。
(関連する発明)
上記した果実食品のカラー印刷方法に関連し、この発明には、そのカラー印刷方法によって製造したカラー印刷食品も包含している。
即ち、対象食品表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥するようにしてなるものとした、この発明の基本をなす前記食品のカラー印刷方法によって製造したカラー印刷食品である。
より具体的なものとして示すと、収穫した果実果皮表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲を、適宜脱脂処理にて果皮表面に元来生成している油(ワックス)層を除去し、確保した下地処理範囲内に対し、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう製菓用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにしてなるものとした構成からなる、この発明の基本をなす前記食品のカラー印刷方法によって製造したカラー印刷食品と云うことができる。
以上のとおり、この発明の食品のカラー印刷方法によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、対象食品の油(ワックス)層を有し、可食インクを弾いてしまう性質をもつ表面に、イナゲル粉を主成分とするイナゲル層にて可食下地層域を形成し、可食インクからなる可食カラー表示層を形成可能とし、可食カラー印刷の定着を実現化可能としたことにより、例えば、従前までは可食カラー印刷が不可能であった、林檎などの各種果実果皮の表面などに、精細画像として鮮明に印刷表示可能とし、安定して定着可能なものとすることができ、短時間且つ効率的に様々な食品の商品価値を格段に高めることができるようになるという秀れ特徴を得ることができる。
加えて、水、イナゲル粉、食品用ニスを所定割合で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成するようにしたことにより、該食品用ニスが、イナゲル・ニス層(可食下地層)の粘着性およびそれによる密着性を格段に高め、しかも可食下地層の耐久強度を格段に向上するものとなるから、可食カラー表示層を含む範囲を外力から保護し、不要なヒビ割れや剥がれ、欠けなどの損傷を、より確実に防止可能とし、格段に耐久性に秀れた可食カラー表示を実現化することができる
そして、果実果皮表面の凹凸の少ない箇所に決定した所望する印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲を、適宜脱脂処理にて果皮表面に元来生成している油(ワックス)層を除去し、確保した下地処理範囲内に対して水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層に可食下地層域を形成することにより、脱脂処理した下地処理範囲内に一段と強固な可食下地層域を装着することができ、しかも、当該イナゲル下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機によって可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう製菓用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにしてなるものは、可食下地層域および可食カラー表示層の双方を外力から保護し、それらのヒビ割れや欠け、剥がれなどの発生を一層確実に防止可能にすることができ、例えば、赤色系や黄色系などに関わらず、収穫後の短時間の中に、精密且つ鮮明な文字や絵などを、効率的に印刷できるようになるという秀れた効果を奏するものである。
対象食品表面の箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥するようにしてなるものとすることにより、表面に油成分を含み、従来までは全く可食カラー印刷不可能とされてきた様々な食品類にも、簡単且つ迅速に鮮明に印刷・表示することができ、格段に付加価値の高いカラー印刷食品を提供できる。
さらに、適宜脱脂処理にて果皮表面に元来生成している油(ワックス)層を除去し、確保した下地処理範囲内に対し、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にて可食下地層域を形成・強固に定着可能とすることによって、可食下地層域上に形成する可食カラー表示層を、ヒビ割れや欠け、剥がれなどから一段と確実に保護可能なものとし、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上には、その範囲を上回るよう製菓用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにして、さらに付加価値を高めた様々な果実を提供することが可能となり、特に、圃場における日焼け作用によって文字や絵などを表示している赤色系林檎の外、黄色系林檎にも可食カラー印刷を可能とし、様々なデザイン展開を実現化して、各種イベント毎に個性的な文字、記号、絵、イラスト、写真など何れをも実現化することができ、しかも、収穫後にプリントすることによって天候や病害虫などによる被害を被ることがなくなり、品質に秀れた果実を選択して印刷するよう合理的且つ効率的に製造することができるから、不良率を大幅削減して、格段に経済的に生産可能である上、例えば、店頭に可食印刷機を設置し、顧客から依頼を受けてから、その場で対象果実を選択し、希望通りに可食カラー印刷して包装、販売するという全く新しい販売形態も実現化可能となるなど、購買力にも秀れた新たなカラー印刷食品を提供することができる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
食品表面は、固形、半固形などの一定の形状を維持可能な食品であれば、何れの食品でも対象とすることが可能であり、例えば、菓子類、野菜類、穀物類、果物類、惣菜類、薬品類などとすることができ、より具体的には、もち、せんべい、スライス乾燥林檎、まんじゅう、チョコレート、クッキー、スルメ、パン、おにぎり、弁当、キャベツ、白菜、ニンジン、玉ねぎ、レモン、蜜柑、林檎、梨、葡萄、桜桃、桃、その他の食品や、食品以外の口腔内に含む、例えば、爪楊枝、串、マウスピース、笛などのような物品類などとすることができる。
対象食品表面の印刷対象箇所は、対象食品表面の印刷表示を希望する箇所であれば何れの場所でも良く、特に制限を設けるものではないが、可食インクによる可食カラー表示層を正確にプリントするには、出来るだけ凹凸の少ない箇所を選択するのが望ましく、平滑な範囲にプリントすることによって良品率を向上させることができ、後述する実施例に示すように、対象食品の表面に油(ワックス)層が存在し、可食インクを弾いてしまうようにする場合などには、適宜脱脂処理して該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲の油(ワックス)層を除去し、下地処理範囲を確保する必要があり、該脱脂処理は、食品およびその表面にあまり負担が掛からないよう、揮発後、安全に食すことが可能な、例えば医療用エチルアルコール類や飲用アルコール類を染み込ませたスポンジや布などによって拭き取り除去するのが望ましいと言えるもの、アルコール類による脱脂処理だけに限定される訳ではなく、例えば、有機溶剤類、オゾン溶液類、界面活性剤類、食用油類、その他の安全性と可食性とを確認した洗浄成分を、単体か混合するかし、または適宜使用順序にて組み合せて使用するなどし、脱脂および洗浄成分の洗浄除去、揮発除去などを施して脱脂済み状態にし、衛生的に乾燥可能なものとすることができる外、洗浄剤などを用いず、超音波洗浄やスチーム洗浄などによって脱脂処理することも可能である。
可食下地層域は、対象食品の表面箇所に決定した所望の印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に、後に形成する可食カラー表示層を確実に定着可能とする機能を担い、安全且つ対象食品の食味や食感などの品質に影響を与えず、食すことができるものとしなければならず、可食インクを弾かずに、定着、乾燥可能とするに適した組成からなるものとし、より具体的には、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆したものとしなければならず、後述する実施例に示すように、例えば、果実果皮表面のように収穫後、次第に油(ワックス)層を自然形成する性質を有する食品の表面を対象とする場合には、水、イナゲル粉、製菓用ニスを適宜割合で混合してなるイナゲル・ニス層を形成するのが望ましく、さらに具体的には、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆してなるものとするのが良いと言える。
また、可食下地層域は、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆したものか、または、水、イナゲル粉、食品用ニスを所定の割合で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆したものとすべきであるが、例えば、同様の組成からなり、食品への貼着面に粘着性または接着性を有するフィルム状に予め加工済みのものを食品表面に貼着可能としたものとすることができる外、イナゲル溶液や、イナゲル・ニス溶液などを吹き付けや塗布、転写、プリントなどによって形成するものとすることが可能であり、透明、半透明、不透明、有色、無色、鏡面、艶消しなど様々な表面を形成し、甘味、酸味、辛味などの様々な調味成分や芳香成分などを安全な範囲で適宜含有してなるものなどとすることができる。
可食カラー表示層は、対象食品表面の印刷対象箇所に、文字や記号、絵、柄模様などの様々な表示内容を可食インクによってカラー表示可能とする機能を担い、鮮明なプリントであり、安全に食すことができるものとし、フィルムやスタンプ機器などを媒介した手作業による貼着や印刷作業によらず、対象食品表面に形成した可食下地層域に可食印刷機によって直接的にプリントするようにしなければならず、2色以上の色彩を用いて多色印刷してなるものとし、印刷後は、充分に乾燥・定着させることが必要である。
可食カラー表示層を含む可食下地層域上には、可食カラー表示層を外部接触や過剰乾燥などによるひび割れ、欠け、剥がれなどの損傷や、水や汚れなどの付着による汚損などから保護する機能を担う外装被覆層を被覆することが可能であり、該外装被覆層は、可食カラー表示層を透視可能に保護し、安全に食することができるものとしなければならず、可食カラー表示層を含む可食下地層域上を密閉状に被覆するか、または、可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう密閉状に被覆するかの何れかとすべきであり、望ましくは、後述する実施例に示すように、可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう密閉状に被覆するようにすべきであり、より具体的には、可食カラー表示層の鮮明な表示を妨げない透明、半透明、薄い着色、ハーフミラー、レンズなどの様々な性質を付加的に有するものとすることが可能であり、可食安全性と耐久性とを考慮すると食品用ニスからなるものとするのがよい。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成について詳述することとする。
図面は、この発明の食品のカラー印刷方法、および、それによって製造したカラー印刷食品の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
食品のカラー印刷方法の一具体例を示すフローチャートである。 カラー印刷する林檎果実を工程順に示す正面図である。 林檎果皮表面およびその油(ワックス)層を示す断面図である。 脱脂処理した林檎果皮表面を示す断面図である。 可食下地層域を形成した林檎果皮表面を示す断面図である。 可食カラー表示層を形成した林檎果皮表面を示す断面図である。 可食カラー表示層を外装被覆層にて被覆した林檎果皮表面を示す断面図である。 可食カラー印刷を施した林檎果実の一例を示す正面図である。
図1ないし図8に示す事例は、対象食品1である林檎果実1の表面の印刷対象箇所2を含み、且つ該印刷対象箇所2を僅かに上回る範囲3に対し、イグナルを主成分とするイナゲル層にて可食下地層域4を形成(C,D)した後、該可食下地層域4上適所の印刷対象箇所2に対し、可食印刷機(図示せず)にて、可食インクからなる可食カラー表示層5を形成(F)・乾燥(G)するようにしてなる、この発明の食品のカラー印刷方法における代表的な一実施例を示すものである。
以下では、この発明の食品のカラー印刷方法の一例に従い順次、カラー印刷食品1の一例である林檎果実1の構造につてを示して行くこととする。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明のカラー印刷食品1は、収穫した林檎果実1の凹凸の少ない箇所に決定(A)した印刷対象箇所2を含み、且つ該印刷対象箇所2を僅かに上回る果皮表面範囲3にて、果皮表面1に元来生成している油(ワックス)層を、医療用エチルアルコールなどの揮発後安全に食すことができる揮発性脱脂液(可食脱脂剤)を染み込ませたスポンジなどにて拭き取り除去して脱脂処理(B)し、充分に揮発・乾燥させて、図1ないし図4のように、下地処理範囲3を確保する。
該脱脂処理(B)の対象となる下地処理範囲3は、印刷対象箇所2を含む部分的な範囲とすれば充分と言うことができるものの、作業の効率化や大量生産などを目的とする場合などには、林檎果実1果皮表面全体を丸ごと洗浄するなどして脱脂処理してしまうことも可能である。
図1、図2および図5に示すように、下地処理範囲内3に対し、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス液を塗布(C)し、ムラ無く均質に被覆した可食下地層域4(D)を形成し、充分に乾燥した後、可食下地層4中に気泡やムラなどが無いか目視にて検査(E)した上、図1、図2および図6に示すように、該可食下地層域4上適所の印刷対象箇所2に対し、それに適合する、例えばMastermind社製の可食印刷機(図示せず)によって可食インクからなる可食カラー表示層5を形成(F)し、インクの垂れや滲みなどを生じないよう静置して充分に乾燥・定着(G)する。
該可食下地層域4は、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス液を用いているが、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス液を用いることも可能であり、製菓用ニスの混合容積比率は、水:イナゲル粉を1:2に対して1ないし2の範囲とするのが最も望ましく、1未満では、充分な粘着性能が得られず、果皮表面1に元来生成している油(ワックス)層に弾かれてムラや塗り残しを生じる虞があり、また、2を超えると、粘性が強過ぎて厚塗り部分が生じてムラとなったり、可食下地層4中に気泡が発生してしまう虞が高くなるという欠点を生じるものであるが、各素材毎の粘度や混合温度、塗装温度など様々な条件によっては、水:イナゲル粉:製菓用ニスの1:2:1〜2の混合容積比の範囲を夫々超えて、適宜割合で混合し利用することが可能である。
当該可食印刷機は、可食インクジェットプリンター(Mastermind社製、型番NMP813BT−F)を使用し、パーソナルコンピューターの色調整ソフトウェアを適宜調整し、鮮明な印刷品質を得るようにする。
図1、図2および図7に示すように、乾燥した可食カラー表示層5を含む可食下地層域4上、および、該可食下地層域4周囲を1cm程度上回る範囲に渡り、製菓用ニスからなる外装被覆層6を塗布してその領域を密閉状に被覆・乾燥(H)するようにし、図2および図8に示すように、可食のカラー印刷を終えた林檎果実1の最終検品(J)行った後で、箱詰め、篭盛り、パック詰めなど適宜に包装(K)して出荷(L)するようにすることとなる。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の食品のカラー印刷方法、および、それによって製造したカラー印刷食品1は、それを開発する上で長期に亘り、様々な試行錯誤を繰り返し、理想的な品質を確保できるようにしたものであり、その開発過程に従い、順次達成した作用および効果について示していく。
1)可食印刷機:NMP813BT−Fの導入
試作1回目(テスト対象:約30個)対象食品(林檎)1の品種:とき、世界一
可食印刷機(図示せず)にて林檎果実表面1に直接印刷したところ、何れも可食インク(可食カラー表示層5)が載らず、しかも可食カラー表示層5が定着せず垂れてしまうという現象が起き、林檎果実1果皮の表面には可食インクが定着しないという事が判明し、この課題を克服するために、可食インク(可食カラー表示層5)を定着できる液体を林檎1に塗り、乾燥させてから印刷を行うことができれば完成させられると判断し、イナゲル粉を試してみることとした。
水とイナゲル粉とを容積比1:1の割合で調合したイナゲル溶液を印刷用紙上に塗布し、乾燥させてから可食印刷機による印刷を試みたところ、可食インク(可食カラー表示層5)が弾かれることなく留まり、充分な品質で印刷可能なことが確認できたので、当該イナゲル溶液をスポンジ(図示せず)に染み込ませ、林檎果実1の果皮表面に直接塗布・乾燥させてから可食印刷機によって印刷を試みてみたところ、印刷ムラが生じて充分な印刷品質を得ることができなかった。
2)水・イナゲル粉混合比の検討、および、下地処理
試作2回目(テスト対象:約40個)対象食品(林檎)1の品種:とき、シナノゴールド
次に、水とイナゲル粉とを容積比1:2の割合で調合したイナゲル溶液を林檎果実1果皮表面に塗布し、状態を確認しながら果皮表面に定着しないところは、複数回に亘ってスポンジで擦るように付けて乾燥させてから可食印刷機による印刷を試みたが、印刷品質は前回とあまり変わらなかった。
これまで行った実験により、林檎1の品種に関わらず、イナゲル溶液による可食下地層域4をムラ無く均質に塗布・形成できる林檎果実1と、ムラや塗り残しが生じてしまう林檎果実1とが存在し、印刷品質を安定化できないという課題が浮かび上がり、これを解決しようと工業試験所等に相談、アドバイスを受けた結果、収穫した林檎1は、日にちが経つにつれて油(ワックス)層10が出てくるものとの教示を得て、この林檎1果皮表面の油(ワックス)層10を綺麗に除去できれば、イナゲル溶液による可食下地層域4をムラ無く均質に塗布できるのではないかという糸口を掴み、インターネット検索や工業試験所などからの再三のアドバイスを仰ぎながら、ワインに浸してみたり、消毒用エチルアルコールをスポンジに染み込ませて林檎1果皮表面を拭いた後、イナゲル溶液を塗布してみたところ、こうした脱脂による下地処理を行わずに直接塗布した場合よりも、可食下地層域4をムラ無く均質に塗布・乾燥できることが判明した。
3)木工用ニスを用いた実験
試作3回目(テスト対象:約40個)対象食品(林檎)1の品種:とき、シナノゴールド
スポンジに消毒用エチルアルコールを染み込ませて油(ワックス)層10を拭き取った林檎果実1に可食印刷機による印刷を試みたところ、前回行った試作より、高い印刷品質を得ることができたが、しかし、未だ可食下地層域4にムラが生じ易く、印刷品質が安定しないといいう欠点が残っており、以上の結果を踏まえて、イナゲル溶液による可食下地層域4をムラ無く均質に形成できれば、可食印刷の品質を格段に向上できるという確信を得、粘着力のある液体を介在させてイナゲル溶液を塗布すれば、その粘着力によって可食下地層域4をムラ無く均質に定着させることができるのではないかと思料するに至ったものである。
そこで、実験的試みとして、粘着力のある液体として木工用ニスを林檎果実1果皮表面に塗り、乾燥させた後、可食印刷機による印刷を試みたところ、実用化できるような印刷品質を全く得ることができず、可食印刷機メーカーに原因を問い合わせてみたところ、木工用ニスは、可食インクを弾く性質があるため、実用化は無理だとの指南を受け、そのとおりの実験結果となってしまったが、それでも本願出願人は、ニスに狙いを定め、まず木工用ニスは、食品用には使用不可能なので、インターネット検索などの情報源により、ラックベース(商品名)という製菓用ニスで試験してみることにした。
この製菓用ニス(商品名:ラックベース)は、実験に使用した木工用ニスよりも乾燥が早く、粘着力が強いという利点があった。
4)製菓用ニス利用の検討
試作4回目(テスト対象:約30個)対象食品(林檎)1の品種:金星、とき、シナノゴールド
スポンジに消毒用エチルアルコールを染み込ませて油(ワックス)層10を拭き取った林檎果実1に、製菓用ニス(商品名:ラックベース)を塗布し、乾燥させた下地範囲に対し、イナゲル溶液による可食下地層域4を塗布する実験を試みたが、可食下地層域4の定着率は、約70%に留まり、所々に穴や気泡など生じてしまうという欠点が残るものであり、さらに、こうした実験を繰り返して行く中に、数日前に施した可食印刷による可食カラー表示層5が、その可食下地層域4諸共、乾燥によって亀裂と剥がれとを生じているのを発見した。
5)イナゲル溶液濃度の再検討
試作5回目(テスト対象:約30個)対象食品(林檎)1の品種:金星、シナノゴールド
水とイナゲル粉とを容積比1:2の割合で調合したイナゲル溶液では濃すぎるのではないかと考え、水とイナゲル粉との比率を変えて可食印刷を試みたが、それよりも濃度が薄過ぎると林檎果実1果皮表面に定着せず、また、濃過ぎると可食印刷機にかける前に、可食下地層4が剥がれ、脱落してまうという現象が発生することを確認し、その結果を踏まえ、可食下地層4を形成するイナゲル溶液の水とイナゲル粉との容積比を1:2の割合に戻し、スポンジに消毒用エチルアルコールを染み込ませて油(ワックス)層10を拭き取った林檎果実1に、製菓用ニス(商品名:ラックベース)を塗布し、乾燥させた下地範囲に、イナゲル溶液による可食下地層域4を塗布・乾燥させた後、該可食下地層域4の上から製菓用ニス(ラックベース)を上塗りしてみると、光沢が出て、剥げなくなり、しかも水に浸けてもほぽ落ちない状態に仕上がることが判明した。
しかし、以前に完成し、可食下地層域4に亀裂やひび割れが一旦生じてしまった林檎果実1の、可食カラー表示層5を含む可食下地層域4上に製菓用ニス(商品名:ラックベース)を上塗りしても、そのまま割れ目やひびは残ることを確認したので、可食下地層域4をムラ無く均質に塗布し、且つ乾燥後、長時間を経てもひび割れや剥がれを生じないイナゲル溶液の開発に全力を注ぐべきであると判断した。
6)2度塗りによる可食下地層域4の検討
試作6回目(テスト対象:約30個)対象食品(林檎)1の品種:金星、シナノゴールド
スポンジに消毒用エチルアルコールを染み込ませて油(ワックス)層10を拭き取った林檎果実1に、イナゲル溶液の水とイナゲル粉との容積比1:2の割合としたイナゲル溶液を塗布して、乾燥させた後に、再度イナゲル溶液を塗布・乾燥させて合計2度、重ね塗りするようにしてみた結果、ムラ無く均質かつ気泡や穴などの無い可食下地層域4を形成することができ、可食印刷機による印刷仕上りも、今までにないほど高品質の印刷が可能となったが、2度塗りした可食下地層域4は、時間の経過とともに次第にひび割れを生じ、可食カラー表示層5の剥がれや脱落を生じてしまう原因となり、これを防止しようとして製菓用ニス(商品名:ラックベース)を上塗りしても、ひび割れや脱落の予防にはならず、品質の劣化が生じ易いという欠点が残り、さらに、2度塗りと夫々の乾燥工程とを合わせると、相当の長時間を要するものとなって生産効率を悪化させてしまうことから、別の方法を検討すべきであるという結論に達した。
7)イナゲル・ニス溶液の利用、および、可食下地層域4、可食カラー表示層5外装被覆層6の重なり具合の検討
試作7回目(テスト対象:約50個)対象食品(林檎)1の品種:金星、シナノゴールド
これまでの経緯に基づき、水、イナゲル粉、製菓用スニ(ラックベース)の全てを混ぜ合わせてから林檎果実1に塗布することを試みることとしたものの、前述したとおり、スニ(ラックベース)は、可食インクを弾くと知っていたのであまり期待せずに試作を行って見た。
水、イナゲル粉、製菓用スニ(ラックベース)を、1:2:1〜2の容積比で調合したイナゲル・ニス溶液を作ると、製菓用スニ(ラックベース)の粘りが加わり、林檎果実1果皮表面に塗ると全体的に弾くことなく塗ることができ、印刷も2回塗りした時と同様、綺麗に仕上げることができ、その後は、乾燥させてから製菓用スニ(ラックベース)を上塗りし数日様子を見てみところ、時間がが経つにつれてやはり製菓用スニ(ラックベース)を塗っていない可食下地層域4の部分から割れ目が生じて来たので、これまでの試作では、印刷対象箇所2よりかなり大きく可食下地層域4を塗布、形成していたが、これを改め、今度は可食下地層域4を印刷対象箇所2より少しだけ大きく塗り、可食印刷を施した後に、可食下地層域4より1cm程度大きく製菓用スニ(ラックベース)を上塗りし、外装被覆層6を形成するようにしたところ、印刷後、長時間を経てもひび割れが生じなくなり、展示・販売に充分に耐える良品を得ることができるようになった。
(結 び)
叙述した如く、この発明の食品のカラー印刷方法、および、それによって製造したカラー印刷食品は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの食品へのカラー印刷技術に比較して果実の果皮表面のように油(ワックス)層を有する食品にも効率的且つ鮮明にカラー印刷することができ、さらに可食カラー印刷の表示品質および耐久性を大幅に高めると共に、低廉化して遥かに経済的なものとすることができるから、従来から広く行われている赤色系林檎の日焼けによる文字や絵などの表示技術に加え、全く新しい可食のカラー印刷を実現化することができるから、これまで不可能とされてきた林檎で、特に日光による模様付けの難しかった黄色系林檎などにも簡便に精緻なカラー印刷による柄模様付けを実現化することができ、林檎にも新たな付加価値を与えて更なる普及、拡大を図りたいと願う林檎農家は勿論のこと、林檎に留まらず、様々な食品を生産、販売する食品業界、および、食品の流通量を増加させたい食品流通業界は固よりのこと、多彩でデザイン性に秀れた食品を希望する各種企業や一般家庭などにおいても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 林檎果実(対象食品、果皮表面)
10 同 食品の油(ワックス)層
2 印刷対象箇所
3 下地処理範囲(可食アルコールによる脱脂処理)
4 可食下地層域(水:イナゲル粉:製菓用ニス)
5 可食カラー表示層
6 外装被覆層(製菓用ニス)
A 印刷対象位置の決定
B 脱脂処理
C イナゲル溶液の塗布
D 可食下地層の定着
E 可食下地層の検査
F 可食カラー表示層の印刷
G 食カラー表示層の定着
H 外装被覆層の被覆
J 最終検品
K 包装
L 出荷

Claims (5)

  1. 対象食品表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成した後、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機にて、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥するようにしてなることを特徴とする食品のカラー印刷方法。
  2. 対象食品表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水、イナゲル粉、食品用ニスを所定の割合で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成した後、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機にて可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、食品用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにしてなることを特徴とする食品のカラー印刷方法。
  3. 果実果皮表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲を、適宜脱脂処理にて果皮表面に元来生成している油(ワックス)層を除去し、確保した下地処理範囲内に対し、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層中に気泡や皮膜ムラが無いか検品した後、該イナゲル下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食印刷機にて可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう製菓用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにしてなることを特徴とする食品のカラー印刷方法。
  4. 対象食品表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲に対し、水およびイナゲル粉を主成分とするイナゲル層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥するようにしてなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし4何れか一項記載の食品のカラー印刷方法によって製造したカラー印刷食品。
  5. 収穫した果実果皮表面の凹凸の少ない箇所に決定した印刷対象箇所を含み、且つ該印刷対象箇所を僅かに上回る範囲を、適宜脱脂処理にて果皮表面に元来生成している油(ワックス)層を除去し、確保した下地処理範囲内に対し、水:イナゲル粉:製菓用ニスを1:2:1〜2の容積比で攪拌・混合してなるイナゲル・ニス層にてムラ無く均質に被覆した可食下地層域を形成し、該可食下地層域上適所の印刷対象箇所に対し、可食インクからなる可食カラー表示層を形成・乾燥した上、該可食カラー表示層を含む可食下地層域上に、その範囲を上回るよう製菓用ニスからなる外装被覆層にて密閉状に被覆するようにしてなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし4何れか一項記載の食品のカラー印刷方法によって製造したカラー印刷食品。
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